高排水で寸法が安定したブラウンストックウオッシャベルト
【課題】
ブラウンストックウオッシャの機械に適したベルトおよびその製造方法の提供。
【解決手段】
ベルトは、高密度の多層織りの布から作られる。好ましくは、8−ひ口の織りパターンを用いるのが良い。大きな縦糸密度/長い縦糸浮織りによって、大きな繊維支持性があり、同時に、空隙率が増大することにより、大きな排水/シーリング耐性を得る。
ブラウンストックウオッシャの機械に適したベルトおよびその製造方法の提供。
【解決手段】
ベルトは、高密度の多層織りの布から作られる。好ましくは、8−ひ口の織りパターンを用いるのが良い。大きな縦糸密度/長い縦糸浮織りによって、大きな繊維支持性があり、同時に、空隙率が増大することにより、大きな排水/シーリング耐性を得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙の製造に用いる木材パルプの調製技術に関し、より詳しくは、製紙用パルプのブラウンストック洗浄の技術に関する。
【発明の背景】
【0002】
紙の製造は、木材の加工から始まる。木材は、主要な2つの物質から主に構成される。2つの物質は、有機物であり、正確にいうと、それらの分子は、炭素原子の連鎖および環のもとに作られている。セルロース、それは植物セルの壁に見出されるものであるが、そのセルロースは、紙の製造に用いる繊維性の物質である。リグニンは、大きな複雑な分子である。それは、接着剤の一種として働き、セルロース繊維を結合し、セルの壁を強化し、木材に機械的な強度を与える。木材を紙の製造に適したパルプに変えるため、セルロース繊維をリグニンから解放しなければならない。機械的にパルプ化する場合、木材繊維を物理的に引き裂くことによって、砕木パルプを製造する。そのパルプ中に大抵のリグニンはそのままある。リグニン含量の大きい砕木パルプは、紙製品を弱くし、しかも、時が過ぎると劣化(たとえば、黄ばみ)する傾向がある。機械パルプは、新聞用紙や雑誌類の製造に主に利用される。
【0003】
パルプを製造するとき大抵の場合、リグニンは繊維から化学的に分離する。たとえば、クラフト紙を処理するとき、木材チップを水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムの溶液で加熱(「蒸解」)する。リグニンは、小さなものに分解し、溶液に溶解する。次の工程、つまり、「ブラウンストック洗浄」において、破壊した産出物および化学薬品をパルプから洗い落とし、再生ボイラーに送る。クラフト紙の無漂白パルプの色は、黒ずんだリグニンが残っているため、独特な黒褐色である。しかし、それにもかかわらず、その無漂白パルプは、非常に強靱であり、包装、薄紙(ティッシュ)およびタオル地に適している。
【0004】
より明るく、より丈夫な製品を得るためには、そのパルプを漂白しなければならない。漂白の工程において、残留リグニンの色は、中和されるか(発色団を破壊することによって)、あるいはリグニンで除去される。このプロセスは、クラフト紙パルプについて伝統的に塩素漂白によって行われ続けている。その塩素漂白の後、通常、化学薬品および破壊製品を洗浄および抽出する。このプロセスは、布の洗浄と大きなちがいはない。布繊維に埋まった汚れは、漂白によって中和されるか、あるいは破壊されて洗い出されるかのいずれかである。
【0005】
現在行われているパルプ製造プロセスにおいて、リグニン溶液は、一般に、2あるいはそれ以上の別の洗浄操作を受ける。たとえば、砕木パルプあるいは木材チップは、最初に、加圧および加温の下で化学薬品で処理される。その処理は、通常、クラフト法か、あるいは亜硫酸法のいずれかで行われる。いずれのプロセスでも、温浸によってリグニンが溶解し、それによって、繊維を解放しリグニン成分を溶解状態にする。両プロセスにおいて、結果として生じる液体は、色が黒ずんでいる。そして、パルプから排出されない残留液体および残りの汚染物をパルプから洗い取らなければならない。さらに、使った液体を実用的な高濃度で再生し、化学薬品の次の再生コストをできるだけ少なくすることが望ましい。
【0006】
そのように洗浄したパルプは確たる褐色を保持し、そのままのパルプでは、普通の場合、色が濃すぎて白紙を作ることはできない。また、リグニンが含まれると、そのようなパルプから作った紙は、高耐久性を得ることができず、やがては黄ばんでしまう。したがって、紙の白さを増すためでなく、白さの耐久性を増すために、パルプに漂白処理を施すことが普通であり、一般的に行われている。
【0007】
一般的に、漂白は、塩素漂白の段階において、塩素ガスを溶解した水を供給することにより行っている。この分野で良く知られているように、他の漂白処理、たとえば亜ニチオン酸ナトリウム処理を用いることもできる。現在一般に行われている漂白処理で用いられる3つの化学薬品は、水酸化ナトリウム(NaOH)、二酸化塩素(ClO2)および過酸化水素(H2O2)である。漂白は、単一の段階でなされることなく、2あるいはそれ以上の段階でなされ、それぞれに対し洗浄が伴う。漂白処理の後、パルプは洗浄作用を受け、使用した漂白剤および溶解リグニンを含む水を除去する。
【0008】
米国特許第5,275,024号は、排水の段階(つまり、「(地合)形成ゾーン」)と多数の向流洗浄の段階(つまり、集合的に「変位ゾーン」)とを備える、現在のベルト−タイプのパルプ洗浄機の一例を示している。その洗浄機には、循環して動く孔あきベルトがある。そのベルトは、走行端の一方を定めるプレストロールと走行端の他方を定めるクーチロールとの間に伸びている。ベルトの上部走行部分は、通常、それらのロール間に水平である。サクションボックスが連続的にベルトの下に置かれ、形成ゾーンでパルプから最初に排水するようになっている。また、それらのサクションボックスは、連続的なシャワー群と組み合わさり、変位ゾーンで洗浄と排水とをするようになっている。
【0009】
ヘッドボックスおよび形成ゾーンの下流の洗浄機は、連続的な洗浄ゾーンあるいは洗浄段階に別れている。それらの洗浄ゾーン(洗浄段階)は、上方から洗浄液が供給され、マットを通して排水されるようになっている。最も新しく、最もきれいな洗浄液は、ワイヤ(すき網)のクーチロール側の走行端に最も近いゾーンに供給される。また、そのゾーンでマットを通して排水される液体は、サクションボックスから集められ、すぐにすぐ前の洗浄ゾーンに引き渡される。このことが、ゾーンからゾーンに繰り返し行われ、その結果、最もきれいなパルプは最もきれいな水で、また、最も汚れたパルプは最もきたない水でそれぞれ処理される。
【発明の開示】
【発明のサマリー】
【0010】
この発明の発明者等は、今までの緊張ベルト、ブラウンストックウオッシャベルトについて、いくつかの不都合な点を見出した。
【0011】
特に、発明者等は、現在のベルトの設計が本来的に二者択一的な2つのタイプ、つまり、高透過性で低支持性の二重層タイプと低透過性で高支持性の単一層タイプとを含むことに気付いた。二重層の設計によれば、高透過性によって高排出速度を得ることができ、長い木材繊維(針葉樹)に用いるのに適切であるが、短繊維(広葉樹)に対しシーリング(密閉)問題を生じる。それに対し、単一層の設計では、低透過性によって高支持性をもつため、シーリングを生じさせないが、排出速度が犠牲になる。
【0012】
より一般的にいうと、今までの設計では、透過性を高めれば高めるほど、支持性が低くなり、それによって、「シーリング」の問題が増大する。すなわち、高透過性の設計によれば、パルプマットの繊維をベルト中に突き当てる(打つ)ことができ、ベルトのフィラメント間のパルプ密度を高めることができ、したがって、流れ/排水に対し抵抗をプラスすることができる。機械を操作する者は、真空度を上げることによって補正することができるが、それによってベルトの引きずりを増し、摩耗を増すことから、有効寿命を低減する。
【0013】
さらに、この発明の発明者等は、たとえば、米国特許第5,275,024号に示すウオッシャのような今までの緊張ベルト、ブラウンストックウオッシャベルトにおいては、一般に、100%ポリアミドを基礎にしたモノフィラメント(腐食性のものへの適用)、あるいは100%ポリエステルを基礎にしたモノフィラメント(酸性のものへの適用)で製造されたベルトを使用していること、およびそのようなベルトには重要な設計上の不都合があることを見出した。
【0014】
今までのウオッシャベルトに用いる材料に関連する不都合な点の一つは、ポリアミドを基礎にした布が縦方向(MD)および横方向(CD)の両方について寸法的に不安定であることである。そのような寸法的な不安定さのため、ベルトを据え付けることが困難であり、設計の許容限界を越えてベルトが伸長あるいは収縮するとき、走行問題を生じる。たとえば、布にMD収縮があると、短すぎて据え付けることができないし、また、布にMD伸びがあると、装置の引っ張り機構を越えた長さになり、走行時の引っ張り力が容認できないような低い値になる。
【0015】
不都合な点のもう一つは、吸水が起因するCD伸長によって、布の端部が食い違い、いろいろな不具合を生じることである。たとえば、縫合のためにピン留めするとき、ピン留めに手間がかかるし、不整列なループを生じ(不十分な縫合)、そして、余分な幅によって端が過度に摩耗、擦過、ほどけたり、また、余分な幅を整えるために無駄な製造時間を費やしたり、縫合を破いたりする。
【0016】
