高温媒体供給装置
【課題】第1端末と第2端末とで第1加熱手段を共有しつつ、第1端末と第2端末とに、異なる温度の高温媒体を供給可能な高温媒体供給装置を提供する。
【解決手段】給水を加熱して高温水(給湯、湯張り水)を生成する給湯用熱交換器30と、給湯用熱交換器30と温水コックXとを接続し、給湯用熱交換器30からの給湯を温水コックXに供給する給湯回路40と、給湯用熱交換器30と浴槽Yとを接続し、給湯用熱交換器30からの湯張り水を浴槽Yに供給する湯張り回路50と、給湯用熱交換器30からの湯張り水と、湯張り水よりも低温の給水とを混合する混合弁60と、を備える給湯機1であって、給湯要求と湯張り要求とが同時にある場合において、設定給湯温度が設定ふろ温度よりも高いとき、給湯用熱交換器30は、その目標温度を設定給湯温度とし、混合弁60は、浴槽Yに向かう湯張り水が設定ふろ温度となるように、湯張り水と給水とを混合する。
【解決手段】給水を加熱して高温水(給湯、湯張り水)を生成する給湯用熱交換器30と、給湯用熱交換器30と温水コックXとを接続し、給湯用熱交換器30からの給湯を温水コックXに供給する給湯回路40と、給湯用熱交換器30と浴槽Yとを接続し、給湯用熱交換器30からの湯張り水を浴槽Yに供給する湯張り回路50と、給湯用熱交換器30からの湯張り水と、湯張り水よりも低温の給水とを混合する混合弁60と、を備える給湯機1であって、給湯要求と湯張り要求とが同時にある場合において、設定給湯温度が設定ふろ温度よりも高いとき、給湯用熱交換器30は、その目標温度を設定給湯温度とし、混合弁60は、浴槽Yに向かう湯張り水が設定ふろ温度となるように、湯張り水と給水とを混合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯端末等の第1端末と、浴槽端末等の第2端末とに、高温媒体(給湯、湯張り水)を供給する高温媒体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタンク式の給湯機(高温媒体供給装置)は、高温のタンク水を貯溜するタンクと、高温のタンク水と低温の給水(低温媒体)とを熱交換させ、給湯を生成する給湯用熱交換器(第1加熱手段)と、給湯を給湯端末(第1端末)に供給する第1供給回路と、高温のタンク水を浴槽端末(第2端末)に供給する第2供給回路と、を備えるものが知られている(特許文献1参照)。
なお、タンクには、タンクを保護するため減圧弁によって減圧された給水が導入され、タンク内の水は、ヒートポンプや電気ヒータによって加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の給湯機は、タンク内の圧力の低いタンク水を浴槽端末に供給するので、タンク内の圧力以上で、浴槽端末にタンク水を供給できず、浴槽端末が高い位置に配置される場合や、タンクと浴槽端末とを接続する配管の抵抗が大きい・長い場合、浴槽端末に湯張りできない、又は、湯張りに時間を要する虞がある。
【0005】
そこで、給湯用熱交換器で生成した給湯を、湯張り水として浴槽端末に供給する構成が考えられる。つまり、1つの給湯用熱交換器を、給湯端末と浴槽端末とで共有する構成が考えられる。
【0006】
しかしながら、給湯端末からの給湯要求(高温媒体要求)と、浴槽端末からの湯張り要求(高温媒体要求)とが同時にあった場合において、要求された給湯温度(目標第1温度)と、要求されたふろ温度(目標第2温度)とが異なるとき、1つの給湯用熱交換器では、対応できないという不都合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、第1端末と第2端末とで第1加熱手段を共有しつつ、第1端末と第2端末とに、異なる温度の高温媒体を供給可能な高温媒体供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、低温媒体(後記する実施形態では給水)を加熱して高温媒体(高温水)を生成する第1加熱手段(給湯用熱交換器)と、前記第1加熱手段と第1端末(温水コック)とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路(給湯回路)と、前記第1加熱手段と第2端末(浴槽)とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路(湯張り回路)と、前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段からの高温媒体と、前記高温媒体よりも低温の低温媒体(給水)とを混合する第1混合弁と、を備える高温媒体供給装置(給湯機)であって、前記第1端末からの高温媒体要求(給湯要求)と、前記第2端末からの高温媒体要求(湯張り要求)とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度(設定給湯温度)が、前記第2端末で要求される目標第2温度(設定ふろ温度)よりも高いとき、前記第1加熱手段は、その目標温度(出口温度)を前記目標第1温度とし、前記第1混合弁は、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの高温媒体と、低温媒体とを混合することを特徴とする高温媒体供給装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1端末と第2端末とで第1加熱手段を共有しつつ、第1端末と第2端末とに異なる温度の高温媒体を供給可能な高温媒体供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る給湯機の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る給湯機の制御パターン選択処理を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る給湯機の制御パターンA(設定給湯温度=設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る給湯機の給湯運転を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る給湯機の湯張り運転を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB(設定給湯温度>設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB1(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に給湯)を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB2(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの前半部分である。
【図9】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB2(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの後半部分である。
【図10】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC(設定給湯温度<設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC1(設定給湯温度<設定ふろ温度、先に給湯)を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC2(設定給湯温度<設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの後半部分である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0012】
≪給湯機の構成≫
本実施形態に係る貯湯式の給湯機1(高温媒体供給装置)は、タンク11と、タンク11に貯溜されているタンク水の温度を検出する温度センサ12と、タンク水を加熱し沸き上げるヒートポンプ20と、給水(低温媒体)を加熱して高温水(給湯、湯張り水、高温媒体)を生成する給湯用熱交換器30(第1加熱手段)と、給湯用熱交換器30で生成した高温水を温水コックX(第1端末、給湯端末)に供給する給湯回路40(第1供給回路)と、給湯用熱交換器30で生成した高温水を浴槽Y(第2端末)に供給する湯張り回路50(第2供給回路)と、湯張り回路50に設けられた混合弁60(第1混合弁)と、浴槽Yの風呂水を追い焚きする追焚き回路70(第2加熱手段)と、リモコン80と、これらを電子制御するコントローラ90(制御手段)と、を備えている。
【0013】
<タンク、温度センサ>
タンク11は、その内部に水を貯溜する縦型のものである。
温度センサ12は、タンク11内の水の温度を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。なお、温度センサ12は、タンク11内の水の高さ方向における温度分布を検出可能なように、高さ方向において複数取り付けられている。
【0014】
そして、外部の給水源からの給水(水道水)が、配管13a、所定圧力に減圧する減圧弁13、配管13bを介して、タンク11の下部(底部)に導入されるようになっている。
【0015】
また、タンク11の下部は、配管14a、沸き上げポンプ14、配管14b、コンデンサ22(凝縮器)、配管14cを介して、タンク11の上部に接続されている。
そして、タンク11内の水の沸き上げ時、つまり、ヒートポンプ20(コンプレッサ21)が作動している状態で、沸き上げポンプ14が作動すると、タンク11の下部のタンク水が沸き上げポンプ14に吸引され、コンデンサ22で加熱された後、タンク11の上部に流入するようになっている。
【0016】
<ヒートポンプ>
ヒートポンプ20は、冷媒を圧縮/膨張させることで、熱を汲み上げ、配管14a〜配管14cを循環するタンク水を加熱し、沸き上げる装置である。
【0017】
ヒートポンプ20は、コントローラ90の指令に従って作動し、冷媒を圧縮し高温とするコンプレッサ21と、コンプレッサ21からの高温の冷媒を凝縮させると共に、循環する水を加熱するヒータとなるコンデンサ22(凝縮器)と、コンデンサ22からの冷媒を膨張させる膨張弁23と、外気の熱を吸熱し、膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータ24(蒸発器)と、を備えている。
【0018】
なお、ヒートポンプ20は、コントローラ90によって、温度センサ12を介して検出されるタンク水の温度が所定タンク水温度以上となるように、ON/OFF制御される。
また、タンク水を加熱する加熱手段は、ヒートポンプ20に限定されず、その他に例えば、タンク11内に設けられ、通電すると発熱する複数の電気ヒータでもよい。
【0019】
<給湯用熱交換器>
給湯用熱交換器30は、減圧弁13の上流の減圧されていない給水を加熱し、高温水を生成するものである。
具体的には、給湯用熱交換器30の一次側流路30aの出口は、配管31a、給湯ポンプ31、配管31bを介して、タンク11の下部に接続されており、タンク11の上部は、配管31cを介して、一次側流路30aの入口に接続されている。そして、コントローラ90の指令に従って給湯ポンプ31が作動すると、高温のタンク水がタンク11と給湯用熱交換器30との間で循環するようになっている。
【0020】
一方、給湯用熱交換器30の二次側流路30bの入口は、配管30cを介して減圧弁13の上流の配管13aに接続されている。
そして、高温のタンク水が循環した状態で、給水が二次側流路30bを通流すると、高温のタンク水と低温の給水との間で熱交換し、給水が加熱されて、高温水が生成するようになっている。
【0021】
<給湯回路>
給湯回路40は、配管41aと、流量センサ41と、温度センサ42と、を備えている。
配管41aは、給湯用熱交換器30の二次側流路30bの出口と、温水コックXとを接続している。そして、給湯用熱交換器30で生成した給湯(高温水)は、配管41aを通って温水コックXに供給されるようになっている。
【0022】
流量センサ41は、配管41aに取り付けられており、配管41aを通流する給湯の流量を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。そして、コントローラ90は、給湯の流量が0よりも大きい場合、現在、給湯要求があると判定するように設定されている。
【0023】
