説明

高熱伝導材からつくった前燃焼室を有する内燃機関用点火装置と前燃焼室を有する点火器

【課題】
エンジンが全負荷で作動するときの空気‐燃料混合物の燃料含有分を低減、ピンキングの抑制、オキシデントの利用、そして燃料の利用の効率改善
【解決手段】
主可燃性混合物を含むよう設計され、当該主可燃性混合物の圧縮装置を装備している主室1と、 反応物を受け入れるよう設計された前燃焼室2とこの前燃焼室に含まれた反応物の点火装置13,14を含む点火器11とを含み、前燃焼室は少なくとも一つの通路15を含むヘッド12aを有する前燃焼室ボディ12により形成され、この前燃焼室ボディのヘッドは前燃焼室を主室から分離し、そして前燃焼室と主室とを通路により連絡している点火装置において、前記の前燃焼室ボディは20℃で少なくとも10W/K/mの熱伝導率を有している材料からつくられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関用点火装置並びに前燃焼室を有する点火器に関するものである。
【0002】
本発明の点火装置は前燃焼室を有する点火器を含んでおり、内燃機関のシリンダーヘッド(直径は14ミリに等しいか、もしくはそれより小さい)を何ら変更することなく通常の点火スパーキングプラグの代わりに当該前燃焼室をねじ込むことができる。オキシダントと燃料との混合物に点火する手段は前燃焼室に含まれており、前燃焼室を形成しているそれのボディのヘッドには通路が設けられている。
【0003】
こうして前燃焼室を有する点火器を内燃機関のシリンダーヘッドに取り付けると、点火器の前燃焼室はそれのボディのヘッドだけ内燃機関の主燃焼室から離れ、そしてそのヘッドの通路により主燃焼室と連通している。
【0004】
前燃焼室に反応物を直接注入することのできる手段を点火器に設けることとなろう。
【背景技術】
【0005】
米国特許4,926,818には渦巻き状の燃焼ポケットを形成するよう設計された脈動ジェットを発生する装置と方法とが開示されている。この装置は主可燃性混合物を含み、ピストンが動く主室と、反応物を受けとり、そして壁に空けたオリフイスを介して主室と連通している前燃焼室とを備えている。この前燃焼室内での反応物の点火がガス噴出を燃焼させ、そのことが炎頭もしくはフレーム・フロントの還流により主室内の主混合物を点火させる。
【0006】
仏国特許出願2,781,840が開示している内燃機関用点火装置は、
主可燃性混合物を含むよう設計され、そしてこの混合物の圧縮装置を装備した主室、
反応物を受け取るように設計され、そして主室を分離している壁に空けたオリフイスを介して主室と連通している前燃焼室、
この前燃焼室に含まれている反応物を点火する装置
を備えている。
【0007】
全体として満足すべきものであることが明らかとなっているこの内燃機関用点火装置においてそのオリフイスは小さい直径であって、そして前燃焼室内の反応物の燃焼から取り出される不安定な化合物を伝播させながらも炎頭の伝播を阻止することができる。圧縮装置と不安定な化合物での主混合物の種付けとが初期混合物の全自己点火を可能とする。
【0008】
仏国特許出願2,810,692に係る内燃機関用点火装置は全体として円筒形であって、仏国特許出願2,781,840に開示のものと同様の前燃焼室を含んでいるが、主燃焼室と連通しているそれの通路は最外側通路の中心を通る円上に配置されており、その円の直径は円筒状の前燃焼室の直径の1/2に等しいか、それよりも小さい比率となっている。このような構成によって三段階触媒での汚染除去の目的に対して内燃機関は少量のオキシデント空気で作動することができ、特に主室内の空気‐燃料混合物の組成が化学量論的であるとき作動することができる。
【0009】
このような内燃機関用点火装置は改善の余地がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の内燃機関用点火装置は次の利点を有する。
‐エンジンが全負荷で作動するときの空気‐燃料混合物の燃料含有分を低減
‐エンジンがガタガタ音をたてるピンキングの減少、多分そのピンキングの抑制、これによりエンジンの容量比を高めることができる。
‐オキシデントの利用、そして燃料の利用の効率改善
【課題を解決するための手段】
【0011】
このための本発明は、
‐主可燃性混合物を含むよう設計され、当該主可燃性混合物の圧縮装置を装備している主室と、
‐反応物を受け入れるよう設計された前燃焼室とこの前燃焼室に含まれた反応物の点火装置を含む点火器と(前燃焼室は少なくとも一つの通路を含むヘッドを有する前燃焼室ボディにより形成され、この前燃焼室ボディのヘッドは前燃焼室を主室から分離し、そして前燃焼室と主室とを通路により連絡している)
を含む点火装置に係るものである。
【0012】
本発明に従って前燃焼室ボディは20℃で少なくとも10W/K/mの熱伝導率を有している材料からつくられている。
【0013】
好ましくは、前燃焼室ボディは20℃で少なくとも30W/K/m、さらに良いのは少なくとも50W/K/mの熱伝導率を有している材料からつくられている。
【0014】
一般に、前燃焼室ボディは20℃で350W/K/mを越えない熱伝導率を有している材料からつくられている。
【0015】
本発明に従って前燃焼室ボディをつくるには、上に記載した熱伝導率を有し、点火装置の作動に起因する熱と圧力に抵抗できるならばどのような材料を使ってもよい。
【0016】
銅合金を使うのがよいことを知るべきである。本発明に従って前燃焼室ボディを形成する材料は、好ましくは二成分黄銅合金、銅-ニッケル合金、銅-アルミニューム合金そして銅-ニッケル-亜鉛合金から選択される。
【0017】
前燃焼室ボディを形成する材料は具体的には、CuZn5、CuZn10、CuZn15、CuZn20、CuZn30、CuZn33、CuZn36、CuZn37、CuZn40、CuNi44Mn、CuNi5Fe、CuAl5、CuAl6、CuAl10Fe5Ni5、CuNi10Zn27、CuNi12Zn24、CuNi15Zn21、CuNi18Zn20、CuNi18Zn27、CuNi10Zn42Pb2そしてCuNi18Zn19Pb1、好ましくは熱伝導率が20℃で234W/(m.K)であるCuZn5合金である。これらの合金の成分は標準NFA51−101により示される。
【0018】
本発明の前燃焼室に特に好ましい材料は合金CuCr1Zrである。この合金の熱伝導率は20℃で320W/K/mである。この合金は重量で、0.4%以上のクロム、0.02ないし0.1%のジルコニユームを含み、100%になるまでの残りは銅である。
【0019】
ひどく過給する内燃機関、すなわち13バールに等しいか、それよりも大きい平均実効圧力を有する内燃機関に使用しようとする前燃焼室の点火器にこれらの熱伝導率の高い合金は特に適している。例えば、コンプレッサー用もしくはターボコンプレッサー用エンジンに適している。
【0020】
本発明に従ってこのような材料を使用することにより前燃焼室のボディに対しエネルギーの排出を改善させ、従ってホット・ポイントの出現を防止する。
【0021】
本発明の点火装置の使用から生じる燃焼モードは空気の動きにより燃焼を増速させなくても十分な燃焼速度を保障している。
【0022】
このことによりピンキング効果をかなり減少することができる。このように減少したピンキングは8と14の間であるのが有利であるエンジンの高い容積比と両立できる。
【0023】
さらにそのような低減したピンキングによりオキシデントの、そして燃料の利用生産性はよくなる。
【0024】
ピンキングにより(特に高負荷のとき)エンジンが制限されるとき、すなわち、あまりに小さい燃焼速度が室のある部分において、それらの部分が炎頭により燃やされてしまう前に混合物の自己点火の状態に到達できるようにすると、点火を進めるために加えられる調整は最適な場合よりも遅らせられてしまう。燃焼室に入れられた空気と燃料との分量は最適爆発エネルギーを生み出すようには利用されない。
【0025】
ピンキング現象を抑制すると、最適爆発エネルギーの生成に近づけて点火を進めるエンジンの調整ができ、そのことがオキシダントと燃料との利用の改善を可能とする。
【0026】
第1の実施例では主室内の主混合物の点火は前燃焼室に含まれた反応物の点火から出てきた炎頭の還流により生じる。
【0027】
そのような場合通路は円筒形であり、そして直径は1ミリよりも大きい。
【0028】
第2の実施例では、通路は、前燃焼室に含まれている反応物の燃焼から取り出された不安定な化合物を伝播させながらも炎頭は伝播させないようにし、主室の圧縮装置と前記の不安定な化合物での主混合物の種付けとにより主混合物の自己全点火を可能とさせている。
【0029】
大容積の自己点火は非常に迅速な圧力増加、ピンキングの低減そして十分な反復性を可能とする。
【0030】
そのような場合通路は円筒形であり、そして直径は1ミリか、もしくはそれよりも大きい。
【0031】
