説明

高減衰発泡体を用いたエッジを包封するパネル

ガラスペイン(例えば車両の風よけ)または金属パネルなど、比較的薄い、平坦な剛性板材料によって、またはこれを通して伝達される振動またはノイズを低減する方法を提供し、そのようなパネルに、パネルからフレームに、またはフレームからパネルに伝搬するノイズまたは振動の減衰をもたらすことができる材料を、パネルとフレームの間に備え付ける。そのようなアッセンブリは、車両内の音響快適性を向上させるための車両内のグレイジングに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスペイン(例えば車両の風よけ)、または金属もしくはプラスチック板などの比較的薄く、平坦で剛性のパネル材料によって、またはそれを通して伝達される振動またはノイズを低減するための方法に関する。特に、本発明はそのようなパネルに、パネルからフレーム、またはフレームからパネルに伝搬するノイズもしくは振動の減衰をもたらすことができる材料をパネルとフレームの間に備え付けたアッセンブリに関する。そのようなアッセンブリは、車両内の音響快適性を向上させるための車両内のグレイジングに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
比較的平坦で薄いパネルは、振動もしくはノイズを伝達しやすいか、またはむしろ発生させやすい傾向があり、そのようなノイズまたは振動を減衰することが多くの用途において望ましいことであることが、長い間認識されてきた。例えば、2つの要素(ガラス板および車両の金属車体など)の少なくとも1つを通して伝搬するノイズの音響減衰をもたらすために、これらの要素の間に挿入できる音減衰ストリップまたは要素の開発に対して、相当な注目が注がれてきた。例えば、米国公開出願第2006/0165977号、同第2006/0182978号、同第2008/0056505号、および同第2007/0284916号を参照。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、そのようなパネルを含むアッセンブリを設計しようとする技術者に、より広範囲な選択肢を提供するために、パネルの振動またはノイズの発生の問題に対する代替的な解決策が望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、a)少なくとも1つのエッジを有するパネルと、b)キャリヤと、c)高減衰発泡体と、を含むアッセンブリを提供し、前記エッジは前記高減衰発泡体によって少なくとも部分的に包まれ、前記高減衰発泡体は前記キャリヤにより少なくとも部分的に収容され、前記エッジは好ましくは前記キャリヤと接触せず、前記キャリヤはフレーム内に嵌合するおよび/またはフレームに取り付けられるように適合されている。
【0005】
本発明は更に、a)少なくとも1つのエッジを有するパネルと、b)キャリヤと、c)高減衰発泡体と、d)フレームを含む製造品を提供し、前記エッジは前記高減衰発泡体によって少なくとも部分的に包まれ、前記高減衰発泡体は前記キャリヤにより少なくとも部分的に収容され、前記エッジは好ましくは前記キャリヤに接触せず、前記キャリヤは前記フレームに取り付けられている。
【0006】
加えて、本発明はアッセンブリを製造する方法を提供し、前記方法は、a)パネルのエッジを熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分以上を含むキャリヤ内に置くステップと、b)前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を変換するのに効果的な条件で、熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を加熱するステップと、を含む。
【0007】
製造品を製造する方法もまた本発明によって提供され、前記方法は、a)パネルのエッジを熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分以上を含むキャリヤ内に置くステップと、b)前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を変換するのに効果的な条件で、熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を加熱し、それによってアッセンブリを形成するステップと、c)接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付けるステップと、を含む。あるいは、製造品は、a)パネルのエッジを熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分以上を収容するキャリヤ内に置いてアッセンブリを形成するステップと、b)少なくとも1つの接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付けるステップと、c)前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を変換するのに効果的な条件で、熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を加熱するステップと、を含む方法によって調製されてよい。
【0008】
