高粘度液体用液滴吐出装置
【課題】高粘度液体についても液滴のサイズを制御することが可能な高粘度液体用液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】
高粘度液体用液滴吐出装置は、高粘度の液体が充填され、入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、前記入口に接続され、前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、前記分岐流路に接続され、前記分岐流路を通じて前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ、前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁とを備える。
【解決手段】
高粘度液体用液滴吐出装置は、高粘度の液体が充填され、入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、前記入口に接続され、前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、前記分岐流路に接続され、前記分岐流路を通じて前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ、前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度液体用液滴吐出装置、特には高粘度液体を間欠的に吐出可能な吐出装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
デジタル吐出技術は、通常、吐出目的に応じて液体を微細化するものである。しかしながら、この技術の応用は、数十cPといった低い粘度の要求によって制約されている。デジタル吐出技術は、初期において、まず、梱包機に応用され、対象物に液滴を吐出して適切なイメージやキャラクターを形成することによって製品の特徴や状態のさらなる識別に利用されていた。このような梱包機は、マーシュ(米国特許第4378564号)や日立(米国特許第4849909号)といった日本の企業によって市販されている。しかしながら、前述したように、デジタル吐出技術は、わずか数十cP以下の粘度を有しかつ直径が約1.5μmの液滴、即ち、容量にして数pLの液滴でのみ有効である。一方、何千以上や何万cPといったペースト状の高粘度液体は概してグルースプレッダー、スプレー、食品加工機等の吐出装置に適用される。粘度が極めて高い種類の液体では、該液体は前記機械設備によって多量に吐出される、または大面積の対象物の表面上に対して適用されることが可能であるに過ぎず、デジタル吐出に要求される液体の微細化は不可能である。一方、接着剤や錫ペーストのような高粘度液体では、液体を加熱によって溶融することでデジタル吐出に要求される値になるまで液体の粘度を低下させることができるが、そのようにすると流体の物理的特性及び化学的特性も変化してしまう。
【0003】
図10は液滴の吐出量と粘度とを示しており、X軸は液滴の吐出量、即ち1回の吐出での液滴の(単位)体積を示しており、Y軸は液体粘度を示している。図に示すように、現在の液滴吐出装置の性能とその限界が容易に認識できる。例えば、インクジェットプリンタでは、インクジェットの粘度範囲は1cPから10cPであり、間欠的に吐出されるインクの吐出量は、1pLから100pLに達する。インクの低粘度性により、インクジェットは噴霧化されイメージ形状に有利である。一方、約10000cP程度の粘度を有するスプレー接着剤のような高い粘度を有する液体では、間欠的な吐出毎の吐出量が10000pL以上となる。その結果、スプレー接着剤の1回毎の吐出は、連続した流れを微細化不能であると考えられる。
【0004】
近年のマイクロエレクトロメカニカル技術の進展の観点では、ペースト状の液体を直接吐出することができ、かつ液滴のサイズを正確に制御することが可能な新技術は、超小型回路(マイクロ回路)プリント技術の発展に対して重要であると思われる。従って、高粘度液体についても液滴のサイズを制御することが可能な高粘度液体用液滴吐出装置の開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題を鑑みて、本発明の目的は、高粘度液体についても液滴のサイズを制御することが可能な高粘度液体用液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような高粘度液体用液滴吐出装置は、高粘度の液体が充填され入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、前記入口に接続され前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、前記分岐流路に接続され前記分岐流路を介して前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、
前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁とを備える。
【0007】
好ましくは、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されている。
好ましくは、前記入口と前記出口流路との間に設けられるメインフローチャンバを備えている。
【0008】
好ましくは、さらに前記メインフローチャンバと前記出口流路との間に設けられるヒーターを備えている。
加えて、また本発明では、高粘度液体用液滴吐出モジュールが提供されている。この高粘度液体用液滴吐出モジュールは入口及び出口流路を有するマイクロ流路と少なくとも一つの分岐流路とを各々備える複数の高粘度液体用液滴吐出ユニットを具備する基材と、前記入口に対応する複数の第3開口部と前記出口流路に対応する複数の第4開口部とを前記基材上に備えるベースであって、前記複数の第3開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第1流体伝達ラインに連通し、前記複数の第4開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第2流体伝達ラインに連通することと、前記ベースとの間に前記基材を固定させることを可能とするカバープレートとを備えている。
【0009】
好ましくは、前記第1流体伝達ラインは高粘度液体供給装置に接続されている。
好ましくは、前記第2流路伝達ラインはガス供給装置に接続されている。
好ましくは、高粘度液体用液滴吐出モジュールはさらに、前記第2流体伝達ラインと前記ガス供給装置との間に設けられ、前記分岐流路内の前記ガスの移動方向を間欠的に制御する制御弁を備える。
【0010】
好ましくは、前記ガスは空気である。
好ましくは、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さい。
