高密度であって垂直方向に整列されたカーボンナノチューブの補助付きの選択的成長
薄い触媒層が堆積される支持層を選択し、熱触媒の化学気相堆積(CCVD)法を使用することによる、垂直方向に整列された、高密度のカーボンナノチューブ(CNT)の配列の選択的な成長。タンタル(Ta)の支持層上に堆積された薄い鉄(Fe)の触媒が、垂直方向の高密度のCNT配列のCCVD成長をもたらした。断面の透過型電子顕微鏡画像が、Ta上に成長させられたFeアイランド(支持層、触媒、およびそれらの界面の相対的名表面エネルギーによって制御される、アイランドに対する小さな接触角を有する)のVollmer−Weberモードを解明した。形成されたFeアイランドの形態は、触媒表面からのCNTの成長のもととなる炭素原子の表面拡散を促進した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、概して、選択的な態様でのカーボンナノチューブの成長に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
カーボンナノチューブ(CNT)は、それらの高い熱伝導性、大きな電流容量、および優れた物理的及び化学的安定性が理由で、次世代のコンピュータチップの基本的な構成要素として提案されている。しかしながら、シリコン技術に基づいて従来型のチップを集積させるためには、高密度であって一定の順序で整列されたCNTが必要である。CNTは多くの様々な方法によって製造されているが、CNTの成長を制御するためのそのような努力のほとんどは、前駆物質ガス(precursor gas)、それらの流速、合成の圧力および温度(synthesis pressure and temperature)、外部バイアス、および触媒の組成およびサイズを調整することによって、達成されてきた。歩留り(yield)、フィルム被覆範囲、密度、配列、均一性およびパターン形成の観点でのCNTの品質は、マイクロエレクトロニクスの要件を満足するためには十分なものではなかった。これまでのところ、シリコンチップ上の素子を用いたCNT構造の集積化は、非常に限られており、大幅な改善が望まれている。
【0003】
触媒および支持材料の注意深い選択が、CNTの制御された成長において、決定的に重要であることは公知である。いくつかのグループが、様々な触媒および支持金属層上でのCNTの成長を研究してきた。支持層は、触媒層の下に追加され得、触媒が基板と反応すること、または触媒が基板の中に拡散することを防いだり、あるいは触媒層と基板との間の接着を向上させたりし得る。しかしながら、これらの研究においては、10nmよりも厚い触媒フィルムが用いられ、50nmよりも大きな直径を有する低密度のCNT、または100nmよりも大きな直径を有するカーボンナノファイバー(積層キャップまたはバンブー構造を有する)のみが得られる。ほとんどの場合、粗い触媒の表面または大きな触媒のアイランド(成長の前に形成される)が、大きなカーボンナノチューブまたはカーボンファイバーの形成のための核生成部位(nucleation site)として提供されていた。支持層の表面の形態(morphology)は、CNTの成長の形態のほとんどには影響を与えていなかった。小さな直径を有する高密度のCNTの成長のためには、小さな触媒粒子または薄い触媒フィルムが用いられる必要がある。この場合、表面の形態および触媒層のマイクロ構造が重要となり、制御される必要がある。最近の研究では、CNTは、ULSIの相互接続の用途のために、薄いコバルト/チタン/タンタル/銅の多重層の上に成長され、この場合、銅が基板の中に拡散するのを防ぐために、タンタル(Ta)層がバリアとして用いられ、コバルト/チタンの二分子層が、CNTの成長を引き起こすために用いられた。CNTは、湾曲しやすく、適切に整列しないことが分かっている。このことは、触媒層と適切にマッチしていないTa層の使用が、高密度であって整列されたCNTの成長を達成するためには十分ではないことを示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
本発明は、触媒のテンプレート層を用いることによる、高密度のCNT構造の選択的な成長によって、上述の必要性に対処する。薄い鉄(Fe)の触媒層をタンタル(Ta)の薄層上に堆積させることによって形成されるテンプレートは、1011/cm2を超える密度を有する垂直方向に整列されたCNTの配列の成長を大幅に向上させる。
【0005】
本発明の1つの利点は、本発明がCNTの歩留り、フィルム被覆範囲および均一性を改善するということである。本発明の別の利点は、本発明が、垂直方向に整列させられ、パターンが付けられた、高密度のCNTフィルムを生成するということである。
【0006】
上述は、以下に続く本発明の詳細な記述がより良く理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点をいくぶん広く概説している。本明細書中では、本発明の追加的な特徴および利点が記載され、それらは本発明の特許請求の範囲の対象をなしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面に関連させながら、以下の記載が参照される。
【0008】
以下の記載においては、本発明の完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細(例えば、特定の素子の構成、等)が述べられる。しかしながら、当業者には、本発明がそのような特定の詳細なしでも実施され得るということが明白であり得る。
【0009】
ここで図面を参照するが、図中では、示されている要素は、必ずしも一定の比率で示されてはおらず、類似または同様の要素は、いくつかの図面を通して同じ参照番号によって示されている。
【0010】