加えて、本発明はパネルのエッジを高減衰発泡体の一部分以上を収容するキャリヤ内に、前記高減衰発泡体が上記エッジを少なくとも部分的に包み、前記高減衰発泡体は前記キャリヤにより少なくとも部分的に収容されるように置くステップを含む、アッセンブリを製造する方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、製造品を製造する方法を提供し、前記方法は、a)パネルのエッジを高減衰発泡体の一部分以上を収容するキャリヤ内に、前記高減衰発泡体が前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記高減衰発泡体は前記キャリヤにより少なくとも部分的に収容されるように置いてアッセンブリを形成するステップと、b)少なくとも1つの接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付けるステップと、を含む。
【0010】
本明細書ではアッセンブリを製造する方法がさらに提供され、前記方法は、a)パネルのエッジを高減衰発泡体の一部分のくぼみ内に前記高減衰発泡体が前記エッジを少なくとも部分的に包むように置くステップと、b)前記高減衰発泡体の前記部分をキャリヤ内に、前記高減衰発泡体の前記部分が前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容されるように置くステップと、を含む。くぼみを中に有する前記高減衰発泡体部分は、押し出し成形または射出成形などの任意の適切な方法によって形成されてよく、ここで熱活性化可能な膨張性材料は、該材料を成形可能にする、および膨張(発泡)をもたらすのに効果的な、ある温度、または複数の温度に加熱される。
【0011】
本発明はまた製造品を製造する方法を提供し、前記方法は、a)パネルのエッジを高減衰発泡体の一部分のくぼみ内に、前記高減衰発泡体が前記エッジを少なくとも部分的に包むように置くステップと、b)前記高減衰発泡体の前記部分をキャリヤ内に、前記高減衰発泡体の前記部分が前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容されるように置いてアッセンブリを形成するステップと、c)少なくとも1つの接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付けるステップと、を含む。
【0012】
加えて、本発明はアッセンブリを製造する方法を提供し、前記方法は、a)パネルのエッジを熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分のくぼみ内に置くステップと、b)前記熱活性化可能な膨張性樹脂の前記部分をキャリヤ内に置くステップと、c)前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記部分を変換するのに効果的な条件で、前記熱活性化可能な樹脂の前記部分を加熱するステップと、を含む。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、製造品を製造する方法に関し、前記方法は、a)パネルのエッジを熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分のくぼみ内に置くステップと、b)前記熱活性化可能な膨張性樹脂の前記部分をキャリヤ内に置くステップと、c)前記エッジを少なくとも部分的に包み、前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記部分を変換するのに効果的な条件で、前記熱活性化可能な樹脂の前記部分を加熱し、それによってアッセンブリを形成するステップと、d)接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付けるステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による製造品の実施形態の部分断面図であり、パネル、キャリヤ、および高減衰発泡体を含むアッセンブリが、フレームに取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、用語「高減衰発泡体」は、−10〜+40℃の温度において0.1M〜1000MPaのヤング貯蔵弾性率E’、好ましくは0.5〜1の損失弾性率E’’、および0.3を上回る(好ましくは1を上回る)損失係数を有し、好ましくは周波数範囲0〜500Hzにおいて0.1MPa〜500MPaのせん断貯蔵弾性率G’も有する発泡体を意味する。
【0016】
本明細書では、フレーズ「[パネルの]前記エッジは、前記高減衰発泡体によって少なくとも包まれる」は、高減衰発泡体がパネルの最外側の周囲にある少なくとも一部(好ましくは全て)、ならびにパネルの最外側の周囲の近傍にあるパネルの各面の周辺領域の少なくとも一部(好ましくは全て)と接触することを意味する。好ましい実施形態では、高減衰発泡体はパネルの両側にわたって完全には延びていない。1つの実施形態では、高減衰発泡体の「U字」または「C字」形状のストリップは、パネルのエッジ(複数可)がストリップの内部へ延びた状態にて、パネルの全外周の周辺に連続的に延びる。
【0017】