好ましくは、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されている。
【0011】
好ましくは、前記ガス供給装置の圧力は高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きい。
従って、本発明は、高粘度液体を吐出する際にその液滴のサイズを制御することが可能である。さらに、図10に示すように、本発明によれば、デジタル吐出を行うために高粘度液体を微細化することが可能となり、さらに超小型回路(マイクロ回路)プリント技術における直接吐出といった発明の応用のための道が開かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。本発明の高粘度液体用液滴吐出装置1は、マイクロ流路10、少なくとも一つの分岐流路20、高粘度液体供給装置30、ガス供給装置、少なくとも一つの制御弁60を備えている。マイクロ流路10は、基材に固定され、吐出されるべき高粘度液体31が充填されている。また、マイクロ流路10は、一端に設けられた入口12及び他端に設けられた出口流路13を備えている。出口流路13の内径は入口12の内径に比べて小さい。出口流路13と入口12との間には、高粘度液体31を収容するためのメインフローチャンバ14が設けられている。本実施形態では、図1に示すように、出口流路13の各側部に対してそれぞれ接続される2つの分岐流路20が設けられている。高粘度液体供給装置30は、マイクロ流路10の入口12に接続され、高粘度液体31をマイクロ流路10に供給する。高粘度液体供給装置30はまた、高粘度液体31をマイクロ流路10に供給することに加えて、供給される高粘度液体31の量と高粘度液体31に加える圧力とを制御する。分岐流路20においてマイクロ流路10が出口流路13に連通する部位と反対側の端部は、分岐流路20を介して空気といったガスを出口流路13に供給するためのガス供給装置50に接続されている
。制御弁60は、分岐流路20とガス供給装置50との間に設けられている。制御弁60は、分岐流路20から出口流路13へのガスの間欠的な供給を制御するとともに、高粘度液体31が吐出されるために出口流路13に向かって流動する際に、供給される空気51が高粘度液体31の流動を一時的に遮断するように、且つ高粘度液体31を間欠的に吐出される液滴32に形成するのを促進するように、供給される空気51の量とガス51を供給するための圧力とを調整する。さらに、本発明では、温度が低下した際にマイクロ流路10内の高粘度液体を加熱するためのヒーター70を備えており、本発明が効果的に行われるようになっている。
【0013】
図2は、本発明の別の実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。基本的には、本実施形態は、図1に示す前記高粘度液体用液滴吐出装置1と同様であり、主な特徴については繰り返さない。本実施形態では、分岐流路20が出口流路13の両側部に対して傾斜して接続されている点が異なる。また、出口流路1に接続される分岐流路20の数は、任意に決定することができる。例えば、出口流路13に接続される分岐流路20は1つであってもよい。また、吐出間隔を調整するために出口流路13の側部にそれぞれ2つ以上若しくはそれ以上の分岐流路20があってもよい。分岐流路20にガス51を供給するためのガス供給装置50によって供給される圧力がマイクロ流路10に高粘度流体31を供給するための高粘度液体供給装置30によって供給される圧力に比べて大きいことが好ましい。
【0014】
図3Aから図3Fには、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の動作が模式的に示されている。空気といったガス51が注入され、かつ該空気を供給するための圧力や供給される空気の量といったパラメータが制御されることによって、本発明では、吐出される高粘度液体31の総量ばかりでなく吐出される液滴のサイズも制御され、それにより、高粘度液滴21の吐出が行われるようになる。図3A及び図3Bに示すように、高粘度液体供給装置30が高粘度液体31を供給すると、高粘度液体31が確実にマイクロ流路10内にスムーズに流入する。高粘度液体供給装置30によって圧力が供給されると、高粘度液体31にはマイクロ流路の出口流路13から外部へ放出されるような力が加わる。さらに、分岐流路20に空気が注入されると、マイクロ流路10内の高粘度液体の流動が遮られ、その結果、図3Cに示すように、間欠的な高粘度液体の液滴32が形成される。従って、高粘度液体供給装置30によって供給される圧力、ガス供給装置50の注入圧力、ガス51の供給量、出口流路13及び分岐流路20の直径や長さ等といったパラメータを制御することによって、本発明では吐出される液滴のサイズ及び吐出される高粘度液体31の総量が調整され、それにより、図3D〜図3Fに示すように、高粘度液滴32の吐出が行われる。本発明は、数千から数万cPの粘度を有する液体に対して適用可能である。吐出された液滴の量は約10〜50pLである。
【0015】
図4及び図5は、それぞれ、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図を示す。モジュールデザインや大量生産のために、本発明では、複数の高粘度液体用液滴吐出ユニット1100が基材1000上に配置されている。マイクロ流路1200はノズルとして用いられ、そのため、各マイクロ流路1200内の高粘度液体の吐出条件を制御することによってデジタル吐出制御における吐出性能を大きく向上させることができる。図4は、本発明の第1実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールであって、分岐流路1300の両側配置を示している。図4は、本発明の第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールであって、分岐流路1300の片側配置を示している。
【0016】
図6は、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの分解図である。高粘度液体用液滴吐出モジュールは、基材1000、ベース2000及びカバープレート3000を備えている。基材1000はダイスカットされたウェハといった様々な材料で構成され、複
