説明

高密度ポリエチレン組成物、それを作製する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法

本発明は、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法である。本発明の高密度ポリエチレン組成物には、第1の成分、および第2の成分が含まれる。第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体である。第2の成分は、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである。高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度(I2)、および1以上のg’を有する。高密度ポリエチレン組成物を製造する方法は、次の段階を含む:(1)エチレン、およびα−オレフィンコモノマーを第1の反応装置に導入する段階;(2)第1の反応装置中で1またはそれ以上のα−オレフィンコモノマーの存在下でエチレンを(共)重合させ、それにより第1の成分を製造する段階(ここで、第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体である);(3)第1の成分およびさらなるエチレンを第2の反応装置に導入する段階;(4)第2の反応装置中のさらなるエチレンを重合させ、それにより第2の成分を製造する段階(ここで、第2の成分は、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである);ならびに(5)それにより高密度ポリエチレン組成物を製造する段階(ここで、高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する)。本発明に従う製品は、上記の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含み、そのような製品は、圧縮成形、射出成形、またはインジェクションブロー成形によって作製してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度ポリエチレン組成物、それを作製する方法、およびそれから製造された製品に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年5月2日出願の米国特許出願第60/796,809号、標題「高密度ポリエチレン組成物およびその作製方法」からの優先権を主張する非仮出願であり、その教示は本明細書の下記に完全に再現される。
【0003】
発明の背景
成形品、例えばクロージャー装置および容器などを製造するためのポリマー材料の使用は一般的に知られている。種々の方法を用いてクロージャー装置、例えばボトルキャップ、または容器、例えばボトルを製造することができる。例えば、そのようなクロージャー装置は、圧縮成形または射出成形プロセスによって製造され得る;またあるいは、容器はブロー成形、インジェクションブロー成形、またはインジェクションストレッチブロー成形によって製造され得る。
【0004】
圧縮成形プロセスでは、二個構成金型により所望の成形品の形状をした空洞がもたらされる。型を加熱する。押出機から出た適当な量の溶融成形材料を型の下半分に充填する。2個の型部品を圧力下で一つにする。熱により軟化させた成形材料は、それにより空洞と同じ形状をした連続した塊に溶接される。成形材料が熱硬化性材料であるならば、連続した塊は圧力下、型の中でさらに加熱することによって硬くなり得る。成形材料が熱可塑性材料であるならば、連続した塊は圧力下、型の中で冷却することにより硬くなり得る。
【0005】
射出成形プロセスでは、成形材料はホッパーを経由して押出機に供給される。押出機は成形材料を運搬し、加熱し、溶融し、加圧して溶融流を形成する。溶融流は、押出機からノズルを通じて押し出されて、圧力下で閉じた状態に保たれた比較的冷たい型の中に入り、それにより型が充填される。溶融体は冷えて硬くなり、完全に硬化する。次に、型を開けて成形された部分を取り出す。
【0006】
ブロー成形プロセス、例えば、インジェクションブロー成形では、成形材料は溶融され、次にチューブまたはパリソンに形成される。チューブまたはパリソンの末端を、吹込空気が入ることのできる範囲を除いて密封する。密封したチューブまたはパリソンを型の内側で膨らませ、それにより型の形状をとる。成形品は冷却され、その後、型から排出される。必要であれば、成形品は次にばり取りされる。
【0007】
概して、クロージャー装置、例えばソーダボトルキャップは、炭酸飲料の圧力に耐えるために十分強くあるべきであり、その上インナーライナーを必要とせずにボトルに優れた密封を付与するために十分柔らかくなくてはならない。さらに、クロージャー装置、例えばソーダボトルキャップは、一般に良好な環境応力亀裂抵抗(environmental stress crack resistance)、良好な衝撃強さ、良好な除去トルク(removal trque)、および良好なストリップトルク(strip torque)を有するべきである。許容される特性を有するそのようなクロージャー装置を提供するために、様々な技術が用いられている。
【0008】
例えば、軟らかいエチレン/酢酸ビニル(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ブチルゴムなどからなるインナーライナーを必要な強度のために有するボトルキャップクロージャーとしてポリプロピレンポリマーを使用することも一般的に周知である。しかし、この二部分構造はインナーライナーを必要とするために高価である。さらに、ライナーを含まない1個構成クロージャーを用いることがより簡便かつ便宜である。
【0009】
二部分構造の必要性をなくす試みにおいて、様々なブレンドのポリマーの使用が提案されている。しかし、例えば、密封を促進するためにライナーを必要としないこと、許容される風味および匂い、満足できる応力亀裂抵抗、およびキャップの破損を防ぐためのキャップの衝撃強さなどの許容される特性を有するクロージャー装置に成形することのできるポリマー配合物に対する必要性がなお存在する。
【0010】
発明の概要
本発明は、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製される製品、ならびにそのような製品を作製する方法である。本発明の高密度ポリエチレン組成物には、第1の成分、および第2の成分が含まれる。第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体である。第2の成分は、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである。高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する。高密度ポリエチレン組成物を製造する方法には、次の段階が含まれる。(1)エチレン、および1またはそれ以上α−オレフィンコモノマーを第1の反応装置に導入する段階;(2)第1の反応装置中で1またはそれ以上のα−オレフィンコモノマーの存在下でエチレンを(共)重合させ、それにより第1の成分を製造する段階(第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体である);(3)第1の成分およびさらなるエチレンを第2の反応装置に導入する段階;(4)第2の反応装置中のさらなるエチレンを重合させ、それにより第2の成分を製造する段階(第2の成分は0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである);ならびに(5)それにより高密度ポリエチレン組成物を製造する段階(高密度ポリエチレンリエチレン組成物は少なくとも1のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する)。本発明に従う製品は、上記の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含み、そのような製品は、圧縮成形、射出成形、インジェクションブロー成形、またはインジェクションストレッチブロー成形により作製され得る。
【0011】
一実施形態では、本発明は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体、および0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーを含む高密度ポリエチレン組成物を提供し、本発明の高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する。
【0012】
もう一つの実施形態では、本発明は、次の段階を含む高密度ポリエチレン組成物を製造する方法をさらに提供する:(1)エチレン、および1またはそれ以上のα−オレフィンコモノマーを第1の反応装置に導入する段階;(2)第1の反応装置中で1またはそれ以上のα−オレフィンコモノマーの存在下でエチレンを(共)重合させ、それにより0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体を製造する段階;(3)高分子量エチレンα−オレフィン共重合体およびさらなるエチレンを第2の反応装置に導入する段階;(4)第2の反応装置中のさらなるエチレンを重合させ、それにより0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーを製造する段階;ならびに(5)それにより高密度ポリエチレン組成物を製造する段階(高密度ポリエチレン組成物は少なくとも1のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する)。
【0013】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物を含む製品を提供し、該高密度ポリエチレン組成物は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体、ならびに0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーを含み、本発明の高密度ポリエチレン組成物は少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する。
【0014】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、次の段階を含む製品を作製する方法を提供する:(1)0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体と0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーとを含む高密度ポリエチレン組成物を準備する段階(ここで、高密度ポリエチレン組成物は少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する);(2)高密度ポリエチレン組成物を圧縮成形、射出成形、インジェクションブロー成形、またはインジェクションストレッチブロー成形する段階;(3)それにより製品を形成する段階。
【0015】
一代替実施形態では、本発明は、第2の反応装置が他のいずれのα−オレフィン共重合体も実質的に含まないことを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物を製造する方法を提供する。
【0016】
もう一つの実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体が0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0017】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0018】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体が1〜7g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0019】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体が1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0020】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、低分子量エチレン系ポリマーが0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0021】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、低分子量エチレン系ポリマーが100〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0022】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、低分子量エチレン系ポリマーが200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0023】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物が1〜2g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有するか;またあるいは、少なくとも2g/10分のメルトインデックス(I2)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0024】