高減衰発泡体を調製するのに使用される熱膨張性材料は、好ましくは加熱時に発泡および膨張するが、典型的に室温(例えば15〜30℃)では固体(好ましくは寸法安定性のものである)である。ある実施形態では、膨張性材料は乾燥性および非粘着性でもよく、他の実施形態では粘着性でもよい。熱膨張性材料は、好ましくは(例えば射出成形または押し出しによって)使用に合わせた所望の形態に成形または型成形されることが可能であるように配合され、そのような成形または型成形は、膨張性材料を容易に加工できるように該材料を軟化または融解させるのに十分な、室温を上回る温度であるが、膨張性材料の膨張が誘発される温度未満で実施される。成形または型成形された膨張性材料を室温まで冷却すると、所望の形状または形態を有する固体が生じる。活性化時、例えば約130℃〜240℃の温度にかけられた時(使用される膨張性材料の正確な配合によるが)、膨張性材料は典型的にその元の体積の少なくとも約50%、または少なくとも100%、または少なくとも約150%、あるいは少なくとも約200%膨張する。所望の最終用途によって要求される場合は、より高い膨張率(例えば、少なくとも約1000%)さえも選択されてよい。好ましい実施形態では、膨張性材料は少なくとも1つの熱可塑性エラストマーおよび少なくとも1つの潜在性(加熱によって活性化される)発泡剤からなる。
【0018】
熱膨張性材料の膨張は加熱ステップによって達成され、この場合、熱膨張性材料は、発泡剤および存在し得る任意の硬化剤もまた活性化させるのに効果的な時間および温度で加熱される。
【0019】
熱膨張性材料の性質に応じて、加熱ステップは典型的に130℃から240℃、好ましくは150℃から200℃の温度で実施され、このとき炉または加熱に使用される他の製造品内での滞留時間は、約10分から約30分である。
【0020】
本発明の特に有利な実施形態では、高減衰発泡体は熱膨張性材料から得られ、前記熱膨張性材料は、
−25〜70重量%、好ましくは35〜55重量%の少なくとも1つの熱可塑性エラストマー(好ましくはスチレン/ブタジエンまたはスチレン/イソプレンブロックコポリマーまたはそれらの少なくとも部分水素化誘導体)、
−15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%の少なくとも1つの非エラストマー熱可塑性物質(好ましくはエチレン/酢酸ビニルまたはエチレン/メチルアクリレートコポリマー)、
−0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%の少なくとも1つの安定剤または抗酸化剤、
−2〜15重量%の少なくとも1つの発泡剤で、好ましくは150℃の温度で加熱したときに膨張性材料を体積において少なくとも100%膨張させるのに効果的な量、
−0.5〜4重量%の1つ以上の硬化剤で、0.5〜2重量%の少なくとも1つのオレフィン性不飽和モノマーまたはオリゴマーを含んでいてもよく、および所望により、
−10重量%まで(例えば0.1〜10重量%)の少なくとも1つの粘着付与樹脂、
−5重量%(例えば0.1〜5重量%)までの少なくとも1つの可塑剤、
−10重量%(例えば0.1〜10重量%)までの少なくとも1つのワックス、
−3重量%(例えば0.05〜3重量%)までの少なくとも1つの発泡剤用活性剤
ならびに、所望により少なくとも1つのフィラー(フィラーの量は好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満である)を含んでいてもよく、そのパーセンテージは熱膨張性材料の全重量の重量パーセンテージとして表される。
【0021】
そのような熱膨張性材料は、米国特許第7,364,221号により詳細に記載されており、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
米国特許第6110958号に記載された発泡体振動減衰材料(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)もまた、本発明の高減衰発泡体成分として使用されるように適合することができる。そのような発泡体振動減衰材料は、1〜20重量パーセントのエラストマーポリマーと、20〜60重量パーセントの熱可塑性ポリマーと、0.5〜18重量パーセントの粘着付与剤と、4〜23重量パーセントのアスファルトフィラーと、20〜50重量パーセントの無機フィラーと、0.2〜7重量パーセントの発泡剤と、を含む熱膨張性材料から提供される。エラストマーポリマーは、スチレン−ブタジエンコポリマーまたはスチレンイソプレンゴム、特にポリスチレン/ポリイソプレントリブロックコポリマー、例えばスチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)ブロックコポリマーなどのゴムでよい。熱可塑性ポリマーは、例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマーおよびエチレンメチルアクリレートコポリマーから選択されてよい。
【0023】
米国特許第5635562号(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)もまた、本発明の高減衰発泡体成分を調製するように適合することができる膨張性振動減衰材料組成物を教示している。そのような組成物は、エラストマーポリマー、可塑剤、熱可塑性ポリマー、発泡剤、接着促進剤およびフィラーを含み、また、エポキシ硬化剤を含むこともできる。エラストマーポリマーは、ポリスチレンブロックおよびポリイソプレンブロックを含むトリブロックコポリマーでよい。熱可塑性ポリマーは、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アクリル、ポリエチレンおよびポリプロピレンから選択されてよい。
【0024】
本発明のさらに別の、特に有利な実施形態では、高減衰発泡体は、熱膨張性材料の活性化によって誘導され、前記熱膨張性材料は、
a)第1のガラス転移温度を有する3〜40重量%の第1の熱可塑性エラストマーと、