数の高粘度液体用液滴吐出ユニット1100を備えている。そして、液滴吐出ユニットの数は、要望及び基材1000のサイズによって決まる。本実施形態では、4つの高粘度液体用液滴吐出ユニット1100が設けられ、少なくとも2つの異なったタイプのユニットを備えている。各高粘度液体用液滴吐出ユニットはマイクロ流路1200と少なくとも一つの分岐流路1300とを備えている。高粘度液体用液滴吐出ユニット1100の一方のタイプは2つの分岐流路1300を備え、他方のタイプは一つの分岐流路1300を備えている。マイクロ流路1200は、入口1400と出口流路1500とを有する。各入口1400は高粘度液体4100が流入する対応する第1開口部2100に連通し、各分岐流路1300はガス5100が流入する対応する第2開口部2200に連通している。ベース2000は、基材上の個々の入口1400に対応した複数の第3開口部2500と、個々の分岐流路1300に対応した複数の第4開口部2600とを備えている。複数の第3開口部2500はベース2000の内部に設けられた第1流体伝達ライン2300に連通し、複数の第4開口部2600はベース2000の内部に設けられた少なくとも1つの第2流体伝達ライン2400に連通している。その結果、高粘度液体4100は対応する第1流体伝達ライン2300を通ってマイクロ流路1200に供給され、空気5100は対応する第2流体伝達ライン2400を通って分岐流路1300に供給される。カバープレート3000は、基材1000をカバープレート3000とベース2000との間にボルト3100によって固定できるようになっている。加えて、第1流体伝達ライン2300は高粘度液体供給装置4000に接続され、第2流体伝達ライン2400はガス供給装置5000に接続されている。本実施形態では、さらに第2流体伝達ライン2400とガス供給装置5000との間に制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0017】
図7は、本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される第1流体伝達ラインの第1実施形態に係る模式図である。本実施形態では第1流体伝達ライン2300が設けられ、該第1流体伝達ライン2300は該第1流体伝達ライン2300と第1開口部2100との間に設けられた複数の第3開口部2500に連通し、高粘度液体4100が第1流体伝達ライン2300を介してマイクロ流路1200に供給するのを許容するものである。具体的に言うと、本実施形態では、高粘度液体供給装置4000は、高粘度液体4100が各分岐流体伝達ライン2330に供給されて第3開口部2500から排出される前に、高粘度液体4100を第1流体伝達ライン2310に供給する。また、本実施形態では複数の第2流体伝達ライン2420が設けられ、該第2流体伝達ライン2420は該第2流体伝達ライン2420と第2開口部2200との間に設けられた複数の第4開口部2600にそれぞれ連通し、空気5100が各第2流体伝達ライン2420を介して分岐流路1300に入るのを許容する。本実施形態では、複数の第2流体伝達ライン2420は独立して配置され、それぞれガス供給装置5000によってガス5100が供給される。さらに、各第2流体伝達ライン2420とそれに対応するガス供給装置5000との間には、ガス5100の第2流体伝達ライン2400への供給を制御する制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0018】
図8は本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される流体伝達ラインに係る第2実施形態の模式図である。本実施形態では複数の第1流体伝達ライン2310を備え、該第1流体伝達ライン2310は該第1流体伝達ライン2310と第1開口部2100との間に設けられた複数の第3開口部2500に連通し、複数の高粘度液体供給装置4000が高粘度液体4100をそれぞれ複数の第1流体伝達ライン2310へ供給するのを許容する。本実施形態では、複数の第2流体伝達ライン2410を備え、該第2流体伝達ライン2410は該第2流体伝達ライン2410と第2開口部2200との間に設けられた複数の第4開口部2600にそれぞれ連通し、ガス5100が分岐流路1300に供給される前に複数のガス供給装置5000がガス5100をそれぞれ複数の第2流体伝達ラ
イン2410に供給するのを許容する。本実施形態では、第1流体伝達ライン2310は独立して配置されており、各高粘度液体供給装置4000によって高粘度液体4100が供給される。同様に、第2流体伝達ライン2410は独立して配置されており、各ガス供給装置5000によってガス5100が供給される。さらに、各第2流体伝達ライン2410とそれに対応するガス供給装置5000との間には第2流体伝達ライン2410にガス5100の供給を制御する制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0019】
本実施形態と前述した実施形態との差について、本実施形態では各第1流体伝達ライン2310にはそれぞれ対応する高粘度液体供給装置4000が設けられ、各第2流体伝達ライン2410にはそれぞれ対応するガス供給装置5000が設けられている。それに対して、前述した実施形態では、一つの高粘度液体供給装置4000に対応して一つの第1流体伝達ライン2300が設けられており、それぞれに対応するガス供給装置5000を備える第2流体伝達ライン2420とは対照的である。
【0020】
図9は、本発明に係る、組み立てられた高粘度液体用液滴吐出モジュールの3次元図である。組み立てられた高粘度液体用液滴吐出モジュール3は、デジタル吐出を行うために間欠的に吐出された高粘度液体を微細化するためのマイクロメカニカル機器や装置に内蔵され、その結果、超小型回路(マイクロ回路)プリント技術用の直接吐出といった発明の応用のための道が開かれる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態を例示したが、上記各実施形態は本発明の実質的な適用範囲を限定するものではなく、他の実施形態を含むような本発明の精神及び付加されたクレームから離れることのない範囲内の改良及び変更は、本発明の保護範囲及びクレーム内となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3A】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3B】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3C】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3D】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3E】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3F】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図である。
【図6】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの分解図である。
【図7】本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される第1流体伝達ラインの第1実施形態に係る模式図である。
【図8】本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される流体伝達ラインに係る第2実施形態の模式図である。