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量エチレンα−オレフィン共重合体が150,000〜375,000の範囲の分子量を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0025】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、低分子量エチレン系ポリマーが12,000〜40,000の範囲の分子量を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0026】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度、および1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有し、低分子量エチレン系ポリマーが0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度、および200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0027】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高分子量ポリエチレンα−オレフィン共重合体と低分子量エチレン系ポリマーの双方が実質的に少しの長鎖分枝も含まないことを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0028】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物が実質的に少しの長鎖分枝も含まないことを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0029】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物が単一のATREF温度ピークを有し、前記ATREF温度ピークは、90℃〜105℃の間で温度ピーク最大値を有し;かつ、高密度ポリエチレン組成物が20パーセント〜50パーセントの範囲の計算された高密度画分を有し、前記計算された高密度画分は[(2)X(ATREF−DVにおいて温度ピーク最大値以上の温度で溶出する高密度ポリエチレンの重量比)]として定義され;かつ、高密度ポリエチレン組成物がATREF−DVにおいて約90℃で相対粘度平均分子量のログ(log)の極小値を有し;かつ、高密度ポリエチレン組成物が約0未満の相対粘度平均分子量対ATREF−DV粘度対温度のプロットのログの回帰分析スロープを有し、その溶出温度が70℃〜90℃の間で測定されることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0030】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物が、[(−228.41*高密度ポリエチレン組成物の密度)+219.36)]*[1(重量パーセント)/(g/cm3)]以上の重量パーセントのコモノマー含量を有し、その密度がg/cm3で測定されることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0031】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、高密度ポリエチレン組成物が、[(2750*高密度ポリエチレン組成物の密度)−2552.2]*[1(パーセント)/(g/cm3)]以下のパーセントのATREF高密度画分を有し、その密度がg/cm3で測定されることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、高密度ポリエチレン組成物、それを製造する方法、それから作製された製品、およびそのような製品を作製する方法を提供する。
【0032】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品が、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも150時間、またはASTM D−1693 条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも300時間の環境応力亀裂抵抗を有することを除いて、先行する任意の実施形態に従う、製品および製品を作製する方法を提供する。
【0033】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品が、クロージャー装置、ワイヤーケーブル外被、導管、またはボトルであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、製品および製品を作製する方法を提供する。
【0034】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品が圧縮成形品、射出成形品、インジェクションブロー成形品、またはインジェクションストレッチブロー成形品であることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、製品および製品を作製する方法を提供する。
【0035】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品がボトルキャップであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、圧縮成形または射出成形品および圧縮成形または射出成形品を作製する方法を提供する。
【0036】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品が底の周囲から軸方向に伸びるスカートを含み、キャップを容器に固定するための雌ねじを有するキャップであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、圧縮成形または射出成形品および圧縮成形または射出成形品を作製する方法を提供する。
【0037】
もう一つの実施形態では、本発明は、製品が底の周囲から軸方向に伸びるスカートを含み、キャップを容器に固定するための雌ねじを有する圧縮成形されたキャップであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、圧縮成形品および圧縮成形品を作製する方法を提供する。
【0038】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品が底の周囲から軸方向に伸びるスカートを含み、キャップを容器に固定するための雌ねじを有する射出成形されたキャップであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、射出成形品および射出成形品を作製する方法を提供する。
【0039】
もう一つの代替実施形態では、本発明は、製品がインジェクションブロー成形されたボトルであることを除いて、先行する任意の実施形態に従う、ブロー成形品およびブロー成形品を作成する方法を提供する。
【0040】
本発明を説明するために、現在好ましい形態の図面が示される;しかし、示される正確な配置および手段に本発明が限定されないことは理解される。
【0041】
発明の詳細な説明
本発明の高密度ポリエチレン組成物は、第1の成分、および第2の成分を含む。第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分メルトインデックス(I21)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であることが好ましい。第2の成分は、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーであることが好ましい。高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する。高密度ポリエチレン組成物は、追加の成分、添加剤、またはアジュバントをさらに含む。高密度ポリエチレン組成物は、二峰性ポリマーである、またあるいは、高密度ポリエチレンは多峰性ポリマーである。
【0042】
用語「二峰性」は、本明細書において、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)曲線の分子量分布(MWD)が、2成分ポリマー、例えば2つのピークを示すか、または1成分ポリマーがその他の成分ポリマーのMWDに対してこぶ、肩、または尾として存在し得ること;またあるいは、例えば、2成分がこぶ、肩、または尾を有さないただ1つのピークを有し得ることを意味する。
【0043】
用語「多峰性」は、本明細書においてGPC曲線のMWDが2よりも多い成分ポリマー、例えば、3またはそれ以上のピークを示すか、または1成分ポリマーがその他の成分ポリマーのMWDに対してこぶ、肩、または尾として存在し得ること;またあるいは、3またはそれ以上の成分がこぶ、肩、または尾を有さないただ1つのピークを有し得ることを意味する。
【0044】
用語「ポリマー」は、本明細書においてホモポリマー、インターポリマー(もしくは共重合体)、または三元ポリマーを示すために用いられる。用語「ポリマー」には、本明細書において、インターポリマー類、例えば、エチレンと1またはそれ以上のC3-20α−オレフィン(類)との共重合により作製されたものなどが含まれる。
【0045】
用語「インターポリマー」は、本明細書において、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製されたポリマー類を指す。従って、インターポリマーという総称には、通常、2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマー、および2より多くの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる共重合体が含まれる。
【0046】
(共)重合という用語は、本明細書において、1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体の存在下でのエチレンの重合を指す。
【0047】
第1の成分は、ポリマー;例えば、ポリオレフィンである。第1の成分は、好ましくはエチレン系ポリマーである;例えば、第1の成分は好ましくは高分子量エチレンα−オレフィン共重合体である。第1の成分は実質的に少しの長鎖分枝も含まない。本明細書において、実質的に少しの長鎖分枝も含まないとは、好ましくは、全炭素1000個あたり約0.1未満の長鎖分枝で、より好ましくは、全炭素1000個あたり約0.01未満の長鎖分枝で置換されているエチレン系ポリマーを指す。長鎖分枝の存在は、一般に、当分野で公知の方法、例えば低角度光散乱検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LALLS)および示差粘度計検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−DV)に従って判定される。第1の成分は、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する。0.915〜0.940g/cm3の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第1の成分は、0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する、またあるいは、第1の成分は、0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度を有する。第1の成分は、0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する。0.5〜10g/10分の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第1の成分は1〜7g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する、またあるいは、第1の成分は、1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する。第1の成分は、150,000〜375,000の範囲の分子量を有する。150,000〜375,000の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第1の成分は175,000〜375,000の範囲の分子量を有する;またあるいは、第1の成分は、200,000〜375,000の範囲の分子量を有する。第1の成分は、任意の量の1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体を含んでよい。例えば、第1の成分は、第1の成分の重量に基づいて、約10重量%未満の1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体を含む。10重量パーセント未満の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。第1の成分は任意の量のエチレンを含んでよい。例えば、第1の成分は、第1の成分の重量に基づいて、少なくとも約90重量%のエチレンを含む。90重量パーセント超の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第1の成分は、第1の成分の重量に基づいて、少なくとも95重量%のエチレンを含む。
【0048】
