説明

高調波発振器

【課題】小型化が可能な高周波発振器を提供する。
【解決手段】第1ポート13及び第2ポート14を有する2ポート型のSAW共振子12と、増幅器15と、基板16上に形成され、前記増幅器15の入出力間に前記SAW共振子12を接続する信号線と、を備え、前記SAW共振子12、前記増幅器15、及び前記信号線により帰還型発振回路が形成され、前記第1ポート13から出力される信号と前記第2ポート14から出力される信号とを合成し、高調波を出力する合成出力回路21を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型化に適した高調波発振器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高調波発振器は、例えば光ケーブルと連動して高周波回線網の発振源として、あるいは測定器の発振源として利用される。
【0003】
特許文献1においては、2つの発振器の出力を合成してなる高調波発振器であって、基板の一主面に設けられて出力端が対峙した一組の発振用増幅器と、前記発振用増幅器の入出力端に接続して発振閉ループを形成するととともに基板の一主面に設けられて一部領域にて隣接する一組の信号線と、前記基板の他主面に設けられて前記信号線とともにマイクロストリップラインを形成する接地導体と、前記一部領域の設置導体を除去して前記隣接する信号線を横断してコプレーナラインとする開口部を有する構成が開示されている。
【0004】
特許文献2においては、一対の発振用増幅器の入出力間を高周波伝送路で接続し、前記一対の発振用増幅器の入力間と出力間に電磁結合体を設けて、互いに逆相発振となる2つの発振閉ループを形成してなる高調波発振器において、前記電磁結合体が誘電体共振器である構成が開示されている。
【0005】
特許文献3においては、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子の互いに逆相となる2つのIDT電極それぞれを入力側として接続した2つのコルピッツ型の発振器を用い、その出力を合成して高周波の出力が得られる1ポート型の高調波発振器が開示されている。
【特許文献1】特開2004−153510号公報
【特許文献2】特開2005―217684号公報
【特許文献3】特開平6−177644号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の発明においては、周波数選択素子がマイクロストリップライン若しくは、コプレーナラインであるため、回路全体のQ値が小さく、良好な位相ノイズ特性が得ることができない。
【0007】
また、特許文献2の発明においては、共振子に誘電体を用いることでQ値の高い発振器となり、位相ノイズ特性が向上するが、誘電体共振器を用いると、発振器全体を金属シールドしなければならず、小型化には不利である。
【0008】
そして、特許文献3の発明においては、周波数選択素子に圧電体を用いることで低位相ノイズを満足することができるが、1ポート型の共振子はGHz以上の高周波になると、等価回路における直列アームに並列に接続されるC0成分が大きいため、回路側の負性抵抗が得難く、発振が困難である。さらに特許文献3の回路構成では、出力を演算するミキサ等の乗算器が必要となり、小型化が困難である。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点を解決するため、小型化が可能で容易に高周波が得られる高調波発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0011】
[適用例1]第1ポート及び第2ポートを有する2ポート型のSAW共振子と、増幅器と、基板上に形成され、前記増幅器の入出力間に前記SAW共振子を接続する信号線と、を備え、前記SAW共振子、前記増幅器、及び前記信号線により帰還型発振回路が形成され、前記第1ポートから出力される信号と前記第2ポートから出力される信号とを合成し、高調波を出力する合成出力回路を備えることを特徴とする高調波発振器。
【0012】
上記構成において、第1ポートと第2ポートは互いに逆相の関係にあるため、容易に180度の位相差を持った信号を得ることができる。そして増幅器により発振信号が増幅されるが、第1ポートから得られる第1の信号と、第2ポートから得られる第2の信号の振幅はほぼ等しくなるので、第1の信号及び第2の信号を合成出力回路で合成すると基本波は相殺され、高調波のみを生成することができる。そして、周波数選択素子にQ値が高く、高周波においてC0成分が小さい2ポート型のSAW共振子を用いることで、低位相ノイズ特性を持ち、また発振周波数偏差も微小に抑え、小型化、低コスト化が可能な高調波発振器を構成することができる。また本適用例はPush−Push型の発振となるため、スプリアスを小さくすることができる。
【0013】
[適用例2]適用例1に記載の高調波発振器であって、前記合成出力回路は、前記基板上に形成された合成出力線を備え、前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線と前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線とが、前記合成出力線を挟むようにして配置され、前記合成出力線と平行に配置されていることを特徴とする高調波発振器。
【0014】
