高炉水砕スラグの整粒化処理方法
【課題】 高炉水砕スラグから天然砂の代替としてコンクリート用細骨材、或いは、魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂を製造するに際し、スラグ面が鋭利でなく且つ高炉水砕スラグを細粒化することなく単位容積質量を調整することのできる整粒化処理方法を提供する。
【解決手段】 上記課題は、高炉水砕スラグを、回転する混合パン2と、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具3と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパー4と、を備えた高速攪拌ミキサー1に装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することによって解決することができる。この場合、混合パンの回転方向と混合工具の回転方向とが逆方向であることが好ましい。
【解決手段】 上記課題は、高炉水砕スラグを、回転する混合パン2と、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具3と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパー4と、を備えた高速攪拌ミキサー1に装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することによって解決することができる。この場合、混合パンの回転方向と混合工具の回転方向とが逆方向であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水によって急冷・固化された粒状の高炉水砕スラグの整粒化処理方法に関し、詳しくは、高炉水砕スラグをコンクリート用、モルタル用、ブロック用などの細骨材として使用する或いは魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂として使用するために、水砕スラグの粒度分布及びその形状を調整する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高炉から溶銑と共に排出された溶融状態の高炉スラグは、出銑樋を流下しながら密度差に基づき溶銑と分離し、更に、出銑樋に設けられたスキンマーによって溶銑と分離され、分離された溶融状態の高炉スラグは、スラグ用の樋(「スラグ樋」という)を流下してスラグ処理ヤード或いはスラグ収容容器に排出される。この高炉スラグの処理方法としては、溶融状態の高炉スラグをスラグ処理ヤードに流して徐冷する方法(「空冷法」という)と、溶融状態の高炉スラグに大量の水を噴射・混合攪拌して急冷する或いは溶融状態の高炉スラグを大量の水の中に流し込んで急冷する方法(「水砕法」という)と、溶融状態の高炉スラグを空気などの気体と共に空気中に吹き飛ばして急冷する方法(「風砕法」という)との主として3種類の処理方法が知られている。
【0003】
このうち、水砕法によって処理された高炉スラグは高炉水砕スラグと呼ばれており、この高炉水砕スラグは、粒径がおよそ6mm以下の粒状のガラス質で、その物性は天然砂の物性に似ていると同時に、高炉水砕スラグ自体が水和反応によって硬化するという特質も併せて有している。そのため、高炉水砕スラグは、微粉砕されて高炉セメント原料及びコンクリート用混和材(「水砕微粉末」という)として使用されると同時に、無加工または軽破砕処理されて土木建築用の天然砂の代替としても使用されている。天然砂代替の土木建築用の用途としては、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材などの他に、土木工事向け埋め戻し材料、盛土材料など、及び、魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂としても使用することができる。
【0004】
しかしながら、高炉水砕スラグは一般に溶融状態の高炉スラグに水を噴射・混合攪拌することで製造されるため、この冷却過程で水流によって高炉スラグの引き伸ばされた部分が形成され、この引き伸ばされた部分が折損することにより、高炉水砕スラグには径が0.1〜0.5mm程度で長さが1〜5mm程度の針状のガラス化したスラグ(以下、「針状スラグ」と称す)が混合する。そのため、化学組成的及び物理特性的には天然砂に近いものの、ハンドリングを要する材料並びに生体目的には、針状スラグが生体に刺さるので使用しにくいという問題点が生ずる。
【0005】
また、針状スラグが含まれているのみならず、急冷されて形成するためにその面が天然砂に比較して鋭利であり、充填した場合に密に詰まった状態になりにくく、そのため、水砕処理されたままの高炉水砕スラグは単位体積当りの質量(以下、「単位容積質量」と記す)が天然砂に比較して小さくなるという問題点も生じる。高炉水砕スラグをコンクリート用細骨材として使用する場合には、その単位容積質量を1.45kg/リットル以上にする必要のあることがJISによって規定されている。
【0006】
従って、これらの問題点を解決するために、従来、破砕機を用いて高炉水砕スラグを粉砕することが行われていた。この粉砕処理により、針状スラグが破壊されると同時に粒径が小さくなり、単位容積質量が増大する。この破砕機には、種々の方式の破砕機が使用されており、主な破砕機としては、インパクトクラッシャーのような衝撃で破砕する型式の破砕機や、コーンクラッシャーのように剪断力で破砕する型式の破砕機が挙げられる。しかし、何れの方法においても、破砕装置の破砕部と高炉水砕スラグとが直接接触することで破砕しており、単位容積質量をJISの規定値の範囲内に調整すると、破砕した高炉水砕スラグが細かくなり過ぎるという問題点があった。また、インパクトクラッシャーのように衝撃で破砕する破砕機では、破砕衝突部との接触の良い大きな粒子は効率良く破砕されるものの、小さな粒子及び針状スラグは破砕衝突部との接触が十分に行われず、破砕効率が悪いという欠点もあった。
【0007】
そこで、これらの問題点を解決するための手段として特許文献1が提案されている。特許文献1による破砕方法は、20mm以上の厚みで蓄積している高炉水砕スラグの層に、高炉水砕スラグの粒子を毎秒30〜90mの速度で衝突させ、高炉水砕スラグを破砕する方法である。特許文献1によれば、高炉水砕スラグの層に高炉水砕スラグ粒子を衝突させるため、過度な破砕を防止することができると共に破砕機では磨耗する部位がないため、修繕費が安い効果も発揮できるとしている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−192713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1による方法も基本的に衝突による衝撃力を利用した破砕方法であるために、スラグの破砕面は、衝撃力で破砕する破砕機や剪断力を利用した破砕機で破砕した場合と同様に天然砂に比較して鋭利であるという問題点と、破砕面が鋭利であるがために単位容積質量をJISの規定値の範囲内に調整すると破砕後の高炉水砕スラグが細かくなり過ぎるという問題点は、依然として解決されないまま存続する。