α−オレフィン共重合体は、一般にわずか20個の炭素原子しか含まない。例えば、α−オレフィン共重合体は、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有することが好ましく、3〜8個の炭素原子を有することがより好ましい。例示的なα−オレフィン共重合体としては、限定されるものではないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、および4−メチル−1−ペンテンが挙げられる。α−オレフィン共重合体は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンからなる群より選択されることが好ましく、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群より選択されることがより好ましい。
【0049】
第2の成分は、ポリマー;例えば、ポリオレフィンである。第2の成分は、好ましくは、エチレン系ポリマーである;例えば、第2の成分は、好ましくは低分子量エチレンホモポリマーである。エチレンホモポリマーは微量の混入した共重合体、例えばα−オレフィン共重合体を含んでよい。本明細書において、エチレンホモポリマーという用語は、少なくとも99重量%のエチレン単位を含有するエチレン系ポリマーを指す。第2の成分は、実質的に少しの長鎖分枝も含まないことが好ましい。本明細書において、実質的に少しの長鎖分枝も含まないとは、エチレン系ポリマーが好ましくは、全炭素1000個あたり約0.1未満の長鎖分枝で、より好ましくは、全炭素1000個あたり約0.01未満の長鎖分枝で置換されていることを指す。長鎖分枝の存在は、一般に、上に記載されるように当分野で公知の方法に従って判定される。第2の成分は、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度を有する。0.965〜0.980g/cm3の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第2の成分は0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度を有する。第2の成分は、50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する。50〜1500g/10分の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第2の成分は、200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、またあるいは、第2の成分は500〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する。第2の成分は、12,000〜40,000の範囲の分子量を有する。12,000〜40,000の個々の値および部分的な範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第2の成分は、15,000〜40,000の範囲の分子量を有する、またあるいは、第2の成分は、20,000〜40,000の範囲の分子量を有する。第2の成分は、第2の成分の重量に基づいて、1.00重量%未満の1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体を含む。1.00重量パーセント未満の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第2の成分は、0.0001〜1.00重量%の1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体を含んでよく;第2の成分は0.001〜1.00重量%の1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体を含んでよい。第2の成分は、第2の成分の重量に基づいて、少なくとも約99重量%のエチレンを含む。99〜100重量パーセントの個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、第2の成分は、第2の成分の重量に基づいて、99.5〜100重量%のエチレンを含む。
【0050】
高密度ポリエチレン組成物は、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度を有する。0.950〜0.960g/cm3の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。高密度ポリエチレン組成物は、少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。1g/10分以上の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、高密度ポリエチレン組成物は、1〜2g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、またあるいは、高密度ポリエチレン組成物は少なくとも2g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。高密度ポリエチレン組成物は、実質的に少しの長鎖分枝も含まない。本明細書において、実質的に少しの長鎖分枝も含まないとは、好ましくは、全炭素1000個あたり約0.1未満の長鎖分枝で、より好ましくは、全炭素1000個あたり約0.01未満の長鎖分枝で置換されているポリエチレン組成物を指す。長鎖分枝の存在は、一般に、上に記載されるように当分野で公知の方法に従って判定される。高密度ポリエチレン組成物は、6〜25の範囲の分子量分布を有する。6〜25の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、高密度ポリエチレン組成物は、7〜20の範囲の分子量分布を有する、またあるいは、高密度ポリエチレン組成物は7〜17の範囲の分子量分布を有する。分子量分布、すなわち「MWD」という用語は、本明細書において、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比、つまり(Mw/Mn)を指し、下記においてさらに詳細に説明される。高密度ポリエチレン組成物は、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも150時間の環境応力亀裂抵抗を有し、または好ましくは、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも200時間の環境応力亀裂抵抗を有し、またはより好ましくは、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも250時間の環境応力亀裂抵抗を有する。代替形態では、高密度ポリエチレン組成物は、ASTM D−1693 条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも300時間の環境応力亀裂抵抗を有し、または好ましくは、少なくとも400時間ASTM D−1693 条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも400時間の環境応力亀裂抵抗を有し、またはより好ましくは、ASTM D−1693、条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも500時間の環境応力亀裂抵抗を有する。高密度ポリエチレン組成物は、任意の量の第1の成分、第2の成分、またはそれらの組合せを含んでよい。高密度ポリエチレン組成物は、第1の成分および第2の成分の総重量に基づいて、40〜60重量%の第1の成分を含む。40〜60重量パーセントの個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、高密度ポリエチレン組成物は、第1および第2の成分の総重量に基づいて、42〜55重量%の第1の成分を含む。高密度ポリエチレン組成物は、第1の成分および第2の成分の総重量に基づいて、さらに40〜60重量%の第2の成分を含む。40〜60重量パーセントの個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、高密度ポリエチレン組成物は、第1の成分および第2の成分の総重量に基づいて、48〜55重量%の第2の成分をさらに含む。好ましくは、高密度ポリエチレン組成物は単一のATREF温度ピークを有し、ATREF温度ピークは、下記においてさらに詳細に説明されるように、90℃〜105℃の間で温度ピーク最大値を有する。高密度ポリエチレン組成物はさらに20パーセント〜50パーセントの範囲の計算された高密度画分を有する。20パーセント〜50パーセントの個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。計算された高密度画分は、本明細書において、[(2)X(ATREF−DVにおいて温度ピーク最大値以上の温度で溶出する高密度ポリエチレンの重量比)]を指す。さらに、高密度ポリエチレン組成物は、ATREF−DVにおいて約90℃で相対粘度平均分子量のログの極小値、および約0未満の相対粘度平均分子量対ATREF−DV粘度対温度のプロットのログの回帰分析スロープを有し、その溶出温度は70℃〜90℃の間で測定される。
【0051】
ポリエチレン組成物のATREF高密度画分(パーセント)は、曲線中に極小値がない限り86℃およびそれ以上の曲線下面積を積分することにより計算される。測定され、表中に報告される本発明の試料または比較試料はどちらも86℃およびそれ以上の温度の曲線に極小値を有さなかった。
【0052】
高密度ポリエチレン組成物は、下記においてさらに詳細に説明される、トリプル検出器によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される1以上のg’平均を有する。g’は、本発明の高密度ポリエチレン組成物の固有粘度の、線状のポリマー対照の固有粘度に対する比として表される。g’が1以上であれば、分析されている試料は線状と考えられ、g’が1未満であれば、定義により線状ポリマーと比較して、それは分枝ポリマーである。しかし、現在の試験方法はその正確さおよび精度に誤りが生じやすい;従って、適当な措置にはそのような精度の誤差を考慮に入れる必要がある。そのために、1からの小さな偏差、例えば0.012以下の値、つまり0.988〜1.012は、なお線状ポリマーと定義される。代替形態では、1からの小さな偏差、例えば0.025以下の値、つまり0.975〜1.025が、なお線状ポリマーと定義される。
【0053】
図1を参照すると、高密度ポリエチレン組成物は、[(2750*高密度ポリエチレン組成物の密度)−2552.2]*[1(パーセント)/(g/cm3)]以下のパーセントのATREF高密度画分を有する(密度はg/cm3で測定される)。
【0054】
図2を参照すると、高密度ポリエチレン組成物は、[(−228.41*高密度ポリエチレン組成物の密度)+219.36)]*[1(重量パーセント)/(g/cm3)]以上の重量パーセントのコモノマー含量を有する(密度はg/cm3で測定される)。
【0055】
図3を参照すると、パーセントで表される計算された高密度画分は、[1107.4*(高分子量ポリエチレン成分の密度)−992.56]*[1(パーセント/cm3)に等しい。
【0056】
図4を参照すると、図4は、℃で表される溶出温度とLog[Mv(g/モル)]で表される粘度平均との間の関係を説明する。
【0057】
高密度ポリエチレン組成物には、追加の成分、例えば他のポリマー、アジュバント、および/または添加剤がさらに含まれてよい。そのようなアジュバントまたは添加剤としては、限定されるものではないが、帯電防止剤、色増強剤、染料、滑沢剤、増量剤、色素、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、核剤、およびそれらの組合せが挙げられる。高密度ポリエチレン組成物は、高密度ポリエチレン組成物の重量に基づいて、1種類またはそれ以上の添加剤を合わせて約10重量パーセント未満含む。約10重量パーセント未満の個々の値および部分的な範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、高密度ポリエチレン組成物は、高密度ポリエチレン組成物の重量に基づいて、1種類以上の添加剤を合わせて約5重量パーセント未満含む、またあるいは、高密度ポリエチレン組成物は、高密度ポリエチレン組成物の重量に基づいて、1種類またはそれ以上の添加剤を合わせて約1重量パーセント未満含む、またはもう一つの代替形態では、高密度ポリエチレン組成物は、高密度ポリエチレン組成物の重量に基づいて、1種類またはそれ以上の添加剤を合わせて約0.5重量パーセント未満含み得る。酸化防止剤、例えばIrgafos(登録商標)168およびIrganox(登録商標)1010は、ポリマーを熱および/または酸化分解反応から保護するためによく用いられている。Irganox(登録商標)1010は、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシヒドロシンナメート)であり、Ciba Geigy Incより市販されている。Irgafos(登録商標)168は、トリス(2,4ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトであり、Ciba Geigy Incより市販されている。
【0058】
本発明の高密度ポリエチレン組成物は、他のポリマーとさらにブレンドすることができる。そのような他のポリマーは、一般に当業者に公知である。本発明の高密度ポリエチレン組成物を含むブレンドは、任意の従来法により形成される。例えば、選択されたポリマーを一軸または二軸スクリュー押出機、またはミキサー、例えばBanburyミキサー、Haakeミキサー、Barbender内部ミキサーによって溶融ブレンドされる。