b)第2のガラス転移温度を有する3〜40重量%の第2の熱可塑性エラストマーであって、第1のガラス転移温度および第2のガラス転移温度は、少なくとも10℃異なる、第2の熱可塑性エラストマーと、
c)5〜50重量%の、少なくとも1つの重合性C=C二重結合を含むポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、
d)0〜30重量%の少なくとも1つの粘着付与樹脂と、
e)膨張性材料を、少なくとも20分間150℃の温度で加熱したときに、体積において少なくとも50%膨張させるのに効果的な量の、少なくとも1つの潜在性化学発泡剤と、
を含み、
ただし、a)からe)の成分の合計が、100重量%未満であり、100重量%までの残りの部分は、別の成分またはアジュバントから構成される。そのような熱膨張性材料は、2007年9月19日出願の(まだ未公開である)国際特許出願第PCT/EP2007/008141号に詳細に記載されており、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
好ましくは、第1の熱可塑性エラストマーa)および/または第2の熱可塑性エラストマーb)は、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマー、および水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される。特に、成分a)およびb)は、スチレン/イソプレン/スチレントリブロックコポリマー(SIS)および水素化スチレン/イソプレン/スチレントリブロックコポリマーから選択される。
【0026】
約0℃〜約30℃の温度範囲において特に効率的な減衰特性は、a)第1の熱可塑性エラストマーが−25〜0.0℃、好ましくは−20〜−5℃の温度範囲のガラス転移温度を有する場合、および/または、b)第2の熱可塑性エラストマーが0.1〜30℃、好ましくは4〜20℃の範囲のガラス転移温度を有する場合に得られる。最も好ましくは、a)第1の熱可塑性エラストマーは−15〜−10℃の範囲のガラス転移温度を有し、および/または、b)第2の熱可塑性エラストマーは5〜15℃の範囲のガラス転移温度を有する。
【0027】
熱可塑性エラストマーa)およびb)は、好ましくはいずれも、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)トリブロックコポリマーおよび水素化スチレン/イソプレン/スチレントリブロックコポリマーからなる群から選択される。非水素化トリブロックコポリマーが特に好ましい。スチレン含有量は、好ましくは15〜25重量%の範囲であり、より好ましくは19〜21重量%の範囲である。特に適したブロックコポリマーとして、スチレン/イソプレン/スチレントリブロックポリマー、ならびにそれらの完全水素化誘導体または部分水素化誘導体が挙げられ、ポリイソプレンブロックは、1,2および/または3,4の立体配置を有するイソプレンから誘導された比較的高い割合のモノマー部分を含有する。好ましくは、少なくとも約50%の重合イソプレンモノマー部分は1,2および/または3,4の立体配置を有し、このとき、イソプレン部分の残りの部分は1,4の立体配置を有する。この微小構造は、良好な抑制特性に寄与するものと考えられている。そのようなブロックコポリマーは、Kuraray Co.,Ltdから商標HYBRARで入手可能であり、また、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,987,194号に記載された方法を用いて調製されてもよい。適した材料は、熱可塑性エラストマーa)に関してはHybrar(登録商標)5127、および熱可塑性エラストマーb)に関してはHybrar(登録商標)5125である。
【0028】
成分c)は、熱膨張性材料の加工性、特にその押出挙動を向上させる。C=C二重結合(またはこの点に関して二重結合と等しいとみなされる対応する三重結合)の存在は、この成分の硬化挙動に不可欠である。酢酸ビニルまたは(メタ)アクリレート単位を含むポリマーまたはコポリマーが好ましい。より好ましくは、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーc)は、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される。24〜32モル%の範囲、より好ましくは27〜29モル%の範囲の酢酸ビニル含有量を有するエチレン/酢酸ビニルコポリマーが、好ましい。
【0029】
好ましくは、熱膨張性材料は、好ましくは1〜20重量%の量で存在する少なくとも1つの粘着付与樹脂d)を含む。粘着付与樹脂d)は、ロジン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、分解油蒸留物から誘導される炭化水素樹脂、芳香族粘着付与樹脂、タル油樹脂、ケトン樹脂およびアルデヒド樹脂からなる群の内で選択されてよい。適切なロジン樹脂は、アビエチン酸、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、デキストロピマール酸、パルストリン酸、上述のロジン酸のアルキルエステル、およびロジン酸誘導体の水素化生成物である。好ましくは、これは脂肪族炭化水素樹脂から選択される。分子量(数平均)は、1000〜2000の範囲でよい。軟化点(ASTM D−6090−97にしたがって計測される)は、95〜105℃の範囲でよい。適切な材料は、Escorez(登録商標)1102(ExxonMobilによって市販)である。
【0030】
