説明

高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯の点灯方法及びプロジェクタ

【課題】高圧放電灯の点灯において、電極先端の状態を維持して安定的な放電状態を長時間継続させる。
【解決手段】高圧放電灯に交流電流を供給する交流電流供給回路、及び交流電流の周波数を制御する制御回路を備えた高圧放電灯点灯装置が提供される。上記交流電流は第1の周波数の第1の期間、第1の周波数より高い第2の周波数の第2の期間、及び第2の周波数より高い第3の周波数の第3の期間を含み、第1、第2及び第3の期間が所定の配列で反復されるように交流電流供給回路が制御回路によって制御される。第1の周波数は45Hz以上75Hz以下であり、第3の周波数は150Hz以上1kHz以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概略として高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯の点灯方法及びプロジェクタに関し、具体的には高圧放電灯を長期的に安定点灯するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図1Aに示すような一対の電極を有する高圧放電灯(以下、「ランプ」という)の交流点灯には、60〜400Hz程度の一定周波数の矩形波からなるランプ電流が使用されていた。しかし、単一周波数で長時間点灯すると、電極先端で、電極成長モード(電極間距離が減少し、ランプ電圧が減少する)及び電極溶解モード(電極間距離が増大し、ランプ電圧が増大する)が繰り返される。図6は80Hz一定で点灯した場合のランプ電圧の変動を示す。図示するように、単一周波数で点灯するとランプ電圧が60V〜115Vの間で大きく変動する。これは、電極条件(その時点での電極温度等)や放電条件(発光物質の蒸発状態等)によって、当該単一周波数が電極成長モードを促す周波数にも、電極溶解モードを促す周波数にもなることを意味している。
【0003】
特許文献1には、ランプ電圧に応じて周波数を変更するものが開示されている。具体的には、ランプ電圧が第1の閾値以下の場合にはランプ電流の周波数を下限値とし、ランプ電流が第1の閾値以上第2の閾値以下では周波数を中間的な値とし、第2の閾値を超える場合には周波数を上限値とする構成が開示されている。これにより、ランプ電圧が低い場合には電極溶解モードが促され、ランプ電圧が高い場合には電極成長モードが促され、電極の長さが所定の範囲内に収まるようにするものである。
【0004】
なお、電極先端に突起が成長する現象は必ずしも明確ではないが下記のように推測される。加熱させたタングステンが蒸発したことによって発光管内に存在するハロゲン等と結合し、タングステン化合物を形成する。このタングステン化合物は対流などによって管璧付近から電極先端付近へ拡散し、高温部でタングステン原子に分解される。そしてタングステン原子はアーク中で電離することで陽イオンとなる。交流点灯している両電極が陽極と陰極を点灯周波数ごとに繰り返すが、この陰極動作をしている時にアーク中の陽イオンは、電界によって陰極側に引き寄せられることで両電極先端に析出され、それが突起を形成するものと考えられている。従って、ランプ電流の周波数や他の諸条件によってタングステンの蒸発と析出のバランスが決まり、電極の溶解が優勢となったり成長が優勢となったりする。そして、どのような周波数で電極の溶解又は成長が起こるかはランプ及びその点灯状態によって異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−276623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される制御によると、ランプ電圧が基本的には所定の範囲内となり得るものの、電極が成長してランプ電圧が低い時間帯では、所定のランプ電力、即ち、照度を確保するために最大定格のランプ電流を流す必要があり、点灯装置側での電流ロスが大きくなる。そのため、例えばランプ電圧が上記第1の閾値以下となるような時間帯では、電力損失及び回路素子のストレスが大きくなるという問題があった。
【0007】
また、同文献でも言及されているように、電極の状態変化は周波数の切替えに対して即座に追従するものではない。従って、電極の成長又は溶解速度によってはそのモードがオーバーシュートする可能性がある。電極の成長がオーバーシュートしてランプ電圧が大きく減少すると、最大定格ランプ電流を投入しても所定の照度が得られなくなるという照度不足の問題が起こる。一方、電極の溶解がオーバーシュートすると、放電アークの起点となる電極先端の突起部が消失し、放電アークの起点が定まらなくなり、いわゆるフリッカが発生し易くなるという問題が起こる。