【0059】
一般に、本発明の高密度ポリエチレン組成物を含有するブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも40重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む。少なくとも40重量パーセントの範囲内の個々の値および部分的な範囲は本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも60重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドの総重量に基づいて、ブレンドは、少なくとも70重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも80重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドの総重量に基づいて、ブレンドは、少なくとも90重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも95重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む;またあるいは、ブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、少なくとも99.99重量%の本発明の高密度ポリエチレン組成物を含む。
【0060】
様々な重合反応および触媒系を用いて本発明の高密度ポリエチレン組成物を製造することができる。高密度ポリエチレン組成物を調製するために用いられる典型的な遷移金属触媒系は、米国特許第4,302,565号に記載される触媒系に典型的に示されるマグネシウム/チタン系の触媒系;バナジウム系の触媒系、例えば米国特許第4,508,842号;米国特許第5,332,793号;米国特許第5,342,907号;および米国特許第5,410,003号に記載されるものなど;ならびにメタロセン触媒系、例えば米国特許第4,937,299号;米国特許第5,317,036号;および米国特許第5,527,752号に記載されるものなどである。シリカ−アルミナ担体上に酸化モリブデンを用いる触媒系も有用である。本発明の高密度ポリエチレン組成物のための成分を調製するために好ましい触媒系は、チーグラー・ナッタ(Ziegler-Natta)触媒系およびメタロセン触媒系である。
【0061】
一部の実施形態では、高密度ポリエチレン組成物を作製するためのプロセスに用いられる好ましい触媒は、マグネシウム/チタン型の触媒である。特に、気相重合には、触媒は、電子供与体溶媒中のマグネシウムクロライドおよびチタンクロライドを含む前駆体から作製される。この溶液は、多孔質触媒担体上に堆積されるか、または増量剤(filler)が添加される場合が多く、それは、その後の噴霧乾燥でさらなる機械的強度を粒子にもたらす。いずれの担持法からの固体粒子も、しばしば希釈液中でスラリーとされて高粘度混合物を生じ、次に、触媒前駆体として用いられる。例示的な触媒の種類は、米国特許第6,187,866号および米国特許第5,290,745号に記載されており、その双方の全内容が本明細書中に含まれる。沈殿/結晶化した触媒系、例えば、米国特許第6,511,935号および米国特許第6,248,831号に記載されているものを用いてもよく、その双方の全内容が本明細書中に含まれる。そのような触媒は、1つの前駆体活性剤でさらに修飾してよい。そのようなさらなる修飾は米国特許出願公開第2006/0287445 A1号に記載されている。
【0062】
好ましくは、触媒前駆体は、式MgdTi(OR)ef(ED)g(式中、Rは、1〜14個の炭素原子またはCOR’を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり、R’は1〜14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であり;各OR基は、同じまたは異なり;Xは、独立に、塩素、臭素またはヨウ素であり;EDは、電子供与体であり;dは、0.5〜56であり;eは0、1、または2であり;fは、2〜116であり;かつ、gは2より大きく、最大1.5*d+3である)を有する。それはチタン化合物、マグネシウム化合物、および電子供与体から調製される。
【0063】
電子供与体は、0℃〜200℃の範囲の温度で液体の有機ルイス塩基であり、マグネシウムおよびチタン化合物がそれに可溶性である。電子供与体化合物は時々ルイス塩基と称される。電子供与体は、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族ケトン、脂肪族アミン、脂肪族アルコール、アルキルもしくはシクロアルキルエーテル、またはそれらの混合物であってよく、各電子供与体は2〜20個の炭素原子を有する。これらの電子供与体の中でも好ましいのは、2〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびシクロアルキルエーテル類;3〜20個の炭素原子を有するジアルキル、ジアリール、およびアルキルアリールケトン類;ならびに、2〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、およびアルキルおよびアリールカルボン酸のアルキルアルコキシエステル類である。最も好ましい電子供与体はテトラヒドロフランである。適した電子供与体のその他の例は、メチルホルメート、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルエーテル、ジオキサン、ジ−n−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エタノール、1−ブタノール、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアニセート、エチレンカルボナート、テトラヒドロピラン、およびエチルプロピオネートである。
【0064】
大過剰の電子供与体を最初に用いてチタン化合物と電子供与体の反応生成物を得る間に、最終的な触媒前駆体は、チタン化合物1モルあたり約1〜約20モルの電子供与体を含み、好ましくは、チタン化合物1モルあたり約1〜約10モルの電子供与体を含む。
【0065】
触媒はポリマーの成長の鋳型として働くので、触媒前駆体は固体に変換されることが不可欠である。比較的狭いサイズ分布、少量の微粉および良好な流動特性を有するポリマー粒子を製造するために、得られる固体が適当な粒径および形状を有することも不可欠である。ルイス塩基、マグネシウムおよびチタン化合物からなるこの溶液を多孔性担体に含浸させ、乾燥させて固体触媒を形成してもよいが、溶液を噴霧乾燥によって固体触媒に変換することが好ましい。これらの方法の各々は従って「担持された触媒前駆体」を形成する。
【0066】
噴霧乾燥触媒生成物を、次に選択的に鉱油スラリーに入れられる。炭化水素スラリー希釈液の粘度は十分低いので、スラリーは便宜に前活性化装置を通って送り出され、最終的に重合反応装置に入る。触媒はラスリー触媒フィーダを用いて供給される。プログレッシブキャビティポンプ、例えばMoynoポンプが一般に市販の反応系に用いられるが、デュアルピストンシリンジポンプは、触媒流がスラリー10cm3/時(2.78×10-93/s)以下であるパイロットスケールの反応系に一般に用いられる。
【0067】
共触媒、または活性剤も、重合をもたらすために反応装置に供給される。完全な活性を達成するためにさらなる共触媒による完全な活性化が必要とされる。完全な活性化は通常、重合反応装置において生じるが、EP1,200,483号において教示される技術を用いてもよい。
【0068】
従来用いられている還元剤である共触媒は、アルミニウム化合物からなるが、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの化合物、アルカリ土類金属、ならびにその他のアルミニウム以外の土類金属の化合物が可能である。化合物は通常、ヒドリド化合物、有機金属化合物、またはハロゲン化物化合物である。ブチルリチウムおよびジブチルマグネシウムが、アルミニウム以外の有用な化合物の例である。
【0069】
活性剤化合物は、一般にチタン系触媒前駆体のいずれかと一緒に用いられ、式AlRabc(式中、各Xは独立に、塩素、臭素、ヨウ素、またはOR’であり;各RおよびR’は独立に、1〜14個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり;bは0〜1.5であり;cは0または1であり;かつ、a+b+c=3である)を有し得る。好ましい活性剤としては、アルキルアルミニウムモノ−およびジクロライドが挙げられ、その各アルキルラジカルは1〜6個の炭素原子およびトリアルキルアルミニウムを有する。例は、ジエチルアルミニウムクロライドおよびトリ−n−ヘキシルアルミニウムである。電子供与体1モルあたり約0.10〜10モル、および好ましくは0.15〜2.5モルの活性剤が用いられる。チタンに対する活性剤のモル比は、1:1〜10:1の範囲内であり、好ましくは、2:1〜5:1の範囲内である。
【0070】
ヒドロカルビルアルミニウム共触媒は、式R3AlまたはR2AlX、(式中、各Rは独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、または水素であり;少なくとも1つのRはヒドロカルビルであり;かつ、2または3個のRラジカルは連結されて複素環構造を形成する)で表され得る。ヒドロカルビルラジカルである各Rは、1〜20個の炭素原子、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有してよい。Xは、ハロゲン、好ましくは、塩素、臭素、またはヨウ素である。ヒドロカルビルアルミニウム化合物の例は以下の通りである。トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジ−イソブチル−アルミニウムヒドリド、ジヘキシルアルミニウムヒドリド、ジ−イソブチル−ヘキシルアルミニウム、イソブチル−ジヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリナフチルアルミニウム、トリトリルアルミニウム、ジブチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、およびエチルアルミニウムセスキクロライド。共触媒化合物はまた、活性剤および調節剤(modifiers)としての役割を果たす。
【0071】
活性剤を、重合の前および/または重合の間に前駆体に添加してよい。一手順では、前駆体は重合の前に完全に活性化されている。もう一つの手順では、前駆体は重合の前に部分的に活性化され、反応装置の中で活性化が完了する。調節剤を活性剤の代わりに用いる場合、通常、調節剤を有機溶媒、例えばイソペンタンに溶解し、担体を用いる場合、チタン化合物または錯体の含浸の後に担体に含浸させ、その後に担持触媒前駆体を乾燥させる。そうでなければ、調節剤溶液を単独で直接反応装置に添加する。調節剤は、化学構造が類似し、共触媒として活性剤に作用する。変形形態は、例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,106,926号を参照されたい。共触媒は、そのまま(neat)または不活性溶媒、例えばイソペンタン中の溶液として、エチレンの流れが開始すると同時に重合反応装置に別々に添加されることが好ましい。
【0072】
担体を用いる実施形態において、前駆体は、無機オキシド担体(例えばシリカ;アルミニウムホスフェート;アルミナ;シリカ/アルミナ混合物;有機アルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウムで修飾されているシリカ;およびジエチル亜鉛で修飾されたシリカ)上に担持される。一部の実施形態では、シリカが好ましい担体である。典型的な担体は、基本的に重合に対して不活性の固体、微粒子、多孔質材料である。それは平均粒径が10〜250μm、好ましくは、30〜100μm;表面積が少なくとも200m2/g、好ましくは、少なくとも250m2/g;かつ孔径が少なくとも100×10-10m、好ましくは、少なくとも200×10-10mの乾燥粉末として用いられる。一般に、用いる担体の量は、担体1グラム当たり0.1〜1.0ミリモルのチタン、好ましくは、担体1グラム当たり0.4〜0.9ミリモルのチタンをもたらす量である。前記触媒前駆体のシリカ担体への含浸は、前駆体とシリカゲルを電子供与体溶媒またはその他の溶媒中で混合し、その後減圧下で溶媒を除去することにより達成することができる。担体を望まない場合、触媒前駆体を液体形態で用いることができる。
【0073】
もう1つの実施形態では、メタロセン触媒、シングルサイト触媒および拘束幾何触媒(constrained geometry catalysts)が本発明の実践に用いられ得る。一般に、メタロセン触媒化合物には、1またはそれ以上のπ結合リガンドを有するハーフおよびフルサンドイッチ化合物が含まれ、それには、シクロペンタジエニル型構造またはその他の類似の機能構造、例えばペンタジエン、シクロオクタテトラエンジイルおよびイミド類が含まれる。典型的な化合物は、一般に、遷移金属原子とπ結合可能な1またはそれ以上のリガンド、通常、元素周期律表の3〜8族、好ましくは、4、5または6族から、またはランタニドおよびアクチニド系列から選択される遷移金属と組み合わせた、シクロペンタジエニル由来のリガンドまたは部分を含有すると説明される。
【0074】