通路の長さはそれの直径に等しいか、もしくはそれよりも小さい。長さとは分離壁面に垂直な方向の通路の距離である。こうして壁に捕捉される不安定な成分の分量は最小となる。
【0032】
一般に、通路の数は1と20の間であって、好ましくは、3と15の間である。
【0033】
好ましい実施例では、不安定な成分での主混合物の種付けによる混合物の自己点火の場合: ‐主室に隣接していない、前燃焼室ボディの上方部分は内直径Fの円筒であり、そして
‐前燃焼室ボディのヘッドは幾つかの通路を含み、これらの通路は最外側の通路の中心を通る直径dの円上に配置されており、比d/Fは0.5に等しいか、それよりも小さい。
【0034】
比d/Fは1/3に等しいか、それよりも小さい。
【0035】
最外側の通路の中心を通る円の中心は前燃焼室の対称軸上にある。
【0036】
しかし、別の実施例では、最外側の通路の中心を通る円の中心は前燃焼室の対称軸から距離dにあり、この距離dは前燃焼室2の1/4直径Fに等しいか、それよりも大きい。そのような構成にすると、前燃焼室の特定域の方に、前燃焼室の対称軸からずれた前記の円の中心位置に対し炎の、もしくは不安定な成分の噴出を向けることができ、そのことは好ましいことである。
【0037】
本発明は、少なくとも一つの通路を設けたヘッドを有する前燃焼室ボディにより形成され、可燃性混合物を含むよう設計されている前燃焼室と、この前燃焼室に含まれた可燃性混合物の点火装置とを備えている内燃機関用点火器に係るものでもあり、前燃焼室ボディは熱伝導率が20℃で少なくとも10W/K/m、好ましくは少なくとも30W/K/m、そして350W/K/mに等しいか、それよりも小さい材料からできている。
【0038】
前燃焼室ボディは銅合金からつくられている。本発明に従って前燃焼室ボディを形成している材料は二成分黄銅、銅‐ニッケル合金、銅‐アルミニューム合金そして銅‐ニッケル‐亜鉛合金から選択されている。
【0039】
前燃焼室ボディを形成している材料は具体的には、CuZn5、CuZn10、CuZn15、CuZn20、CuZn30、CuZn33、CuZn36、CuZn37、CuZn40、CuNi44Mn、CuNi5Fe、CuAl5、CuAl6、CuAl10Fe5Ni5、CuNi10Zn27、CuNi12Zn24、CuNi15Zn21、CuNi18Zn20、CuNi18Zn27、CuNi10Zn42Pb2そしてCuNi18Zn19Pb1であり、好ましくは合金CuZn5であって、それらの熱伝導率は20℃で234W/(m.K)である。
【0040】
前燃焼室ボディを形成している材料はCuCr1Zr合金で、それの熱伝導率は20℃で320W/K/mである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の利点と特徴とは添付図を参照しての以下の説明から理解されよう。
【0042】
図1に示す内燃機関のシリンダーはジャケット(図示せず)により輪郭が決められ、シリンダーヘッド10により上部を閉じられている主室1を含んでいる。通常のように、主室1はロッド(図示せず)により移動させられるピストン(図示せず)を含んでいる。
【0043】
本発明の前燃焼室付きの点火器11をシリンダーヘッド10に、例えばシリンダーヘッド10のネジ10aにねじ込むことにより主室1に隣り合わせに取り付ける。
【0044】
点火器11は、全体として管状の前燃焼室12を含み、これは好ましくは半球の帽子の形をしたヘッド12aを含んでいて、前燃焼室2を形成している。
【0045】
前燃焼室12のヘッド12aは主室1と前燃焼室2との間の分離壁を形成している。ヘッド12aは前燃焼室2を通路15により主室1と連絡している。
【0046】
20℃で熱伝導率が少なくとも10W/K/m、好ましくは少なくとも20W/K/m、さらに良いのは少なくとも50W/K/mの材料から前燃焼室ボディ12はできている。一般に、前燃焼室ボディを構成している材料の熱伝導率は20℃で350W/K/mを越えない。有利には、前燃焼室ボディ12はCuCr1Zr合金でつくられ、それの20℃での熱伝導率は320W/K/mである。
【0047】
一般に、前燃焼室2の容積は0.2cmと2cmとの間であって、好ましくは0.5cmと1.5cmとの間である。
【0048】
一般に、前燃焼室の通路の総容積と前燃焼室の容積との比S/Vは10−3mm−1と5.10−2mm−1の間である。
【0049】