破砕面が天然砂に比較して鋭利であると、細骨材の充填率が低くなるので、コンクリート構造物などの性能低下をもたらすといった問題点が生じ、また、破砕した高炉水砕スラグが細かくなり過ぎた場合には、粒度調整のために篩分け処理が必要になったり、破砕される前の高炉水砕スラグを予め所定の粒度範囲に制約する必要が生じたりするといった問題点が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉水砕スラグから天然砂の代替としてコンクリート用、モルタル用、ブロック用などの細骨材、或いは、魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂を製造するに際し、従来の方法に比べて整粒化処理後のスラグ面が鋭利でなく、且つ、従来の方法に比べて整粒化処理後の高炉水砕スラグを細粒化することなく単位容積質量をJISの規定値内に調整することのできる高炉水砕スラグの整粒化処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための第1の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、高炉水砕スラグを、回転する混合パンと、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーと、を備えた高速攪拌ミキサーに装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1の発明において、前記混合パンの回転方向と前記混合工具の回転方向とが逆方向であることを特徴とするものである。
【0013】
第3の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1または第2の発明において、前記高炉水砕スラグを前記高速攪拌ミキサーにバッチ式で装入することを特徴とするものである。
【0014】
第4の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記高速攪拌ミキサーに高炉水砕スラグの固結防止剤を添加して混合攪拌し、高炉水砕スラグの粒度分布を変更すると同時に高炉水砕スラグと固結防止剤とを混合することを特徴とするものである。
【0015】
第5の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記高速攪拌ミキサーで攪拌された高炉水砕スラグは、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、海浜用の人工砂の1種または2種以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高炉水砕スラグを高速攪拌ミキサーを用いて攪拌処理するので、高炉水砕スラグには、破砕機によって破砕した場合のような破砕効果が作用せず、装入した高炉水砕スラグ粒子同士の摩擦による摩減効果(Attrition 効果)が主体となって作用し、高炉水砕スラグは不必要に細粒化せず、角の丸まった高炉水砕スラグ粒子が得られ、単位容積質量を増大させることができる。従来は規定の単位容積質量を確保しようとすると細かくなり過ぎるなどのために、処理前の高炉水砕スラグを特定のサイズに制約する必要のある場合もあったが、本発明によってこの制約を大幅に緩和することが可能となる。
【0017】
また、高速攪拌ミキサーを用いた攪拌処理は摩減効果が主体ではあるものの、直径の小さい針状スラグは、直径が相対的に大きい他の粒状の高炉水砕スラグに比べれば脆弱であるため、この攪拌処理によって針状スラグは優先的に破砕され、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させるのみならず、生体用の人工砂として使用した場合にも、生体に刺さるといった問題点を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0019】
先ず、本発明方法の対象とする高炉水砕スラグの製造方法について概略説明する。高炉から溶銑と共に排出された溶融状態の高炉スラグを溶銑と分離し、分離した溶融状態の高炉スラグを高速で噴射している水中に落下させて水と混合・攪拌して急冷する、或いは、溶融スラグを流れている大量の水の中に流し込んで急冷し、粒径が6mm程度以下のガラス質の高炉水砕スラグを製造する。この水を用いた急冷固化処理即ち水砕処理は、高炉鋳床に設置されたスラグ樋から排出される溶融スラグを直接水砕処理しても、また、スラグ樋から排出される溶融スラグを一旦スラグ収容容器に収容し、別の場所で水砕処理してもどちらでも構わない。
【0020】
製造した高炉水砕スラグをフィルターなどによって水中から回収し、備蓄ヤードなどで仮置きする。この仮置き中に水分が除去され、高炉水砕スラグの付着水分量が減少する。本発明を実施するに当っては、高炉水砕スラグを完全に乾燥する必要は全くない。得られる高炉水砕スラグの化学成分は、SiO2 :30〜40質量%、CaO:35〜50質量%、Al2O3 :10〜20質量%、MgO:3〜10質量%、FeO:2質量%以下であり、塩基度(CaO/SiO2 )はおよそ1.1〜1.4である。
【0021】
次いで、この高炉水砕スラグをコンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、レジャー向け海浜用の人工砂などに供するために、この高炉水砕スラグに対して本発明に係る整粒化処理を施す。本発明に係る整粒化処理は、例えば図1に示すような高速攪拌ミキサーによって行なわれる。ここで、図1は、本発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法を実施する際に用いた高速攪拌ミキサーの1例を示す概略斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本発明方法で使用する高速攪拌ミキサー1は、高炉水砕スラグなどの被攪拌物体を収容し、被攪拌物体を収容した状態で回転する混合パン2と、この混合パン2の内部にあって混合パン2の中心位置から偏心した位置に配置され、混合パン2とは独立して回転する混合工具(「アジテーター」とも呼ぶ)3と、混合パン2の内部に固定されて配置されたスクレーパー4とを備えている。混合パン2及び混合工具3はそれぞれ独立して回転方向及び回転数を設定することが可能であり、図2に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を逆方向にする場合(「逆流攪拌」と称す)と、図3に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を同一方向にする場合(「順流攪拌」と称す)の2種類の攪拌方法で攪拌することができる。尚、図2及び図3は、混合パン2及び混合工具3の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図であり、図中の太い矢印が混合パン2及び混合工具3の回転方向を表し、細い矢印が被攪拌物体の攪拌方向を表している。
【0023】
この高速攪拌ミキサー1では、回転する混合パン2が連続的且つ効率良く被攪拌物体を回転している混合工具3の近傍へ移動させるので、被攪拌物体の混合が促進される。特に、逆流攪拌の場合には、混合パン2と攪拌工具3との高い速度差によって被攪拌物体が逆流し、高い剪断力が被攪拌物体に作用して被攪拌物体の混合が促進される。スクレーパー4は、垂直方向の流れを発生させると共に、混合パン2の表面での被攪拌物体の滞留・固着を防止するためのものである。尚、図1に示す高速攪拌ミキサー1では、混合パン2が水平面に対して傾斜しているが、傾斜させずに水平としてもよく、また、混合工具3が混合パン2の内部に1基のみ配置されているが、2基以上配置してもよい。混合工具3を2基以上配置する場合には、混合工具3の形状は同一にする必要はなく変更してもよい。