例示的なメタロセン型触媒化合物は、例えば、米国特許第4,530,914号;同第4,871,705号;同第4,937,299号;同第5,017,714号;同第5,055,438号;同第5,096,867号;同第5,120,867号;同第5,124,418号;同第5,198,401号;同第5,210,352号;同第5,229,478号;同第5,264,405号;同第5,278,264号;同第5,278,119号;同第5,304,614号;同第5,324,800号;同第5,347,025号;同第5,350,723号;同第5,384,299号;同第5,391,790号;同第5,391,789号;同第5,399,636号;同第5,408,017号;同第5,491,207号;同第5,455,366号;同第5,534,473号;同第5,539,124号;同第5,554,775号;同第5,621,126号;同第5,684,098号;同第5,693,730号;同第5,698,634号;同第5,710,297号;同第5,712,354号;同第5,714,427号;同第5,714,555号;同第5,728,641号;同第5,728,839号;同第5,753,577号;同第5,767,209号;同第5,770,753号および同第5,770,664号;欧州特許出願公開広報EP−A−0591756号;EP−A−0520732号;EP−A−0420436号;EP−A−0485822号;EP−A−0485823号;EP−A−0743324号;EP−A−0518092号;およびPCT公開広報:WO 91/04257号;WO 92/00333号;WO 93/08221号;WO 93/08199号;WO 94/01471号;WO 96/20233号;WO 97/15582号;WO 97/19959号;WO 97/46567号;WO 98/01455号;WO 98/06759号およびWO 98/011144号に記載されている。これらの参照文献は全て、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【0075】
本明細書における使用に適した触媒は、参照によりその全文が双方ともに組み込まれる、米国特許第5,272,236号および同第5,278,272号に開示されるような拘束幾何触媒を含むことが好ましい。
【0076】
その教示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,026,798号に教示されるモノシクロペンタジエニル遷移金属オレフィン重合触媒も、本発明の触媒として適している。
【0077】
前述の触媒は、さらに、元素周期律表の3〜10族の金属またはランタニド系列、および拘束誘起部分で置換された脱局在化π結合部分を含む金属配位錯体を含むとして説明され得る。そのような錯体は金属原子の周囲に拘束された幾何形状を有する。触媒は、活性化共触媒をさらに含む。
【0078】
任意の従来型エチレン単独重合または(共)重合反応を用いて本発明の高密度ポリエチレン組成物を製造してよい。そのような従来型エチレン単独重合または(共)重合反応としては、限定されるものではないが、従来型反応装置、例えば気相反応装置、ループ反応装置、攪拌槽反応器、および、一連の、または一連および平行したバッチ反応装置を用いる、気相重合、スラリー相重合、液相重合、およびそれらの組合せが挙げられる。本発明の重合系は、デュアルシーケンシャル重合系またはマルチシーケンシャル重合系である。デュアルシーケンシャル重合系の例としては、限定されるものではないが、気相重合/気相重合;気相重合/液相重合;液相重合/気相重合;液相重合/液相重合;スラリー相重合/スラリー相重合;液相重合/スラリー相重合;スラリー相重合/液相重合;スラリー相重合/気相重合;および気相重合/スラリー相重合が挙げられる。マルチシーケンシャル重合系には少なくとも3つの重合反応が含まれる。上記の触媒系はまた、従来型触媒系であってよい。本発明の高密度ポリエチレン組成物は、デュアル気相重合プロセス、例えば気相重合/気相重合によって作製されることが好ましい;しかし、本発明はそれに限定されなく、上記のいずれの組合せを用いてもよい。
【0079】
製造には、上記のように連続して接続されたデュアルシーケンシャル重合系を用いてよい。第1の成分、つまり高分子量エチレン系ポリマーは、デュアルシーケンシャル重合系の第1段階で製造されてよく、第2の成分、つまり低分子量エチレン系ポリマーは、デュアルシーケンシャル重合系の第2段階で調製されてよい。あるいは、第2の成分、つまり低分子量エチレン系ポリマーは、デュアルシーケンシャル重合系の第1段階で作製されてよく、第1の成分、つまり高分子量エチレン系ポリマーは、デュアルシーケンシャル重合系の第2段階で作製されてよい。
【0080】
本開示の目的において、条件が第1の成分の作製をもたらす反応装置は、第1の反応装置として知られている。あるいは、条件が第2の成分の作製をもたらす反応装置は、第2の反応装置として知られている。
【0081】
製造には、共触媒、エチレン、1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体、水素、および場合により不活性気体および/または液体、例えばN2、イソペンタン、およびヘキサンを含む触媒系は、第2の反応装置と連続して接続されている第1の反応装置に連続的に供給される;次に、第1の成分/活性触媒混合物は、例えば、バッチで第1の反応装置から第2の反応装置へ連続的に移される。エチレン、水素、共触媒、および場合により不活性気体および/または液体、例えばN2、イソペンタン、ヘキサンは第2の反応装置に連続的に供給され、最終生成物、つまり本発明の高密度ポリエチレン組成物は連続的に、例えば、バッチで第2の反応装置から取り出される。好ましい形態は、第1の反応装置から第1の成分のバッチ数量をとり、再生ガス圧縮系により生じた差圧を用いてそれらを第2の反応装置に移す。本発明の高密度ポリエチレン組成物は、次に、不活性雰囲気条件下でパージビンに移される。その後、残留炭化水素を取り除き、本発明の高密度ポリエチレン組成物が酸素に曝される前に、水分を導入していずれの残留アルミニウムアルキルおよびいずれの残留触媒も還元させる。次に、本発明の高密度ポリエチレン組成物を押出機に移してペレット化する。そのようなペレット化技術は一般に公知である。本発明の高密度ポリエチレン組成物は、さらに溶融スクリーニング(melt screened)され得る。押出機での溶融プロセスの後に、溶融した組成物を1またはそれ以上のアクティブスクリーン(1よりも多く連続して位置する)に通過させる(各アクティブスクリーンは、5〜100ポンド/hr/in2(1.0〜約20kg/s/m2)の質量流束で2〜400(2〜4×10-5m)、好ましくは、2〜300(2〜3×10-5m)、最も好ましくは、2〜70(2〜7×10-6m)のミクロン保持サイズを有する)。そのようなさらなる溶融スクリーニングは、米国特許第6,485,662号に開示され、同特許は溶融スクリーニングを開示する程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
もう一つの製造には、上記のように連続および平行に接続されたマルチシーケンシャル重合系が用いられ得る。本発明の一実施形態では、共触媒、エチレン、1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体、水素、および場合により不活性気体および/または液体、例えばN2、イソペンタン、およびヘキサンを含む触媒系は、第2の反応装置と接続された第1の反応装置に連続的に供給され(第2の反応装置は第3の反応装置に連続して接続されている);第1の成分/活性触媒混合物は、次に、例えば、バッチで第1の反応装置から第2の反応装置に、次に第3の反応装置に連続的に移動される。エチレン、水素、共触媒、および場合により不活性気体および/または液体、例えばN2、イソペンタン、およびヘキサンは、第2および第3の反応装置に連続的に供給され、さらに、最終生成物、つまり高密度ポリエチレン組成物は、連続的に、例えばバッチで第3の反応装置から取り除かれる。好ましい形態は、第1の反応装置から第1の成分のバッチ量をとり、それらを第2の反応装置に移し、次に第2の反応装置からバッチをとり、それらを再循環ガス圧縮系(recycled gas compression system)により生じた差圧を用いて第3の反応装置に移す。あるいは、第1の反応装置を第2の反応装置および第3の反応装置に平行して供給し、第1の反応装置由来の生成物を第2または第3の反応装置のいずれかに移す。次に、高密度ポリエチレン組成物を、不活性雰囲気条件下でパージビンに移す。その後、残留炭化水素を取り除き、ポリマー、つまり本発明の高密度ポリエチレン組成物が酸素に曝される前に、水分を導入していずれの残留アルミニウムアルキルおよびいずれの残留触媒も還元させてよい。次に、本発明の高密度ポリエチレン組成物を押出機に移動させてペレット化する。そのようなペレット化技術は一般に公知である。本発明の高密度ポリエチレン組成物は、さらに溶融スクリーニングすることができる。押出機での溶融プロセスの後に、溶融した組成物を1またはそれ以上のアクティブスクリーン(1よりも多く連続して位置する)に通過させる(各アクティブスクリーンは、5〜100ポンド/hr/in2(1.0〜約20kg/s/m2)の質量流束で2〜400(2〜4×10-5m)、好ましくは、2〜300(2〜3×10-5m)、最も好ましくは、2〜70(2〜7×10-6m)のミクロン保持サイズを有する)。そのようなさらなる溶融スクリーニングは、米国特許第6,485,662号に開示され、同特許は溶融スクリーニングを開示する程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
もう一つの代替製造法において、本発明の高密度ポリエチレン組成物は、反応後ブレンディング(post reaction blending)で2またはそれ以上の独立した反応装置(それぞれ同一または異なる触媒を用いる)で作製されたポリマーから製造され得る。
【0084】
適用には、本発明の高密度ポリエチレン組成物は造形品を製造するために用いられ得る。そのような製品としては、限定されるものではないが、クロージャー装置(closure devices)、例えばボトルキャップ、ワイヤーケーブル外被、導管、またはインジェクションブロー成形品が挙げられる。様々な方法を用いて製品、例えばボトルキャップ、ワイヤーケーブル外被、導管、またはインジェクションブロー成形品、例えばインジェクションブロー成形されたボトルを製造することができる。適した変換技術としては、限定されるものではないが、ワイヤーコーティング、パイプ押出、ブロー成形、共押出ブロー成形、射出成形、インジェクションブロー成形、インジェクションストレッチブロー成形、圧縮成形、押出、引抜成形、およびカレンダリングが挙げられる。そのような技術は一般に周知である。好ましい変換技術としては、ワイヤーコーティング、パイプ押出、インジェクションブロー成形、圧縮成形、および射出成形が挙げられる。
【0085】
圧縮成形プロセスでは、二個構成金型により所望の成形品の形状をした空洞がもたらされる。型を加熱する。適当な量の本発明の高密度ポリエチレン組成物、好ましくは、溶融形態のものを型の下半分に充填する。2個の型部品を圧力下で一つにする。熱により軟化させた本発明の高密度ポリエチレン組成物は、それにより空洞の形状をした連続した塊に溶接される。連続した塊は圧力下、型の中で冷却することにより硬くなり、それにより圧縮成形品、例えばボトルキャップが形成される。圧縮成形されたキャップには、底の周囲から軸方向に伸びるスカートが含まれてよく、さらにキャップを容器に固定するための雌ねじが含まれてよい。
【0086】
射出成形プロセスでは、本発明の高密度ポリエチレン組成物はホッパーを経由して押出機に供給される。押出機は本発明の高密度ポリエチレン組成物を運搬し、加熱し、溶融し、加圧して溶融流を形成する。溶融流は、圧力下で、閉じた状態に保たれた比較的冷たい型の中にノズルを通って押出機から押し出され、それにより型が充填される。溶融体は冷えて硬くなり、完全に硬化する。次に、型を開けて成形品、例えばボトルキャップを取り出す。射出成形されたキャップには、底の周囲から軸方向に伸びるスカートが含まれてよく、さらにキャップを容器に固定するための雌ねじが含まれてよい。
【0087】
ブロー成形プロセス、例えば、インジェクションブロー成形では、本発明の高密度ポリエチレン組成物は溶融され、次にそれを射出成形によりチューブまたはパリソンに形成される。チューブまたはパリソンの末端を、吹込空気が入ることのできる範囲を除いて密封する。密封したチューブまたはパリソンを型の内側で膨らませ、それにより型の形をとる。成形品、例えばボトルは冷却され、その後、型から排出される。必要であれば、成形品は次にばり取りされる。
【0088】
本発明の高密度ポリエチレン組成物を含むクロージャー装置、例えばボトルキャップは改良された環境亀裂抵抗を示す。そのようなボトルキャップは炭酸飲料の圧力に耐えるのに適合している。そのようなボトルキャップはさらにボトルのクロージャー、および密封(つまりボトルのキャップをねじで締めるために機械によりもたらされる最適なトルク)、またはボトルの封を切ること(つまりキャップを回して外すために人によりもたらされる最適なトルク)を円滑にする。
【実施例】
【0089】
当然のことながら、本発明は、具体的に開示されていない任意の成分が存在しなくても実施可能である。以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供するものであり、制限するものと解釈されない。
【0090】
本発明の実施例1〜6