熱膨張性材料は、事前に硬化するか、または例えばUV光、ガンマ線もしくは電子線など、化学線による照射によって、発泡(blowing)(「発泡(forming)」)する前に硬化してもよい。この物理硬化ステップに加えて、またはその代わりに、該材料は少なくとも1つの化学硬化剤によって硬化されてよく、これは追加的成分f)として材料中に存在する。適した硬化剤として、フリーラジカル反応を誘導することができる物質、例えばケトン過酸化物、ジアシル過酸化物、ペルエステル、ペルケタール、ヒドロペルオキシド、および他の物質、例えばクメンヒドロペルオキシド、ビス(tert−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ(−2−tert−ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン)、1,1−ジ−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミル過酸化物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−アルキルペルオキシジカーボネート、ジ−ペルオキシケタール(例えば1,1−ジ−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど)、ケトンペルオキシド(例えばメチルエチルケトン過酸化物など)および4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシn−ブチル吉草酸を含む有機過酸化物を含む。
【0031】
しかしながら、硫黄および/または硫黄化合物に基づく硬化剤が、いくつかの利点(ライン停止時のペイント焼成炉における約200℃を越える温度での、または長期の硬化時間での「過焼成」が低減され、より高い膨張率が得られ、および損失係数tanδが硬化温度からほぼ独立になる)をもたらすため、好ましい。これらの理由のため、熱膨張性材料は、硫黄および/または硫黄化合物、好ましくは元素状硫黄および少なくとも1つの有機ジ−またはポリ−硫化物の混合物に基づく少なくとも1つの化学硬化剤f)を含有することが好ましい。好ましい有機硫化物は、テトラメチルチウラムジスルフィドである。
【0032】
硬化剤は、潜在性の硬化剤でよく、すなわち室温では本質的に不活性または非反応性であるが、高温(例えば約130℃から約240℃の範囲の温度)まで加熱することによって活性化される硬化剤でよい。
【0033】
本発明のさまざまな実施形態では、以下の条件の少なくとも1つが成分の相対量に適合する。
成分a)は、5〜20重量%、好ましくは8〜16重量%の量で存在し、
成分b)は、15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%の量で存在し、
成分c)は、10〜25重量%、好ましくは12〜20重量%の量で存在し、
成分d)は、2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%の量で存在し、
成分e)は、1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の量で存在し、
化学硬化剤f)は、0.2〜5重量%、好ましくは0.7〜2重量%の量で存在し、
ただし、成分a)からf)の合計は100重量%未満であり、100重量%までの残りの部分は、更なる成分またはアジュバントから構成される。
【0034】
1つの実施形態では、本発明は、熱膨張性材料から得られた高減衰発泡体を利用し、前記熱膨張性材料は、
a)5〜20重量%の、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマーおよび水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される、−25〜0.0℃の範囲のガラス転移温度を有する第1の熱可塑性エラストマーと、
b)15〜40重量%の、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマーおよび水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される、0.1〜30℃の範囲のガラス転移温度を有する第2の熱可塑性エラストマーと、
c)10〜25重量%の、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、
d)2〜10重量%の少なくとも1つの粘着付与樹脂と、
e)膨張性物質を、150℃の温度で少なくとも20分間加熱したときに体積において少なくとも50%、好ましくは体積において少なくとも100%膨張させるのに効果的な量の、少なくとも1つの潜在性化学発泡剤と、
f)0.5〜4重量%の、硫黄および/または硫黄化合物に基づく少なくとも1つの硬化剤と、
を含み、
ただし、成分a)からf)の合計は100重量%未満であり、100重量%までの残りの部分は、別の成分またはアジュバントから構成される。
【0035】
すべての既知の発泡剤、例えば分解によってガスを遊離させる「化学発泡剤」、または「物理発泡剤」、すなわち膨張中空ビーズ(時に膨張性マイクロ球とも称される)が、発泡剤e)として適している。さまざまな発泡剤の混合物は有利に使用されてよく、例えば比較的低い活性化温度を有する発泡剤は、比較的高い活性化温度を有する発泡剤と組み合わせて使用されてもよい。
【0036】