【0024】
このような高速攪拌ミキサー1に高炉水砕スラグを装入し、高炉水砕スラグに対して攪拌による整粒化処理を実施する。図4及び図5に、単位容積質量が1.37kg/リットルで粗粒率が2.91の高炉水砕スラグAと、単位容積質量が1.17kg/リットルで粗粒率が3.13の高炉水砕スラグBの2種類の高炉水砕スラグを、混合パン2の回転速度を毎分30回(以下、「rpm」と記す)とし、混合工具3の回転速度を960rpm及び1100rpmとした逆流攪拌の場合において、粗粒率及び単位容積質量に及ぼす攪拌時間の影響を調査した結果を示す。図4及び図5において高炉水砕スラグAの場合には、混合工具3の回転速度を1100rpmとした順流攪拌の場合についても併せて示す。尚、図4及び図5において、rpmで表示した回転数の後段に表示した(順)とは順流攪拌であり、一方、何も表示していないのは逆流攪拌であり、これ以降の図面においては同一の表示方法で表示するものとする。
【0025】
ここで、粗粒率とは、標準網篩80mm、40mm、20mm、10mm、5mm、2.5mm、1.2mm、0.6mm、0.3mm、0.15mmの10種類からなる1組の篩を用いて篩目の大きい篩から順に篩分け試験を行ない、各篩にとどまる試料の質量百分率の和を100で除算した値であり、ちなみに、細骨材の粗粒率は2.6〜3.1程度になり、粗骨材では6〜8程度になる。例えば、篩分け試験を実施した際に、標準網篩80mm、40mm、20mm、10mm及び5mmの標準網篩では残留するものがなく(累加残留率0%)、2.5mmの標準網篩で3%が残留(累加残留率3%)し、1.2mmの標準網篩で27%が残留(累加残留率30%)し、0.6mmの標準網篩で41%が残留(累加残留率71%)し、0.3mmの標準網篩で21%が残留(累加残留率92%)し、0.15mmの標準網篩で5%が残留(累加残留率97%)した場合には、80mm、40mm、20mm、10mm、5mm、2.5mm、1.2mm、0.6mm、0.3mm、0.15mmの各篩における累加残留率の和は293(0+0+0+0+0+3+30+71+92+97=293)となり、この試料の粗粒率は2.93(293/100=2.93)となる。
【0026】
図4に示すように、攪拌時間が長くなるに伴って粗粒率は低下し、しかも、混合工具3の回転速度が高くなるほど粗粒率の低下に及ぼす効果が大きくなることが分かる。逆流攪拌と順流攪拌との差は殆どなく、同等の効果が作用していることが伺える。また、図5に示すように、攪拌時間が長くなるに伴って単位容積質量は増大し、しかも、混合工具3の回転速度が高くなるほど単位容積質量の増加に及ぼす効果が大きくなることが分かる。図4と同様、逆流攪拌と順流攪拌との差は殆どなく、同等の効果が作用しているものと類推される。但し、高炉水砕スラグに対して剪断力を得ることができることから、逆流攪拌の方が好ましい。
【0027】
図6は、図4及び図5で得られた結果に基づき、高炉水砕スラグAと高炉水砕スラグBについて、単位容積質量と粗粒率との関係の攪拌処理中での推移を表示した図である。図6に示すように、攪拌処理後の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)は、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて変化することが確認できた。従って、例えばコンクリート用細骨材として使用する場合には、単位容積質量が1.45kg/リットル以上となるように、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて処理条件(主に混合工具の回転数及び攪拌時間)を設定する必要のあることが分かる。用途の条件によっては粗粒率にも規定のある場合があるので、その場合には単位容積質量のみならず粗粒率も所定の範囲になるような攪拌条件を設定する必要がある。
【0028】
これは、例えば、特性(単位容積質量及び粗粒率)の異なる幾つかの種類の高炉水砕スラグを予め攪拌処理して図6と同様の単位容積質量と粗粒率との関係の推移を把握しておき、攪拌処理の対象となる高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)を調べ、調べた高炉水砕スラグの特性と、予め把握した単位容積質量と粗粒率との関係と、を対比することで、適正な攪拌条件を設定することができる。当然、魚介類の養殖用人工砂や海浜用の人工砂に使用する場合には、単位容積質量及び粗粒率の規定値がコンクリート用細骨材の規定値とは異なることもあるので、その場合には、その規定値に合致する攪拌条件で攪拌処理を実施する。
【0029】
このようなことから、攪拌処理はバッチ式に行なうことが好ましい。バッチ式の場合には、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて最適な攪拌処理を施すことができるからである。また、高炉水砕スラグは水和反応によって硬化する性質を有しているので、高炉水砕スラグの硬化を防止するための固結防止剤を何れどこかで添加する必要があるが、本発明方法においては、高速攪拌ミキサー1による攪拌処理において高炉水砕スラグの固結防止剤の混合を併せて実施することができる。これにより、従来は別途行なっていた固結防止剤の混合作業を省略することができる。攪拌処理前の高炉水砕スラグの付着水分量は20%以下であれば、何ら問題なく攪拌処理することができる。
【0030】
本発明では、このようにして高炉水砕スラグを高速攪拌ミキサー1で攪拌処理するので、高炉水砕スラグには、破砕機で破砕した場合のような破砕効果が作用せず、装入した高炉水砕スラグ粒子同士の摩擦による摩減効果(Attrition 効果)が主として作用し、高炉水砕スラグは不必要に細粒化せず、角の丸まった高炉水砕スラグ粒子が得られ、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させることができる。即ち、攪拌処理前に比較して平均粒子径を大幅に低下することなく、単位容積質量を増大させることが可能となる。
【0031】
また、攪拌処理は摩減効果が主体ではあるものの、直径の小さい針状スラグは他の粒状の高炉水砕スラグに比べれば脆弱であり、攪拌処理によって針状スラグは優先的に破砕され、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させるのみならず、生体用の人工砂として使用した場合にも、生体に刺さるといった問題を解消することができる。
【0032】
高速攪拌ミキサー1で攪拌した場合には、破砕機で破砕した場合のように高炉水砕スラグが細かくならない理由は、総投入動力が一定の場合、高速攪拌ミキサー1による攪拌処理では単位時間当りの投入動力(kW/m3 )が小さいことに起因するものと考えられる。因みに、高速攪拌ミキサー1の投入動力は40〜60kW/m3であるのに対し、破砕機の投入動力は通常200〜250kW/m3である。
【実施例1】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明する。単位容積質量が1.32〜1.34kg/リットルで粗粒率が2.99〜3.05である高炉水砕スラグを原料としてコンクリート用細骨材を製造するために本発明方法を実施した。
【0034】
先ず、予め図1に示す高速攪拌ミキサーを用い、原料となる高炉水砕スラグを、混合工具の回転速度を500rpm、750rpm、1000rpmとした逆流攪拌によって攪拌処理し、攪拌時間と単位容積質量及び粗粒率との関係を調査した。混合パンの回転数は何れも30rpmとした。また、比較のために特許文献1に提案された破砕方法についても高炉水砕スラグのスラグ層への衝突速度を変化させて破砕処理(「従来方法」と記す)し、単位容積質量と粗粒率との関係を調査した。