温度センサ42は、給湯用熱交換器30で生成した高温水の温度(出口温度という)を検出するように、配管41aの給湯用熱交換器30側に取り付けられている。そして、温度センサ42は、検出した出口温度をコントローラ90に出力するようになっている。
【0024】
<湯張り回路、混合弁>
湯張り回路50は、配管51a〜51dと、湯張り時に開かれる常閉型の湯張り弁51(遮断弁)と、流量センサ52と、温度センサ53と、を備えている。
配管41aは、配管51aを介して、混合弁60の第1入口ポートに接続されている。そして、給湯用熱交換器30からの高温水は、配管51aを通って、混合弁60に供給されるようになっている。
配管30cは、配管51bを介して、混合弁60の第2入口ポートに接続されている。そして、配管30cからの給水は、配管51bを通って、混合弁60に接続されている。
【0025】
混合弁60は、コントローラ90の指令に従って、配管51aからの高温水と配管51bからの給水との混合比を適宜に制御し、浴槽Yに向かう湯張り水の温度を制御する弁である。
混合弁60の出口ポートは、配管51c、湯張り弁51、配管51dを介して、浴槽Yに接続されている。そして、混合弁60で温度調整された湯張り水は、配管51c、湯張り弁51、配管51dを通って、浴槽Yに供給されるようになっている。
【0026】
流量センサ52は、配管51dに取り付けられており、浴槽Yに向かう湯張り水の流量を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
【0027】
温度センサ53は、配管51dに取り付けられており、浴槽Yに向かう湯張り水の温度を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
なお、湯張り時以外において、配管51dは浴槽Yの浴水で満たされるから、温度センサ53を介して、現在の浴水の温度(ふろ温度)も検出されるようになっている。ただし、浴槽Yにふろ温度検出用の温度センサを別途取り付けてもよい。
【0028】
<追焚き回路>
追焚き回路70は、追焚き時に作動し、浴槽Yの浴水を循環させる追焚きポンプ71を備えている。
【0029】
さらに説明すると、配管51dは、配管71aを介して、追焚きポンプ71の吸入口に接続されており、追焚きポンプ71の吐出口は、配管71bを介して、浴槽Yに接続されている。配管71bの途中は、高温のタンク水が貯溜しやすいタンク11内の上部を蛇行しながら経由しており、高温のタンク水と、循環する浴水とを熱交換させ、浴水を加熱する熱交換部72を構成している。
【0030】
<リモコン>
リモコン80は、浴室やキッチンに配置され、湯張り等をするため人が操作する装置である。そして、リモコン80は、湯張りボタン81と、温調ボタン82、83と、ふろ量調整ボタン84と、液晶部85と、を備えている。
【0031】
湯張りボタン81は、浴槽Yに湯張りする湯張り時にONされるボタンである。温調ボタン82は、給湯温度を調整・設定する場合に操作されるボタンである。温調ボタン83は、ふろ温度を調整・設定する場合に操作されるボタンである。ふろ量調整ボタン84は、浴槽Yに貯溜する浴水を調整・設定する場合に操作されるボタンである。液晶部85は、設定されている給湯温度、ふろ温度、ふろ量を表示する部分である。
【0032】
<コントローラ>
コントローラ90(制御手段)は、給湯機1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、各種機器を制御するようになっている。
【0033】
≪給湯機の動作≫
次に、給湯機1の動作について、図2〜図12を参照して説明する。
【0034】
≪制御パターン選択処理≫
まず、図2を参照して、給湯機1の制御パターンA〜Cを選択する処理を説明する。なお、図2の処理は所定周期にて繰り返されている。
【0035】
ステップS11において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定給湯温度は設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
設定給湯温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S11・Yes)、コントローラ90の処理はステップS12に進む。一方、設定給湯温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S11・No)、コントローラ90の処理はステップS13に進む。
【0036】
ステップS12において、コントローラ90は、制御パターンAを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0037】
ステップS13において、コントローラ90は、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高いか否か判定する。
設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高いと判定した場合(S13・Yes)、コントローラ90の処理はステップS14に進む。一方、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高くないと判定した場合(S13・No)、コントローラ90の処理はステップS15に進む。なお、ステップS15に進む場合は、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも低い場合である。
【0038】
ステップS14において、コントローラ90は、制御パターンBを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0039】
ステップS15において、コントローラ90は、制御パターンCを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0040】
『制御パターンA、設定給湯温度=設定ふろ温度』
次に、図3〜図5を参照して、制御パターンAが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0041】
ステップS101において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。具体的には、流量センサ41を介して検出される温水コックXに向かう給湯の流量が、0よりも大きい場合、温水コックXは開いており、給湯要求があると判定される。
給湯要求はあると判定した場合(S101・Yes)、コントローラ90の処理はステップS102に進む。一方、給湯要求はないと判定した場合(S101・No)、コントローラ90の処理はステップS108に進む。
【0042】
<給湯運転>
ステップS102において、コントローラ90は、給湯運転を実行する。
具体的には、図4の給湯運転のフローに移行する。なお、このよう移行する場合にいて、給湯ポンプ31が停止しているとき、給湯ポンプ31を所定回転速度にて回転させる。
【0043】
ステップS201において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定給湯温度が、温度センサ42を介して検出される給湯用熱交換器30の出口温度よりも高いか否か判定する。
【0044】
設定給湯温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S201・Yes)、コントローラ90の処理はステップS202に進む。なお、このようにステップS202に進む場合は、給湯がヌルイ場合である。
一方、設定給湯温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S201・No)、コントローラ90の処理はステップS203に進む。なお、このようにステップS203に進む場合は、給湯がアツイ場合である。
【0045】
ステップS202において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS103に進む。
【0046】
ステップS203において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS103に進む。
【0047】
図3に戻って説明を続ける。
ステップS103において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。具体的には、リモコン80の湯張りボタン81がONされている場合、湯張り要求はあると判定される。
湯張り要求はあると判定した場合(S103・Yes)、コントローラ90の処理はステップS104に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S103・No)、コントローラ90の処理はステップS101に進む。この場合、給湯運転が単独で継続されることになる。
【0048】
ステップS104において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0049】
ステップS105において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。混合弁60の給湯側を全開にするとは、配管51aからの給湯と、配管51bからの給水との混合比を、「給湯:給水=100:0」にすることを意味する。
【0050】
そうすると、設定ふろ温度の温水(給湯)が、湯張り水として、給湯用熱交換器30から、配管51a、配管51c、配管51dを通って、浴槽Yに供給され、湯張りが進む。
なお、「設定給湯温度=設定ふろ温度」であって、ステップS102の処理が実行されているので、浴槽Yに向かう湯張り水の温度は設定ふろ温度となっている。
【0051】
ステップS106において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
なお、実測ふろ量は、流量センサ52を介して検出される湯張り水の流量を時間で積分することで算出される。
【0052】
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S106・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS107に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S106・No)、コントローラ90はステップS106の判定を繰り返す。
【0053】
ステップS107において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じ、湯張りを終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS101に進む。
【0054】
次に、ステップS101の判定結果がNoとなって進むステップS108を説明する。
ステップS108において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S108・Yes)、コントローラ90の処理はステップS109に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S108・No)、コントローラ90の処理はステップS101に進む。
【0055】
<湯張り運転>
ステップS109において、コントローラ90は、湯張り運転を実行する。
具体的には、図5の湯張り運転のフローに移行する。なお、このように移行する場合において、給湯ポンプ31が停止しているとき、給湯ポンプ31を所定回転速度にて回転させる。
【0056】
ステップS301において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0057】
ステップS302において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
そうすると、湯張り水(高温水)が、給湯用熱交換器30から、配管51a、配管51c、配管51dを通って、浴槽Yに供給され、湯張りが進む。
【0058】
ステップS303において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定ふろ温度が、温度センサ42を介して検出される出口温度(湯張り水の温度)よりも高いか否か判定する。
【0059】
設定ふろ温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S303・Yes)、コントローラ90の処理はステップS304に進む。なお、このようにステップS304に進む場合は、湯張り水がヌルイ場合である。
