説明

高眼圧症の治療のためのジフルオロビフェニルアミド誘導体

高眼圧症を治療するための、式(1)または式(2)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、この化合物を含む医薬組成物、ならびに、緑内障および高眼圧症の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、手術後およびレーザーによる線維柱帯切除術後の高眼圧エピソードを含めたさまざまな高眼圧状態、緑内障の治療において、また手術前の補助的な治療として有用である。
【0003】
緑内障は、眼内圧の上昇を特徴とする眼疾患である。病因に基づき、緑内障は、一次性または二次性に分類されている。例えば、成人における一次性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角緑内障、または、急性もしくは慢性の閉塞隅角緑内障のいずれかである可能性がある。二次性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または白内障の肥大などの既存の眼疾患が原因で生じる。
【0004】
緑内障の根本原因はわかっていない。眼内圧上昇は、房水流出が妨げられることによるものである。慢性の開放隅角緑内障においては、前房およびその解剖学的構造は正常に見えるが、房水の排出は妨害される。急性または慢性の閉塞隅角緑内障においては、前房は浅く、濾過隅角が狭まっており、虹彩が、シュレム管の入り口にある小柱網を妨げることがある。瞳孔が散大すると、虹彩の根元が隅角に対して前に押し出されることがあり、乳頭が遮断され、ひいては急性発症が誘発されることがある。前房隅角の狭い眼は、多様な重症度の急性閉塞隅角緑内障の発症の素因になる。
【0005】
二次性緑内障は、後房から前房中へ、結果的にシュレム管中への房水の流れが妨げられることが原因である。前部の炎症性疾患は、虹彩ボンベ(bombe)中の後部の完全癒着を引き起こすことにより水分を逃がさないようにすることがあり、浸出液で排出路が塞がれることがある。他のよくある原因は、眼内腫瘍、白内障の肥大、中心網膜静脈閉塞、眼への外傷、手術手技および眼内出血である。
【0006】
全種類を合わせて考えれば、緑内障は、40歳を超える人全体のおよそ2%において生じ、数年間無症候の後に進行して急速に視力低下に至る場合がある。手術が適応されない場合は、局所的なβ−アドレナリン拮抗薬が、これまで伝統的に緑内障治療のための選択薬であった。
【0007】
緑内障の後遺症の1つが、視神経乳頭への損傷であることはずっと前から知られている。この損傷(「カッピング」と呼ばれる)の結果、視神経円盤の神経線維の領域が減少する。カッピングによる視力の喪失は進行性であり、その状態を効果的に治療しないと、失明する場合がある。
【0008】
プロスタグランジンは、強力な高眼圧薬として比較的早期に報告されたが、この20年間に蓄積された証拠からは、数種のプロスタグランジンは高度に有効な眼圧降下剤であり、緑内障の長期的な医療管理に理想的に適していることが示される(例えば、Starr,M.S.、Exp.Eye Res、1971、11、170〜177頁;Bito,L.Z.、Biological Protection with Prostaglandins、Cohen,M.M.編、Boca Raton、Fla、CRC Press Inc.、1985、231〜252頁;およびBito,L.Z.、Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas、Drance,S.M.and Neufled,A.H.編、New York、Grune&Stratton、1984、477〜505頁を参照)。そのようなプロスタグランジンとしては、PGF2α、PGF1α、PGEの化合物が挙げられる。
【0009】
一定のEP受容体選択的なプロスタグランジンE作動薬が、Paralkar V.M.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.、第100巻、6736〜6740頁、2003中で開示されている。
【0010】
一定のEP作動薬が、WO2005/080367中で開示されている。とりわけ、この公報では、一般式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
に属する化合物またはその塩、溶媒和物および化学的に保護された形態
[式中、
は、必要に応じて置換されたC5〜20アリール基またはC4〜20アルキル基であり、
Aは、
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、XおよびYは、OおよびCR、SおよびCR、NHおよびCR、NHおよびN、OおよびN、SおよびN、NおよびS、ならびにNおよびOから成る群から選択され、点線は適切な位置における二重結合を示し、QはNまたはCHのいずれかであり、
は、H、F、Cl、ならびに、必要に応じて置換されたC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C5〜7アリール基およびC5〜7アリール−C1〜4アルキル基から選択され、
は、H、F、Cl、ならびに、必要に応じて置換されたC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C5〜7アリール基およびC5〜7アリール−C1〜4アルキル基から選択され、
は、H、F、Cl、ならびに、必要に応じて置換されたC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C5〜7アリール基およびC5〜7アリール−C1〜4アルキル基から選択される)
から成る群から選択され
Dは、
【0015】
【化3】

【0016】
から選択され
Bは、
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、RN’は、HおよびC1〜4アルキルから選択され、
P3およびRP4の一方は−Cアルキレン−Rであり、RP3およびRP4の他方はHであり、mおよびnは0もしくは1であってもよく、m+n=1もしくは2であり、加えてRP3が−Cアルキレン−Rであるとき、mは2もしくは3であってもよく、m+n=1、2、3または4であり、Rがテトラゾル−5−イルであるとき、m+nは0であってもよく、または
P3およびRP4の一方は−O−CH−Rであり、RP3およびRP4の他方はHであり、nは0であり、
は、Hもしくは必要に応じて置換されたC1〜4アルキルであり、
は、
(i)−COH(カルボキシ)、
(ii)−CONH
(iii)−CH−OH(メトキシ)、もしくは
(iv)テトラゾル−5−イル
のいずれかである)
から成る群から選択される]
が開示されている。
【0019】
これらの化合物の中に
【0020】
【化5】