【0035】
図7は、高速攪拌ミキサーを用いて攪拌処理した際の、単位容積質量及び粗粒率の攪拌時間による推移を調査した結果を示す図である。図7に示すように、単位容積質量は攪拌時間の経過に伴って大きくなり、粗粒率は攪拌時間の経過に伴って減少した。混合工具の回転数が大きいほど、単位容積質量及び粗粒率の変化が大きくなることが分かった。
【0036】
図8は、これらの結果に基づいて単位容積質量と粗粒率との関係の推移を表示した図である。図8には、上記の従来方法による結果も併せて示している。図8から明らかなように、本発明方法においても、攪拌工具の回転数によって単位容積質量と粗粒率との関係は若干変化することが分かった。即ち、攪拌工具の回転数が遅いほど、高炉水砕スラグを細粒化せずに単位容積質量を大きくすることができることが確認できた。一方、従来方法では、単位容積質量を本発明方法と同等にするためには高炉水砕スラグを本発明方法よりも細かくする必要のあることが分かった。
【0037】
細骨材に要求される粗粒率は使用先の状況により多少異なるが、今回製造したコンクリート用細骨材では、単位容積質量が1.45kg/リットル以上であること(JIS規定)に加えて粗粒率が2.4〜2.8の範囲であることが規定されていたので、これらの規定を満足する整粒化処理条件として、(1)攪拌工具の回転数を750rpmとし攪拌時間を120秒とした逆流攪拌、(2)攪拌工具の回転数を1000rpmとし攪拌時間を45秒とした逆流攪拌の2種類の攪拌条件で整粒化処理することとした。
【0038】
図9にこれらの条件で整粒化処理した後の高炉水砕スラグの粒度分布を調査した結果を示す。図9には、整粒処理前の高炉水砕スラグの粒度分布も併せて示している。粒度分布は篩を使用して調査したものである。平均粒径に相当する累積質量が50質量%となる粒子サイズを比較すると、処理前の高炉水砕スラグが約0.91mmであるのに対し、750rpmで整粒化した場合には約0.81mm、1000rpmで整粒化した場合には約0.77mmであり、処理前に比較してスラグ粒子サイズを大幅に小さくすることなく、整粒化処理することができた。
【0039】
このようにして整粒化した高炉水砕スラグを細骨材として用い、種々の条件でコンクリートブロックを作製してコンクリート評価を室内試験で実施した。この評価試験では、本発明方法によって製造した細骨材(本発明適用材)の他に、上記の従来方法で製造した細骨材(従来材)も比較のために使用した。それぞれ本発明適用材及び従来材を天然砂の代替として30%、50%、70%の置換率で天然砂に配合した。この評価試験では、天然砂のみを細骨材とする試験も実施した。
【0040】
表1に配合条件及び試験結果を示す。また、図10、図11、図12に、配合条件の中から単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示し、図13、図14、図15に、試験結果の中から28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す。尚、表1に示すW/Cとは水/セメント比、S/Aとは細骨材比であり、高炉水砕スラグの種別の欄に「なし」と表示したものは、天然砂のみを細骨材として配合した試験である。
【0041】
【表1】
【0042】
表1及び図10〜12からも明らかなように、従来材を配合した場合と比べ、本発明適用材を配合した場合には、同一の流動性を得るための単位水量が2〜5kg/m3 減少した。また、表1及び図13〜15からも明らかなように、材齢28日の圧縮強度試験では、本発明適用材を配合した場合には、従来材を配合した場合に比べて同等以上の値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法を実施する際に用いた高速攪拌ミキサーの1例を示す概略斜視図である。
【図2】逆流攪拌時の混合パン及び混合工具の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図である。
【図3】順流攪拌時の混合パン及び混合工具の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図である。
【図4】2種類の高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、粗粒率に及ぼす攪拌時間の影響を示す図である。
【図5】2種類の高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量に及ぼす攪拌時間の影響を示す図である。
【図6】単位容積質量と粗粒率との関係の推移を表示した図である。
【図7】或る高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量及び粗粒率の攪拌時間による推移を示す図である。
【図8】或る高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量と粗粒率との関係の推移を示す図である。
【図9】整粒化処理した後の高炉水砕スラグの粒度分布を処理前の粒度分布と比較して示す図である。
【図10】試験No.1〜7における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図11】試験No.8〜13における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図12】試験No.14〜19における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図13】試験No.1〜7における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図14】試験No.8〜13における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図15】試験No.14〜19における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 高速攪拌ミキサー
2 混合パン
3 混合工具
4 スクレーパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、水によって急冷・固化された粒状の高炉水砕スラグの整粒化処理方法に関し、詳しくは、高炉水砕スラグをコンクリート用、モルタル用、ブロック用などの細骨材として使用する或いは魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂として使用するために、水砕スラグの粒度分布及びその形状を調整する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高炉から溶銑と共に排出された溶融状態の高炉スラグは、出銑樋を流下しながら密度差に基づき溶銑と分離し、更に、出銑樋に設けられたスキンマーによって溶銑と分離され、分離された溶融状態の高炉スラグは、スラグ用の樋(「スラグ樋」という)を流下してスラグ処理ヤード或いはスラグ収容容器に排出される。この高炉スラグの処理方法としては、溶融状態の高炉スラグをスラグ処理ヤードに流して徐冷する方法(「空冷法」という)と、溶融状態の高炉スラグに大量の水を噴射・混合攪拌して急冷する或いは溶融状態の高炉スラグを大量の水の中に流し込んで急冷する方法(「水砕法」という)と、溶融状態の高炉スラグを空気などの気体と共に空気中に吹き飛ばして急冷する方法(「風砕法」という)との主として3種類の処理方法が知られている。