一方、設定ふろ温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S303・No)、コントローラ90の処理はステップS305に進む。なお、このようにステップS305に進む場合は、湯張り水がアツイ場合である。
【0060】
ステップS304において、コントローラ90は、出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0061】
ステップS305において、コントローラ90は、出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0062】
ステップS306において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S306・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS307に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S306・No)、コントローラ90はステップS306の判定を繰り返す。
【0063】
ステップS307において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS101に進む。
【0064】
『制御パターンB、設定給湯温度>設定ふろ温度』
次に、図6〜図8を参照して、制御パターンBが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0065】
『制御パターンB−基本動作』
まず、図6を参照して、制御パターンBの基本動作を説明する。
ステップS401において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S401・Yes)、コントローラ90の処理はステップS402に進む。なお、この場合、給湯運転が、湯張り運転よりも先に実行されることになる。
一方、給湯要求はないと判定した場合(S401・No)、コントローラ90の処理はステップS403に進む。
【0066】
ステップS402において、コントローラ90は、制御パターンB1で給湯機1を動作させる。制御パターンB1の内容は後で説明する。
【0067】
ステップS403において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S403・Yes)、コントローラ90の処理はステップS404に進む。なお、この場合、湯張り運転が、給湯運転よりも先に実行されることになる。
一方、湯張り要求はないと判定した場合(S403・No)、コントローラ90の処理はステップS401に進む。
【0068】
ステップS404において、コントローラ90は、制御パターンB2で給湯機1を動作させる。制御パターンB2の内容は後で説明する。
【0069】
『制御パターンB1−先に給湯運転』
次に、図7を参照して、先に給湯運転が実行される制御パターンB1の内容を説明する。
ステップS501において、コントローラ90は、ステップS102(図3参照)と同様に、給湯運転を実行する(図4参照)。
【0070】
ステップS502において、コントローラ90は、給湯要求が継続しているか否か判定する。
給湯要求が継続していると判定した場合(S502・Yes)、コントローラ90の処理はステップS503に進む。
一方、給湯要求は継続していないと判定した場合(S502・No)、コントローラ90の処理はエンドを通って、図6のステップS401に進む。この場合、コントローラ90は、給湯ポンプ31を停止し、給湯運転を終了する。
【0071】
ステップS503において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S503・Yes)、コントローラ90の処理はステップS504に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S503・No)、コントローラ90の処理はステップS501に進む。
【0072】
ステップS504において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0073】
ステップS505において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
【0074】
ステップS506において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S506・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS507に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S506・No)、コントローラ90の処理は、ステップS508に進む。
【0075】
ステップS507において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じ、湯張りを終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS501に進む。
【0076】
ステップS508において、温度センサ53を介して検出される湯張り水の温度が、設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S508・Yes)、コントローラ90の処理はステップS506に進む。一方、湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S508・No)、コントローラ90の処理はステップS509に進む。
【0077】
ステップS509において、コントローラ90は、湯張り水の温度が設定ふろ温度と等しくなるように混合弁60を制御する。
すなわち、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも高い場合、低温の給水の混合比を多くする。一方、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも低い場合、高温の給湯の混合比を多くする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS508に進む。
【0078】
『制御パターンB1の効果』
このような制御パターンB1によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度>設定ふろ温度」であり、先に給湯運転が実行されている場合において(S501)、湯張り要求があるとき(S503・Yes)、湯張り水の温度が設定ふろ温度(目標第2温度)となるように、混合弁60を制御することにより(S509)、設定ふろ温度の湯張り水を浴槽Yに供給できる。
すなわち、温水コックX及び/又は浴槽Yに向かう高温水の生成手段である給湯用熱交換器30を共有しシステム構成を簡便としつつ、異なる温度の高温水を温水コックXと浴槽Yとに供給できる。
【0079】
『制御パターンB2−先に湯張り運転』
次に、図8〜図9を参照して、先に湯張り運転が実行される制御パターンB2の内容を説明する。
【0080】
ステップS601において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0081】
ステップS602において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
【0082】
ステップS603において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S603・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS604に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S603・No)、コントローラ90の処理は、ステップS605に進む。
【0083】
ステップS604において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図6のステップS401に進む。
【0084】
ステップS605において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定ふろ温度が、温度センサ42を介して検出される出口温度よりも高いか否か判定する。
【0085】
設定ふろ温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S605・Yes)、コントローラ90の処理はステップS606に進む。なお、このようにステップS606に進む場合は、湯張り水がヌルイ場合である。
一方、設定ふろ温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S605・No)、コントローラ90の処理はステップS607に進む。なお、このようにステップS607に進む場合は、湯張り水がアツイ場合である。
【0086】
ステップS606において、コントローラ90は、温度センサ42を介して検出される出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0087】
ステップS607において、コントローラ90は、温度センサ42を介して検出される出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0088】
ステップS608において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S608・Yes)、コントローラ90の処理はステップS609に進む。一方、給湯要求はないと判定した場合(S608・No)、コントローラ90の処理はステップS603に進む。
【0089】
ステップS609において、コントローラ90は、湯張り弁51を一旦閉じる。これにより、湯張りが一旦中断される。
【0090】
ステップS610において、コントローラ90は、設定給湯温度が出口温度よりも高いか否か判定する。
【0091】
設定給湯温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S610・Yes)、コントローラ90の処理はステップS611に進む。なお、このようにステップS611に進む場合は、給湯がヌルイ場合である。
一方、設定給湯温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S610・No)、コントローラ90の処理はステップS612に進む。なお、このようにステップS612に進む場合は、給湯がアツイ場合である。
【0092】
ステップS611において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0093】
ステップS612において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0094】
ステップS613において、コントローラ90は、湯張り弁51を再び開く。
【0095】
ステップS614において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S614・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS615に進む。
一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S614・No)、コントローラ90の処理は、ステップS616に進む。
【0096】
ステップS615において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図6のステップS401に進む。
【0097】
ステップS616において、温度センサ53を介して検出される湯張り水の温度が、設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
【0098】
湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S616・Yes)、コントローラ90の処理はステップS614に進む。
