説明

高所作業車

【課題】バスケットに搭乗している作業者が対象物として距離検出手段によって検出される誤検知を防止することのできる高所作業車を提供する。
【解決手段】構造物センサ35が、超音波を発信することによって構造物Sまでの距離を検出可能な超音波センサ35aと、超音波センサ35aのセンサヘッド35bから発信した超音波を反射させるための反射部材35cと、を有している。これにより、超音波センサ35aから超音波を直接上方に向けて発信する必要はなく、バスケット23の手摺23bの外周側に発信した超音波を反射部材35cによって反射させてバスケット23の上方に向かって発信させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が搭乗可能なバスケットと、バスケットを上下方向に移動可能なバスケット移動機構と、を備えた高所作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の高所作業車では、作業者が搭乗可能なバスケットと、バスケットを上下方向および水平方向に移動させるバスケット移動機構と、バスケットから構造物等の対象物までの距離を検出する距離センサと、を備えたものが知られている(例えば、引用文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−231335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この高所作業車は、距離センサをバスケットに取り付け、距離センサによりバスケットから対象物までの距離を検出し、バスケットの移動速度を調整している。この高所作業車では、バスケットからバスケットの上方に位置する対象物までの距離を検出する際に、距離センサによってバスケットに搭乗している作業者が対象物として検出される場合があり、バスケットから対象物までの距離を正確に検出することが困難である。
【0005】
本発明は、バスケットに搭乗している作業者が対象物として距離検出手段によって検出される誤検知を防止することのできる高所作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、作業者が搭乗するバスケットと、バスケットを移動させるバスケット移動機構と、バスケットからバスケットの移動する方向に位置する構造物等の対象物までの距離を検出する距離検出手段と、を備えた高所作業車において、距離検出手段は、発信した信号を対象物で反射させて受信することによって対象物までの距離を検出する距離検出センサと、距離検出センサから発信された信号を発信された方向と異なる方向に反射させることが可能な反射部材と、を有していることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に記載の発明は、前記反射部材は、距離検出センサから発信された信号を反射させる面の向きが変更可能であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記距離検出センサを上方から覆う保護カバーを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記バスケットに搭乗している作業者に対して警告を報知する警報手段と、前記距離検出センサの検出結果に基づいて警報手段を制御する警報制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の発明は、前記距離検出センサは、信号として超音波を発信する超音波式のセンサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、距離検出センサから信号を直接上方に向けて発信する必要はなく、バスケットの外周側に発信した信号を反射部材によって反射させてバスケットの上方に向かって発信させることが可能となり、バスケットに搭乗している作業者が距離検出手段によって対象物として検出される誤検知を防止することが可能となる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明によれば、バスケットの上方以外の方向に位置する対象物とバスケットとの距離を検出することが可能となり、バスケットの上方以外の移動に対しても安全性を向上させることが可能となる。
本発明の請求項3に記載の発明によれば、保護カバーによって塵埃や雨水から距離検出センサを保護することができる。したがって、距離検出センサの汚れの付着が少なくなるため、維持管理のコストの低減を図ることが可能となる。
本発明の請求項4に記載の発明によれば、バスケットが対象物に近づいた場合に、警報装置によって作業者に対して警告を報知することができるので、安全性を向上させることが可能となる。
本発明の請求項5に記載の発明によれば、非接触式の距離検出センサであるレーザーセンサと比較して安価に距離検出手段を構成することが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態を示す高所作業車の側面図である。
