説明

高速パリミューチュアル賭けシステム及び方法

本開示は、第1賭け施設に係り、ネットワークに通信可能に接続され、第1賭け施設によって主催された複数の賭けイベントに対する賭けオッズを格納するよう動作可能なメモリを有する賭けシステムを提供する。当該システムはさらに、メモリに接続され、ネットワークを介し第1賭け施設によって主催される賭けイベントの少なくとも1つから構成されるあるイベントに対する第1の賭けを受け付けるよう動作可能なプロセッサを有する。第1の賭けを受け付けた後に所定の時間内に第2の賭けが受け付けされる場合、プロセッサは、第1の賭けと第2の賭けの両方に基づき、当該イベントに対する賭けオッズを再計算する。第1の賭けを受け付けた後に所定の時間内に第2の賭けが受け付けされない場合、プロセッサは、第1の賭けに基づき当該イベントに対する賭けオッズを再計算する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の技術分野]
本開示は、一般にゲームの分野に関し、より詳細には、高速パリミューチュアル賭けシステム及び方法に関する。
[発明の背景]
競馬やハイアライ(jai alai)などのイベントに対する賭けは、世界の多くにおいて大規模かつ成長中の産業である。典型的な競馬の賭けは、賭けをする人が特定のレース又は一連のレースにおいて1頭の馬又は複数の馬に賭けをすることを可能にする。例えば、賭けをする人は、最初にゴールし(win)、上位2着でゴールし(place)、又は上位3着でゴールする(show)馬に賭けることができる。賭けをする人はまた、連勝単式(exacta)の賭け(上位2着の馬をカバーする)又は3連単(trifecta)の賭け(上位3着の馬をカバーする)など複数の馬による様々な組み合わせの賭けをするかもしれない。さらに、賭けをする人は、デイリーダブル(連続する2つのレースの勝者)、ピック・スリー(連続する3つのレースの勝者)及びピック・シックス(連続する6つのレースの勝者)などの一連のレースに対して賭けることも可能である。
【0002】
パリミューチュアル(among ourselves)賭けシステムでは、あるイベントに関するすべての賭けが集計され、各賭けが行われる各施設によってあるパーセンテージ(又はテイクアウト)が取得され、残りが当選した賭けをした人に分配される。すなわち、ときどき“totalisator”又は“tote”システムと呼ばれる典型的なパリミューチュアル賭けシステムは、ハウスに対してではなく、他の賭けをする人に対して賭けをする賭けをする人を有する。この賭けプールは、しばしばいくつかの賭けをする施設からの賭けを含む。非主催施設から主催施設に送られる賭けは、典型的には、送信(バッチ処理を介するなど)と処理の両方において遅延を被る。この遅延は、不正な賭け行為の可能性及び賭けをする人々による全体的な困惑を生じさせる状況をもたらす。
【0003】
このような賭けシステムの普及は、当該システムが不正に対してどの程度ロウバストであるかについての賭けをする人の認識による影響を受けるかもしれない。システムが信用できるものではないため、人々が損害を被るという認識がある場合、システムがロウバストであると認識されている場合より、システムの利用は少なくなるかもしれない。また、賭けをする人は、試すことが可能な新たな賭け(上述したようなもの)がある場合、より高い確率により賭けをするかもしれないということが知られている。また、このような賭けシステムを提供する産業は、賭けをする人に追加的な興味を与える製品を提供しようと努力しているかもしれない。
[発明の概要]
一実施例では、本開示は、ネットワークに通信可能に接続され、第2賭け施設により主催される賭けイベントに対する賭けを受け付けるよう動作可能な第1賭け施設を有するパリミューチュアル賭けシステムを提供する。第1賭け施設は、さらにネットワークを介し当該賭けを第2賭け施設に送信するよう動作可能である。本システムはさらに、ネットワークに通信可能に接続され、ネットワークから賭けに関する監査情報を取得するよう動作可能なクリアリングハウス(clearinghouse)を有する。
【0004】