【図9】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの3次元図である。
【図10】通常の液滴における吐出量と粘度とを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高粘度液体用液滴吐出装置、特には高粘度液体を間欠的に吐出可能な吐出装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
デジタル吐出技術は、通常、吐出目的に応じて液体を微細化するものである。しかしながら、この技術の応用は、数十cPといった低い粘度の要求によって制約されている。デジタル吐出技術は、初期において、まず、梱包機に応用され、対象物に液滴を吐出して適切なイメージやキャラクターを形成することによって製品の特徴や状態のさらなる識別に利用されていた。このような梱包機は、マーシュ(米国特許第4378564号)や日立(米国特許第4849909号)といった日本の企業によって市販されている。しかしながら、前述したように、デジタル吐出技術は、わずか数十cP以下の粘度を有しかつ直径が約1.5μmの液滴、即ち、容量にして数pLの液滴でのみ有効である。一方、何千以上や何万cPといったペースト状の高粘度液体は概してグルースプレッダー、スプレー、食品加工機等の吐出装置に適用される。粘度が極めて高い種類の液体では、該液体は前記機械設備によって多量に吐出される、または大面積の対象物の表面上に対して適用されることが可能であるに過ぎず、デジタル吐出に要求される液体の微細化は不可能である。一方、接着剤や錫ペーストのような高粘度液体では、液体を加熱によって溶融することでデジタル吐出に要求される値になるまで液体の粘度を低下させることができるが、そのようにすると流体の物理的特性及び化学的特性も変化してしまう。
【0003】
図10は液滴の吐出量と粘度とを示しており、X軸は液滴の吐出量、即ち1回の吐出での液滴の(単位)体積を示しており、Y軸は液体粘度を示している。図に示すように、現在の液滴吐出装置の性能とその限界が容易に認識できる。例えば、インクジェットプリンタでは、インクジェットの粘度範囲は1cPから10cPであり、間欠的に吐出されるインクの吐出量は、1pLから100pLに達する。インクの低粘度性により、インクジェットは噴霧化されイメージ形状に有利である。一方、約10000cP程度の粘度を有するスプレー接着剤のような高い粘度を有する液体では、間欠的な吐出毎の吐出量が10000pL以上となる。その結果、スプレー接着剤の1回毎の吐出は、連続した流れを微細化不能であると考えられる。
【0004】
近年のマイクロエレクトロメカニカル技術の進展の観点では、ペースト状の液体を直接吐出することができ、かつ液滴のサイズを正確に制御することが可能な新技術は、超小型回路(マイクロ回路)プリント技術の発展に対して重要であると思われる。従って、高粘度液体についても液滴のサイズを制御することが可能な高粘度液体用液滴吐出装置の開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題を鑑みて、本発明の目的は、高粘度液体についても液滴のサイズを制御することが可能な高粘度液体用液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような高粘度液体用液滴吐出装置は、高粘度の液体が充填され入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、前記入口に接続され前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、前記分岐流路に接続され前記分岐流路を介して前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、
前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁とを備える。
【0007】
好ましくは、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されている。
好ましくは、前記入口と前記出口流路との間に設けられるメインフローチャンバを備えている。
【0008】
好ましくは、さらに前記メインフローチャンバと前記出口流路との間に設けられるヒーターを備えている。
加えて、また本発明では、高粘度液体用液滴吐出モジュールが提供されている。この高粘度液体用液滴吐出モジュールは入口及び出口流路を有するマイクロ流路と少なくとも一つの分岐流路とを各々備える複数の高粘度液体用液滴吐出ユニットを具備する基材と、前記入口に対応する複数の第3開口部と前記出口流路に対応する複数の第4開口部とを前記基材上に備えるベースであって、前記複数の第3開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第1流体伝達ラインに連通し、前記複数の第4開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第2流体伝達ラインに連通することと、前記ベースとの間に前記基材を固定させることを可能とするカバープレートとを備えている。
【0009】
好ましくは、前記第1流体伝達ラインは高粘度液体供給装置に接続されている。
好ましくは、前記第2流路伝達ラインはガス供給装置に接続されている。
好ましくは、高粘度液体用液滴吐出モジュールはさらに、前記第2流体伝達ラインと前記ガス供給装置との間に設けられ、前記分岐流路内の前記ガスの移動方向を間欠的に制御する制御弁を備える。
【0010】
好ましくは、前記ガスは空気である。
好ましくは、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さい。
好ましくは、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されている。
【0011】
好ましくは、前記ガス供給装置の圧力は高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きい。