【0021】
があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】WO2005/080367
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Starr,M.S.、Exp.Eye Res、1971、11、170〜177頁
【非特許文献2】Bito,L.Z.、Biological Protection with Prostaglandins、Cohen,M.M.編、Boca Raton、Fla、CRC Press Inc.、1985、231〜252頁
【非特許文献3】Bito,L.Z.、Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas、Drance,S.M.and Neufled,A.H.編、New York、Grune&Stratton、1984、477〜505頁
【非特許文献4】Paralkar V.M.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.、第100巻、6736〜6740頁、2003
【非特許文献5】Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19頁(1977)
【非特許文献6】Goodman and Gilman(The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−HiM,Int.編、1992、「Biotransformation of Drugs」、13〜15頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
現在の薬剤は、IOPを正常レベル以下には低下させず、多くは眼の充血の原因となる傾向があることから制限されている。そのため、より有効で安全な治療薬に対する未対処のままの大きな必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の態様は、治療法において使用するための式(1):
【0026】
【化6】

【0027】
[式中、
Xは、OCH、CH=CHもしくはCHであり、
Yは、−COもしくは−C(O)NHであり、
Zは、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、1〜6個の炭素原子のシクロアルキル基であり、そのいずれかは、OH、COH、CONH、OR、CO、CONHRおよびOCOから選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換されていてもよく、
は、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHRから選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換された、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、
は、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHRから独立に選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換された、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基から選択され、
は、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、または
YZは一緒になって
【0028】
【化7】

【0029】
(式中、YおよびZは上記に定義するとおりである)
から選択される基を形成する]
の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含む。
【0030】
本発明の第2の態様は、高眼圧症の治療において使用するための、第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含む。
【0031】
本発明の第3の態様は、第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に活性で許容されるその塩もしくは溶媒和物を薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0032】
本発明の第4の態様は、高眼圧症を有する哺乳動物に治療有効量の第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、高眼圧症を治療する方法を提供する。
【0033】
本発明の第5の態様は、神経保護を必要とする哺乳動物に治療有効量の第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、哺乳動物の眼に神経保護をもたらす方法を提供する。
【0034】
本発明の第6の態様は、第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含むコンタクトレンズまたはコンタクトレンズ溶液を提供する。
【0035】
本発明の第7の態様は、第1の態様において定義するとおりの式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物であって、但し、該化合物が、以下の構造:
【0036】
【化8】

【0037】
を有さない、化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含む。
【0038】
本発明の第1から第7の態様のさらなる特徴
いくつかの実施形態では、XはOCHである。したがって、これらの実施形態では、該化合物は、式(1a):
【0039】
【化9】

【0040】
(式中、YおよびYは上記に定義のとおりである)
の化合物である。
【0041】
好ましくは、Yは−COである。
【0042】
好ましくは、Zは、1、2、3または4個の炭素原子、最も好ましくは1、2または3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である。
【0043】
好ましくは、Zは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルおよびn−ペンチルから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、Zは、メチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチルおよびn−ペンチルから選択される。さらなる実施形態では、Zは、メチルおよびiso−プロピルから選択される。
【0044】
好ましくは、Zが置換されている場合、Zは、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHRから選択される1つまたは2つの基で置換されている。いくつかの実施形態では、Zは、単一のOH基で置換されている。他の実施形態では、Zは置換されていない。
【0045】
Zがn−ペンチルである場合、好ましくは、Zは4つのOH基で置換されている。
【0046】
好ましくは、Rは、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHR、より好ましくはOHおよびCOHから独立に選択される1つまたは2つの基で必要に応じて置換された1、2または3個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル基である。
【0047】
好ましくは、Rは、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHR、より好ましくはOHおよびCOHから独立に選択される1つまたは2つの基で必要に応じて置換された1、2または3個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル基である。
【0048】
好ましくは、Rは、1、2または3個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル基である。
【0049】
本発明の好ましい化合物は、
【0050】
【化10】

【0051】
または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物(これが可能である場合)である。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、この化合物は、
【0053】
【化11】