「化学発泡剤」の例としては、アゾ、ヒドラジド、ニトロソおよびカルバジド化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジ−ニトロソ−ペンタメチレン−テトラアミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニル−スルホン−3,3’−ジスルホ−ヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジドおよびp−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられる。特に好ましい発泡剤は、アゾジカルボンアミドである。
【0037】
亜鉛化合物(例えば酸化亜鉛)および(改変)尿素などの更なる触媒または活性剤の存在は「化学発泡剤」に有利である。
【0038】
しかしながら「物理発泡剤」、特に膨張性中空マイクロビーズ(時にマイクロ球とも称される)もまた利用することができる。有利には、中空マイクロビーズは、塩化ポリビニリデンコポリマーまたはアクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーに基づいており、軽い炭化水素またはハロゲン化炭化水素などのカプセル化された揮発性物質を含有する。適した膨張性中空マイクロビーズは、例えばPierce & Stevens社(現在はHenkel Corporation社の一部である)またはAkzo Nobel社から、商標「Dualite」および「Expancel」としてそれぞれ市販されている。
【0039】
膨張性材料はまた、好ましくは
g)5〜40重量%、特に10〜30重量%のフィラー(複数可)、
h)2〜20重量%、特に2〜10重量%の可塑剤(複数可)、
i)1〜5重量%の硬化触媒(複数可)、
k)0.05〜3重量%の抗酸化剤(複数可)および/または安定剤(複数可)、
l)0.05〜5重量%、特に0.05〜3重量%の促進剤(複数可)、および
m)1〜10重量%、特に1〜5重量%の尿素
の1つ以上から選択される、1つ以上の更なる成分またはアジュバントも含んでもよい。
【0040】
適切なフィラーg)の例としては、粉砕および沈殿チョーク、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭酸カルシウム−マグネシウム、バライト、粘土、マイカ、および、例えば珪灰石および緑泥石などのアルミニウム−マグネシウム−カルシウム型のシリケートフィラーが挙げられる。フィラーの粒子は、25〜250μmの範囲の粒子サイズを有することができる。フィラーの全量は、15〜25重量%の範囲でよい。しかし、フィラーの全量もまた、10重量%未満、さらには5重量%未満に制限されてもよい。1つの実施形態では、膨張材料はフィラー(例えば上述した材料の粒子など、実質的に無機粒子として本明細書で定義される)を含まない。
【0041】
適切な可塑剤h)の例としては、二塩基酸(例えばフタレートエステル)の炭素原子1〜10個のアルキルエステル、ジアリールエーテル、ポリアルキレングリコールのベンゾエート、有機リン酸塩、およびフェノールまたはクレゾールのアルキルスルホン酸エステルが挙げられる。例えば、ジイソノニルフタレートは可塑剤として使用されてよい。
【0042】
酸化亜鉛は、所望により活性化形態で、好ましくは硬化触媒i)として使用してよい。
【0043】
適した抗酸化剤および安定剤k)は、立体障害を有するフェノールおよび/またはチオエーテル、立体障害を有する芳香族アミンなどを含む。フェノール系抗酸化剤が好ましい。
【0044】
適した促進剤l)は、チアゾールおよびスルフェンアミドから選択してよい。2−メルカプトベンゾチアゾールと組み合わせてN,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドを使用することが特に好ましい。
【0045】
好ましい発泡剤、硬化剤、硬化触媒および硬化促進剤の特別な組み合わせによって、加熱によって材料を膨張させて独立気泡発泡体をもたらすことができる。ポリマーが発泡プロセス中に破裂することなく伸張するため、少なくとも部分的に塗膜形成性であるポリマーa)およびb)の好ましい選択もまた、独立気泡発泡体の形成に寄与する。独立気泡発泡体は、水による充填または浸透が不可能であるので好ましい。
【0046】
本発明のある実施形態では、熱膨張性材料の成分は、膨張性材料がエポキシ樹脂などのいかなる熱硬化性樹脂も有さない、または実質的に有さない(例えば膨張性材料は、5重量%未満または1重量%未満のエポキシ樹脂を含有する)ように選択される。
【0047】
未硬化の熱膨張性材料は、押し出しおよび切断によって、または例えば60〜80℃の範囲の温度での射出成形によって所望の形状にすることができる。輸送の目的で、熱膨張性材料を(例えば低温の金属テープ上に)押し出し、および粒状にすることができる。使用する時に、この顆粒は、押し出しまたは射出成形によって成形するために、60〜80℃の範囲の温度で加熱することによって再度軟化させることができる。
【0048】
本発明のパネルの構成要素は、金属(例えば鋼、アルミニウム)パネル、プラスチック(例えばポリカーボネート、アクリル)パネルまたはガラスパネルなど、当技術分野で既知の任意の比較的薄いシート状材料の中から選択してよい。そのようなパネルは、平坦または湾曲したものでよい。本発明は、例えば車両(例えば風よけ)または建物(例えば窓)用途に使用されるものなど、ガラス板から放出する、またはそれによって伝達するノイズまたは振動を減衰するのに特に有用である。そのようなパネルは、典型的に4つのエッジを有する形状の正方形または矩形のものであるが、本発明は、そのような形状のパネルに限定されない。
【0049】
