説明

高性能電極

ナノ構造化材料をエネルギー貯蔵デバイス用の電極に組み込むための技法、構成および組成物が提供される。例えば、カーボンナノチューブ、シリコンナノワイヤー、炭化ケイ素ナノワイヤー、亜鉛ナノワイヤー、および他の材料などの材料は、例えば、電気伝導度、熱伝導度または耐久性などの電極特性を修飾するために使用することができる。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、例えば、スラリー、粉末などの電極配合物に添加することができる。ナノ構造化材料は、活性物質粒子または電極要素に直接堆積させることができる。いくつかの実施形態において、堆積を助けるために被覆を使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/244,826号(2009年9月22日出願)および米国仮特許出願第61/245,121号(2009年9月23日出願)の利益を主張し、これらの両出願は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、電極の形成に、より詳しくは、ナノ構造化材料を含む電極を形成する技法に関する。
【背景技術】
【0003】
電極は、何らかの媒質から電子を供給し、また除去するために使用され、通常、金属または金属合金から製造される。電気化学セルは、電極を使用して、電気化学相互作用の間の電子輸送および移動を容易にする。電池または電気化学的貯蔵デバイスは、放電または充電プロセスにそれぞれ対応する、蓄電容量および電解容量が共にある電極(electrodes in both galvanic and electrolytic capacities)を使用することができる。電気化学反応は、一般に、電解質と電極の界面で、または界面付近で起き、これは、電力が用いられるまたは引き出される外部回路に延在していてもよい。電極は、通常、電力を抜き取るおよび/または供給するために集電子と接触するように配置される。
【0004】
充電/放電速度またはサイクル寿命などの所望の性能測定基準を特色とする電極を製造するために、通常、機械的および化学的工程が使用される。これらの性能測定基準は、使用される材料にしばしば依存する。さらに、いくつかの電気化学材料は、充電または放電プロセスの間に体積の変化を受ける。例えば、いくつかの活性物質間の体積の変化が数百パーセントもの大きさであることがある。これは、電極に対して、かなりの応力およびひずみを与え得る。これらの活性物質の繰返しの体積の変化は、粉末化および電極サイクル寿命の減少をもたらし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記に鑑みて、ナノ構造化材料を電極に組み込む技法、組成物、および構成が提供される。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、スラリーまたは他の混合物に添加され、電極を形成する。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、電極要素の表面に直接堆積される。いくつかの手法において、電極におけるナノ構造化材料の使用は、電極の特性を修飾することができる。例えば、いくつかの実施形態において、カーボンナノチューブは、電極に組み込まれて電気伝導性、熱伝導度、耐久性、他の任意の適切な特性またはその特性の適切な組合せを向上させることができる。さらにいくつかの手法において、電極におけるナノ構造化材料の使用は、充電および放電の間の体積の変化を減少させることができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、スラリーは、1つ以上の活性物質、電気伝導性材料、結合剤、液状薬剤、もしくは他の適切な材料、またはその適切な組合せを合わせることにより調製することができる。スラリーの1つ以上の成分は、例えば、ナノ粒子(例えば、「M」が任意の適切な金属であるLiMPO、LiMO)、ナノワイヤー(例えば、シリコンナノワイヤー、亜鉛ナノワイヤー)、単層または多層ナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)、閉鎖フラーレン(例えば、C60バックミンスターフラーレン)、他の任意の適切なナノ構造化素子、任意の適切なナノ構造化複合体素子、またはその任意の適切な組合せもしくはアレイなどのナノ構造化素子を包含する、ナノ構造化材料であってもよい。スラリーは、例えば、メタル化発泡体、基板、他の任意の電極要素もしくは要素のサブアセンブリ、またはその任意の適切な組合せなどの電極要素と接触するように配置され、さもなければ電極要素に塗布されてもよい。スラリーの少なくとも1つの実質的に近接する層は、さらに別の電極要素の表面に形成されてもよい。層は、厚さが均一または不均一であってもよく、また電極要素の1つ以上の表面に近接してもよいが近接していなくてもよい。いくつかの実施形態において、複数の近接する層が、電極要素の特定の表面に形成されてもよい。スラリーは、電極を形成する電極要素で乾燥されてもよい。乾燥は、スラリーの少なくとも1つの近接する層から液状薬剤を実質的にすべて(すなわち、すべて、またはほとんどすべて)除去して、固体材料を残すために必要であり得る。この場合、固体材料は電極要素の表面と接触するように残されてもよい。電極は、乾燥前または後に、寸法を合わせ、カレンダー加工され、処理され、またはその他の方法で加工されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、複数の活性物質粒子を1つ以上のナノ構造化材料で修飾することができる。活性物質粒子は、例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、アルミナ(Al)、マンガン塩、マグネシウム塩、シリコン(Si)、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せなどの任意の適切な材料で被覆し、活性物質粒子にナノ構造を形成するのを支援することができる。堆積技法(例えば、化学蒸着法、物理蒸着法、電気泳動)は、被覆活性物質にナノ構造化材料を形成するために使用することができる。堆積技法は、例えば、炭化水素、水素、シラン(例えば、SiH)、不活性種、もしくは他の適切な前駆体またはその混合物などの前駆体を被覆粒子に導入することを含んでいてもよい。ナノ構造化材料は、例えば、ナノ粒子(例えば、LiFePOナノ粒子)、ナノワイヤー(例えば、シリコンナノワイヤー、亜鉛ナノワイヤー)、単層または多層ナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)、閉鎖フラーレン、他の任意の適切なナノ構造化素子、任意の適切なナノ構造化複合素子またはその任意の適切な組合せなどのナノ構造化素子のアレイを含んでいてもよい。ナノ構造化材料の堆積によって修飾された活性物質粒子は、電極要素に塗布され、乾燥され、電極を形成することができるスラリーに含まれていてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、電極要素は、1つ以上のナノ構造化材料で修飾することができる。電極要素は、ナノ構造化材料の堆積のための触媒として働き得る、任意の適切な材料、または材料の組合せで被覆することができる。堆積技法(例えば、化学蒸着法、物理蒸着法、電気泳動)は、被覆電極要素にナノ構造化材料を形成するために使用することができる。堆積技法は、例えば、炭化水素、水素、シラン(例えば、SiH)、不活性種、もしくは他の適切な前駆体またはその混合物などの前駆体を被覆電極要素に導入することを含んでいてもよい。ナノ構造化材料は、例えば、ナノ粒子(例えば、LiFePOナノ粒子)、ナノワイヤー(例えば、シリコンナノワイヤー、亜鉛ナノワイヤー)、単層または多層ナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ)、閉鎖フラーレン、他の任意の適切なナノ構造化素子、任意の適切なナノ構造化複合素子またはその任意の適切な組合せなどのナノ構造化素子のアレイを含んでいてもよい。活性物質は、ナノ構造化材料の堆積によって修飾された電極要素に添加されてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、電極要素に塗布され、電極を形成するために乾燥されるスラリーに含まれていてもよい。活性物質は、電極要素の修飾前または後に添加されてもよい。
【0009】
本発明の上記および他の目的ならびに上記および他の利点は、類似の参照符号が全体にわたって類似の部分を指す、添付図面に関連して得られる、以下の詳述を考慮すれば、明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のいくつかの実施形態による双極性電極ユニット(BPU)の例示の構造の概略の横断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPUの積層の例示の構造の概略の横断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のいくつかの実施形態による単極性電極ユニット(MPU)の例示の構造の概略の横断面図を示す。
【図4】図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含むデバイスの例示の構造の概略の横断面図を示す。
【図5】図5は、本発明のいくつかの実施形態による活性界面での例示の輸送プロセスの図解を示す。
【図6】図6は、本発明のいくつかの実施形態による活性な界面領域の例示の概略の部分断面図を示す。
【図7】図7は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を含む例示の電極構造を示す。
【図8】図8は、本発明のいくつかの実施形態による2つの例示の電極構造の側面図を示す。
【図9】図9は、本発明のいくつかの実施形態によるナノ構造化材料の例示の図解を示す。
【図10】図10は、本発明のいくつかの実施形態によるナノ構造化材料の例示の図解を示す。
【図11】図11は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の段階の流れ図である。
【図12】図12は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の段階の流れ図である。
【図13】図13は、本発明のいくつかの実施形態による修飾粒子を形成するための例示の段階の流れ図である。
【図14】図14は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の段階の流れ図である。
【図15】図15は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の段階の流れ図である。
【図16】図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触するスラリーの例示の側面図を示す。
【図17】図17は、本発明のいくつかの実施形態による線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。
【図18】図18は、本発明のいくつかの実施形態による修飾を行う例示の粒子を示す。
【図19】図19は、本発明のいくつかの実施形態による修飾を行う例示の粒子を示す。
【図20】図20は、本発明のいくつかの実施形態による基板と接触している電極要素の例示の側面図を示す。