【0054】
から選択される。
【0055】
本発明の特定の実施形態では、この化合物は、
【0056】
【化12】

【0057】
である。
【0058】
本発明の第8の態様は、式(2):
【0059】
【化13】

【0060】
[式中、
は、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択され、
は、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択され、
は、CH、NおよびOから成る群から選択され、
およびQは、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子であってもよく、
Wはそれぞれ、(CR)0〜1、N、OおよびS(式中、Rは、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択される)から成る群から独立に選択されてもよく、
n=1、2または3であり、
A=CH、CHCH、CH=CHまたはOCHである]
の化合物または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0061】
本発明の第9の態様は、治療法において使用するための、第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含む。
【0062】
本発明の第10の態様は、高眼圧症の治療において使用するための、第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含む。
【0063】
本発明の第11の態様は、第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に活性で許容されるその塩もしくは溶媒和物を薬学的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0064】
本発明の第12の態様は、高眼圧症を有する哺乳動物に治療有効量の第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、高眼圧症を治療する方法を提供する。
【0065】
本発明の第13の態様は、神経保護を必要とする哺乳動物に治療有効量の第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、哺乳動物の眼に神経保護をもたらす方法を提供する。
【0066】
本発明の第14の態様は、第8の態様において定義するとおりの式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含むコンタクトレンズまたはコンタクトレンズ溶液を提供する。
【0067】
本発明の第8から第14の態様のさらなる特徴
好ましくは、QおよびQは炭素原子である。
【0068】
好ましくは、W=(CR)0〜1またはSである。
【0069】
好ましくは、RおよびRは、HまたはF、最も好ましくはFである。
【0070】
いくつかの実施形態では、−W−W−W−は、2または3個の環原子を含む。これらの実施形態では、環原子のいずれか1個のみがN、OもしくはSであるか、または環原子が全て炭素であることが好ましい。
【0071】
この実施形態では、−W−W−W−が2もしくは3個の環原子を含み、少なくとも1個の環原子が炭素である場合、炭素環原子のいずれか1個のみがフルオロ置換基を有するか、または、炭素環原子のいずれもフルオロ置換基を有さないことが好ましい。
【0072】
Aは、好ましくはOCHである。
【0073】
は、好ましくはHまたはF、好ましくはHである。
【0074】
は、好ましくはメタ位に位置している。
【0075】
好ましくは、式(2)の化合物は、構造(2a):
【0076】
【化14】

【0077】
を有する。
【0078】
より好ましくは、式(2)の化合物は、構造(2b):
【0079】
【化15】

【0080】
を有する。
【0081】
最も好ましくは、式(2)の化合物は、以下の構造(2cまたは2d)
【0082】
【化16】

【0083】
の1つを有する。
【0084】

【0085】
【化17】

【0086】
は、芳香族基である。結合
【0087】
【化18】

【0088】
は、当該基が芳香族である場合には、二重結合または単結合のいずれかを示す。好ましくは、この基は、フェニレン基、フルオロフェニレン基、フラニレン基およびピリジレン基から選択される。この基は、チアゾリレンであってもよい。最も好ましくは、基
【0089】
【化19】