本発明の実施例1〜6を、以下の手順に従って調製した。デュアルシーケンシャル重合系、例えば第1の気相反応装置と連続して作動する第2の気相反応装置を準備した。エチレン、1またはそれ以上のα−オレフィン共重合体、水素、鉱油中でスラリーした触媒、例えばチーグラー・ナッタ触媒、N2、およびイソペンタンを第1の反応装置に連続的に供給した。その後、共触媒、例えばトリエチルアルミニウム(TEAL)を、第1の反応装置に連続的に供給して触媒を活性化させた。エチレンの第1の重合反応を1−ヘキセンの存在下、第1の反応装置において下の表Iに示される条件下で行い、それにより第1の成分−触媒錯体を生成した。第1の成分−触媒錯体を連続的に第2の反応装置に移した。さらなるエチレン、水素、共触媒、例えばTEAL、N2、およびイソペンタンを第2の反応装置に連続的に供給した。さらなる触媒は第2の反応装置に添加しなかった。エチレンの第2の重合反応を第2の反応装置において下の表Iに示される条件下で行い、それにより第1の成分−触媒−第2の成分錯体を生成した。第1の成分−触媒−第2の成分錯体は第2の反応装置からバッチで連続的に取り出されて製品チャンバーに入れられ、そこでパージされて残留炭化水素が取り除かれた後、ファイバーパック(fiberpak)ドラムに移した。ファイバーパックドラムを加湿窒素で連続的にパージした。このポリマー、すなわち本発明の高密度ポリエチレン組成物を、ミキサー/ペレタイザーでさらに処理した。表IIIに示されるさらなる添加剤を、ポリマー、つまり本発明の高密度ポリエチレン組成物に添加した。ポリマー、つまり本発明の高密度ポリエチレン組成物をミキサー中で溶融し、添加剤をポリマー、本発明の高密度ポリエチレン組成物マトリックス中に分散させた。本発明の高密度ポリエチレン組成物を、ダイプレートを通して押出し、ペレット化し、冷却した。本発明の実施例1〜6の樹脂試料を、ペレットからそれらの特性について試験するか、またはASTM D−4703−00に従って試験プラークに形成し、その後それらの特性について試験した。そのような特性は表IおよびII、ならびに図1〜4に示される。
【0091】
比較例A〜E
比較例Aは、Borstar(登録商標)MB6561の商標名でBorealis AIS,Denmarkから市販されている。比較例Bは、BP Solvay PolyethyleneからRigidex(登録商標)HD 5130 EA−Bの商標名で市販されている。比較例Cは、The Dow Chemical Company,USAからXZ 89719.01の商標名で市販されている。比較例Dは、Basell、GermanyからHostaen(登録商標)GX4027の商標名で市販されている。比較例Eは、The Dow Chemical Company,USAからXZ 89719.00の商標名で市販されている。比較例A〜Eの樹脂試料を、ペレットからそれらの特性について試験するか、またはASTM D−4703−00に従って試験プラークに形成し、その後それらの特性について試験した。比較例A〜Eの樹脂試料およびそれから作製されたプラークを、それらの特性について試験した。そのような特性は表IVに示される。
【0092】
試験方法
特に断りのない限り、本明細書で報告される値は以下の試験方法に従って測定された。
【0093】
密度(g/cm3)は、ASTM−D 792−03、方法Bに従ってイソプロパノール中で測定した。試験片を、成形の1時間以内に、イソプロパノール浴中23℃にて8分間コンディショニングして測定の前に熱平行を達成した後、測定した。試験片を、ASTM D−4703−00 Annex Aに従って、約190℃にて5分の初期加熱時間および手順Cにつき15℃/分の冷却速度で圧縮成形した。試験片を圧縮機で45℃まで冷却し、「手で触れるくらいの冷たさ」になるまで冷却を継続した。
【0094】
メルトインデックス(I2)を、ASTM D−1238−03に従って、2.16kgを負荷し、190℃にて測定した。
【0095】
メルトインデックス(I5)を、ASTM D−1238−03に従って、5.0kgを負荷し、190℃にて測定した。
【0096】
メルトインデックス(I10)を、ASTM D−1238−03に従って、10.0kgを負荷し、190℃にて測定した。
【0097】
メルトインデックス(I21.6)を、ASTM D−1238−03に従って、21.6kgを負荷し、190℃にて測定した。
【0098】
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、本明細書の下記に説明される従来型GPCを用いる、当分野で公知の方法に従って決定された。
【0099】
エチレン系ポリマーの分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定された。クロマトグラフ装置は、Prescision Detectors(Amherst,MA)2角度レーザー光散乱検出器モデル2040を備えたWaters(Millford,MA)150℃高温ゲル浸透クロマトグラフで構成された。15°の角度の光散乱検出器を計算のために用いた。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア・バージョン3および4−チャネルViscotek Data Manager DM400を用いて行った。このシステムにはPolymer Laboratories社製のオンライン溶媒脱気装置(an on-line solvent degas device)が装備された。カルーセル区画は140℃にて操作され、カラム区画は150℃にて操作された。用いたカラムは、4本のShodex HT 806M 300mm、13μmカラムおよび1本のShodex HT803M 150mm、12μmカラムであった。用いた溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンであった。試料は、溶媒50ミリリットル中ポリマー0.1グラムの濃度で調製した。クロマトグラフィー溶媒および試料調製溶媒は、200μg/gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。双方の溶媒源に窒素を散布した(sparged)。ポリエチレン試料を160℃にて4時間穏やかに攪拌した。用いた注入量は200マイクロリットルであり、流速は0.67ミリリットル/分であった。GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000g/molの範囲の分子量の、21種類の狭い分子量分布のポリスチレン標準品を、個々の分子量間で少なくとも10個に分離する6つの「カクテル」混合物にしたものを用いて行った。標準品はPolymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入した。ポリスチレン標準品を、1,000,000g/mol以上の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中0.025グラムに調製し、さらに1,000,000g/mol未満の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中0.05グラムに調製した。ポリスチレン標準品を80℃にてゆっくりとかき混ぜながら30分間溶解した。狭い標準品混合物を最初に、そして最高分子量成分の減ってゆく順に流して、分解を最小とした。ポリスチレン標準品ピーク分子量を以下の方程式(ウイリアムズおよびワード、J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)):
Mpolyethylene=Ax(Mpolystyrene)B
(式中、Mは分子量であり、Aは0.41の値であり、Bは1.0に等しい)、を用いてポリエチレン分子量に変換した。多検出器オフセットの決定のための系統的アプローチは、バルク、ムレイら(Mourey and Balke, Chromatography Polym. Chpt 12,(1992)およびBalke, Thitiratsakul, Lew, Cheung, Mourey, Chromatography Polym. Chpt 13,(1992))によって発表されたものに一致する方法で行い、Dow製の広いポリスチレン1683からの二重検出器ログ結果を、社内ソフトウェアを用いて狭標準較正曲線からの狭標準カラム較正結果に対して最適化した。オフセット決定のための分子量データは、ジム(Zimm, B. H., J. Chem. Phys., 16, 1099(1948))およびクラトフビル(Kratochvil, P., Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Elsevier, Oxford, NY(1987))によって発表されたもの方法に一致する方法で得た。分子量の決定に用いた総注入濃度は、分子量115,000g/molの線状ポリエチレンホモポリマーから、NISTポリエチレンホモポリマー標準品1475に準拠して測定された、試料屈折率面積および屈折率検出器較正(the sample refractive index area and the refractive index detector calibration)から得た。クロマトグラフィー濃度は、第2ビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排除するために十分に低いと考えられた。分子量計算は、社内ソフトウェアを用いて行った。数平均分子量、重量平均分子量、およびz平均分子量の計算は、以下の方程式に従って行い、屈折計のシグナルは重量分率に直接的に比例していると仮定した。ベースラインを減じた屈折計シグナルは、下の方程式において直接的に重量分率に置き換えることができる。分子量は、従来型較正曲線または屈折計比率(refractometer ratio)に対する光散乱から得た絶対分子量であり得ることに留意されたい。z−平均分子量の改良された推定値、ベースラインを減じた光散乱シグナルは、下式(2)において重量平均分子量および重量分率の積と置き換わり得る。
【0100】
【数1】

【0101】
二峰性の分布は、例えば、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、ワイルドら、Journal of Polymer Science, Poly. Phys. Ed., Vol. 20, p. 441 (1982)に、米国特許第4,798,081号(Hazlitt et al.)に、または米国特許第5,089,321号(Chum et al.)に記載されるように、昇温溶出分別(一般に「TREF」と略される)データの最大温度ピークの重量分率に従って特徴づけられた。分析的昇温溶出分別分析(米国特許第4,798,081号に記載され、本明細書中では「ATREF」と略す)において、分析されるべき組成物を適した熱溶媒(例えば、1,2,4トリクロロベンゼン)に溶かし、不活性担体(例えば、ステンレス鋼ショット)を含有するカラム中で温度を徐々に低下させることにより結晶化させる。カラムには赤外線検出器および示差粘度計(DV)検出器が備えられた。次に、溶出溶媒(1,2,4トリクロロベンゼン)の温度を徐々に上昇させることによって結晶化したポリマー試料をカラムから溶出させることによりATREF−DVクロマトグラム曲線を作成した。ATREF−DV法は、WO 99/14271号にさらに詳細に記載され、本開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
高密度画分(パーセント)を、以下にさらに詳細に説明される分析的昇温溶出分別分析(米国特許第4,798,081号に記載され、本明細書中では「ATREF」と略す)によって測定した。分析的昇温溶出分別(ATREF)分析は、その全文が本明細書に組み込まれる米国特許第4,798,081号およびワイルド、L.;ライル、T.R.;ノベロッチ、D.C.;ピート、I.R.;Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers, J. Polym. Sci, 20, 441-455 (1982)に記載される方法に従って行われた。分析されるべき組成物をトリクロロベンゼンに溶かし、不活性担体(例えば、ステンレス鋼ショット)を含有するカラム中で温度を徐々に20℃まで冷却速度0.1℃/分にて低下させることにより結晶化させる。カラムには赤外線検出器が備えられた。次に、溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を20から120℃へ徐々に1.5℃/分で上昇させることによって結晶化したポリマー試料をカラムから溶出させることによりATREFクロマトグラム曲線を作成した。
【0103】
分枝分布は、結晶化分析分別(CRYSTAF)によって決定した(本明細書下記に記載)。結晶化分析分別(CRYSTAF)は、PolymerChar,Valencia,Spainから市販されているCRYSTAF 200ユニットによって行った。試料を1,2,4トリクロロベンゼンに160℃にて(0.66mg/mL)1時間溶かし、95℃にて45分間安定させた。サンプリング温度は、冷却速度0.2℃/分で95〜30℃の範囲であった。赤外線検出器を用いてポリマー溶液濃度を測定した。温度が低下すると同時にポリマーが結晶化している時に、累積可溶性濃度を測定した。累積プロフィールの分析導関数(analytical derivative)は、ポリマーの短鎖分枝分布を反映する。
【0104】
CRYSTAF温度ピークおよび面積は、CRYSTAFソフトウェア(Version 2001.b、PolymerChar,Valencia,Spain)に含まれているピーク分析モジュールによって同定される。CRYSTAFピーク発見ルーチンは、dW/dT曲線の最大値および、導関数曲線において同定されたピークの両側の最大正屈折(largest positive inflections)間の面積として、温度ピークを同定する。CRYSTAF曲線を計算するために好ましい処理パラメータは、70℃という温度限界ならびに0.1の温度限界より上の、かつ0.3の温度限界より下の補正パラメータ(smoothing parameters)を有する。
【0105】
溶解度分布幅指数(SDBI)は、次式:
【数2】

(式中、Tは温度であり、Wは重量分率であり、Twは重量平均温度である)
に基づいて計算されるCRYSTAF法の幅に関する統計値である。
【0106】
長鎖分枝は、当分野で公知の方法、例えば低角度光散乱検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LALLS)および示差粘度計検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−DV)に従って測定した。
【0107】
樹脂剛性は、ASTM D790−99 方法Bに従って、5パーセント歪みでの曲げ弾性率および1パーセントおよび2パーセント歪みでのセカントモジュラス、ならびに0.5インチ/分(13mm/分)の試験速度を測定することにより特徴付けられた。
【0108】
降伏引張強度および破断点伸びは、ASTM D−638−03に従って2インチ/分(50mm/分)のIV型試験片を用いて測定した。
【0109】
環境応力亀裂抵抗(ESCR)は、ASTM D1693−01、条件Bに従って測定した。亀裂による機械的破損に対する樹脂の感受性は、一定歪み条件下、亀裂加速剤、例えば石鹸、湿潤剤などの存在下で測定した。測定は、50℃に維持された10重量パーセントのIgepal CO−630(Rhone−Poulec,NJ販売)水溶液中、および50℃に維持された100重量パーセントのIgepal CO−630(Rhone−Poulec,NJ販売)水溶液中、ノッチ付試験片で行った。ESCR値は、確率グラフから計算された50パーセント故障回数(the calculated 50 percent failure time)であるF50、および試験中破損のないF0として報告された。
【0110】
短鎖分枝分布およびコモノマー含量を、本開示がそのような測定に関する程度まで参照により本明細書に組み込まれる、ランドール、Rev. Macromol. Chem. Chys., C29 (2&3)、pp. 285-297、および米国特許第5,292,845号に考察されるC13 NMRを用いて測定した。クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.025Mであった、約3gのテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を10mm NMRチューブ中の0.4g試料に添加することにより試料を調製した。チューブおよびその内容物を150℃まで加熱することにより試料を溶解し、ホモジナイズした。100.6MHzの13C共鳴周波数に相当する、JEOL Eclipse 400MHz NMRスペクトロメータを用いてデータを回収した。獲得パラメータを選択して緩和剤の存在下での定量的13Cデータ獲得を確実にした。データは、ゲート1Hデカップリング(decoupling)、データファイル毎に4000トランジエント(transients)、4.7秒緩和遅延および1.3第2の獲得時間、24,200Hzのスペクトル幅ならびに64Kデータポイントのファイルサイズを用いて、検出ヘッドを130℃に加熱して獲得した。スペクトルを30ppmのメチレンピークに対照した。ASTM法D5017−91に従って結果を計算した。
【0111】
樹脂レオロジーは、ARES I(Advanced Rheometric Expansion System)レオメータで測定した。ARES Iは、歪み制御レオメータであった。ロータリーアクチュエーター(サーボモータ)は、試料に対する歪みの形で剪断歪に適合した。それに応じて、試料はトルクを生じ、それをトランスデューサーにより測定した。歪みおよびトルクを用いて動的機械的特性、例えば係数および粘度を計算した。試料の粘弾性特性は、一定歪み(5パーセント)および温度(190℃)およびN2パージに設定された、直径25mmの平行プレートを用いて溶融体において、可変頻度(0.01〜500s-1)の関数として測定した。樹脂の貯蔵弾性率、損失弾性率、タンデルタ、および複素粘度は、Rheometrics Orchestratorソフトウェア(v.6.5.8)を用いて決定した。粘度比(0.1rad*-1/100rad*-1)は、100rad/sの剪断速度で測定した粘度に対する0.1rad/sの剪断速度で測定した粘度の比と決定された。
【0112】
ビニル不飽和は、ASTM D−6248−98に従って測定した。
【0113】
低剪断レオロジー特性決定は、応力制御モードのRheometrics SR5000で、25mm平行プレート取り付け具を用いて行う。この種類の形状は、試料の負荷の間に最小限のスクイーズ流れしか要さず、従って、残留応力を低下させる錐体および平面体であることが好ましい。
【0114】
g’平均を以下の手順に従って決定した。クロマトグラフ装置は、Prescision Detectors(Amherst,MA)2角度レーザー光散乱検出器モデル2040、およびPolymer Char(Valencia,SPAIN)社製IR4赤外線検出器を備えたWaters(Millford,MA)150℃高温ゲル浸透クロマトグラフならびにViscotek(Houston,TX)150R 4−毛細管粘度計で構成された。15°の角度の光散乱検出器を計算のために用いた。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェア・バージョン3および4−チャネルViscotek Data Manager DM400を用いて行った。このシステムにはPolymer Laboratories社製のオンライン溶媒脱気装置が装備された。カルーセル区画は140℃にて操作され、カラム区画は150℃にて操作された。用いたカラムは、Polymer Laboratories社製の4本の20ミクロン混合床光散乱「Mixed A−LS」カラムであった。用いた溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンであった。試料は、50ミリリットルの溶媒中ポリマー0.1グラムの濃度で調製した。クロマトグラフィー溶媒および試料調製溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。双方の溶媒源に窒素を散布した。ポリエチレン試料を160℃にて4時間穏やかに攪拌した。用いた注入量は200マイクロリットルであり、流速は1ミリリットル/分であった。
【0115】
GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000の範囲の分子量の、21種類の狭い分子量分布のポリスチレン標準品を、個々の分子量間で少なくとも10個に分離する6つの「カクテル」混合物にしたものを用いて行った。標準品はPolymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入した。ポリスチレン標準品を、1,000,000以上の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中0.025グラムに調製し、さらに1,000,000未満の分子量に対して50ミリリットルの溶媒中0.05グラムに調製した。ポリスチレン標準品を80℃にてゆっくりとかき混ぜながら30分間溶解した。狭い標準品混合物を最初に、そして最高分子量成分の減ってゆく順に流して、分解を最小とした。ポリスチレン標準品ピーク分子量を以下の方程式(ウイリアムズおよびワード、J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)):
Mpolyethylene=Ax(Mpolystyrene)B
(式中、Mは分子量であり、Aは0.43の値であり、Bは1.0に等しい)、を用いてポリエチレン分子量に変換した。
【0116】
多検出器オフセットの決定のための系統的アプローチは、バルク、ムレイら(Mourey and Balke, Chromatography Polym. Chpt 12,(1992))(Balke, Thitiratsakul, Lew, Cheung, Mourey, Chromatography Polym. Chpt 13,(1992))によって発表されたものに一致する方法で行い、Dow Broadポリスチレン1683からのトリプル検出器ログ(MWおよびIV)結果を、ソフトウェアを用いて狭標準較正曲線からの狭標準カラム較正結果に対して最適化した。オフセット決定のための分子量データは、ジム(Zimm, B. H., J. Chem. Phys., 16, 1099(1948))およびクラトフビル(Kratochvil, P., Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Elsevier, Oxford, NY(1987))によって発表されたものに一致する方法で得た。分子量の決定に用いた総注入濃度は、115,000の分子量の線状ポリエチレンホモポリマーからの試料屈折率面積および屈折率検出器較正から得た。クロマトグラフィー濃度は、第2ビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排除するために十分に低いと考えられた。
【0117】
g’平均を試料に対して以下の通り計算した。
1.光散乱、粘度、および濃度検出器をNBS 1475ホモポリマーポリエチレン(または同等対照)で較正した;
2.光散乱および粘度計検出器オフセットを、濃度検出器に対して較正の項に記載のとおり補正した;
3.光散乱、粘度計、および濃度クロマトグラムからベースラインを減じ、積分ウインドウを設定し、屈折計クロマトグラムから観察できる光散乱クロマトグラムに中の全ての低分子量保持用量範囲を確実に積分した;
4.線状ホモポリマーポリエチレンMark−Houwink基準線を少なくとも3.0の多分散性を持つ標準品を注入することにより確立し、データファイル(上記較正法から得たもの)を計算し、各クロマトグラフスライスに対する質量定数補正データからの固有粘度および分子量を記録した;
5.関心対象のHDPE試料を注入し、データファイル(上記較正法から得たもの)を計算し、各クロマトグラフスライスに対する質量定数補正データからの固有粘度および分子量を記録した;
6.ホモポリマー線状対照の固有粘度を以下の因子:IV=IV+1/(1+2*SCB/1,000C*分枝点長)(式中、IVは関心対象のHDPE試料の固有粘度であり、SCB/1,000CはC13 NMRから決定され、分枝点長はブテンに対して2であり、ヘキセンに対して4であり、オクテンに対して6である)によりシフトした;
7.以下の等式に従ってg’平均を計算した。
【0118】
【数3】

式中、cはスライスの濃度であり、IVはHDPEの固有粘度であり、IVLは線状ホモポリマーポリエチレン対照(関心対象のHDPE試料のSCBについて補正)の同じ分子量(M)での固有粘度である。IV比は、光散乱データ中の自然の散乱を説明する40,000未満の分子量でのものであると考えた。
【0119】
本発明は、その精神および本質的な特性から逸脱することなく他の形態に具体化されてよく、従って、前述の明細書よりもむしろ添付の請求項を、本発明の範囲を示すものとして参照されたい。
【0120】
【表1】

【0121】
【表2−1】

【0122】
【表2−2】

【0123】
【表2−3】

【0124】
【表2−4】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4−1】

【0127】
【表4−2】

【0128】
【表4−3】

【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の高密度ポリエチレン組成物のコモノマー含量と密度との関係を説明するグラフである。
【図2】本発明の高密度ポリエチレン組成物の、分析的昇温溶出分別分析(ATREF)によって測定された高密度画分と密度の間の関係を説明するグラフである。
【図3】本発明の高密度ポリエチレン組成物の高分子量ポリエチレン成分の、分析的昇温溶出分別分析(ATREF)によって測定された、計算された高密度画分と、密度との間の関係を説明するグラフである。
【図4】本発明の実施例1の高分子量ポリエチレン成分の計算されたATREF高密度画分がどのように決定されたかを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の成分を含み、前記第1の成分が、0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であり;かつ
第2の成分を含み、前記第2の成分が、0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである、高密度ポリエチレン組成物であって;
前記高密度ポリエチレン組成物が少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する、高密度ポリエチレン組成物。
【請求項2】
前記第1の成分が0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項3】
前記第1の成分が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項4】
前記第1の成分が1〜7g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項5】
前記第1の成分が1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項6】
前記第2の成分が、0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項7】
前記第2の成分が100〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項8】