【図21】図21は、本発明のいくつかの実施形態による線XXI−XXIから得られた図20の素子の例示の平面図を示す。
【図22】図22は、本発明のいくつかの実施形態による電極要素のいくつかの例示の部分横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ナノ構造化材料を含む電極および電極構造を形成するための技法、組成物、および構成を提供する。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、電極または電極要素に直接形成することができる。ナノ構造化材料は、エネルギー貯蔵デバイス(ESD)において使用される活性物質、電子伝導材料、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せであってもよい。本発明の電極構造およびアセンブリは、電気エネルギーもしくは電流、またはその任意の組合せを蓄積または供給することができる、例えば、電池、コンデンサー、他の任意のエネルギー貯蔵デバイスなどのエネルギー貯蔵デバイスに適用することができる。例えば、本発明の電極構造およびアセンブリは、単極性電極ユニット(MPU)または双極性電極ユニット(BPU)において実施することができ、またMPUまたはBPUの1つもしくは複数の表面に適用することができる。本発明は、積層エネルギー貯蔵デバイスとの関連において本明細書に記載されているが、論じられる概念は、平行平板、角形、折りたたみ、巻線および/もしくは双極性構造、他の任意の適切な構造またはその任意の組合せを含むが、これらに限定されない、任意のセル間の電極構成に適用可能であることは、理解されるであろう。
【0012】
いくつかの実施形態において、電極は、活性な界面域を増加させて、分子(例えば、水)もしくはイオン(例えば、ヒドロキシルイオン)もしくは電子またはその任意の組合せの界面域への輸送を改善することができるナノ構造化材料を含んでいてもよい。例えば、活性な界面域を増加させ、電気伝導性を改善するために、カーボンナノチューブ(CNT)が電極に添加されてもよい。電気化学反応は、活性物質、電解質と電子伝導成分との界面域で、またはその界面付近で起こり得る。界面域が増加すると、電気化学デバイスの充電または放電速度が増加し得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、電極は、充電および放電の間の体積の変化を減少させるために、ナノ構造化材料を含むことができる。活性物質は、体積の変化から発生し得る材料応力およびひずみを減少させるためにナノ構造化されてもよい。例えば、リチウムの取込み、除去、またはその両方の間の体積の変化を減少させるために、シリコンナノワイヤー(SiNWs)がリチウムイオンESDにおいて活性物質(例えば、負極材)として使用されてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質としてSiNWを含む電極は、ナノ構造化材料の相対運動の結果として体積の変化が減少し得る。
【0014】
本発明は、ナノ構造化材料を含む電気伝導性電極を形成するための技法、組成物、および構成を含む。いくつかの実施形態において、例えば、ナノ構造化材料、またはナノ構造の特徴を有する材料を、電気伝導性基板またはメタル化発泡体などの電極要素に塗布し、また例えば、乾燥させ得るスラリー中に組み合わせることによって、電極を形成することができる。いくつかの実施形態において、例えば、材料、粒子、要素の適切な表面、他の表面、または表面の組合せにナノ構造化材料を堆積させることによって、材料を修飾することができる。いくつかの実施形態において、例えば、電気伝導性基板もしくはメタル化発泡体、または他の適切な要素もしくは要素の組合せなどの電極要素の表面に、ナノ構造化材料を堆積させることによって電極を形成することができる。活性物質は、ナノ構造化材料の堆積の前、後または間に、電極または電極要素に導入することができる。
【0015】
本発明はここで、例示の実施形態を示す図1〜22との関連において説明する。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態によるBPU100の例示の構造の概略の横断面図を示す。例示のBPU100は、正極活性物質電極層104、電気伝導性、不浸透性の基板106、および負極活性物質電極層108を含んでいてもよい。正極層104および負極層108は、基板106の反対側に設けられる。
【0017】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による図1のBPU100の積層200の例示の構造の概略の横断面図を示す。複数のBPU202が積層構造200に配置されていてもよい。積層200内では、1つのBPUの正極層204が、隣接するBPUの負極層208に対向し、電解質層210がBPU間に位置するように、電解質層210が2つの隣接するBPUの間に設けられてもよい。対向する正および負極層を電気的に分離するために、セパレーターが1つ以上の電解質層210に設けられてもよい。セパレーターは、隣接電極ユニット間の分子イオン移動を可能にするが、隣接電極ユニット間の電子の移動を実質的に阻止することができる。本明細書において定義される「セル」または「セル区画」222は、第1のBPU202の基板206および正極層204と、第1のBPU202に隣接する第2のBPU202の負極層208および基板206と、ならびに第1と第2のBPU202との間の電解質層210とに含まれる要素を指す。各セル区画222の各不浸透性基板206は、当該隣接セル区画222によって共有されていてもよい。
【0018】
図3は、本発明のいくつかの実施形態によるMPU300の例示の構造の概略の横断面図を示す。例示のMPU300は、活性物質電極層304および電気伝導性、不浸透性の基板306を含んでいてもよい。活性物質層304は、任意の適切な正または負の活性物質であってもよい。
【0019】
図4は、本発明のいくつかの実施形態による図3の2つのMPUを含むデバイスの例示の構造の概略の横断面図を示す。それぞれ正負の活性物質を有する2つのMPU300は、積層して電気化学デバイス400を形成することができる。電解質層410は、MPU300の正極層404が、他のMPU300の負極層408と対向し、電解質層410がMPU間に配置されるように、2つのMPU300間に設けられてもよい。セパレーターは、電気的に反対の正および負極層を分離するために、電解質層410に設けることができる。図示されていないが、いくつかの実施形態において、正負の活性物質をそれぞれ有する2つのMPUは、電解質の適切な層と共に図2の積層200に付加し、双極性エネルギー貯蔵デバイスを形成することができる。双極性ESDおよびESDの積層は、Oggら米国特許第7,794,877号明細書、Oggら米国特許出願公開第12/069,793明細書、Westら米国特許出願公開第12/258,854明細書に、より詳細に論じられ、これらすべてが参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板106、206、406、および416)は、穿孔されていない金属箔、アルミ箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド材、銅およびアルミニウムを含むクラッド材、ニッケルめっきした鋼鉄、ニッケルめっきした銅、ニッケルめっきしたアルミニウム、金、銀、他の任意の適切な電気伝導性および不浸透性の材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない、任意の適切な電気伝導性および不浸透性の、または実質的に不浸透性の物質で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、基板は、1つ以上の適切な金属または金属の組合せ(例えば、合金、固溶体、めっきした金属)で形成されてもよい。特定の実施形態において、各基板は、互いに接着した2枚以上の金属箔で製造されてもよい。各BPUの基板は、通常0.025から5ミリメートルの間の厚さであってもよいが、一方、各MPUの基板は、0.025から30ミリメートルの厚さで、例えばESDへの端子または副端子として働くことができる。メタル化発泡体は、例えば、電極の全体にわたって伝導性マトリックスを拡大することにより、セル区画の活性物質間の抵抗が減少するように、例えば、平坦な金属膜または箔の任意の適切な基板材料と組み組み合わせてもよい。
【0021】
本発明の電極ユニットを形成するためにこれらの基板に設けられる正極層(例えば、正極層104、204および404)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH))、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、亜鉛(Zn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、酸化コバルトリチウム(LiCoO)、酸化マンガンリチウム(LiMnO)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない、任意の適切な活性物質で形成されてもよい。正極活性物質は、焼結し含浸し、適切な結合剤(例えば、水性、非水性、有機、無機の)で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む正極活性物質を含有する他の任意の適切な技法によって含有させてもよい。電極ユニットの正極層には、水素化金属(MH)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むが、これらに限定されない粒子であって、例えば膨張を減少させるためにそのマトリックスに注入される粒子を含んでいてもよい。これは、例えば、サイクル寿命を延ばし、再結合を改善し、セル区画内の圧力を低下させることができる。MHなどのこれらの粒子はまた、電極内の導電率を改善し再結合を支援するために、Ni(OH)などの活性物質ペーストと接合していてもよい。
【0022】
本発明の電極ユニットを形成するために基板上に設けられる負極層(例えば、負極層108、208および408)は、例えば、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、Ag、炭素(C)、シリコン(Si)、シリコン炭素複合体、炭化ケイ素(SiC)、他の任意の適切な物質、またはその組合せを含むがこれらに限定されない、任意の適切な活性物質から形成することができる。負極活性物質は、焼結し、水性結合剤で被覆しプレスし、有機結合剤で被覆しプレスし、または、伝導性マトリックス中に他の担持化学物質を含む負極活性物質を含有する他の任意の適切な技法によって含有させてもよい。負電極側には、Ni、Zn、Al、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない化学物質であって、例えば、構造を安定させ、酸化を低減し、サイクル寿命を延ばすように負の電極材料マトリックス内に注入される化学物質を有し得る。
【0023】
例えば、有機カルボキシメチルセルロース(CMC)、Creytonゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない様々な適切な結合剤は、活性物質および基板、固相発泡体、他の任意の適切な成分の、またはその任意の適切な組合せの間の接触を維持するために、活性物質と混合し、さもなければ活性物質に導入することができる。任意の適切な結合剤を、接着、凝集または他の適切な特性またはその組合せを増すために、スラリーまたは他の任意の混合物に含有させてもよい。いくつかの実施形態において、n−メチル−2−ピロリドン(NMP)はスラリーの液状薬剤(例えば、溶媒)として使用することができる。