【0003】
このうち、水砕法によって処理された高炉スラグは高炉水砕スラグと呼ばれており、この高炉水砕スラグは、粒径がおよそ6mm以下の粒状のガラス質で、その物性は天然砂の物性に似ていると同時に、高炉水砕スラグ自体が水和反応によって硬化するという特質も併せて有している。そのため、高炉水砕スラグは、微粉砕されて高炉セメント原料及びコンクリート用混和材(「水砕微粉末」という)として使用されると同時に、無加工または軽破砕処理されて土木建築用の天然砂の代替としても使用されている。天然砂代替の土木建築用の用途としては、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材などの他に、土木工事向け埋め戻し材料、盛土材料など、及び、魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂としても使用することができる。
【0004】
しかしながら、高炉水砕スラグは一般に溶融状態の高炉スラグに水を噴射・混合攪拌することで製造されるため、この冷却過程で水流によって高炉スラグの引き伸ばされた部分が形成され、この引き伸ばされた部分が折損することにより、高炉水砕スラグには径が0.1〜0.5mm程度で長さが1〜5mm程度の針状のガラス化したスラグ(以下、「針状スラグ」と称す)が混合する。そのため、化学組成的及び物理特性的には天然砂に近いものの、ハンドリングを要する材料並びに生体目的には、針状スラグが生体に刺さるので使用しにくいという問題点が生ずる。
【0005】
また、針状スラグが含まれているのみならず、急冷されて形成するためにその面が天然砂に比較して鋭利であり、充填した場合に密に詰まった状態になりにくく、そのため、水砕処理されたままの高炉水砕スラグは単位体積当りの質量(以下、「単位容積質量」と記す)が天然砂に比較して小さくなるという問題点も生じる。高炉水砕スラグをコンクリート用細骨材として使用する場合には、その単位容積質量を1.45kg/リットル以上にする必要のあることがJISによって規定されている。
【0006】
従って、これらの問題点を解決するために、従来、破砕機を用いて高炉水砕スラグを粉砕することが行われていた。この粉砕処理により、針状スラグが破壊されると同時に粒径が小さくなり、単位容積質量が増大する。この破砕機には、種々の方式の破砕機が使用されており、主な破砕機としては、インパクトクラッシャーのような衝撃で破砕する型式の破砕機や、コーンクラッシャーのように剪断力で破砕する型式の破砕機が挙げられる。しかし、何れの方法においても、破砕装置の破砕部と高炉水砕スラグとが直接接触することで破砕しており、単位容積質量をJISの規定値の範囲内に調整すると、破砕した高炉水砕スラグが細かくなり過ぎるという問題点があった。また、インパクトクラッシャーのように衝撃で破砕する破砕機では、破砕衝突部との接触の良い大きな粒子は効率良く破砕されるものの、小さな粒子及び針状スラグは破砕衝突部との接触が十分に行われず、破砕効率が悪いという欠点もあった。
【0007】
そこで、これらの問題点を解決するための手段として特許文献1が提案されている。特許文献1による破砕方法は、20mm以上の厚みで蓄積している高炉水砕スラグの層に、高炉水砕スラグの粒子を毎秒30〜90mの速度で衝突させ、高炉水砕スラグを破砕する方法である。特許文献1によれば、高炉水砕スラグの層に高炉水砕スラグ粒子を衝突させるため、過度な破砕を防止することができると共に破砕機では磨耗する部位がないため、修繕費が安い効果も発揮できるとしている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−192713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1による方法も基本的に衝突による衝撃力を利用した破砕方法であるために、スラグの破砕面は、衝撃力で破砕する破砕機や剪断力を利用した破砕機で破砕した場合と同様に天然砂に比較して鋭利であるという問題点と、破砕面が鋭利であるがために単位容積質量をJISの規定値の範囲内に調整すると破砕後の高炉水砕スラグが細かくなり過ぎるという問題点は、依然として解決されないまま存続する。破砕面が天然砂に比較して鋭利であると、細骨材の充填率が低くなるので、コンクリート構造物などの性能低下をもたらすといった問題点が生じ、また、破砕した高炉水砕スラグが細かくなり過ぎた場合には、粒度調整のために篩分け処理が必要になったり、破砕される前の高炉水砕スラグを予め所定の粒度範囲に制約する必要が生じたりするといった問題点が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉水砕スラグから天然砂の代替としてコンクリート用、モルタル用、ブロック用などの細骨材、或いは、魚介類の養殖用またはレジャー向け海浜用の人工砂を製造するに際し、従来の方法に比べて整粒化処理後のスラグ面が鋭利でなく、且つ、従来の方法に比べて整粒化処理後の高炉水砕スラグを細粒化することなく単位容積質量をJISの規定値内に調整することのできる高炉水砕スラグの整粒化処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための第1の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、高炉水砕スラグを、回転する混合パンと、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーと、を備えた高速攪拌ミキサーに装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1の発明において、前記混合パンの回転方向と前記混合工具の回転方向とが逆方向であることを特徴とするものである。
【0013】
第3の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1または第2の発明において、前記高炉水砕スラグを前記高速攪拌ミキサーにバッチ式で装入することを特徴とするものである。
【0014】
第4の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1ないし第3の発明の何れかにおいて、前記高速攪拌ミキサーに高炉水砕スラグの固結防止剤を添加して混合攪拌し、高炉水砕スラグの粒度分布を変更すると同時に高炉水砕スラグと固結防止剤とを混合することを特徴とするものである。
【0015】
第5の発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記高速攪拌ミキサーで攪拌された高炉水砕スラグは、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、海浜用の人工砂の1種または2種以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高炉水砕スラグを高速攪拌ミキサーを用いて攪拌処理するので、高炉水砕スラグには、破砕機によって破砕した場合のような破砕効果が作用せず、装入した高炉水砕スラグ粒子同士の摩擦による摩減効果(Attrition 効果)が主体となって作用し、高炉水砕スラグは不必要に細粒化せず、角の丸まった高炉水砕スラグ粒子が得られ、単位容積質量を増大させることができる。従来は規定の単位容積質量を確保しようとすると細かくなり過ぎるなどのために、処理前の高炉水砕スラグを特定のサイズに制約する必要のある場合もあったが、本発明によってこの制約を大幅に緩和することが可能となる。
【0017】
また、高速攪拌ミキサーを用いた攪拌処理は摩減効果が主体ではあるものの、直径の小さい針状スラグは、直径が相対的に大きい他の粒状の高炉水砕スラグに比べれば脆弱であるため、この攪拌処理によって針状スラグは優先的に破砕され、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させるのみならず、生体用の人工砂として使用した場合にも、生体に刺さるといった問題点を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0019】
先ず、本発明方法の対象とする高炉水砕スラグの製造方法について概略説明する。高炉から溶銑と共に排出された溶融状態の高炉スラグを溶銑と分離し、分離した溶融状態の高炉スラグを高速で噴射している水中に落下させて水と混合・攪拌して急冷する、或いは、溶融スラグを流れている大量の水の中に流し込んで急冷し、粒径が6mm程度以下のガラス質の高炉水砕スラグを製造する。この水を用いた急冷固化処理即ち水砕処理は、高炉鋳床に設置されたスラグ樋から排出される溶融スラグを直接水砕処理しても、また、スラグ樋から排出される溶融スラグを一旦スラグ収容容器に収容し、別の場所で水砕処理してもどちらでも構わない。
【0020】
製造した高炉水砕スラグをフィルターなどによって水中から回収し、備蓄ヤードなどで仮置きする。この仮置き中に水分が除去され、高炉水砕スラグの付着水分量が減少する。本発明を実施するに当っては、高炉水砕スラグを完全に乾燥する必要は全くない。得られる高炉水砕スラグの化学成分は、SiO2 :30〜40質量%、CaO:35〜50質量%、Al2O3 :10〜20質量%、MgO:3〜10質量%、FeO:2質量%以下であり、塩基度(CaO/SiO2 )はおよそ1.1〜1.4である。
【0021】
次いで、この高炉水砕スラグをコンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、レジャー向け海浜用の人工砂などに供するために、この高炉水砕スラグに対して本発明に係る整粒化処理を施す。本発明に係る整粒化処理は、例えば図1に示すような高速攪拌ミキサーによって行なわれる。ここで、図1は、本発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法を実施する際に用いた高速攪拌ミキサーの1例を示す概略斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本発明方法で使用する高速攪拌ミキサー1は、高炉水砕スラグなどの被攪拌物体を収容し、被攪拌物体を収容した状態で回転する混合パン2と、この混合パン2の内部にあって混合パン2の中心位置から偏心した位置に配置され、混合パン2とは独立して回転する混合工具(「アジテーター」とも呼ぶ)3と、混合パン2の内部に固定されて配置されたスクレーパー4とを備えている。混合パン2及び混合工具3はそれぞれ独立して回転方向及び回転数を設定することが可能であり、図2に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を逆方向にする場合(「逆流攪拌」と称す)と、図3に示すように、混合パン2と混合工具3との回転方向を同一方向にする場合(「順流攪拌」と称す)の2種類の攪拌方法で攪拌することができる。尚、図2及び図3は、混合パン2及び混合工具3の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図であり、図中の太い矢印が混合パン2及び混合工具3の回転方向を表し、細い矢印が被攪拌物体の攪拌方向を表している。
【0023】
この高速攪拌ミキサー1では、回転する混合パン2が連続的且つ効率良く被攪拌物体を回転している混合工具3の近傍へ移動させるので、被攪拌物体の混合が促進される。特に、逆流攪拌の場合には、混合パン2と攪拌工具3との高い速度差によって被攪拌物体が逆流し、高い剪断力が被攪拌物体に作用して被攪拌物体の混合が促進される。スクレーパー4は、垂直方向の流れを発生させると共に、混合パン2の表面での被攪拌物体の滞留・固着を防止するためのものである。尚、図1に示す高速攪拌ミキサー1では、混合パン2が水平面に対して傾斜しているが、傾斜させずに水平としてもよく、また、混合工具3が混合パン2の内部に1基のみ配置されているが、2基以上配置してもよい。混合工具3を2基以上配置する場合には、混合工具3の形状は同一にする必要はなく変更してもよい。
【0024】
このような高速攪拌ミキサー1に高炉水砕スラグを装入し、高炉水砕スラグに対して攪拌による整粒化処理を実施する。図4及び図5に、単位容積質量が1.37kg/リットルで粗粒率が2.91の高炉水砕スラグAと、単位容積質量が1.17kg/リットルで粗粒率が3.13の高炉水砕スラグBの2種類の高炉水砕スラグを、混合パン2の回転速度を毎分30回(以下、「rpm」と記す)とし、混合工具3の回転速度を960rpm及び1100rpmとした逆流攪拌の場合において、粗粒率及び単位容積質量に及ぼす攪拌時間の影響を調査した結果を示す。図4及び図5において高炉水砕スラグAの場合には、混合工具3の回転速度を1100rpmとした順流攪拌の場合についても併せて示す。尚、図4及び図5において、rpmで表示した回転数の後段に表示した(順)とは順流攪拌であり、一方、何も表示していないのは逆流攪拌であり、これ以降の図面においては同一の表示方法で表示するものとする。
【0025】
ここで、粗粒率とは、標準網篩80mm、40mm、20mm、10mm、5mm、2.5mm、1.2mm、0.6mm、0.3mm、0.15mmの10種類からなる1組の篩を用いて篩目の大きい篩から順に篩分け試験を行ない、各篩にとどまる試料の質量百分率の和を100で除算した値であり、ちなみに、細骨材の粗粒率は2.6〜3.1程度になり、粗骨材では6〜8程度になる。例えば、篩分け試験を実施した際に、標準網篩80mm、40mm、20mm、10mm及び5mmの標準網篩では残留するものがなく(累加残留率0%)、2.5mmの標準網篩で3%が残留(累加残留率3%)し、1.2mmの標準網篩で27%が残留(累加残留率30%)し、0.6mmの標準網篩で41%が残留(累加残留率71%)し、0.3mmの標準網篩で21%が残留(累加残留率92%)し、0.15mmの標準網篩で5%が残留(累加残留率97%)した場合には、80mm、40mm、20mm、10mm、5mm、2.5mm、1.2mm、0.6mm、0.3mm、0.15mmの各篩における累加残留率の和は293(0+0+0+0+0+3+30+71+92+97=293)となり、この試料の粗粒率は2.93(293/100=2.93)となる。
【0026】
図4に示すように、攪拌時間が長くなるに伴って粗粒率は低下し、しかも、混合工具3の回転速度が高くなるほど粗粒率の低下に及ぼす効果が大きくなることが分かる。逆流攪拌と順流攪拌との差は殆どなく、同等の効果が作用していることが伺える。また、図5に示すように、攪拌時間が長くなるに伴って単位容積質量は増大し、しかも、混合工具3の回転速度が高くなるほど単位容積質量の増加に及ぼす効果が大きくなることが分かる。図4と同様、逆流攪拌と順流攪拌との差は殆どなく、同等の効果が作用しているものと類推される。但し、高炉水砕スラグに対して剪断力を得ることができることから、逆流攪拌の方が好ましい。
【0027】