図6A〜6Eを参照すると、以下に記載される本発明の実施形態においては、カーボンナノチューブが、Siウェハ(図6Aにおける601)上に熱的に成長させられた薄いSiO2フィルム(例えば、300nm)上での熱触媒の化学気相堆積(CCVD)を用いて成長させられ得る。基板は、SiO2には限定されない。その他の一般的に用いられている基板(例えば、シリコン、酸化アルミニウム、水晶、ガラス、および様々な金属材料)が用いられ得る。以下でさらに詳細に記載されるように、Fe/Taの二分子層が、垂直方向に整列させられた高密度のCNTフィルムの選択的な成長を提供する。図6Bを参照すると、Taのフィルム602が、基板601上に堆積されている。そのようなフィルムは、5〜25nmまでの厚さであり得る。しかしながら本発明は、Taに限定されない。その他の高い表面エネルギーの材料、例えば(限定するものではないが)窒化タンタルおよびタングステンもまた用いられ得る。厚さ3〜9nmの鉄(Fe)の薄いフィルム603が、電子ビーム蒸着によって堆積され、触媒として用いられる(図6C)。触媒の材料は、鉄に限定されない。CNTに対して一般的に用いられるその他の遷移金属(例えば、ニッケルおよびコバルト)が用いられ得る。図6Dに示されているように、Feフィルム603をアニーリングすることによって、Feのアイランド603が生成される。カーボンナノチューブ604の成長は、水晶管の窯(furnace)(図示されず)内で行われ得る。成長の間、この窯は、流速1l/分の水素(H2)内で、室温(RT)から700℃まで上昇させられ、1分間にわたって700℃に安定させられる。その後、この成長は、窯の中に流速100ml/分でアセチレン(C2H2)を導入することによって、開始させられる。この成長は、室温において1〜6分の可変の成長時間において行われる。図1は、本発明にしたがう、所定のパターンが付けられ、ウェハ上に成長させられ、垂直方向に整列させられた高密度のCNTの断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像を示している(CNTの密度は、約1011/cm2である)。
【0011】
本発明の利点を実証するために、一連の実験が行われ、熱的なCCVDによって成長させられたCNT上の支持材料の効果を調べた。第1に、約3nm(ナノメートル)の同じ厚さを有するFe(鉄)の触媒が、厚さ300nmのSiO2(二酸化シリコン)フィルム、ならびに厚さ300nmのSiO2(二酸化シリコン)フィルム上の厚さ20nmのTa(タンタル)層、Pd(パラジウム)層、およびCr(クロム)層を含む、様々な基板上に堆積される。図2(a)〜(c)に示されているように、Cr上のFeおよびSiO2上のFeは、低密度の被覆範囲のランダムなCNTを生成する。ここで、Pd上のFeが最も低い成長の生成結果(growth yield)となる。しかしながら、Ta上のFeの場合、図2(d)に示されているように、成長は大幅に向上され、高密度で均一性が高いCNTをもたらす。さらに、高密度であって垂直方向に整列されたCNTは常に、Ta支持部上で、Feフィルムの厚さ3〜9nmの範囲内で得られる。厚さ3〜9nmの範囲において、CNTの直径は、Feの厚さを増大させることに伴って、増大することが分かった。対照的に、不十分な被覆範囲のランダムな成長が、常にSiO2、Cr、およびPdの基板上で観察された。加えて、様々な支持層の厚さ(25nmおよび50nmの薄いTa層を含む)が調べられたが、CNTの成長に関しては明白な異なる影響はなかった。
【0012】
触媒アイランドの形成に対して支持材料がどのように影響するかを調べるために、SEMが用いられ、Feフィルムが1分間にわたって700℃でアニーリングされた後に、様々な支持材料上に堆積されたFeの薄いフィルムを調べた。SEMによって観察された表面の形態が、図3(a)〜(d)に示されている。図3(a)に示されているように、Ta上に堆積された3nmの薄いFe層に対し、アニーリングの後に形成されたFeアイランドは、約15nm〜30nmの狭い範囲のサイズの分布を示し、Feアイランドは、約1011/cm2の密度に至る高密度でパッケージングされた。同様に、アニーリングの後にSiO2上に形成されたFeアイランドは、15〜30nmのサイズであった(図3b)。図3(c)および(d)はそれぞれ、アニーリングの後にCr層上およびPd層上に堆積された厚さ3nmのFe層の形態を示している。Crの支持層上のFe層は、非常に粗い表面の連続的なフィルムであり、Pd支持部上でアニーリングされたFe層は、200nmよりも大きな分離したアイランドを示した。
【0013】
厚さ9nmのFe層が、Ta、Cr、Pd、およびSiO2のそれぞれの支持層上に堆積され、同じ条件のもとでアニーリングされた。TaおよびSiO2上でのFeアイランドのサイズ、分布、および密度は、Feフィルムの厚さによって非常に影響を受けることが分かった(例えば、Ta上の厚さ9nmのFeに対しては、約20〜90nmの範囲のサイズで分離された)。同様に、SiO2上でアニーリングされたFeアイランドもまた、大きなアイランドのサイズおよび大きなサイズの分布を示した。CrまたはPdの支持層に対し、アニーリングされたFe層の表面の形態は、図3(c)〜(d)に示されているものと同様であり、これらはFeフィルムの厚さに対しては、明白な従属関係はなかった。
【0014】
さらに、様々な支持基板が、同じ条件のもとで、Fe触媒層なしで、アニーリングされた。図3(c)および3(d)に示されているように、Ta支持部は、アニーリングの後にピンホールのない滑らかな表面を示したが、CrフィルムおよびPdフィルムの両方は、ピンホールがあって不連続的であり、大きなアイランドができた。このように、Ta支持層は、CrおよびPdの支持層よりも、SiO2との優れた接着に加えて、非常に良好な熱安定性を示した。成長の間に温度は700℃まで上昇させられ、Ta支持層の表面の形態は滑らかなままなので、均一であって精細なFeアイランドの形成のための、滑らかであって均一なテンプレートを提供する。対照的に、アニーリングの後、Cr支持層およびPd支持層の両方においては、均一なFeアイランドの形成を妨げるピンホールと大きなアイランドとが見つかった。
【0015】
Feアイランドの形成および形態に対する支持材料の影響に関するより良い理解を獲得するために、断面のTEMが用いられ、Ta基板上およびSiO2の基板上でアニーリングされたFeアイランドの形態を調べた。図4(a)〜(b)は、厚さ9nmのFe層がTaおよびSiO2のぞれぞれの上に堆積され、アニーリングされた後に形成された、FeアイランドのTEM画像である。両支持材料上のFeアイランドは、典型的なVollmer−Weber成長モードを示した。しかしながら、アイランドの形状は、明らかに異なっていた。Ta基板上では、アイランドの形状は、小さな接触角の半球形状を有していたが、SiO2基板上では、はるかに大きな接触角のビード形状を有していた。図4(c)に示されているように、高解像度のTEMは、厚さ3nmのFe/Taの二分子層上に成長された典型的なCNTが、5つの壁を有する約10nmの直径の中空の多壁カーボンナノチューブであることを解明した。