一方、湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S616・No)、コントローラ90の処理はステップS617に進む。
【0099】
ステップS617において、コントローラ90は、湯張り水の温度が設定ふろ温度と等しくなるように混合弁60を制御する。
すなわち、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも高い場合、低温の給水の混合比を多くする。一方、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも低い場合、高温の給湯の混合比を多くする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS616に進む。
【0100】
『制御パターンB2の効果』
このような制御パターンB2によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度>設定ふろ温度」であり、先に湯張り運転が実行されている場合において(S601、S602)、給湯要求があるとき(S608・Yes)、湯張り弁51を一旦閉じ(S609)、給湯を優先させることできる。
そして、出口温度が設定給湯温度(目標第1温度)となるように制御した後(S610〜S612)、湯張り弁51を再び開き(S613)、湯張り水の温度が設定ふろ温度(目標第2温度)となるように、混合弁60を制御することにより(S617)、設定ふろ温度の湯張り水を浴槽Yに供給できる。
【0101】
『制御パターンC、設定給湯温度<設定ふろ温度』
次に、図10〜図12を参照して、制御パターンCが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0102】
<制御パターンC−基本動作>
まず、図10を参照して、制御パターンCの基本動作を説明する。
ステップS701において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S701・Yes)、コントローラ90の処理はステップS702に進む。なお、この場合、給湯運転が、湯張り運転よりも先に実行されることになる。
一方、給湯要求はないと判定した場合(S701・No)、コントローラ90の処理はステップS703に進む。
【0103】
ステップS702において、コントローラ90は、制御パターンC1で給湯機1を動作させる。制御パターンC1の内容は後で説明する。
【0104】
ステップS703において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S703・Yes)、コントローラ90の処理はステップS704に進む。なお、この場合、湯張り運転が、給湯運転よりも先に実行されることになる。
一方、湯張り要求はないと判定した場合(S703・No)、コントローラ90の処理はステップS701に進む。
【0105】
ステップS704において、コントローラ90は、制御パターンC2で給湯機1を動作させる。制御パターンC2の内容は後で説明する。
【0106】
『制御パターンC1−先に給湯運転』
次に、図11を参照して、先に給湯運転が実行される制御パターンC1の内容を説明する。なお、制御パターンC1の内容は、図7の制御パターンB1と一部異なるのみであり、異なる部分を説明する。
【0107】
制御パターンC1では、ステップS506の判定結果がNoの場合(S506・No)、コントローラ90は、ステップS506の判定を繰り返す。
【0108】
制御パターンC1では、ステップS507の後、コントローラ90の処理は、ステップS801に進む。
ステップS801において、コントローラ90は、温度センサ53を介して検出される実測ふろ温度が設定ふろ温度以上であるか否か判定する。
実測ふろ温度は設定ふろ温度以上であると判定した場合(S801・Yes)、コントローラ90の処理はステップS802に進む。一方、実測ふろ温度は設定ふろ温度以上でないと判定した場合(S801・No)、コントローラ90の処理はステップS803に進む。
【0109】
ステップS802において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を停止する。これにより、追焚きは停止される。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS501に進む。
【0110】
ステップS803において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を作動させる。そうすると、浴槽Yの浴水は、配管51dの一部、配管71a、配管71bを通流し、浴水が浴槽Yと熱交換部72との間で循環する。そして、浴水は、熱交換部72を通流する際に、高温のタンク水により加熱され、その結果、追焚きが進む。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS801に進む。
【0111】
『制御パターンC1の効果』
このような制御パターンC1によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度<設定ふろ温度」であり、先に給湯運転が実行されている場合において(S501)、湯張り要求があるとき(S503・Yes)、追焚き回路70(第2加熱手段)で追焚きすることにより(S803)、浴槽Yの浴水を設定ふろ温度に加熱できる。
【0112】
『制御パターンC2−先に湯張り運転』
次に、図12を参照して、先に湯張り運転が実行される制御パターンC2の内容を説明する。なお、制御パターンC2の内容は、図8〜図9の制御パターンB2と一部異なるのみであり、異なる部分を説明する。
【0113】
制御パターンC2では、ステップS614の判定結果がNoの場合(S614・No)、コントローラ90は、ステップS614の判定を繰り返す。
一方、ステップS614の判定結果がYesの場合(S614・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS901に進む。
【0114】
ステップS901において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
【0115】
ステップS902において、コントローラ90は、温度センサ53を介して検出される実測ふろ温度が設定ふろ温度以上であるか否か判定する。
実測ふろ温度は設定ふろ温度以上であると判定した場合(S902・Yes)、コントローラ90の処理はステップS903に進む。一方、実測ふろ温度は設定ふろ温度以上でないと判定した場合(S902・No)、コントローラ90の処理は、ステップS904に進む。
【0116】
ステップS903において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を停止する。これにより、追焚きは停止される。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図10のステップS701に進む。
【0117】
ステップS904において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を作動させる。そうすると、浴槽Yの浴水は、配管51dの一部、配管71a、配管71bを通流し、浴水が浴槽Yと熱交換部72との間で循環する。そして、浴水は、熱交換部72を通流する際に、高温のタンク水により加熱され、その結果、追焚きが進む。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS902に進む。
【0118】
『制御パターンC2の効果』
このような制御パターンC2によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度<設定ふろ温度」であり、先に湯張り運転が実行されている場合において(図8、S601、S602)、給湯要求があるとき(図8、S608・Yes)、湯張り弁51を一旦閉じ(図8、S609)、給湯を優先させることできる。
そして、出口温度が設定給湯温度(目標第1温度)となるように制御し(S610〜S612)、湯張り弁51を再び開き(S613)、設定給湯温度の湯張り水で湯張りした後(S901)、追焚き回路70(第2加熱手段)で追焚きすることにより(S904)、浴槽Yの浴水を設定ふろ温度に加熱できる。
【0119】
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば次のように変更できる。
【0120】
前記した実施形態では、加熱対象である浴水の通流する配管71bがタンク11内を蛇行させることで熱交換部72が構成された場合を例示したが(図1参照)、配管71bがタンク11内を経由しないと共に、タンク11内の高温水を別系統で循環させ、この別系統を循環する高温水と循環する浴水とが熱交換するように、タンク11の外部に熱交換器(第2加熱手段)を備える構成としてもよい。
【0121】
前記した実施形態では、加熱対象である第2熱媒体が浴水(水)である場合を例示したが、これに限定されることはない。例えば、潜熱蓄熱材を含む液体、ブライン、不凍液でもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 給湯機(高温媒体供給装置)
11 タンク
20 ヒートポンプ
30 給湯用熱交換器(第1加熱手段)
31 給湯ポンプ
40 給湯回路(第1供給回路)
50 湯張り回路(第2供給回路)
51 湯張り弁(遮断弁)
60 混合弁(第1混合弁)
70 追焚き回路(第2加熱手段)
71 追焚きポンプ
72 熱交換部
80 リモコン
90 コントローラ
X 温水コック(第1端末)
Y 浴槽(第2端末)
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯端末等の第1端末と、浴槽端末等の第2端末とに、高温媒体(給湯、湯張り水)を供給する高温媒体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタンク式の給湯機(高温媒体供給装置)は、高温のタンク水を貯溜するタンクと、高温のタンク水と低温の給水(低温媒体)とを熱交換させ、給湯を生成する給湯用熱交換器(第1加熱手段)と、給湯を給湯端末(第1端末)に供給する第1供給回路と、高温のタンク水を浴槽端末(第2端末)に供給する第2供給回路と、を備えるものが知られている(特許文献1参照)。
なお、タンクには、タンクを保護するため減圧弁によって減圧された給水が導入され、タンク内の水は、ヒートポンプや電気ヒータによって加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の給湯機は、タンク内の圧力の低いタンク水を浴槽端末に供給するので、タンク内の圧力以上で、浴槽端末にタンク水を供給できず、浴槽端末が高い位置に配置される場合や、タンクと浴槽端末とを接続する配管の抵抗が大きい・長い場合、浴槽端末に湯張りできない、又は、湯張りに時間を要する虞がある。
【0005】
そこで、給湯用熱交換器で生成した給湯を、湯張り水として浴槽端末に供給する構成が考えられる。つまり、1つの給湯用熱交換器を、給湯端末と浴槽端末とで共有する構成が考えられる。
【0006】
しかしながら、給湯端末からの給湯要求(高温媒体要求)と、浴槽端末からの湯張り要求(高温媒体要求)とが同時にあった場合において、要求された給湯温度(目標第1温度)と、要求されたふろ温度(目標第2温度)とが異なるとき、1つの給湯用熱交換器では、対応できないという不都合が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、第1端末と第2端末とで第1加熱手段を共有しつつ、第1端末と第2端末とに、異なる温度の高温媒体を供給可能な高温媒体供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、低温媒体(後記する実施形態では給水)を加熱して高温媒体(高温水)を生成する第1加熱手段(給湯用熱交換器)と、前記第1加熱手段と第1端末(温水コック)とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路(給湯回路)と、前記第1加熱手段と第2端末(浴槽)とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路(湯張り回路)と、前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段からの高温媒体と、前記高温媒体よりも低温の低温媒体(給水)とを混合する第1混合弁と、を備える高温媒体供給装置(給湯機)であって、前記第1端末からの高温媒体要求(給湯要求)と、前記第2端末からの高温媒体要求(湯張り要求)とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度(設定給湯温度)が、前記第2端末で要求される目標第2温度(設定ふろ温度)よりも高いとき、前記第1加熱手段は、その目標温度(出口温度)を前記目標第1温度とし、前記第1混合弁は、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの高温媒体と、低温媒体とを混合することを特徴とする高温媒体供給装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1端末と第2端末とで第1加熱手段を共有しつつ、第1端末と第2端末とに異なる温度の高温媒体を供給可能な高温媒体供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る給湯機の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る給湯機の制御パターン選択処理を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態に係る給湯機の制御パターンA(設定給湯温度=設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る給湯機の給湯運転を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る給湯機の湯張り運転を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB(設定給湯温度>設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB1(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に給湯)を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB2(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの前半部分である。
【図9】本実施形態に係る給湯機の制御パターンB2(設定給湯温度>設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの後半部分である。
【図10】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC(設定給湯温度<設定ふろ温度)を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC1(設定給湯温度<設定ふろ温度、先に給湯)を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態に係る給湯機の制御パターンC2(設定給湯温度<設定ふろ温度、先に湯張り)を示すフローチャートの後半部分である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0012】
≪給湯機の構成≫
本実施形態に係る貯湯式の給湯機1(高温媒体供給装置)は、タンク11と、タンク11に貯溜されているタンク水の温度を検出する温度センサ12と、タンク水を加熱し沸き上げるヒートポンプ20と、給水(低温媒体)を加熱して高温水(給湯、湯張り水、高温媒体)を生成する給湯用熱交換器30(第1加熱手段)と、給湯用熱交換器30で生成した高温水を温水コックX(第1端末、給湯端末)に供給する給湯回路40(第1供給回路)と、給湯用熱交換器30で生成した高温水を浴槽Y(第2端末)に供給する湯張り回路50(第2供給回路)と、湯張り回路50に設けられた混合弁60(第1混合弁)と、浴槽Yの風呂水を追い焚きする追焚き回路70(第2加熱手段)と、リモコン80と、これらを電子制御するコントローラ90(制御手段)と、を備えている。
【0013】
<タンク、温度センサ>
タンク11は、その内部に水を貯溜する縦型のものである。
温度センサ12は、タンク11内の水の温度を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。なお、温度センサ12は、タンク11内の水の高さ方向における温度分布を検出可能なように、高さ方向において複数取り付けられている。
【0014】
そして、外部の給水源からの給水(水道水)が、配管13a、所定圧力に減圧する減圧弁13、配管13bを介して、タンク11の下部(底部)に導入されるようになっている。
【0015】
また、タンク11の下部は、配管14a、沸き上げポンプ14、配管14b、コンデンサ22(凝縮器)、配管14cを介して、タンク11の上部に接続されている。
そして、タンク11内の水の沸き上げ時、つまり、ヒートポンプ20(コンプレッサ21)が作動している状態で、沸き上げポンプ14が作動すると、タンク11の下部のタンク水が沸き上げポンプ14に吸引され、コンデンサ22で加熱された後、タンク11の上部に流入するようになっている。
【0016】
<ヒートポンプ>
ヒートポンプ20は、冷媒を圧縮/膨張させることで、熱を汲み上げ、配管14a〜配管14cを循環するタンク水を加熱し、沸き上げる装置である。
【0017】
ヒートポンプ20は、コントローラ90の指令に従って作動し、冷媒を圧縮し高温とするコンプレッサ21と、コンプレッサ21からの高温の冷媒を凝縮させると共に、循環する水を加熱するヒータとなるコンデンサ22(凝縮器)と、コンデンサ22からの冷媒を膨張させる膨張弁23と、外気の熱を吸熱し、膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータ24(蒸発器)と、を備えている。
【0018】
なお、ヒートポンプ20は、コントローラ90によって、温度センサ12を介して検出されるタンク水の温度が所定タンク水温度以上となるように、ON/OFF制御される。
また、タンク水を加熱する加熱手段は、ヒートポンプ20に限定されず、その他に例えば、タンク11内に設けられ、通電すると発熱する複数の電気ヒータでもよい。
【0019】
<給湯用熱交換器>
給湯用熱交換器30は、減圧弁13の上流の減圧されていない給水を加熱し、高温水を生成するものである。
具体的には、給湯用熱交換器30の一次側流路30aの出口は、配管31a、給湯ポンプ31、配管31bを介して、タンク11の下部に接続されており、タンク11の上部は、配管31cを介して、一次側流路30aの入口に接続されている。そして、コントローラ90の指令に従って給湯ポンプ31が作動すると、高温のタンク水がタンク11と給湯用熱交換器30との間で循環するようになっている。
【0020】
一方、給湯用熱交換器30の二次側流路30bの入口は、配管30cを介して減圧弁13の上流の配管13aに接続されている。
そして、高温のタンク水が循環した状態で、給水が二次側流路30bを通流すると、高温のタンク水と低温の給水との間で熱交換し、給水が加熱されて、高温水が生成するようになっている。
【0021】
<給湯回路>
給湯回路40は、配管41aと、流量センサ41と、温度センサ42と、を備えている。
配管41aは、給湯用熱交換器30の二次側流路30bの出口と、温水コックXとを接続している。そして、給湯用熱交換器30で生成した給湯(高温水)は、配管41aを通って温水コックXに供給されるようになっている。
【0022】
流量センサ41は、配管41aに取り付けられており、配管41aを通流する給湯の流量を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。そして、コントローラ90は、給湯の流量が0よりも大きい場合、現在、給湯要求があると判定するように設定されている。
【0023】
温度センサ42は、給湯用熱交換器30で生成した高温水の温度(出口温度という)を検出するように、配管41aの給湯用熱交換器30側に取り付けられている。そして、温度センサ42は、検出した出口温度をコントローラ90に出力するようになっている。
【0024】
<湯張り回路、混合弁>
湯張り回路50は、配管51a〜51dと、湯張り時に開かれる常閉型の湯張り弁51(遮断弁)と、流量センサ52と、温度センサ53と、を備えている。
配管41aは、配管51aを介して、混合弁60の第1入口ポートに接続されている。そして、給湯用熱交換器30からの高温水は、配管51aを通って、混合弁60に供給されるようになっている。
配管30cは、配管51bを介して、混合弁60の第2入口ポートに接続されている。そして、配管30cからの給水は、配管51bを通って、混合弁60に接続されている。
【0025】
混合弁60は、コントローラ90の指令に従って、配管51aからの高温水と配管51bからの給水との混合比を適宜に制御し、浴槽Yに向かう湯張り水の温度を制御する弁である。
混合弁60の出口ポートは、配管51c、湯張り弁51、配管51dを介して、浴槽Yに接続されている。そして、混合弁60で温度調整された湯張り水は、配管51c、湯張り弁51、配管51dを通って、浴槽Yに供給されるようになっている。
【0026】
流量センサ52は、配管51dに取り付けられており、浴槽Yに向かう湯張り水の流量を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
【0027】
温度センサ53は、配管51dに取り付けられており、浴槽Yに向かう湯張り水の温度を検出し、コントローラ90に出力するようになっている。
なお、湯張り時以外において、配管51dは浴槽Yの浴水で満たされるから、温度センサ53を介して、現在の浴水の温度(ふろ温度)も検出されるようになっている。ただし、浴槽Yにふろ温度検出用の温度センサを別途取り付けてもよい。
【0028】
<追焚き回路>
追焚き回路70は、追焚き時に作動し、浴槽Yの浴水を循環させる追焚きポンプ71を備えている。
【0029】
さらに説明すると、配管51dは、配管71aを介して、追焚きポンプ71の吸入口に接続されており、追焚きポンプ71の吐出口は、配管71bを介して、浴槽Yに接続されている。配管71bの途中は、高温のタンク水が貯溜しやすいタンク11内の上部を蛇行しながら経由しており、高温のタンク水と、循環する浴水とを熱交換させ、浴水を加熱する熱交換部72を構成している。
【0030】
<リモコン>
リモコン80は、浴室やキッチンに配置され、湯張り等をするため人が操作する装置である。そして、リモコン80は、湯張りボタン81と、温調ボタン82、83と、ふろ量調整ボタン84と、液晶部85と、を備えている。
【0031】
湯張りボタン81は、浴槽Yに湯張りする湯張り時にONされるボタンである。温調ボタン82は、給湯温度を調整・設定する場合に操作されるボタンである。温調ボタン83は、ふろ温度を調整・設定する場合に操作されるボタンである。ふろ量調整ボタン84は、浴槽Yに貯溜する浴水を調整・設定する場合に操作されるボタンである。液晶部85は、設定されている給湯温度、ふろ温度、ふろ量を表示する部分である。
【0032】
<コントローラ>
コントローラ90(制御手段)は、給湯機1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、各種機器を制御するようになっている。
【0033】
≪給湯機の動作≫
次に、給湯機1の動作について、図2〜図12を参照して説明する。
【0034】
≪制御パターン選択処理≫
まず、図2を参照して、給湯機1の制御パターンA〜Cを選択する処理を説明する。なお、図2の処理は所定周期にて繰り返されている。
【0035】
ステップS11において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定給湯温度は設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
設定給湯温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S11・Yes)、コントローラ90の処理はステップS12に進む。一方、設定給湯温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S11・No)、コントローラ90の処理はステップS13に進む。
【0036】
ステップS12において、コントローラ90は、制御パターンAを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0037】