他にも次のような不都合な点がある。パルプが真空箱に直接さらされることから生じるCD収縮であり、基本的な洗浄プロセスを悪くすること。MDおよびCDの安定性の欠如であり、据え付けた後の数時間にわたって起こる吸水に起因するもので、紙料を供給し洗浄する生産を始めるに先立ち、試運転の期間が必要であること。ポリアミド材料が本来的に親水性であり、製品の寿命中(使用している間に)汚れた表面付着物が増え、また、排水性能が絶え間なく減少すること。さらに、酸が化学的に劣化することから、ポリエステルを基礎にした布の寿命が短いため、布のモノフィラメントに対し加水分解化学安定剤を高レベルに加えなければならないこと。
【0017】
今までのウオッシャベルトの欠点を克服するため、この発明のウオッシャベルトは、高密度の多層の織物で作る。
【好適な実施例の詳細な説明】
【0018】
今までのウオッシャベルト設計がもつ不都合を考慮し、この発明では、ウオッシャベルトの織物(布)の設計および材料の選定について全体的に詳しく検討し、ブラウンストックウオッシャ機械の洗浄性能を大きく改善するようにしている。この発明のベルトはブラウンストックウオッシャに広範囲に適用することができるが、そのベルトはブラック クローソン ケミ−ウオッシャ(商品名)のようなウオッシャに適用するとき、特に有益であると考える。
【0019】
この発明のベルトは、高密度の多層の織物で作る。織物は、ベルト用として無端構造を形作るように縫合するか、あるいは無端形態に織る。縫合の例として、織り縫合、ピン縫合、あるいはピンらせん形縫合を用いることができる。とにかく、織物は、高い縦糸濃度/長い縦糸の浮織りによって大きな繊維支持性を示し、同時に、空隙の容積が増加することによって、大きな排水特性を示してシーリングが生じないようにする。この織物の構造を「長い縦糸のナックルアップ」ということができる。
【0020】
この発明のベルトについて好適な織物設計は、8−ひ口の二重層である。図1Aは、好適な織物に対する織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。図1Aから分かるように、縦糸フィラメントw1が2層のシュートフィラメントの間の経路を横切っている。シュートフィラメント1,3,5,7,9,11,13および15が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,4,6,8,10,12,14および16が第2層を定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0021】
図1Bは、図1Aの織物に対する織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。図1Bから分かるように、上部のシュート層のシュートフィラメントs1が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、上部のシュート層のシュートフィラメントs2が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。両シュートフィラメントs1,s2のそれぞれについてのパターンは、シュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0022】
図1Aおよび1Bにおいて、木材パルプに接触する織物(布)面を「形成面」として示し、機械のロールに接触する織物(布)面を「着用面」として示している。
【0023】
この発明を説明するために「フィラメント」という用語を用いているが、この発明は、その厳密な意味でのフィラメントに限定されるわけではない。むしろ、フィラメントという用語は、繊維、糸、紡績糸(ヤーン)、フィラメント、モノフィラメント、マルチフィラメントなどを意味する。したがって、この発明のベルト布は、それらの材料の一つ、あるいはそれらの材料の組み合わせによって織ることができる。さらに、布を織るための材料としては、天然のものあるいは合成のものを用いることができる。さらにまた、ベルトを構成する材料として金属を用いることもできる。たとえば、金属製あるいは焼結金属製の糸を用いることができる。あるいは、単一のコア上に燒結金属シースをもつ糸を用いることができる。また、ベルトを構成する材料として、異なるタイプの金属を組み合わせて用いることもできる。
【0024】
図面に戻ると、図2Aおよび2Bは、図1Aおよび1Bの斜視図である。図2Aは布の形成面の斜視図であり、図2Bは布の着用面の斜視図である。図2Aおよび2Bのそれぞれに、縦糸フィラメントw1および シュートフィラメントs1,s2の経路を示している。
【0025】
図3Aは、図1Aおよび1Bのベルト布について、シュートフィラメント方向に沿って見た断面図である。縦糸フィラメントw1の経路を示している。
【0026】
図3Bは、図1Aおよび1Bのベルト布について、縦糸フィラメント方向に沿って見た断面図である。シュートフィラメントs1,s2の経路を示している。
【0027】
図4Aおよび4Bは、この発明のベルト布の第2の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、支持シュートを含む二重層の設計である。図4Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図4Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1’が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2’が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、支持シュートs3’が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどっている。シュートフィラメントs1’,s2’およびs3’のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0028】
図4Bは、支持シュートの実施例を伴う二重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図4Bから分かるように、縦糸フィラメントw1’が、2層のシュートフィラメントと複合した支持シュートフィラメントとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント2,5,8,11,14,17,20および23が第1層を定め、また、シュートフィラメント1,4,7,10,13,16,19および22が第2層を定めている。そして、フィラメント3,6,9,12,15,18,21および24が支持シュートフィラメントを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0029】
図5Aおよび5Bは、この発明のベルト布の第3の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、三重層の設計である。図5Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図5Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1”が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2”が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、シュートフィラメントs3”が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどっている。シュートフィラメントs1”,s2”およびs3”のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0030】
図5Bは、その三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図5Bから分かるように、縦糸フィラメントw1”が、3層のシュートフィラメントの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,6,9,12,15,18,21および24が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,5,8,11,14,17,20および23が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,4,7,10,13,16,19および22が第3層を定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0031】