図6は、図4及び図5で得られた結果に基づき、高炉水砕スラグAと高炉水砕スラグBについて、単位容積質量と粗粒率との関係の攪拌処理中での推移を表示した図である。図6に示すように、攪拌処理後の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)は、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて変化することが確認できた。従って、例えばコンクリート用細骨材として使用する場合には、単位容積質量が1.45kg/リットル以上となるように、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて処理条件(主に混合工具の回転数及び攪拌時間)を設定する必要のあることが分かる。用途の条件によっては粗粒率にも規定のある場合があるので、その場合には単位容積質量のみならず粗粒率も所定の範囲になるような攪拌条件を設定する必要がある。
【0028】
これは、例えば、特性(単位容積質量及び粗粒率)の異なる幾つかの種類の高炉水砕スラグを予め攪拌処理して図6と同様の単位容積質量と粗粒率との関係の推移を把握しておき、攪拌処理の対象となる高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)を調べ、調べた高炉水砕スラグの特性と、予め把握した単位容積質量と粗粒率との関係と、を対比することで、適正な攪拌条件を設定することができる。当然、魚介類の養殖用人工砂や海浜用の人工砂に使用する場合には、単位容積質量及び粗粒率の規定値がコンクリート用細骨材の規定値とは異なることもあるので、その場合には、その規定値に合致する攪拌条件で攪拌処理を実施する。
【0029】
このようなことから、攪拌処理はバッチ式に行なうことが好ましい。バッチ式の場合には、攪拌処理前の高炉水砕スラグの特性(単位容積質量及び粗粒率)に応じて最適な攪拌処理を施すことができるからである。また、高炉水砕スラグは水和反応によって硬化する性質を有しているので、高炉水砕スラグの硬化を防止するための固結防止剤を何れどこかで添加する必要があるが、本発明方法においては、高速攪拌ミキサー1による攪拌処理において高炉水砕スラグの固結防止剤の混合を併せて実施することができる。これにより、従来は別途行なっていた固結防止剤の混合作業を省略することができる。攪拌処理前の高炉水砕スラグの付着水分量は20%以下であれば、何ら問題なく攪拌処理することができる。
【0030】
本発明では、このようにして高炉水砕スラグを高速攪拌ミキサー1で攪拌処理するので、高炉水砕スラグには、破砕機で破砕した場合のような破砕効果が作用せず、装入した高炉水砕スラグ粒子同士の摩擦による摩減効果(Attrition 効果)が主として作用し、高炉水砕スラグは不必要に細粒化せず、角の丸まった高炉水砕スラグ粒子が得られ、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させることができる。即ち、攪拌処理前に比較して平均粒子径を大幅に低下することなく、単位容積質量を増大させることが可能となる。
【0031】
また、攪拌処理は摩減効果が主体ではあるものの、直径の小さい針状スラグは他の粒状の高炉水砕スラグに比べれば脆弱であり、攪拌処理によって針状スラグは優先的に破砕され、高炉水砕スラグの単位容積質量を増大させるのみならず、生体用の人工砂として使用した場合にも、生体に刺さるといった問題を解消することができる。
【0032】
高速攪拌ミキサー1で攪拌した場合には、破砕機で破砕した場合のように高炉水砕スラグが細かくならない理由は、総投入動力が一定の場合、高速攪拌ミキサー1による攪拌処理では単位時間当りの投入動力(kW/m3 )が小さいことに起因するものと考えられる。因みに、高速攪拌ミキサー1の投入動力は40〜60kW/m3であるのに対し、破砕機の投入動力は通常200〜250kW/m3である。
【実施例1】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明する。単位容積質量が1.32〜1.34kg/リットルで粗粒率が2.99〜3.05である高炉水砕スラグを原料としてコンクリート用細骨材を製造するために本発明方法を実施した。
【0034】
先ず、予め図1に示す高速攪拌ミキサーを用い、原料となる高炉水砕スラグを、混合工具の回転速度を500rpm、750rpm、1000rpmとした逆流攪拌によって攪拌処理し、攪拌時間と単位容積質量及び粗粒率との関係を調査した。混合パンの回転数は何れも30rpmとした。また、比較のために特許文献1に提案された破砕方法についても高炉水砕スラグのスラグ層への衝突速度を変化させて破砕処理(「従来方法」と記す)し、単位容積質量と粗粒率との関係を調査した。
【0035】
図7は、高速攪拌ミキサーを用いて攪拌処理した際の、単位容積質量及び粗粒率の攪拌時間による推移を調査した結果を示す図である。図7に示すように、単位容積質量は攪拌時間の経過に伴って大きくなり、粗粒率は攪拌時間の経過に伴って減少した。混合工具の回転数が大きいほど、単位容積質量及び粗粒率の変化が大きくなることが分かった。
【0036】
図8は、これらの結果に基づいて単位容積質量と粗粒率との関係の推移を表示した図である。図8には、上記の従来方法による結果も併せて示している。図8から明らかなように、本発明方法においても、攪拌工具の回転数によって単位容積質量と粗粒率との関係は若干変化することが分かった。即ち、攪拌工具の回転数が遅いほど、高炉水砕スラグを細粒化せずに単位容積質量を大きくすることができることが確認できた。一方、従来方法では、単位容積質量を本発明方法と同等にするためには高炉水砕スラグを本発明方法よりも細かくする必要のあることが分かった。
【0037】
細骨材に要求される粗粒率は使用先の状況により多少異なるが、今回製造したコンクリート用細骨材では、単位容積質量が1.45kg/リットル以上であること(JIS規定)に加えて粗粒率が2.4〜2.8の範囲であることが規定されていたので、これらの規定を満足する整粒化処理条件として、(1)攪拌工具の回転数を750rpmとし攪拌時間を120秒とした逆流攪拌、(2)攪拌工具の回転数を1000rpmとし攪拌時間を45秒とした逆流攪拌の2種類の攪拌条件で整粒化処理することとした。
【0038】
図9にこれらの条件で整粒化処理した後の高炉水砕スラグの粒度分布を調査した結果を示す。図9には、整粒処理前の高炉水砕スラグの粒度分布も併せて示している。粒度分布は篩を使用して調査したものである。平均粒径に相当する累積質量が50質量%となる粒子サイズを比較すると、処理前の高炉水砕スラグが約0.91mmであるのに対し、750rpmで整粒化した場合には約0.81mm、1000rpmで整粒化した場合には約0.77mmであり、処理前に比較してスラグ粒子サイズを大幅に小さくすることなく、整粒化処理することができた。
【0039】
このようにして整粒化した高炉水砕スラグを細骨材として用い、種々の条件でコンクリートブロックを作製してコンクリート評価を室内試験で実施した。この評価試験では、本発明方法によって製造した細骨材(本発明適用材)の他に、上記の従来方法で製造した細骨材(従来材)も比較のために使用した。それぞれ本発明適用材及び従来材を天然砂の代替として30%、50%、70%の置換率で天然砂に配合した。この評価試験では、天然砂のみを細骨材とする試験も実施した。
【0040】