ステップS13において、コントローラ90は、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高いか否か判定する。
設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高いと判定した場合(S13・Yes)、コントローラ90の処理はステップS14に進む。一方、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも高くないと判定した場合(S13・No)、コントローラ90の処理はステップS15に進む。なお、ステップS15に進む場合は、設定給湯温度は設定ふろ温度よりも低い場合である。
【0038】
ステップS14において、コントローラ90は、制御パターンBを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0039】
ステップS15において、コントローラ90は、制御パターンCを動作モードとして選択し、記憶する。
その後、コントローラ90の処理は、リターンを通って、スタートに戻る。
【0040】
『制御パターンA、設定給湯温度=設定ふろ温度』
次に、図3〜図5を参照して、制御パターンAが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0041】
ステップS101において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。具体的には、流量センサ41を介して検出される温水コックXに向かう給湯の流量が、0よりも大きい場合、温水コックXは開いており、給湯要求があると判定される。
給湯要求はあると判定した場合(S101・Yes)、コントローラ90の処理はステップS102に進む。一方、給湯要求はないと判定した場合(S101・No)、コントローラ90の処理はステップS108に進む。
【0042】
<給湯運転>
ステップS102において、コントローラ90は、給湯運転を実行する。
具体的には、図4の給湯運転のフローに移行する。なお、このよう移行する場合にいて、給湯ポンプ31が停止しているとき、給湯ポンプ31を所定回転速度にて回転させる。
【0043】
ステップS201において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定給湯温度が、温度センサ42を介して検出される給湯用熱交換器30の出口温度よりも高いか否か判定する。
【0044】
設定給湯温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S201・Yes)、コントローラ90の処理はステップS202に進む。なお、このようにステップS202に進む場合は、給湯がヌルイ場合である。
一方、設定給湯温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S201・No)、コントローラ90の処理はステップS203に進む。なお、このようにステップS203に進む場合は、給湯がアツイ場合である。
【0045】
ステップS202において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS103に進む。
【0046】
ステップS203において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS103に進む。
【0047】
図3に戻って説明を続ける。
ステップS103において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。具体的には、リモコン80の湯張りボタン81がONされている場合、湯張り要求はあると判定される。
湯張り要求はあると判定した場合(S103・Yes)、コントローラ90の処理はステップS104に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S103・No)、コントローラ90の処理はステップS101に進む。この場合、給湯運転が単独で継続されることになる。
【0048】
ステップS104において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0049】
ステップS105において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。混合弁60の給湯側を全開にするとは、配管51aからの給湯と、配管51bからの給水との混合比を、「給湯:給水=100:0」にすることを意味する。
【0050】
そうすると、設定ふろ温度の温水(給湯)が、湯張り水として、給湯用熱交換器30から、配管51a、配管51c、配管51dを通って、浴槽Yに供給され、湯張りが進む。
なお、「設定給湯温度=設定ふろ温度」であって、ステップS102の処理が実行されているので、浴槽Yに向かう湯張り水の温度は設定ふろ温度となっている。
【0051】
ステップS106において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
なお、実測ふろ量は、流量センサ52を介して検出される湯張り水の流量を時間で積分することで算出される。
【0052】
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S106・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS107に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S106・No)、コントローラ90はステップS106の判定を繰り返す。
【0053】
ステップS107において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じ、湯張りを終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS101に進む。
【0054】
次に、ステップS101の判定結果がNoとなって進むステップS108を説明する。
ステップS108において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S108・Yes)、コントローラ90の処理はステップS109に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S108・No)、コントローラ90の処理はステップS101に進む。
【0055】
<湯張り運転>
ステップS109において、コントローラ90は、湯張り運転を実行する。
具体的には、図5の湯張り運転のフローに移行する。なお、このように移行する場合において、給湯ポンプ31が停止しているとき、給湯ポンプ31を所定回転速度にて回転させる。
【0056】
ステップS301において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0057】
ステップS302において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
そうすると、湯張り水(高温水)が、給湯用熱交換器30から、配管51a、配管51c、配管51dを通って、浴槽Yに供給され、湯張りが進む。
【0058】
ステップS303において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定ふろ温度が、温度センサ42を介して検出される出口温度(湯張り水の温度)よりも高いか否か判定する。
【0059】
設定ふろ温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S303・Yes)、コントローラ90の処理はステップS304に進む。なお、このようにステップS304に進む場合は、湯張り水がヌルイ場合である。
一方、設定ふろ温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S303・No)、コントローラ90の処理はステップS305に進む。なお、このようにステップS305に進む場合は、湯張り水がアツイ場合である。
【0060】
ステップS304において、コントローラ90は、出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0061】
ステップS305において、コントローラ90は、出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0062】
ステップS306において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S306・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS307に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S306・No)、コントローラ90はステップS306の判定を繰り返す。
【0063】
ステップS307において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図3のステップS101に進む。
【0064】
『制御パターンB、設定給湯温度>設定ふろ温度』
次に、図6〜図8を参照して、制御パターンBが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0065】
『制御パターンB−基本動作』
まず、図6を参照して、制御パターンBの基本動作を説明する。
ステップS401において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S401・Yes)、コントローラ90の処理はステップS402に進む。なお、この場合、給湯運転が、湯張り運転よりも先に実行されることになる。
一方、給湯要求はないと判定した場合(S401・No)、コントローラ90の処理はステップS403に進む。
【0066】
ステップS402において、コントローラ90は、制御パターンB1で給湯機1を動作させる。制御パターンB1の内容は後で説明する。
【0067】
ステップS403において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S403・Yes)、コントローラ90の処理はステップS404に進む。なお、この場合、湯張り運転が、給湯運転よりも先に実行されることになる。
一方、湯張り要求はないと判定した場合(S403・No)、コントローラ90の処理はステップS401に進む。
【0068】
ステップS404において、コントローラ90は、制御パターンB2で給湯機1を動作させる。制御パターンB2の内容は後で説明する。
【0069】
『制御パターンB1−先に給湯運転』
次に、図7を参照して、先に給湯運転が実行される制御パターンB1の内容を説明する。
ステップS501において、コントローラ90は、ステップS102(図3参照)と同様に、給湯運転を実行する(図4参照)。
【0070】
ステップS502において、コントローラ90は、給湯要求が継続しているか否か判定する。
給湯要求が継続していると判定した場合(S502・Yes)、コントローラ90の処理はステップS503に進む。
一方、給湯要求は継続していないと判定した場合(S502・No)、コントローラ90の処理はエンドを通って、図6のステップS401に進む。この場合、コントローラ90は、給湯ポンプ31を停止し、給湯運転を終了する。
【0071】
ステップS503において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S503・Yes)、コントローラ90の処理はステップS504に進む。一方、湯張り要求はないと判定した場合(S503・No)、コントローラ90の処理はステップS501に進む。
【0072】
ステップS504において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0073】
ステップS505において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
【0074】
ステップS506において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S506・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS507に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S506・No)、コントローラ90の処理は、ステップS508に進む。