図6Aおよび6Bは、この発明のベルト布の第4の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、詰めシュート(スタッファシュート糸)を含む三重層の設計である。図6Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図6Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1'''が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2'''が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、シュートフィラメントs3'''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどり、支持シュートフィラメントs4'''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第4の経路をたどっている。シュートフィラメントs1''',s2''',s3'''およびs4'''のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0032】
図6Bは、詰めシュートを含む三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図6Bから分かるように、縦糸フィラメントw1'''が、3層のシュートフィラメントと複合した詰めシュートとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,7,9,11,15,19,23,27および31が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,6,10,14,18,22,26および30が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,5,9,13,17,21,25および29が第3層を定め、フィラメント4,8,12,16,20,24,28および32が詰めシュートを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0033】
図7Aおよび7Bは、この発明のベルト布の第5の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、支持シュートを含む三重層の設計である。図7Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図7Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1''''が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2''''が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、第3のシュート層のシュートフィラメントs3''''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどり、支持シュートフィラメントs4''''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第4の経路をたどっている。シュートフィラメントs1'''',s2'''',s3''''およびs4''''のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0034】
図7Bは、支持シュートを含む三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図7Bから分かるように、縦糸フィラメントw1''''が、3層のシュートフィラメントと複合した支持シュートとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,7,11,15,19,23,27および31が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,6,10,14,18,22,26および30が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,5,9,13,17,21,25および29が第3層を定め、フィラメント4,8,12,16,20,24,28および32が支持フィラメントを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0035】
この発明の好ましいフィラメント/糸/繊維は、pH<7.5に適用するとき、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、および/またはポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、また、pH>7に適用するとき、ポリアミド(PA)6、6−6、6−10、6−12など、PP、および/またはPPSである。フィラメントとしては、0.12mmの細いものおよび1.20mmの太いものが想定されるが、フィラメントサイズの好ましい範囲は、0.30mm〜1.00mmである。さらに、織物の浸透性が300〜700cfm(cfmはエア浸透性の単位であり、1分間当たりのエアの浸透量を立方フィートで表している)になるように織るのが好ましい。
【0036】
この発明のフィラメント/糸/繊維として用いる上で適当な材料のもう一つは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。一つの実施例において、PEEKをシース−コア糸に用いている。すなわち、pH保護材料(PEEK)のシースと大きな引張応力材料(ポリエステル)のコアの構成、あるいは、たとえばデュポン社のケブラー(商品名)のような大きな引張応力をもつポリマーの上を被う汚染耐性のPETシースである。そのような糸で作ったベルトは、長期にわたって汚れなく運転し、しかも、良い排水特性を維持する。
【0037】
さらにまた、PEEKは、この発明のベルトに用いる縫合材料として好ましい。PEEK縫合の好ましいタイプは、らせん縫合である。
【0038】
この発明のウオッシャベルトは、今までのウオッシャベルトに比べて多くの利点をもつ。利点の一つは、排水特性の向上であり、実地試験によると、広範囲の紙料にわたって洗浄ゾーンのすべてで大きな排水特性を得ることから、この新しい設計思想によって、30%以上の排水増が見られた。もう一つの利点は、ブラウンストック処理における汚染物付着を阻止する材料(PET、PP、PPS)を用いていることから、運転における製品寿命(一般に、3〜12ヶ月)期間中、変わらない排水特性を示すことである。
【0039】
さらに、実地試験によると、標準設計のものを用いた場合に一般に5〜10%の低下があるとされているのに対し、運転開始から5ヶ月後でも排水あるいは洗浄効率の低下が見られなかった。
【0040】
他の利点は、この発明により作ったベルトは、CD寸法の安定性があり、縫合で端と端とを整合し、ピン縫合でピン留めを容易にすることから、据付けをより容易に行うことができることである。
【0041】
さらに他の利点は、始動時および正常運転時に、MDおよびCDの乾燥−湿りの安定性があることである。ベルトは、MDあるいはCDについて始動時に0.5%以下の寸法変化、100pli(pliは、線密度の単位であり、1pliは1ポンド/インチ、つまり約17.86kg/mである)で最大0.5%のMD伸び、および100Cで最大0.1%のCD増加を示す。
【0042】
さらにまた、他の利点は、水の吸着を平衡させるために一般に必要とされる試運転期間を除去可能であることから、この発明によるベルトを用いるブラウンストックウオッシャを始動させることが容易であることである。
【0043】
その上、この発明のベルトは、大きな繊維支持性および空隙率を示し、紙のシールリングをなくし、最小の機械調整で最大の排水能力および製造速度を得る。現行の工業標準設計によれば、形成ゾーンの排水を真空の助けで行うのが基本であり、それは、布のシーリングを生じるおそれがあり、その結果、変位ゾーンに不十分な排水および/または浸水を引き起こす可能性がある。この発明では、大きな繊維支持性をもつことから、形成ゾーンにおける真空の必要条件が小さくなり、パルプシート/マットを形成するとき布(ベルト)をシールさせることがない。それによって、次に続く変位ゾーンの向流洗浄を最適化し、同時に、引き続く洗浄ゾーンの排水に要する真空を小さくし、ベルトの寿命を増す。大きな繊維支持性をもつことは、また、紙料コンシステンシー(自由度、繊維のタイプ/長さ、チップの特性、H−ファクタ、その他)が異なる広範囲のものを取り扱うことができる点で機械の柔軟性が高まる。
【0044】
いわゆる当業者にとって、この発明の開示内容からいろいろな変形をすることができることは自明である。そのような変形は、特許請求の範囲に定める考え方の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】この発明のベルト布の第1の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図1B】この発明のベルト布の第1の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図2A】図1Aおよび1Bのベルト布の形成面の斜視図である。
【図2B】図1Aおよび1Bのベルト布の着用面の斜視図である。
【図3A】図1Aおよび1Bのベルト布について、シュートフィラメント方向に沿って見た断面図である。
【図3B】図1Aおよび1Bのベルト布について、縦糸フィラメント方向に沿って見た断面図である。