任意事項として、点火器にはさらに取り込み口(図示せず)を設けて、上流側で形成された空気‐燃料反応物を前燃焼室2に供給できるようにし、もしくは燃料を注入できるようにしてもよい。空気は前燃焼室2内で燃料と混合してもよい。
【0050】
中心電極13と接地電極14とを含む点火装置を前燃焼室に設ける。電極間隔は例えば0.7mm程度とする。
【0051】
主混合物の点火が前燃焼室からの炎頭の還流により生じるとき、通路は1mmよりも大きい直径のオリフイスであるのが好ましい。
【0052】
点火において、不安定な化合物を通し(自己点火による主混合物の点火)ながら炎頭の伝播を防止するためには通路15の直径は小さく、一般には1ミリよりも小さく、長さは直径よりも小さいのが有利である。
【0053】
図2に示すように、主混合物の自己点火の場合通路は前燃焼室の直径Fの半分に一致する直系dの円に属しているのが有利である。
【0054】
図2に示すように、前燃焼室2の対称軸2b上にこの円の中心はある。
【0055】
円の中心は図3に示すように、前燃焼室2の対称軸2bから距離dにあり、通路15の数は8個となっている。
【0056】
主室に空気‐燃料混合物を注入し、そして前燃焼室2に供給する。すると電極13と14との間にスパークをつくり、前燃焼室2内で燃焼をトリガーすると、温度と圧力とが増加する。
【0057】
主室1内におけるよりも前燃焼室2における圧力が高いので、この場合、すなわち通路の大きさが炎頭の伝播を阻止している場合、主室1に向う噴出となって炎、すなわちこの場合不安定な化合物が吐き出される。こうして主室1に含まれる主混合物が点火される。
【0058】
両方の場合において(炎頭の還流によるもしくは自己点火による主混合物の点火)前燃焼室ボディの高い熱伝導率が前燃焼室ボディにおけるエネルギーの排出を可能とし、そしてホット・ポイントの出現を防止する。
【0059】
その結果の燃焼モードは十分な燃焼速度を保証し、空気を動かすという仕方で燃焼速度を高めるようにしないで済ませられる。
【0060】
こうして、エンジンが全負荷で稼働しているときの燃料含有率の増加をなくす。またピンキング現象をかなり低下させる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に従って前燃焼室を有する点火器を含んでいる点火装置の部分断面略図。
【図2】本発明の点火器の前燃焼室ボディの垂直断面略図。
【図3】本発明の点火器の前燃焼室ボディのヘッドを下から見た図。
【符号の説明】
【0062】
1 主室
2 前燃焼室
2b 対称軸
10 シリンダーヘッド
10a ネジ
11 点火器
12 前燃焼室ボディ
12a ヘッド
13 点火装置 (中心電極)
14 点火装置 (接地電極)
15 通路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
主可燃性混合物を含むよう設計され、当該主可燃性混合物の圧縮装置を装備している主室1と、
反応物を受け入れるよう設計された前燃焼室2とこの前燃焼室に含まれた反応物の点火装置13,14を含む点火器11と
を含み、前燃焼室2は少なくとも一つの通路15を含むヘッド12aを有する前燃焼室ボディ12により形成され、この前燃焼室ボディのヘッド12aは前燃焼室2を主室1から分離し、そして前燃焼室2と主室1とを通路15により連絡している点火装置において、
前記の前燃焼室ボディ12は20℃で少なくとも10W/K/mの熱伝導率を有している材料からつくられていることを特徴とした点火装置。
【請求項2】
前燃焼室ボディ12は20℃で少なくとも30W/K/m、好ましくは少なくとも50W/K/mの熱伝導率を有している材料からつくられている請求項1に記載の点火装置。
【請求項3】
前燃焼室ボディ12は20℃で350W/K/mに等しいか、それよりも小さい熱伝導率を有している材料からつくられている請求項1もしくは2に記載の点火装置。
【請求項4】
前燃焼室ボディ12を形成する材料は銅合金から選択されている請求項1ないし3のいずれかに記載の点火装置。
【請求項5】
前燃焼室ボディを形成する材料は二成分黄銅合金、銅-ニッケル合金、銅-アルミニューム合金そして銅-ニッケル-亜鉛合金から選択されている請求項1ないし4のいずれかに記載の点火装置。
【請求項6】