従って、本発明は、高粘度液体を吐出する際にその液滴のサイズを制御することが可能である。さらに、図10に示すように、本発明によれば、デジタル吐出を行うために高粘度液体を微細化することが可能となり、さらに超小型回路(マイクロ回路)プリント技術における直接吐出といった発明の応用のための道が開かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。本発明の高粘度液体用液滴吐出装置1は、マイクロ流路10、少なくとも一つの分岐流路20、高粘度液体供給装置30、ガス供給装置、少なくとも一つの制御弁60を備えている。マイクロ流路10は、基材に固定され、吐出されるべき高粘度液体31が充填されている。また、マイクロ流路10は、一端に設けられた入口12及び他端に設けられた出口流路13を備えている。出口流路13の内径は入口12の内径に比べて小さい。出口流路13と入口12との間には、高粘度液体31を収容するためのメインフローチャンバ14が設けられている。本実施形態では、図1に示すように、出口流路13の各側部に対してそれぞれ接続される2つの分岐流路20が設けられている。高粘度液体供給装置30は、マイクロ流路10の入口12に接続され、高粘度液体31をマイクロ流路10に供給する。高粘度液体供給装置30はまた、高粘度液体31をマイクロ流路10に供給することに加えて、供給される高粘度液体31の量と高粘度液体31に加える圧力とを制御する。分岐流路20においてマイクロ流路10が出口流路13に連通する部位と反対側の端部は、分岐流路20を介して空気といったガスを出口流路13に供給するためのガス供給装置50に接続されている
。制御弁60は、分岐流路20とガス供給装置50との間に設けられている。制御弁60は、分岐流路20から出口流路13へのガスの間欠的な供給を制御するとともに、高粘度液体31が吐出されるために出口流路13に向かって流動する際に、供給される空気51が高粘度液体31の流動を一時的に遮断するように、且つ高粘度液体31を間欠的に吐出される液滴32に形成するのを促進するように、供給される空気51の量とガス51を供給するための圧力とを調整する。さらに、本発明では、温度が低下した際にマイクロ流路10内の高粘度液体を加熱するためのヒーター70を備えており、本発明が効果的に行われるようになっている。
【0013】
図2は、本発明の別の実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。基本的には、本実施形態は、図1に示す前記高粘度液体用液滴吐出装置1と同様であり、主な特徴については繰り返さない。本実施形態では、分岐流路20が出口流路13の両側部に対して傾斜して接続されている点が異なる。また、出口流路1に接続される分岐流路20の数は、任意に決定することができる。例えば、出口流路13に接続される分岐流路20は1つであってもよい。また、吐出間隔を調整するために出口流路13の側部にそれぞれ2つ以上若しくはそれ以上の分岐流路20があってもよい。分岐流路20にガス51を供給するためのガス供給装置50によって供給される圧力がマイクロ流路10に高粘度流体31を供給するための高粘度液体供給装置30によって供給される圧力に比べて大きいことが好ましい。
【0014】
図3Aから図3Fには、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の動作が模式的に示されている。空気といったガス51が注入され、かつ該空気を供給するための圧力や供給される空気の量といったパラメータが制御されることによって、本発明では、吐出される高粘度液体31の総量ばかりでなく吐出される液滴のサイズも制御され、それにより、高粘度液滴21の吐出が行われるようになる。図3A及び図3Bに示すように、高粘度液体供給装置30が高粘度液体31を供給すると、高粘度液体31が確実にマイクロ流路10内にスムーズに流入する。高粘度液体供給装置30によって圧力が供給されると、高粘度液体31にはマイクロ流路の出口流路13から外部へ放出されるような力が加わる。さらに、分岐流路20に空気が注入されると、マイクロ流路10内の高粘度液体の流動が遮られ、その結果、図3Cに示すように、間欠的な高粘度液体の液滴32が形成される。従って、高粘度液体供給装置30によって供給される圧力、ガス供給装置50の注入圧力、ガス51の供給量、出口流路13及び分岐流路20の直径や長さ等といったパラメータを制御することによって、本発明では吐出される液滴のサイズ及び吐出される高粘度液体31の総量が調整され、それにより、図3D〜図3Fに示すように、高粘度液滴32の吐出が行われる。本発明は、数千から数万cPの粘度を有する液体に対して適用可能である。吐出された液滴の量は約10〜50pLである。
【0015】
図4及び図5は、それぞれ、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図を示す。モジュールデザインや大量生産のために、本発明では、複数の高粘度液体用液滴吐出ユニット1100が基材1000上に配置されている。マイクロ流路1200はノズルとして用いられ、そのため、各マイクロ流路1200内の高粘度液体の吐出条件を制御することによってデジタル吐出制御における吐出性能を大きく向上させることができる。図4は、本発明の第1実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールであって、分岐流路1300の両側配置を示している。図4は、本発明の第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールであって、分岐流路1300の片側配置を示している。
【0016】
図6は、本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの分解図である。高粘度液体用液滴吐出モジュールは、基材1000、ベース2000及びカバープレート3000を備えている。基材1000はダイスカットされたウェハといった様々な材料で構成され、複
数の高粘度液体用液滴吐出ユニット1100を備えている。そして、液滴吐出ユニットの数は、要望及び基材1000のサイズによって決まる。本実施形態では、4つの高粘度液体用液滴吐出ユニット1100が設けられ、少なくとも2つの異なったタイプのユニットを備えている。各高粘度液体用液滴吐出ユニットはマイクロ流路1200と少なくとも一つの分岐流路1300とを備えている。高粘度液体用液滴吐出ユニット1100の一方のタイプは2つの分岐流路1300を備え、他方のタイプは一つの分岐流路1300を備えている。マイクロ流路1200は、入口1400と出口流路1500とを有する。各入口1400は高粘度液体4100が流入する対応する第1開口部2100に連通し、各分岐流路1300はガス5100が流入する対応する第2開口部2200に連通している。ベース2000は、基材上の個々の入口1400に対応した複数の第3開口部2500と、個々の分岐流路1300に対応した複数の第4開口部2600とを備えている。複数の第3開口部2500はベース2000の内部に設けられた第1流体伝達ライン2300に連通し、複数の第4開口部2600はベース2000の内部に設けられた少なくとも1つの第2流体伝達ライン2400に連通している。その結果、高粘度液体4100は対応する第1流体伝達ライン2300を通ってマイクロ流路1200に供給され、空気5100は対応する第2流体伝達ライン2400を通って分岐流路1300に供給される。カバープレート3000は、基材1000をカバープレート3000とベース2000との間にボルト3100によって固定できるようになっている。加えて、第1流体伝達ライン2300は高粘度液体供給装置4000に接続され、第2流体伝達ライン2400はガス供給装置5000に接続されている。本実施形態では、さらに第2流体伝達ライン2400とガス供給装置5000との間に制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0017】