他の実施例では、本開示は、第1賭け施設に係り、ネットワークに通信可能に接続され、第1賭け施設により主催される複数の賭けイベントに対する賭けオッズを格納するよう動作可能なメモリを有する賭けシステムを提供する。本システムはさらに、メモリに接続され、第1賭け施設により主催される賭けイベントの少なくとも1つからなるイベントに対する第1の賭けをネットワークを介し受信するよう動作可能なプロセッサを有する。第1の賭けの受信後所定期間内に第2の賭けが受信される場合、プロセッサは、第1及び第2の賭けの双方に基づき、当該イベントに対する賭けオッズを再計算する。第1の賭けの受信後所定期間内に第2の賭けが受信されない場合、プロセッサは、第1の賭けに基づき当該イベントに対する賭けオッズを再計算する。
【0005】
さらなる他の実施例では、本開示は、賭けを行う方法を提供する。本方法は、第2賭け施設により主催される賭けイベントに対する複数の賭けを第1賭け施設において受信するステップを有し、第1賭け施設は、ネットワークを利用して第2賭け施設に接続される。各賭けは、当該ネットワークを利用して第2賭け施設に個別に送信される。
【0006】
本発明は、いくつかの重要な効果を有する。本発明の各種実施例は、これらの効果のすべて又は一部を有するかもしれないし、又はその何れをも有しないかもしれない。本発明の一効果は、個別かつリアルタイムベースにより多数の賭け取引を処理可能な高速賭けネットワークを提供することである。本発明の他の効果は、イベント開始後には賭けを受注しない信頼性を賭けをする人に提供するかもしれない。さらに、本発明は、リアルタイムの賭けオッズを自動的に決定し、イベントに対して各賭けが行われると、リアルタイムな通信を容易にするかもしれない。さらに、本発明は、各賭けに関する監査情報(audit information)を取得することを可能にするかもしれない。本発明のさらなる他の効果は、複数の賭け施設間の口座が所定のスケジュールに応じて迅速かつシステマティックに決済されることである。本発明はまた、セキュリティの向上と、全国的なパリミューチュアル賭けネットワークの冗長なクリアチャネル接続を提供するかもしれない。
【0007】
このような実施例の効果は、本システムが提供されるオッズが最新のものであることを保証するのに貢献しうるということである。パリミューチュアルが可能なこのような賭けシステムにより提供される賭けオッズは、他の賭けをする人によってすでに発注された賭けによる影響を受けることは理解されるであろう。オッズが賭けシステムにより正確に反映されない場合、その欠点のため、賭けシステムの提供者に金銭的損害が生じる可能性がある。この遅延は、それらが賭けオッズの不適切な反映に追加されるため、この状況を悪化させるかもしれない。従って、このような実施例によるシステムは、上記潜在的な金銭的損害の問題を軽減するのに貢献すべきである。
【0008】
いくつかの実施例では、本システムは、さらに特定イベントに対する以降の賭けを受け付けないことを示す賭けストップコマンドを生成するよう動作可能であるかもしれない。このような実施例は、それがシステムのセキュリティを向上させるのに貢献するかもしれないため、効果的である。クローズされた後にも賭けが受付される場合、システムにより提供される賭けオッズに影響が及び、不正の可能性が生ずるかもしれない。さらに、賭けストップコマンドは、それがさらなる賭けがネットワーク上で送信されることを防ぐため、ネットワークトラフィックを低減するのに貢献するかもしれない。
【0009】
いくつかの実施例では、本システムは、システムへの賭けの発注により生成される監査情報を格納するよう構成されるかもしれない。このような監査情報は、それが発注された賭けのトレーサビリティ(traceability)を向上させ、不正を防ぐのに貢献することが可能であるため、効果的であるかもしれない。必要に応じて、本システムが正確に実行されていることを示すことがより容易になるかもしれない。
【0010】
本発明の他の技術的効果は。当業者に容易に明らかとなるであろう。
[発明の詳細な説明]