【0008】
そこで、本発明は、電極先端の成長又は溶解を長時間継続させることなく、電極先端の状態を維持して安定的な放電状態を継続させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面は、高圧放電灯に交流電流を供給する交流電流供給回路、及び交流電流の周波数を制御する制御回路を備えた高圧放電灯点灯装置である。上記交流電流は第1の周波数の第1の期間、第1の周波数より高い第2の周波数の第2の期間、及び第2の周波数より高い第3の周波数の第3の期間を含み、第1、第2及び第3の期間が所定の配列で反復されるように交流電流供給回路が制御回路によって制御される。第1の周波数は45Hz以上75Hz以下であり、第3の周波数は150Hz以上1kHz以下である。
【0010】
本発明の第2の側面は、高圧放電灯、高圧放電灯に取り付けられたリフレクタ、上記の高圧放電灯点灯装置、並びに高圧放電灯、リフレクタ及び高圧放電灯点灯装置を内部に保持する筐体を備えたプロジェクタである。
【0011】
本発明の第3の側面は、交流電流を出力する交流電流供給回路、及び交流電流の周波数を制御する制御回路を備えた高圧放電灯点灯装置による高圧放電灯の点灯方法である。上記交流電流は、第1の周波数の第1の期間、第1の周波数より高い第2の周波数の第2の期間、及び第2の周波数より高い第3の周波数の第3の期間を含み、第1、第2及び第3の期間が所定の配列で反復されるように制御回路が交流電流供給回路を周波数制御する。第1の周波数は45Hz以上75Hz以下であり、第3の周波数は150Hz以上1kHz以下である。
【0012】
上記において、制御回路は高圧放電灯のランプ点灯パラメータを取得する手段を備え、制御回路はランプ点灯パラメータに応じて第1、第2又は第3の期間の少なくとも1つに含まれる交流電流のサイクル数を変化させるようにした。
ここで、ランプ点灯パラメータを高圧放電灯のランプ電圧として、ランプ電圧が高いほど第1の期間に対する第3の期間の時間比率が高くなるように構成した。
また、ランプ点灯パラメータをランプ電圧として、ランプ電圧が高いほど第3の期間に含まれる交流電流のサイクル数が多くなるように構成してもよい。
さらに、第1の期間に含まれる交流電流を1サイクル以上100サイクル以下として、第3の期間に含まれる交流電流を10サイクル以上1000サイクル以下とした。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】高圧放電灯の構成を説明する図である。
【図1B】高圧放電灯点灯装置の構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施例によるランプ電流波形を示す図である。
【図3】本発明の実施例によるランプ電圧の長期的な変化を示す図である。
【図4A】本発明の実施例によるランプ電圧の短期的な変化を示す図である。
【図4B】本発明の実施例によるランプ電圧の短期的な変化を示す図である。
【図5】本発明の実施例によるプロジェクタの概略図である。
【図6】従来例による長期的なランプ電圧の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Bに本実施例で用いる高圧放電灯点灯装置の構成を示す。高圧放電灯点灯装置は、交流入力を直流化する整流平滑回路10、整流平滑回路10の出力電圧を降下してランプ60への電流を制限する降圧チョッパ回路20、降圧チョッパ回路20の出力を交流矩形波電流に変換してランプ60に投入するフルブリッジ回路40、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を制御する制御回路30、並びにイグナイタ50からなる。なお、整流平滑回路10、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分が交流電流供給回路に相当するが、高圧放電灯点灯装置外から直流電圧が供給される場合には整流平滑回路10は不要であるので、回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分が交流電流供給回路に相当することになる。制御回路30は制御部(マイクロコンピュータ)35を含む。
【0015】
降圧チョッパ回路20はランプ電力又はランプ電流が一定となるように制御回路30によってPWM制御される。具体的には、降圧チョッパ回路20は、制御回路30においてランプ電圧検出抵抗31及び32によって検出されるランプ電圧とランプ電流検出抵抗33によって検出されるランプ電流の積(即ち、ランプ電力)が設定値で一定となるように制御部35及びPWM制御部34によってPWM制御され、或いは、ランプ電流検出抵抗33によって検出されるランプ電流が一定となるようにPWM制御され得る。なお、以下の実施例では、前者の定電力制御を想定している。
