説明

高圧容器内観察装置およびその観察方法

【課題】放射線を用いて高圧容器内を観察し、高圧容器内の観察対象の鮮明な処理画像を得ることができる高圧容器内観察装置およびその観察方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る高圧容器内観察装置10は、内部流体11等の観察対象を収容した高圧容器12と、この高圧容器12に外部から放射線Rを照射する放射線源13と、前記高圧容器12を透過した放射線Raを検出して画像信号に変換する放射線検出器14と、この放射線検出器からの画像情報から撮影画像とバックグランド画像を作成し、上記撮影画像からバックグランド画像を差分処理して処理画像を得る画像処理装置15とを有する。上記画像処理装置15で高圧容器12内の観察対象の状態観察を行なう処理画像を作成するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧容器内観察装置およびその観察方法に係り、特に放射線を用いて高圧容器内の密度変化を測定し、高圧容器内部の固体・液体・気体および超臨界流体の状態の観察、密度分布、温度分布、濃度分布を測定する高圧容器内観察装置およびその観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題に対応し、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質やポリ塩化ビニールなどの樹脂、放射性物質を含む有機廃棄物の処理が大きな社会問題となっている。
【0003】
一般的に有機廃棄物は焼却処理されているが、この焼却処理方法ではダイオキシン、窒素酸化物などの有害物質が発生したり、発生した有害物質を回収するために大掛りで大規模な装置を必要とするなどの問題が多い。
【0004】
しかし、最近、水の臨界点、例えば温度374℃、圧力22.1MPaを超える水(超臨界水)の中で有機物を酸素で短時間に効率よく酸化分解し、有害物質の発生が少なく、その回収が容易な方法が、例えば「超臨界水中における有機物酸化方法」として特公平1−38532号公報(特許文献1)で知られている。
【0005】
また、超臨界水中で有機物を完全に分解するだけでなく、水の臨界点以下の高温高圧の温度圧力条件で加水分解し、有機物を有用な物質に変換する方法が、例えば「アルカリ熱水を利用した有機物質の処理方法」として特開昭59−105079号公報として知られている。
【特許文献1】特公平1−38532号公報
【特許文献2】特開昭59−105079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水の臨界点以上での酸化分解反応や水の臨界点以下での加水分解反応を実現するためには、耐高温高圧の反応容器を用意し、この反応容器に有機物を投入し反応状態を検知して制御する必要がある。高温高圧の反応容器をステンレスなどの金属材料で製造すると、高温高圧の反応容器内の反応状態を検出することが困難である。
【0007】
従来は、高温高圧の反応容器の一部に孔を開けて開口部にダイヤモンドやサファイヤなどの硬質透明材料を設けて観察窓を設置する方法が採られている。
【0008】
しかし、反応容器の開口部に設けられるダイヤモンドやサファイヤなどは熱衝撃に弱く、破損する虞があったり、容器内部に酸素が存在すると観察窓の表面が白濁して透明度が低下し、反応状態を観察できなくなるなどの課題があった。
【0009】
また、反応容器に形成される開口部は、強度維持の点から寸法の制約があり、反応容器の一部にしか開口部を形成できず、容器内の一部分しか測定できない課題があった。
【0010】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、放射線を用いて高圧容器内を観察し、高圧容器内の観察対象の鮮明な処理画像を得ることができる高圧容器内観察装置およびその観察方法を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的は、撮影画像を補正して、高圧容器内部の固体や流体、超臨界流体の状態の観察、密度分布、温度分布および濃度分布の鮮明な処理画像を得ることができる高圧容器内観察装置およびその観察方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る高圧容器内観察装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、内部流体等の観察対象を収容した高圧容器と、この高圧容器に外部から放射線を照射する放射線源と、前記高圧容器を透過した放射線を検出して画像信号に変換する放射線検出器と、この放射線検出器からの画像情報から撮影画像とバックグランド画像を作成し、上記撮影画像からバックグランド画像を差分処理して処理画像を得る画像処理装置とを有し、上記画像処理装置で高圧容器内の観察対象の状態観察を行なう処理画像を作成したものである。
【0013】
