説明

高温耐熱性失透性はんだガラス

本発明は、20乃至45mol%のBaO、40乃至60mol%のSiO、0乃至30mol%のZnO、0乃至10mol%のAl、0乃至5mol%のBaF、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び0乃至10mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOを含有する高温耐熱性失透性はんだガラスを含む。また、本発明は、前記はんだガラスの使用を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の特定の組成を有し、封着用はんだガラスとして使用することができる高温耐熱性失透性はんだガラスに関する。
【0002】
本発明には、高温で実施される封着作業中に失透し、高い熱膨張係数を有する結晶相の析出を引き起こすガラスの使用を伴う。
【0003】
はんだガラス及び失透性はんだガラスは、現在、例えば、異なる組成の2つの金属若しくは合金、又は異なる組成若しくは構造の2つのセラミックス、又は金属及びセラミックスが一緒に接合される結合を生じさせるために使用されることが多い。接合される材料の1つ又は両方は、金属/セラミックス複合材料で構成されている場合もある。
【0004】
酸素輸送セラミック膜は、特に高温プロセスで使用される。酸素輸送セラミック膜は、例えば、酸素を回収するための極低温空気分離に替わる対費用効果の高い代替品であり、以下の反応によるメタン等の炭化水素の部分的酸化による合成ガスの生産中に使用される:
(1)2CH+O→2CO+4H
【0005】
例えば、他の応用は、例えばドイツ特許出願公開第102005006571A1号に記載の含酸素空気の回収、炭化水素又は炭化水素誘導体の酸化的脱水素化、C2+へのメタンの酸化カップリング、並びに水及び亜酸化窒素の分解である。
【0006】
セラミック膜は、チューブとして使用されることが多く、それらは、モジュールに組み込まれていることが多い。5mm未満の直径を有するセラミック中空ファイバーは、チューブの特別な形態である。そのようなモジュールは、化学的に及び熱的に耐性であると共に、同時に気密封着を保証するべきである。チューブ又は中空ファイバー膜は、ポッティング化合物又は結合材料としても知られているキャスティング化合物中にそれらを埋込む又はポッティングすることによりモジュールに組み込むことができる。
【0007】
セラミック膜材料自体と同じか又は類似のセラミック材料は、最適な適合性を示すため、この目的に好適な材料であると考えられる。しかしながら、そのような層は、セラミック中空ファイバー膜自体を不可逆的に変化させずに気密的に焼結封着することができないという問題がある。セラミック材料をポッティング化合物として使用して、そのようなモジュールを生成する方法は、例えば、欧州特許出願第0941759A1号に記載されている。
【0008】
国際公開公報第2006089616号には、少なくとも2つの異なるキャスティング化合物を含有する少なくとも3つの層からなるポッティングが記載されている。2つの外側層は、セラミック材料で形成されていてもよく、中間の層は、ガラスで形成されていてもよい。このポッティング法の欠点は、酸化ジルコニウム又は酸化鉄等のその酸化物のため、ガラスが非常に反応性の成分であり、セラミック材料の酸化的成分を破壊するということである。
【0009】
従って、セラミックチューブ、中空ファイバー、又は毛細管膜を有する化学的に及び熱的に耐性なモジュールの設計には、ポッティング材料の改良が必要である。
【0010】
通常は、より低温で融解するガラスは、より高温で融解するガラスよりも高い熱膨張係数を有する。従って、はんだガラスが、より高温(例えば、800℃)で金属結合の封着接合に使用される場合、例えば、800℃を超える融解温度を有し、同時に10×10−6−1を超える熱膨張係数を有するガラスは存在しない。そのような場合、はんだガラスでは、機械的に及び熱的に安定した封着接合を生成することはできないが、失透性はんだガラスでは生成することができる。
【0011】
失透性はんだガラスを生成するためには、まず好適な組成のガラスを融解し、その後失透させずに室温に冷却し、その後1乃至200μmの典型的な粒径を達成するために微粉砕する。その後、ガラス粉末は、接合しようとする工作物の1つ又は両方に塗布される。この場合、水性又は非水性溶媒、油、又はポリマー溶液等の多くの添加剤を使用することができる。しかしながら、接合しようとする工作物の1つ又は両方にセラミック薄膜を塗布することも可能である。
【0012】
その後、更なるステップにおいて、接合しようとする工作物は、はんだガラスと共に適温に加熱される。従って、ガラス微粒子は、一緒に焼結し、接合しようとする2つの工作物と結合する。しかしながら、高温に達するまで、工作物を合体させないことも可能である。焼結は、ガラスの粘性合着により生じるはずである。ガラス微粒子が、おおむね一緒に焼結して、接合しようとする工作物と結合すると、失透が生じるはずである。しかしながら、失透プロセスは、はんだガラスの化学的組成に依存して、使用されている実際の接合温度を超えた温度又はその温度未満の温度で、温度変化により誘導することもできる。接合プロセスの完了時には、工作物は、しっかりと一緒に結合されている。