上記構成により、合成出力線において基本波成分の電位は常にゼロであるため、高調波発振器の外部に接続される回路による負荷変動に強い高調波発振器となる。また合成出力線は基板上に形成される信号線と同一材料を用いることができるので、製造プロセスが容易で、余分な部品を必要とせず、小型化が可能となる。
【0015】
[適用例3]適用例1に記載の高調波発振器であって、前記合成出力回路は、前記基板上に第2合成出力線を備え、前記第2合成出力線は、前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線及び前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線のそれぞれと、キャパシタを介して接続されていることを特徴とする高調波発振器。
【0016】
上記構成により、適用例2における信号の合成をキャパシタが行うことで、第2合成出力線の長さに関わらず高調波を合成可能で適用例2より歩留まりの高い高調波発振器を得ることができる。
【0017】
[適用例4]適用例1に記載の高調波発振器であって、前記合成出力回路は、前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線及び前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線のそれぞれに、入力端子及び一対の分岐端子の一方が介装された2つのウィルキンソン型パワーデバイダと、前記2つのウィルキンソン型パワーデバイダの前記一対の分岐端子の他方のそれぞれに接続された第3出力合成線と、を備えることを特徴とする高調波発振器。
【0018】
ウィルキンソン型パワーデバイダを用いるためSAW共振子の第1ポート側に接続されている回路と、SAW共振子の第2ポート側に接続されている回路とのアイソレーションが高く、また負荷変動にも強い高調波発振器となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る高調波発振器を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0020】
第1実施形態に係る高調波発振器を図1に示す。第1実施形態に係る高調波発振器10は、SAW共振子12、増幅器15、そして基板16上に形成される第1回路18、第2回路20、合成出力回路21である合成出力線22とから構成される。本実施形態においては第1回路18が増幅器を介装した帰還型回路である前提で述べる。SAW共振子12は、誘電体の基板16上に搭載されたものであり、共振子ベース12aと、共振子ベース12a上に配設されたSAW共振片24、第1ポート13(第1ポート出力端子13a、第1ポート入力端子13b)、第2ポート14(第2ポート出力端子14a、第2ポート入力端子14b)から構成される。SAW共振片24は、弾性表面波を発振可能な、例えば水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の圧電素板上に反射器24e、第1IDT(Inter Digital Transducer)電極24a乃至第4IDT電極24dが形成されたものである。
【0021】
SAW共振片24において、グレーティング型の反射器24eは互いに対向するように、SAW共振片24の長手方向の両端側にそれぞれ配設されている。そして反射器24eとの間に音響的に共振空洞が形成され、この空洞内に弾性表面波の定在波が発生する。この定在波と結合するように、櫛型の第1IDT電極24a、第2IDT電極24b、第3IDT電極24c、および第4IDT電極24dを配置するとSAW共振片24となる。ここで第1IDT電極24aと第2IDT電極24bはSAW共振片24の長手方向に一列に並べられ、第3IDT電極24c(第4IDT電極24d)は第1IDT電極24a(第2IDT電極24b)と互いに櫛を交えるように対向して配設されている。またSAW共振子12の第1ポート出力端子13a(第2ポート出力端子14a)は第1IDT電極24a(第3IDT電極24c)にワイアボンディング等により接続され、第1ポート入力端子13b(第2ポート入力端子14b)も同様に第2IDT電極24b(第4IDT電極24d)に接続されている。よって第1ポート13及び第2ポート14は平衡モードとなる。
【0022】
このSAW共振子12の中心周波数をfその波長をλ、弾性表面波の速度をVとすると、λ=V/fとなる。ここで1波長λで2πラジアンの位相差(つまり位相差なし)がつく。このため、反射器のグレーティング間隔はλ/2、各IDT電極の櫛の間隔はλとしている。さらに第1IDT電極24a(第3IDT電極24c)と第2IDT電極24b(第4IDT電極24d)との間隔はλである。よって第1IDT電極24a(第3IDT電極24c)と第2IDT電極24b(第4IDT電極24d)との位相差はない。また第3IDT電極24c(第4IDT電極24d)の櫛は第1IDT電極24a(第2IDT電極24b)の櫛の間の中央に配置されるため、第3IDT電極24c(第4IDT電極24d)と第1IDT電極24a(第2IDT電極24b)とλ/2ずれた位置に来るため、位相差はπラジアンとなる。よって第1IDT電極24a及び第2IDT電極24bから取り出せる第1の信号26と、第3IDT電極24c及び第4IDT電極24dから取り出せる第2の信号28とは弾性表面波の基本波については互いに逆相の関係になる。
【0023】