【0090】
は、
【0091】
【化20】

【0092】
から選択される構造を有する。
【0093】
本発明の第8から第14の態様のとりわけ好ましい化合物としては、
【0094】
【化21】

【0095】
および薬学的に許容される溶媒和物が挙げられる。
【0096】
本発明の第8から第14の態様の最も好ましい化合物は、
【0097】
【化22】

【0098】
ならびに、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物および化学的に保護された形態である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】濃度が0.006%(w/v)の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸イソプロピルエステル(化合物2)の局所投与後のサルにおける眼内圧(IOP)への効果を示すグラフである。
【図2】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.006%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸、イソプロピルエステル(化合物2)。
【図3】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.01%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(化合物C1)。
【図4】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.01%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸メチルエステル(化合物4)。
【図5】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.003%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシアセトアミド(化合物3)。
【図6】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.01%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸エチレングリコールエステル(化合物1)。
【図7】カニクイザルにおけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。0.01%の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸(化合物C2)。
【図8a】化合物C1および本発明の化合物による治療後のビーグル犬におけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。
【図8b】化合物C1および本発明の化合物による治療後のビーグル犬におけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。
【図8c】化合物C1および本発明の化合物による治療後のビーグル犬におけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。
【図8d】化合物C1および本発明の化合物による治療後のビーグル犬におけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。
【図8e】化合物C1および本発明の化合物による治療後のビーグル犬におけるベースラインからのIOPの変化を示すグラフである。
【図9a】化合物C1および本発明の化合物による治療から、ビーグル犬における眼表面の充血スコアを示すグラフである。
【図9b】化合物C1および本発明の化合物による治療から、ビーグル犬における眼表面の充血スコアを示すグラフである。
【図9c】化合物C1および本発明の化合物による治療から、ビーグル犬における眼表面の充血スコアを示すグラフである。
【図9d】化合物C1および本発明の化合物による治療から、ビーグル犬における眼表面の充血スコアを示すグラフである。
【図9e】化合物C1および本発明の化合物による治療から、ビーグル犬における眼表面の充血スコアを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0100】
用語「〜を含む(comprising)」および「〜を含む(comprises)」は、例えば、X「を含む(comprising)」組成物「を包含する(including)」ならびに「から成る(consisting)」ことは、Xから専ら成ってもよく、または追加的な何か(例えばX+Y)を包含してもよいことを意味する。
【0101】
「場合による(optional)」または「必要に応じて(optionally)」は、それに続いて記載される、状況の事象が起きても起きなくてもよいこと、ならびに、その説明が、前記事象または状況が起きる事例および起きない事例を包含することを意味する。
【0102】
「してもよい(may)」は、それに続いて記載される、状況の事象が起きても起きなくてもよいこと、ならびに、その説明が、前記事象または状況が起きる事例および起きない事例を包含することを意味する。
【0103】
本明細書中で使用する場合、用語「置換されている」は、本明細書中で定義するとおりの有機化合物の許容される置換基全てを包含することを企図するものである。許容される置換基は、1つまたは複数であっても、本明細書中で定義するとおりの適切な有機化合物と同じまたは異なるものであってもよい。本発明を目的とする場合、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満足させる、水素置換基および/または本明細書中に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有していてもよい。
【0104】
薬学的に許容される塩は、親化合物の活性を保持し、該塩が投与される場合において該塩が投与される対象に有害または望ましくない効果を一切及ぼさない任意の塩である。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19頁(1977)において検討されている。とりわけ好ましい塩としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよび亜鉛イオン(Na、K、Ca2+ Mg2+およびZn2+)などの無機イオンで形成されたものが挙げられる。
【0105】
加えて、または、代替的に、有機陽イオンを使用して塩を形成してもよい。例としては、アンモニウムイオン(すなわちNH)および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH、NHR、NR)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの適当な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸(リシンおよびアルギニンなど)から誘導されるものである。一般的な四級アンモニウムイオンの一例は、N(CHである。
【0106】
活性化合物の対応する溶媒和物を調製、精製および/または扱うことが便利または望ましい場合がある。用語「溶媒和物」は、本明細書中では、従来の意味で使用しており、溶質(例えば、活性化合物、活性化合物の塩)と溶媒との複合体を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は、便宜上、水和物、例えば、一水和物、二水和物、三水和物などと呼ぶことがある。
【0107】
用語「治療」は、本明細書中で状態の治療についての文脈において使用する場合、何らかの所望の治療効果(例えば、状態の進行の阻害)が達成されるヒトまたは動物いずれか(例えば獣医用途において)の治療および療法に全般に関し、進行速度の低下、進行速度の停止、状態の改善および状態の治癒を包含する。予防的な処置としての治療(すなわち予防)も包含される。
【0108】
本明細書中で使用する場合、高眼圧症は、緑内障を包含するが、これに限定されない。
【0109】
医薬組成物は、任意の適当な投与経路および投与手段に合わせて製剤できる。薬学的に許容される担体または希釈剤としては、経口、経直腸、経鼻、吸入、局所(眼、口腔および舌下など)、経膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外など)投与に適した製剤の形で使用されるものが挙げられる。製剤は、便利なように単位剤形の形で提供されてもよく、薬学の技術分野で周知の方法のいずれかにより調製してもよい。そのような方法としては、活性成分を、1つまたは複数の補助原料を構成する担体と結び付けるステップが挙げられる。
【0110】
式(1)および(2)の化合物および薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物は、眼内圧の低下において有用であり、したがって高眼圧症および/または緑内障の治療において有用である。好ましい投与経路は、局所経路である。局所投与のための用量範囲は、一般には片眼当たり約0.0001〜約1000マイクログラム(μg/眼)の間、好ましくは約0.0005〜約10μg/眼の間、最も好ましくは約0.001〜1μg/眼の間である。本発明の化合物は、適当な眼用ビヒクル中の溶液、懸濁液またはエマルション(ディスパーション)として投与できる。
【0111】
眼への適用の場合、好ましくは、溶液または懸濁液は、主要なビヒクルとして生理食塩水溶液を使用して調製する。そのような眼用の溶液または懸濁液のpHは、好ましくは適切な緩衝系を用いて4.5〜8.0の間に好ましくは維持すべきである。中性のpHが好ましいが、必須ではない。
【0112】
治療有効量は、局所の場合、液体製剤においては約0.0001〜5質量%(w/v)の間、好ましくは約0.001〜約1質量%(w/v)、より好ましくは約0.003〜約0.03質量%である。正確な投与計画は臨床家の自由裁量に任されるが、結果として得られる溶液が、各眼の中に1または2滴の滴を1週間に1回から1日に1または2回まで差すことにより局所適用されることが推奨される。
【0113】
用語「治療有効量」は、本明細書中で使用する場合、所望の治療計画に従い投与した場合に、妥当な利益/リスク比に釣り合った何らかの所望の治療効果をもたらすために有効な、活性化合物、または活性化合物を含む材料、組成物もしくは剤形の当該量に関する。
【0114】
本発明の眼用調製物中での使用に望ましいと考えられる他の原料としては、薬学的に許容される保存料、共溶媒、粘度上昇剤、安定化剤、界面活性剤および他の添加物が挙げられる。
【0115】
眼用製品は、複数回用量の形態で典型的には包装され、これには一般に、保存料を添加して、使用中の微生物混入を防止する必要がある。適当な保存料としては、以下が挙げられる:塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸または当業者に公知の他の薬剤。そのような保存料は、約0.001質量%〜約1.0質量%の間の濃度で典型的に採用される。
【0116】
プロスタグランジン、とりわけエステル誘導体は、典型的には水中での溶解性に限界があることから、組成物中に界面活性剤または他の適切な共溶媒が入っていることが必要と考えられる。そのような共溶媒としては、以下が挙げられる:ポリソルベート20、60および80;Pluronic(商標)F−68、F−84およびP−103;Tyloxapol(商標);Cremophor(商標)EL、ドデシル硫酸ナトリウム;グリセロール;PEG400;プロピレングリコール;シクロデキストリン;または当業者に公知の他の薬剤。そのような共溶媒は、約0.01質量%〜約2質量%の間の濃度で典型的に採用される。このような界面活性剤は、単独で、または組み合わせて使用できる。非イオン性界面活性剤の好ましい例は、ポリソルベート80[ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレエート]およびポリオキシエチレン水素化ヒマシ油60であり、これらは眼用溶液の添加剤として広く使用される。とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリソルベート80(Tween80−ポリ(オキシエチレン)ソルビタンモノオレエート)である。
【0117】
眼による活性化合物の吸収量を増加し、製剤の分配におけるばらつきを減少させ、製剤の懸濁液もしくはエマルションの成分の物理的な分離を減少させ、および/または他の形で眼の製剤を改善するためには、粘度が単なる水溶液のものより大きいことが望ましいと考えられる。そのような粘度上昇剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたは当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。そのような薬剤は、約0.01質量%〜約2質量%の間の濃度で典型的に採用される。
【0118】
4.5〜8.0の間の範囲のpHを達成し、眼の安定性のためのpHを組成物の保存寿命期間中にわたって維持するために、本発明の眼用溶液中に緩衝液を含めることが多い。
【0119】
したがって、好ましい緩衝液としては、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液およびホウ酸緩衝液が挙げられる。必要に応じ、こうした製剤のpHを調節するために、酸または塩基を使用してもよい。しかし、眼用組成物中で使用するには、ボレート(borate)はとりわけ好ましい緩衝液であり、その理由は、ボレートはいくらか固有の抗微生物活性を有し、抗微生物薬または他の緩衝液の活性を向上させることが多いからである。
【0120】
本明細書中で使用する場合、用語「ボレート(borate)」は、ホウ酸、ホウ酸塩および他の薬学的に許容されるホウ酸(塩)またはそれらの組合せを指すものとする。最も適当なものは以下のとおりである:ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガンおよびそのような他のホウ酸塩。
【0121】
本発明の眼用調製物中で使用できる好ましい担体としては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、カルボマー、ヒドロキシエチルセルロース、シクロデキストリンおよび精製水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
必要または便利に応じ、張度調節剤を加えてもよい。張度調節剤としては、塩、とりわけ、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリン、または任意の他の適当な眼用として許容される張度調節剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
本発明の式(1)または(2)の化合物(または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物)の濃度が低下することを、眼用溶液中の式(1)または(2)の化合物の分解を阻害することにより防止するために、眼用として許容される抗酸化薬を加えてもよい。抗酸化薬の具体例は、亜硝酸ナトリウム、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアレート、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、α−チオグリセリン、エチレンジアミン四酢酸、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、酢酸トコフェロール、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、大豆レシチン、チオグリコール酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、天然ビタミンE、トコフェロール、アスコルビルパスチミネート(pasthyminate)、ピロ亜硫酸ナトリウム、1,3−ブチレングリコール、ペンタエリトチル(pentaerythtyl)テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよび硫酸オキシキノリンである。これらの抗酸化薬は、単独で、または組み合わせて使用できる。
【0124】
抗酸化薬の好ましい例は、エチレンジアミン四酢酸、その塩およびジブチルヒドロキシトルエンであり、これらは眼用溶液の添加剤として広く使用される。エチレンジアミン四酢酸またはその塩をジブチルヒドロキシトルエンと組み合わせることが、とりわけ好ましい。
【0125】
本発明の眼用組成物の原料は、好ましくは、以下の量で含める:
【0126】
【表1】