【0013】
幅広く様々な組成を有するガラスセラミック材料が、従来技術の水準にあると見なされている。例えば、BaO−CaO−Al−SiO系に由来するガラスセラミックスは、高温燃料電池スタックの接合に使用されている。高温耐熱性に加えて、この材料は、以下の要求を満たす必要がある。接合材料は、非常に安定的である必要があり、電気的絶縁特性を有するべきであり、H、O、HO、及びCH等のガスと反応してはならない。加えて、接合材料は、燃料電池スタックの金属表面と良好に結合するべきである(Schwickert T.ら、Mat.−wiss.u.Werkstofftech.33巻、363−366頁、2002年)。
【0014】
また、固形金属形態へのセラミック膜の埋込み又はポッティングに使用するのに特に好適なガラスセラミックスは、特別な要件を満たす必要がある。900℃までの温度耐性及び気密封着の他に、使用されるガラスセラミックスは、ペロブスカイト構造、ブラウンミレライト(Brownmillerite)構造、又はアウリビリウス(Aurivillius)構造を有する酸化物セラミックスに対して化学的に不活性でなければならず、及び/又は高温金属材料に対しても化学的に不活性でなければならない。これにより、上記で言及した材料破壊の問題が克服される。
【0015】
更に、ガラスセラミックスは、酸化物セラミックスの熱膨張係数と等しいか又は類似の熱膨張係数、及び/又は高温金属材料の熱膨張係数と等しいか又は類似の熱膨張係数を有してなければならない。
【0016】
金属は、主に10×10−6乃至16×10−6−1の線形熱膨張係数を有する。膨張係数が、はんだ材料の膨張係数と一致しない場合、温度変化に際してストレスが生じ、最終的には結合の破壊に結び付くだろう。一般的に、1乃至2×10−6−1未満の線形熱膨張係数の違いは、許容することができる。接合しようとする工作物が、異なる熱膨張係数を有する場合、失透性はんだガラスの膨張係数は、好ましくはその中間であるべきである。
【0017】
はんだガラスの焼結及び失透は、時間及び温度に関して、必ずしも別々なプロセス又は別々にすることができるプロセスであるとは限らない。むしろ、はんだガラスの焼結及び失透は、通常は同時に生じ、焼結速度は温度と共に増加する。同じことは、ガラスの失透速度にも当てはまる。従って、各々の具体的な接合問題の場合には、焼結プロセスが失透よりも非常に迅速に生じる時間及び温度の範囲が、見出されるべきである。従って、失透性封着用はんだガラスは、妥当な(高い)膨張係数を有し、失透が生じる前にそれぞれの適用条件下で焼結することができ、また使用温度で十分に熱安定性であり、つまり融解してはならない。
【0018】
高い熱膨張を示し、酸化物ガラスから析出させることができる酸化物結晶相は、主にアルカリ土類シリケート(earth alkali silicate)である。文献には、G.Oelschlegel、Glastechnische Berichte 44巻(1971年)194−201頁のBaSi及びBaSi13相、並びにG.Oelschlegel、Glastechnische Berichte 47巻(1974年)24−41頁のBaSi相に関する定量的記述が見出され、それらの線形熱膨張係数に関する定量的記述も見出される。文献には、また10×10−6を超える熱膨張係数を有する他のアルカリ土類酸化物(SrO、CaO)を有するガラスセラミックスに関する記述も、例えば、Lahl,J.Mater.Sci.35巻(2000年)3089、3096頁に見出される。所望の結晶相及び高熱膨張係数に加えて、これらガラスセラミックスは、他の相も含む。これらは、他の組成物の結晶相又はガラス相であってもよく、ほとんどの場合、それらは、非常により低い熱膨張係数を有する。その理由は、例えば、組成が50BaO:50SiOのガラスは、粉末の場合、失透があまりにも速すぎて、気密的に焼結させることができないという事実にある。この場合、失透プロセスがあまりにも直ぐに始まり、焼結を妨げることになる。
【0019】
失透プロセスは、酸化ホウ素又は酸化アルミニウム等の比較的少量の添加剤により減速させることができる。しかしながら、これも、熱膨張係数の低減を伴う。
【0020】
これら成分は、存在する場合、他のガラス組成物の失透を支援することも知られている。例えば、文献には、ZrOが核形成物質として作用することが非常に多く見出される;Maier、cfi Ber.DKG 65巻(1988年)208頁、Zdaniewski、J.Am.Ceram.Soc.58巻(1975年)16頁、Zdaniewsi、J.Mater.Sci、8巻(1973年)192頁。MgO/Al/SiO系では、体積核生成は、ZrOを添加せずには誘導することさえできない;Amistaら、J.Non−Cryst.Solids 192/193巻(1995年)529頁。この場合、表面失透が、ZrO(又はTiO)の非存在下で観察される。この場合、体積核生成速度は、数%ZrOを添加することにより、数桁増加する。