【0016】
Feアイランドの形態および接触角は、図4(d)に示されているように、触媒アイランドに対する表面エネルギーの均衡を考慮することによって、説明され得る。
【0017】
【数1】
ここで、θは接触角であり、f、sおよびvは、それぞれフィルム、基板および真空を表し、添え字の組は、示された相の間の界面を意味する。Ta上のFeアイランドの場合、0<cosθ<1であり、Ta基板の表面エネルギーがFe/Ta界面のエネルギーを超過していることを示している。対照的に、SiO2上のFeアイランドの場合、0>cosθ>−1であり、SiO2の表面エネルギーがFe/SiO2界面のエネルギーを超過していることを示している。Feアイランドの観察された形態は、レポートされた表面エネルギーの相対的な大きさ(すなわち、Taに対しては2100〜2200ergs/cm2まで、SiO2に対しては43〜106ergs/cm2、およびFeに対しては1880〜2150ergs/cm2)と整合するものであった。これらの表面および界面のエネルギーは、堆積されたFeの被覆上層(overlayer)の量に応じて、基板上に形成されるアイランドのサイズを制御する。
【0018】
本発明のCCVDプロセスの間に、炭素(C)原子は、Feアイランドの表面に対する化学的ポテンシャル勾配によって駆動され、そしてsp2炭素フラグメントを形成する。続いて、核生成の後、より多くのC原子が炭素フラグメントのエッジに取り込まれ、成長を支援する。バルク(Db)と表面拡散(Ds)との両方が、成長のエッジにC原子を輸送する。しかしながら、触媒分子が小さなサイズになると、表面拡散は、大きな表面積、体積比が理由で、主要な質量輸送機構となる。(Wang,Y.Y.,Gupta,S.,Nemanich,R.J.,Liu,Z.J. and Lu,C.Q.,「Hollow To Bamboolike Internal Structure Transition Observed In Carbon Nanotube Films,J.Appl.Phys 98,014312(2005)」;Helveng S.,Lopez−Cartes C.,Sehested J.,Hansen P.L.,Clausen B.S.,Rostrup−Nielsen J.R.,Abild−Pedersen F. and Norskov J.K.,「Atomic−Scale Imaging Of Carbon Nanofibre Growth」,Nature 427,426−429(2004);およびRaty、J.,Gygi F. and Calli,G.,「Growth of Carbon Nanotubes on Metal Nanoparticles:A Microscopic Mechanism From Ab Initio Molecular Dynamics Simulations」,Phys.Rev.Lett。95,096103(2005)を参照されたい)。表面拡散は、バルク拡散に比べて低い活性化エネルギーが理由で、迅速なプロセスであるが、表面拡散は、表面構造の形状および曲率によって非常に影響され、ひいては、明確に異なる成長シナリオ(例えば、均一な成長対ランダムな成長)につながる。ここで、表面拡散は、Ta上のFeの場合は、90℃未満の鋭角θによって促進されるが、SiO2上のFeの場合には、90℃を超える鈍角θによって促進される。この際は、CNTの整列された成長において、顕著な影響を有していると思われる。均一のFeアイランドとTa支持部上の狭いサイズの拡散との組み合わせでは、鋭角θによる迅速な表面拡散と、小さな粒子サイズに関連する高い触媒活性とが、高密度のCNT(互いに支持し合って、垂直方向に成長する)の成長を促進する。
【0019】
Ta支持部が垂直方向の整列、所定のパターンの高密度のCNTを可能にすることを実証するために、図5(a)に示されているように、パターン上に高密度のCNTを成長させるために、上述された熱CCVD法と共に、電子ビームリソグラフィ(EBL)およびリフトオフプロセスが用いられ、20nmのTa支持部上の厚さ9nmの薄いFeの幅5、10、20μmの正方形パターンが形成された。
【0020】
上記方法はまた、パターンのあるビアホール内にCNTフィルムを成長させるために、Ta支持部と共に利用され得る。製造プロセスにおいては、厚さ20nmのTa層が基板上にスパッタリングされ、厚さ500nmのSiO2フィルムがTa層上に堆積される。厚さ約260nmのポリメチルメタクリレート(PMMA)がSiO2フィルム上に引き延ばされ、EBLを用いてパターンが付けられた。エッチングマスクとしてPMMAパターンを用いて、SiO2フィルムの中にビアホールがエッチングされた。続いて、厚さ9nmの薄いFe層が、ウェハ上に堆積された。アセトン内でPMMA層が剥がされた後には、ビアホールの底部に堆積されたFeおよびTaのフィルムのみが残された。図5(b)に示されているように、高密度のCNTは、熱CCVD法を用いて、幅4μmのビアホールの底部にパターンが付けられたFe触媒から成長させられ得る。
【0021】
Ta支持部を利用するこのCNT成長方法は、ULSIの銅の相互接続構造上にCNTビア構造を成長させるために容易に用いられ得る。なぜならば、Taが銅の相互接続上のバリア層として用いられるからである。この方法は、複雑な機器(例えば、マイクロ波プラズマCVDツール)を必要としない単純な方法であり、その他の用途のために、金属電極の直接上での、高密度であって、垂直方向に整列させられた、高品質のCNTの選択的な成長のためにも用いられ得る。
【0022】
図7は、本発明の実施形態にしたがって構成された、導波体が組み込まれた(waveguide−embedded)ナノチューブ配列のRFフィルタの概略図を示している。その他の素子(例えば、支持構造、マイクロチップにおけるビア、およびフラットパネルディスプレイにおけるフィールドエミッタ)が、本発明にしたがって成長させられた、整列させられたCNTの高密度のグルーピングを用いて構成され得る。