【図4A】この発明のベルト布の第2の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図4B】この発明のベルト布の第2の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図5A】この発明のベルト布の第3の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図5B】この発明のベルト布の第3の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図6A】この発明のベルト布の第4の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図6B】この発明のベルト布の第4の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図7A】この発明のベルト布の第5の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図7B】この発明のベルト布の第5の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【符号の説明】
【0046】
w1 縦糸フィラメント
s1,s2 シュートフィラメント
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙の製造に用いる木材パルプの調製技術に関し、より詳しくは、製紙用パルプのブラウンストック洗浄の技術に関する。
【発明の背景】
【0002】
紙の製造は、木材の加工から始まる。木材は、主要な2つの物質から主に構成される。2つの物質は、有機物であり、正確にいうと、それらの分子は、炭素原子の連鎖および環のもとに作られている。セルロース、それは植物セルの壁に見出されるものであるが、そのセルロースは、紙の製造に用いる繊維性の物質である。リグニンは、大きな複雑な分子である。それは、接着剤の一種として働き、セルロース繊維を結合し、セルの壁を強化し、木材に機械的な強度を与える。木材を紙の製造に適したパルプに変えるため、セルロース繊維をリグニンから解放しなければならない。機械的にパルプ化する場合、木材繊維を物理的に引き裂くことによって、砕木パルプを製造する。そのパルプ中に大抵のリグニンはそのままある。リグニン含量の大きい砕木パルプは、紙製品を弱くし、しかも、時が過ぎると劣化(たとえば、黄ばみ)する傾向がある。機械パルプは、新聞用紙や雑誌類の製造に主に利用される。
【0003】
パルプを製造するとき大抵の場合、リグニンは繊維から化学的に分離する。たとえば、クラフト紙を処理するとき、木材チップを水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウムの溶液で加熱(「蒸解」)する。リグニンは、小さなものに分解し、溶液に溶解する。次の工程、つまり、「ブラウンストック洗浄」において、破壊した産出物および化学薬品をパルプから洗い落とし、再生ボイラーに送る。クラフト紙の無漂白パルプの色は、黒ずんだリグニンが残っているため、独特な黒褐色である。しかし、それにもかかわらず、その無漂白パルプは、非常に強靱であり、包装、薄紙(ティッシュ)およびタオル地に適している。
【0004】
より明るく、より丈夫な製品を得るためには、そのパルプを漂白しなければならない。漂白の工程において、残留リグニンの色は、中和されるか(発色団を破壊することによって)、あるいはリグニンで除去される。このプロセスは、クラフト紙パルプについて伝統的に塩素漂白によって行われ続けている。その塩素漂白の後、通常、化学薬品および破壊製品を洗浄および抽出する。このプロセスは、布の洗浄と大きなちがいはない。布繊維に埋まった汚れは、漂白によって中和されるか、あるいは破壊されて洗い出されるかのいずれかである。
【0005】
現在行われているパルプ製造プロセスにおいて、リグニン溶液は、一般に、2あるいはそれ以上の別の洗浄操作を受ける。たとえば、砕木パルプあるいは木材チップは、最初に、加圧および加温の下で化学薬品で処理される。その処理は、通常、クラフト法か、あるいは亜硫酸法のいずれかで行われる。いずれのプロセスでも、温浸によってリグニンが溶解し、それによって、繊維を解放しリグニン成分を溶解状態にする。両プロセスにおいて、結果として生じる液体は、色が黒ずんでいる。そして、パルプから排出されない残留液体および残りの汚染物をパルプから洗い取らなければならない。さらに、使った液体を実用的な高濃度で再生し、化学薬品の次の再生コストをできるだけ少なくすることが望ましい。
【0006】
そのように洗浄したパルプは確たる褐色を保持し、そのままのパルプでは、普通の場合、色が濃すぎて白紙を作ることはできない。また、リグニンが含まれると、そのようなパルプから作った紙は、高耐久性を得ることができず、やがては黄ばんでしまう。したがって、紙の白さを増すためでなく、白さの耐久性を増すために、パルプに漂白処理を施すことが普通であり、一般的に行われている。
【0007】
一般的に、漂白は、塩素漂白の段階において、塩素ガスを溶解した水を供給することにより行っている。この分野で良く知られているように、他の漂白処理、たとえば亜ニチオン酸ナトリウム処理を用いることもできる。現在一般に行われている漂白処理で用いられる3つの化学薬品は、水酸化ナトリウム(NaOH)、二酸化塩素(ClO2)および過酸化水素(H2O2)である。漂白は、単一の段階でなされることなく、2あるいはそれ以上の段階でなされ、それぞれに対し洗浄が伴う。漂白処理の後、パルプは洗浄作用を受け、使用した漂白剤および溶解リグニンを含む水を除去する。
【0008】
米国特許第5,275,024号は、排水の段階(つまり、「(地合)形成ゾーン」)と多数の向流洗浄の段階(つまり、集合的に「変位ゾーン」)とを備える、現在のベルト−タイプのパルプ洗浄機の一例を示している。その洗浄機には、循環して動く孔あきベルトがある。そのベルトは、走行端の一方を定めるプレストロールと走行端の他方を定めるクーチロールとの間に伸びている。ベルトの上部走行部分は、通常、それらのロール間に水平である。サクションボックスが連続的にベルトの下に置かれ、形成ゾーンでパルプから最初に排水するようになっている。また、それらのサクションボックスは、連続的なシャワー群と組み合わさり、変位ゾーンで洗浄と排水とをするようになっている。
【0009】
ヘッドボックスおよび形成ゾーンの下流の洗浄機は、連続的な洗浄ゾーンあるいは洗浄段階に別れている。それらの洗浄ゾーン(洗浄段階)は、上方から洗浄液が供給され、マットを通して排水されるようになっている。最も新しく、最もきれいな洗浄液は、ワイヤ(すき網)のクーチロール側の走行端に最も近いゾーンに供給される。また、そのゾーンでマットを通して排水される液体は、サクションボックスから集められ、すぐにすぐ前の洗浄ゾーンに引き渡される。このことが、ゾーンからゾーンに繰り返し行われ、その結果、最もきれいなパルプは最もきれいな水で、また、最も汚れたパルプは最もきたない水でそれぞれ処理される。
【発明の開示】
【発明のサマリー】
【0010】
この発明の発明者等は、今までの緊張ベルト、ブラウンストックウオッシャベルトについて、いくつかの不都合な点を見出した。
【0011】
特に、発明者等は、現在のベルトの設計が本来的に二者択一的な2つのタイプ、つまり、高透過性で低支持性の二重層タイプと低透過性で高支持性の単一層タイプとを含むことに気付いた。二重層の設計によれば、高透過性によって高排出速度を得ることができ、長い木材繊維(針葉樹)に用いるのに適切であるが、短繊維(広葉樹)に対しシーリング(密閉)問題を生じる。それに対し、単一層の設計では、低透過性によって高支持性をもつため、シーリングを生じさせないが、排出速度が犠牲になる。
【0012】
より一般的にいうと、今までの設計では、透過性を高めれば高めるほど、支持性が低くなり、それによって、「シーリング」の問題が増大する。すなわち、高透過性の設計によれば、パルプマットの繊維をベルト中に突き当てる(打つ)ことができ、ベルトのフィラメント間のパルプ密度を高めることができ、したがって、流れ/排水に対し抵抗をプラスすることができる。機械を操作する者は、真空度を上げることによって補正することができるが、それによってベルトの引きずりを増し、摩耗を増すことから、有効寿命を低減する。
【0013】
さらに、この発明の発明者等は、たとえば、米国特許第5,275,024号に示すウオッシャのような今までの緊張ベルト、ブラウンストックウオッシャベルトにおいては、一般に、100%ポリアミドを基礎にしたモノフィラメント(腐食性のものへの適用)、あるいは100%ポリエステルを基礎にしたモノフィラメント(酸性のものへの適用)で製造されたベルトを使用していること、およびそのようなベルトには重要な設計上の不都合があることを見出した。
【0014】
今までのウオッシャベルトに用いる材料に関連する不都合な点の一つは、ポリアミドを基礎にした布が縦方向(MD)および横方向(CD)の両方について寸法的に不安定であることである。そのような寸法的な不安定さのため、ベルトを据え付けることが困難であり、設計の許容限界を越えてベルトが伸長あるいは収縮するとき、走行問題を生じる。たとえば、布にMD収縮があると、短すぎて据え付けることができないし、また、布にMD伸びがあると、装置の引っ張り機構を越えた長さになり、走行時の引っ張り力が容認できないような低い値になる。
【0015】