【図2】バスケットの全体斜視図である。
【図3】制御系を示すブロック図である。
【図4】タッチスイッチを示すバスケットの斜視図である。
【図5】構造物センサの斜視図である。
【図6】動作制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態を示す構造物センサの斜視図である。
【図8】制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至図6は、本発明の第1実施形態を示すものである。
【0012】
本発明の高所作業車1は、図1に示すように、道路等を走行するための車両10と、高所作業を行うための高所作業装置20と、を備えている。
【0013】
車両10は、前部および後部のそれぞれに左右一対の車輪11を有し、エンジン(図示せず)を動力源として走行する。車両の前側に位置する車輪11の上方には、車両10の走行に関する操作を行うためのキャビン12が設けられている。また、車両10の前側および後側の左右両側には、車両10を地面に対して安定的に支持するためのアウトリガ13が設けられている。アウトリガ13は、ジャッキシリンダ(図示せず)によって下方に伸長させ、下端を接地させることにより使用される。
【0014】
高所作業装置20は、車両10の後部に旋回可能に設けられた旋回台21と、旋回台21に対して起伏可能に設けられるとともに、伸縮可能に設けられたブーム22と、ブーム22の先端に設けられたバスケット23と、を有している。
【0015】
旋回台21は、ボールベアリング式やローラーベアリング式の旋回サークル(図示せず)によって車両10に対して旋回自在に設けられ、旋回用の油圧モータ(図示せず)の駆動によって旋回するように構成されている。
【0016】
ブーム22は、複数のブーム部材からなり、ブーム部材の内部に先端側に隣り合うブーム部材が収納可能な多段式に構成されている。最基端側のブーム部材(ベースブーム)22a内には、油圧シリンダ(図示せず)が設けられ、油圧シリンダの伸縮によってブーム22が伸縮可能となる。また、最基端側のブーム部材22aは、基端部が旋回台21のブラケット21aに上下方向に旋回自在に連結されている。ブーム部材22aの伸長方向中央部と旋回台21との間には、起伏用の油圧シリンダ22bが連結され、油圧シリンダ22bの伸縮によってブーム22を起伏可能にしている。
【0017】
バスケット23は、図2に示すように、略四角形状の作業床23aと、作業床23aの床面から上方に所定距離をおいて外周部を囲むように設けられた手摺23bと、を有している。バスケット23は、最先端側のブーム部材(トップブーム)に対して上下方向を中心軸として旋回可能に支持されている。バスケット23と最先端側のブーム部材との連結部には、油圧モータ(図示せず)が設けられ、油圧モータの駆動によってバスケット23が水平方向に旋回する。バスケット23は、ブーム22の伸縮および起伏、旋回台21およびバスケット23の旋回によって上下方向および水平方向の位置が調整される。
【0018】
また、高所作業車1は、旋回台21の回転動作、ブーム22の伸縮動作およびバスケット23の回転動作を制御するためのコントローラ30を備えている。
【0019】
コントローラ30は、CPU、ROM、RAMを有している。コントローラ30は、入力側に接続された装置からの入力信号を受信すると、CPUが、入力信号に基づいてROMに記憶されたプログラムを読み出すとともに、入力信号によって検出された状態をRAMに記憶したり、出力側に接続された装置に出力信号を送信したりする。
【0020】
コントローラ30の出力側には、図3に示すように、コントロールバルブ31および警報手段としての警報装置32が接続されている。
【0021】
コントロールバルブ31は、旋回台21用の油圧モータ、ブーム22伸縮用の油圧シリンダ、ブーム22起伏用の油圧シリンダ22bおよびバスケット23用の油圧モータ等の複数のアクチュエータが接続された油圧供給装置(図示せず)に設けられ、各アクチュエータに対する作動油の供給量および流通方向を制御するためのものである。
【0022】
警報装置32は、バスケット23に搭乗している作業者Mに対して所定のアラーム音を鳴らすことで警告を報知するものである。
【0023】
コントローラ30の入力側には、図3に示すように、バスケット23内に搭乗した作業者Mが旋回台21の旋回、ブーム22の伸縮および起伏、ブーム22に対するバスケット23の旋回の操作を行うための操作部33と、手摺23bと対象物としての構造物Sとの間に挟まれる直前の作業者Mの姿勢を検知するためのタッチセンサ34と、バスケット23の上方に位置する構造物Sを検知するための距離検出手段としての構造物センサ35と、が接続されている。
【0024】