図1は、賭け施設102又は他の賭け若しくはtoteの場所との間の高速通信のためのパリミューチュアルシステム100を示すブロック図である。一般に、パリミューチュアルシステム100は、各賭け150の処理、リアルタイムな賭け及び更新並びに自動的な決済処理を可能にするため、複数の賭け施設102の間の高速通信を容易にする任意のシステムである。より詳細には、パリミューチュアルシステム100は、ハブ106及びネットワーク108を介し相互接続される複数の賭け施設102を含む。ハイレベルでは、パリミューチュアルシステム100は、任意数の賭け施設102が他の賭け施設102において行われる賭けイベントに対する賭けに電子的に参加することを可能にするシステムである。例えば、パリミューチュアルシステム100は、tote間の通信を提供する賭けシステムであってもよい。しかしながら、パリミューチュアルシステム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、国際的、全国的、地域的又はローカルなシステムであってもよい。すなわち、パリミューチュアルシステム100は、ハブ106と先進的なネットワーク108を利用して、賭け施設102間の賭け150を介した賭け情報のリアルタイムな送信を可能にする高速システムである。
【0011】
典型的には、賭け施設の何れかにおいて行われる賭けイベントに対する賭け150は、ネットワーク108を介し通信される。これらのイベントは、競馬、ドッグレース、又はパリミューチュアル方式の賭けによる他の何れかのイベントを含むかもしれない。従って、賭け150は、何れか適切な金額などの賭けなど、特定イベントに対する何れか適切なパリミューチュアルな賭けであるかもしれない。賭け150は、第1賭け施設102が電子形式の賭け150を第2賭け施設102に通信可能である限り、口頭で行われてもよいし、電子的に書き込まれてもよいし、他の何れかの賭け技術を利用して実行されてもよい。
【0012】
賭け施設102は、賭けイベントを主催し、賭けをする人が他の施設102のイベントを含む賭けイベントに対して賭けをすることを可能にする任意の場所である。例えば、賭け施設102は、競馬場、ドッグトラック、オフトラック賭けパーラー、インターネットウェブサイト、又は賭けがネットワーク108に送信可能な他の何れかの場所を含むかもしれない。典型的には、ある賭けイベントを主催している賭け施設102は、当該イベントへの様々な参加者に対して賭けオッズを決定する。これらのオッズに基づき、非主催賭け施設102(サイマルキャスト施設(simulcast facility)102とも呼ばれる)が賭け150を受け付け、受け付けに応答して、ほとんど瞬時に各賭け150を主催賭け施設120に通信し、これにより、リアルタイムにオッズに影響を与える。サイマルキャスト施設102は、賭け150をホスト施設102に送信するかもしれない。これは、主催賭け施設102が遅延なくオッズを再計算することを可能にする。これら再計算されたオッズは、その後主催施設102又は他の何れかの施設102の賭けをする人々に実質的にリアルタイムに通信されるかもしれない。さらに、この賭けのリアルタイム個別送信は、主催賭け施設102がイベント開始後に賭け150が発注されないことを保証することを可能にする。
【0013】
各賭け施設102は、賭け150の送信及び賭け150に基づく賭けのリアルタイムな計算を容易にするため、サーバ110(以下でより詳細に説明される)と同様のものなどのコンピュータを有するか、又は関連付けされているかもしれない。もちろん、施設102のコンピュータは、本開示の範囲から逸脱することなく、各種ソフトウェア又はプロセスを実行し、又はサーバ110からの各種データ(賭けイベントに関するオッズや賭け150など)を格納及び処理するかもしれない。本開示は、汎用コンピュータ以外のコンピュータや、従来のオペレーティングシステムを有しないコンピュータを考慮している。本文献で使用されるように、「コンピュータ」という用語は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、又は他の何れか適切な処理装置を含むものである。コンピュータサーバ110は、UNIX(登録商標)、Windows(登録商標)、Linux又は他の何れか適切なオペレーティングシステムを含む任意のオペレーティングシステムを実行するよう構成されるかもしれない。コンピュータは、サイト上又は遠隔的に配置されてもよい。さらに、「コンピュータ」と「施設102」は、必要に応じて交互に使用されるかもしれない。