第1回路18は誘電体の基板上に例えば矩形状に形成されたストリップライン、マクロストリップライン、コプレーナライン等の第1の信号線18aと、第1の信号線18aに介装された増幅器15によって構成されている。なお、本実施形態の第1の信号線18aのインピーダンスは50Ωに設定されている。第1回路18の増幅器15の入力側はSAW共振子12の第1ポート出力端子13aに接続され、増幅器15の出力側はSAW共振子12の第1ポート入力端子13bに接続されている。すなわち、増幅器15の入出力間にSAW共振子12が第1の信号線18aにより接続されている。よって第1回路18はSAW共振子12、第1の信号線18aおよび増幅器15により図中の矢印で示された方向に第1発振信号26を流す閉ループを形成している。
【0024】
第2回路20は第1回路18同様に基板上に形成された第2の信号線20aによって構成され、第2の信号線20aは第1回路18の第1の信号線18a、及び合成出力線22と長手方向を並沿して配設されている。すなわち、第2の信号線20aの一部と第1の信号線18aの一部とが、合成出力線22を挟むようにして配置され、且つ合成出力線22に平行に配置されている。第2の信号線20aの一端はSAW共振子12の第2ポート出力端子14aに接続されている。そして第2の信号線20aの他端は基本波の反射波の発生を防止するため第2の信号線20aと同一インピーダンス(本実施形態では50Ω)の終端抵抗20bを介して接地されている。なお第2ポート入力端子14bは接地されている。接地は基板にビアホール(不図示)を形成して基板裏面にある接地導体(不図示)と接続すればよい。よって第2回路20の第2の信号線20aには第2の信号28が第2ポート出力端子14aから終端抵抗20bの方向に向かって流れることになる。
【0025】
合成出力回路21である合成出力線22は、第1回路18及び第2回路20と同様に基板上に形成された信号線であって、第1回路18の第1の信号線18a、及び第2回路20の第2の信号線20aに長手方向が並沿して配設されている。本実施形態は基本波の高調波のうち2倍波(波長λ/2)を用いるため、合成出力線22の並沿する長さはλ/2・1/4=λ/8以下とする。これにより合成出力線22は、第1回路18及び第2回路20と電磁結合することができる。ここで電磁結合の強度が、第1回路側及び第2回路側で同一となるように第1の信号線18a、合成出力線22、第2の信号線20aは等間隔に配設されている。これにより基本波と奇数次の高調波は相殺される。なお2倍波の取り出し位置は合成出力線22のSAW共振子12側の端部22aとなり、さらに具体的には端部22aと基板16の前記端部22aの位置にビアホール(不図示)を形成して、ビアホール(不図示)から2倍波を取り出せばよく、以下に登場する端部からの2倍波の取り出しも同様とする。
【0026】
上記構成において、第1回路18側のみ増幅器15が配設されているため、第1回路18を流れる第1の信号26のみが増幅されるとも思われる。しかし増幅器15で増幅された第1の信号26は再びSAW共振子12に戻されて表面弾性波となり、全てのIDT電極に表面弾性波のエネルギーが均等に分配されるので、結果的に合成出力線22と並沿する第1ポート出力端子13aから出力される第1の信号26と、第2ポート出力端子14aから出力される第2の信号28の振幅は等しく、若しくはほぼ等しくなる。したがって合成出力線22において第1の信号26及び第2の信号28の基本波は互いに相殺され、高調波である2倍波が取り出し可能となる。
【0027】
第2実施形態における高調波発振器30を図2(a)、(b)に示す。図2(a)に示すように、第2実施形態における高調波発振器30は基本的には第1実施形態と類似するが、第2回路32がSAW共振子12を挟んで第1回路18と鏡面対称な構成を有している。すなわち第2回路32は第1回路18と同様に第2の信号線32aと増幅器34によって構成されているが、閉ループの進行方向は第1回路18とは逆である。よって第2回路32の増幅器34の入力側は第2ポート出力端子14aに接続され、増幅器34の出力側は第2ポート入力端子14bに接続されている。このように増幅器を2つ用いることにより第1実施形態よりも振幅の大きな高調波を得ることができる。
【0028】
また両者の増幅率を同一にした場合には図2(b)に示すように合成出力回路35である合成出力線36を第1ポート入力端子13bに接続する第1回路18の第1の信号線18aと、第2ポート入力端子14bに接続する第2回路32の第2の信号線32aに長手方向を並沿した構成とすることができる。この場合も並沿する長さは第1実施形態と同様にλ/8とする。ただし出力の取り出しはSAW共振子12とは反対側の端部36aであるため、端部36aは並沿する部分からはみ出して形成されても良い。第1実施形態及び第2実施形態においては電磁結合により高調波を取り出すため、チップ部品を必要とはせず小型化が可能となる。
【0029】
第3実施形態に係る高調波発振器40を図3(a)、(b)に示す。図3(a)に示すように、第3実施形態に係る高周波発振器は第2実施形態と類似するが、合成出力回路41である第2合成出力線42は第1回路18及び第2回路32との間で電磁結合を行うための並沿をせず、第1回路18及び第2回路32とキャパシタ44を介して接続されている。ここで第2合成出力線42は合成出力線22、36と同一材料で形成されている。この構成により第2合成出力線42の配置位置の自由度が向上するとともに、第2合成出力線42の長さに関わらず高調波を合成可能となる。またキャパシタ44はそれぞれ第1回路18(第2回路32)の増幅器15の入力側(増幅器34の入力側)に同一容量のものが接続されているが、それぞれ図3(b)に示すように第1ポート入力端子13b側(第2ポート入力端子14b側)に接続し、各入力端子側に配設された合成出力線41である第2合成出力線46と接続してもよい。