不都合な点のもう一つは、吸水が起因するCD伸長によって、布の端部が食い違い、いろいろな不具合を生じることである。たとえば、縫合のためにピン留めするとき、ピン留めに手間がかかるし、不整列なループを生じ(不十分な縫合)、そして、余分な幅によって端が過度に摩耗、擦過、ほどけたり、また、余分な幅を整えるために無駄な製造時間を費やしたり、縫合を破いたりする。
【0016】
他にも次のような不都合な点がある。パルプが真空箱に直接さらされることから生じるCD収縮であり、基本的な洗浄プロセスを悪くすること。MDおよびCDの安定性の欠如であり、据え付けた後の数時間にわたって起こる吸水に起因するもので、紙料を供給し洗浄する生産を始めるに先立ち、試運転の期間が必要であること。ポリアミド材料が本来的に親水性であり、製品の寿命中(使用している間に)汚れた表面付着物が増え、また、排水性能が絶え間なく減少すること。さらに、酸が化学的に劣化することから、ポリエステルを基礎にした布の寿命が短いため、布のモノフィラメントに対し加水分解化学安定剤を高レベルに加えなければならないこと。
【0017】
今までのウオッシャベルトの欠点を克服するため、この発明のウオッシャベルトは、高密度の多層の織物で作る。
【好適な実施例の詳細な説明】
【0018】
今までのウオッシャベルト設計がもつ不都合を考慮し、この発明では、ウオッシャベルトの織物(布)の設計および材料の選定について全体的に詳しく検討し、ブラウンストックウオッシャ機械の洗浄性能を大きく改善するようにしている。この発明のベルトはブラウンストックウオッシャに広範囲に適用することができるが、そのベルトはブラック クローソン ケミ−ウオッシャ(商品名)のようなウオッシャに適用するとき、特に有益であると考える。
【0019】
この発明のベルトは、高密度の多層の織物で作る。織物は、ベルト用として無端構造を形作るように縫合するか、あるいは無端形態に織る。縫合の例として、織り縫合、ピン縫合、あるいはピンらせん形縫合を用いることができる。とにかく、織物は、高い縦糸濃度/長い縦糸の浮織りによって大きな繊維支持性を示し、同時に、空隙の容積が増加することによって、大きな排水特性を示してシーリングが生じないようにする。この織物の構造を「長い縦糸のナックルアップ」ということができる。
【0020】
この発明のベルトについて好適な織物設計は、8−ひ口の二重層である。図1Aは、好適な織物に対する織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。図1Aから分かるように、縦糸フィラメントw1が2層のシュートフィラメントの間の経路を横切っている。シュートフィラメント1,3,5,7,9,11,13および15が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,4,6,8,10,12,14および16が第2層を定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0021】
図1Bは、図1Aの織物に対する織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。図1Bから分かるように、上部のシュート層のシュートフィラメントs1が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、上部のシュート層のシュートフィラメントs2が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。両シュートフィラメントs1,s2のそれぞれについてのパターンは、シュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0022】
図1Aおよび1Bにおいて、木材パルプに接触する織物(布)面を「形成面」として示し、機械のロールに接触する織物(布)面を「着用面」として示している。
【0023】
この発明を説明するために「フィラメント」という用語を用いているが、この発明は、その厳密な意味でのフィラメントに限定されるわけではない。むしろ、フィラメントという用語は、繊維、糸、紡績糸(ヤーン)、フィラメント、モノフィラメント、マルチフィラメントなどを意味する。したがって、この発明のベルト布は、それらの材料の一つ、あるいはそれらの材料の組み合わせによって織ることができる。さらに、布を織るための材料としては、天然のものあるいは合成のものを用いることができる。さらにまた、ベルトを構成する材料として金属を用いることもできる。たとえば、金属製あるいは焼結金属製の糸を用いることができる。あるいは、単一のコア上に燒結金属シースをもつ糸を用いることができる。また、ベルトを構成する材料として、異なるタイプの金属を組み合わせて用いることもできる。
【0024】
図面に戻ると、図2Aおよび2Bは、図1Aおよび1Bの斜視図である。図2Aは布の形成面の斜視図であり、図2Bは布の着用面の斜視図である。図2Aおよび2Bのそれぞれに、縦糸フィラメントw1および シュートフィラメントs1,s2の経路を示している。
【0025】
図3Aは、図1Aおよび1Bのベルト布について、シュートフィラメント方向に沿って見た断面図である。縦糸フィラメントw1の経路を示している。
【0026】
図3Bは、図1Aおよび1Bのベルト布について、縦糸フィラメント方向に沿って見た断面図である。シュートフィラメントs1,s2の経路を示している。
【0027】
図4Aおよび4Bは、この発明のベルト布の第2の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、支持シュートを含む二重層の設計である。図4Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図4Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1’が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2’が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、支持シュートs3’が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどっている。シュートフィラメントs1’,s2’およびs3’のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0028】
図4Bは、支持シュートの実施例を伴う二重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図4Bから分かるように、縦糸フィラメントw1’が、2層のシュートフィラメントと複合した支持シュートフィラメントとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント2,5,8,11,14,17,20および23が第1層を定め、また、シュートフィラメント1,4,7,10,13,16,19および22が第2層を定めている。そして、フィラメント3,6,9,12,15,18,21および24が支持シュートフィラメントを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0029】
図5Aおよび5Bは、この発明のベルト布の第3の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、三重層の設計である。図5Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図5Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1”が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2”が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、シュートフィラメントs3”が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどっている。シュートフィラメントs1”,s2”およびs3”のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0030】
図5Bは、その三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図5Bから分かるように、縦糸フィラメントw1”が、3層のシュートフィラメントの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,6,9,12,15,18,21および24が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,5,8,11,14,17,20および23が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,4,7,10,13,16,19および22が第3層を定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0031】