操作部33は、図2に示すように、バスケット23の手摺23bの外周側に設けられている。操作部33は、上方に延びるように設けられ、中立位置から傾動操作可能に設けられた一対の操作レバー33aを有している。各操作レバー33aは、傾倒操作量および傾倒操作方向が対応付けられた操作信号をコントローラ30に入力する。操作レバー33aの傾倒操作量には、アクチュエータの動作速度が対応付けられており、傾倒操作量が大きくなるに従い、速い動作速度が対応付けられている。コントローラ30には、傾倒操作量に対応付けられた動作速度の信号が入力される。
【0025】
また、タッチセンサ34は、図4に示すように、バスケット23内の操作部33側に設けられ、バスケット23の手摺23bに沿って幅方向に延びるロープ状の部材からなる。タッチセンサ34は、バスケット23の手摺23bと構造物Sとの距離が小さくなった場合に、手摺23bと構造物Sとの間に挟まれる前に作業者Mの体が接触することで操作される。タッチセンサ34は、作業者Mの体が接触して操作されると、操作信号をコントローラ30に入力する。
【0026】
構造物センサ35は、図2に示すように、バスケット23の手摺23bの外周側で操作部33の近傍に設けられている。構造物センサ35は、図5に示すように、超音波を発信することによって構造物Sまでの距離を検出可能な距離検出センサとしての超音波センサ35aと、超音波センサ35aのセンサヘッド35bから発信した超音波を反射させるための反射部材35cと、超音波センサ35aのセンサヘッド35bを上方から覆う保護カバー35dと、を有している。
【0027】
超音波センサ35aの先端には、超音波を発信するとともに、超音波を受信することが可能なセンサヘッド35bが設けられている。超音波センサ35aは、センサヘッド35bから超音波を発信して構造物Sで反射した超音波を受信し、超音波の発信から受信までの時間を計測することで構造物Sまでの距離を検出するものである。超音波センサ35aは、センサヘッド35bが手摺23bの外周側に向かって略水平方向に向けて固定されており、超音波が手摺23bの外周側に向かって略水平方向に発信される。
【0028】
反射部材35cは、金属製の板状部材からなり、超音波センサ35aから発信された超音波を反射可能な平滑な面を有している。反射部材35cは、超音波センサ35aから手摺23bの外周側に向かって略水平方向に発信された超音波をバスケット23の上方に向かって反射させ、構造物Sで反射して下方に向かって進む超音波を超音波センサ35aのセンサヘッド35bに向かって反射させる。
【0029】
保護カバー35dは、例えば合成樹脂製の板状部材からなり、センサヘッド35bの上方、センサヘッド35bの基端側およびセンサヘッド35bの幅方向一方の3面を覆うように構成されている。
【0030】
構造物センサ35は、構造物Sを検出する上下方向の範囲を設定することが可能に構成されている。具体的には、図2に示すように、バスケット23に搭乗した作業者Mの作業範囲である第1所定距離D1(例えば、バスケット23の手摺上端から1m)以上で第2所定距離D2(例えば、バスケット23の手摺上端から2m、D1<D2)以下の範囲内の構造物Sを検知するように設定されている。
【0031】
以上のように構成された高所作業車において、コントローラ30は、図6に示すように、バスケット23の移動速度規制処理を行う。
【0032】
(ステップS1)
ステップS1において、CPUは、構造物Sが近接している状態を示す構造物近接フラグが01Hであるか否かを判定する。構造物近接フラグが00Hであると判定した場合にはステップS2に処理を移し、構造物近接フラグが01Hであると判定した場合にはステップS5に処理を移す。
【0033】
(ステップS2)
ステップS1において構造物近接フラグが00Hであると判定した場合に、ステップS2においてCPUは、操作部33の操作がバスケット23を上方に移動させる操作か否かを判定する。バスケット23を上方に移動させる操作であると判定した場合には、ステップS3に処理を移し、バスケット23を上方に移動させる操作でないと判定した場合には、動作速度規制処理を終了する。
【0034】
(ステップS3)
ステップS2において操作部33の操作がバスケット23を上方に移動させる操作であると判定した場合に、ステップS3においてCPUは、構造物センサ35によってバスケット23の上方の所定範囲内において構造物Sの有無を判定する。バスケット23の上方の所定範囲内に構造物Sがある場合にはステップS4に処理を移し、構造物Sがない場合には動作速度規制処理を終了する。
【0035】
(ステップS4)
ステップS3においてバスケット23の上方の所定範囲内に構造物Sがあると判定した場合に、ステップS4においてCPUは、構造物近接フラグを01Hに設定し、ステップS5に処理を戻す。
【0036】
(ステップS5)
ステップS1において構造物近接フラグが01Hであると判定した場合、または、ステップS4において構造物近接フラグが01Hに設定した後に、ステップS5においてCPUは、バスケット23の移動速度を低速に切換えて、ステップS6に処理を移す。
具体的には、構造物近接フラグが01Hに設定されていると、バスケット23の移動速度は、構造物近接フラグ00Hに設定されている場合の操作レバー33aの傾倒操作量に対応付けられた移動速度の50%の速度となる。
【0037】
(ステップS6)
ステップS6において、CPUは、ステップS5においてバスケット23の移動速度を低速に切換えた後、警報装置32によってアラーム音の出力を開始する。
【0038】
(ステップS7)
ステップS7において、CPUは、ステップS6においてアラーム音の出力を開始した後、バスケット23が所定距離下方に移動したか否かを判定する。バスケット23が所定距離下方に移動したと判定した場合にはステップS8に処理を移し、バスケット23が所定距離下方に移動したと判定しなかった場合にはステップS10に処理を移す。
【0039】
(ステップS8)
ステップS7において、バスケット23が所定距離下方に移動したと判定した場合に、ステップS8においてCPUは、アラーム音の出力を停止する。
【0040】
(ステップS9)
ステップS9においてCPUは、構造物近接フラグを00Hに設定し、動作速度規制処理を終了する。
【0041】
(ステップS10)
ステップS7において、バスケット23が所定距離下方に移動したと判定しなかった場合に、ステップS10においてCPUは、タッチセンサ34の操作がなされたか否かを判定する。タッチセンサ34の操作がなされたと判定した場合にはステップS11に処理を移し、タッチセンサ34の操作がなされたと判定しなかった場合には動作速度規制処理を終了する。
【0042】
(ステップS11)
ステップS10においてタッチセンサ34の操作がなされたと判定した場合に、ステップS11においてCPUは、バスケット23の動作を停止して動作速度規制処理を終了する。
【0043】
このように、本実施形態の高所作業車によれば、構造物センサ35が、超音波を発信することによって構造物Sまでの距離を検出可能な超音波センサ35aと、超音波センサ35aのセンサヘッド35bから発信した超音波を反射させるための反射部材35cと、を有している。これにより、超音波センサ35aから超音波を直接上方に向けて発信する必要はなく、バスケット23の手摺23bの外周側に発信した超音波を反射部材35cによって反射させてバスケット23の上方に向かって発信させることが可能となる。したがって、バスケット23に搭乗している作業者Mが構造物センサ35によって構造物Sとして検出される誤検知を防止することが可能となる。
【0044】
また、構造物センサ35が、超音波センサ35aのセンサヘッド35bを上方から覆う保護カバー35dを有している。これにより、保護カバー35dによって塵埃や雨水からセンサヘッド35bを保護することができる。したがって、センサヘッド35bに対する汚れの付着が少なくなるため、維持管理のコストの低減を図ることが可能となる。
【0045】
また、バスケット23に搭乗している作業者Mに対して所定のアラーム音を鳴らすことで警告を報知する警報装置32を備え、構造物センサ35の検出結果に基づいて警報装置32によってアラーム音を出力するようにしている。これにより、バスケット23が構造物Sに近づいた場合に、警報装置32によって作業者Mに対して警告を報知することができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0046】
また、構造物センサ35は、超音波センサ35aによって構成されている。これにより、非接触式の距離検出センサであるレーザーセンサと比較して安価に構造物センサ35を構成することが可能となり、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0047】
図7および図8は本発明の第2実施形態を示すものである。尚、前記実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
【0048】
この高所作業車1は、図7に示すように、反射部材35cが、電動モータ35eの回転軸35fに連結されている。電動モータ35eは、図8に示すように、コントローラ30の出力側に接続されている。反射部材35cは、電動モータ35eを駆動させることによって回転可能に設けられ、超音波センサ35aが発信する超音波を反射させる面の角度を変更することが可能である。
【0049】
以上のように構成された高所作業車において、前記第1実施形態と同様の動作が可能である。また、例えば、反射部材35cを電動モータ35eによって超音波を反射させる面が下方に向くように90°回転させると、超音波センサ35aから略水平方向に発信された超音波を、下方に向かって反射させることが可能となる。これにより、バスケット23が下方に移動する場合には、下方に位置する構造物Sとバスケット23との距離を検出することが可能となる。
【0050】
このように、本実施形態の高所作業車によれば、反射部材35cが、超音波センサ35aから発信された超音波を反射させる面の向きが変更可能である。これにより、バスケット23の上方以外の方向に位置する構造物Sとバスケット23との距離を検出することが可能となり、バスケット23の上方以外の移動に対しても安全性を向上させることが可能となる。
【0051】
尚、前記実施形態では、構造物センサ35として超音波センサ35aを用いたものを示したが、これに限られるものではない。バスケット23と構造物Sとの距離を計測可能な非接触式のセンサであれば、例えば、レーザーセンサ等でもよい。
【0052】
また、前記実施形態では、反射部材35cを金属製の部材によって形成したものを示したが、これに限られるものではない。超音波センサ35aから発信される超音波を反射させることが可能であれば、例えば、超音波を反射させる面が合成樹脂製等の硬質の部材から形成されているものであればよい。
【0053】
また、前記実施形態では、反射部材35cを板状の部材から形成したものを示したが、これに限られるものではない。超音波センサ35aから発信された超音波を所定の方向に反射させることが可能であれば、例えば、超音波を反射させる面を断面が方物曲線を形成するような曲面形状に形成するようにしてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、超音波センサ35aから発信された超音波を1つの反射部材35cによって反射させるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。超音波センサ35aから発信された超音波を構造物Sに到達させることが可能であれば、超音波センサ35aから発信された超音波を複数の反射部材35cによって反射させるようにしてもよい。
【0055】
また、前記実施形態では、警報装置32によってアラーム音を出力するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。バスケット23に搭乗している作業者Mに対して警告を報知することが可能であれば、例えば、警告ランプ等のように作業者Mに視覚的に報知するものであってもよい。
【0056】
また、前記第2実施形態では、超音波センサ35aから発信された超音波を下方に反射させることで、下方に移動するバスケット23からバスケット23の下方に位置する構造物Sまでの距離を検出するようにしたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、超音波センサ35aから発信された超音波を水平方向に反射させ、水平方向に移動するバスケット23からバスケット23の移動する方向に位置する構造物Sまでの距離を検出するようにしてもよい。
【0057】
また、前記第2実施形態では、反射部材35cを電動モータ35eによって回転させるようにしたものを示したが、これに限られるものではない。反射部材35cを回転可能に支持部材に保持し、手動で反射部材35cの超音波を反射させる面の角度を変更するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
22 ブーム
23 バスケット
30 コントローラ
31 コントロールバルブ
32 警報装置
33 操作部
35 構造物センサ
35a 超音波センサ
35c 反射部材
35d 保護カバー
35e 電動モータ
35f 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が搭乗するバスケットと、バスケットを移動させるバスケット移動機構と、バスケットからバスケットの移動する方向に位置する構造物等の対象物までの距離を検出する距離検出手段と、を備えた高所作業車において、
距離検出手段は、発信した信号を対象物で反射させて受信することによって対象物までの距離を検出する距離検出センサと、距離検出センサから発信された信号を発信された方向と異なる方向に反射させることが可能な反射部材と、を有している
ことを特徴とする高所作業車。
【請求項2】
前記反射部材は、距離検出センサから発信された信号を反射させる面の向きが変更可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の高所作業車。
【請求項3】
前記距離検出センサを上方から覆う保護カバーを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の高所作業車。
【請求項4】
前記バスケットに搭乗している作業者に対して警告を報知する警報手段と、
前記距離検出センサの検出結果に基づいて警報手段を制御する警報制御手段と、を備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高所作業車。
【請求項5】
前記距離検出センサは、信号として超音波を発信する超音波式のセンサである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高所作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−10589(P2013−10589A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143370(P2011−143370)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】