【0014】
ある実施例では、賭け施設102は、1つのハブ106を介しネットワークに通信可能に接続される。従って、各施設102又は関連するコンピュータはまた、他の賭け施設102、ハブ106、ハブ106に直接は接続されていない他のオフトラック賭け位置112又は他の何れか適切なパリミューチュアルシステム100のコンポーネントなど、他のコンピュータシステムと通信するための1以上のインタフェースを含むかもしれない。インタフェースは、適切な組み合わせによりソフトウェア及び/又はハードウェアにより符号化され、接続114を介しネットワーク108と通信するよう動作可能なロジックを有するかもしれない。より詳細には、インタフェースは、ネットワーク108及びハブ106に係る1以上の通信プロトコルをサポートするソフトウェア又は物理信号を通信するよう動作可能なハードウェアを有するかもしれない。
【0015】
賭け施設102は、1以上の賭け端末103を有する。ここで使用される賭け端末103は、1以上の賭けをする人から賭け150を受信するよう動作可能なウィンドウ、スロット、サインインシート、カードリーダ、オークション端末又は装置である。本開示で使用されるように、賭け端末103はさらに、パーソナルコンピュータ、タッチ画面端末、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、キオスク、ワイヤレスデータポート、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、上記又は他の装置内の1以上のプロセッサ又は他の何れか適切な処理装置を含むかもしれない。例えば、賭け端末103は、情報を受け付け可能なキーパッド、タッチ画面、マウス又は他の装置などの入力装置と、デジタルデータ及びビジュアル情報を含むシステム100の動作に係る情報を伝送する出力装置とを有するコンピュータから構成されるかもしれない。入力装置と出力装置は共に、ディスプレイを介し端末103のユーザから入力を受け付け、出力を提供するため、磁気コンピュータディスク、CD−ROM又は他の適切な媒体などの固定式又は着脱可能な記憶媒体を有するかもしれない。各賭け施設102に配置され、又は通信可能に接続されるいくつかの端末103が存在するかもしれないということは理解されるであろう。さらに、「賭け端末103」と「賭けをする人」は、本開示の範囲から逸脱することなく、必要に応じて交互に使用されるかもしれない。しかしながら、本開示は、多数の賭けをする人が1つの端末103を使用して、同じ賭けイベントに対する賭け150を通信する可能性を想定する。
【0016】
ハブ106は、一般に施設102の間の様々なサイマルキャスト又はリアルタイム通信を容易にする何れかの集計ポイント又は他の場所である。ハブ106は、データセンター、処理施設、ネットワーク接続ポイント、管理オフィス、又はネットワーク108と少なくとも施設102の一部との間のリンクを提供するよう動作可能な他の何れかの場所から構成されるかもしれない。例えば、システム100は複数のハブ106を有し、各施設102は、これら複数のハブ106の1つと主に関連付けされるようにしてもよい。一実施例では、ハブ106は、ルータ、ブリッジ、スイッチ、サーバ、ゲートウェイ、IP電話、アクセスコントロール装置及び他の何れか適切なネットワーク装置などのいくつかのネットワーク装置を有するようにしてもよい。さらに、各ハブ106は、1以上のインターノーダルトランク(internodal trunk)104は、任意の適切なプロトコルを利用した何れかのワイヤレス又はワイヤラインリンク(例えば、T−1ラインなど)から構成されるかもしれない。トランク104は、通信が迅速かつシームレスに行われることを保証するのに貢献するため、冗長性を提供するかもしれない。さらに、ハブ106は、ルーティング、プロトコル変換、セキュリティ、暗号化/解読及び他の適切なファンクションなどのタスクを処理し、またハブ106が第1賭け施設102から第2賭け施設102への賭けの通信を容易にするよう動作可能である限り、何れか適切なハンドシェイク、ログイン及び/又は他の適切なハードウェア及び/又はソフトウェアプロトコルうぃ利用するかもしれない。従って、ハブ106は、複数の賭け施設102とネットワーク108との間の高速で信頼性の高いリンクを提供する。