【0023】
本発明およびその利点が詳細に記載されてきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸れることなしに、本明細書において、様々な変更、代替および置き換えが、なされ得るということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、ウェハ上の銅の相互接続ライン上のTaバリア層上に成長された垂直方向に整列された高密度のCTNの断面のSEM画像を示している。
【図2】図2は、様々な支持材料上に成長させられたCNTのSEM画像を示している。
【図3】図3は、Ta、SiO2、CrおよびPdの様々な支持材料層上のアニーリングされたFe層の表面の形態のSEM画像を示している。ここで挿入図(c)および(d)は、Feの堆積を伴わずにアニーリングした後のCrおよびPdの支持層の表面のSEM画像である(スケールバーはそれぞれ、(a)〜(d)に対して200nm、全ての挿入図に対して1μmである)。
【図4】図4は、TaおよびSiO2の支持材料層上に形成されたFeアイランドの断面のTEM画像を示している。ここで、挿入図(a)はTa上の9nmの薄いFeを示しており、挿入図(b)はSiO2上の9nmの薄いFeを示しており、挿入図(c)はTa上の3nmのFe上に成長されたCNTの高解像度のTEM画像を示しており、挿入図(d)は、表面エネルギーの均衡のもとでの、触媒アイランドの概略図を示している。
【図5】図5は、高密度であって、パターンが付けられ、垂直方向には整列された、CNTのSEM画像を示している。ここで(a)は、Ta支持部上の厚さ3nmのFeの所定のパターン上に成長された、幅5、10、20μmの高密度の垂直方向のCNTのカラムを示しており、挿入図(b)はビアホール内に成長させられた、幅4μmの高密度の垂直方向のCNTフィルムを示しており、その底部には、厚さ9nmのFeがTa上に堆積されている。
【図6】図6A〜6Eは、本発明の実施形態にしたがう、加工ステップを示している。
【図7】図7は、本発明にしたがって構成される、RFフィルタの実施形態を示している。
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、概して、選択的な態様でのカーボンナノチューブの成長に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景情報)
カーボンナノチューブ(CNT)は、それらの高い熱伝導性、大きな電流容量、および優れた物理的及び化学的安定性が理由で、次世代のコンピュータチップの基本的な構成要素として提案されている。しかしながら、シリコン技術に基づいて従来型のチップを集積させるためには、高密度であって一定の順序で整列されたCNTが必要である。CNTは多くの様々な方法によって製造されているが、CNTの成長を制御するためのそのような努力のほとんどは、前駆物質ガス(precursor gas)、それらの流速、合成の圧力および温度(synthesis pressure and temperature)、外部バイアス、および触媒の組成およびサイズを調整することによって、達成されてきた。歩留り(yield)、フィルム被覆範囲、密度、配列、均一性およびパターン形成の観点でのCNTの品質は、マイクロエレクトロニクスの要件を満足するためには十分なものではなかった。これまでのところ、シリコンチップ上の素子を用いたCNT構造の集積化は、非常に限られており、大幅な改善が望まれている。
【0003】
触媒および支持材料の注意深い選択が、CNTの制御された成長において、決定的に重要であることは公知である。いくつかのグループが、様々な触媒および支持金属層上でのCNTの成長を研究してきた。支持層は、触媒層の下に追加され得、触媒が基板と反応すること、または触媒が基板の中に拡散することを防いだり、あるいは触媒層と基板との間の接着を向上させたりし得る。しかしながら、これらの研究においては、10nmよりも厚い触媒フィルムが用いられ、50nmよりも大きな直径を有する低密度のCNT、または100nmよりも大きな直径を有するカーボンナノファイバー(積層キャップまたはバンブー構造を有する)のみが得られる。ほとんどの場合、粗い触媒の表面または大きな触媒のアイランド(成長の前に形成される)が、大きなカーボンナノチューブまたはカーボンファイバーの形成のための核生成部位(nucleation site)として提供されていた。支持層の表面の形態(morphology)は、CNTの成長の形態のほとんどには影響を与えていなかった。小さな直径を有する高密度のCNTの成長のためには、小さな触媒粒子または薄い触媒フィルムが用いられる必要がある。この場合、表面の形態および触媒層のマイクロ構造が重要となり、制御される必要がある。最近の研究では、CNTは、ULSIの相互接続の用途のために、薄いコバルト/チタン/タンタル/銅の多重層の上に成長され、この場合、銅が基板の中に拡散するのを防ぐために、タンタル(Ta)層がバリアとして用いられ、コバルト/チタンの二分子層が、CNTの成長を引き起こすために用いられた。CNTは、湾曲しやすく、適切に整列しないことが分かっている。このことは、触媒層と適切にマッチしていないTa層の使用が、高密度であって整列されたCNTの成長を達成するためには十分ではないことを示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
本発明は、触媒のテンプレート層を用いることによる、高密度のCNT構造の選択的な成長によって、上述の必要性に対処する。薄い鉄(Fe)の触媒層をタンタル(Ta)の薄層上に堆積させることによって形成されるテンプレートは、1011/cm2を超える密度を有する垂直方向に整列されたCNTの配列の成長を大幅に向上させる。
【0005】
本発明の1つの利点は、本発明がCNTの歩留り、フィルム被覆範囲および均一性を改善するということである。本発明の別の利点は、本発明が、垂直方向に整列させられ、パターンが付けられた、高密度のCNTフィルムを生成するということである。
【0006】
