説明

高信頼性および低抵抗の電気的コンタクトのためのレーザプロセス

【課題】有機電子デバイスの処理および製造の分野において、電気的なリードを介して、均一かつ低い電気的接触抵抗で、電極と外部電源または電気的な制御デバイスとの接続部の量産において、高信頼性のプロセスを提供することである。
【解決手段】該電極との接続のために金属性パッドを設け、金属性パッドを有機発光ダイオードデバイス上に沈着するステップと、該金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を少なくとも部分的にカバーする切除窓を設けるステップと、前記切除窓を使用して該金属性パッドおよび該有機発光ダイオードデバイスを切除して、電極との接続部を形成するステップとを有することを特徴とする方法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に、有機電子デバイスの処理および製造の分野に関する。より特定的には、本発明は有機オプトエレクトロニックデバイスの製造および有機オプトエレクトロニックデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
有機オプトエレクトロニックデバイスの典型的な構造は、1つまたは複数の有機層を有し、たとえば正孔輸送層または電子輸送層等の導電層を有するか、または電磁放射を放出する有機エレクトロルミネセンス層を有する。有機オプトエレクトロニックデバイスはさらに、正孔注入電極層(アノード)および電子注入電極層(カソード)等の電極層を有する。電極層または電極は通常、電気的なリードによって外部電源または電気的な制御デバイスに接続されている。有機オプトエレクトロニックデバイスの例に、放射放出性の有機エレクトロルミネセンスデバイスがあり、これは一般的には、有機発光ダイオード(「OLED」)、有機放射検出デバイス、または有機薄膜トランジスタ(「OTFT」)デバイスとして知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、電気的なリードを介して、均一かつ低い電気的接触抵抗で、電極と外部電源または電気的な制御デバイスとの接続部の量産において、高信頼性のプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題は、
該電極との接続のために金属性パッドを設け、金属性パッドを有機発光ダイオードデバイス上に沈着するステップと、
該金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を少なくとも部分的にカバーする切除窓を設けるステップと、
前記切除窓を使用して該金属性パッドおよび該有機発光ダイオードデバイスを切除して、電極との接続部を形成するステップ
とを有することを特徴とする方法によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、有機オプトエレクトロニックデバイスの次のような製造方法が提供される。すなわち、
・基板を設けるステップと、
・第1の電極を基板上に沈着するステップと、
・金属性パッドを基板上に、第1の電極から電気的に分離して沈着するステップと、
・少なくとも第1の材料を、第1の電極上と、少なくとも部分的に金属性パッド上とに沈着するステップと、
・ビームを照射して、該ビームによって切除窓内の第1の材料を切除し、該切除窓は、金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を含むステップと、
・第2の電極を、第1の材料と前記切除窓とに沈着し、該第2の電極を、金属性パッドの縁辺の前記少なくとも一部と電気的に接触接続するステップ
とを有する製造方法が提供される。
【0006】
金属性パッドが電気的なリードに接続されることにより、該金属性パッドひいては第2の電極と外部電源または電子制御ユニットとが電気的に接続される。電源または電子制御ユニットは、電圧および/または電流を第2の電極へ供給するために使用される。これと同様に、第1の電極と電気的リードとが、直接接続されるかまたは金属性パッドを介して接続される。これによって、第1の電極は電源または電子制御ユニットに電気的に接続される。電子制御ユニットは、たとえば電圧供給部、電流供給部、増幅器、電流電圧変換器等のトランスインピーダンス増幅器等の、すべての適切な電子回路のうち任意の電子回路であるか、またはこれらの電子回路の任意の組み合わせである。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、切除窓は、第1の材料が切除される領域によって決定される。有利には切除窓は、第1の材料が完全に切除され、この切除プロセス後に第1の材料が存在しない領域によって決定される。
【0008】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、切除窓内の第1の材料を切除するビームは光ビームであり、有利にはレーザビームである。このレーザビームはコリメートされているかまたはコリメートされておらず、レーザビームはフォーカシングされているかまたはデフォーカシングされている。レーザビームの形状または基板上のレーザビームの投影の形状は、円形、楕円形または線状であるか、または、適切または所望の他のすべての形状のうち任意の形状である。
【0009】
有利には、レーザビームは第1の材料によって吸収され、切除プロセス中にたとえば第1の材料を加熱および蒸発することにより、該第1の材料を除去する。レーザビームは、紫外光から赤外光まで、すべての適切な波長のうち任意の波長を有する。本発明の少なくとも1つの有利な実施形態ではレーザは、150〜300nmの範囲内にある紫外光を有し、さらに有利には、198〜248nmの範囲内にある紫外光を有する。本発明の少なくとも1つの有利な実施形態では、レーザはエキシマレーザであり、さらに有利にはKrFエキシマレーザである。
【0010】
また、レーザビームは複数の波長を有する放射を有することができる。このことは、第1の材料が異なる吸収特性を有する異なる材料を含む場合に、特に有利である。たとえば第1の材料は、それぞれ異なる材料を有する複数の層を有する。したがって第1の材料から成る1つの層は、レーザビームの第1の波長によって切除され、第1の材料から成る別の層は、レーザビームの第2の波長によって切除される。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、切除窓の大きさはビームの大きさに等しい。とりわけ、切除窓の形状はビームの形状によって決定される。このことはとりわけ、レーザビームが第1の材料に照射される間は、基板に対して静的位置に維持されることを意味する。
【0012】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、ビームの大きさは切除窓より小さい。換言すると、ビームは第1の材料の切除中に移動されるのに対し、基板は固定されている。ビームは、たとえば鏡、レンズまたはトランスレーションステージ等の、すべての適切な機械的手段または光学的手段のうち任意の手段によって移動される。択一的に、基板を切除プロセス中に、たとえば機械的なトランスレーションステージ移動することができる。こうすることにより、ビームは効果的に、基板に対して移動される。択一的に、ビームおよび基板の双方を相互に相対的に移動することができる。
【0013】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、ビームの大きさは切除窓より大きい。このことは、本発明の少なくとも1つの実施形態において、ビームが照射される領域内に位置する第1の材料の少なくとも一部が、ビームによって切除されないかまたは完全には切除されず、切除プロセス後に、第1の材料の少なくとも一部を基板上に、ビームが照射された領域内に残すことができることを意味する。たとえば、ビームの強度プロフィールはビームの大きさにわたって均等でなく、かつ、ビーム強度をたとえば該ビームの中心から縁辺に向かって低減していくようにすることができる。ビームの中心において該ビームの強度が比較的高いことにより、ビームの中心に位置する第1の材料が、該ビームの中心の近傍に位置する第1の材料より迅速に切除される。切除プロセスの持続時間に依存して、ビームの中心の近傍にある第1の材料のみを切除し、ビームの縁辺近傍の第1の材料を基板上に残留することができる。
【0014】
本発明の少なくとも1つの別の実施形態では、ビームは、少なくとも1つの開口を有するマスクを通して照射される。ここではマスクは、切除窓に等しい。このような実施形態はとりわけ、ビームの大きさが所望の切除窓より大きいか、またはビームの形状が切除窓の所望の形状とずれている場合に、特に有利である。ビームが照射される際に通過する少なくとも1つの開口を有するマスクによって、切除プロセス時に切除窓の所望の形状を、どのような形状でも実現することができる。マスクの少なくとも1つの開口の有利な形状は、線状、円形、楕円形、矩形、正方形、または別のすべての適切な形状のうち任意の形状であるか、またはこれらの形状の組み合わせである。また、複数の開口を有するマスクを通してビームを照射し、複数の切除窓内の第1の材料を同時に切除することも有利である。
【0015】
本発明の少なくとも1つの有利な実施形態では、切除窓の形状は、100μmの長さおよび50μmの幅を有する矩形である。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、第1の材料を第1の電極上に沈着し、かつ金属性パッド上に少なくとも部分的に沈着するステップでは、有機材料が沈着される。第1の材料を沈着するステップでは、有機材料の複数の層のスタックを第1の電極上に沈着することができ、その際にはこの複数の層は、同様の機能を有するか、またはそれぞれ異なる機能を有する。有機材料は、電子注入、正孔注入、電子輸送、正孔輸送、発光および光吸収の機能と、これらの機能の適切な組み合わせとのうち少なくとも1つの機能を果たす。有利には第1の材料は、未構造化の連続的な層の形態で沈着される。有利には第1の材料は、構造化されていない連続的な層の形態で沈着される。第1の材料は、電子注入層、正孔注入層、電子輸送層、正孔輸送層、発光層、光検出層のうち少なくとも1つの層を形成する。たとえば、有機オプトエレクトロニックデバイスがOLEDである場合、第1の材料は正孔輸送層と発光層とを有するか、または正孔輸送層と発光層と電子輸送層とを有する。
【0017】
有機材料は、有機モノマ、有機オリゴマ、有機ポリマおよび有機小分子のうち少なくとも1つを含む。さらに、第1の材料が有機材料の複数の層を有する場合、この複数の層は同様の有機材料を含むか、または異なる有機材料を含む。たとえば有機オプトエレクトロニックデバイスが、上記のような複数の機能層を有するOLEDである場合、すべての機能層が有機ポリマを含むことができる。
【0018】
第1の材料を第1の電極上に沈着し、金属性パッド上に少なくとも部分的に沈着するために、すべての適切な技術のうち任意の技術を使用することができる。第1の材料は有利には、層ごとに金属性パッド上に塗布される。有利には、有機ポリマを含む第1の材料がスピンコーティングによって沈着されるのに対し、有機小分子は有利には、熱による蒸発によって沈着される。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、第1の材料は絶縁性材料を有し、第1の電極上に沈着され、かつ金属性パッドの少なくとも一部に沈着される。この絶縁性材料は、構造化された層として第1の電極上に形成され、この構造化された層が、絶縁性材料を有さない窓を有するように形成される。絶縁性材料を有さないこのような窓内に別のステップで、1つまたは複数の機能層の形態の有機材料を、非選択性の沈殿技術または選択性の沈殿技術によって沈着し、たとえばインクジェット印刷によって沈着することができる。この窓はたとえば、有機オプトエレクトロニックデバイスの機能単位を定義し、たとえばOLEDのピクセルまたはサブピクセルを定義する。第1の材料はたとえば、有機または無機の絶縁性材料を有する。
【0020】
択一的に第1の材料は、絶縁性材料の少なくとも1つの層と、有機材料の少なくとも1つの層とを有することができる。ここで、絶縁性材料は有利には構造化されて、第1の電極上に構造化された層を形成し、該絶縁性材料が、該第1の電極上に絶縁性材料を有さない窓を有するように構成される。有機材料はこの絶縁性材料と窓とに沈着され、連続的な層が形成されるか、または構造化された層が形成される。
【0021】
絶縁性材料は、たとえば絶縁性ポリマを有する。この絶縁性ポリマは連続的な層として沈着された後に構造化され、この絶縁性の層は第1の電極上に窓を有するように構成される。択一的に、絶縁性材料は選択的に沈着され、第1の電極上に窓を形成する。さらにこの絶縁性材料は、薄膜として沈着される。たとえば、絶縁性材料はポリシロキサンを含む。
【0022】
本発明の別の実施形態では、付加的な第2の材料が金属性パッド上に少なくとも部分的に沈着される。この場合、ビームが付加的に、切除窓内の第2の材料を切除することができる。第2の材料は層を形成し、この層は第1の材料と同様の材料または異なる材料を含むこともできる。たとえば、第1の材料は絶縁性材料の少なくとも1つの層を含み、かつ第2の材料は有機材料の少なくとも1つの層を含むか、またはその逆に構成することができる。
【0023】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、金属性パッドを沈着するステップにおいて、多重の金属性パッドが沈着される。有利には、この金属性パッドの数は第2の電極の数と等しくされる。
【0024】
有利には、基板上に沈着される金属性パッドは、銅またはクロムを含む金属性パッドの材料を有する。とりわけ金属性パッドは、銅のみを含む金属性パッド、またはクロムのみを含む金属性パッド、または銅およびクロムの合金または混合物を含む金属性パッドから成る。
【0025】
本発明の少なくとも1つの有利な実施形態では、金属性パッドは次のように形成される。すなわち該金属性パッドの形状が、該金属性パッドの形状のベースを形成する幾何的なベース形状より大きな周縁対表面の比を有するように形成される。金属性パッドの形状のベースを形成する幾何的なベース形状は、正方形、矩形、3角形、6角形、円形、楕円形、または他のすべてのベース幾何形状のうち任意の幾何形状とすることができる。金属性パッドの縁辺の長さが、金属性パッドの周縁の長さを定義する。金属性パッド材料によってカバーされる領域が、金属性パッドの領域を定義する。
【0026】
金属性パッドは、金属性パッド材料が存在しない領域と、金属性パッド材料によって封入される領域とを有するように沈着されると有利である。換言すると、基板上に沈着された後、金属性パッドは少なくとも1つの孔を有する。この孔は任意の所望の形状とすることができ、たとえば正方形、矩形、3角形、6角形、円形、楕円形、またはこれらの形状の任意の組み合わせとすることができる。金属性パッドは1つより多くの孔を有することができ、この複数の孔を等しい大きさまたは異なる大きさとし、同一形状または異なる形状とすることができる。少なくとも1つの孔を有する幾何的なベース形状は、幾何的なベース形状自体より大きな周縁対表面の比を有する形状の例である。有利には、第1の材料の切除後に、金属性パッドの孔の縁辺の少なくとも一部に第1の材料が存在しない。換言すると有機オプトエレクトロニックデバイスは、孔を有する金属性パッドを含んでおり、該金属性パッドの一部の領域には、孔の縁辺の少なくとも一部も含めて、第1の材料が存在せず、該金属性パッドは第2の電極と電気的に接触接続され、該金属性パッドの縁辺の少なくとも一部は該第2の電極と電気的に接触接続されるように構成される。
【0027】
さらに、金属性パッドは基板上に沈着され、沈着後に該金属性パッドは、少なくとも1つの凹入部を有する縁辺の少なくとも一部を含む。凹入部は、金属性パッドによって部分的に封入される領域とすることができ、この領域の形状は、任意の所望の形状とすることができる。この任意の所望の形状はたとえば、正方形の一部、矩形の一部、3角形の一部、6角形の一部、円形の一部、楕円形の一部、別の任意の形状の一部、またはこれらの形状の任意の組み合わせの一部である。有利には、金属性パッドが基板上に沈着された後、該金属性パッドは1つより多くの凹入部を有し、たとえば1つより多くの縁辺に少なくとも1つの凹入部をそれぞれ有するか、または同一の縁辺に1つより多くの凹入部を有するか、またはこれらの組み合わせを有する。特に有利なのは、金属性パッドに、歯付構造を有する縁辺、すなわち、凹入部の規則的な列または不規則的な列を有する構造を有する縁辺が設けられることである。ここで凹入部は、同一の形状または異なる形状を有し、等しい大きさまたは異なる大きさを有する。とりわけ、凹入部の縁辺の少なくとも一部または1つより多くの縁辺の少なくとも一部には、第1の材料の切除によって第1の材料が存在せず、第2の材料が設けられる場合には第2の材料の切除によって第2の材料が存在しないことが有利である。換言すると有機オプトエレクトロニックデバイスは、少なくとも1つの凹入部を有する金属性パッドを有し、該金属性パッドの領域には、少なくとも1つの凹入部の縁辺の少なくとも一部も含めて、第1の材料が存在せず、該金属性パッドは第2の電極と電気的に接触接続され、該少なくとも1つの凹入部の少なくとも一部は該第2の電極と電気的に接触接続される。
【0028】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、金属性パッドが基板上に沈着され、沈着後に該金属性パッドは、少なくとも1つの凸部を有する縁辺の少なくとも一部を有する。換言するとたとえば、真っ直ぐな縁辺のみを有するベースの幾何形状を有する金属性パッド、たとえば正方形、矩形、3角形または6角形のベース幾何形状を有する金属性パッドが、凸出構造を有する縁辺の少なくとも一部を有することができる。このような凸部により、周縁対表面の比がベース幾何形状より大きい形状が得られる。有利には、金属性パッドが基板上に沈着された後、金属性パッドは1つより多くの凸部を有し、たとえば、1つより多くの縁辺に少なくとも1つの凸部をそれぞれ有するか、または、同一の縁辺に1つより多くの凸部を有することができる。特に有利なのは、凸部の縁辺の少なくとも一部または1つより多くの凸部の縁辺の少なくとも一部には、第1の材料の切除後に第1の材料は存在せず、第2の材料が設けられる場合には、第2の材料の切除後に第2の材料は存在しない。換言すると有機オプトエレクトロニックデバイスは、少なくとも1つの凸部を有する金属性パッドを有し、該金属性パッドの一部の領域には、該少なくとも1つの凸部の縁辺の少なくとも一部を含めて、第1の材料が存在せず、該金属性パッドは第2の電極と電気的に接触接続されており、該少なくとも1つの凸部の少なくとも一部は第2の電極と電気的に接触接続されている。金属性パッドは、上記の異なる形状の任意の組み合わせを有することもでき、たとえば、孔、凹入部および凸部の組み合わせを有することもできる。
【0029】
本発明の少なくとも1つの実施形態では基板は、ガラス、水晶、プラスチック、金属、シリコン、または他のすべての適切な材料のうち任意の材料を含む。基板は光に対して透過性であるか、または不透過性である。さらに、基板をフレキシブルまたは非フレキシブルとすることができる。フレキシブルな基板は、非常に薄いガラスシート、プラスチック薄膜または金属薄膜を含むことができる。基板の寸法は、ミリメータからセンチメータまたはそれより大きい寸法にまで達する。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態では「光」という用語は、波長または波長の領域を有する電磁放射を指す。この波長または波長の領域は、紫外線領域、可視領域および赤外線領域の電磁放射を含む波長の領域内にあるものである。さらに「光に対して透過性(透光性)」という用語は、特定の波長または特定の領域の波長を有する光に対して透過性である材料を表す。この意味では、光に対して透過性である材料は、ある波長に対しては透過性であるが、別の波長に対しては不透過性である場合がある。
【0031】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、第1の電極を基板上に沈着するステップは、ちょうど1つの第1の電極を基板上に沈着することであり、第2の電極を第1の材料上に沈着するステップは、ちょうど1つの第2の電極を第1の材料上に沈着することである。
【0032】
本発明の少なくとも1つの別の実施形態では、第1の電極を基板上に沈着するステップにおいて、多重の第1の電極を基板上に沈着する。さらに第2の電極を第1の材料上に沈着するステップでは、多重の第2の電極を第1の材料上に沈着する。有利にはこの多重の第1の電極は、相互に電気的に分離される。また、多重の第2の電極も、相互に電気的に分離される。
【0033】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、多重の第1の電極および多重の第2の電極は、ストライプ状のパターンで構造化される。多重の第1の電極および多重の第2の電極を相互に平行にし、この多重の第1の電極の各第1の電極が、多重の第2の電極のうち1つの第2の電極とともに、電極の対を形成することができる。ストライプ状のパターンで構造化された多重の第1の電極を、基板上にロウで配置し、ストライプ状のパターンで構造化された多重の第2の電極を、第1の材料上にコラムで配置することにより、該多重の第1の電極を該多重の第2の電極に対して垂直に配置することができる。この構成はたとえば、次のような有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成するのに有利な構成である。すなわち、複数のピクセルまたはサブピクセルを有し、各ピクセルまたは各サブピクセルは、複数の第1の電極のうち1つと複数の第2の電極のうち1つとの交差領域によって定義される有機エレクトロルミネセンスデバイスを構成するのに有利な構成である。このようなデバイスは、ディスプレイであるか、または照明用途で使用される。
【0034】
本発明の別の実施形態では、第1の電極または第2の電極またはこれら双方が、任意の所望の形状でパターニングされる。この所望の形状はたとえば、正方形、矩形、3角形、6角形、円形または楕円形の形状であるか、またはこれらの形状の任意の組み合わせである。とりわけ、第1の電極または第2の電極である電極が、規則的に配置された領域を有するストライプ状の形状で形成され、該領域は特定の形状を有する構成が有利である。この特定の形状は、正方形、矩形、3角形、6角形、円形、楕円形の形状とするか、またはこれらの形状の任意の組み合わせとすることができる。
【0035】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、基板上に沈着された第1の電極は、光に対して透過性である。とりわけ、有機オプトエレクトロニックデバイスが有機エレクトロルミネセンス層を有するOLEDである場合、第1の電極は、該有機エレクトロルミネセンス層によって放出された光の少なくとも一部に対して透過性である。第1の電極は有利には、透光性のアノード材料を含む。このアノード材料はたとえば、透光性かつ導電性の酸化物(「TCO」)であり、たとえばインジウム‐錫酸化物(「ITO])、インジウム‐亜鉛酸化物、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛であるか、または、他のすべての適切な2元または3元の金属酸化物の化合物のうち任意の化合物である。さらに、第2の電極はカソードを有することができる。適切なカソード材料は、アルミニウム、バリウム、インジウム、銀、金、マグネシウム、カルシウムまたはリチウムであるか、または、これらの組み合わせ、合金または化合物である。第1の電極に対して択一的または付加的に、第2の電極を光に対して透過性とすることができる。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、第1の電極はカソードを含み、第2の電極はアノードを含む。
【0037】
本発明の1つまたは複数の実施形態で開示されているのは、金属性パッドを切除してコンタクトが露出され、切除窓は、金属性パッドの1つまたは複数の縁辺の少なくとも一部を含むかまたは該少なくとも一部に重ねられる構成である。有利な実施形態では、切除を行うレーザビームが当たる領域は、各金属性パッドの端部に重ねられる。レーザ切除される領域と金属の縁辺とが、金属性パッドに沿った任意のポイントで重ねられることが望ましい。択一的な実施形態では、金属性パッドは特定の形状でパターニングされ、切除窓は金属性パッドの少なくとも1つの縁辺を含むか、または該少なくとも1つの縁辺に重ねられる。この金属性パッドは、OLEDデバイスのカソードまたは別の電極に接続するために使用される。
【実施例】
【0038】
本発明の別の利点および有利な実施形態を、図面に示された実施形態にしたがって以下で開示する。
【0039】
図1Aに示された実施形態では、有機オプトエレクトロニックデバイスの製造方法が示されている。基板101上に第1の電極層102が沈着されている。この第1の電極層102は、単一の電極として形成することができる。択一的に、この第1の電極を構造化して複数の電極を形成し、これらの電極をたとえば列状パターンで配置することができる。第1の電極は、有利にはストライプ状の形状で構造化される。さらに、金属性パッド103が基板101上に沈着される。この金属性パッド103は、該金属性パッド103と第1の電極102との間に電気的なコンタクトが存在しないように、基板101上に沈着される。金属性パッド103は単一の金属性パッドとして形成されるか、または択一的に、構造化されて複数の金属性パッドが形成される。有利にはこの金属性パッドは、CuおよびCrのうち少なくとも1つを含む材料から作製される。製造可能な有機オプトエレクトロニックデバイスはOLEDであり、基板は透光性とすることができ、かつフレキシブルまたは剛性とすることができる。さらに、第1の電極がITOを含むことにより、透光性とすることができる。金属性パッドは付加的に、上記の異なる形状を有するか、図5A〜5Lに示されるような形状とすることができ、たとえば孔、凹入部および/または凸部を有することができる。このような不規則な形状は有利には、金属性パッド103の領域103a内に位置する。
【0040】
図1Bに示された方法の別のステップでは、第1の材料104が第1の電極102上に沈着され、金属性パッド103上に少なくとも部分的に沈着される。図1Bに示されているように、第1の材料は、有機材料を含む材料の少なくとも1つの層を有することができる。有利には、図1Bに示された第1の材料104の層から逸脱して、たとえば第2の材料の層である別の有機機能層と、有機オプトエレクトロニックデバイスの機能層を構成するさらに別の層とを沈着することができる。第1の材料104は第1の電極102上に沈着され、金属性パッド上に少なくとも部分的に、構造化されずに沈着される。こうするために、たとえばスピンコーティングまたは蒸着が使用される。このような技術によって、機能的な有機材料の1つまたは複数の均質な層が沈着される。第1の材料の層は、金属性パッド103の領域103Aも被覆する。
【0041】
択一的または付加的に、図1Bに示されたステップでは、絶縁性材料が第1の材料104として第1の電極上に沈着され、金属性パッド103上に少なくとも部分的に沈着される。この絶縁性材料は構造化されて沈着され、該絶縁性材料を有さない窓を第1の電極上に有する(図示されていない)。別のステップで、有機材料を絶縁性材料の窓内にのみ沈着するか、または構造化せずに絶縁性材料上に沈着することができる。
【0042】
図1Cによれば、本方法の後続のステップでビーム105が第1の材料104に照射される。このビーム105は、有利にはレーザビームである。レーザビーム105は第1の材料104によって吸収されることにより、該ビームが照射される領域内で第1の材料が切除される。第1の材料が完全に切除されて基板および金属性パッドから除去される領域110が、切除窓を定義する。この切除によって、金属性パッドの領域103aが露出される。この切除プロセス中に照射されるレーザビーム105は、切除窓と等しい大きさとすることができる。この場合、レーザビームの大きさ105はレーザの放出特性によって、レンズ等の光学的手段によって決定されるか、またはマスクの開口等のアパーチャによって決定されるか、またはこれらの組み合わせによって決定される。有利には、レーザビーム105の大きさは切除窓110より大きくされるので、レーザビーム105はマスク(図示されていない)を通して照射される。切除窓の有利な形状は、100μmの長さおよび50μmの幅を有する大きさの矩形である。第1の材料が有機材料である場合、有利には、紫外線放射を放出するKrFエキシマレーザが使用される。切除窓110は金属性パッド103上に配置され、金属性パッド103の縁辺の少なくとも一部が切除プロセスによって露出される。というのも切除プロセスによって、金属性パッド103の縁辺の少なくとも一部に被覆された第1の材料が除去されるからである。
【0043】
図1Dに示された本方法の別のステップでは、第1の材料の切除後に第2の電極106が第1の材料104および金属性パッド103上に沈着され、第2の電極106は沈着後に、金属性パッドの縁辺の少なくとも一部と、有利には領域103aと電気的に接触接続される。第2の電極は単一の電極として構成されるか、または択一的に、第2の電極は構造化されて複数の電極を形成する。この第2の電極は、有利にはストライプ状の形状で構造化され、たとえばコラム状のパターンで配置される。
【0044】
ここに開示された有機オプトエレクトロニックデバイスの製造方法は、金属性パッドと第2の電極との間の電気的コンタクトに関して有利であることが判明している。特に有利なのは、金属性パッドの縁辺の少なくとも一部が第2の電極と電気的に接触接続されることである。金属性パッドが第2の電極と電気的に接触接続される領域にある縁辺の割合を増加するためには、たとえば孔、凹入部および/または凸部等の上記の形状を金属性パッドに形成する。たとえば、金属性パッドと第2の電極との複数の対の間にそれぞれ複数の同様のコンタクトが確保される場合、上記の方法によって、前記複数の対それぞれの接触抵抗のばらつきは小さくなる。とりわけ、金属性パッドと第2の電極との間に電気的な接続部を有する大量の同様の有機オプトエレクトロニックデバイスを量産する際には、接触抵抗のばらつきが小さいことによって製造プロセスがより高信頼性になり、同様の各有機オプトエレクトロニックデバイスの特性のばらつきが小さくなる。同様の利点が、次のような有機オプトエレクトロニックデバイスにも当てはまる。すなわち、複数の第2の電極にそれぞれ電気的に接触接続された複数の金属性パッドを有する有機オプトエレクトロニックデバイスにも当てはまる。このように抵抗のばらつきが低減されることは、たとえば、OLEDディスプレイ全体にわたってロウごとの輝度の均等性が良好になることに繋がる。このことは、OLEDディスプレイが複数のコラムの第1の電極と、該第1の電極に対して垂直な複数のロウの第2の電極とを有し、第1の電極と第2の電極との交差領域が該OLEDディスプレイのピクセルを定義する場合に当てはまり、このことは明白に確認することができる。
【0045】
金属性パッドと第2の電極との間の電気的抵抗のばらつきの低減は、OLEDの場合、同様のデバイスにおいて、または同一のOLEDの異なるアクティブ領域において、輝度のばらつきが小さくなることに直接繋がる。
【0046】
金属性パッドの縁辺切除によって見られる輝度のばらつきの低減は、2つの理由のうちいずれかに起因する。第1に、金属性パッドの縁辺において切除を行うことにより、場合によって以下のことにより、電気的コンタクトが良好になる:
・ポリマが薄くなること、および/または、
・第2の電極たとえばカソードが良好になること、物理的コンタクトが良好になること、および/または、
・熱散逸が低減されること、および/または、
・切除部がITO表面に接触すること。
【0047】
このような改善は、金属性パッドがアクティブ領域に向かって移動されることにも起因する。このようなアクティブ領域では、ポリマの堆積が発生する可能性が少なくなり、ひいては切除プロセスが容易になる。
【0048】
図2に、金属性パッド103上の切除窓110の配置が示されている。ここでは、金属性パッド103をたとえば外部電源に接触接続する電気的なリード120も示されている。
【0049】
図3には、本発明の実施形態として、金属性パッド103上の切除窓110の配置が示されている。金属性パッドはたとえば、電気的なリード120を介して電源に電気的に接続される。切除窓は、金属性パッド103の縁辺521の一部522が該切除窓110内にあるように配置される。換言すると、第2の電極が切除窓に沈着されて、金属性パッド103の縁辺521の一部522は第2の電極に電気的に接触接続される。
【0050】
図4に示された実施形態では、孔513を有する金属性パッド103が示されている。この孔513には、金属性パッド材料が存在しない。この孔513は、金属性パッドの外側の縁辺521,531,541および551から離れているか、または該金属性パッドの外側の縁辺のうち少なくとも1つと一致しているかまたは接している。本発明の幾つかの実施形態では金属性パッドの大きさは、レーザがデバイスのアクティブ領域に向かって移動されないように、比較的短く形成される。切除窓110は、金属性パッド103の縁辺521の一部522および該金属性パッド103の孔513に重ねられるように配置される。このようにして切除窓は、孔513の縁辺にも重ねられる。換言すると、切除窓110に含まれる金属性パッド103の縁辺の一部は、図3に示された実施形態と比較して増大されている。図4に示された実施形態では、量産時に同様の有機オプトエレクトロニックデバイス間の電気抵抗のばらつきがさらに小さくなるので、該実施形態は有利である。
【0051】
図5〜5Lに種々の実施形態が、異なる形状および大きさの金属性パッド上に配置される切除窓の種々の配置にしたがって示されている。したがって図5A〜5Lでは、有機オプトエレクトロニックデバイスの他のすべての構成部分、たとえば基板、第1の電極、第2の電極および第1の材料は示されていない。
【0052】
図5A〜5Cには、次のような配置の実施形態が示されている。すなわち、切除窓110が金属性パッド103上に配置され、金属性パッド103および切除窓110の形状は幾何的なベース形状による形状であり、切除窓は金属性パッド103の縁辺の少なくとも一部を含む配置の実施形態が示されている。図5Aの実施形態では、金属性パッド103および切除窓110が矩形の形状である構成が特徴である。当該実施形態で示されているように、切除窓110は金属性パッド103より狭幅であり、縁辺521の一部のみが切除窓内に含まれる。択一的に、切除窓110を金属性パッド103より広幅にして、該金属性パッド103の複数の縁辺または複数の部分が切除窓に含まれるようにすることもできる。とりわけ図5Bには、切除窓110が楕円形の形状を有し、縁辺521と、縁辺531および541の一部とが切除窓に含まれるように、該切除窓が金属性パッド103上に配置される実施形態が示されている。切除窓110の楕円形状が有利であるのは、たとえば、特定の大きさの楕円形のビーム形状を有するレーザビームが切除ステップで使用される場合である。図5Cには、矩形の形状の切除窓110が3角形の形状の金属性パッド103上に配置される別の実施形態が示されている。
【0053】