【0017】
ネットワーク108は、複数の賭け施設102とハブ106との間のワイヤレス又はワイヤライン通信を容易にする。実際、ネットワーク108は、ハブ106の間に存在するよう示されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、ハブ106と1以上の関連する賭け施設102との間にさらに配置されてもよい。また、図示されてはいないが、ネットワーク108はさらに、ハブ106を有するかもしれない。すなわち、ネットワーク108は、賭け施設102とクリアリングハウスとの間の通信を容易にするよう動作可能な任意のネットワーク又はサブネットワークを含む。ネットワーク108は、各種キャリを利用し、本開示の範囲から逸脱することなく、アクセスリストとIPSecトンネルの組み合わせにより安全にされた周辺を含む。また、ネットワーク108は、例えば、IP(Internet Protocol)パケット、フレームリレイフレーム、ATM(Asynchronous Transfer Mode)セル、音声、映像、データ及び他の適切な情報をネットワークアドレス間で通信するようにしてもよい。ネットワーク108は、1以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、ラジオアクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットとして知られるグローバルエリアネットワークのすべて又は一部、及び/又は1以上の場所における他の何れかの通信システムを含むかもしれない。
【0018】
ハブ106に戻って、各ハブ106はまた、ネットワーク108を介し送信されるすべての賭け150を自動的にモニタ及び監査し、賭け施設102間の口座の決済を決定するクリアリングハウスであるかもしれない。クリアリングハウス106は、ネットワークトラフィックをモニタし、適切な賭け施設102から賭け150のコピーを受信し、賭け施設102又はハブ106から、あるいは他の何れか適切な技術を介し監査情報を受信することによって、賭け150に関する監査情報を取得するかもしれない。クリアリングハウス106はまた、関連する賭けイベントからの結果、取得されたイベントに係る監査情報及び施設102間の契約パラメータを利用して、賭け施設間の口座を電子的に決済するようにしてもよい。例えば、クリアリングハウス106は、各種契約パラメータ及び監査情報を格納し、当該格納された情報に基づき施設102間の口座の決済を自動的に決定するよう動作可能な中央サーバ110を有するようにしてもよい。
【0019】
サーバ110は、賭け150を監査及び処理するよう動作可能であって、ネットワーク108に通信可能に接続される任意のローカル又はリモートコンピュータから構成される。例えば、サーバ110は、汎用パーソナルコンピュータ(PC)、Macintosh、ワークステーション、UNIX(登録商標)ベースコンピュータ、サーバコンピュータ又は他の何れか適切な装置であってもよい。図1は、本開示により使用可能なコンピュータの単なる一例を提供する。例えば、図1は本開示により利用可能な1つのサーバ110を示しているが、パリミューチュアルシステム100は、サーバ以外のコンピュータやサーバプールを利用して実現することが可能である。一実施例によると、サーバ110は、リモートウェブサーバであるかもしれない。図示された実施例では、サーバ110は、監査情報をメモリ120から抽出及び格納し、処理された賭け150に基づき決済を生成するよう動作可能である。
【0020】
メモリ120は、任意のメモリ又はデータベースモジュールを有してもよく、限定されることなく、磁気媒体、光媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、着脱可能媒体、又は他の何れか適切なローカル又はリモートメモリコンポーネントを含む揮発性又は不揮発性メモリの形態をとることも可能である。図示された実施例では、メモリ120は、少なくともオークションログ130(図2により詳細に記載される)、契約ファイル135及び口座ファイル140を含むが、他の何れか適切なデータを有するようにしてもよい。ハイレベルでは、オークションログ130は、賭け150とその処理に関する何れか適切な監査情報を格納する任意のファイルである。