前記第2の成分が200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項9】
前記高密度ポリエチレン組成物が1〜2g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項10】
前記高密度ポリエチレン組成物が少なくとも2g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項11】
前記第1の成分が150,000〜375,000の範囲の分子量を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項12】
前記第2の成分が12,000〜40,000の範囲の分子量を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項13】
前記第1の成分が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度、および1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有し;前記第2の成分が0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度、および200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項14】
前記第1の成分が実質的に少しの長鎖分枝も含まず、前記第2の成分が実質的に少しの長鎖分枝も含まない、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項15】
前記高密度ポリエチレン組成物が実質的に少しの長鎖分枝も含まない、請求項14に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項16】
前記高密度ポリエチレン組成物が単一のATREF温度ピークを有し、前記ATREF温度ピークは、90℃〜105℃の間で温度ピーク最大値を有し;
前記高密度ポリエチレン組成物が20パーセント〜50パーセントの範囲の計算された高密度画分を有し、前記計算された高密度画分は[(2)X(ATREF−DVにおいて前記温度ピーク最大値以上の温度で溶出する高密度ポリエチレンの重量比)]として定義され、
前記高密度ポリエチレン組成物がATREF−DVにおいて約90℃で相対粘度平均分子量のログ(log)の極小値を有し;
前記高密度ポリエチレン組成物が約0未満の相対粘度平均分子量対ATREF−DV粘度対温度のプロットのログの回帰分析スロープ(regression slope)を有し、前記溶出温度が70℃〜90℃の間で測定される、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項17】
前記高密度ポリエチレン組成物が、[(−228.41*前記高密度ポリエチレン組成物の密度)+219.36)]*[1(重量パーセント)/(g/cm3)]以上の重量パーセントのコモノマー含量を有し、その密度がg/cm3で測定される、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項18】
前記高密度ポリエチレン組成物が、[(2750*高密度ポリエチレン組成物の密度)−2552.2]*[1(パーセント)/(g/cm3)]以下のパーセントのATREF高密度画分を有し、その密度はg/cm3で測定される、請求項1に記載の高密度ポリエチレン組成物。
【請求項19】
エチレン、およびα−オレフィンコモノマーを第1の反応装置に導入する段階と;
前記第1の反応装置中で前記α−オレフィンコモノマーの存在下で前記エチレンを重合させ、それにより第1の成分を製造する段階であって、前記第1の成分を0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体とする段階と;
前記第1の成分およびさらなるエチレンを第2の反応装置に導入する段階と;
前記第2の反応装置中の前記さらなるエチレンを重合させ、それにより第2の成分を製造する段階であって、前記第2の成分を0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーとする段階と;
それにより前記高密度ポリエチレン組成物を製造する段階であって、高密度ポリエチレン組成物が少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有するものとする段階とを含む、高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項20】
前記第1の成分が0.920〜0.940g/cm3の範囲の密度を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項21】
前記第1の成分が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項22】
前記第1の成分が1〜7g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項23】
前記第1の成分が1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項24】
前記第2の成分が0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項25】
前記第2の成分が100〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項17に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項26】
前記第2の成分が200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項27】
前記高密度ポリエチレン組成物が1〜2g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項28】
前記高密度ポリエチレン組成物が少なくとも2g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項29】
前記第1の成分が150,000〜375,000の範囲の分子量を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項30】
前記第2の成分が、12,000〜40,000の範囲の分子量を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項31】
前記第1の成分が0.921〜0.936g/cm3の範囲の密度、および1.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有し;前記第2の成分が0.970〜0.975g/cm3の範囲の密度、および200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項32】
前記第1の成分が実質的に少しの長鎖分枝も含まず、かつ前記第2の成分が実質的に少しの長鎖分枝も含まない、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項33】
前記高密度ポリエチレン組成物が実質的に少しの長鎖分枝も含まない、請求項32に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項34】
前記高密度ポリエチレン組成物が単一のATREF温度ピークを有し、前記ATREF温度ピークは、90℃〜105℃の間で温度ピーク最大値を有し;
前記高密度ポリエチレン組成物が20パーセント〜50パーセントの範囲の計算された高密度画分を有し、前記計算された高密度画分は[(2)*(ATREF−DVにおいて前記温度ピーク最大値以上の温度で溶出する高密度ポリエチレンの重量比)]として定義され、
前記高密度ポリエチレン組成物がATREF−DVにおいて約90℃で相対粘度平均分子量のログの極小値を有し;
前記高密度ポリエチレン組成物が約0未満の相対粘度平均分子量対ATREF−DV粘度対温度のプロットのログの回帰分析スロープを有し、前記溶出温度が70℃〜90℃の間で測定される、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項35】
前記高密度ポリエチレン組成物が、[(−228.41*前記高密度ポリエチレン組成物の密度)+219.36)]*[1(重量パーセント)/(g/cm3)]以上の重量パーセントのコモノマー含量を有し、その密度がg/cm3で測定される、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項36】
前記高密度ポリエチレン組成物が、[(2750*高密度ポリエチレン組成物の密度)−2552.2]*[1(パーセント)/(g/cm3)]以下のパーセントのATREF高密度画分を有し、その密度はg/cm3で測定される、請求項19に記載の高密度ポリエチレン組成物を製造する方法。
【請求項37】
第1の成分を含み、前記第1の成分が0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であり;かつ
第2の成分を含み、前記第2の成分が0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである;
高密度ポリエチレン組成物を含み、
前記高密度ポリエチレン組成物が少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する、製品。
【請求項38】
前記高密度組成物が、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも150時間、またはASTM D−1693 条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも300時間の環境応力亀裂抵抗(an environmental stress crack resistance)を有する、請求項37に記載の製品。
【請求項39】
前記製品がワイヤーケーブル外被、導管、またはインジェクションブロー成形されたボトルである、請求項37に記載の製品。
【請求項40】
第1の成分を含み、前記第1の成分が0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であり;かつ
第2の成分を含み、前記第2の成分が0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および200〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである;
高密度ポリエチレン組成物を含み、
前記高密度ポリエチレン組成物が少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有する、ボトルキャップクロージャー(bottle cap closure)。
【請求項41】
前記高密度ポリエチレン組成物が、ASTM D−1693 条件B、10パーセントのIgepalによって測定して少なくとも150時間、またはASTM D−1693 条件B、100パーセントのIgepalによって測定して少なくとも300時間の環境応力亀裂抵抗を有する、請求項40に記載のボトルキャップクロージャー。
【請求項42】
第1の成分を含み、前記第1の成分が0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であり;かつ
第2の成分を含み、前記第2の成分が0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである;
高密度ポリエチレン組成物を準備する段階であって、
前記高密度ポリエチレン組成物を少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有するものとする段階と;
前記高密度ポリエチレン組成物を圧縮成形、ブロー成形、または射出成形し、それにより改良されたボトルキャップクロージャーを形成する段階とを含む、ボトルキャップクロージャーを改良する方法。
【請求項43】
第1の成分を含み、前記第1の成分が0.915〜0.940g/cm3の範囲の密度、および0.5〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I21.6)を有する高分子量エチレンα−オレフィン共重合体であり;かつ
第2の成分を含み、前記第2の成分が0.965〜0.980g/cm3の範囲の密度、および50〜1500g/10分の範囲のメルトインデックス(I2)を有する低分子量エチレン系ポリマーである;
高密度ポリエチレン組成物を準備する段階であって、
前記高密度ポリエチレン組成物を少なくとも1g/10分のメルトインデックス(I2)、0.950〜0.960g/cm3の範囲の密度、および1以上のg’を有するものとする段階と;
前記高密度ポリエチレン組成物を圧縮成形、ブロー成形、または射出成形し、それにより製品を形成する段階とを含む、製品を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−535490(P2009−535490A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509713(P2009−509713)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/010735
【国際公開番号】WO2007/130515
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】