本発明のキャリヤの構成要素は、金属製でよい。好ましい金属は鋼であり、特に亜鉛めっき鋼およびアルミニウムである。金属は、腐食に対するその抵抗を向上させるために、化成処理および/または塗装によって事前に処理されてよい。
【0050】
キャリヤは、所望により(例えばガラス繊維で)繊維強化、および/または他の種類のフィラーで強化されていてもよい合成材料製でもよい。好ましい合成材料は、低吸水率および少なくとも180℃まで寸法安定性を有する熱可塑性合成材料である。適した熱可塑性合成材料として、例えば、ポリアミド、ポリエステル、芳香族ポリエーテル、ポリエーテルケトンなどが挙げられる。キャリヤは、代替的に熱硬化性材料から製作されてよい。
【0051】
キャリヤは、高減衰発泡体のための支持体または筺体として働き、したがって、本発明の好ましい実施形態ではキャリヤは、断面が「L字」形、「U字」形、「C字」形などでよいチャネルの形態のものである。キャリヤは、パネルのエッジの挿入を可能にするために少なくとも1つの側部に沿って開放しているが、好ましくは高減衰発泡体を実質的に収容するためにその他の側部は封止されている。(高減衰発泡体を伴った)キャリヤは、パネルの周囲全体に沿って、またはパネルの1つだけのエッジ(パネルエッジの全長またはその一部分)、または2つ以上であるがパネルのすべてのエッジより少ないエッジに沿って延びることができる。例えば、パネルが4つのエッジを有する実施形態では、キャリヤは、エッジの1つ、2つ、3つ、または4つすべてに沿って配置され得る。2つ以上のキャリヤ構成要素が、パネルの単一のエッジに沿って配置されてよい(例えば2つのキャリヤ構成要素が、パネルエッジに沿って、それらの間に空間または空隙を伴って配置され得る)。キャリヤがパネルの周囲全体に沿って延びる場合、個々のキャリヤ構成要素は、便宜上、最初に別個に供給し、パネルの周りで一緒に組み立てることができる。
【0052】
キャリヤの厚さは特に重要であるとは考えられていないが、本発明による製造品の個々の構成要素を組み立てる前後両方で望まれるまたは要求される、キャリヤが構築される材料およびその強度、剛性など、必要に応じて選択することができる。同様に、キャリヤの他の寸法(例えば長さ、幅、高さ)は、本発明を特定の最終使用用途に適合させるために所望に応じて、または必要に応じて変化させてもよい。
【0053】
パネル、キャリヤ、および高減衰発泡体(またはそのような高減衰発泡体の前駆体である熱活性化可能な膨張性材料の一部分(複数可))からなるアッセンブリが取り付けられるフレームは、そのようなアッセンブリを受け入れ、支持することができる任意の適した形状のものでよい。例えば、フレームは、サイズ、形状および構造においてそのようなアッセンブリに概ね対応する車両本体内の内周開口部を含むことができ、この場合、パネルは風よけなどの透明なプレート部材である。そのような実施形態では、フレームは典型的には金属から構築されるが、プラスチックまたはゴムなどの他の材料も利用することができる。フレームは、断面は概ね「L字」形でよく、それによってアッセンブリがその開口部下方に嵌合し、その周囲の少なくとも一部の周辺で「L字」の低い方の脚部と接触する。換言すれば、挿入されたアッセンブリを支持することができるフランジが、そのような開口部内に突起、または突き出していても良い。1つの実施形態では、そのようなフランジは、パネルの上部(外側)表面が開口部に隣接する車両本体の最も外側の表面と実質的に同一平面になるように配置される。アッセンブリは、接着剤(例えば構造用接着剤)ならびに/またはボルト、クリップ、ねじ、ブラケットなどの1つ以上の機械固定具など、任意の適切な方法を用いてフレームに固定されてよい。本発明の少なくとも特定の実施形態では、液密シールがパネルとフレームの間に形成されるように、高減衰発泡体、キャリヤ、フレームおよびアッセンブリの取り付け手段の組み合わせによって、アッセンブリおよびアッセンブリをフレーム内に装着する方法を設計することが望ましい。好ましくは、結果としてもたらされる製造品(例えば、中に装着されたガラス窓または風よけを有する車両本体)は、車両が作動中に乱気流によって引き起こされたノイズを最小限に抑えることを助ける空気力学的形状を有するように形作られる。
【0054】
本発明の1つの実施形態が図1に示され、ここでは、本発明による製造品の一部分が断面で示されている。パネル1のエッジは高減衰発泡体2によって包まれ、それによってパネル1の端面6、周囲表面7および周囲表面8が、高減衰発泡体2と接触する。そしてまた、高減衰発泡体2はチャネル形状のキャリヤ3内に収容される。キャリヤ3は、接着剤層5を用いて、この実施形態では「L字」形状を有するフレーム4に取り付けられる。フレーム4は自動車両の本体など、より大きい構造の一部を含むことができる。この配置によってパネル1は、従来的なパネル取り付け方法を用いて該パネルがより直接的にフレーム4に取り付けられているならば、高減衰発泡体2がパネルからフレーム、またはフレームからパネルに伝搬する可能性のある任意のノイズまたは振動を、減衰または抑制するのに役立つように、フレーム4を固定することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つのエッジを有するパネルと、b)キャリヤと、c)高減衰発泡体とを含むアッセンブリであって、前記エッジは前記高減衰発泡体によって少なくとも部分的に包まれ、前記高減衰発泡体は前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容され、前記キャリヤはフレーム内に嵌合するおよび/またはフレームに取り付けられるように適合される、アッセンブリ。