【0021】
契約ファイル135は、少なくとも2つの賭け施設102の間の口座の決済を行う契約の論理的記述(又はデータ構造)から構成される。より詳細には、契約ファイル135は、賭け施設102の識別子と契約パラメータを含む。契約パラメータは、各施設102の間の適切な決済を決定するため、システム100により処理されるよう動作可能な任意のロジック、ルール、アルゴリズム又はデータから構成されるかもしれない。例えば、1つの契約パラメータは、賭けイベントを主催する第1賭け施設102によって第2賭け施設102に課せられるサイマルキャスト費用から構成されるかもしれない。契約ファイル135は、何れか適切なフォーマットにより構成され、外部的に実現されるコードにより規定、処理又は抽出されるよう動作可能な任意の物理的又は論理的データストレージに格納されるようにしてもよい。契約ファイル135はまた、1つのサーバ110又は複数のサーバ110上に格納されている1以上のテーブル又はファイルから構成されるかもしれない。さらに、契約ファイル135は、本開示の範囲から逸脱することなく、ローカル又はリモートファイルとして格納されてもよい。
【0022】
口座ファイル140は、賭け施設102の口座の論理的記述(又はデータ構造)から構成される。例えば、各賭け施設102は、口座ファイル140において表される1以上の口座と関連付けされてもよい。口座ファイル140は、何れか適切なフォーマットにより構成され、外部的に実現されるコードにより規定、処理又は抽出されるよう動作可能な任意の物理的又は論理的データストレージに格納されるようにしてもよい。口座ファイル140はまた、1つのサーバ110又は複数のサーバ110上に格納されている1以上のテーブル又はファイルから構成されるかもしれない。さらに、口座ファイル140は、本開示の範囲から逸脱することなく、ローカル又はリモートファイルとして格納されてもよい。
【0023】
サーバ110はまた、プロセッサ125を有する。プロセッサ125は、中央処理ユニット(CPU)などのサーバ110の処理を実行するためデータを操作し、命令を実行する。図1はサーバ110に1つのプロセッサ125しか示していないが、複数のプロセッサ125が特定の要求に従って使用可能であり、プロセッサ125の参照は、適用可能である場合には、複数のプロセッサ125を含むものである。ある実施例では、プロセッサ125は、何れか適切なロジック、ルール又はアルゴリズムを利用して何れか適切なプロセスを実現する決済エンジン145を実行する。決済エンジン145は、賭け150を監査し、賭け施設102の間の口座を少なくとも部分的に決済するよう動作可能な任意のソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせを含むことが可能である。決済エンジン145は、さらに賭け150や監査情報などの通信を暗号化又は解読するよう動作可能であるかもしれない。
【0024】
動作の一特徴では、第1賭け施設102は、競馬、ドッグレース、ハイアライなどの賭けイベントを主催する。第1施設102は、イベントの参加者に対するオッズを自動計算し、当該オッズを非主催賭け施設102の少なくとも一部に通信する。ここで使用される「自動的」という用語は、一般には適切な処理がパリミューチュアルシステム100の少なくとも一部により実質的に実行されることを意味する。さらに「自動的」とは、本開示の範囲から逸脱することなく、パリミューチュアルシステム100とユーザ又は賭けをする人との何れか適切なやりとりを想定していることが理解されるべきである。賭け施設102の第2のものは、しばしば賭け端末103において賭けをする人から賭けイベントに対する賭け150を受け付ける。第2賭け施設102は、ハブ106及びネットワーク108を介し電子賭け150を第1賭け施設102に送信する。上述されるように、この送信は、実質的にリアルタイムにより、賭け単位で行われるかもしれない。送信中、クリアリングハウス106は、賭け150に関する監査情報を取得し、この取得した情報を監査ログ130に格納する。