上述は、以下に続く本発明の詳細な記述がより良く理解され得るように、本発明の特徴および技術的利点をいくぶん広く概説している。本明細書中では、本発明の追加的な特徴および利点が記載され、それらは本発明の特許請求の範囲の対象をなしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面に関連させながら、以下の記載が参照される。
【0008】
以下の記載においては、本発明の完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細(例えば、特定の素子の構成、等)が述べられる。しかしながら、当業者には、本発明がそのような特定の詳細なしでも実施され得るということが明白であり得る。
【0009】
ここで図面を参照するが、図中では、示されている要素は、必ずしも一定の比率で示されてはおらず、類似または同様の要素は、いくつかの図面を通して同じ参照番号によって示されている。
【0010】
図6A〜6Eを参照すると、以下に記載される本発明の実施形態においては、カーボンナノチューブが、Siウェハ(図6Aにおける601)上に熱的に成長させられた薄いSiO2フィルム(例えば、300nm)上での熱触媒の化学気相堆積(CCVD)を用いて成長させられ得る。基板は、SiO2には限定されない。その他の一般的に用いられている基板(例えば、シリコン、酸化アルミニウム、水晶、ガラス、および様々な金属材料)が用いられ得る。以下でさらに詳細に記載されるように、Fe/Taの二分子層が、垂直方向に整列させられた高密度のCNTフィルムの選択的な成長を提供する。図6Bを参照すると、Taのフィルム602が、基板601上に堆積されている。そのようなフィルムは、5〜25nmまでの厚さであり得る。しかしながら本発明は、Taに限定されない。その他の高い表面エネルギーの材料、例えば(限定するものではないが)窒化タンタルおよびタングステンもまた用いられ得る。厚さ3〜9nmの鉄(Fe)の薄いフィルム603が、電子ビーム蒸着によって堆積され、触媒として用いられる(図6C)。触媒の材料は、鉄に限定されない。CNTに対して一般的に用いられるその他の遷移金属(例えば、ニッケルおよびコバルト)が用いられ得る。図6Dに示されているように、Feフィルム603をアニーリングすることによって、Feのアイランド603が生成される。カーボンナノチューブ604の成長は、水晶管の窯(furnace)(図示されず)内で行われ得る。成長の間、この窯は、流速1l/分の水素(H2)内で、室温(RT)から700℃まで上昇させられ、1分間にわたって700℃に安定させられる。その後、この成長は、窯の中に流速100ml/分でアセチレン(C2H2)を導入することによって、開始させられる。この成長は、室温において1〜6分の可変の成長時間において行われる。図1は、本発明にしたがう、所定のパターンが付けられ、ウェハ上に成長させられ、垂直方向に整列させられた高密度のCNTの断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像を示している(CNTの密度は、約1011/cm2である)。
【0011】
本発明の利点を実証するために、一連の実験が行われ、熱的なCCVDによって成長させられたCNT上の支持材料の効果を調べた。第1に、約3nm(ナノメートル)の同じ厚さを有するFe(鉄)の触媒が、厚さ300nmのSiO2(二酸化シリコン)フィルム、ならびに厚さ300nmのSiO2(二酸化シリコン)フィルム上の厚さ20nmのTa(タンタル)層、Pd(パラジウム)層、およびCr(クロム)層を含む、様々な基板上に堆積される。図2(a)〜(c)に示されているように、Cr上のFeおよびSiO2上のFeは、低密度の被覆範囲のランダムなCNTを生成する。ここで、Pd上のFeが最も低い成長の生成結果(growth yield)となる。しかしながら、Ta上のFeの場合、図2(d)に示されているように、成長は大幅に向上され、高密度で均一性が高いCNTをもたらす。さらに、高密度であって垂直方向に整列されたCNTは常に、Ta支持部上で、Feフィルムの厚さ3〜9nmの範囲内で得られる。厚さ3〜9nmの範囲において、CNTの直径は、Feの厚さを増大させることに伴って、増大することが分かった。対照的に、不十分な被覆範囲のランダムな成長が、常にSiO2、Cr、およびPdの基板上で観察された。加えて、様々な支持層の厚さ(25nmおよび50nmの薄いTa層を含む)が調べられたが、CNTの成長に関しては明白な異なる影響はなかった。
【0012】
触媒アイランドの形成に対して支持材料がどのように影響するかを調べるために、SEMが用いられ、Feフィルムが1分間にわたって700℃でアニーリングされた後に、様々な支持材料上に堆積されたFeの薄いフィルムを調べた。SEMによって観察された表面の形態が、図3(a)〜(d)に示されている。図3(a)に示されているように、Ta上に堆積された3nmの薄いFe層に対し、アニーリングの後に形成されたFeアイランドは、約15nm〜30nmの狭い範囲のサイズの分布を示し、Feアイランドは、約1011/cm2の密度に至る高密度でパッケージングされた。同様に、アニーリングの後にSiO2上に形成されたFeアイランドは、15〜30nmのサイズであった(図3b)。図3(c)および(d)はそれぞれ、アニーリングの後にCr層上およびPd層上に堆積された厚さ3nmのFe層の形態を示している。Crの支持層上のFe層は、非常に粗い表面の連続的なフィルムであり、Pd支持部上でアニーリングされたFe層は、200nmよりも大きな分離したアイランドを示した。
【0013】
厚さ9nmのFe層が、Ta、Cr、Pd、およびSiO2のそれぞれの支持層上に堆積され、同じ条件のもとでアニーリングされた。TaおよびSiO2上でのFeアイランドのサイズ、分布、および密度は、Feフィルムの厚さによって非常に影響を受けることが分かった(例えば、Ta上の厚さ9nmのFeに対しては、約20〜90nmの範囲のサイズで分離された)。同様に、SiO2上でアニーリングされたFeアイランドもまた、大きなアイランドのサイズおよび大きなサイズの分布を示した。CrまたはPdの支持層に対し、アニーリングされたFe層の表面の形態は、図3(c)〜(d)に示されているものと同様であり、これらはFeフィルムの厚さに対しては、明白な従属関係はなかった。