図7は、本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される第1流体伝達ラインの第1実施形態に係る模式図である。本実施形態では第1流体伝達ライン2300が設けられ、該第1流体伝達ライン2300は該第1流体伝達ライン2300と第1開口部2100との間に設けられた複数の第3開口部2500に連通し、高粘度液体4100が第1流体伝達ライン2300を介してマイクロ流路1200に供給するのを許容するものである。具体的に言うと、本実施形態では、高粘度液体供給装置4000は、高粘度液体4100が各分岐流体伝達ライン2330に供給されて第3開口部2500から排出される前に、高粘度液体4100を第1流体伝達ライン2310に供給する。また、本実施形態では複数の第2流体伝達ライン2420が設けられ、該第2流体伝達ライン2420は該第2流体伝達ライン2420と第2開口部2200との間に設けられた複数の第4開口部2600にそれぞれ連通し、空気5100が各第2流体伝達ライン2420を介して分岐流路1300に入るのを許容する。本実施形態では、複数の第2流体伝達ライン2420は独立して配置され、それぞれガス供給装置5000によってガス5100が供給される。さらに、各第2流体伝達ライン2420とそれに対応するガス供給装置5000との間には、ガス5100の第2流体伝達ライン2400への供給を制御する制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0018】
図8は本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される流体伝達ラインに係る第2実施形態の模式図である。本実施形態では複数の第1流体伝達ライン2310を備え、該第1流体伝達ライン2310は該第1流体伝達ライン2310と第1開口部2100との間に設けられた複数の第3開口部2500に連通し、複数の高粘度液体供給装置4000が高粘度液体4100をそれぞれ複数の第1流体伝達ライン2310へ供給するのを許容する。本実施形態では、複数の第2流体伝達ライン2410を備え、該第2流体伝達ライン2410は該第2流体伝達ライン2410と第2開口部2200との間に設けられた複数の第4開口部2600にそれぞれ連通し、ガス5100が分岐流路1300に供給される前に複数のガス供給装置5000がガス5100をそれぞれ複数の第2流体伝達ラ
イン2410に供給するのを許容する。本実施形態では、第1流体伝達ライン2310は独立して配置されており、各高粘度液体供給装置4000によって高粘度液体4100が供給される。同様に、第2流体伝達ライン2410は独立して配置されており、各ガス供給装置5000によってガス5100が供給される。さらに、各第2流体伝達ライン2410とそれに対応するガス供給装置5000との間には第2流体伝達ライン2410にガス5100の供給を制御する制御弁6000が設けられており、分岐流路1300内のガス5100の移動方向を間欠的に制御するようになっている。
【0019】
本実施形態と前述した実施形態との差について、本実施形態では各第1流体伝達ライン2310にはそれぞれ対応する高粘度液体供給装置4000が設けられ、各第2流体伝達ライン2410にはそれぞれ対応するガス供給装置5000が設けられている。それに対して、前述した実施形態では、一つの高粘度液体供給装置4000に対応して一つの第1流体伝達ライン2300が設けられており、それぞれに対応するガス供給装置5000を備える第2流体伝達ライン2420とは対照的である。
【0020】
図9は、本発明に係る、組み立てられた高粘度液体用液滴吐出モジュールの3次元図である。組み立てられた高粘度液体用液滴吐出モジュール3は、デジタル吐出を行うために間欠的に吐出された高粘度液体を微細化するためのマイクロメカニカル機器や装置に内蔵され、その結果、超小型回路(マイクロ回路)プリント技術用の直接吐出といった発明の応用のための道が開かれる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態を例示したが、上記各実施形態は本発明の実質的な適用範囲を限定するものではなく、他の実施形態を含むような本発明の精神及び付加されたクレームから離れることのない範囲内の改良及び変更は、本発明の保護範囲及びクレーム内となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3A】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3B】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3C】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3D】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3E】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図3F】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出装置の模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの模式図である。
【図6】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの分解図である。
【図7】本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される第1流体伝達ラインの第1実施形態に係る模式図である。
【図8】本発明の高粘度液体用液滴吐出モジュール内に配置される流体伝達ラインに係る第2実施形態の模式図である。
【図9】本発明に係る高粘度液体用液滴吐出モジュールの3次元図である。
【図10】通常の液滴における吐出量と粘度とを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘度の液体が充填され、入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、
前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、
前記入口に接続され、前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、
前記分岐流路に接続され、前記分岐流路を介して前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、