また、本発明に係る高圧容器内観察方法は、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、高圧容器に外部から放射線を照射し、上記高圧容器を透過した放射線から高圧容器内の観察対象を測定する高圧容器内観察方法において、前記高圧容器内を撮影した放射線の撮影画像を利用してバックグランド画像を作成し、上記撮影画像とバックグランド画像の差を取って高圧容器内の観察対象の処理画像を得る観察方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、放射線を用いて高圧容器内を観察し、鮮明な処理画像を得ることができ、また、撮影画像を補正してバックグランド画像を得ることができ、観察前にバックグランド画像を得る必要がなく、高圧容器内部の観察対象(固体、流体、超臨界流体)の状態の観察、密度分布、温度分布、濃度分布の鮮明な処理画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る高圧容器内観察装置およびその観察方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る高圧容器内観察装置の第1実施形態を概略的に示す構成図である。
【0017】
この高圧容器内観察装置10は、処理される内部流体11を被処理流体あるいは観察対象として包含する高圧容器12を有する。高圧容器12はステンレス鋼などの耐高圧金属容器で形成され、高圧容器12の一側に放射線を出力する放射線源13が、高圧容器12の他側に透過した放射線を検出する放射線検出器14が設けられる。放射線源13は、X線、γ線、β線や中性子線などの放射線を出射するものであればよい。
【0018】
放射線源13から放出される放射線(透過前放射線)Rは、高圧容器12を透過して放射線強度が低下した透過放射線Raとなって放射線検出器14で検出し、画像信号に変換される。放射線検出器14で検出された信号は画像信号(画像情報)に変換され、転送器16により画像処理装置としての画像処理器17に送られる。
【0019】
画像処理器17では入力された画像情報からバックグランド画像を作成し、基画像である撮影画像からバックグランド画像を差分処理して処理画像を得るようになっている。
【0020】
画像処理器17で得られた処理画像は、表示器18に表示される一方、表示された処理画像は、記録器19に記録され、保存される。画像処理器17、表示容器18および記録器19は転送器20,21でそれぞれ接続される。
【0021】
画像処理器17は表示器18を介さず、記録器19に図示しない転送器で直接接続してもよい。
【0022】
この高圧容器内観察装置10においては、放射線源13から放射される放射線Rは、高圧容器12とこの容器内の内部流体に吸収されて放射線強度が低下し、透過放射線Raとなる。
【0023】
透過前の放射線強度Iと透過後の放射線強度Iとの関係は(1)式で表わされる。
[数1]
I=I・exp{−(μ+μ+μ…)} ……(1)
但し、μ,μ,μ…:物質,物質,物質……の線減弱係数
,x,x…:物質,物質,物質……の厚さ
である。
【0024】
この高圧容器内観察装置10では、高圧容器12に照射される放射線Rは、高圧容器12内の内部流体の水平方向の物質の状態により、透過放射線Raの放射線強度が変化し、この放射線強度の変化を利用して高圧容器12の内部の反応状態を観察することができる。
【0025】
高圧容器12内部に有機物や化合物を入れ、水を臨界点(温度374℃、圧力22.1MPa、または温度372℃、圧力22MPa)を超える高温・高圧にすると、この高温・高圧水は、液体と気体の両方の性質を兼ね備えた超臨界状態となる。超臨界状態では水の分子が高密度で激しく動き回り、中に存在する有機物や化合物は即座に分解(酸化分解)される。
【0026】
また、水の臨界点以下の高温高圧の温度圧力条件で高温高圧水が加水分解作用をするので、アルカリ水を用いて有機物や化合物は有用な物質に変換させることもできる。
【0027】
この高圧容器内観察装置10は、高圧容器12の外部に放射線源13と放射線検出器14とを、略直径方向に対向させて設置し、放射線Rを用いて高圧容器12内を観察できるため、高圧容器12の一部に観察窓を設ける必要がなく、観察窓用部品を高圧容器12に組み込む必要がない。このため、高圧容器12が破損する虞もなく、観察窓が反応環境と接触することがなく、観察し難い等の問題を解決できる。
【0028】
また、この高圧容器内観察装置10は、透過放射線Raを放射線検出器14で検出して強度信号(画像信号)に変えられて転送器16で画像処理装置の画像処理器17に送られ、撮影画像が得られる。画像処理器17では、図2(A)に示すように、撮影画像25から背景であるバックグランド画像26を作成し、このバックグランド画像26を上記撮影画像25から差分処理し、処理された処理画像27を得る。
【0029】
この処理画像27を表示器18に表示したり、記録器19にデータとして保存する。表示器18を介さず、処理画像27を画像処理器17から直接記録器19にデータ保存させることができる。
【0030】
この高圧容器内観察装置10では、図2(A)に示すように画像処理器17で得られる撮影画像25を処理してバックグランド画像26を得ることができ、高圧容器12内に観察する観察対象を入れない観察時や類似の条件で内部流体を入れただけの高圧容器12内を予め測定してバックグランド画像を作成する必要がない。高圧容器12内の様子観察する前にバックグランド画像を作成するバックグランド測定工程を省略することができ、測定時間を短縮できる。
【0031】
高圧容器12内の様子観察する前にバックグランド画像を得るバックグランド測定工程を省略でき、画像処理器17で得られる撮影画像25の少なくとも一部からバックグランド画像26を得ることができ、得られたバックグランド画像26を撮影画像25から差引処理することで処理画像27が得られる。バックグランド画像26を、観察(撮影)画像25の一部を切り出して得ることにより、バックグランド画像26の位置ずれや観察時の測定条件とバックグランド画像26の撮影条件が異なるために、処理画像27が不鮮明になることを防止でき、鮮明な処理画像が得られる。
【0032】
このように、高圧容器内観察装置10で観察前に予めバックグランド画像29a,29bを得る必要がないので、図2(B)に示すように撮影時(観察時)と違うバックグランド画像29aを得たり、図2(C)で示すように、位置ずれしたバックグランド画像29bを生成することがない。
【0033】
したがって、図2(B)および(C)に示すように、不鮮明な処理画像31a,31bを得ることがなく、鮮明な処理画像27を図2(A)に示すように得ることができる。
【0034】
次に、高圧容器内観察方法の実施例を図3および図4を参照して説明する。
【0035】
高圧容器内観察装置10の画像処理器17で処理される画像は、図3(A),(B)および(C)に示すように、撮影画像25、バックグランド画像62および処理画像27から構成される。
【0036】
高圧容器内観察装置10は、高圧容器12内を放射線Rを用いて撮影し、測定部位の撮影画像25を得る(図3(A)参照)。
【0037】
次に、得られた撮影画像25を基にして撮影画像25の一部を切り出し処理し、バックグランド画像26を作成する(図3(B)参照)。
【0038】
続いて、このバックグランド画像26を用い、撮影画像25からバックグランド画像26の差分を取って処理画像27を得ることができる(図3(C)参照)。
【0039】
バックグランド画像26の作成は、図4に示す処理方法によって実施される。
【0040】
このバックグランド画像26の作成方法では、撮影画像25の中から観察対象物以外の部位の代表的な背景画像28を切り出し(図4(B)参照)。切り出された背景画像278を、この色パターンと同じ色パターンおよび濃淡を用いて、撮影画像25と同じ寸法・形状の画像を作成する(図4(C)参照)。この画像がバックグランド画像26である。
【0041】
この高圧容器内観察方法によれば、バックグランド画像を予め作成して求めておく必要がなく、観察時に、撮影画像25の中から一部を切り出し処理して、バックグランド画像26を作成することができ、撮影画像25とバックグランド画像26の位置ずれ補正が不要となる。したがって、撮影画像25の中からバックグランド画像26を作成して撮影画像25からバックグランド画像26を差分処理することで、鮮明な処理画像27を得ることができる。
【0042】
この処理画像27から、高圧容器12内部の観測対象物の固体、液体、気体および超臨界流体の状態(様子)の観察、密度分布、温度分布および濃度分布、ならびにそれらの分布変化を、鮮明な処理画像27を見ながら測定することができる。
【0043】
図5(A)〜(D)は、本発明に係る高圧容器内観察方法の第2実施例を示すもので、高圧容器内観察方法における第2のバックグランド画像作成方法を例示するものである。
【0044】
このバックグランド画像作成方法では、高圧容器内観察装置10の画像処理器17で処理された撮影画像25A(図5(A)参照)、容器外部30a、配管30b、配管と流体30cなどの構成部品として抽出し、領域を分割する(図5(B)参照)。
【0045】
次に、撮影画像25Aから各構成部品30a,30b,30cに対応する部位31を切り出し、代表的な色パターン32a,32b,32cを同じ濃淡で抽出する(図4(C)参照)。
【0046】
続いて、図5(B)で抽出した構成部品30a,30b,30cに、図5(C)で抽出した対応する色パターン32a,32b,32cをそれぞれ貼り付け、合成処理する(図5(D)参照)。
【0047】
この合成処理により得られた画像が、図5(D)に示される合成バックグランド画像26Aである。
【0048】
このバックグランド画像作成方法は、撮影画像25Aから構成部品30a,30b,30cを抽出し、各構成部品30a,30b,30cに対応する代表的な色パターン32a,32b,32cをそれぞれ貼り付ける合成処理を行なうので、鮮明なバックグランド画像を得ることができる。撮影画像25Aが複雑な部品・形状で構成されていても、鮮明なバックグランド画像を得ることができる。
【0049】