【0075】
ステップS507において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じ、湯張りを終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS501に進む。
【0076】
ステップS508において、温度センサ53を介して検出される湯張り水の温度が、設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S508・Yes)、コントローラ90の処理はステップS506に進む。一方、湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S508・No)、コントローラ90の処理はステップS509に進む。
【0077】
ステップS509において、コントローラ90は、湯張り水の温度が設定ふろ温度と等しくなるように混合弁60を制御する。
すなわち、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも高い場合、低温の給水の混合比を多くする。一方、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも低い場合、高温の給湯の混合比を多くする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS508に進む。
【0078】
『制御パターンB1の効果』
このような制御パターンB1によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度>設定ふろ温度」であり、先に給湯運転が実行されている場合において(S501)、湯張り要求があるとき(S503・Yes)、湯張り水の温度が設定ふろ温度(目標第2温度)となるように、混合弁60を制御することにより(S509)、設定ふろ温度の湯張り水を浴槽Yに供給できる。
すなわち、温水コックX及び/又は浴槽Yに向かう高温水の生成手段である給湯用熱交換器30を共有しシステム構成を簡便としつつ、異なる温度の高温水を温水コックXと浴槽Yとに供給できる。
【0079】
『制御パターンB2−先に湯張り運転』
次に、図8〜図9を参照して、先に湯張り運転が実行される制御パターンB2の内容を説明する。
【0080】
ステップS601において、コントローラ90は、湯張り弁51を開く。
【0081】
ステップS602において、コントローラ90は、混合弁60の給湯側を全開にする。
【0082】
ステップS603において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S603・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS604に進む。一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S603・No)、コントローラ90の処理は、ステップS605に進む。
【0083】
ステップS604において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図6のステップS401に進む。
【0084】
ステップS605において、コントローラ90は、リモコン80に設定された設定ふろ温度が、温度センサ42を介して検出される出口温度よりも高いか否か判定する。
【0085】
設定ふろ温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S605・Yes)、コントローラ90の処理はステップS606に進む。なお、このようにステップS606に進む場合は、湯張り水がヌルイ場合である。
一方、設定ふろ温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S605・No)、コントローラ90の処理はステップS607に進む。なお、このようにステップS607に進む場合は、湯張り水がアツイ場合である。
【0086】
ステップS606において、コントローラ90は、温度センサ42を介して検出される出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0087】
ステップS607において、コントローラ90は、温度センサ42を介して検出される出口温度が設定ふろ温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0088】
ステップS608において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S608・Yes)、コントローラ90の処理はステップS609に進む。一方、給湯要求はないと判定した場合(S608・No)、コントローラ90の処理はステップS603に進む。
【0089】
ステップS609において、コントローラ90は、湯張り弁51を一旦閉じる。これにより、湯張りが一旦中断される。
【0090】
ステップS610において、コントローラ90は、設定給湯温度が出口温度よりも高いか否か判定する。
【0091】
設定給湯温度は出口温度よりも高いと判定した場合(S610・Yes)、コントローラ90の処理はステップS611に進む。なお、このようにステップS611に進む場合は、給湯がヌルイ場合である。
一方、設定給湯温度は出口温度よりも高くないと判定した場合(S610・No)、コントローラ90の処理はステップS612に進む。なお、このようにステップS612に進む場合は、給湯がアツイ場合である。
【0092】
ステップS611において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を増加させる。
【0093】
ステップS612において、コントローラ90は、出口温度が設定給湯温度となるように、給湯ポンプ31の回転速度を減少させる。
【0094】
ステップS613において、コントローラ90は、湯張り弁51を再び開く。
【0095】
ステップS614において、コントローラ90は、湯張り開始後、浴槽Yに貯溜された浴水の量(実測ふろ量)が、リモコン80に設定されている設定ふろ量以上であるか否か判定する。
実測ふろ量は設定ふろ量以上であると判定した場合(S614・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS615に進む。
一方、実測ふろ量は設定ふろ量以上でないと判定した場合(S614・No)、コントローラ90の処理は、ステップS616に進む。
【0096】
ステップS615において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図6のステップS401に進む。
【0097】
ステップS616において、温度センサ53を介して検出される湯張り水の温度が、設定ふろ温度と等しいか否か判定する。
【0098】
湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しいと判定した場合(S616・Yes)、コントローラ90の処理はステップS614に進む。
一方、湯張り水の温度は設定ふろ温度と等しくないと判定した場合(S616・No)、コントローラ90の処理はステップS617に進む。
【0099】
ステップS617において、コントローラ90は、湯張り水の温度が設定ふろ温度と等しくなるように混合弁60を制御する。
すなわち、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも高い場合、低温の給水の混合比を多くする。一方、湯張り水の温度が設定ふろ温度よりも低い場合、高温の給湯の混合比を多くする。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS616に進む。
【0100】
『制御パターンB2の効果』
このような制御パターンB2によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度>設定ふろ温度」であり、先に湯張り運転が実行されている場合において(S601、S602)、給湯要求があるとき(S608・Yes)、湯張り弁51を一旦閉じ(S609)、給湯を優先させることできる。
そして、出口温度が設定給湯温度(目標第1温度)となるように制御した後(S610〜S612)、湯張り弁51を再び開き(S613)、湯張り水の温度が設定ふろ温度(目標第2温度)となるように、混合弁60を制御することにより(S617)、設定ふろ温度の湯張り水を浴槽Yに供給できる。
【0101】
『制御パターンC、設定給湯温度<設定ふろ温度』
次に、図10〜図12を参照して、制御パターンCが選択されている場合における給湯機1の動作を説明する。
【0102】
<制御パターンC−基本動作>
まず、図10を参照して、制御パターンCの基本動作を説明する。
ステップS701において、コントローラ90は、給湯要求があるか否か判定する。
給湯要求はあると判定した場合(S701・Yes)、コントローラ90の処理はステップS702に進む。なお、この場合、給湯運転が、湯張り運転よりも先に実行されることになる。
一方、給湯要求はないと判定した場合(S701・No)、コントローラ90の処理はステップS703に進む。
【0103】
ステップS702において、コントローラ90は、制御パターンC1で給湯機1を動作させる。制御パターンC1の内容は後で説明する。
【0104】
ステップS703において、コントローラ90は、湯張り要求があるか否か判定する。
湯張り要求はあると判定した場合(S703・Yes)、コントローラ90の処理はステップS704に進む。なお、この場合、湯張り運転が、給湯運転よりも先に実行されることになる。
一方、湯張り要求はないと判定した場合(S703・No)、コントローラ90の処理はステップS701に進む。
【0105】
ステップS704において、コントローラ90は、制御パターンC2で給湯機1を動作させる。制御パターンC2の内容は後で説明する。
【0106】
『制御パターンC1−先に給湯運転』
次に、図11を参照して、先に給湯運転が実行される制御パターンC1の内容を説明する。なお、制御パターンC1の内容は、図7の制御パターンB1と一部異なるのみであり、異なる部分を説明する。
【0107】
制御パターンC1では、ステップS506の判定結果がNoの場合(S506・No)、コントローラ90は、ステップS506の判定を繰り返す。
【0108】
制御パターンC1では、ステップS507の後、コントローラ90の処理は、ステップS801に進む。
ステップS801において、コントローラ90は、温度センサ53を介して検出される実測ふろ温度が設定ふろ温度以上であるか否か判定する。
実測ふろ温度は設定ふろ温度以上であると判定した場合(S801・Yes)、コントローラ90の処理はステップS802に進む。一方、実測ふろ温度は設定ふろ温度以上でないと判定した場合(S801・No)、コントローラ90の処理はステップS803に進む。
【0109】
ステップS802において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を停止する。これにより、追焚きは停止される。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS501に進む。
【0110】
ステップS803において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を作動させる。そうすると、浴槽Yの浴水は、配管51dの一部、配管71a、配管71bを通流し、浴水が浴槽Yと熱交換部72との間で循環する。そして、浴水は、熱交換部72を通流する際に、高温のタンク水により加熱され、その結果、追焚きが進む。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS801に進む。
【0111】
『制御パターンC1の効果』
このような制御パターンC1によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度<設定ふろ温度」であり、先に給湯運転が実行されている場合において(S501)、湯張り要求があるとき(S503・Yes)、追焚き回路70(第2加熱手段)で追焚きすることにより(S803)、浴槽Yの浴水を設定ふろ温度に加熱できる。
【0112】
『制御パターンC2−先に湯張り運転』
次に、図12を参照して、先に湯張り運転が実行される制御パターンC2の内容を説明する。なお、制御パターンC2の内容は、図8〜図9の制御パターンB2と一部異なるのみであり、異なる部分を説明する。
【0113】
制御パターンC2では、ステップS614の判定結果がNoの場合(S614・No)、コントローラ90は、ステップS614の判定を繰り返す。
一方、ステップS614の判定結果がYesの場合(S614・Yes)、コントローラ90の処理は、ステップS901に進む。
【0114】
ステップS901において、コントローラ90は、湯張り弁51を閉じる。これにより、湯張りは終了する。また、コントローラ90は、湯張り要求をリセットする。
【0115】
ステップS902において、コントローラ90は、温度センサ53を介して検出される実測ふろ温度が設定ふろ温度以上であるか否か判定する。
実測ふろ温度は設定ふろ温度以上であると判定した場合(S902・Yes)、コントローラ90の処理はステップS903に進む。一方、実測ふろ温度は設定ふろ温度以上でないと判定した場合(S902・No)、コントローラ90の処理は、ステップS904に進む。
【0116】
ステップS903において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を停止する。これにより、追焚きは停止される。
その後、コントローラ90の処理は、エンドを通って、図10のステップS701に進む。
【0117】
ステップS904において、コントローラ90は、追焚きポンプ71を作動させる。そうすると、浴槽Yの浴水は、配管51dの一部、配管71a、配管71bを通流し、浴水が浴槽Yと熱交換部72との間で循環する。そして、浴水は、熱交換部72を通流する際に、高温のタンク水により加熱され、その結果、追焚きが進む。
その後、コントローラ90の処理は、ステップS902に進む。
【0118】
『制御パターンC2の効果』
このような制御パターンC2によれば、次の効果を得る。
「設定給湯温度<設定ふろ温度」であり、先に湯張り運転が実行されている場合において(図8、S601、S602)、給湯要求があるとき(図8、S608・Yes)、湯張り弁51を一旦閉じ(図8、S609)、給湯を優先させることできる。
そして、出口温度が設定給湯温度(目標第1温度)となるように制御し(S610〜S612)、湯張り弁51を再び開き(S613)、設定給湯温度の湯張り水で湯張りした後(S901)、追焚き回路70(第2加熱手段)で追焚きすることにより(S904)、浴槽Yの浴水を設定ふろ温度に加熱できる。
【0119】
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば次のように変更できる。
【0120】
前記した実施形態では、加熱対象である浴水の通流する配管71bがタンク11内を蛇行させることで熱交換部72が構成された場合を例示したが(図1参照)、配管71bがタンク11内を経由しないと共に、タンク11内の高温水を別系統で循環させ、この別系統を循環する高温水と循環する浴水とが熱交換するように、タンク11の外部に熱交換器(第2加熱手段)を備える構成としてもよい。
【0121】
前記した実施形態では、加熱対象である第2熱媒体が浴水(水)である場合を例示したが、これに限定されることはない。例えば、潜熱蓄熱材を含む液体、ブライン、不凍液でもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 給湯機(高温媒体供給装置)
11 タンク
20 ヒートポンプ
30 給湯用熱交換器(第1加熱手段)
31 給湯ポンプ
40 給湯回路(第1供給回路)
50 湯張り回路(第2供給回路)
51 湯張り弁(遮断弁)
60 混合弁(第1混合弁)
70 追焚き回路(第2加熱手段)
71 追焚きポンプ
72 熱交換部
80 リモコン
90 コントローラ
X 温水コック(第1端末)
Y 浴槽(第2端末)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温媒体を加熱して高温媒体を生成する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段と第1端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路と、
前記第1加熱手段と第2端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路と、
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段からの高温媒体と、前記高温媒体よりも低温の低温媒体とを混合する第1混合弁と、
を備える高温媒体供給装置であって、
前記第1端末からの高温媒体要求と、前記第2端末からの高温媒体要求とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度が、前記第2端末で要求される目標第2温度よりも高いとき、
前記第1加熱手段は、その目標温度を前記目標第1温度とし、
前記第1混合弁は、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの高温媒体と、低温媒体とを混合する
ことを特徴とする高温媒体供給装置。
【請求項2】
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を遮断する遮断弁を備え、
前記第2端末からの高温媒体要求があり、前記遮断弁が開き、前記目標第2温度の高温媒体が前記第1加熱手段から前記第2端末に供給されている場合において、前記第1端末から前記目標第1温度での高温媒体要求があったとき、
前記遮断弁が前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を一旦遮断し、前記第1加熱手段がその目標温度を前記目標第1温度とした後、
前記遮断弁が開き、
前記第1混合弁が、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの前記目標第1温度の高温媒体と、低温媒体とを混合する
ことを特徴とする請求項1に記載の高温媒体供給装置。
【請求項3】
低温媒体を加熱して高温媒体を生成する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段と第1端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路と、
前記第1加熱手段と第2端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路と、
前記第2端末の高温媒体を加熱する第2加熱手段と、
を備える高温媒体供給装置であって、
前記第1端末からの高温媒体要求と、前記第2端末からの高温媒体要求とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度が、前記第2端末で要求される目標第2温度よりも低いとき、
前記第1加熱手段は、その目標温度を前記目標第1温度とし、
前記第2加熱手段は、前記目標第2温度となるように前記第2端末の高温媒体を加熱する
ことを特徴とする高温媒体供給装置。
【請求項4】
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を遮断する遮断弁を備え、
前記第2端末からの高温媒体要求があり、前記遮断弁が開き、前記目標第2温度の高温媒体が前記第1加熱手段から前記第2端末に供給されている場合において、前記第1端末から前記目標第1温度での高温媒体要求があったとき、
前記遮断弁が前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を一旦遮断し、前記第1加熱手段がその目標温度を前記目標第1温度とした後、
前記遮断弁が開き、前記目標第1温度の高温媒体が前記第2端末に供給され、
前記第2加熱手段は、前記目標第2温度となるように前記第2端末の高温媒体を加熱する
ことを特徴とする請求項3に記載の高温媒体供給装置。
【請求項1】
低温媒体を加熱して高温媒体を生成する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段と第1端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路と、
前記第1加熱手段と第2端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路と、
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段からの高温媒体と、前記高温媒体よりも低温の低温媒体とを混合する第1混合弁と、
を備える高温媒体供給装置であって、
前記第1端末からの高温媒体要求と、前記第2端末からの高温媒体要求とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度が、前記第2端末で要求される目標第2温度よりも高いとき、
前記第1加熱手段は、その目標温度を前記目標第1温度とし、
前記第1混合弁は、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの高温媒体と、低温媒体とを混合する
ことを特徴とする高温媒体供給装置。
【請求項2】
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を遮断する遮断弁を備え、
前記第2端末からの高温媒体要求があり、前記遮断弁が開き、前記目標第2温度の高温媒体が前記第1加熱手段から前記第2端末に供給されている場合において、前記第1端末から前記目標第1温度での高温媒体要求があったとき、
前記遮断弁が前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を一旦遮断し、前記第1加熱手段がその目標温度を前記目標第1温度とした後、
前記遮断弁が開き、
前記第1混合弁が、前記第2端末に向かう高温媒体が前記目標第2温度となるように、前記第1加熱手段からの前記目標第1温度の高温媒体と、低温媒体とを混合する
ことを特徴とする請求項1に記載の高温媒体供給装置。
【請求項3】
低温媒体を加熱して高温媒体を生成する第1加熱手段と、
前記第1加熱手段と第1端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第1端末に供給する第1供給回路と、
前記第1加熱手段と第2端末とを接続し、前記第1加熱手段からの高温媒体を前記第2端末に供給する第2供給回路と、
前記第2端末の高温媒体を加熱する第2加熱手段と、
を備える高温媒体供給装置であって、
前記第1端末からの高温媒体要求と、前記第2端末からの高温媒体要求とが同時にある場合において、前記第1端末で要求される目標第1温度が、前記第2端末で要求される目標第2温度よりも低いとき、
前記第1加熱手段は、その目標温度を前記目標第1温度とし、
前記第2加熱手段は、前記目標第2温度となるように前記第2端末の高温媒体を加熱する
ことを特徴とする高温媒体供給装置。
【請求項4】
前記第2供給回路に設けられ、前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を遮断する遮断弁を備え、
前記第2端末からの高温媒体要求があり、前記遮断弁が開き、前記目標第2温度の高温媒体が前記第1加熱手段から前記第2端末に供給されている場合において、前記第1端末から前記目標第1温度での高温媒体要求があったとき、
前記遮断弁が前記第1加熱手段から前記第2端末に向かう高温媒体を一旦遮断し、前記第1加熱手段がその目標温度を前記目標第1温度とした後、
前記遮断弁が開き、前記目標第1温度の高温媒体が前記第2端末に供給され、
前記第2加熱手段は、前記目標第2温度となるように前記第2端末の高温媒体を加熱する
ことを特徴とする請求項3に記載の高温媒体供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−17958(P2012−17958A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157208(P2010−157208)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】
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