【0014】
さらに、様々な支持基板が、同じ条件のもとで、Fe触媒層なしで、アニーリングされた。図3(c)および3(d)に示されているように、Ta支持部は、アニーリングの後にピンホールのない滑らかな表面を示したが、CrフィルムおよびPdフィルムの両方は、ピンホールがあって不連続的であり、大きなアイランドができた。このように、Ta支持層は、CrおよびPdの支持層よりも、SiO2との優れた接着に加えて、非常に良好な熱安定性を示した。成長の間に温度は700℃まで上昇させられ、Ta支持層の表面の形態は滑らかなままなので、均一であって精細なFeアイランドの形成のための、滑らかであって均一なテンプレートを提供する。対照的に、アニーリングの後、Cr支持層およびPd支持層の両方においては、均一なFeアイランドの形成を妨げるピンホールと大きなアイランドとが見つかった。
【0015】
Feアイランドの形成および形態に対する支持材料の影響に関するより良い理解を獲得するために、断面のTEMが用いられ、Ta基板上およびSiO2の基板上でアニーリングされたFeアイランドの形態を調べた。図4(a)〜(b)は、厚さ9nmのFe層がTaおよびSiO2のぞれぞれの上に堆積され、アニーリングされた後に形成された、FeアイランドのTEM画像である。両支持材料上のFeアイランドは、典型的なVollmer−Weber成長モードを示した。しかしながら、アイランドの形状は、明らかに異なっていた。Ta基板上では、アイランドの形状は、小さな接触角の半球形状を有していたが、SiO2基板上では、はるかに大きな接触角のビード形状を有していた。図4(c)に示されているように、高解像度のTEMは、厚さ3nmのFe/Taの二分子層上に成長された典型的なCNTが、5つの壁を有する約10nmの直径の中空の多壁カーボンナノチューブであることを解明した。
【0016】
Feアイランドの形態および接触角は、図4(d)に示されているように、触媒アイランドに対する表面エネルギーの均衡を考慮することによって、説明され得る。
【0017】
【数1】
ここで、θは接触角であり、f、sおよびvは、それぞれフィルム、基板および真空を表し、添え字の組は、示された相の間の界面を意味する。Ta上のFeアイランドの場合、0<cosθ<1であり、Ta基板の表面エネルギーがFe/Ta界面のエネルギーを超過していることを示している。対照的に、SiO2上のFeアイランドの場合、0>cosθ>−1であり、SiO2の表面エネルギーがFe/SiO2界面のエネルギーを超過していることを示している。Feアイランドの観察された形態は、レポートされた表面エネルギーの相対的な大きさ(すなわち、Taに対しては2100〜2200ergs/cm2まで、SiO2に対しては43〜106ergs/cm2、およびFeに対しては1880〜2150ergs/cm2)と整合するものであった。これらの表面および界面のエネルギーは、堆積されたFeの被覆上層(overlayer)の量に応じて、基板上に形成されるアイランドのサイズを制御する。
【0018】
本発明のCCVDプロセスの間に、炭素(C)原子は、Feアイランドの表面に対する化学的ポテンシャル勾配によって駆動され、そしてsp2炭素フラグメントを形成する。続いて、核生成の後、より多くのC原子が炭素フラグメントのエッジに取り込まれ、成長を支援する。バルク(Db)と表面拡散(Ds)との両方が、成長のエッジにC原子を輸送する。しかしながら、触媒分子が小さなサイズになると、表面拡散は、大きな表面積、体積比が理由で、主要な質量輸送機構となる。(Wang,Y.Y.,Gupta,S.,Nemanich,R.J.,Liu,Z.J. and Lu,C.Q.,「Hollow To Bamboolike Internal Structure Transition Observed In Carbon Nanotube Films,J.Appl.Phys 98,014312(2005)」;Helveng S.,Lopez−Cartes C.,Sehested J.,Hansen P.L.,Clausen B.S.,Rostrup−Nielsen J.R.,Abild−Pedersen F. and Norskov J.K.,「Atomic−Scale Imaging Of Carbon Nanofibre Growth」,Nature 427,426−429(2004);およびRaty、J.,Gygi F. and Calli,G.,「Growth of Carbon Nanotubes on Metal Nanoparticles:A Microscopic Mechanism From Ab Initio Molecular Dynamics Simulations」,Phys.Rev.Lett。95,096103(2005)を参照されたい)。表面拡散は、バルク拡散に比べて低い活性化エネルギーが理由で、迅速なプロセスであるが、表面拡散は、表面構造の形状および曲率によって非常に影響され、ひいては、明確に異なる成長シナリオ(例えば、均一な成長対ランダムな成長)につながる。ここで、表面拡散は、Ta上のFeの場合は、90℃未満の鋭角θによって促進されるが、SiO2上のFeの場合には、90℃を超える鈍角θによって促進される。この際は、CNTの整列された成長において、顕著な影響を有していると思われる。均一のFeアイランドとTa支持部上の狭いサイズの拡散との組み合わせでは、鋭角θによる迅速な表面拡散と、小さな粒子サイズに関連する高い触媒活性とが、高密度のCNT(互いに支持し合って、垂直方向に成長する)の成長を促進する。
【0019】
Ta支持部が垂直方向の整列、所定のパターンの高密度のCNTを可能にすることを実証するために、図5(a)に示されているように、パターン上に高密度のCNTを成長させるために、上述された熱CCVD法と共に、電子ビームリソグラフィ(EBL)およびリフトオフプロセスが用いられ、20nmのTa支持部上の厚さ9nmの薄いFeの幅5、10、20μmの正方形パターンが形成された。
【0020】