【0127】
本発明の方法において使用するための眼用製剤は、眼への適用を容易にするための点眼器を備えた容器に入った形態など、計量適用に適した形態で便利に包装される。液滴としての適用に適した容器は、普通は、不活性で無毒の適当なプラスチック材でできており、一般には、約0.5〜約15mlの間の溶液が入っている。1つのパッケージに1つまたは複数の単位用量が入っていてもよい。
【0128】
特に、保存料の入っていない溶液は、最大約10単位用量、好ましくは最大約5単位用量の入った再封不能な容器に入った形態で製剤されることが多く、この場合の典型的な単位用量は、1〜約8滴、好ましくは1〜約3滴である。1滴の量は、普通は約20〜35μlである。
【0129】
0.01%w/v未満の濃度では、本発明の化合物は、眼内圧を、薬学的に許容される担体(5nM Tris HCl中の1%ポリソルベート80など)と比較して5mmHg超、より好ましくは10mmHg超、より好ましくは20mmHg超、より好ましくは30mmHg超、好ましくは低下させる。
【0130】
好ましくは、0.01%w/v未満の濃度では、本発明の化合物は、眼内圧を、12時間超にわたり、より好ましくは24時間以上、より好ましくは48時間以上、例えば最大72時間、薬学的に許容される担体と比較して10mmHg超、好ましくは低下させる。
【0131】
0.008%w/v〜0.004%w/vの間、より好ましくは0.007%w/v〜0.005%w/v、最も好ましくは約0.006%w/vの濃度では、本発明の化合物は、眼内圧を、薬学的に許容される担体と比較して5mmHg超、より好ましくは10mmHg超、より好ましくは20mmHg超、より好ましくは30mmHg超、好ましくは低下させる。
【0132】
好ましくは、0.008%w/v〜0.004%w/vの間、より好ましくは0.007%w/v〜0.005%w/v、最も好ましくは約0.006%w/vの濃度では、本発明の化合物は、眼内圧を、12時間超、より好ましくは24時間以上、より好ましくは48時間以上、例えば最大72時間、薬学的に許容される担体と比較して10mmHg超、より好ましくは20mmHg超、より好ましくは30mmHg超、好ましくは低下させる。
【0133】
本明細書中に記載の化合物は、薬理活性物質であるか、または薬理活性があるプロドラッグであるか、いずれかである。本文書を通して使用される場合の用語「プロドラッグ」は、結果として得られる、誘導体のin vivoでの生体内変換産物が活性薬であるような、エステルおよびアミドなどの薬理学上許容される誘導体を意味する。プロドラッグについて全般に記載してあるGoodman and Gilman(The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、McGraw−HiM,Int.編、1992、「Biotransformation of Drugs」、13〜15頁)に言及してあることは、本明細書に組み込まれる。
【0134】
本発明の化合物の立体化学的異性体という用語は、前述部分で使用したような場合、同じ配列の結合により結合された同じ原子から成るが、互換的ではない異なる三次元構造を有する、本発明の化合物が有し得る可能性のある全ての化合物を定義するものである。
【0135】
別に言及または指示しない限り、化合物の化学名は、前記化合物が有し得る可能性のある全ての立体化学的異性体の混合物を包含する。前記混合物は、前記化合物の基本的な分子構造の全てのジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを含有してもよい。本発明の化合物の全ての立体化学的異性体(純粋な形態または混合物の形態(例えばラセミ混合物)の両方)は、互いに、本発明の範囲内に包含されることを意図するものである。
【0136】
本明細書中で言及するような、化合物の純粋な立体異性体および中間体は、基本的な分子構造が同じ前記化合物または中間体の他のエナンチオマー体またはジアステレオマー体が実質的に含まれていない異性体と定義される。とりわけ、用語「立体異性体として純粋な」は、立体異性体過剰率が少なくとも80%(すなわち、1つの異性体が最低90%、可能性のある他の異性体が最高10%)、立体異性体過剰率が最高100%(すなわち、1つの異性体が100%で、他のものが全くない)の化合物または中間体、より詳細には立体異性体過剰率が90%〜100%、さらにより詳細には立体異性体過剰率が94%〜100%、最も詳細には立体異性体過剰率が97%〜100%の化合物または中間体に関する。用語「エナンチオマーとして純粋な」および「ジアステレオマーとして純粋な」は、同様の様式ではあるが、当該混合物のエナンチオマー過剰率、それぞれジアステレオマー過剰率について考慮して理解されるべきである。
【0137】
本明細書中で言う式(1)または(2)の化合物および好ましい化合物は、立体異性体として純粋、エナンチオマーとして純粋およびジアステレオマーとして純粋な化合物、ならびに、こうした可能性が存在する組成物を包含することを意図している。
【0138】
本発明の化合物および中間体の純粋な立体異性体は、当技術分野で公知の手順を適用して得ることができる。例えば、エナンチオマーは、光学活性な酸を用いて、そのジアステレオマー塩の選択的な結晶化により互いに分離できる。あるいは、エナンチオマーは、キラルな固定相を用いたクロマトグラフィーの手法により分離できる。前記純粋な立体化学的異性体は、適切な出発物質の、対応する純粋な立体化学的異性体から誘導してもよいが、但し、反応は立体特異的に生じる。好ましくは、特異的な立体異性体を所望する場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法により合成することになろう。このような方法は、エナンチオマーとして純粋な出発物質を有利に採用することになろう。
【0139】
本明細書中で使用する場合、用語「骨格上に」は、置換について言う場合、骨格上の1つまたは複数の水素原子が、示した基の1つまたは複数に置き換わることを意味する。1つを超える置換が生じる場合、水素原子は、同じ、隣接する、または離れた炭素原子上にあっても、すなわち、離れた0、1、2、3、4または5個の炭素原子である炭素原子上に位置してもよい。
【0140】
基が、単一の炭素原子数により定義される2つ以上の部分を含む場合(例えばC2〜5アルキル)、この炭素原子数は、その基中の炭素原子の総数を示す。
【0141】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキル」は、示すとおりの炭素原子数を有する直鎖または分枝鎖の一価の飽和炭化水素基を指す。非限定的な例を用いれば、適当なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルが挙げられる。
【0142】
以下の実施例により本発明をさらに例証するが、この実施例は、本発明を実践する具体的な様式を例証するものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0143】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸、エチレングリコールエステル(化合物1)
【0144】
【化23】