【0021】
本発明は、上記の特性の全てを示し、現行技術水準のガラスセラミックスに伴う上記の問題を回避する失透性はんだガラスを開発するという目的を有する。
【0022】
これは、20乃至45mol%のBaO、40乃至60mol%のSiO、0乃至30mol%のZnO、0乃至10mol%のAl、0乃至5mol%のBaF、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び0乃至10mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOを含有する高温耐熱性失透性はんだガラスを使用することにより達成される。当業者に知られている他の融剤を、BaFの代りに使用することもできる。
【0023】
本発明によると、当技術分野で公知の添加剤を、他の添加剤、主にLa及び/又はZrOと混合することができる。驚くべきことに、ZrO、La、又は希土類の少量添加でさえ、非常に効果的である。しかしながら、添加剤La又はZrOは、B又はAlが同時に存在しない場合でも失透を抑制し、従って失透性はんだガラスの使用を可能にする。
【0024】
高温耐熱性失透性はんだガラスは、好ましくは、35乃至45mol%のBaO、40乃至50mol%のSiO、5乃至8mol%のAl、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び5乃至10mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOを含有する。
【0025】
高温耐熱性失透性はんだガラスの更に有利な組成は、20乃至30mol%のBaO、50乃至60mol%のSiO、10乃至25mol%のZnO、0乃至3mol%のAl、及び0.5乃至3mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOである。
【0026】
更に、30乃至40mol%のBaO、40乃至50mol%のSiO、0乃至10mol%のZnO、5乃至8mol%のAl、及び2乃至10mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOで構成される高温耐熱性失透性はんだガラスが特許請求される。
【0027】
高温耐熱性失透性はんだガラスは、好ましくは、34乃至44mol%のBaO、40乃至50mol%のSiO、5乃至8mol%のAl、0乃至5mol%のBaF、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び5乃至10mol%のB、並びに0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至4mol%のZrOで構成される。
【0028】
高温耐熱性失透性はんだガラスは、随意に、35乃至40mol%のBaO、40乃至48mol%のSiO、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び4乃至6mol%のB、並びに4乃至6mol%のAl、1乃至3mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は1乃至3mol%のZrOを含有する。
【0029】
高温耐熱性失透性はんだガラスの特に有利な組成は、22乃至28mol%のBaO、45乃至55mol%のSiO、15乃至19mol%のZnO、0乃至2mol%のAl、0乃至2mol%のMgO、0乃至2mol%のCaO、0乃至2mol%のTiO、及び0乃至2mol%のB、並びに0.5乃至2mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は0.5乃至2mol%のZrOである。
【0030】
1乃至200μmの粒径を有する融解され微粉砕されたガラスから失透性はんだガラスを生成することが有利であり、好ましくは、これらは、10乃至150μmの粒径を有する融解され微粉砕されたガラスから生成され、特に有利には30乃至125μmの粒径を有する融解され微粉砕されたガラスから生成され、規則性は、粒径が微細であればあるほど、失透はより迅速であるということである。
【0031】
高温耐熱性失透性はんだガラスは、高温金属材料及びセラミックス又はセラミック/金属複合材料を接合するための気密封着用はんだガラスとして有利に使用される。好ましくは、金属及びセラミックスは、このプロセス中で一緒に接合される。高温ニッケル系金属材料及び酸化物セラミックスが、特に有利であり、酸化物セラミックスは、有利にはペロブスカイト構造、又はブラウンミレライト(Brownmillerite)構造、又はアウリビリウス(Aurivillius)構造を有し、セラミックスは、好ましくは安定化された立方晶又は正方晶の酸化ジルコニウム構造を有する。
【0032】
本発明は、以下の実施例を使用して下記に記述されている。
【実施例1】
【0033】
圧力勾配で空気を分離するのに好適なセラミック中空ファイバー(混合電子/酸素イオン導体)を、高温ニッケル/鉄系合金に接合する。接合しようとする材料は両方とも、25乃至850℃の温度範囲で14乃至15×10−6−1の線形熱膨張係数を有する。
金属を貫通する2mm厚の穴を穿孔する。円錐形の窪みを生成し、その円錐先端点に2mm穿孔穴を配置させるように、直径が8mmのドリルを使用して金属の同じ場所をおよそ4mmの深さに穿孔する。ここで、直径が1.8mmのセラミック中空ファイバーをこの穿孔穴に挿入する。15ZnO:25BaO:1B:1ZrO:1La:57SiOで構成される0.3gのガラス粉末を、円錐形の窪みに入れる。
この場合、ふるい分けにより得られた50乃至80μmの粒度画分を使用する。
その後、金属、中空ファイバー、及びガラスの構築物を炉に入れ、900℃の温度に加熱する。加熱速度は、5K/分である。最終温度を1時間維持し、その後炉を冷却する。気密封着接合が得られる。結合は、最大900℃の温度で使用することができる。
【実施例2】
【0034】
実施例1に記載の特性を有するセラミック中空ファイバー及び高温合金を一緒に接合する。
深さ4mm及び直径10mmの円筒状の穴を金属に穿孔する。その後、各々が1.5mmの直径を有する合計7つの穴を、この穿孔穴の底部に穿孔する。直径が1.3mmの中空ファイバー膜を、これら穴に挿入する。
30乃至125μmの粒度分画を有し、36.25BaO:7.5Al:5B:2ZrO:2La:3BaF:44.25SiOで構成されるガラスを使用して、封着接合を生成する。これから、2%ポリビニルアルコール水溶液を使用して流し込み得るスラリーを生成し、それを円筒状の穴に充填する。
乾燥した後、600℃までは1K/分の加熱速度で、及びより高温では5K/分の加熱速度で、構築物を950℃の温度に到達させる。
【実施例3】
【0035】
実施例1に記載の特性を有するセラミック中空ファイバー及び高温合金を一緒に接合する。
中空ファイバー束を、ポリマー鋳型(φ=25mm)に挿入する。
エタノール、ポリビニルブチラール、及びヒドロキシプロピルセルロースに基づくセラミック非水性スラリーを、ふるい分けにより生成された30乃至50μmの粒度画分を使用して、41.75BaO:7.5Al:5B:1ZrO:1La:42.25SiOで構成されるガラスから生成する。
スラリーをポリマー鋳型に流し込む。その後、それを乾燥し、固形物を鋳型から取り出し、920℃の炉で焼結する。焼結後、固体物は22mmの直径を有する。
その後、固形焼結物を、穴(φ=16mm)を有する金属板に、中空ファイバー、金属板の内側縁部、及びガラス質結晶性固形物(φ=22mm)がおよそ3mm重なるように配置する。
その後、第2の温度処理ステップで、この構築物を980℃に加熱し、この温度で1時間放置する。
【実施例4】
【0036】
薄膜技術により生成された平板セラミック膜(厚さ1mm)を、高温合金に接合する。材料は両方とも、25乃至850℃の温度範囲で14乃至15×10−6−1の線形熱膨張係数を有する。
この場合、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、フタル酸オクチル、界面活性剤、及びポリエチレングリコールを添加したエタノール/プロパノールに基づく流し込み得るスラリーを、19ZnO:25BaO:1B:2ZrO:2La:51SiOで構成されるガラスから生成する。ドクターブレート法を使用してセラミック薄膜を生成するために、これを使用する。COレーザーを使用して、この薄膜から輪郭を切り出す。その後、これら薄膜を金属板に配置し、引き続き平板セラミック膜を適用する。
この構築物を950℃で焼結し、この温度を1時間維持する。加熱速度は、650℃の温度までは1K/分であり、その後は5K/分である。
【実施例5】
【0037】
高温合金(線形熱膨張係数:11.5×10−6−1)を、安定化された正方晶の酸化ジルコニウムセラミックスでできている、薄膜技術により生成された平板膜(厚さ200μm、線形熱膨張係数:10×10−6−1)に接合する。
この場合、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、フタル酸オクチルを添加したエタノール/プロパノールに基づくペーストを、35BaO:3B:2ZrO:2La:7Al:51SiOで構成されるガラスから生成する。このペーストは、50体積%のガラスを含有しており、酸化ジルコニウムセラミックス及び高温合金間の封着接合を生成するために使用する。この構築物を950℃で焼結し、この温度を1時間維持し、その後880℃の温度に到達させ、その温度を更に5時間維持する。各々の場合、加熱速度は、2K/分である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温下でガラスセラミックスを形成するためのはんだとして適したガラス混合物において、当該ガラス混合物は、
20乃至30mol%のBaO、
50乃至60mol%のSiO
10乃至25mol%のZnO、
0乃至3mol%のAl
0.5乃至3mol%のB、並びに
0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は、
0.5乃至4mol%のZrO
を含有することを特徴とするガラス混合物。
【請求項2】
高温下でガラスセラミックスを形成するためのはんだとして適したガラス混合物において、当該ガラス混合物は、
30乃至40mol%のBaO、
40乃至50mol%のSiO
0乃至10mol%のZnO、
5乃至8mol%のAl
2乃至10mol%のB、並びに
0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は、
0.5乃至4mol%のZrO
を含有することを特徴とするガラス混合物。
【請求項3】
高温下でガラスセラミックスを形成するためのはんだとして適したガラス混合物において、当該ガラス混合物は、
34乃至44mol%のBaO、
40乃至50mol%のSiO
5乃至8mol%のAl
1乃至5mol%のBaF
0乃至2mol%のMgO、
0乃至2mol%のCaO、
0乃至2mol%のTiO
5乃至10mol%のB、並びに
0.5乃至4mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は、
0.5乃至4mol%のZrO
を含有することを特徴とするガラス混合物。
【請求項4】
高温下でガラスセラミックスを形成するためのはんだとして適したガラス混合物において、当該ガラス混合物は、
35乃至40mol%のBaO、
40乃至48mol%のSiO
4乃至6mol%のAl
0乃至2mol%のMgO、
0乃至2mol%のCaO、
0乃至2mol%のTiO
4乃至6mol%のB、並びに
1乃至3mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は、
1乃至3mol%のZrO
を含有することを特徴とするガラス混合物。
【請求項5】
高温下でガラスセラミックスを形成するためのはんだとして適したガラス混合物において、当該ガラス混合物は、
22乃至28mol%のBaO、
45乃至55mol%のSiO
15乃至19mol%のZnO、
0乃至2mol%のAl
0乃至2mol%のMgO、
0乃至2mol%のCaO、
0乃至2mol%のTiO
0乃至2mol%のB、並びに
0.5乃至2mol%のM(M=Y、La又は希土類金属)及び/又は、
0.5乃至2mol%のZrO
を含有することを特徴とするガラス混合物。
【請求項6】
1つの高温金属材料と1つのセラミックスとから成る合成物が、上記請求項のいずれか1項によるガラス混合物を用いてガラスセラミックスとガス密閉状態で結合しており、高温下で実行される接合プロセスにおいて結晶化されることを特徴とする合成物であるか、あるいは、
少なくとも2つのセラミックス/金属の複合材から成る合成物が、上記請求項のいずれか1項によるガラス混合物を用いてガラスセラミックスとガス密閉状態で結合しており、高温下で実行される接合プロセスにおいて結晶化されることを特徴とする合成物であるか、
のいずれかであることを特徴とする合成物。
【請求項7】
請求項6に記載された合成物において、金属とセラミックスが互いに結合されていることを特徴とする合成物。
【請求項8】
請求項7に記載された合成物において、高温ニッケル系金属材料及び酸化物セラミックスが互いに結合されていることを特徴とする合成物。
【請求項9】
請求項8に記載された合成物において、酸化物セラミックスが、ペロブスカイトに類似の構造、又はブラウンミレライト(Brownmillerite)構造、又はアウリビリウス(Aurivillius)構造を具えていることを特徴とする合成物。
【請求項10】
請求項8に記載された合成物において、セラミックスが、安定化された立方晶又は正方晶の酸化ジルコニウム構造を具えていることを特徴とする合成物。


【公表番号】特表2013−503095(P2013−503095A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525925(P2012−525925)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005194
【国際公開番号】WO2011/023372
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(502099418)ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Uhde GmbH
【住所又は居所原語表記】Friedrich−Uhde−Strasse 15, D−44141 Dortmund, Germany
【出願人】(512048893)ボルジッヒ プロセス ヒート エクスチェインジャー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (3)
【氏名又は名称原語表記】Borsig Process Heat Exchanger GmbH
【Fターム(参考)】