上記方法はまた、パターンのあるビアホール内にCNTフィルムを成長させるために、Ta支持部と共に利用され得る。製造プロセスにおいては、厚さ20nmのTa層が基板上にスパッタリングされ、厚さ500nmのSiO2フィルムがTa層上に堆積される。厚さ約260nmのポリメチルメタクリレート(PMMA)がSiO2フィルム上に引き延ばされ、EBLを用いてパターンが付けられた。エッチングマスクとしてPMMAパターンを用いて、SiO2フィルムの中にビアホールがエッチングされた。続いて、厚さ9nmの薄いFe層が、ウェハ上に堆積された。アセトン内でPMMA層が剥がされた後には、ビアホールの底部に堆積されたFeおよびTaのフィルムのみが残された。図5(b)に示されているように、高密度のCNTは、熱CCVD法を用いて、幅4μmのビアホールの底部にパターンが付けられたFe触媒から成長させられ得る。
【0021】
Ta支持部を利用するこのCNT成長方法は、ULSIの銅の相互接続構造上にCNTビア構造を成長させるために容易に用いられ得る。なぜならば、Taが銅の相互接続上のバリア層として用いられるからである。この方法は、複雑な機器(例えば、マイクロ波プラズマCVDツール)を必要としない単純な方法であり、その他の用途のために、金属電極の直接上での、高密度であって、垂直方向に整列させられた、高品質のCNTの選択的な成長のためにも用いられ得る。
【0022】
図7は、本発明の実施形態にしたがって構成された、導波体が組み込まれた(waveguide−embedded)ナノチューブ配列のRFフィルタの概略図を示している。その他の素子(例えば、支持構造、マイクロチップにおけるビア、およびフラットパネルディスプレイにおけるフィールドエミッタ)が、本発明にしたがって成長させられた、整列させられたCNTの高密度のグルーピングを用いて構成され得る。
【0023】
本発明およびその利点が詳細に記載されてきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸れることなしに、本明細書において、様々な変更、代替および置き換えが、なされ得るということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、ウェハ上の銅の相互接続ライン上のTaバリア層上に成長された垂直方向に整列された高密度のCTNの断面のSEM画像を示している。
【図2】図2は、様々な支持材料上に成長させられたCNTのSEM画像を示している。
【図3】図3は、Ta、SiO2、CrおよびPdの様々な支持材料層上のアニーリングされたFe層の表面の形態のSEM画像を示している。ここで挿入図(c)および(d)は、Feの堆積を伴わずにアニーリングした後のCrおよびPdの支持層の表面のSEM画像である(スケールバーはそれぞれ、(a)〜(d)に対して200nm、全ての挿入図に対して1μmである)。
【図4】図4は、TaおよびSiO2の支持材料層上に形成されたFeアイランドの断面のTEM画像を示している。ここで、挿入図(a)はTa上の9nmの薄いFeを示しており、挿入図(b)はSiO2上の9nmの薄いFeを示しており、挿入図(c)はTa上の3nmのFe上に成長されたCNTの高解像度のTEM画像を示しており、挿入図(d)は、表面エネルギーの均衡のもとでの、触媒アイランドの概略図を示している。
【図5】図5は、高密度であって、パターンが付けられ、垂直方向には整列された、CNTのSEM画像を示している。ここで(a)は、Ta支持部上の厚さ3nmのFeの所定のパターン上に成長された、幅5、10、20μmの高密度の垂直方向のCNTのカラムを示しており、挿入図(b)はビアホール内に成長させられた、幅4μmの高密度の垂直方向のCNTフィルムを示しており、その底部には、厚さ9nmのFeがTa上に堆積されている。
【図6】図6A〜6Eは、本発明の実施形態にしたがう、加工ステップを示している。
【図7】図7は、本発明にしたがって構成される、RFフィルタの実施形態を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にカーボンナノチューブを成長させる方法であって、
該基板上にタンタルの層を堆積させるステップと、
該タンタルの層上に鉄の触媒層を堆積させるステップと、
該鉄の触媒層からカーボンナノチューブを成長させるステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記タンタルの層上に前記鉄の触媒層を堆積させる前記ステップは、該鉄の触媒層をアニーリングし、鉄のアイランドを形成するステップをさらに含み、該鉄のアイランドからカーボンナノチューブが成長される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板は、シリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成長させるステップは、化学気相堆積法を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化学気相堆積法は、熱触媒の化学気相堆積法を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板と、
該基板上のタンタルの層と、
該タンタルの層上の鉄の触媒層と、
該鉄の触媒層から成長されたカーボンナノチューブと
を含む、構造。
【請求項7】
前記鉄の触媒層は、アニーリングされ、鉄のアイランドを形成し、該鉄のアイランドからカーボンナノチューブが成長される、請求項6に記載の構造。
【請求項8】
前記基板は、シリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項6に記載の構造。
【請求項9】
基板上に堆積された第1の層と、
該第1の層上に堆積された触媒層であって、該第1の層の表面エネルギーは、該第1の層と該触媒層との間の界面の表面エネルギーを超過し、その結果、該触媒層のアイランドが、該第1の層上に形成される、触媒層と、
該触媒層上に成長されたナノチューブと
を含む、構造。
【請求項10】
前記触媒層は鉄を含む、請求項9に記載の構造。
【請求項11】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項12】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項10に記載の構造。
【請求項13】
前記基板はシリコンを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項14】