前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ、前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁と
を備えることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記ガスは空気であることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記ガス供給装置の圧力は前記高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置はさらに、前記入口と前記出口流路との間に設けられるメインフローチャンバを備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の高粘度液体用液滴吐出装置はさらに、前記メインフローチャンバと前記出口流路との間に設けられるヒーターを備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項8】
入口及び出口流路を有するマイクロ流路と少なくとも一つの分岐流路とを各々備える複数の高粘度液体用液滴吐出ユニットを具備する基材と、
前記入口に対応する複数の第3開口部と前記出口流路に対応する複数の第4開口部とを前記基材上に備えるベースであって、前記複数の第3開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第1流体伝達ラインに連通し、前記複数の第4開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第2流体伝達ラインに連通することと、
前記ベースとの間に前記基材を固定させることを可能とするカバープレートと
を備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記第1流体伝達ラインは高粘度液体供給装置に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、
複数の第1流体伝達ラインは、それぞれ該第1流体伝達ラインと前記第1開口部との間に配置される複数の第3開口部に連通し、高粘度液体が各マイクロ流路に供給される前に、複数の高粘度液体供給装置が前記高粘度液体をそれぞれの第1流体伝達ラインに供給す
るのを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項11】
請求項10に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記複数の第1流体伝達ラインは独立して配置され、個々の高粘度液体供給装置によって前記高粘度液体がそれぞれ供給されることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記高粘度液体供給装置は、前記高粘度液体が各分岐流体伝達ラインに入って前記第3開口部から排出される前に、前記高粘度液体を前記第1流体伝達ラインに供給することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項13】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記第2流体伝達ラインはガス供給装置に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項14】
請求項13に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、
複数の第2流体伝達ラインは、それぞれ該第2流体伝達ラインと前記第2開口部との間に配置される複数の第4開口部に連通し、空気が各分岐流路に供給される前に、ガス供給装置が前記空気を前記複数の第2流体伝達ラインに供給するのを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項15】
請求項14に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記複数の第2流体伝達ラインは独立して配置され、個々のガス供給装置によって前記空気がそれぞれ供給されることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、制御弁が各第2流体伝達ラインとそれに対応するガス供給装置との間に設けられ、前記第2流体伝達ラインへのガスの供給を制御することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項17】
請求項9に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールはさらに、前記第1開口部との間に設けられた複数の第3の開口部に連通する第1流体伝達ラインを備え、前記高粘度液体が前記第1流体伝達ラインを介して前記マイクロ流路に供給されることを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項18】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記ガスは空気であることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項19】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項20】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項21】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記ガス供給装置の圧力は高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項22】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記各入口は高粘度液体が供給される対応する第1開口部に接続され、各分岐流路は前記空気が供給される対応する第2開口部に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項1】
高粘度の液体が充填され、入口と出口流路とを備えるマイクロ流路と、
前記出口流路に連通する少なくとも一つの分岐流路と、
前記入口に接続され、前記マイクロ流路に前記高粘度液体を供給する高粘度液体供給装置と、
前記分岐流路に接続され、前記分岐流路を介して前記出口流路にガスを供給するガス供給装置と、
前記分岐流路と前記ガス供給装置との間に設けられ、前記マイクロ流路から前記高粘度液体を液滴化して吐出させるために前記分岐流路から前記出口流路へ前記ガスを間欠的に供給するように制御する少なくとも一つの制御弁と