【請求項2】
前記パネルの前記エッジが前記キャリヤと接触しない、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項3】
前記キャリヤがチャネル形状のものである、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項4】
前記キャリヤが、ある体積を有する内部部分を含み、前記パネルの前記エッジによって占有された体積部分以外の前記体積が、前記高減衰発泡体によって充填される、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項5】
前記高減衰発泡体が熱膨張性材料から得られ、前記熱膨張性材料が、
a)第1のガラス転移温度を有する3〜40重量%の第1の熱可塑性エラストマーと、
b)第2のガラス転移温度を有する3〜40重量%の第2の熱可塑性エラストマーであって、前記第1のガラス転移温度および前記第2のガラス転移温度は、少なくとも10℃異なる、第2の熱可塑性エラストマーと、
c)5〜50重量%の、少なくとも1つの重合性C=C二重結合を含むポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと、
d)0〜30重量%の少なくとも1つの粘着付与樹脂と、
e)前記膨張性材料を、少なくとも20分間150℃の温度で加熱したときに体積において少なくとも50%膨張させるのに効果的な量の、少なくとも1つの潜在性化学発泡剤と
を含み、
ただし、a)からe)の成分の合計が100重量%未満であり、100重量%までの残りの部分は更なる成分またはアジュバントから構成される、
を含む、請求項1に記載のアッセンブリ。
【請求項6】
a)少なくとも1つのエッジを有するパネルと、b)キャリヤと、c)高減衰発泡体と、d)フレームとを含む製造品であって、前記エッジは前記高減衰発泡体によって少なくとも部分的に包まれ、前記高減衰発泡体は前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容され、前記キャリヤは前記フレームに取り付けられる、製造品。
【請求項7】
前記パネルの前記エッジが前記キャリヤに接触しない、請求項6に記載の製造品。
【請求項8】
前記キャリヤが、接着剤および/または1つ以上の機械固定具によって前記フレームに取り付けられる、請求項6に記載の製造品。
【請求項9】
製造品を製造する方法であって、
a)パネルのエッジを、熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分以上を含むキャリヤ内に置くステップと、b)前記アッセンブリを少なくとも1つの接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いてフレームに取り付けるステップと、c)前記エッジを少なくとも部分的に包み、および前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を変換するのに効果的な条件で、熱活性化可能な膨張性樹脂の前記一部分以上を加熱するステップ
を含む、方法。
【請求項10】
アッセンブリを製造する方法であって、
a)パネルのエッジを、熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分以上を含むキャリヤ内に置くステップと、b)前記エッジを少なくとも部分的に包み、および前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を変換するのに効果的な条件で、熱活性化可能な樹脂の前記一部分以上を加熱するステップ
を含む、方法。
【請求項11】
アッセンブリを製造する方法であって、a)パネルのエッジを、高減衰発泡体の一部分のくぼみ内に、前記高減衰発泡体が前記エッジを少なくとも部分的に包むように置くステップと、b)前記高減衰発泡体の前記部分を、キャリヤ内に、前記高減衰発泡体の前記部分が前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容されるように置くステップとを含む、方法。
【請求項12】
アッセンブリを製造する方法であって、a)パネルのエッジを、熱活性化可能な膨張性樹脂の一部分のくぼみ内に置くステップと、b)前記熱活性化可能な膨張性樹脂の前記部分を、キャリヤ内に置くステップと、c)前記エッジを少なくとも部分的に包み、および前記キャリヤによって少なくとも部分的に収容される高減衰発泡体に、前記熱活性化可能な樹脂の前記部分を変換するのに効果的な条件で、前記熱活性化可能な膨張性樹脂の前記部分を加熱するステップとを含む、方法。
【請求項13】
製造品を製造する方法であって、請求項10〜12のいずれか一項に記載のアッセンブリを、少なくとも1つの接着剤および/または1つ以上の機械固定具を用いて前記アッセンブリをフレームに取り付ける追加的なステップにかけるステップを含む、方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−501900(P2012−501900A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526219(P2011−526219)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/055999
【国際公開番号】WO2010/028222
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】