前記基板はシリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項15】
前記構造はビアを含む、請求項12に記載の構造。
【請求項16】
前記構造はRFフィルタを含む、請求項12に記載の構造。
【請求項17】
前記RFフィルタは、
第1の誘電体上の第1のコンダクタと、
第2の誘電体上の第2のコンダクタと
をさらに含み、
前記カーボンナノチューブは該誘電体の間に挟まれている、請求項16に記載の構造。
【請求項18】
基板上にナノチューブを成長させる方法であって、
基板上に第1の層を堆積させるステップと、
該第1の層上に触媒層を堆積させるステップであって、該第1の層の表面エネルギーは、該第1の層と該触媒層との間の界面の表面エネルギーを超過し、その結果、該触媒層のアイランドが、該第1の層上に形成される、ステップと、
該触媒層上にナノチューブを成長させるステップと
を包含する、方法。
【請求項19】
前記触媒層は鉄を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項1】
基板上にカーボンナノチューブを成長させる方法であって、
該基板上にタンタルの層を堆積させるステップと、
該タンタルの層上に鉄の触媒層を堆積させるステップと、
該鉄の触媒層からカーボンナノチューブを成長させるステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記タンタルの層上に前記鉄の触媒層を堆積させる前記ステップは、該鉄の触媒層をアニーリングし、鉄のアイランドを形成するステップをさらに含み、該鉄のアイランドからカーボンナノチューブが成長される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板は、シリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成長させるステップは、化学気相堆積法を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化学気相堆積法は、熱触媒の化学気相堆積法を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板と、
該基板上のタンタルの層と、
該タンタルの層上の鉄の触媒層と、
該鉄の触媒層から成長されたカーボンナノチューブと
を含む、構造。
【請求項7】
前記鉄の触媒層は、アニーリングされ、鉄のアイランドを形成し、該鉄のアイランドからカーボンナノチューブが成長される、請求項6に記載の構造。
【請求項8】
前記基板は、シリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項6に記載の構造。
【請求項9】
基板上に堆積された第1の層と、
該第1の層上に堆積された触媒層であって、該第1の層の表面エネルギーは、該第1の層と該触媒層との間の界面の表面エネルギーを超過し、その結果、該触媒層のアイランドが、該第1の層上に形成される、触媒層と、
該触媒層上に成長されたナノチューブと
を含む、構造。
【請求項10】
前記触媒層は鉄を含む、請求項9に記載の構造。
【請求項11】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項12】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項10に記載の構造。
【請求項13】
前記基板はシリコンを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項14】
前記基板はシリコン上の二酸化シリコンを含む、請求項9に記載の構造。
【請求項15】
前記構造はビアを含む、請求項12に記載の構造。
【請求項16】
前記構造はRFフィルタを含む、請求項12に記載の構造。
【請求項17】
前記RFフィルタは、
第1の誘電体上の第1のコンダクタと、
第2の誘電体上の第2のコンダクタと
をさらに含み、
前記カーボンナノチューブは該誘電体の間に挟まれている、請求項16に記載の構造。
【請求項18】
基板上にナノチューブを成長させる方法であって、
基板上に第1の層を堆積させるステップと、
該第1の層上に触媒層を堆積させるステップであって、該第1の層の表面エネルギーは、該第1の層と該触媒層との間の界面の表面エネルギーを超過し、その結果、該触媒層のアイランドが、該第1の層上に形成される、ステップと、
該触媒層上にナノチューブを成長させるステップと
を包含する、方法。
【請求項19】
前記触媒層は鉄を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の層はタンタルを含む、請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【公表番号】特表2009−536912(P2009−536912A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506704(P2009−506704)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/066712
【国際公開番号】WO2008/060665
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(501100582)ボード オブ リージェンツ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム (19)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/066712
【国際公開番号】WO2008/060665
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(501100582)ボード オブ リージェンツ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム (19)
【Fターム(参考)】
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