【0024】
ESDの各電解質層のセパレーターは、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁すると共に、それらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする任意の適切な材料で形成することができる。セパレーターは、充填を改善し、かつサイクル寿命を延ばすために電解質容器として役割を果たすように、セルロース超吸収材を含有し、この場合、セパレーターは、例えば、ポリ吸収(polyabsorb)ダイアパー材料から作製することができる。それによって、セパレーターは、電荷がESDに印加されると、前に吸収された電解質を放出し得る。特定の実施形態において、セパレーターは、通常のセルよりも密度が低く、厚く、電極間隔(IES)が、通常よりも高く始まり、かつESDの容量(またはC速度)をその寿命にわたって維持するために、ならびにESDの寿命を延ばすために継続的に低減されるようにする。
【0025】
セパレーターは、短絡を低減し、および輸送機構を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される比較的薄い材料でもよい。このセパレーター材料は、例えば、噴霧、被覆、プレスされてもよく、またはその組合せでもよい。セパレーターはそこに取り付けられる再結合剤を有し得る。この薬剤は、セパレーターの構造の中に注入されてもよく(例えば、これは、薬剤をセパレーター繊維に結合するポリビニルアルコール(PVAまたはPVOH)を使用して湿式工程において薬剤を物理的に捕捉することによって行ってもよく、または薬剤を、電着によってその中に入れてもよい。)、または、例えば、蒸着によって表面に層状化させてもよい。セパレーターは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せなどの任意の適切な材料で製造されていてもよい。セパレーターは、例えば、鉛(Pb)、Ag、白金(Pt)、Pd、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含むが、これらに限定されない、再結合を効果的に支援する薬剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、薬剤は、任意の電気伝導性成分または材料から実質的に(例えば、接触せずに)絶縁することができる。例えば、薬剤は、薬剤が電気伝導性電極または基板に接触しないように、セパレーター材料シート間に配置してもよい。セルの基板が相互に向かって移動する場合、セパレーターは抵抗を示し得るが、セパレーターは、変形しない程十分堅い基板を利用し得る本発明の特定の実施形態においては、設けられなくてもよい。
【0026】
ESDの各電解質層の電解質は、溶解または融解時にイオン化して伝導性媒質を生成し得る任意の適切な化合物から形成することができる。電解質は、例えば、NiMHおよびリチウムイオンESDを含むが、これらに限定されない任意の適切なESDの標準的な電解質であってよい。リチウムイオン系ESDの電解質は、例えば、炭酸エチレン(C)、炭酸ジエチル(C10)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、他の任意の適切なリチウム塩、他の任意の有機溶媒、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。NiMH系ESDの電解質は、例えば、水溶液であってもよい。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、他の任意の適切な水酸化金属、他の任意の適切な材料、またはその組合せを含むがこれらに限定されない追加の適切な材料を含有してもよい。また、電解質は、例えば、Pt、Pd、任意の適切な金属酸化物(例えば、AgO)、他の任意の適切な添加剤、またはその任意の組合せを含むが、これらに限定されない再結合を改善するための添加剤も含有してよい。電解質は、例えば、低温性能を改善するために水酸化ルビジウム(RbOH)または他の任意の適切な材料も含有してよい。電解質はセパレーター内に凍結して、次いで、ESDが完全に組み立てられた後、解凍されてもよい。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的な流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質のESDの電極ユニット積層への挿入が可能になる。
【0027】
電極は、電気伝導性網状組織または要素を含んでいてもよい。電気伝導性網状組織または要素は、電気伝導性発泡体(例えば、金属めっきした発泡体)、接触電気伝導性粒子の集合体(例えば、焼結金属粒子)、ナノ構造化材料のアレイ(例えば、CNTのアレイ)、他の任意の電気伝導性の材料、要素、または網状組織、またはその任意の適切な組合せであってもよい。電気伝導性網状組織または要素は、オーム抵抗を減少させ得、電気化学相互作用に対する界面域を増加させることができる。例えば、図4に示される積層400において、電解質410と正極層404との間の界面、および電解質410と負極層408との間の界面は、平面の二次元表面であるように見える。平面の界面はエネルギー貯蔵デバイスのいくつかの実施形態において使用されていてもよいが、電極にはまた、実質的に三次元の表面を有する多孔質組織があってもよい。多孔質組織は、電極と電解質との間の界面域を増すことができ、したがって、達成可能な充電または放電速度を増すことができる。活性物質は、より大きい表面域を覆って界面を拡大するために、伝導性成分または網状組織に混合または塗布されてもよい。電気化学相互作用は、活性物質、電解質と電気伝導性材料との間の界面で起こり得る。
【0028】
電気伝導性基板は、例えば、漏電または短絡を阻止する不浸透性であってもよい。いくつかの構成において、1つ以上の多孔質電極は、図1〜4に示されるような基板と接触するように維持されてもよい。この構成は、外部回路および電極中の電子移動を可能にすることができる。
【0029】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による例示の輸送の図解500を示す。電子、イオン、および分子は、活性物質、電気伝導性材料、および電解質相の交点に位置する活性界面502の間で輸送され得る。活性界面502の区域が増加するにつれて、ESDの充電および放電速度は増加し得る。活性界面502は、ESD内の活性物質の活性表面域を表し得る。電気化学反応は活性界面502で起こり得る。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、活性表面域を増加させ、それによって充電および放電速度を増加させ得る。ナノ構造化材料は、例えば、活性表面域を増やすことによって輸送速度を増加させ得る。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料の使用は、例えば、電気伝導性、熱伝導度、耐久性、他の任意の適切な特性またはその任意の適切な組合せなどの特性を改善することにより電極性能を改善することができる。
【0030】
電子は、電気伝導性領域506(例えば、メタル化発泡体、基板106、206、306、406、または416)と活性界面502との間で、近接する電気伝導性材料または材料の組合せを通る通路を表し得る通路504に沿って輸送され得る。伝導電子は、電気伝導性領域506と外部回路510との間で、近接する電気伝導性材料または材料の組合せ(例えば、金属ワイヤー、回路類)を通る通路を表し得る通路508に沿って、輸送され得る。イオン(例えば、ヒドロキシルアニオン、リチウムカチオン)は、固体または液体であってもよい、実質的に近接する電解質材料を通る通路を表し得る通路514に沿って、電解質領域516(例えば、電解質210、410)と活性界面502との間の輸送を受け得る。例えば、リチウムイオン系ESDの充電または放電の間に、リチウムカチオンは、拡散、移行、またはその両方によって活性界面の間で電解質を通して輸送され得る。化合物は、適切な分子の輸送(例えば、電解質、活性物質)を可能にし得る実質的に近接する媒質または媒質の組合せを通る通路を表し得る通路524に沿って、バルク化合物領域526(例えば、バルク活性物質、バルク電解質、バルク気相)と活性界面502との間の輸送を受け得る。例えば、NiMH系ESDの充電または放電の間に、水は、水性電解質中の濃度勾配により活性界面の間で拡散し得る。いくつかの実施形態において、電子、イオン、化合物またはその適切な組合せは、同一材料(例えば、混合伝導体)または材料の適切な組合せ内で輸送を受け得る。本明細書において使用される用語「バルク」は、ナノスケール界面またはナノ構造(例えば、貯蔵器、非ナノ構造化材料)から離れた材料の領域を指すものとする。本明細書において使用される用語「活性界面」は、電気化学反応が実質的に起こる界面またはその付近の空間の区域または領域を指すものとする。本明細書において使用される用語「輸送」は、物理量(例えば、圧力、濃度、温度、電子工学の可能性、化学ポテンシャル)の勾配に呼応する、電子、イオン、原子、分子、粒子、またはその集合体および組合せの正味の空間的移動(拡散、移行、対流、表面拡散、および他の任意の適切なメカニズムなどの現象を含む)を指すものとする。
【0031】
図6は、本発明のいくつかの実施形態による界面領域600の例示の概略の部分横断面図を示す。界面領域600は、基板608、活性物質604、電気伝導性材料606、および細孔網状組織620を含んでいてもよい。活性界面602(点を打った領域)は、活性物質604、電気伝導性材料606、および電解質(表示せず、実質的に細孔網状組織620を充填していなくてもよい)の交点のまたは交点付近の区域を表し得る。いくつかの実施形態において、活性界面602は、図5に記載される活性界面502のクローズアップに対応、またはそれを表し得る。図6によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの接続性を示していないかもしれないが、その接続性が、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0032】
電子は、導通路610(例えば、図5の通路504)を経由して、活性界面602と、電気伝導性材料606(例えば、図5の電子伝導領域506)と、電気伝導性基板608(例えば、図5の電子伝導領域506)との間の輸送を受け得る。イオンは、輸送通路612(例えば、図5の通路514)を経由して、活性界面602と、細孔網状組織620に存在するバルク電解質との間の輸送を受け得る。例えば、ヒドロキシルアニオン(OH)は、水性電解質で実質的に充填されていてもよい細孔網状組織620の例示の輸送通路612を経由して、活性界面602の間で拡散または移行し得る。任意の適切な電解質中の任意の適切なイオン、またはイオンの組合せは、例示の通路612に沿って輸送を受け得る。化合物は、活性界面602と、1つ以上の活性物質604(輸送通路616を経由して)と、細孔網状組織620に存在し得るバルク電解質(通路614を経由して)と、気体材料を含有する気相領域(図示せず)と、他の任意の材料もしくは材料の領域またはその任意の適切な組合せとの間の輸送を受け得る。例えば、水分子は、水性電解質で実質的に充填されていてもよい細孔網状組織620中の例示の通路614に沿って拡散によって活性界面602の間で輸送を受け得る。任意の適切な媒質中の任意の適切な化合物、または化合物の組合せは、例示の通路614に沿って輸送を受け得る。輸送通路610、612および614は、例示であり、輸送が起こり得る名目の通路を表すことを意図している。電子、イオン、および化合物の実際の通路がこれらの例示の通路に従わなくてもよいことは理解されよう。また、図6によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの接続性を示していないかもしれないが、その接続性が、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0033】
図7は、本発明のいくつかの実施形態による切取内部図を有する例示の電極構造700を示す。電極構造700は多孔質電極702および非多孔質基板706を含み得る。電極702と基板706とは、接触平面としての界面710を共有することができる。界面610は、少なくとも2つの要素、材料またはその適切な組合せが接触する空間の平面または通路を表す。本明細書に使用される用語「界面」は、スラリーと基板との間の、固体発泡体と基板との間の、2つの任意の適切な要素間の、任意の適切な要素と非固体相との間の実質的に平面の接触区域、または2つの別個の材料または要素間の他の任意の接触平面をいう。平面の円盤幾何形状として示されているが、電極構造700は、任意の適切な形状、曲率、厚さ(層のどちらも)、相対的寸法(基板および発泡体の)、相対的厚さ(基板および発泡体の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。電極702は、1つ以上の電気伝導性成分(例えば、金属)、1つ以上の活性物質(例えば、Ni(OH))、1つ以上の結合剤、1つ以上のナノ構造化材料、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、構造700の組立てまたは作製に続いて電極702に導入されてもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料は、構造700の組立てまたは作製に続いて電極702に導入されてもよい。
【0034】
活性物質は、充電または放電の結果として著しい体積の膨脹または収縮を受け得る。体積の変化は、物質の相転移、活性物質内の原子または分子のインターカレーション、他の物理的または化学的工程、またはその組合せに起因し得る。例えば、リチウム挿入および除去から生じる、活性物質シリコン(Si)とリチウムシリコン錯体(例えば、Li4.4Si)との間の体積の変化は、数百パーセントになり得る。
【0035】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、例示の電極構造800および850の側面図を示す。電極構造800の例示の電極802は、体積の変化を受け得、輪郭812への寸法増加をもたらし得る。基板806は、電極が体積変化する間に応力およびひずみが発生する原因となり得る実質的な体積変化を受けないことがある。繰返しの膨脹と収縮とは、電極802を破砕するか、さもなければ、構造的一体性を喪失させる原因となり得る。繰返しの膨脹と収縮とはまた、電極中の電気伝導性網状組織が中断され得て、電極802が電気伝導性の減少を被る原因となり得る。電極構造850の例示の電極852は、ナノ構造化粒子を含んでいてもよい。電極852中のナノ構造化材料の存在は、充電および放電の間に、電極802に比べて、電極852(輪郭862によって示されるように)の体積の変化を減少させることができる。電極852中のナノ構造化材料(例えば、カーボンナノチューブ、シリコンナノワイヤー)の存在は、電極852内の領域中の相対移動および体積の変化を可能にし、電極852の全体にわたって発生する応力およびひずみを減少させることができる。いくつかの実施形態において、電極内の応力およびひずみの減少は、例えば、電極要素の変形、亀裂、粉末化、漏洩、および他の任意の故障モードまたはその組合せの減少をもたらし得る。いくつかの実施形態において、電極へのナノ構造化材料の組込みは、充電および放電プロセスの間の電極の耐久性ならびにサイクル寿命を改善することができる。
【0036】
図9は、本発明のいくつかの実施形態によるナノ構造化材料の例示の図解900を示す。図解900に示される、ナノ構造化材料のアレイは、1つ以上のナノ構造化素子902を含んでいてもよい。ナノ構造化素子902は、ナノ粒子(例えば、LiFePO、LiMnPO、LiMnOナノ粒子)、ナノワイヤー(例えば、SiNW、ZnNW、SiCナノワイヤー)、単層または多層ナノチューブ(例えば、CNT)、閉鎖フラーレン(例えば、C60バックミンスターフラーレン)、他の任意のナノ構造化素子またはその任意の適切な組合せであってもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化素子902は、アレイに配置された、ナノ構造化材料の薄層の単位セルであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ナノ構造化素子902は、グラフェンシートの1つの単位セルであってもよく、これらの単位セルの適切なアレイは、総体としてグラフェンシートであってもよい。1つ以上のナノ構造化素子902は、任意の配向に、または配向の分布に配置されていてもよい。ナノ構造化素子のアレイ902は、任意の適切な形状および寸法分布を有する素子を含んでいてもよい。
【0037】
図10は、本発明のいくつかの実施形態によるナノ構造化材料の例示の図解1000を示す。図解1000は、1つ以上のナノ構造化材料1030(例示のナノ構造化素子1002および1003を含む)、被覆1040(被覆材料1004の)、バルク表面1050(バルク材1006の)、および環境1020を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、バルク材1006は、例えば、ナノ構造化素子1002などの、ナノ構造化素子を形成するのを支援し得る被覆材料1004で被覆することができる。いくつかの実施形態において、被覆材料1004は、ナノ構造化材料1030の堆積のための触媒として働き得る。いくつかの実施形態において、被覆材料が用いられなくてもよく、ナノ構造化材料1030は、バルク表面1050に直接堆積させることができる。
【0038】
ナノ構造化素子は、ナノ構造化素子1002および1003の異なる配向によって示されるように、任意の適切な配向に、または配向の分布に配置されていてもよい。いくつかの実施形態において、プラズマ助長化学蒸着法(CVD)が、特定の配向(例えば、被覆表面に垂直な)を有するナノ構造化素子を形成するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、複数のナノ構造化材料が堆積され、異なるナノ構造化材料が異なる配向をしていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、SiNWは、バルク表面に実質的に垂直にバルクSi表面に堆積させることができる。次いで、CNTの追加の層は、バルク表面と実質的に平行に、SiNWアレイ中に堆積させることができる。任意の適切な配向を有する、任意の適切なナノ構造化材料またはナノ構造化材料の組合せは、被覆1040またはバルク表面1050に堆積させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、環境1020は、ナノ構造化材料1030の堆積中に制御することができる。例えば、いくつかの実施形態において、環境1020は、炭化水素、水素、シラン、不活性ガス、他の任意の適切なガスまたはその組合せを含んでもよい、還元気体環境であってもよい。気体環境は、被覆1040またはバルク表面1050に堆積させ得る前駆物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、環境1020は液体であってもよい。液体は、例えば、被覆1040またはバルク表面1050に堆積され得る(例えば、電気泳動によって)、懸濁ナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ、または他の適切なナノ構造化素子を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、環境1020は、適切な前駆体を含んでもよい超臨界流体であってもよい。環境1020は、任意の適切な工程スケジュール(例えば、流量、移行時間、保持時間)によって制御された、任意の適切な環境条件(例えば、温度、圧力、組成)も含んでいてもよい。
【0040】
図11は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の流れ図1100を示す。図11に示される工程段階1102で、例えば、活性物質(例えば、SiNW、LiFePO、MH、Ni(OH))、電気伝導性粒子(例えば、CNT、金属粒子)、1つ以上の液状薬剤(例えば、有機溶媒、水、アルコール、NMP)、結合剤(例えば、PTFE、PVDF)、黒鉛炭素、非晶質炭素、他の任意の適切な材料、またはその任意の適切な組合せを含むスラリーが調製され得る。いくつかの実施形態において、活性物質は、任意の適切な形状または寸法分布を有する粒子であってもよい。電気伝導性粒子は、任意の適切な形状または寸法分布を有してもよい。いくつかの実施形態において、電子伝導粒子および活性物質粒子は、必ずしも同じ寸法および形状でなくてもよい。工程段階1102は、混合、ブレンド、撹拌、超音波処理、ボールミル粉砕、粉砕、分級(例えば、ふるい分け)、乾燥、他の任意の適切な調製工程またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、工程段階1102は、スラリーを形成するために、Si粒子、カーボン粒子、NMP水溶液、およびPVDF粒子を含むスラリーを調製する必要があり得る。いくつかの実施形態において、例えば、工程段階1102は、スラリーを形成するために、LiFePO粒子、カーボン粒子、NMP水溶液、およびPVDF粒子を含むスラリーを調製する必要があり得る。工程段階1102に従って調製されたスラリーは、材料の任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0041】
工程段階1103は、工程1102のスラリーが塗布されてもよい電極要素の調製を含んでいてもよい。電極要素は、電気伝導性基板、非電気伝導性基板、メタル化発泡体、他の任意の適切な要素、1つ以上の要素(例えば、メタル化発泡体および基板サブアセンブリ)のサブアセンブリ、およびその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1103は、電極要素の洗浄、電極要素の表面仕上げの調節(例えば、研磨、粗化)、電極要素の表面エッチング、電極要素の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴あけ、機械加工)、他の任意の適切な調製段階またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0042】