【0016】
フルブリッジ回路40においては、ブリッジ制御回路45によってトランジスタ41及び44とトランジスタ42及び43とが交互にオン・オフ駆動され、その駆動周波数が制御部35によって制御される。
【0017】
図2に本実施例の周波数制御によってフルブリッジ回路40によって出力されるランプ電流波形を示す。図示するように、通常の周波数Mfの期間の前後に低周波Lfの期間及び高周波Hfの期間が設けられ、低周波Lfの期間、中周波Mfの期間及び高周波Hfの期間が所定の配列で反復されるようにフルブリッジ回路40が制御される。後述するように、各期間に含まれる交流電流のサイクル数は制御部35によって予め決定されている。
【0018】
この周波数制御の目的は、電極先端の形状、即ち、電極間距離(ランプ電圧)を略一定に維持することである。即ち、どのような電極条件や放電条件であっても、点灯状態が電極成長モード又は電極溶解モードに偏らないようにするために、上述のような通常の周波数Mfよりも高い周波数Hfと低い周波数Lfを組み合わせた3周波数混合波形が用いられる。
【0019】
ここで、周波数Lfは45Hz以上75Hz以下とすることが好ましく、これにより(少なくとも短期的には)電極成長モードが誘発される。一般に、点灯周波数が50Hz未満であると、ランプ電流の極性反転がユーザに視認可能となってしまい、視覚効果上好ましくないといわれている。しかし、本発明による周波数制御においては、低周波Lfの期間が長く継続しないことから、低周波Lfを45Hz程度まで下げても問題ない。一方、点灯周波数を75Hz超とすると、上記電極条件や放電条件によっては、電極成長モードではなく電極溶解モードが誘発され得るので周波数Lfとしては適切ではなくなる。
【0020】
また、周波数Hfは150Hz以上1kHz以下とすることが好ましく、これにより(少なくとも短期的には)電極溶解モードが誘発される。一般に、点灯周波数が1kHz超であると、放電アークの腹部が揺れるいわゆる音響共鳴現象が発生し、ちらつきやランプの故障の原因となるため適切でない。一方、点灯周波数を150Hz未満とすると、上記電極条件や放電条件によっては、電極溶解モードではなく電極成長モードが誘発され得るので周波数Hfとしては適切ではなくなる。
【0021】
なお、周波数Mfは周波数Lfと周波数Hfの間のいずれかの周波数(75Hz〜150Hz)であればよいが、本実施例では100Hz程度を想定している。
また、低周波Lfの期間と高周波Hfの期間の間に中周波Mfを挟むことによって、期間切替え時の周波数変化を小さくすることができ、周波数の瞬時的な変化に起因する放電の異常を防止することができる。但し、周波数の変化量によっては、低周波Lfと高周波Hfを直接切り替えてもよい。
【0022】
また、点灯期間に含まれる波形のサイクル数については、低周波Lfの期間に1サイクル以上100サイクル以下が含まれ、中周波Mfの期間に1サイクル以上500サイクル以下が含まれ、高周波Hfの期間に10サイクル以上1000サイクル以下が含まれる。この範囲とすることによって、各期間の効果のバランスを取ることができる。特に、短時間であっても電極の溶解及び成長によるランプ電圧の変動範囲を(例えば1V以内に)小さく抑えるために、低周波Lfの期間及び高周波Hfの期間にそれぞれ含まれるサイクル数を上記の上限値以下とすることが望ましい。また、各周波数による効果を確保するためにサイクル数を上記の下限値以上とすることが望ましい。より好ましくは、低周波Lfの期間に5サイクル以上50サイクル以下が含まれ、高周波Hfの期間に50サイクル以上500サイクル以下が含まれる。
【0023】
また、前述したように、各周波数が電極に与える影響は、その時点での電極条件、放電条件等によって異なる。そのため、ランプ電圧、ランプの寿命にわたる累積点灯時間、1回の点灯における点灯時間、ランプ累積始動回数、ランプ周囲温度等のランプ点灯パラメータに応じて各周波数に含まれる交流電流のサイクル数を変化させ、各周波数の影響のバランスを取ることが好ましい。この場合、低周波Lf、中周波Mf又は高周波Hfの少なくとも1つのサイクル数を変化させてバランスを取るようにすればよい。
【0024】
上記のランプ点灯パラメータはいずれも制御回路30で取得できる。ランプ点灯パラメータがランプ電圧である場合は、ランプ電圧はランプ電圧検出抵抗31及び32によって検出できる。また、ランプ点灯パラメータが累積点灯時間、1回の点灯における点灯時間、ランプ累積始動回数の場合は、それらは制御部35において演算できる。また、ランプ点灯パラメータがランプ周囲温度の場合は、感温素子をランプ近傍に設け、その感温素子の抵抗値を検出する等してランプ周囲温度が取得される。