【0030】
第4実施形態に係る高調波発振器50を図4(a)、(b)、及び図5(部分詳細図)に示す。図4(a)に示すように、第4実施形態に係る高調波発振器50は第2実施形態、及び第3実施形態と類似するが、合成出力回路55は、第1回路52、及び第2回路54にそれぞれ入力側が介装された2つのウィルキンソン型パワーデバイダ56、58と、前記2つのウィルキンソン型パワーデバイダ56、58の一対の分岐端子の一方にそれぞれ接続した第3合成出力線60から構成されている。ここで第3合成出力線60は合成出力線22、36及び第2合成出力線42、46と同一材料で形成されている。図5に示すようにウィルキンソン型パワーデバイダ56(ウィルキンソン型パワーデバイダ58)は、入力端子56a(入力端子58a)、分岐端子56b(分岐端子58b)、及び分岐端子56c(分岐端子58c)を有する。入力端子56a(入力端子58a)は第1回路52(第2回路54)の第1ポート出力端子13a(第2ポート出力端子14a)に接続される第1の信号線52a(第2の信号線54a)と接続し、分岐端子56b(分岐端子58b)は増幅器52c側(増幅器54c側)の第1の信号線52b(第2の信号線54b)と接続し、分岐端子56c(分岐端子58c)は第3合成信号線60に接続される。
上記構成により第1回路52及び第2回路54とのアイソレーションが高く、また負荷変動にも強い高調波発振器50となる。
【0031】
さらに、図4(b)に示すように合成出力回路55は、上述同様にSAW共振子12の入力端子側に構成することが可能である。この場合、入力端子56a(入力端子58a)は、増幅器52c側(増幅器54c側)の第1の信号線52d(第2の信号線54d)と接続し、分岐端子56b(分岐端子58b)は第1ポート入力端子13b(第2ポート入力端子 14b)と接続する第1の信号線52e(第2の信号線54e)に接続され、分岐端子56c(分岐端子58c)は、第3合成出力線60に接続される。図4に示すように、ウィルキンソン型パワーデバイダ56、58は集中定数回路によって構成されているが、マイクロストリップライン等の分布定数回路を用いて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る高調波発振回路である。
【図2】第2実施形態に係る高調波発振回路である。
【図3】第3実施形態に係る高調波発振回路である。
【図4】第4実施形態に係る高調波発振回路である。
【図5】第4実施形態に係る高周波発振回路の部分詳細図である。
【符号の説明】
【0033】
10………高調波発振器、12………SAW共振子、13………第1ポート、14………第2ポート、15………増幅器、16………基板、18………第1回路、20………第2回路、21………合成出力線、22………合成信号線、24………SAW共振片、26………第1の信号、28………第2の信号、30………高調波発振器、32………第2回路、34………増幅器、36………合成出力線、40………高調波発振器、42………第2合成出力線、44………キャパシタ、46………第2合成出力線、50………高調波発振器、52………第1回路、54………第2回路、56………ウィルキンソン型パワーデバイダ、60………第3合成信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポート及び第2ポートを有する2ポート型のSAW共振子と、
増幅器と、
基板上に形成され、前記増幅器の入出力間に前記SAW共振子を接続する信号線と、
を備え、
前記SAW共振子、前記増幅器、及び前記信号線により帰還型発振回路が形成され、
前記第1ポートから出力される信号と前記第2ポートから出力される信号とを合成し、高調波を出力する合成出力回路を備えることを特徴とする高調波発振器。
【請求項2】
請求項1に記載の高調波発振器であって、
前記合成出力回路は、前記基板上に形成された合成出力線を備え、
前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線と前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線とが、前記合成出力線を挟むようにして配置され、前記合成出力線と平行に配置されていることを特徴とする高調波発振器。
【請求項3】
請求項1に記載の高調波発振器であって、
前記合成出力回路は、前記基板上に第2合成出力線を備え、
前記第2合成出力線は、前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線及び前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線のそれぞれと、キャパシタを介して接続されていることを特徴とする高調波発振器。
【請求項4】
請求項1に記載の高調波発振器であって、
前記合成出力回路は、
前記第1ポートに接続され前記基板上に形成された第1の信号線及び前記第2ポートに接続され前記基板上に形成された第2の信号線のそれぞれに、入力端子及び一対の分岐端子の一方が介装された2つのウィルキンソン型パワーデバイダと、
前記2つのウィルキンソン型パワーデバイダの前記一対の分岐端子の他方のそれぞれに接続された第3出力合成線と、
を備えることを特徴とする高調波発振器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate