説明

高効率の白色発光ダイオード

20ミリアンペアの動作電流において、1ワット当たり少なくとも75ルーメンの出力を有する白色発光ソリッドステートランプが開示される。ランプは、発光ダイオード、カプセル用材、およびヘッダを含む。ダイオードは、電気的接触のための導電性シリコンカーバイド基板と、ダイオードを横断する電流の適用下で所望の周波数の光子を生成するための、シリコンカーバイド基板上のIII族の窒化物の活性部分を含む。ヘッダは、ダイオードを支持し、ダイオードおよび活性部分に電気的接触を提供するための反射カップを含む。カプセル用材は、蛍光体を含み、該蛍光体が該ダイオードによって発せられる周波数によって励起されるときに、応答周波数を生成するために該カプセル用材の少なくとも一部分に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人工照明に関し、特に、白色光を生成するソリッドステートランプに関する。
【背景技術】
【0002】
照明目的のための人工照明は多種多様な環境に組み込まれている。主な種類としては、オフィス用照明、家庭用照明、様々な目的のための野外照明、信号、インジケータなどを含む。現代の電化の時代において、人工照明の一般的な形式は、(限定するわけではないが)白熱灯、ハロゲン気相灯、および蛍光灯を含む。これら全ては、一定の利点と不利な点を有するが、特定の局面において、それら全ては、光の出力と比較すると比較的多くの電力を使用し、全てのものが、明らかに限られた使用期限を有するようである。特に、白熱灯は、約一世紀の間にわたり現在の形式で使用されており、最も長く残っている現代発明の1つであり、初期の形式を残したままある。それに対して、ほとんどの他の初期の電子技術はデジタル電子技術に代わっている。
【0003】
半導体の時代は多くのタイプの電気デバイスのソリッドステートデバイスへの交代を目撃した。おそらく最も明確なものは、(現在の若者たちはほとんど知らない)真空管のトランジスタへの交代である。ソリッドステートデバイスは、その性質および動作のおかげで、より古い世代の電子デバイスよりも本質的に非常に信頼でき、一般的には、明らかに少なくとも100倍は長い寿命を有し得る。
【0004】
さらに、一部のソリッドステートデバイスは動作において光を発する。最も一般的なものは発光ダイオード(LED)であり、発光ダイオードにおいて、電流はp−n接合部を横切って注入されることにより、電子およびホールの再結合をもたらし、光子の同時生成を伴う。ダイオードが形成された半導体材料に従い、かつ、特に、それらの材料のバンドギャップに従って、異なる周波数の光が発せられ、それは材料に特徴的なものである。例えば、ガリウム砒素リン(GaAsP)は、発光ダイオードの充分に確立された材料システムを代表する。GaおよびAsのモル分率に従って、これらの材料は、約1.42〜1.98電子ボルト(eV)のバンドギャップを有し、電磁スペクトルの赤外線、赤、オレンジの部分で光を発する。
【0005】
それに対して、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)のような材料、または関連するIII族の窒化物の化合物は、それぞれ約3.0および約3.5eVのより広いバンドギャップを有し、従って、スペクトルの青、紫、および紫外線の部分での高周波数の光子を生成する。
【0006】
信頼性、効率および比較的低い電力要求により、ソリッドステート発光デバイスは、多くの用途のために広く受け入れられている。しかしながら、デバイスは比較的小さく、より従来的な代替品(白熱灯、蛍光灯)よりも比較的暗いので、ダイオードが最もよく使用されているのは、照明のためというよりも、インジケータおよび他の輝度の低い用途としてである。
【0007】
さらに、多くの状況において好ましいLEDの特性の一部(例えば、狭い帯域の波長に沿った発光)は、LEDを最初は照明目的のためにはあまり魅力的ではないものにする傾向にある。例えば、LEDは、狭い範囲の波長のみを投じる。多くの状況において、−多くの場合に、色の知覚の多くは照明周波数に依存するので−これは自然光と比較して、または白熱光もしくは蛍光光と比較してさえ好ましくない。なぜならば、自然光または白熱光もしくは蛍光光は、それらの固有の限度により、LEDよりも広い範囲の周波数にわたって実際に光を投じるからである。
【0008】
2つのタイプの技術が発光ダイオードから白色光を生成するために使用される。第1に、青色発光ダイオードが赤色および緑色の発光ダイオードと結合されることにより、白色光を含む可視スペクトルの所望の全色を生成する。第2に、(例えば、紫外線、紫、青の範囲における)高周波発光ダイオードが、(一般的には黄色を発光する)発光物質と共に使用されることにより、ダイオードからの青色光と蛍光体からの黄色光との結合光を発し、該結合光は組み合わせでランプからの白色光を提供する。
【0009】
発光ダイオードの効率は、様々な方法で特徴付けられ得るが、実際には良い点と悪い点とが累積しているいくつかの要素に、概して依存している。例えば、任意の所与の量の電流が発光ダイオードの中に注入されることに関して、注入されたキャリアの(電子またはホール)の100%未満の一部のフラクションが実際に再結合される。再結合するものの中の、100%未満の別のフラクションが光子を生成する。生成された光子の中の、100%未満のさらに別のフラクションが実際に抽出される。すなわち、可視光としてダイオードから離れる。蛍光体が組み込まれるときには、効率は蛍光体の変換効率によってまたさらに低められる。
【0010】
これらおよび他の要因に基づいて、全スペクトルの発光ダイオードデバイスは、白熱灯および蛍光灯の両方に完全に代わる可能性を有しているが、白色光を発する安価で製造の容易なソリッドステートランプは、依然として研究者および製造業者の両方の主要な対象である。
【0011】
従って、照明目的のために白色発光ダイオードの所望の出力を増加させることは、注入効率、放射再結合の割合、および抽出される光子の量のうちの1つ以上を増加させることを必要とする。このように、使用するときに、相対電力レベルにおいて、かつ、より広い範囲のスペクトルにわたって、より明るい全出力を生成することにより、より満足のいく効果を生成することが、依然として継続している別の目標である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一局面は、20ミリアンペアの動作電流において、1ワット当たり少なくとも75ルーメンの出力を有する高効率高出力の白色発光ソリッドステートランプである。この局面において、本発明は、発光ダイオード、カプセル用材、およびヘッダを含む。ダイオードは、電気的接触のための導電性シリコンカーバイド基板と、ダイオードを横切る電流の適用下で所望の周波数の光子を生成するための、シリコンカーバイド基板上のIII族の窒化物の活性部分を含む。ヘッダは、ダイオードを支持し、ダイオードおよび活性部分に電気的接触を提供するための反射カップを含む。カプセル用材は、蛍光体を含み、該蛍光体は、これが該ダイオードによって発せられた周波数によって励起されるときに、応答周波数を生成するために、該カプセル用材の少なくとも一部分に存在する。
【0013】
別の局面において、本発明は、パッケージされた発光ダイオードランプであり、該パッケージされたダイオードは、350ミリアンペアの動作電流において、1ワット当たり少なくとも57ルーメンの白色光を示す。ランプは、導電性ヘッダと、ヘッダ上の発光ダイオードとを含む。ダイオードは、シリコンカーバイド基板と、少なくとも1つの窒化インジウムガリウムの活性層と、基板および活性層に対して垂直な方向にあり、ヘッダと電気的に接触している活性層に抵抗性接触している抵抗性接点とを含む。カプセル用材は、ダイオードとヘッダの少なくとも一部分を覆っている。カプセル用材内の蛍光体は、ダイオードからの発光に応答して可視光を発する。
【0014】
別の局面において、本発明は、パッケージされた発光ダイオードランプであり、該パッケージされたダイオードは、1アンペアの動作電流において、1ワット当たり少なくとも142ルーメンの白色光を示す。
【0015】
別の局面において、本発明は、白色発光ダイオードベースのランプであり、該白色発光ダイオードベースのランプは発光ダイオードを含み、該発光ダイオードは、電磁スペクトルの紫外線、青および紫の部分から選択されるスペクトルの部分で発光する。くぼんだヘッダはダイオードを支持し、該くぼみは、くぼみ内のダイオードからの光の抽出を最大化する形状を有する。カプセル化樹脂の第1の部分は、くぼみ内でダイオードを覆うが、くぼみの残りを満たさない。カプセル化樹脂と蛍光体との混合物で形成される第2の部分は、くぼみの残りの部分を満たし、それにより蛍光体含有部分をダイオードから充分に離すことにより、そうでなければ抽出される蛍光体からの光をダイオードが吸収することを防止する。レンズは、満たされたくぼみ上にあり、ランプからの光の抽出を増加させ、かつ、最大化するために、カプセル化樹脂で形成されている。
【0016】
別の局面において、本発明は、高効率の白色発光半導体ベースのランプを形成する方法である。この局面において、該方法は、電気的接触と反射性の裏面および構造とを提供するために、ヘッダの基部の中にカップ形状のくぼみを形成するステップと、くぼみ内に高周波発光ダイオードを配置し、ダイオードを絶縁されたリードに電気的に接続するステップと、カップを満たすことなく、チップを覆うために充分なカプセル化材料でくぼんだカップを部分的に満たすステップと、部分的に満たされたカプセル化材料を硬化するステップと、カプセル化材料とダイオードによって生成される周波数に対して応答する蛍光体との混合物で、カップの残りを満たし、それによりダイオードとの直接的な接触から蛍光体を分離し、それによりりん光性の光のダイオードによる吸収を最小化するステップと、カップ内の残りのカプセル化材料を硬化させるステップと、カップ内の硬化された材料上でカプセル化材料の固体レンズを形成し、ダイオードからの光の抽出を強化するステップと、レンズ材料を硬化させて、完成したランプを形成するステップと含む。
【0017】
本発明の上記および他の対象および利点と、同じ結果が達成される方法が、添付の図面と共に挙げられる以下の詳細な記述に基づいてさらに明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、高効率の白色発光ソリッドステートランプである。本発明に従ったランプは、20ミリアンペア(mA)の駆動電流において、1ワット(W)当たり少なくとも75ルーメンの出力によって特徴付けられている。
【0019】
本明細書において報告される測定の単位は、従来的なものであり、充分に理解されている。従って、光束測定値は光度測定の単位であり、ルーメンで測定される。同一ではないが、対応する放射分析測定値は、ワットで測定される放射束である。本明細書において、効率はダイオードを横切る電流に基づいてワット単位の光束として示され、ミリアンペアで最も頻繁に示される。
【0020】
用語「外部量子効率」は、電流の流れに対する発光強度の割合(例えば、出て行く光子/入ってくる電子)を記述するために使用される。光子は半導体材料自体内では吸収によって失われ、光が半導体から空気へと通過するときには、屈折率の差により反射光の喪失を通じて失われ、そしてスネルの法則によって定義される臨界角よりも大きい角度での光の内部反射によって失われ得る。従って、割合としての外部量子効率(EQE)は、次式に従って、放射束(ワット)、波長(ナノメートル)、駆動電流(アンペア)、および波長とエネルギー(λ=1.24/eV)との間の転換係数から計算され得る:
【0021】
【数1】

発光ダイオードおよびランプに関するこれらまたは他の要素の有益な短い概要が、Labsphere, Inc. North Sutton New Hampshireからのthe Labsphere Technical Guide、「The Radiometry of Light Emitting Diodes」に述べられている。
【0022】
第1の実施形態において、ランプは、発光ダイオード(「ダイ」または「チップ」とも呼ばれる)と、カプセル用材と、ヘッダとを含む。ダイオードは、電気的接点のための導電性シリコンカーバイド基板と、ダイオードを横切る電流の適用下での所望の周波数の光子を生成するためのシリコンカーバイド基板上のIII族の窒化物活性部分とを含む。
【0023】
ヘッダは、ダイオードを支えるための、およびダイオードと活性部分とに電気的接点を提供するための反射カップを含む。
【0024】
蛍光体がダイオードによって発せられた周波数によって励起されるときに、カプセル用材の少なくとも一部分は、可視波長域での応答周波数を生成するための蛍光体を含む。
【0025】
図1は、これらの特徴のうちの一部を図示している概略図である。図1において、ダイオードは、概略的に20で示されている。発光ダイオードは、概略的に21で示されており、ヘッダ24内のくぼみ(またはカップ)22内に配置されており、該ヘッダ24は図3で最良に図示されている。図2は、これらの要素を上面方向から図示している。くぼみ22は、ダイオード21からの光の抽出を最大化する機能的形状を有する。好適な実施形態において、くぼみ22は、フラストコニカル(frustconical)な形状を有する。すなわち、円形フロアは、平行なより大きい円形開口26に面し、開口26とフロア25との間に傾斜壁27を有する。壁27の正確な角度は、個々のチップ設計からの光の抽出を最大化するために選択および設計され得るが、本発明においては、壁は、最も好適には、フロア25に対して約45度〜60度の間の角度で配置される。好適な実施形態において、くぼんだカップ22は、反射性金属、最も好適には銀(Ag)でコーティングされる。
【0026】
図1に図示されている本発明の実施形態において、カプセル用材は3つの部分を有する。カプセル用材の第1の部分は、一般的には、エポキシ樹脂であり、30で示されており、カップ22の全てではないが一部を満たしている。特に、第1の部分は、ダイオード21を覆い、その上に延伸している。カプセル用材31の第2の部分は、樹脂(光学的な目的のために、通常は同じ樹脂)と蛍光体との混合物で形成されている。この第2の部分は、カップ22の残りの部分を満たし、それにより蛍光体含有部分31をダイオード21から充分に離すことにより、ダイオードに吸収される(従って無駄にされる)蛍光発光の量を最小化する。
【0027】
言い換えると、蛍光体からの発光に関しては、ダイオードは発せられた光に対する単なる障害物である。ダイオードを蛍光体から離すことは、そうしなければ生じるこの望まれない影響を最小化する。
【0028】
カプセル用材32の第3の部分は、ランプからの光の抽出を最大化および増加させるために、満たされたカップ22上に、多くの場合において半球形状であるレンズを形成する。
【0029】
本発明の特定の実施形態において、ランプ20は、20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり少なくとも75ルーメン、さらに一部の場合において、20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり80ルーメン、一部の場合において、20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり少なくとも85ルーメンの出力を生成し得る。
【0030】
他の駆動電流において、本発明に従ったダイオードは、350ミリアンペアの動作電流において1ワット当たり少なくとも57ルーメンの白色光を示し、1アンペアの動作電流において1ワット当たり少なくとも142ルーメンの白色光も示した。
【0031】
カプセル用材の構造に加えて、本発明は、特許、公開された出願、同時係属出願においてさらに詳細に記述される特定の成果を利用し、該特許、公開された出願、同時係属出願は、本明細書において引用され、かつ、参考として援用される。
【0032】
好適な実施形態において、ダイオード21は、限定するわけではないが、本発明の譲受人であるCree Inc. of Durham North Carolinaから入手可能であるXT290およびXB900シリーズの発光ダイオードの範疇に入る。これらのダイオードは、図1において33で図示されている導電性シリコンカーバイド基板を含み、該導電性シリコンカーバイド基板は、少なくとも1つのp型のIII族の窒化物層34および少なくとも1つのn型のIII族の窒化物層35、好適にはInGaNと結合されている。1つの抵抗性接点36がシリコンカーバイド基板33に作られ、別の抵抗性接点37が適切なIII族の窒化物層に作られる。
【0033】
XT290チップは、約115μの厚さを有する300x300ミクロン(μ)のフットプリントを有する。XB900チップは明らかに大きく、900x900μのフットプリントと約250μの厚さを有する。従って、この用語は幾分独断的に使用されるものであるが、XB900チップは、より「パワーのある」設計を表す。商業的な使用における2つのチップ間のように、より大きいサイズのXB900チップは、作業照明、野外照明、および信号の色を含む一般的な照明に対する魅力的な候補となり、より小さいサイズのXT290チップは、携帯電話、デジタルカメラにおけるバックライト、計器灯、音声および映像デバイスにおける表示灯のような低電圧の用途にとって有益となる。
【0034】
性能的な観点からは、XB900シリーズは、500ミリアンペアのピーク順方向電流を有する400ミリアンペアの順方向電流において動作し得るが、より小さいXT290チップは、30ミリアンペアの最大順方向電流の定格および100ミリアンペアのピーク順方向電流を有する。
【0035】
好適な実施形態において、かつ、例示的なXT290およびXB900シリーズのチップと同じように、チップ21は、「フリップチップ」な方向にあり、該「フリップチップ」な方向において、基板33は上方向に(レンズ32に向かって)面し、活性層34および35は、カップ22に隣接している。いくつかの援用される参考において述べられるように、この設計は光の抽出を増加させることを助け得る。好適な例において、シリコンカーバイドの特性により、シリコンカーバイド基板は通常はn型であり、隣接するIII族の窒化物層35も同様である。次に、別のIII族の窒化物層34はp型であり、電流を注入しキャリアを再結合するためにp−n接合を形成する。基板がn型であるとき(一般的ではあるが、排他的ではない)に、p型層34は、抵抗性接点37に接触し、次にカップ22に接触する。リードワイヤ40および41は、他のデバイスまたは回路との外部接続のための手段を示すように、概略的に図面に含まれている。
【0036】
発光ダイオードの詳細な構造に詳しい当業者によって理解されることは、「上に」は、互いに直接的に接触している構造的な要素(一般的には、半導体または金属の層)を記述し得るが、デバイスの全体的な機能を強化することに役立つ中間の層または構造を含むような構造も同様であるということである。従って、本明細書においてシリコンカーバイド基板の「上に」あると記述されているとしても、III族の窒化物層は、多くの場合に、基板と活性層との間の電子的構造および結晶構造の両方の転移を強化する緩衝層を伴う。同様に、これらのダイオードのp型層は、一般的には、2つの部分で形成され、1つの部分は半導体と金属との間の抵抗性接点を強化するために比較的適しており、該金属は接点を形成する。
【0037】
さらに、発光ダイオードの基本的構造はp型層およびn型層に基づいているが、当業者が認識すべきは、層は、複数の配置、例えば複数の量子井戸および超格子構造を含み得るということである。本発明を正確に記述するために、理解されるべきは、これらの特徴が本発明に組み込まれ得るが、本明細書においては詳細に記述されないということである。
【0038】
さらに好適な実施形態において、ダイオード21は、抵抗性接点36および37を含む、それらの間の全体の大きさがわずか約250ミクロン(μ)である。さらに好適な実施形態において、これらの大きさは、わずか約100ミクロンである。これらの薄いチップは、照明目的のため、および小さいディスプレー、例えば携帯電話、デジタルカメラおよび携帯端末における使用のための光抽出幾何配置において一定の利点を提供する。
【0039】
チップ21のサイズを減少させ、光の抽出を増加させるさらなる方法として、本発明は薄い抵抗性接点を組み込み、該薄い抵抗性接点は、好適には、平均の厚さが約1〜250オングストローム(Å)の間であり、最も好適には、約1〜10Åの間である。
【0040】
白色光は他の色の組み合わせであり、かつ、本発明のランプにおいて使用されるダイオードは、一般的には、電磁スペクトルの紫外線、紫、青の部分で発光するので、電磁スペクトルの紫外線、紫、青の部分でのダイオードからの発光により励起されるときに、第2の樹脂部分31に含まれる蛍光体は、可視スペクトルの黄色部分における応答周波数を発するように選択される。
【0041】
セシウムイットリウムアルミニウムガーネット(「Ce:YAG」、YAl12:Ce+3)は、この目的に適した蛍光体である。本発明に有益であるダイオードに応答する黄色/緑色発光蛍光体を含む他の物質が、限定ではなく例として、同一出願人による米国特許出願公開第US2004/0012027号のパラグラフ51〜69および74〜75において述べられている。
【0042】
カプセル材料と混合される蛍光体の割り当て量は、過度な実験をすることなしに、当業者によって決定され得る。当該分野において概ね認識されているように、目的は、変換される光の量を最大化するが、同時に、蛍光体によってただ遮られるのみの光の量を最小化し、カプセル用材の構造的完全性を妨げることを回避することである。適切な量が過度な実験をすることなく当業者によって選択され得る。
【0043】
さらに、蛍光体の粒子の物理的サイズは、ダイオードからの光の蛍光体の変換およびランプのパッケージからのりん光性の光の抽出の両方の効率に(有利にも不利にも)影響し得る。本発明の好適な実施形態において、蛍光体の粒子のサイズは、過度な実験をすることなく当業者によって選択され得るが、好適には、平均的なサイズの範囲は、粒子単位で約0.001ミクロンから20ミクロンの間である。
【0044】
所望される場合には、カプセル用材はまた散乱材料を含み得、該散乱材料の性質および機能は、当該分野において概ね充分に理解されている。関連する説明は、米国特許出願公開20040012027号のパラグラフ101および102において述べられている。
【0045】
図8は、本発明に従ったダイオードから取得されたスペクトルであり、約455ナノメートル(nm)におけるダイオードの発光、および蛍光体によって発せられた比較的広い範囲(約490〜700nm)の発光を示す。
【0046】
図2および図3は、ヘッダ24およびカップ25の上面および断面を図示している。特に図3を参照すると、例示的な実施形態において、フロア25の直径は約0.064インチ(0.163cm)であり、開口26の直径は約0.124インチ(0.315cm)であり、カップ22の深さは約0.030インチ(0.76cm)であり、壁27は、45度の角度で配向されている。ヘッダ24の外寸はあまり重要ではない。なぜならば、蛍光体層は、カップ22の中でほぼ維持されているからである。しかしながら、T039トランジスタ型ヘッダは、くぼんだカップ22を担持するために充分であることが分かった。チップ21の適切な配置を獲得するために、フロア25は、0.001の平面度を有するべきであり、全ての寸法の公差は、0.005インチ(0.013cm)以内であるべきである。鉄−ニッケル−コバルトの合金、例えば、Kovar(登録商標)は、(限定するわけではないが)ヘッダのための例示的な材料である。
【0047】
図4および図5は、本発明に従ったランプのさらなる断面概略図である。図4は、概略的に44で示されているスラグ型のパッケージを図示している。カプセル用材は、図1にさらに詳細に示されているものと同じ3つの部分を形成することが理解されるが、カプセル用材は単一の部分45として示されている。ダイオードは、やはり概略的に21で示されており、カップは概略的に22で示され、ヘッダは24で示されている。図4はまた、リードワイヤ40および41を図示している。
【0048】
図5は、概略的に47に示され、カプセル用材50がヘッダカップを完全に囲まれているカップ型パッケージを図示しており、該ヘッダカップは、区別の目的のために51で示されている。また理解されるべきは、カプセル用材50は3つの部分で形成されており、カップ内の第1の部分はダイオード21を覆っており、第2の部分はカップの残りの部分を満たし、蛍光体と混合しており、第3の部分はレンズを形成するということである。図1および図4と同じように、図5はまた、電気リードワイヤ40および41を図示している。
【0049】
図6〜図10は、本発明に従ったダイオードおよびランプの一部の性能特性を図示している。図6、図7および図8は、本発明に従った高効率のXT290ベースの白色ランプに関するデータを描き、図9および図10は、本発明に従ったXB900ベースの白色ランプに関する同様なデータを描いている。
【0050】
図6は、共通の横座標に対する2つの異なる縦座標を描いている。左側の縦座標は1ワット当たりのルーメンで有効性(効率)を示し、白い(open)四角形と接続線でプロットされている。右側の縦座標は、ルーメンで測定された出力束を示し、黒いダイヤモンド形と接続線でプロットされている。それぞれの線は、異なる2つの縦座標に対して描かれているので、図6の線の明確な収束は特に意味を有しない。
【0051】
図7は、本発明に従った複数の白色発光ランプの発光のグラフであり、CIEのカラーチャート(図11および図12)からのx軸およびy軸を使用して描かれている。ランプの全ては、1ワット当たり75ルーメンの効率を有し、黒体曲線と比較して示されている。
【0052】
先に示したように、図8は、本発明に従ったランプに関する、ナノメートル(nm)単位の波長に対する任意の単位での強度に関するグラフである。図8は、ダイオードの455ナノメートルに特性的な鋭いピークを有する発光、および約500〜700nmの間の周波数範囲にわたる蛍光体の比較的幅の広い発光を図示している。
【0053】
図9は、図6と同様のグラフであるが、XB900を使用するランプから獲得されたものである点で異なる。図9も、偶発的に、ルーメン(濃い四角形)および1ワット当たりのルーメン(黒いダイヤモンド形)を同じ軸で描いている。従って、2つのグラフの交差も、偶然である。
【0054】
図10は、図7と同様のグラフであるが、より大きいフットプリントのXB900ダイオードを使用している点で異なる。図10も、CIE座標の点および黒体曲線との比較で、本発明に従ったランプからの白色光の出力を比較する。
【0055】
図11(Luminal Path Corporation、www.photo.net)および図12(Graphics、FS Hill)は、図11上に重ねられた黒体放射曲線を有するCIEカラーチャートの代表的なバージョンである。図12は、グラフィックの観点から有用である。なぜならば、様々な色が、影の付けられたエリアよりも、線と文字によって描かれているからである。
【0056】
さらに別の局面において、本発明は高効率の白色発光半導体ベースのランプを形成する方法である。この局面において、該方法は、カップ形状のくぼみをヘッダの中に形成することにより、電気的接点と反射性の背景構造を提供することを包含する。高周波数の範囲内(紫外線、紫、青)で発光する高周波発光ダイオードは、くぼみの中に配置され、絶縁されたリードに電気的に接触する。
【0057】
次に、くぼんだカップは、チップを覆うには充分であるが、カップは満たさない量の、(澄んだ/透明な/適切な)カプセル化材料(通常、無色であり、ほとんどの可視周波数に対して実質的に透過性がある)で部分的に満たされている。部分的に満たされたカプセル化材料は硬化され、それに続き、カップの残りが、カプセル化材料とダイオードによって生成された周波数に対して応答する蛍光体との混合物で満たされる。これは、ダイオードとの直接的な接触から蛍光体を分離し、それにより動作中の蛍光性の光のダイオードによる吸収を最小化する。カップ内の残りのカプセル化材料は硬化され、それに続き、カプセル化材料の三次元幾何形状の固体レンズが、カップ内の硬化された材料上で形成される。次に、レンズ材料が硬化されて、完成したランプを形成する。
【0058】
本発明のデバイスの局面におけるように、カップ内に配置されるダイオードは、好適には、少なくとも導電性シリコンカーバイド基板およびIII族の窒化物の少なくとも1つの活性部分を垂直な方向で含む。
【0059】
用語「垂直」は、本明細書において、発光ダイオードに関しては従来的な意味で使用され、デバイスへの抵抗性接点がデバイスの反対側の端に配置され得るということを意味する。導電性のシリコンカーバイド基板の有用性は、発光ダイオードの実用に概ねより適した垂直な配置を可能にし、さらに、垂直な配置は、サファイア(Al)のような非導電性の基板上で形成される同様なダイオードにも必要とされている。非導電性の基板を使用するときに、ダイオードのp型およびn型の部分へのそれぞれの抵抗性接点は、一部のタイプの互いに横に並んだ配置にされるべきであり、その結果として、ダイオードのフットプリントは増加する。そして、他の不利な点に加えて、フットプリントを増加させることは、単位面積あたりのダイオードの出力を減少させる。
【0060】
光の抽出を強化するために、本発明の方法の局面は、III族の窒化物層とは反対側にあるシリコンカーバイド基板の表面をエッチングすることを組み込んでおり、該方法は、水性エッチングを使用して基板の損傷した部分を取り除くことにより、その結果としてのダイオードおよびランプからの光の抽出を増加させる。
【0061】
各ステップにおいてカプセル化に使用される樹脂は、好適には、エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂は、1.0よりも大きい屈折率、さらに好適には、1.5よりも大きい屈折率を有する。概ね光学分野、特に、発光ダイオードおよびランプに詳しい当業者には公知であるように、レンズ材料は空気よりも大きい屈折率を有するので、ダイオードが空気に接する場合よりも、レンズはダイオードからより多くの光を抽出する。
【0062】
レンズ構造はまた、同一出願人による米国特許第6,791,119号において述べられている方法で改変され得る。
【0063】
所望されるか、または必要である場合に、カプセル用材は、同一出願人による同時係属の米国特許出願公開第2004/0227149号において記述されている方法で設置され、かつその材料で形成され得る。
【0064】
本発明に従ったランプのダイオード部分はまた、同一出願人による米国特許第6,614,056号において述べられている改良型電流拡散構造を組み込み得る。
【0065】
本発明の主要な構成要素は、青色(455〜465nm)LEDチップの性能であり、青色LEDチップのウォールプラグ効率(wall plug efficiency)(外部量子効率と電圧の組み合わせ)は、本明細書で述べられている白色ランプの性能を達成するために充分に高くなければならない。20mAで動作する300μx300μのチップに関しては、一般的な外部量子効率および電圧は、それぞれ44%および3.1Vである。350mAで動作する900μx900μのチップに関しては、一般的な外部量子効率および電圧は、それぞれ31%および3.2Vである。両方の場合において、データは、パッケージされた(カプセル化された)チップに関するものである。
【0066】
本明細書において言及される場合に、LEDのウォールプラグ効率は、LEDの注入効率(デバイスの光生成領域において再結合するキャリアの数に対するデバイスに注入されたキャリアの数の割合)と、LEDの発光効率(電子ホールの再結合の全体の数に対する発光現象に至った電子ホールの再結合の割合)と、LEDの抽出効率(形成された光子全体の数に対するLEDから抽出された光子の割合)との結果である。デバイスのウォールプラグ効率はまた、デバイスの中を通される電気的なワット数に対するデバイスから出力される光学的なワット数の割合として定義される。
【実施例】
【0067】
(実験)
XT290チップは、銀メッキされたT039ヘッダ上に設置された。カップ形状のくぼみは機械加工されてヘッダの基部となり、チップはくぼみの基部の中央に配置された。ワイヤが絶縁されたリードに結合されたあとに、カップは澄んだカプセル化材料で部分的に満たされており、該澄んだカプセル化材料は、チップを覆うが、カップを満たしてはいない。OS1600(Henkel LocTite Corporation、Rocky Hill Connecticut)の澄んだエポキシが、カプセル化のために使用され、そのエポキシの反射率は、約1.5であった。第1の硬化の後で、カップの残りの部分は、Ce:YAG蛍光体(PhosphorTech Corporation Lithia Springs、GA 30122)とOS1600エポキシとの混合物で満たされており、第2の硬化へと続く。Ce:YAG蛍光体の濃度は、黒体曲線に近い色点を生じるように選ばれた。次に、ヘッダは、チップを下に向けて、より多くOS1600エポキシで満たされた半球形のモールドの中に配置され、次に、第3かつ最後の硬化へと続く。完成したランプは、10インチの球形である点で特徴付けられ(Labsphere)、該完成したランプは、NIST由来の光源に対応させている。20mAの駆動電流において、ランプの光束は5ルーメンを上回り、1ワット当たり75ルーメン以上の効率を有する。
【0068】
第2のテストにおいて、XB900チップは、銀メッキされたT039ヘッダ上に設置された。カップ形状のくぼみは機械加工されてヘッダの基部となり、チップはくぼみの基部の中央に配置された。ワイヤが絶縁されたリードに結合されたあとに、カップは澄んだカプセル化材料で部分的に満たされており、該澄んだカプセル化材料は、チップを覆うが、カップを満たしてはいない。OS1600の澄んだエポキシが、カプセル化のために使用された。第1の硬化の後で、カップの残りの部分は、Ce:YAG蛍光体とOS1600エポキシとの混合物で満たされており、第2の硬化へと続く。次に、ヘッダは、チップを下に向けて、より多くOS1600エポキシで満たされた半球形のモールドの中に配置され、次に、第3かつ最後の硬化へと続く。Ce:YAG蛍光体の濃度は、黒体曲線に近い色点を生じるように選ばれた。次に、ヘッダは、チップを下に向けて、より多くOS1600エポキシで満たされた半球形のモールドの中に配置され、次に、第3かつ最後の硬化へと続く。完成したランプは、10インチの完全な球形である点で特徴付けられる。350mAの駆動電流において、ランプの光束は60ルーメンを上回り、1ワット当たり50ルーメン以上の効率を有する。
【0069】
第3のテストにおいて、XT290チップは、標準的な5mmのリードフレームのカップの中に設置された。蛍光体およびカプセル化材料が、同じ方法で上記のヘッダランプに加えられた。第2の硬化に続き、リードフレームが、弾丸形状のモールド内に配置され、澄んだカプセル用材を用いてオーバーモールドされた。そのようなランプの光束効率は、1ワット当たり75ルーメンを上回った。
【0070】
図面および明細書において、本発明の好適な実施形態が述べられており、特定の用語が使用されているが、それらは概略的かつ記述的な意味のみで使用されており、限定の目的で使用されてなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本発明に従ったランプの一部分の概略的断面図である。
【図2】図2は、本発明に従ったダイオードランプのためのダイカップの上面図である。
【図3】図3は、図2の3−3線に沿って切られた断面図である。
【図4】図4は、本発明に従ったスラグ型のランプのパッケージの断面概略図である。
【図5】図5は、本発明に従ったカップ型のランプのパッケージの断面概略図である。
【図6】図6は、本発明に従ったランプに関する電流に対する効率および束の組み合わされたグラフである。
【図7】図7は、本発明に従ったランプのCIEの図の色点のグラフである。
【図8】図8は、本発明に従ったランプに関する波長対強度のグラフである。
【図9】図9は、本発明に従ったランプに関する電流対効率および束のグラフの別のグラフである。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態に従ったランプのCIEの色点のグラフである。
【図11】図11は、CIEの図のそれぞれのバージョンである。
【図12】図12は、CIEの図のそれぞれのバージョンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード、カプセル用材、およびヘッダであって、
該ダイオードは、電気的接触のための導電性シリコンカーバイド基板と、
該ダイオードを横切る電流の適用下で所望の周波数の光子を生成するための、該シリコンカーバイド基板上のIII族の窒化物の活性部分とを備え、
該ヘッダは、該ダイオードを支持し、該ダイオードおよび該活性部分に電気的接触を提供するための反射カップを備え、
該カプセル用材は、蛍光体を含み、該蛍光体が該ダイオードによって発せられる周波数によって励起されるときに、応答周波数を生成するために該カプセル用材の少なくとも一部分に存在する、発光ダイオード、カプセル用材、およびヘッダと、
20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり少なくとも75ルーメンの出力と
を備えている白色発光ソリッドステートランプ。
【請求項2】
20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり少なくとも80ルーメンの出力を有する、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項3】
20ミリアンペアの駆動電流において、1ワット当たり少なくとも85ルーメンの出力を有する、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項4】
単一のポリタイプを有する導電性シリコンカーバイド基板と、
該基板上の少なくとも1つのp型のIII族の窒化物層と、
垂直な方向にある該基板上の少なくとも1つのn型のIII族の窒化物層と
を備えている、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項5】
前記III族の窒化物層のうちの1つに対する抵抗性接点を備え、該抵抗性接点は、前記ヘッダに物理的および電気的に接触している、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項6】
前記カプセル用材は、エポキシ樹脂を備えている、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項7】
前記蛍光体は、電磁スペクトルの紫外線、紫および青の部分から成る群から発せられる周波数によって励起されるときに、可視スペクトルの黄色部分において応答周波数を発する、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項8】
前記蛍光体は、セシウムイットリウムアルミニウムガーネットを備えている、請求項7に記載のソリッドステートランプ。
【請求項9】
すくなくとも1つのp型のIII族の窒化物層と、該p型の層に対する抵抗性接点とを備え、該抵抗性接点は、約1〜250Åの平均厚さを有する、請求項1に記載のソリッドステートランプ。
【請求項10】
前記抵抗性接点は、約1〜10Åの平均厚さを有する、請求項9に記載のソリッドステートランプ。
【請求項11】
白色発光ダイオードベースのランプであって、
電磁スペクトルの紫外線、青および紫の部分から選択されたスペクトルの部分で発光する発光ダイオードと、
該ダイオードを支持しているくぼんだヘッダであって、該くぼみは、該くぼみ内の該ダイオードからの光の抽出を最大化する形状を有する、くぼんだヘッダと、
該くぼみ内で該ダイオードを覆い、該ダイオードを覆うために必要な範囲だけ該くぼみを満たしているカプセル化樹脂の第1の部分と、
該カプセル化樹脂と蛍光体との混合物で形成され、該くぼみの残りの部分を満たし、それにより該蛍光体含有部分を該ダイオードから充分に分離することにより、そうでなければ抽出されることができる蛍光体からの光のダイオードによる吸収を最小化する第2の部分と、
該ランプからの該光の抽出を増加させ、かつ、最大化するための、該カプセル化樹脂で形成された該満たされたくぼみ上のレンズと
を備えている、白色発光ダイオードベースのランプ。
【請求項12】
p型のIII族の窒化物層に対する抵抗性接点を備え、該抵抗性接点は、約1〜250Åの平均厚さを有する、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項13】
前記抵抗性接点は、約1〜10Åの平均厚さを有する、請求項12に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項14】
前記ダイオードは、任意の抵抗性接点を含むそれらの間の全体の大きさがわずか約250μである、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項15】
前記ダイオードは、任意の抵抗性接点を含むそれらの間の全体の大きさがわずか約100μである、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項16】
前記発光ダイオードは、少なくともシリコンカーバイド基板と、III族の窒化物の活性部分とを備えている、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項17】
前記ダイオードは、単一のクリスタルシリコンカーバイド基板と、少なくとも1つのp型のIII族の窒化物層と、垂直な方向にある少なくとも1つのn型のIII族の窒化物層とを備えている、請求項16に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項18】
前記ダイオードは、前記ヘッダ上にフリップチップな方向に配置されている、請求項16に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項19】
前記ダイオードは、電磁スペクトルの紫外線、紫および青の部分から選択されるスペクトルの部分で発光する、請求項1または請求項11に記載のランプ。
【請求項20】
前記ヘッダは、反射性の金属でメッキされている、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項21】
前記ヘッダは銀でメッキされている、請求項1または請求項20に記載のランプ。
【請求項22】
前記カプセル化樹脂の第1の部分、前記カプセル化樹脂の第2の部分、および前記レンズは、全て、エポキシ樹脂で形成されている、請求項11に記載のランプ。
【請求項23】
前記蛍光体は、前記ダイオードによって発せられた光に応答して、可視スペクトルの黄色部分で光を発する、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項24】
前記蛍光体は、セシウムイットリウムアルミニウムガーネットを備えている、請求項23に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項25】
スラグ型のパッケージを備えている、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項26】
カップ型のパッケージを備えている、請求項11に記載のダイオードベースのランプ。
【請求項27】
パッケージされた発光ダイオードランプであって、
導電性ヘッダと、
該ヘッダ上の発光ダイオードであって、シリコンカーバイド基板と、少なくとも1つの窒化インジウムガリウムの活性層と、該基板および該活性層に対して垂直な方向にあり、該ヘッダと電気的に接触している該活性層に抵抗性接触している抵抗性接点とを備えている、発光ダイオードと、
該ダイオードと該ヘッダの少なくとも一部分を覆っているカプセル用材と、
該ダイオードからの発光に応答して可視光を発する、該カプセル用材内の蛍光体と
を備え、
該パッケージされたダイオードは、350mAの動作電流において、1ワット当たり少なくとも57ルーメンの白色光を示す、パッケージされた発光ダイオードランプ。
【請求項28】
パッケージされた発光ダイオードランプであって、
導電性ヘッダと、
該ヘッダ上の発光ダイオードであって、シリコンカーバイド基板と、少なくとも1つの窒化インジウムガリウムの活性層と、該基板および該活性層に対して垂直な方向にあり、該ヘッダと電気的に接触している該活性層に抵抗性接触している抵抗性接点とを備えている、発光ダイオードと、
該ダイオードと該ヘッダの少なくとも一部分を覆っているカプセル用材と、
該ダイオードからの発光に応答して可視光を発する、該カプセル用材内の蛍光体と
を備え、
該パッケージされたダイオードは、1アンペアの動作電流において、1ワット当たり少なくとも142ルーメンの白色光を示す、パッケージされた発光ダイオードランプ。
【請求項29】
高効率の白色発光半導体ベースのランプを形成する方法であって、該方法は、
電気的接触と反射性の背景および構造とを提供するために、ヘッダの基部の中にカップ形状のくぼみを形成することと、
該くぼみ内に該ヘッダと接触して高周波発光ダイオードを配置することと、
該ダイオードを覆うには充分であるが、該カップを満たしはしない量のカプセル化材料で該くぼんだカップを部分的に満たすことと、
該部分的に満たされたカプセル化材料を硬化することと、
該カプセル化材料と該ダイオードによって生成された周波数に対して応答する蛍光体との混合物で、該くぼんだカップの残りを満たし、それにより該ダイオードとの直接的な接触から該蛍光体を分離し、それによりりん光性の光の該ダイオードによる吸収を最小化することと、
該くぼんだカップ内の残りのカプセル化材料を硬化することと、
該カップ内の該硬化された材料上でカプセル化材料の固体レンズを形成し、該ダイオードからの光の抽出を強化することと、
レンズ材料を硬化することにより、完成したランプを形成することと
を包含する、方法。
【請求項30】
前記くぼんだカップ内に高周波の発光ダイオードを配置することを包含し、該くぼんだカップは、少なくとも導電性シリコンカーバイド基板と、垂直な方向にあるIII族窒化物の少なくとも1つの活性部分とを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記シリコンカーバイド基板の表面をエッチングすることを包含し、該シリコンカーバイド基板は、水性エッチングを使用して該基板の損傷した部分を取り除くことにより、その結果としてのダイオードおよびランプからの光の抽出を増加させる少なくとも1つのIII族の窒化物層とは反対側にある、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
カプセル化材料で前記くぼんだカップを満たすステップは、エポキシ樹脂で該カップを満たすことを包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
カプセル化材料で前記くぼんだカップを満たすステップは、1.0よりも大きい反射率を有する材料で該カップを満たすことを包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記カプセル化材料と前記蛍光体との混合物で前記くぼんだカップの残りを満たすステップは、混合物で該カップを満たすことを包含し、該混合物は、スペクトルの紫外線、紫および青の部分から成る群から選択される周波数を有する光に応答して、可視スペクトルの黄色部分で発光する蛍光体を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
カプセル化材料とセシウムイットリウムアルミニウムガーネット(Ce:YAG)蛍光体の混合物で、前記くぼんだカップの残りを満たすことを包含する、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−541477(P2008−541477A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512259(P2008−512259)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/032895
【国際公開番号】WO2006/127030
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506078378)クリー, インコーポレイティッド (26)
【Fターム(参考)】