【0025】
表1に具体的な周波数構成例を示す。以下の例では、上記のランプパラメータとしてランプ電圧を用いている。ランプ電圧が閾値未満の場合はパターン1を、閾値以上の場合はパターン2を採用する。なお、閾値はランプ電圧上昇時(70V)及び下降時(65V)でヒステリシスを有する。ランプ電力は230Wを想定している。
【表1】

【0026】
ランプ電圧が所定値(65V/70V)以上の場合における低周波Lfの期間に対する高周波Hfの期間の時間比率は、ランプ電圧が上記所定値未満の場合における低周波Lfの期間に対する高周波Hfの期間の時間比率とは異なる。これは、上述したように、ランプ電圧に依存して電極成長と電極溶解の速度が異なるため、それらの最適なバランスを取るための時間比率も異なるためである。パターン1に比べてパターン2では、特に、高周波Hfの期間に含まれるサイクル数を大幅に増やした。これは、ランプ電圧が高くなるほど電極溶解の速度が遅くなることが観測されるためである。従って、低周波Lfの期間に対する高周波Hfの期間の時間比率を高くすること、又はランプ電圧が高いほど高周波Hfの期間に含まれるサイクル数を多くすることが望ましい。
【0027】
なお、上記の3周波混合制御は、ランプ点灯開始から所定の期間経過後(1〜15分後)に行なうようにしてもよい。言い換えると、安定点灯到達前は単一の点灯周波数で点灯してもよい。
【0028】
図3に、本実施例に関する実験結果として、長期的なランプ電圧の変化(ライフテストの結果)を示す。図3の実験においては、混合すべき3つの周波数について、ランプ電圧にかかわらず、低周波Lf=63Hzを30サイクル、中周波Mf=100Hzを30サイクル、高周波Hf=250Hzを30サイクルとした。単一周波数(80Hz一定)による図6と比較して分かるように、ランプ電圧の変動が大幅に抑制され、電極形状がほぼ維持されていることが分かる。なお、図3及び図6の実験に使用したランプの定格電力は230Wである。
【0029】
図4A及び4Bにそれぞれパターン1及び2における周波数変化に対するランプ電圧の短期的な変化を示す。両図において、実線はランプ電圧を、破線は周波数を示す。図示するように、周期毎にわずかに電極成長及び電極溶解の傾向が見られるものの、そのランプ電圧の変動範囲は約0.2V程度であり、短期的にもほぼ同一形状が維持されることが分かる。
【0030】
以上より、本発明の構成によれば、電極先端の状態を維持することができるので、回路電流の増大が少なくかつフリッカが起こらないような安定的な放電状態を継続させることができる。
【0031】
図5に上記高圧放電灯点灯装置を利用したプロジェクタを示す。プロジェクタは、上記高圧放電灯点灯装置71、ランプ60が取り付けられるリフレクタ72、高圧放電灯点灯装置71、高圧放電灯60及びリフレクタ72が内部に保持される筐体73を備える。なお、図5は本発明のプロジェクタを模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。そして、図示されない映像系の部材等が筐体73内に適宜配置される。
これにより、消費電力の増大が少なくかつフリッカが起こらないような安定的な放電状態を長時間継続することができるプロジェクタを提供することができる。
【0032】
上記に本発明の最も好適な実施例を示したが、本発明は発明の趣旨を逸脱することなく以下のように変形可能である。
(1)上記実施例では、各波形の繰り返しパターンについて、中周波Mfの期間の前後に低周波Lfの期間及び高周波Hfの期間が存在するものを示したが、例えば、低周波Lf、中周波Mf、高周波Hfの順又はその逆とする等その順序は異なっていてもよい。但し、各繰り返しパターンに対して最適な周波数、サイクル数(期間長)等を設定することが望ましい。
【0033】
(2)上記実施例では、交流電流として矩形波を用いたが、交流電流であれば、台形波(交流半サイクル中にランプ電流が上昇又は下降するもの)、正弦波(矩形波、三角波、台形波等がなまったものも含む)、パルス重畳波(交流矩形波の半サイクル中にランプ電流が増大した期間を有するもの)、高周波含有矩形波(交流矩形波の半サイクル毎に1サイクル以上の高周波部分を含むもの)等であれば本発明の原理を利用できる。
【0034】
(3)上記実施例において、整流平滑回路10、降圧チョッパ回路20、制御回路30、フルブリッジ回路40、及びイグナイタ回路50の具体例を示したが、これらは上述した機能を達成できるものであれば当業者に周知の他の回路構成であってもよい。即ち、整流平滑回路10を他の構成のAC/DCコンバータとしてもよく、力率改善回路や昇圧回路を兼ねてもよい。また、降圧チョッパ回路20をフォワード型等の他の構成のDC/DCコンバータとしてもよく、それはDC出力電流の制御ができればよい。また、フルブリッジ回路40をプッシュプル型等の他の構成のDC/ACコンバータとしてもよく、それは出力電流の周波数制御ができればよい。