図6(A)〜(D)は、本発明に係る高圧容器内観察方法の第3実施例を示すもので、この高圧容器内観察方法における第3のバックグランド画像作成方法を例示するものである。
【0050】
このバックグランド画像作成方法では、高圧容器内観察装置10の画像処理器17で処理された撮影画像25B(図6(A)参照)、高圧容器外部の部品33a、圧力容器の部品33b、高圧容器12内の内部流体11の部品33cなどの各部品として抽出し、各部品33a〜33c毎に分解する(図6(B)参照)。
【0051】
次に、各部品33a〜33cの部品形状、配置、物性値、放射線強度からシミュレーション35により合成処理し(図6(C)参照)、図6(D)に示すように合成バックグランド画像26Bを作成する。
【0052】
このバックグランド画像作成方法では、撮影画像25Bに色パターンを使用しないので、色ボケ等の問題が生じず、鮮明なバックグランド画像26Bが得られる。このバックグランド画像26Bは、高圧容器12内の内部流体11の密度分布、温度分布、濃度分布などの微小な変化の検出に適した高圧容器内観察方法として期待できる。
【0053】
図7は、本発明に係る高圧容器内観察方法の第4実施例を示すもので、この高圧容器内観察方法における第4のバックグランド画像作成方法を例示するものである。
【0054】
このバックグランド画像作成方法は、高圧容器内観察装置10の画像処理器17で撮影された撮影画像から、放射線源13と放射線検出器14の間に存在する各部品、例えば高圧容器12の外部の部品33a、高圧容器12の部品33b、内部流体11の部品33cに分解された形状情報(図7(A)参照)の画像と図7(B)に示された部品配置情報の画像25Cとに区分する。
【0055】
続いて、撮影画像の各部品33a〜33cの形状情報、部品配置の情報、物性値、放射線強度などから図7(C)に示すようにシミュレーションして合成処理し、図7(D)に示すように、合成バックグランド画像26Cを作成する。
【0056】
このバックグランド画像作成方法は、高圧容器内観察装置10の画像処理器17で撮影された撮影画像から、放射線源13と放射線検出器14の間に存在する各部品、例えば高圧容器12の外部の部品33a、高圧容器12の部品33b、内部流体11の部品33cに分解された形状情報(図7(A)参照)の画像と図7(B)に示された部品配置情報の画像25cとに区分する。
【0057】
続いて、撮影画像の各部品33a〜33cの形状情報、部品配置の情報、物性値、放射線強度などから図7(C)に示すようにシミュレーションして合成処理し、図7(D)に示すように、合成バックグランド画像26Cを作成する。
【0058】
このバックグランド画像作成方法では、バックグランド画像26Cの作成を内部流体11の測定前に行なうことができるので、高圧容器内の観察準備から撮影開始前までの大幅な時間短縮を期待することができる。
【0059】
図8は、本発明に係る高圧容器内観察装置の第2実施形態を示す概略的な構成図である。
【0060】
第2実施形態に示された高圧容器内観察装置10Aは、放射線検出器14と画像処理装置である画像処理器17の間に記録器40を介装し、この記録器40と放射線検出器14および画像処理器17を転送器41a,41bでそれぞれ接続したものである。他の構成および作用は、図1に示された高圧容器内観察装置10と実質的に異なるところがないので、同じ符号を付して説明する。
【0061】
この高圧容器内観察装置10Aは、内部流体11を包含する高圧容器12と、放射線Rを放出する放射線源13と、放射線源13から高圧容器12を透過して放射線強度が低下した透過放射線Raを検出して画像信号に変換する放射線検出器14と、この検出器14の画像情報(撮影画像)からバックグランド画像を作成して基画像(撮影画像)から差分処理して処理画像を得る画像処理器17と、得られた処理画像を表示する表示器18と、表示された処理画像を保存する記録器19と、放射線検出器14の撮影画像を一旦保存し、保存した撮影画像を画像処理器17に送って再解析される保存記録器40と、上記各機器14,17,18,19,40を継ぐ転送器16,20,21および41a,41bとから構成される。
【0062】
この高圧容器内観察装置10Aは、画像処理器17から表示器18を介さないで、直接記録器19に接続することも可能であり、高圧容器12内の様子あるいは状態を直接測定して保存記録器40に記録させると同時に、放射線検出器14の撮影画像を保存記録器40に保存し、後日再生して画像処理器17で再解析して記録器19に保存させることができる。
【0063】
高圧容器内観察装置10Aの作用および作用効果は、図1に示された高圧容器内観察装置10と異なることがない一方、こま高圧容器内観察装置10Aでは、高圧容器12内を直接観察して保存記録器40に記録させることができ、保存記録器40に記録された撮影画像は観察終了後に画像処理器17に送って再解析することができる。このため、正確な処理画像を所望時に得ることができ、精度の高い測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る高圧容器内観察装置の第1実施形態を概略的に示す構成図。
【図2】(A)〜(D)は、撮影画像から処理画像を得る画像処理方法および画像の明細を示す説明図。
【図3】(A),(B)および(C)は、本発明に係る高圧容器内観察方法における撮影画像の画像処理方法を示す説明図。
【図4】(A),(B)および(C)は、本発明に係る高圧容器内観察方法におけるバックグランド画像作成方法の第1実施例を示す説明図。
【図5】(A)〜(D)は、本発明に係る高圧容器内観察方法におけるバックグランド画像作成方法の第2実施例を示す説明図。
【図6】(A)〜(D)は、本発明に係る高圧容器内観察方法におけるバックグランド画像作成方法の第3実施例を示す説明図。
【図7】(A)〜(D)は、本発明に係る高圧容器内観察方法におけるバックグランド画像作成方法の第4実施例を示す説明図。
【図8】本発明に係る高圧容器内観察装置の第2実施形態を概略的に示す構成図。
【符号の説明】
【0065】
10,10A 高圧容器内観察装置
11 内部流体(観察対象)
12 高圧容器
13 放射線源
14 放射線検出器
16,20,21,41a,41b 転送器
17 画像処理器(画像処理装置)
18 表示器
19 記録器
25,25A,25B,25C 撮影画像(観察画像)
26,26A,26B,26C バックグランド画像
27 処理画像
30a,30b,30b 構成部品
32a,32b,32b 色パターン
40 保存記録器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部流体等の観察対象を収容した高圧容器と、
この高圧容器に外部から放射線を照射する放射線源と、
前記高圧容器を透過した放射線を検出して画像信号に変換する放射線検出器と、
この放射線検出器からの画像情報から撮影画像とバックグランド画像を作成し、上記撮影画像からバックグランド画像を差分処理して処理画像を得る画像処理装置とを有し、
上記画像処理装置で高圧容器内の観察対象の状態観察を行なう処理画像を作成したことを特徴とする高圧容器内観察装置。
【請求項2】
前記画像処理装置で作成された処理画像を記録させ、保存させる記録器を備えた請求項1に記載の高圧容器内観察装置。
【請求項3】
前記画像処理装置で作成された処理画像を表示する表示器と、
この表示器に表示される処理画像を記録させ、保存させる記録器とを備えた請求項1に記載の高圧容器内観察装置。
【請求項4】
前記放射線検出器と画像処理装置の間に保存記録器を設け、この保存記録器は、放射性検出器からの画像情報を記録させると同時に保存させる一方、保存された画像情報を画像処理装置に送って再解析させるようにした請求項1記載の高圧容器内観察装置。
【請求項5】
高圧容器に外部から放射線を照射し、上記高圧容器を透過した放射線から高圧容器内の観察対象を測定する高圧容器内観察方法において、
前記高圧容器内を撮影した放射線の撮影画像を利用してバックグランド画像を作成し、
上記撮影画像とバックグランド画像の差を取って高圧容器内の観察対象の処理画像を得ることを特徴とする高圧容器内観察方法。
【請求項6】
前記バックグランド画像の作成方法は、高圧容器を撮影した放射線の撮影画像の観察対象以外の部位から撮影画像を切り出し、切り出された画像の寸法および形状を調整してバックグランド画像を得る方法である請求項5記載の高圧容器内観察方法。
【請求項7】
前記バッグクランド画像の作成方法は、放射線の撮影画像を複数の構成部品に分割する一方、撮影対象以外の部位から撮影画像の色パターンを抽出し、抽出された色パターンを前記撮影画像の対応する部品に塗布してバックグランド画像を得る方法である請求項5記載の高圧容器内観察方法。
【請求項8】
前記バックグランド画像の作成方法は、高圧容器を撮影した放射線の撮影画像から構成物品に分割する一方、撮像対象以外の部位から撮影画像の色パターンを抽出し、抽出された色パターンを前記撮影画像の対応する部品に塗布してバックグランド画像を得る方法である請求項5に記載の高圧容器内観察方法。
【請求項9】
前記バックグランド画像の作成方法は、高圧容器を撮影した放射線の撮像画像から各構成部品を抽出する一方、各構成部品の組合せ部品配置を抽出し、各構成部品の形状、配置、物性値、放射線強度からシミュレーションによりバックグランド画像を作成する方法である請求項5に記載の高圧容器内観察方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−126149(P2006−126149A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318507(P2004−318507)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発委託研究 産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける出願)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】