図11において示される工程段階1104では、工程段階1102のスラリーは、工程段階1103の電極要素の1つ以上の表面に塗布されてもよい。工程段階1104は、ドクターブレーディング、スピンコーティング、スクリーン印刷、他の任意の適切なスラリー塗布技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、任意の適切な形状の1つ以上の型が、工程段階1103の電極要素上に工程段階1102のスラリーを特定の形状に維持するために使用されてもよい。例えば、工程段階1102のスラリーを直角プリズム状形状に維持するために、工程段階1102のスラリーが流れるまたは変形するのを阻止しつつ、基板と接触する直角プリズム状型が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1102のスラリーは、電極要素への塗布前に乾燥されてもよい。いくつかの実施形態において、スラリーは、電極要素への塗布前に、テープへのキャスト、乾燥、寸法合わせ、他の任意の適切な調製段階およびその任意の適切な組合せを受けてもよい。電極要素への乾燥スラリーの塗布は、電極要素への乾燥スラリーの接合、またはさもなければ接着を含んでいてもよい。
【0043】
図11に示される工程段階1106では、電極要素と接触するスラリーは、乾燥されてもよい(例えば、1つ以上の液体成分の一部または実質的にすべてが除去されてもよい)。乾燥工程1106は、残留成分(例えば、残存するスラリー成分)に剛性を与えることができる。いくつかの実施形態において、型が、用いられた場合、除去されてもよいように、乾燥工程1106によって、残留成分が形状を維持することが可能になり得る。いくつかの実施形態において、乾燥工程1106は、乾燥スラリーの全体にわたってガス充填された多孔性網状組織を形成してもよい。いくつかの実施形態において、乾燥工程1106は、所定の気体環境(例えば、加熱したアルゴン)中での電極要素およびスラリーの加熱、浸漬、他の任意の適切な乾燥工程またはその組合せを含んでいてもよい。工程段階1106は、例えば、スラリーが電極要素への塗布前に乾燥される実施形態などの、いくつかの実施形態においては飛び越してもよい。
【0044】
工程1106の乾燥スラリーと接触する電極要素は、寸法を合わせ、成形し、またはその両方を、工程段階1108に従って行うことができる。工程段階1108は、パンチング(任意の適切なダイおよびプレスを用いて)、曲加工、折曲加工、トリミング、削り、カレンダー加工、機械加工、他の任意の適切な寸法合わせもしくは成形技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1108は省略されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、電極要素は、工程段階1103で所望通りに寸法を合わせ、または形成され、さらなる寸法合わせまたは成形は工程段階1108では所望されなくてもよい。
【0045】
図11に示される工程段階1110は、電極要素のさらなる加工を含んでいてもよい。工程段階1110は、例えば、電極要素への疎水性被覆(例えば、PTFE)の塗布などの化学処理を含んでいてもよい。疎水性被覆の塗布は、多孔質電極内の洪水(例えば、液状水の蓄積)を減少させることができる。工程段階1110は、電極要素の表面への1つ以上の適切な材料の化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、他の任意の堆積技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1110は、例えば、焼結、充電、放電、他の任意の適切な加工またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1110は、電極要素の表面特性を調節する技法を含んでいてもよい。
【0046】
図12は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の流れ図1200を示す。流れ図1200の工程は、界面域、電気伝導性、細孔率、他の任意の適切な特性またはその任意の適切な組合せを向上し得る電極要素の表面の修飾を含んでいてもよい。
【0047】
図12に示される工程段階1202は、電極要素の調製を含んでいてもよい。電極要素は、電気伝導性基板、非電気伝導性基板、メタル化発泡体、他の任意の適切な要素、1つ以上の要素(例えば、メタル化発泡体および基板サブアセンブリ)のサブアセンブリ、およびその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1202は、電極要素の洗浄、電極要素の表面仕上げの調節(例えば、研磨、粗化)、電極要素の表面エッチング、電極要素の寸法または形状の調節(例えば、切断、粉砕、分割、穴あけ、機械加工)、他の任意の適切な調製段階またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1202は、触媒、堆積基板、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを用いる電極要素の表面の被覆を含んでいてもよい。
【0048】
基材マトリックスが、図12に示されるように、工程段階1204による電極要素の表面に形成されてもよい。基材マトリックスは、例えば、基材マトリックスのない電極要素に比べて、表面域が増加していてよい、ナノ構造化材料のアレイ(例えば、CNTアレイ、SiNWアレイ、ZnNWアレイ)であってもよい。工程段階1204は、1つ以上の適切な材料の電極要素の表面への、化学蒸着(CVD)、プラズマ助長CVD、物理蒸着(PVD)、他の任意の適切な堆積技法またはその任意の適切な組合せを含んでもよく、それによって基材マトリックスを形成する。
【0049】
第2の材料が、図12の工程段階1206によって示される電極要素の基材マトリックスに導入されてもよい。工程段階1206は、基材マトリックスへの1つ以上の適切な材料の化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、他の任意の堆積技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。第2の材料は、活性物質、電気伝導性材料、ナノ構造化材料、他の任意の適切な材料、およびその任意の適切な組合せであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、工程段階1204は、電極要素へのCNTのアレイの堆積を含んでもよく、工程段階1206は、CNTの基材マトリックスへのSiNWのアレイの堆積を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、工程段階1204は、電極要素へのSiNWのアレイの堆積を含んでもよく、工程段階1206は、SiNWの基材マトリックスへのCNTのアレイの堆積を含んでいてもよい。
【0050】
図12に示される工程段階1208に従って、電極要素は、寸法を合わせ、成形し、またはその両方を行うことができる。工程段階1208は、パンチング(任意の適切なダイおよびプレスを用いて)、曲加工、折曲加工、トリミング、削り、カレンダー加工、機械加工、他の任意の適切な寸法合わせもしくは成形技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1208は、含まれなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、電極要素は、工程段階1202で所望通りに寸法を合わせ、または形成され、さらなる寸法合わせまたは成形は工程段階1208では所望されなくてもよい。
【0051】
図12に示される工程段階1210は、電極要素のさらなる加工を含んでいてもよい。工程段階1210は、例えば、電極要素への疎水性被覆(例えば、PTFE)の塗布などの化学処理を含んでいてもよい。疎水性被覆の塗布は、多孔質電極内に洪水(例えば、液状水の蓄積)を減少させることができる。工程段階1210は、電極要素の表面への1つ以上の適切な材料の化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、他の任意の堆積技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1210は、電極要素の表面特性を調節する技法を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1210は、電極要素に施される、焼結、充電、放電、他の任意の適切な加工技法およびその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0052】
図13は、本発明のいくつかの実施形態による活性な粒子を修飾するための例示の流れ図1300を示す。活性物質粒子は、図13の工程段階1302で、ある材料で被覆することができる。負極活性物質および正極活性物質の両方を含む任意の適切な活性物質は、被覆することができる。工程段階1302は、例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、アルミナ(Al)、マンガン塩、マグネシウム塩、Si、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せなどの材料での活性物質粒子の被覆を含み、活性物質粒子にナノ構造を形成する支援を与えることができる。被覆材料は、活性物質粒子に塗布されてもよい液溶体に溶解されてもよい。液溶体は、例えば、酸溶液などの任意の適切な液体であってもよい。工程段階1302は、浸漬、電気めっき、無電解めっき、電気泳動、スパッタリング、原子層堆積、薬品液堆積(例えば、ゾルゲル法)、CVD、PVD、他の任意の適切な被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1302は用いられなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、活性物質粒子はSi粒子であってもよく、被覆は所望されなくてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質粒子はSi粒子であってもよく、CNTの被覆材料が所望され得る。活性物質粒子および被覆材料は、任意の適切な材料または材料の組合せを含んでいてもよい。工程段階1302は、分級、洗浄、エッチング、または被覆材料を塗布するための活性物質粒子を調製する他の加工技法を含んでいてもよい。
【0053】
被覆粒子は工程段階1304で加工されてもよい。工程段階1304は、分級(例えば、ふるい分け)、焼結、アニーリング、凝集、乾燥、他の任意の適切な加工技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、被覆粒子は、規定の気体環境(例えば、不活性、還元性の)中で加熱され、耐久性を改善し、接着性を改善し、被覆材料粒度、他の任意の適切な被覆特性またはその任意の適切な組合せを向上させることができる。
【0054】
ナノ構造化材料は、工程段階1306に従って被覆粒子に堆積させてもよい。工程段階1306は、CVD、プラズマ助長CVD、PVD、ナノ構造化材料を堆積させる他の任意の適切な技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1306は、蒸着室への被覆粒子の装入、被覆粒子の環境の制御(例えば、還元環境を維持する)、被覆粒子の加熱、粒子にナノ構造化材料を堆積させるための他の任意の適切な技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1306は、蒸着室への気相前駆体の供給を含んでいてもよい。気相前駆体は、例えば、炭化水素、一酸化炭素、シラン、他の任意の適切な前駆体またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。気相前駆体は、例えば、水素、不活性種(例えば、ヘリウム)、他の任意の適切なガス種またはその任意の適切な組合せなどの任意の適切な気体材料と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態において、水素および1つ以上の炭化水素のガス混合物が蒸着室の粒子に導入されてもよく、これは摂氏300〜1200度の間で維持されてもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、熱、レーザー、もしくは他の適切な処理、またはその組合せを受けて気相中へ物質を放出し得る、固相材料であってもよい。いくつかの実施形態において、前駆体材料は、例えば、超臨界混合物などの溶液に含有されていてもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料を含む懸濁液(例えば、液状媒質中の固体粒子)は、被覆粒子に塗布され、被覆粒子にナノ構造化材料を堆積させてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、電気泳動が、溶液に含まれるナノ構造化材料を塗布し被覆粒子にするために使用されてもよい。任意の適切な前駆体、追加の材料、堆積温度(例えば、移行温度、浸漬温度)、堆積圧力、他の工程制御およびその任意の適切な組合せが、粒子にナノ構造化材料を堆積させるために使用されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、工程段階1306から結果として得られた粒子は、例えば、組成物、電気伝導性、熱伝導度、表面積、表面モルフォロジー、寸法、他の任意の適切な修飾された特性またはその任意の組合せなどの修飾された特性を有し得る。いくつかの実施形態において、工程段階1306から結果として得られた修飾粒子は、図11の工程段階1102のスラリーにおいて活性物質粒子として使用されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、流れ図1300の技法のすべてまたはいくつかは、任意の順序で反復され、活性物質粒子に複数のナノ構造化材料のアレイを形成することができる。活性物質、被覆、ナノ構造化材料、他の適切な材料またはその組合せの任意の適切な組合せが、流れ図1300の技法に従って使用されてもよい。
【0057】
図14は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の流れ図1400を示す。工程段階1402は、電極要素への活性物質の導入を含んでいてもよい。任意の適切な活性物質は、負極活性物質、正極活性物質、またはその両方(例えば、BPU)を含む電極要素に導入されてもよい。電極要素は、電気伝導性基板、非電気伝導性基板、メタル化発泡体、他の任意の適切な要素、1つ以上の要素のサブアセンブリ(例えば、メタル化発泡体および基板サブアセンブリ)、およびその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、スラリーとして電極要素に塗布されてもよい(例えば、図11の流れ図1100に記載されている工程)。いくつかの実施形態において、活性物質は、ナノ構造化材料として電極要素に施されてもよい。例えば、工程段階1402は、CVD、プラズマ助長CVD、PVD、ナノ構造化材料を堆積させるための他の任意の適切な技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1402は、電極要素に活性物質を導入するための、洗浄、エッチング、焼結、他の任意の調製技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0058】
電極要素は、図14の工程段階1404で、ある材料で被覆することができる。工程段階1404は、例えば、Ni、Fe、Al、Al、マンガン塩、マグネシウム塩、Si、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せなどの材料での電極要素の被覆を含み、電極要素にナノ構造を形成する支援を与えることができる。被覆材料は、活性物質粒子に塗布されてもよい液溶体に溶解されてもよい。液溶体は、任意の適切な液体であってもよい。工程段階1404は、浸漬、電気めっき、無電解めっき、電気泳動、スパッタリング、原子層堆積、薬品液堆積(例えば、ゾルゲル法)、CVD、PVD、他の任意の適切な被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1404は用いられなくてもよい。電極要素、活性物質、および被覆材料は、任意の適切な材料または材料の組合せを含んでいてもよい。工程段階1404は、分級、洗浄、エッチング、または被覆材料を塗布するための電極要素を調製する他の加工技法を含んでいてもよい。
【0059】
被覆電極要素は、工程段階1406で加工されてもよい。工程段階1406は、焼結、アニーリング、乾燥、他の任意の適切な加工技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、被覆電極要素は、規定の気体環境(例えば、不活性、還元性の)中で加熱され、耐久性を改善し、接着性を改善し、被覆材料粒度、他の任意の適切な被覆特性またはその任意の適切な組合せを向上させることができる。
【0060】
ナノ構造化材料は、工程段階1408に従って被覆電極要素に堆積させてもよい。工程段階1408は、CVD、プラズマ助長CVD、PVD、他のナノ構造化材料を堆積させるための任意の適切な技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1408は、蒸着室への電極要素の装入、被覆電極要素の環境の制御(例えば、還元環境を維持する)、被覆電極要素の加熱、電極要素にナノ構造化材料を堆積させるための他の任意の適切な技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1408は、蒸着室への気相前駆体の供給を含んでいてもよい。気相前駆体は、例えば、炭化水素、一酸化炭素、シラン、他の任意の適切な前駆体またはその任意の適切な組合せを含むことができる。気相前駆体は、例えば、水素、不活性種(例えば、ヘリウム)、他の任意の適切なガス種またはその任意の適切な組合せなどの任意の適切な気体材料と組み合わせることができる。例えば、いくつかの実施形態において、水素および1つ以上の炭化水素のガス混合物が蒸着室の被覆電極要素に導入されてもよく、これは摂氏300〜1200度の間で維持されてもよい。いくつかの実施形態において、前駆体は、熱、レーザー、もしくは他の適切な処理、またはその組合せを受けて気相中へ物質を放出し得る、固相材料であってもよい。いくつかの実施形態において、前駆体材料は、例えば、超臨界混合物などの溶液に含有されていてもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料を含む懸濁液(例えば、液状媒質中の固体粒子)は、被覆電極要素に塗布され、被覆電極要素にナノ構造化材料を堆積させてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、電気泳動が、溶液に含まれるナノ構造化材料を塗布し電極要素にするために使用されてもよい。任意の適切な前駆体、追加の材料、堆積温度(例えば、移行温度、浸漬温度)、堆積圧力、他の工程制御およびその任意の適切な組合せが、電極要素にナノ構造化材料を堆積させるために使用されてもよい。
【0061】
工程段階1408から結果として生じ得る修飾要素は、電気伝導性網状組織(例えば、メタル化発泡体、CNTアレイ)、活性物質、集電子(例えば、基板、タブ)、他の任意の適切な成分またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1408から結果として生じ得る修飾要素は、電極、BPU、MPU、電極サブアセンブリ、または他の任意の適切な名称で呼ぶことができる。
【0062】
例えば、いくつかの実施形態において、工程段階1402に従って、金属水素化物(MH)を含む活性物質が、Ni発泡体および電気伝導性基板を含む電極要素に導入されてもよい。活性物質は、電極要素(例えば、図11の工程段階1102に記載されるスラリー)に塗布されるスラリーに含まれていてもよい。活性物質および電極要素は、工程段階1402に従って焼結されてもよい。電極要素およびMHは、工程段階1404に従って触媒物質で被覆されてもよい。触媒物質の被覆が、工程段階1406に従って、乾燥され焼結されてもよい。被覆電極要素およびMHは、CVDオーブンに装入されてもよく、炭化水素/水素ガス前駆体が、摂氏300〜1600度の間の温度でCVDオーブンに導入されてもよい。CNTのアレイが、工程段階1408で被覆電極要素およびMHに堆積されてもよい。CNTのアレイは、例えば、電気伝導性、熱伝導度、表面積、他の任意の適切な特性またはその任意の組合せを含む電極要素の1つ以上の特性を修飾することができる。流れ図1400によるこの代表的な工程は、例示であり、本発明のいくつかの実施形態を説明し、本発明の範囲を限定するものではない。
【0063】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による電極を形成するための例示の流れ図1500を示す。電極要素は、図15の工程段階1502で、ある材料で被覆することができる。いくつかの実施形態において、工程段階1502は、図14の工程段階1404に対応し得る。工程段階1502は、例えば、Ni、Fe、Al、Al、マンガン塩、マグネシウム塩、Si、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せなどの材料での電極要素の被覆を含み、電極要素にナノ構造を形成する支援を与えることができる。被覆材料は、活性物質粒子に塗布されてもよい液溶体に溶解されてもよい。液溶体は、任意の適切な液体であってもよい。工程段階1502は、浸漬、電気めっき、無電解めっき、電気泳動、スパッタリング、原子層堆積、薬品液堆積(例えば、ゾルゲル法)、CVD、PVD、他の任意の適切な被覆技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1502は用いられなくてもよい。電極要素、活性物質、および被覆材料は、任意の適切な材料または材料の組合せを含んでいてもよい。工程段階1502は、分級、洗浄、エッチング、または被覆材料を塗布するための電極要素を調製する他の加工技法を含んでいてもよい。
【0064】
被覆電極要素は、工程段階1504で加工されてもよい。工程段階1504は、焼結、アニーリング、乾燥、他の任意の適切な加工技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、被覆電極要素は、規定の気体環境(例えば、不活性、還元性の)中で加熱され、耐久性を改善し、接着性を改善し、被覆材料粒度、他の任意の適切な被覆特性またはその任意の適切な組合せを向上させることができる。
【0065】
ナノ構造化材料は、工程段階1506に従って被覆電極要素に堆積させてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1506は、図14の工程段階1408に対応し得る。工程段階1506は、CVD、プラズマ助長CVD、PVD、電気泳動、他のナノ構造化材料を堆積させるための任意の適切な技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1506は、蒸着室への電極要素の装入、被覆電極要素の環境の制御、被覆電極要素の加熱、固相前駆体の除去、固相前駆体の熱処理、電極要素にナノ構造化材料を堆積させるための他の任意の適切な技法、またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1506は、蒸着室への気相前駆体、固相前駆体、または溶液に含有されていてもよい前駆体の供給を含んでいてもよい。任意の適切な前駆体、追加の材料、堆積温度(例えば、移行温度、浸漬温度)、堆積圧力、他の工程制御およびその任意の適切な組合せが、電極要素にナノ構造化材料を堆積させるために使用されてもよい。
【0066】
工程段階1508は、修飾電極要素への活性物質の導入を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、工程段階1508は、図14の工程段階1402に対応し得る。任意の適切な活性物質は、負極活性物質、正極活性物質、またはその両方(例えば、BPU)を包含する電極要素に導入されてもよい。電極要素は、電気伝導性基板、非電気伝導性基板、メタル化発泡体、他の任意の適切な要素、1つ以上の要素のサブアセンブリ(例えば、メタル化発泡体および基板サブアセンブリ)、およびその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、活性物質は、スラリーとして電極要素に塗布されてもよい(例えば、図11の流れ図1100に記載されている工程)。いくつかの実施形態において、活性物質はナノ構造化材料として電極要素に塗布されてもよい。例えば、工程段階1508は、CVD、プラズマ助長CVD、PVD、ナノ構造化材料を堆積させるための他の任意の適切な技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。工程段階1508は、電極要素に活性物質を導入するための、洗浄、エッチング、焼結、他の任意の調製技法またはその任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0067】
例えば、いくつかの実施形態において、電気伝導性基板に強固に固定されたNi発泡体を含む電極要素の1つ以上の表面が、工程段階1502に従って触媒で被覆することができる。被覆電極要素は、工程段階1504に従って焼結することができる。被覆電極要素は、CVDオーブンに装入されてもよく、炭化水素/水素前駆体が摂氏600〜1200度の間の温度でCVDオーブンに導入されてもよい。CNTのアレイが、工程段階1506で被覆電極要素に堆積されてもよい。例えば、Ni(OH)を含む活性物質は、スラリー(例えば、図11の工程段階1102に記載されるスラリー)として修飾電極要素に添加されてもよく、これは工程段階1508に従って乾燥されてもよい。CNTのアレイは、活性物質(例えば、Ni(OH))の塗布のための基材マトリックス(例えば、図12の工程段階1204に記載されているような)を提供することができる。流れ図1500によるこの代表的な工程は、例示であり、本発明のいくつかの実施形態を説明し、本発明の範囲を限定するものではない。
【0068】
図11〜15の流れ図1100〜1500の段階が例示であることは理解されよう。流れ図1100〜1500の任意の段階は、本発明の範囲から離れることなく、修飾し、省略し、再配置し、流れ図1100〜1500の他の段階と組み合わせ、または追加の段階で補足することができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態による電極構造を製造する例示の方法は、図16および17との関連においてさらに論じられる。
【0070】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による基板1606と接触するスラリー1602の例示の側面図を示す。図17に、本発明のいくつかの実施形態による図16の線XVII−XVIIから得られた図16の素子の例示の平面図を示す。界面1610で基板1606と接触するスラリー1602が示されている。基板1606およびスラリー1602は、任意の適切な形状、断面形状、曲率(例えば、ドーム形)、厚さ(層1606および1602のどちらも)、相対寸法(基板および複合材料の)、相対厚さ(基板および複合材料の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。いくつかの実施形態において、スラリー1602は、図11の工程段階1102および1104において上で論じられたスラリーを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、スラリー1602は、図11の工程段階1106において上で論じられた乾燥スラリーを含んでいてもよい。スラリー1602は、任意の材料または材料の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0071】
図18は、本発明のいくつかの実施形態による粒子を修飾する例示の工程を示す。例示の粒子1800は、図18(I)に示される活性物質1802を含んでいてもよい。活性物質1802は、正極活性物質、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せであってもよく、または活性物質1802は、負極活性物質、他の任意の適切な材料またはその任意の組合せであってもよい。例示として球状として示されているが、粒子1800は、任意の適切な形状、もしくは、寸法、またはその両方を有してもよく、任意の適切な寸法および形状分布を有する活性物質粒子の集合体に属し、またそれを代表してもよい。いくつかの実施形態において、粒子1800は、多孔性、非多孔性、セノスフェア(例えば、中空)、他の任意の形態的な名称のもの、またはその任意の適切な組合せであってもよい。
【0072】
被覆材料1824は、粒子1800(例えば、図13の工程1302による)に導入されて、図18(II)に示される被覆粒子1820を形成することができる。被覆活性物質1802は、活性物質1802に実質的に対応し得る。被覆材料1824はFe、Al、Al、マンガン塩、マグネシウム塩、Si、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せを含み、被覆粒子にナノ構造を形成する支援を与えることができる。いくつかの実施形態において、被覆材料1824は、活性物質1822の表面の実質的にすべてを覆ってもよい。いくつかの実施形態において、被覆材料1824は、活性物質1802の表面の一部を覆ってもよい。被覆材料1824によって形成された被覆は、近接していてもよいしまたは近接していなくてもよい。被覆材料1824の層は、任意の適切な厚さであってもよい。
【0073】
ナノ構造化材料1846は、被覆粒子1820の表面に堆積させて、図18(III)に示される修飾粒子1840(例えば、図13の工程段階1306によって記載される)を形成することができる。ナノ構造化材料1846は、活性物質1802の表面を部分的にまたは実質的に完全に被覆してもよい被覆材料1824に存在する。ナノ構造化材料1846は、任意の適切な材料または材料の組合せであってもよく、任意の適切な配向または配向の分布を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料1846が、被覆材料1824の表面と実質的に平行に配置されたCNTのアレイを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、ナノ構造化材料1846が、被覆材料1824の表面と実質的に垂直に配置されたZnNWのアレイを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料1846が、複数の材料を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、SiNWのアレイが被覆材料1824に堆積されてもよく、またCNTのアレイがSiNWのアレイ上に堆積されてもよい。任意の適切な数種の、ナノ構造化材料、ナノ構造化材料のアレイ、層、またはその適切な組合せを、任意の適切な順序で粒子1820に堆積させて、修飾粒子1840を形成することができる。
【0074】
修飾粒子1840は、図18(IV)の修飾粒子集合体1860によって示されるように、他の修飾粒子、他の粒子またはその両方と組み合わせることができる。修飾粒子集合体1860は、例えば、ポリマー粒子、活性物質粒子、電気伝導性粒子(例えば、金属粒子、CNT)、他の任意の適切な粒子またはその任意の適切な組合せを含んでもよい、修飾粒子1840および粒子1870を含んでいてもよい。修飾粒子集合体1860はスラリーであってもよく、液状薬剤(図18に示されない)を含んでいてもよい。修飾粒子集合体1860は、非修飾粒子の集合体に比べて、例えば、向上した電気伝導性、向上した熱伝導度、増加した表面積、増加した粒子間接触面積(例えば、図18の接触面積1868)、他の任意の適切な特性またはその組合せなどの修飾した特性を有することができる。修飾粒子集合体1860は、図11の流れ図1100のスラリーに含まれていてもよい。
【0075】
図19は、本発明のいくつかの実施形態による粒子を修飾する例示の工程を示す。例示の粒子1900は、図19(I)に示されるような活性物質1902を含む。活性物質1902は、任意の適切な正極活性物質もしくは負極活性物質、またはその材料の任意の適切な組合せであってもよい。例示として球状として示されているが、粒子1900は、任意の適切な形状、もしくは、寸法、またはその両方を有してもよく、任意の適切な寸法および形状分布を有する活性物質粒子の集合体に属し、またそれを代表してもよい。いくつかの実施形態において、粒子1900は、多孔性、非多孔性、セノスフェア(例えば、中空)、他の任意の形態的な名称のもの、またはその任意の適切な組合せであってもよい。
【0076】
ナノ構造化材料1946は、活性物質粒子1900の表面に堆積させて、図19(II)に示される修飾粒子1940(例えば、図13の工程段階1306によって記載される)を形成することができる。ナノ構造化材料1946は、活性物質1902の表面に存在し得る。ナノ構造化材料1946は、任意の適切な材料または材料の組合せであってもよく、任意の適切な配向または配向の分布を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料1946が、活性物質1902の表面と実質的に平行に配置されたCNTのアレイを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、ナノ構造化材料1946が、活性物質1902の表面と実質的に垂直に配置されたSiNWのアレイを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ナノ構造化材料1946が、複数の材料を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ZnNWのアレイが活性物質1902に堆積されてもよく、またCNTのアレイがZnNWのアレイ上に堆積されてもよい。任意の適切な数種の、ナノ構造化材料、ナノ構造化材料のアレイ、層、またはその適切な組合せを、任意の適切な順序で粒子1900に堆積させて、修飾粒子1940を形成することができる。
【0077】
修飾粒子1940は、図19(III)の修飾粒子集合体1960によって示されるように、他の修飾粒子、他の粒子またはその両方と組み合わせることができる。修飾粒子集合体1960は、例えば、ポリマー粒子、活性物質粒子、電気伝導性粒子(例えば、金属粒子、CNT)、他の任意の適切な粒子またはその任意の適切な組合せを含んでもよい、修飾粒子1940および粒子1970を含んでいてもよい。修飾粒子集合体1960はスラリーであってもよく、液状薬剤(図19に示されない)を含んでいてもよい。修飾粒子集合体1960は、非修飾粒子の集合体に比べて、例えば、向上した電気伝導性、向上した熱伝導度、増加した表面積、増加した粒子間接触面積(例えば、図19の接触面積1968)、他の任意の適切な特性またはその組合せなどの修飾した特性を有することができる。修飾粒子集合体1960は、図11の流れ図1100のスラリーに含まれていてもよい。
【0078】
図20は、本発明のいくつかの実施形態による基板2006と接触している電極要素2002の例示の側面図を示す。図21に、本発明のいくつかの実施形態による図20の線XXI−XXIから得られた図20の素子の例示の平面図を示す。界面2010で基板2006と接触している電極要素2002が示される。基板2006および電極要素2002は、任意の適切な形状、断面形状、曲率(例えば、ドーム形)、厚さ(層2006および2002のどちらも)、相対寸法(基板および複合材料の)、相対厚さ(基板および複合材料の)、他の任意の特性またはその任意の適切な組合せを有し得る。いくつかの実施形態において、電極要素2002は、図11の工程段階1102および1104において上に論じられたスラリーを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、電極要素2002は、図11の工程段階1106において上に論じられた乾燥スラリーを含んでいてもよい。電極要素2002は、他の任意の適切な材料、または材料の任意の適切な組合せを含んでいてもよい。
【0079】
図22は、本発明のいくつかの実施形態による電極要素のいくつかの例示の部分的な横断面図を示す。図22(I)は、メタル化発泡体2204および基板2206を含んでもよいサブアセンブリであってもよい例示の電極要素2200の近景を示す。メタル化発泡体2204は、細孔を与え得る細孔網状組織2210を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、電極要素2200は、図11の流れ図1100、図12の流れ図1200、図14の流れ図1400または図15の流れ図1500の電極要素に実質的に対応し得る。この例示の実施例において、図22(I)は、便宜上メタル化発泡体2204と基板2206との間の界面領域を示し得る。
【0080】
図22(II)は、メタル化発泡体2204および基板2206を含んでもよいサブアセンブリであってもよい例示の被覆電極要素2220の近景を示す。被覆2222は、電極要素2200のいくつかの表面を覆って、被覆電極要素2220を形成することができる。被覆2222は、例えば、Fe、Al、Al、マンガン塩、マグネシウム塩、Si、他の任意の適切な材料またはその任意の適切な組合せなどの任意の適切な材料を含み、活性物質粒子にナノ構造を形成する支援を与えることができる。被覆2222は、図14の流れ図1400または図15の流れ図1500の被覆に実質的に対応し得る。例示の図22(II)において示されるように、被覆2202は、外側表面(例えば、境界)および内部表面(例えば、細孔網状組織2210に沿った表面)の両方を包含する複数の表面を被覆してもよい。
【0081】
図22(III)は、被覆電極要素2220を含んでもよい例示の修飾電極要素2240の近景を示す。ナノ構造化材料2248は、被覆電極要素2220のいくつかの表面に堆積され、修飾電極要素2240を形成することができる。ナノ構造化材料2248の堆積は、図13の流れ図1300、図14の流れ図1400、または図15の流れ図1500において論じられた堆積段階に実質的に対応し得る。ナノ構造化材料2248は、例えば、ナノ粒子、ナノワイヤー、単層または多層ナノチューブ、閉鎖フラーレン、他の任意の適切なナノ構造化素子、任意の適切なナノ構造化複合素子またはその任意の適切な組合せもしくはアレイを含む、任意の適切な種類のナノ構造化素子を含んでいてもよい。被覆電極要素2220の表面に実質的に垂直であるように示されているが、ナノ構造化材料2248は、任意の適切な寸法、形状、配向分布を有するナノ構造化素子を含んでいてもよい。図22によって示されたもののような三次元の多孔性固体の、例示の概略の二次元の断面図の説明は、固体(または細孔)の何らかの接続性を示していないかもしれないが、その接続性が、それにもかかわらず存在し得ることは理解されよう。
【0082】
先のものが本発明の原理の単なる例証であり、様々な変形が、本発明の範囲および趣旨から離れることなく、当業者によって行われ得ることは理解されよう。また、「水平」および「垂直」、「上部」および「底部」および「側面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、などの方向および配向に関する様々な用語が、便宜のためだけに本明細書において使用され、固定的または絶対的な方向または配向に関する限定がこれらの単語の使用によって意図されないことも理解されよう。例えば、本発明のデバイスならびにその個々の要素は、任意の所望の配向を有し得る。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明で使用することが必要になり得るが、本発明の範囲および趣旨内にある、その基本的な性質は変更されない。当業者は、本発明が、限定目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実施されてもよく、本発明が以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を形成する方法であって、該方法は、
活性物質粒子、電気伝導性粒子および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することであって、該活性物質粒子および該電気伝導性粒子のうちの少なくとも1つはナノ構造化材料を含む、ことと、
該スラリーを電極要素と接触するように配置することと、
該スラリーを乾燥させて該電極を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ナノ構造化材料は、シリコンナノワイヤーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性物質粒子は、リン酸鉄リチウム(LiFePO)粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノ構造化材料は、カーボンナノチューブを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
活性物質粒子の表面に被覆材料を導入して、被覆粒子を形成することと、
該被覆粒子の表面に気相前駆体からのナノ構造化材料を堆積させて、修飾粒子を形成することと
を含み、該被覆材料は、該ナノ構造化材料の堆積のための触媒として作用する、方法。
【請求項6】
前記修飾粒子、電気伝導性材料、および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
該スラリーを電極要素と接触するように配置することと、
該スラリーを乾燥させて電極を形成することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ構造化材料は、カーボンナノチューブを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ナノ構造化材料は、シリコンナノワイヤーを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記気相前駆体は、炭化水素を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記気相前駆体は、シランを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
電極要素の1つ以上の表面に被覆材料を導入することと、
該電極要素の1つ以上の表面に気相前駆体からのナノ構造化材料を堆積させることと
を含み、該被覆材料は、該ナノ構造化材料の堆積のための触媒として作用する、方法。
【請求項12】
第2のナノ構造化材料が、カーボンナノチューブを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第2のナノ構造化材料が、シリコンナノワイヤーを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電極要素は、電気伝導性発泡体を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記電極要素は、電気伝導性基板を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記電極要素は、活性物質を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記気相前駆体は、炭化水素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記気相前駆体は、シランを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
電極要素の1つ以上の表面に被覆材料を導入することと、
該電極要素の該1つ以上の表面に気相前駆体からのナノ構造化材料を堆積させることであって、該被覆材料は、該ナノ構造化材料の堆積のための触媒として作用する、ことと
を含む方法によって形成される、電極。
【請求項20】
前記方法は、前記電極要素に活性物質を導入する段階をさらに含む、請求項19に記載の電極。
【請求項21】
活性物質粒子の表面に被覆材料を導入して、被覆粒子を形成することと、
該被覆粒子の表面に気相前駆体からのナノ構造化材料を堆積させて、修飾粒子を形成することであって、該被覆材料は、該ナノ構造化材料の堆積のための触媒として作用する、ことと、
該修飾粒子、電気伝導性材料、および液状薬剤を組み合わせてスラリーを形成することと、
該スラリーを電極要素と接触するように配置することと、
該スラリーを乾燥させて、該電極要素と接触する実質的に固体の層を形成することと
を含む方法によって形成された、電極。
【請求項22】
不浸透性の電気伝導性基板と、
該電気伝導性基板の片側に提供された電気伝導性網状組織と、
該電気伝導性網状組織と接触する活性物質と
を含み、該活性物質および該電気伝導性網状組織のうちの少なくとも1つがナノ構造化材料を含む、電極。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2013−505546(P2013−505546A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529975(P2012−529975)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/049654
【国際公開番号】WO2011/037919
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】