【符号の説明】
【0035】
10.整流平滑回路
20.降圧チョッパ回路
30.制御回路
35.制御部
40.フルブリッジ回路
50.イグナイタ
60.高圧放電灯(ランプ)
71.高圧放電灯点灯装置
72.リフレクタ
73.筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧放電灯に交流電流を供給する交流電流供給回路、及び該交流電流の周波数を制御する制御回路を備えた高圧放電灯点灯装置であって、
前記交流電流が第1の周波数の第1の期間、該第1の周波数より高い第2の周波数の第2の期間、及び該第2の周波数より高い第3の周波数の第3の期間を含み、該第1、第2及び第3の期間が所定の配列で反復されるように前記交流電流供給回路が前記制御回路によって制御され、
前記第1の周波数が45Hz以上75Hz以下であり、前記第3の周波数が150Hz以上1kHz以下である高圧放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1の高圧放電灯点灯装置において、前記制御回路が前記高圧放電灯のランプ点灯パラメータを取得する手段を備え、
前記制御回路が前記ランプ点灯パラメータに応じて前記第1、第2又は第3の期間の少なくとも1つに含まれる前記交流電流のサイクル数を変化させるように構成された高圧放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項2の高圧放電灯点灯装置において、前記ランプ点灯パラメータが前記高圧放電灯のランプ電圧であり、該ランプ電圧が高いほど、前記第1の期間に対する前記第3の期間の時間比率が高くなるように構成された高圧放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項2の高圧放電灯点灯装置において、前記ランプ点灯パラメータが前記高圧放電灯のランプ電圧であり、該ランプ電圧が高いほど前記第3の期間に含まれる交流電流のサイクル数が多くなるように構成された高圧放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1の高圧放電灯点灯装置において、
前記第1の期間に含まれる前記交流電流が1サイクル以上100サイクル以下であり、
前記第3の期間に含まれる前記交流電流が10サイクル以上1000サイクル以下である、高圧放電灯点灯装置。
【請求項6】
高圧放電灯、該高圧放電灯に取り付けられたリフレクタ、請求項1記載の高圧放電灯点灯装置、並びに該高圧放電灯、該リフレクタ及び該高圧放電灯点灯装置を内部に保持する筐体を備えたプロジェクタ。
【請求項7】
交流電流を出力する交流電流供給回路、及び該交流電流の周波数を制御する制御回路を備えた高圧放電灯点灯装置による高圧放電灯の点灯方法であって、
前記交流電流が、第1の周波数の第1の期間、該第1の周波数より高い第2の周波数の第2の期間、及び該第2の周波数より高い第3の周波数の第3の期間が所定の配列で反復されるように、前記制御回路が前記交流電流供給回路を周波数制御し、
前記第1の周波数が45Hz以上75Hz以下であり、前記第3の周波数が150Hz以上1kHz以下である、点灯方法。
【請求項8】
請求項7の点灯方法において、前記制御回路が前記高圧放電灯のランプ点灯パラメータを取得し、該ランプ点灯パラメータに応じて前記第1、第2又は第3の期間の少なくとも1つに含まれる前記交流電流のサイクル数を変化させる、点灯方法。
【請求項9】
請求項8の点灯方法において、前記ランプ点灯パラメータが前記高圧放電灯のランプ電圧であり、該ランプ電圧が高いほど前記第1の期間に対する前記第3の期間の時間比率を高くする、点灯方法。
【請求項10】
請求項8の点灯方法において、前記ランプ点灯パラメータが前記高圧放電灯のランプ電圧であり、該ランプ電圧が高いほど前記第3の期間に含まれる交流電流のサイクル数を多くする、点灯方法。
【請求項11】
請求項7の点灯方法において、
前記第1の期間に含まれる前記交流電流が1サイクル以上100サイクル以下であり、
前記第3の期間に含まれる前記交流電流が10サイクル以上1000サイクル以下である、点灯方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−14995(P2012−14995A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151549(P2010−151549)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】