図5D〜5Fは、金属性パッド103および切除窓110の配置の次のような幾つかの実施形態が示されている。すなわち、金属性パッド103が少なくとも1つの孔513を有し、該孔513に金属性パッド材料が存在しない実施形態が示されている。図5Dに示された実施形態は、図5Aに示された実施形態の変形であり、ここでは孔513により、金属性パッド103の周縁対表面の比、とりわけ切除窓に含まれる縁辺の一部の周縁対表面の比が増大されている。図5Eは、孔513を有する金属性パッド103上の切除窓110の配置の別の実施形態が示されている。ここでは切除窓110は、図5Dに示された実施形態と比較して、金属性パッド103の縁辺の異なる部分を含む。図5Fに示された実施形態では、複数の孔513を有する金属性パッド103と、切除窓110内に含まれる縁辺521,531および541の少なくとも一部と、孔513の縁辺とが示されている。金属性パッド103の周縁対表面が増大されたことにより、切除窓に含まれる金属性パッド103の縁辺の一部の長さは、上記の実施形態と比較して増大される。
【0054】
図5G〜5Lに示された実施形態では、金属性パッド103および切除窓110の次のような配置が示されている。すなわち、該金属性パッドが凸部514および/または凹入部515を有する配置が示されている。
【0055】
図5G〜5Iには、異なる形状を有する種々の凸部が設けられた金属性パッド103の実施形態が示されている。この実施形態の特徴は、凸部514の縁辺の少なくとも一部を含む金属性パッド103の縁辺の少なくとも一部が切除窓110に含まれていることである。このような構成により、切除窓110に含まれる縁辺の長さが増大される。凸部514は図5Gおよび5Hに示されているように、金属性パッド103の1つの側辺にのみ設けるか、または1つより多くの側辺に設けることができ、図5Iに示されているように、対向する側辺に設けることができる。
【0056】
図5Jは別の実施形態として、金属性パッド103の対向する側辺に凹入部515が設けられた金属性パッド103の配置を示している。択一的に、金属性パッド103の1つの側辺に1つの凹入部のみを設けることができる(図示されていない)。
【0057】
図5Kは、1つの縁辺に凹入部が設けられた領域516を有する金属性パッド103の有利な実施形態が示されている。この領域516には、凹入部が縁辺に歯付構造を形成するように、凹入部が設けられる。この歯付構造によって、切除窓110に含まれる縁辺の長さが格段に増大される。ここで、金属性パッドの表面が過度に変更されることはない。
【0058】
図5Lの実施形態では、金属性パッド103に凹入部および凸部の組み合わせが設けられ、該金属性パッド103の切除窓110に含まれる部分は、ジグザグ状の形状を有するように見える。
【0059】
図5A〜5Lに示された実施形態は例であり、金属性パッドの形状および切除窓の形状の他の任意の組み合わせも開示内容である。とりわけ、金属性パッドが孔、凹入部、凸部、切除窓に含まれる孔の縁辺の少なくとも一部、凹入部の縁辺の少なくとも一部および/または凸部の縁辺の少なくとも一部の組み合わせを有する構成も開示内容である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による有機オプトエレクトロニックデバイスの製造方法の種々のステップである。
【図2】金属性パッドにおける切除窓の配置の一例である。
【図3】金属性パッドにおける切除窓の配置の別の例である。
【図4】金属性パッドにおける切除窓の配置の別の例である。
【図5】金属性パッド上に配置される切除窓の異なる形状、大きさおよび配置を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機発光ダイオードデバイスの電極に対する電気的コンタクトを設ける方法において、
該電極との接続のために金属性パッドを設け、金属性パッドを有機発光ダイオードデバイス上に沈着するステップと、
該金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を少なくとも部分的にカバーする切除窓を設けるステップと、
前記切除窓を使用して該金属性パッドおよび該有機発光ダイオードデバイスを切除して、電極との接続部を形成するステップ
とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
有機オプトエレクトロニックデバイスを製造する方法において、
・基板を設けるステップと、
・第1の電極を該基板上に沈着するステップと、
・金属性パッドを該基板上に、前記第1の電極から電気的に分離して沈着するステップと、
・少なくとも第1の材料を、前記第1の電極上に沈着し、かつ前記金属性パッド上に少なくとも部分的に沈着するステップと、
・ビームを照射して、該ビームによって切除窓内の第1の材料を切除するステップと、
・第2の電極を前記第1の材料および切除窓上に沈着し、該第2の電極を、金属性パッドの縁辺の少なくとも一部と電気的に接触接続するステップとを有し、
前記切除窓は、金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
ビームはレーザビームである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
レーザビームは紫外光を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
ビームの大きさは切除窓より小さく、ビームを該切除窓上で移動する、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ビームの大きさは切除窓より大きい、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
切除窓を定義するマスクを通して、ビームを照射する、請求項2から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
第1の材料は、有機材料および絶縁性材料のうち少なくとも1つを含み、