【0025】
例えば、ある賭けをする人が、第1賭け施設102により主催されるある競馬レースに対して100ドルの賭け150を発注する。この例では、賭け150は、第2賭け施設102などのサイマルキャスト施設102において発注される。この100ドルの賭け150は、リアルタイムに第1賭け施設102に送信される。クリアリングハウス106は、監査ログ130が取引識別子、第1賭け施設の識別子、第2賭け施設の識別子、端末ID、賭けイベントの識別子、賭け(馬#3に対する賭けなど)、賭け金、タイムスタンプ、賭けをした人のID(利用可能であるとき)及びハブを含むように、ネットワーク108から監査情報を取得する。さらに、何れか適切な時点において、クリアリングハウス106は、賭け金から第2施設102に係るテイクアウト又は手数料(15%など)を差し引き、85ドルとなる。この場合、差し引かれた15ドルは、賭け150をした第2賭け施設102に帰属する。
【0026】
第1賭け施設102が賭け150を受信すると、第1施設102は、賭け150により指定されたイベントに対するオッズを再計算する。ある実施例によると、第1施設102は、当該イベントに係る1以上の格納されている賭け150の1以上の少なくとも一部を特定する。その後、第1賭け施設102は、この格納されている賭け150の特定された少なくとも一部と受信した賭け150に基づき、実質的にリアルタイムによりオッズを再計算する。ある実施例では、第2の賭け150が第1の賭け150の受信後所定期間内(例えば、0〜15秒など)に受信した場合、第1賭け施設は、第1及び第2の賭け150に基づき再計算を行うようにしてもよい。再計算されると、第1施設102は、当該オッズを少なくとも第2賭け施設102にネットワーク108を介し送信する。第1施設102はまた、主催施設102の賭けをする人々に再計算されたオッズを提供するかもしれない。一実施例では、賭け施設102は、賭け150を受信すると、オッズを動的かつリアルタイムに再計算する。他の実施例では、施設102は、特定の間隔により、しかしながら一般には競馬レースなどのイベントの開始以前にオッズを再計算する。
【0027】
この何れかの非主催施設102からの賭け150の瞬時な受信並びに各賭け150に基づくオッズの再計算及び送信は、第1賭け施設102が賭けをストップすべきであると決定するまで継続されるかもしれない。一実施例では、第1施設102は、例えば、内部の「賭けストップ」コマンド155を開始他の施設102からすでに通信された賭け150を自ら拒絶するかもしれない。例えば、イベントの開始又はイベント開始前の所定の期間において、主催施設102は、以降の賭け150を受け付けないことを示す「賭けストップ」コマンド155を生成するようにしてもよい。主催施設102が、ネットワーク108を介し他の賭け施設102などから賭け150を受信した場合、主催賭け施設は賭け150を拒絶する。
【0028】
他の実施例では、第1施設102は、特定イベントの開始に基づき「賭けストップ」コマンド155を生成し、ネットワーク108に通信するようにしてもよい。「賭けストップ」コマンド155は、一般にネットワーク108に非主催賭け施設の何れからも以降の賭け150を拒絶するよう通知するものである。さらなる他の実施例では、第1施設102は、「賭けストップ」コマンド155を第2非主催施設102に通信するようにしてもよい。ときには、第2賭け施設102は、「賭けストップ」コマンド155の受信前に、受信した賭け150を送信するかもしれない。この場合、第1賭け施設102は、まず賭け150が実際に「賭けストップ」コマンド155を発信する前に通信されたものであることを判断又は検証するかもしれない。そうである場合には、第1賭け施設102は、賭け150を受け付け、当該イベントに対するオッズを再計算する。第1施設102が当該賭け150が「賭けストップ」コマンド155の発信前に受信したものではないと判断した場合、第1賭け施設102は、賭け150を拒絶するかもしれない。当該イベントが終了すると、第1賭け施設102は、クリアリングハウス106と適切な非主催賭け施設102に結果を送信する。
【0029】