【0145】
クロロホルム(アミレンで安定化、2ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(80mg)、エチレングリコール(0.1ml)および4−ジメチルアミノピリジン(13mg)の溶液に、EDC塩酸塩(50mg)を加えた。その結果得られる混合物を、周囲温度で16時間撹拌し、酢酸エチル(25ml)で希釈し、2M塩酸で2回、次いで炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、溶媒を真空中で除去した。1:1の石油エーテル(b.p.40〜60℃):酢酸エチル中の残留物のシリカゲルクロマトグラフィーに次いで酢酸エチル/石油エーテル(b.p.40〜60℃)から再結晶化させると、白色の固形物として表題化合物を得た(35mg、m.p.135〜137℃)。
1H NMR (d6-DMSO, δ): 3.6 (2H, m); 4.15 (2H, t); 4.8 (2H, s); 4.9 (1H, t): 6.7 (1H, m); 7.2-7.6 (8H, c); 7.9 (2H, c); 10.5 (1H, s). 質量スペクトル (m/z) ES-: 426.1 (M-H)-
【実施例2】
【0146】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸、イソプロピルエステル(化合物2)
【0147】
【化24】

【0148】
DCM(2ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(150mg)、DMAP(25mg)およびイソプロパノール(0.1ml)の溶液にDCC(DCM中で1M、0.5ml)を加えた。1時間後、この混合物を蒸発させ、酢酸エチル(20ml)中でスラリー化させてから濾過した。この濾液を2M塩酸、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから真空中で蒸発させた。3:1の石油エーテル(b.p.40〜60℃):酢酸エチル中の残留物のシリカゲルクロマトグラフィーの後、白色の固形物として表題化合物を得た(61mg、m.p.110〜111℃)。
1H NMR (CDCl3, δ): 1.3 (6H,d); 4.6 (2H, s); 5.2 (1H, 七重線); 6.8 (1H, m); 7.1-7.5 (8H, c); 7.7 (1H, m); 8.4 (1H, m); 8.5 (1H, brd). 質量スペクトル (m/z) ES-: 448.1 (M+Na)+
【実施例3】
【0149】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシアセトアミド(化合物3)
【0150】
【化25】

【0151】
THF(3.5ml)およびN,N−ジメチルアセトアミド(1ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(150mg)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.85g)の溶液を室温で1時間撹拌した。アンモニア水(30%、0.6ml)を加え、その結果得られる混合物を18時間放置した。この混合物を真空中で濃縮させ、酢酸エチル(5ml)および水(5ml)を加え、この混合物を10分間撹拌した。その結果得られた沈殿物を濾過し、酢酸エチルおよび水で洗浄してから真空中で乾燥させて表題化合物を得た(65mg、m.p.203〜206℃)。濾液を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから真空中で蒸発させた。DCM/ペンタン中の残留物の研和により、さらなる表題化合物を得た(85mg)。
1H NMR (d6-DMSO, δ): 4.4 (2H, s); 6.7 (1H, m); 7.2-7.6 (10H, c); 7.9 (2H, c); 10.5 (1H, s). 質量スペクトル (m/z) ES+: 405.2 (M+Na)+
【実施例4】
【0152】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸、メチルエステル(化合物4)
【0153】
【化26】

【0154】
無水メタノール(10ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(125mg)および4−トルエンスルホン酸(1mg)を加熱して16時間還流させた。この混合物を冷却し、真空中で蒸発させてから残留物を2:1の石油エーテル(b.p.40〜60℃):酢酸エチル中のシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。結果として得られた固形物をDCM/ペンタンから再結晶化させて表題生成物を得た(94mg、m.p.103〜104℃)。
1H NMR (CDCl3, δ): 3.7 (3H, s); 4.6 (2H, s); 6.8 (1H, m); 7.1-7.5 (8H, c); 7.7 (1H, m); 8.4 (1H, m); 8.5 (1H, br d). 質量スペクトル (m/z) ES+: 420.2 (M+Na)+
【実施例5】
【0155】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸、イソプロピルエステル(化合物5)
【0156】
【化27】

【0157】
DCM(2ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸(150mg)、DMAP(25mg)およびイソプロパノール(0.1ml)の溶液にDCC(DCM中で1M、0.5ml)を加えた。1時間後、この混合物を蒸発させ、酢酸エチル(20ml)中でスラリー化させてから濾過した。濾液を2M塩酸、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから真空中で蒸発させた。3:1の石油エーテル(b.p.40〜60℃):酢酸エチル中の残留物のシリカゲルクロマトグラフィーの後、白色の固形物として表題化合物を得た(76mg、m.p.154〜155℃)。
1H NMR (CDCl3, δ): 1.3 (6H, d); 5.2 (1H, 七重線); 6.5 (2H, d); 7.1 (1H, m); 7.3-7.7 (8H, c); 8.0 (1H, s); 8.4 (1H, m); 8.6 (1H, br d). 質量スペクトル (m/z) ES+: 422.1 (M+H)+
【実施例6】
【0158】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸、メチルエステル(化合物6)
【0159】
【化28】

【0160】
無水メタノール(10ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸(150mg)および4−トルエンスルホン酸(1mg)を加熱して16時間還流させた。この混合物を冷却してから濾過した。白色の固形物をメタノールで洗浄し(2×5ml)、真空中で乾燥させて表題化合物を得た(27mg)。濾液を蒸発させて残留物を2:1の石油エーテル(b.p.40〜60℃):酢酸エチル中のシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけた。結果として得られた固形物をDCM/石油エーテル(b.p.40〜60℃)中で粉砕してさらなる表題化合物を得た(102mg、m.p.144〜145℃)。
1H NMR (CDCl3, δ): 3.8 (3H, s); 6.5 (2H, d); 7.1 (1H, m); 7.3-7.7 (8H, c); 7.9 (1H, s); 8.4 (1H, m); 8.6 (1H, br d). 質量スペクトル (m/z) ES+: 394.1 (M+H)+
【実施例7】
【0161】
3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸アミド(化合物7)
【0162】
【化29】