を備えることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記ガスは空気であることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置において、前記ガス供給装置の圧力は前記高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の高粘度液体用液滴吐出装置はさらに、前記入口と前記出口流路との間に設けられるメインフローチャンバを備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の高粘度液体用液滴吐出装置はさらに、前記メインフローチャンバと前記出口流路との間に設けられるヒーターを備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出装置。
【請求項8】
入口及び出口流路を有するマイクロ流路と少なくとも一つの分岐流路とを各々備える複数の高粘度液体用液滴吐出ユニットを具備する基材と、
前記入口に対応する複数の第3開口部と前記出口流路に対応する複数の第4開口部とを前記基材上に備えるベースであって、前記複数の第3開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第1流体伝達ラインに連通し、前記複数の第4開口部はベース内部に配置された少なくとも一つの第2流体伝達ラインに連通することと、
前記ベースとの間に前記基材を固定させることを可能とするカバープレートと
を備えていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記第1流体伝達ラインは高粘度液体供給装置に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、
複数の第1流体伝達ラインは、それぞれ該第1流体伝達ラインと前記第1開口部との間に配置される複数の第3開口部に連通し、高粘度液体が各マイクロ流路に供給される前に、複数の高粘度液体供給装置が前記高粘度液体をそれぞれの第1流体伝達ラインに供給す
るのを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項11】
請求項10に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記複数の第1流体伝達ラインは独立して配置され、個々の高粘度液体供給装置によって前記高粘度液体がそれぞれ供給されることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記高粘度液体供給装置は、前記高粘度液体が各分岐流体伝達ラインに入って前記第3開口部から排出される前に、前記高粘度液体を前記第1流体伝達ラインに供給することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項13】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記第2流体伝達ラインはガス供給装置に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項14】
請求項13に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、
複数の第2流体伝達ラインは、それぞれ該第2流体伝達ラインと前記第2開口部との間に配置される複数の第4開口部に連通し、空気が各分岐流路に供給される前に、ガス供給装置が前記空気を前記複数の第2流体伝達ラインに供給するのを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項15】
請求項14に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記複数の第2流体伝達ラインは独立して配置され、個々のガス供給装置によって前記空気がそれぞれ供給されることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項16】
請求項15に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、制御弁が各第2流体伝達ラインとそれに対応するガス供給装置との間に設けられ、前記第2流体伝達ラインへのガスの供給を制御することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項17】
請求項9に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールはさらに、前記第1開口部との間に設けられた複数の第3の開口部に連通する第1流体伝達ラインを備え、前記高粘度液体が前記第1流体伝達ラインを介して前記マイクロ流路に供給されることを許容することを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項18】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記ガスは空気であることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項19】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記出口流路の内径は前記入口の内径に比べて小さいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項20】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記分岐流路は前記出口流路に対して傾斜して接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項21】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記ガス供給装置の圧力は高粘度液体供給装置の圧力に比べて大きいことを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【請求項22】
請求項8に記載の高粘度液体用液滴吐出モジュールにおいて、前記各入口は高粘度液体が供給される対応する第1開口部に接続され、各分岐流路は前記空気が供給される対応する第2開口部に接続されていることを特徴とする高粘度液体用液滴吐出モジュール。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−113025(P2009−113025A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336607(P2007−336607)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(598132657)インダストリアル テクノロジー リサーチ インスティチュート (26)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]