前記有機材料は、放射放出性の有機材料および放射検出有機材料のうち少なくとも1つを含む、請求項2から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記有機材料は、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層および発光層のうち少なくとも1つを有する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記有機材料は、有機モノマ、有機オリゴマ、有機ポリマおよび有機小分子のうち少なくとも1つを含む、請求項2から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
金属性パッドは、CuおよびCrのうち少なくとも1つを含む金属性パッド材料を含む、請求項2から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
金属性パッドが少なくとも、切除窓の領域において、該金属性パッドの形状のベースを形成する幾何的なベース形状より大きな周縁対表面の比を有する形状を有するように、金属性パッドを形成する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
金属性パッドは、金属性パッド材料が存在しない領域と、金属性パッド材料によって封入される領域とを有する、請求項12項記載の方法。
【請求項14】
金属性パッドの縁辺の少なくとも一部は、少なくとも1つの凹入部を有する、請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
金属性パッドの縁辺の少なくとも一部は、少なくとも1つの凸部を有する、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
第2の材料を金属性パッド上に少なくとも部分的に沈着するステップを有し、
ビームによって付加的に、切除窓内の第2の材料を切除する、請求項2から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記第2の材料は、有機材料および絶縁性材料のうち少なくとも1つを含み、
前記有機材料は、放射放出性の有機材料および放射検出有機材料のうち少なくとも1つを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
有機オプトエレクトロニックデバイスにおいて、
・基板が設けられ
・該基板上に第1の電極が設けられ、
・該基板上に金属性パッドが、第1の電極から電気的に分離されて設けられ、
・第1の材料が前記第1の電極上と、前記金属性パッド上とに少なくとも部分的に設けられ、
・第2の電極が前記第1の材料上に設けられ、
前記金属性パッドは、該金属性パッドの形状のベースを形成する幾何的なベース形状より大きな周縁対表面の比を有する形状を有するように形成された金属性パッド領域を有し、
前記金属性パッドの一部の領域には、第1の材料が存在せず、
前記一部の領域は、前記金属性パッドの縁辺の少なくとも一部を含み、
前記第2の電極は、前記金属性パッドの縁辺の少なくとも一部と、前記金属性パッド領域において電気的に接触接続されていることを特徴とする、有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項19】
前記金属性パッドは、金属性パッド材料が存在しない領域と、金属性パッド材料によって封入される領域とを有する、請求項18記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項20】
金属性パッド材料が存在しない領域は、少なくとも1つの孔であり、
前記孔の形状は、円形、楕円形、3角形、矩形または正方形であるか、またはこれらの形状の組み合わせであり、
第1の材料が存在しない金属性パッドの領域は、孔の縁辺の少なくとも一部を含む、請求項18記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項21】
前記金属性パッドの少なくとも1つの縁辺は、少なくとも1つの凹入部を有し、
第1の材料が存在しない金属性パッドの領域は、凹入部の縁辺の少なくとも一部を含む、請求項18記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項22】
前記金属性パッドの少なくとも1つの縁辺は、少なくとも1つの凸部を有し、
第1の材料が存在しない金属性パッドの領域は、凸部の縁辺の少なくとも一部を含む、請求項18から21までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項23】
前記金属性パッドの少なくとも1つの縁辺は、歯付構造を有し、
第1の材料が存在しない金属性パッドの領域は、歯付構造の縁辺の少なくとも一部を含む、請求項18から22までのいずれか1項記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。
【請求項24】
金属性パッドの形状のベースを形成する幾何的なベース形状は、円形、楕円形、3角形、矩形および正方形の形状のうち1つであるか、またはこれらの形状の組み合わせである、請求項18記載の有機オプトエレクトロニックデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−324238(P2006−324238A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−122376(P2006−122376)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Wernerwerkstrasse 2, D−93049 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】