【0163】
THF(5ml)中の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸(200mg)および1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.85g)の溶液を室温で2時間撹拌した。アンモニア水(30%、0.75ml)を加え、その結果得られた混合物を4時間放置した。この混合物を酢酸エチル(15ml)と2M塩酸(15ml)との間で分配し、有機層を分離させて、水、炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから真空中で蒸発させた。残留物をDCM中で粉砕してからDCM中の5%メタノール中に溶解させ、1M水酸化ナトリウム溶液、ブライン、1M塩酸で洗浄してから硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させて表題化合物を得た(74mg、m.p.216〜218℃)。
1H NMR (d6-DMSO, δ): 6.6 (1H, d); 7.1-7.6 (11H, c); 7.9-8.1 (3H, c); 10.6 (1H, s).
質量スペクトル (m/z) ES+: 401.2 (M+Na)+
【実施例8】
【0164】
眼内圧試験には、カニクイザル(Macaca fascicularis)を使用した。各動物は、周縁のレーザー光凝固術により一側性のレーザー処置を行い、片眼において高眼圧症を誘導した。意識のある雌の動物を、特注設計の椅子に座って空気式圧平眼圧測定を受けるように訓練した。およそ35μlの量が出るように点滴式のボトルを使用して片眼に薬物を局所投与し、もう片眼には対照としてビヒクル(5mM Tris HCl中の1%ポリソルベート80)を投与した。眼圧測定の間は、角膜麻酔用に0.25%のプロパラカインを使用した。薬物投与の直前ならびに2、4、6および24時間時点で眼内圧を測定した。加えて、いくつかの実験では、48、55、72、90および115時間時点でも眼内圧を測定した。
【0165】
図1は、濃度が0.006%(w/v)の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸イソプロピルエステル(化合物2)の局所投与後のサルにおける、115時間にわたる眼内圧(IOP)への効果を示すものである。図2は、このテストにおける、ベースラインからのIOPの変化を6時間にわたり示すものである。
【0166】
図3は、0.01%の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸(化合物C1)の局所投与後のカニクイザルにおける、ベースラインからのIOPの変化を示すものである。
【0167】
図4は、0.01%の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸メチルエステル(化合物4)の局所投与後のカニクイザルにおける、ベースラインからのIOPの変化を示すものである。
【0168】
図5は、0.003%の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシアセトアミド(化合物3)の局所投与後のカニクイザルにおける、ベースラインからのIOPの変化を示すものである。
【0169】
図6は、0.01%の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸エチレングリコールエステル(化合物1)の局所投与後のカニクイザルにおける、ベースラインからのIOPの変化を示すものである。
【0170】
図7は、0.01%の単回用量の3−[(3’−フルオロ−4−フルオロビフェニル−3−カルボニル)アミノ]ケイ皮酸(化合物C2)の局所投与後のカニクイザルにおける、ベースラインからのIOPの変化を示すものである。
【0171】
空気式圧平眼圧測定を含む、イヌにおける眼内圧試験の測定を雌雄のビーグル犬において実施した。動物は試験期間を通して意識があり、手でやさしく拘束された。およそ35μlの量が出るように点滴式のボトルを使用して片眼に薬物を局所投与し、もう片眼には対照としてビヒクル(5mM Tris HCl中の1%ポリソルベート80)を投与した。眼圧測定の間は、角膜麻酔用に0.25%のプロパラカインを使用した。薬物投与の直前、および、その後、5日間の試験の各日において2、4、6時間時点で眼内圧を定量した。図8は、以下のようにテストした化合物について測定結果を示すものである:
【0172】
【表2】

【0173】
眼内圧の各読取りの直前に、眼表面の充血の測定を実施した。眼表面の充血評価は半定量的であり、臨床評価に使用される5点式の採点尺度により評価した:0=なし、0.5=わずか、1=軽度、2=中等度および3=重度。図9は、以下のようにテストした化合物について測定結果を示すものである:
【0174】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療法において使用するための式(1)
【化1】

[式中、
Xは、OCH、CH=CHもしくはCHであり、
Yは、−COもしくは−C(O)NHであり、
Zは、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、1〜6個の炭素原子のシクロアルキル基であり、そのいずれかは、OH、COH、CONH、OR、CO、CONHRおよびOCOから選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換されていてもよく、
は、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHRから選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換された、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、
は、OH、COH、CONH、OR、COおよびCONHRから独立に選択される1つもしくは複数の基で必要に応じて置換された、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基から選択され、
は、1〜6個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、または
YZは一緒になって
【化2】

(式中、YおよびZは上記に定義するとおりである)
から選択される基を形成する]
の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
XがOCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
YZがCONHである、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
Yが−COである、請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
Zが、1、2または3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Zが、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチルおよびtert−ブチルから成る群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
Zが置換されており、Zが、OHおよびCOHから成る群から選択される1つまたは2つの基で置換されている、請求項4から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)の前記化合物が、
【化3】

から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
構造:
【化4】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその溶媒和物。
【請求項10】
構造:
【化5】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその溶媒和物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物であって、但し、前記化合物が、構造:
【化6】

を有さない、化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項12】
式(2):
【化7】

[式中、
は、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択され、
は、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択され、
は、CH、NおよびOから成る群から選択され、
およびQは、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子であってもよく、
Wはそれぞれ、(CR)0〜1、N、OおよびS(式中、Rは、H、ハロゲン、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから成る群から独立に選択される)から成る群から独立に選択されてもよく、
n=1、2または3であり、
A=CH、CHCH、CH=CHまたはOCHである]
の化合物または薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項13】
がHまたはFである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
AがOCHである、請求項12または13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
式(2a):
【化8】

の化合物である、請求項12から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
式(2b):
【化9】

の化合物である、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】

【化10】

が、構造:
【化11】

を有する、請求項12から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
構造:
【化12】

を有する、請求項12に記載の化合物。
【請求項19】
治療法において使用するための、請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項20】
高眼圧症の治療において使用するための、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項21】
高眼圧症を有する哺乳動物に、治療有効量の、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、高眼圧症を治療する方法。
【請求項22】
請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含み、薬学的に許容される担体、希釈剤、保存料、緩衝液および抗酸化薬の1つまたは複数を必要に応じてさらに含む医薬組成物。
【請求項23】
神経保護を必要とする哺乳動物に、治療有効量の、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、哺乳動物の眼に神経保護をもたらす方法。
【請求項24】
請求項1から10のいずれか一項に記載の式(1)の化合物または請求項12から18のいずれか一項に記載の式(2)の化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を含むコンタクトレンズまたはコンタクトレンズ溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【公表番号】特表2011−510965(P2011−510965A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544786(P2010−544786)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000317
【国際公開番号】WO2009/098458
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510211859)アステランド ユーケー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】