前燃焼室ボディを形成する材料はCuZn5、CuZn10、CuZn15、CuZn20、CuZn30、CuZn33、CuZn36、CuZn37、CuZn40、CuNi44Mn、CuNi5Fe、CuAl5、CuAl6、CuAl10Fe5Ni5、CuNi10Zn27、CuNi12Zn24、CuNi15Zn21、CuNi18Zn20、CuNi18Zn27、CuNi10Zn42Pb2そしてCuNi18Zn19Pb1から選択され、好ましくは合金CuZn5である請求項5に記載の点火装置。
【請求項7】
前燃焼室ボディ12を形成する材料はCuCr1Zrである請求項4に記載の点火装置。
【請求項8】
通路は円筒形であり、そして直径は1ミリよりも大きい請求項1ないし7のいずれかに記載の点火装置。
【請求項9】
通路15は、前燃焼室2に含まれている反応物の燃焼から取り出された不安定な化合物を伝播させながらも炎頭は伝播させないようにし、主室1の圧縮装置と前記の不安定な化合物での主混合物の種付けとにより主混合物の自己全点火を可能とさせる請求項1ないし7のいずれかに記載の点火装置。
【請求項10】
通路15は円筒形であり、そして直径は1ミリか、もしくはそれよりも小さい請求項9に記載の点火装置。
【請求項11】
通路15の長さはそれの直径に等しいか、もしくはそれよりも小さい請求項9もしくは10に記載の点火装置。
【請求項12】
主室に隣接していない、前燃焼室ボディ12の上方部分は内直径Fの円筒であり、そして前燃焼室ボディのヘッドは幾つかの通路を含み、これらの通路は最外側の通路15の中心を通る直径dの円上に配置されており、比d/Fは0.5に等しいか、それよりも小さい請求項9,10もしくは11に記載の点火装置。
【請求項13】
比d/Fは1/3に等しいか、それよりも小さい請求項12に記載の点火装置。
【請求項14】
最外側の通路15の中心を通る円の中心は前燃焼室2の対称軸2b上にある請求項12もしくは13に記載の点火装置。
【請求項15】
最外側の通路の中心を通る円の中心は前燃焼室2の対称軸2bから距離dにあり、この距離dは前燃焼室2の1/4直径Fに等しいか、それよりも大きい請求項12もしくは13に記載の点火装置。
【請求項16】
少なくとも一つの通路15を設けたヘッド12aを有する前燃焼室ボディ12により形成され、可燃性混合物を含むよう設計されている前燃焼室2と、この前燃焼室2に含まれた可燃性混合物の点火装置13,14とを備えている内燃機関用点火器において、前燃焼室2は熱伝導率が10W/K/mよりも大きい材料からできていることを特徴とした点火器。
【請求項17】
前燃焼室ボディ12は熱伝導率が10W/K/mよりも大きい、好ましくは30W/K/mよりも大きい材料からできている請求項16に記載の点火器。
【請求項18】
前燃焼室ボディ12は熱伝導率が350W/K/mに等しいか、それよりも小さい材料からできている請求項16もしくは17に記載の点火器。
【請求項19】
前燃焼室ボディ12を形成している材料は銅合金から選択された請求項16ないし18のいずれかに記載の点火器。
【請求項20】
前燃焼室ボディ12を形成している材料は二成分黄銅、銅‐ニッケル合金、銅‐アルミニューム合金そして銅‐ニッケル‐亜鉛合金から選択された請求項19に記載の点火器。
【請求項21】
前燃焼室ボディ12を形成している材料はCuZn5、CuZn10、CuZn15、CuZn20、CuZn30、CuZn33、CuZn36、CuZn37、CuZn40、CuNi44Mn、CuNi5Fe、CuAl5、CuAl6、CuAl10Fe5Ni5、CuNi10Zn27、CuNi12Zn24、CuNi15Zn21、CuNi18Zn20、CuNi18Zn27、CuNi10Zn42Pb2そしてCuNi18Zn19Pb1から選択され、好ましくは合金CuZn5である請求項20に記載の点火器。
【請求項22】
前燃焼室ボディ12を形成している材料はCuCr1Zr合金である請求項19に記載の点火器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−503218(P2006−503218A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544402(P2004−544402)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003083
【国際公開番号】WO2004/036709
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(502182880)プジョー・シトロエン・オトモビル・ソシエテ・アノニム (5)
【Fターム(参考)】