図6Aおよび6Bは、この発明のベルト布の第4の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、詰めシュート(スタッファシュート糸)を含む三重層の設計である。図6Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図6Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1'''が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2'''が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、シュートフィラメントs3'''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどり、支持シュートフィラメントs4'''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第4の経路をたどっている。シュートフィラメントs1''',s2''',s3'''およびs4'''のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0032】
図6Bは、詰めシュートを含む三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図6Bから分かるように、縦糸フィラメントw1'''が、3層のシュートフィラメントと複合した詰めシュートとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,7,9,11,15,19,23,27および31が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,6,10,14,18,22,26および30が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,5,9,13,17,21,25および29が第3層を定め、フィラメント4,8,12,16,20,24,28および32が詰めシュートを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0033】
図7Aおよび7Bは、この発明のベルト布の第5の実施例である織りパターンの写実的な表示であり、支持シュートを含む三重層の設計である。図7Aは、縦糸フィラメントの方向に沿って見たパターンを示す。図7Aから分かるように、第1のシュート層のシュートフィラメントs1''''が縦糸フィラメント1〜8を通る第1の経路をたどり、また、第2のシュート層のシュートフィラメントs2''''が縦糸フィラメント1〜8を通る第2の経路をたどっている。そして、第3のシュート層のシュートフィラメントs3''''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第3の経路をたどり、支持シュートフィラメントs4''''が、縦糸フィラメント1〜8を通る第4の経路をたどっている。シュートフィラメントs1'''',s2'''',s3''''およびs4''''のそれぞれについてのパターンは、それらのシュートフィラメントが8つの縦糸フィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0034】
図7Bは、支持シュートを含む三重層をシュートフィラメントの方向に沿って見た図を示している。図7Bから分かるように、縦糸フィラメントw1''''が、3層のシュートフィラメントと複合した支持シュートとの間の経路を横切っている。シュートフィラメント3,7,11,15,19,23,27および31が第1層を定め、また、シュートフィラメント2,6,10,14,18,22,26および30が第2層を定めている。そして、シュートフィラメント1,5,9,13,17,21,25および29が第3層を定め、フィラメント4,8,12,16,20,24,28および32が支持フィラメントを定めている。このパターンは、縦糸が層の8つのシュートフィラメントを横切る度ごとに繰り返される。
【0035】
この発明の好ましいフィラメント/糸/繊維は、pH<7.5に適用するとき、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、および/またはポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、また、pH>7に適用するとき、ポリアミド(PA)6、6−6、6−10、6−12など、PP、および/またはPPSである。フィラメントとしては、0.12mmの細いものおよび1.20mmの太いものが想定されるが、フィラメントサイズの好ましい範囲は、0.30mm〜1.00mmである。さらに、織物の浸透性が300〜700cfm(cfmはエア浸透性の単位であり、1分間当たりのエアの浸透量を立方フィートで表している)になるように織るのが好ましい。
【0036】
この発明のフィラメント/糸/繊維として用いる上で適当な材料のもう一つは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。一つの実施例において、PEEKをシース−コア糸に用いている。すなわち、pH保護材料(PEEK)のシースと大きな引張応力材料(ポリエステル)のコアの構成、あるいは、たとえばデュポン社のケブラー(商品名)のような大きな引張応力をもつポリマーの上を被う汚染耐性のPETシースである。そのような糸で作ったベルトは、長期にわたって汚れなく運転し、しかも、良い排水特性を維持する。
【0037】
さらにまた、PEEKは、この発明のベルトに用いる縫合材料として好ましい。PEEK縫合の好ましいタイプは、らせん縫合である。
【0038】
この発明のウオッシャベルトは、今までのウオッシャベルトに比べて多くの利点をもつ。利点の一つは、排水特性の向上であり、実地試験によると、広範囲の紙料にわたって洗浄ゾーンのすべてで大きな排水特性を得ることから、この新しい設計思想によって、30%以上の排水増が見られた。もう一つの利点は、ブラウンストック処理における汚染物付着を阻止する材料(PET、PP、PPS)を用いていることから、運転における製品寿命(一般に、3〜12ヶ月)期間中、変わらない排水特性を示すことである。
【0039】
さらに、実地試験によると、標準設計のものを用いた場合に一般に5〜10%の低下があるとされているのに対し、運転開始から5ヶ月後でも排水あるいは洗浄効率の低下が見られなかった。
【0040】
他の利点は、この発明により作ったベルトは、CD寸法の安定性があり、縫合で端と端とを整合し、ピン縫合でピン留めを容易にすることから、据付けをより容易に行うことができることである。
【0041】
さらに他の利点は、始動時および正常運転時に、MDおよびCDの乾燥−湿りの安定性があることである。ベルトは、MDあるいはCDについて始動時に0.5%以下の寸法変化、100pli(pliは、線密度の単位であり、1pliは1ポンド/インチ、つまり約17.86kg/mである)で最大0.5%のMD伸び、および100Cで最大0.1%のCD増加を示す。
【0042】
さらにまた、他の利点は、水の吸着を平衡させるために一般に必要とされる試運転期間を除去可能であることから、この発明によるベルトを用いるブラウンストックウオッシャを始動させることが容易であることである。
【0043】
その上、この発明のベルトは、大きな繊維支持性および空隙率を示し、紙のシールリングをなくし、最小の機械調整で最大の排水能力および製造速度を得る。現行の工業標準設計によれば、形成ゾーンの排水を真空の助けで行うのが基本であり、それは、布のシーリングを生じるおそれがあり、その結果、変位ゾーンに不十分な排水および/または浸水を引き起こす可能性がある。この発明では、大きな繊維支持性をもつことから、形成ゾーンにおける真空の必要条件が小さくなり、パルプシート/マットを形成するとき布(ベルト)をシールさせることがない。それによって、次に続く変位ゾーンの向流洗浄を最適化し、同時に、引き続く洗浄ゾーンの排水に要する真空を小さくし、ベルトの寿命を増す。大きな繊維支持性をもつことは、また、紙料コンシステンシー(自由度、繊維のタイプ/長さ、チップの特性、H−ファクタ、その他)が異なる広範囲のものを取り扱うことができる点で機械の柔軟性が高まる。
【0044】
いわゆる当業者にとって、この発明の開示内容からいろいろな変形をすることができることは自明である。そのような変形は、特許請求の範囲に定める考え方の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】この発明のベルト布の第1の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図1B】この発明のベルト布の第1の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図2A】図1Aおよび1Bのベルト布の形成面の斜視図である。
【図2B】図1Aおよび1Bのベルト布の着用面の斜視図である。
【図3A】図1Aおよび1Bのベルト布について、シュートフィラメント方向に沿って見た断面図である。
【図3B】図1Aおよび1Bのベルト布について、縦糸フィラメント方向に沿って見た断面図である。
【図4A】この発明のベルト布の第2の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図4B】この発明のベルト布の第2の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図5A】この発明のベルト布の第3の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図5B】この発明のベルト布の第3の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図6A】この発明のベルト布の第4の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図6B】この発明のベルト布の第4の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【図7A】この発明のベルト布の第5の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、縦糸フィラメントの方向に沿って見た図である。
【図7B】この発明のベルト布の第5の実施例についての織りパターンの写実的な表示であり、シュートフィラメントの方向に沿って見た図である。
【符号の説明】
【0046】
w1 縦糸フィラメント
s1,s2 シュートフィラメント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトであって、多層織りで高密度の織りパターンをもつ布から構成されるベルト。
【請求項2】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項3】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項4】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項3のウオッシャベルト。
【請求項5】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項6】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項5のウオッシャベルト。
【請求項7】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項8】
前記布が8−ひ口の二重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項9】
前記布が二重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項10】
前記布が支持シュートをもつ、請求項9のウオッシャベルト。
【請求項11】
前記布が三重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項12】
前記布が支持シュートをもつ、請求項11のウオッシャベルト。
【請求項13】
前記布が詰めシュートをもつ、請求項11のウオッシャベルト。
【請求項14】
前記布が、直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項15】
前記布が、直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項14のウオッシャベルト。
【請求項16】
前記布は、その布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織られた、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項17】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトを製造する方法であって、高密度の織りパターンの多層布を織る工程を備える方法。
【請求項18】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項19】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項20】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項19のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項21】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項22】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項21のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項23】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項24】
前記布が8−ひ口の二重層の織りパターンで織られた、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項25】
前記織り工程が、二重層の布を織ることを含む、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項26】
前記織り工程が、支持シュートを前記布に織り込むことを含む、請求項25のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項27】
前記織り工程が、三重層の布を織ることを含む、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項28】
前記織り工程が、支持シュートを前記布に織り込むことを含む、請求項27のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項29】
前記織り工程が、詰めシュートを前記布に織り込むことを含む、請求項27のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項30】
前記布を直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織る、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項31】
前記布を直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織る、請求項30のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項32】
前記布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織る、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項33】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトであって、高密度の織りパターンをもつ多層布で織ることによって製造されるベルト。
【請求項34】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項35】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項36】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項35のウオッシャベルト。
【請求項37】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項38】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項37のウオッシャベルト。
【請求項39】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項40】
前記布が8−ひ口の二重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項41】
前記布が二重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項42】
前記布が支持シュートをもつ、請求項41のウオッシャベルト。
【請求項43】
前記布が三重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項44】
前記布が支持シュートをもつ、請求項43のウオッシャベルト。
【請求項45】
前記布が詰めシュートをもつ、請求項43のウオッシャベルト。
【請求項46】
前記布が、直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項47】
前記布が、直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項46のウオッシャベルト。
【請求項48】
前記布は、その布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織られた、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項1】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトであって、多層織りで高密度の織りパターンをもつ布から構成されるベルト。
【請求項2】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項3】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項4】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項3のウオッシャベルト。
【請求項5】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項6】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項5のウオッシャベルト。
【請求項7】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項8】
前記布が8−ひ口の二重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項9】
前記布が二重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項10】
前記布が支持シュートをもつ、請求項9のウオッシャベルト。
【請求項11】
前記布が三重層の織りである、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項12】
前記布が支持シュートをもつ、請求項11のウオッシャベルト。
【請求項13】
前記布が詰めシュートをもつ、請求項11のウオッシャベルト。
【請求項14】
前記布が、直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項15】
前記布が、直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項14のウオッシャベルト。
【請求項16】
前記布は、その布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織られた、請求項1のウオッシャベルト。
【請求項17】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトを製造する方法であって、高密度の織りパターンの多層布を織る工程を備える方法。
【請求項18】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項19】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項20】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項19のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項21】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項22】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項21のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項23】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項24】
前記布が8−ひ口の二重層の織りパターンで織られた、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項25】
前記織り工程が、二重層の布を織ることを含む、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項26】
前記織り工程が、支持シュートを前記布に織り込むことを含む、請求項25のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項27】
前記織り工程が、三重層の布を織ることを含む、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項28】
前記織り工程が、支持シュートを前記布に織り込むことを含む、請求項27のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項29】
前記織り工程が、詰めシュートを前記布に織り込むことを含む、請求項27のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項30】
前記布を直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織る、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項31】
前記布を直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織る、請求項30のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項32】
前記布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織る、請求項17のウオッシャベルトの製造方法。
【請求項33】
ブラウンストックウオッシャに用いるウオッシャベルトであって、高密度の織りパターンをもつ多層布で織ることによって製造されるベルト。
【請求項34】
前記布が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニリンサルファイド、およびポリエーテルエーテルケトンを含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項35】
前記布が、pH保護材料のシースと大きな引張応力材料のコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項36】
前記pH保護材料がポリエーテルエーテルケトンであり、大きな引張応力材料がポリエステルである、請求項35のウオッシャベルト。
【請求項37】
前記布が、汚染耐性材料のシースと大きな引張応力ポリマーのコアをもつシース−コア糸から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項38】
前記汚染耐性材料がポリエチレンテレフタレートであり、大きな引張応力ポリマーがケブラー(商品名)である、請求項37のウオッシャベルト。
【請求項39】
前記布が、金属糸、燒結金属糸、および単一のコア上に焼結金属シースをもつ糸を含むグループから選ぶ1あるいは2以上の材料から構成される、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項40】
前記布が8−ひ口の二重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項41】
前記布が二重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項42】
前記布が支持シュートをもつ、請求項41のウオッシャベルト。
【請求項43】
前記布が三重層の織りである、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項44】
前記布が支持シュートをもつ、請求項43のウオッシャベルト。
【請求項45】
前記布が詰めシュートをもつ、請求項43のウオッシャベルト。
【請求項46】
前記布が、直径0.12mm〜1.20mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項33のウオッシャベルト。
【請求項47】
前記布が、直径0.30mm〜1.00mmの範囲のモノフィラメントで織られた、請求項46のウオッシャベルト。
【請求項48】
前記布は、その布の浸透性が300cfm〜700cfmの範囲になるように織られた、請求項33のウオッシャベルト。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2006−505715(P2006−505715A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551584(P2004−551584)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/034084
【国際公開番号】WO2004/044307
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(597098947)オルバニー インターナショナル コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/034084
【国際公開番号】WO2004/044307
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(597098947)オルバニー インターナショナル コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]