表1に配合条件及び試験結果を示す。また、図10、図11、図12に、配合条件の中から単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示し、図13、図14、図15に、試験結果の中から28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す。尚、表1に示すW/Cとは水/セメント比、S/Aとは細骨材比であり、高炉水砕スラグの種別の欄に「なし」と表示したものは、天然砂のみを細骨材として配合した試験である。
【0041】
【表1】
【0042】
表1及び図10〜12からも明らかなように、従来材を配合した場合と比べ、本発明適用材を配合した場合には、同一の流動性を得るための単位水量が2〜5kg/m3 減少した。また、表1及び図13〜15からも明らかなように、材齢28日の圧縮強度試験では、本発明適用材を配合した場合には、従来材を配合した場合に比べて同等以上の値が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る高炉水砕スラグの整粒化処理方法を実施する際に用いた高速攪拌ミキサーの1例を示す概略斜視図である。
【図2】逆流攪拌時の混合パン及び混合工具の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図である。
【図3】順流攪拌時の混合パン及び混合工具の回転方向と、そのときの被攪拌物体の攪拌方向を模式的に示す図である。
【図4】2種類の高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、粗粒率に及ぼす攪拌時間の影響を示す図である。
【図5】2種類の高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量に及ぼす攪拌時間の影響を示す図である。
【図6】単位容積質量と粗粒率との関係の推移を表示した図である。
【図7】或る高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量及び粗粒率の攪拌時間による推移を示す図である。
【図8】或る高炉水砕スラグを攪拌処理した際の、単位容積質量と粗粒率との関係の推移を示す図である。
【図9】整粒化処理した後の高炉水砕スラグの粒度分布を処理前の粒度分布と比較して示す図である。
【図10】試験No.1〜7における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図11】試験No.8〜13における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図12】試験No.14〜19における単位水量と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図13】試験No.1〜7における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図14】試験No.8〜13における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【図15】試験No.14〜19における28日経過時の圧縮強度と高炉水砕スラグの置換率との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 高速攪拌ミキサー
2 混合パン
3 混合工具
4 スクレーパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉水砕スラグを、回転する混合パンと、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーと、を備えた高速攪拌ミキサーに装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することを特徴とする、高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項2】
前記混合パンの回転方向と前記混合工具の回転方向とが逆方向であることを特徴とする、請求項1に記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項3】
前記高炉水砕スラグを前記高速攪拌ミキサーにバッチ式で装入することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項4】
前記高速攪拌ミキサーに高炉水砕スラグの固結防止剤を添加して混合攪拌し、高炉水砕スラグの粒度分布を変更すると同時に高炉水砕スラグと固結防止剤とを混合することを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項5】
前記高速攪拌ミキサーで攪拌された高炉水砕スラグは、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、海浜用の人工砂の1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項1】
高炉水砕スラグを、回転する混合パンと、当該混合パンの中心位置から偏心した位置に配置された、混合パンとは独立して回転する混合工具と、前記混合パンの内部に固定されて配置されたスクレーパーと、を備えた高速攪拌ミキサーに装入して攪拌し、少なくとも高炉水砕スラグの粒度分布を変更することを特徴とする、高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項2】
前記混合パンの回転方向と前記混合工具の回転方向とが逆方向であることを特徴とする、請求項1に記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項3】
前記高炉水砕スラグを前記高速攪拌ミキサーにバッチ式で装入することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項4】
前記高速攪拌ミキサーに高炉水砕スラグの固結防止剤を添加して混合攪拌し、高炉水砕スラグの粒度分布を変更すると同時に高炉水砕スラグと固結防止剤とを混合することを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【請求項5】
前記高速攪拌ミキサーで攪拌された高炉水砕スラグは、コンクリート用細骨材、モルタル用細骨材、ブロック用細骨材、魚介類の養殖用人工砂、海浜用の人工砂の1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の高炉水砕スラグの整粒化処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−21942(P2006−21942A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200522(P2004−200522)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000200301)JFEミネラル株式会社 (79)
【出願人】(597009046)日本アイリッヒ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000200301)JFEミネラル株式会社 (79)
【出願人】(597009046)日本アイリッヒ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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