何れか所定の時点において(週に1回など)、クリアリングハウス106は、イベント又はそれに対する賭けに関与した各種施設の口座を決済するため、1以上のイベントの結果を処理する。一実施例では、プロセッサ125は、第1(又は主催)賭け施設102と非主催賭け施設102の第2のものに基づき、監査ログ130の第1サブセットを選択するかもしれない。次に、プロセッサ125は、これら2つの施設102に基づき、契約ファイル135から適切な契約パラメータを特定する。これらのパラメータを利用して、プロセッサ125は、第1施設102と第2施設102との間の決済、すなわち、計算された資金の移転を生成する。
【0030】
次に、プロセッサ125は、EFT(Electronic Funds Transfer)技術を利用して、口座ファイル140の各施設102の口座を借方又は貸方を調整するかもしれない。必要に応じて、クリアリングハウス106は、資金の移転を開始するため、現在口座ファイル140に反映されている決済を1以上の銀行に通信するかもしれない。クリアリングハウス106は、第1賭け施設102と賭け150を送信した各非主催施設102との間の口座が決済されるまで、上記処理を継続するかもしれない。クリアリングハウス106は、適切な賭け施設102にこれら決済の結果を通信してもよい。
【0031】
ある馬に100ドルを賭けた例に戻って、第1賭け施設102は、当該賭け150が外れたというメッセージをクリアリングハウス106に送信するかもしれない。クリアリングハウス106は、i)第1賭け施設102と第2賭け施設102との間の契約ファイル135から適切な契約パラメータと、ii)一例となる賭け150に係る監査情報とを収集する。この契約パラメータに基づき、クリアリングハウス106は、第1賭け施設102による一例となる賭け金(100ドル)の3%、すなわち、3ドルのサイマルキャスト料があると判断するかもしれない。従って、クリアリングハウス106は、第2賭け施設102が、第1賭け施設102に88ドル、すなわち、100ドル(元の賭け)−15ドル(テイクアウト)+3ドル(サイマルキャスト料)の支払義務があると計算し、第2賭け施設102の口座に賭け金のうちの12ドルを残す。その後、クリアリングハウス106は、口座ファイル140の各施設102の口座を更新し、及び/又は決定された決済に基づき施設102の間のEFTを促す。
【0032】
他方、第1賭け施設102が、当該賭け150が当たったというメッセージをクリアリングハウス106に送信するかもしれない。クリアリングハウス106は、i)第1賭け施設102と第2賭け施設102との間の契約ファイル135から適切な契約パラメータと、ii)一例となる賭け150に係る監査情報とを収集する。この契約パラメータに基づき、クリアリングハウス106は、第1賭け施設102による一例となる賭け金の3%、すなわち、3ドルのサイマルキャスト料があると判断するかもしれない。従って、クリアリングハウス106は、第2賭け施設102が、第1賭け施設102に88ドル、すなわち、100ドル(元の賭け)−15ドル(テイクアウト)+3ドル(サイマルキャスト料)の支払義務があると計算する。しかしながら、賭け150は当たっているため、クリアリングハウス106はさらに、第1賭け施設102が当選金(例えば、3−1のオッズに対する400ドル)を第2賭け施設102に支払義務があると判断する。従って、クリアリングハウス106は、第1賭け施設102が第2賭け施設102に312ドル(400ドル−88ドル)の支払義務があると判断する。その後、クリアリングハウス106は、口座ファイル140の各施設102の口座を更新し、及び/又は決定された決済に基づき施設102の間のEFTを促す。
【0033】
図2は、システム100の一実施例による監査ログ130の一例を示す。一般に、システムは、監査ログ130を利用してシステム100において通信される賭け150の監査情報を安全に格納及び処理する。この監査情報は、システム100が賭け150のセキュリティ及び精度を保証し、エージェンシーからのリクエストに迅速に応答し、システム問題や他の適切なプロセスを決定及び訂正することを可能にするかもしれない。図示された実施例では、監査ログ130は、少なくとも1つの監査レコードを含む多次元データ構造である。しかしながら、監査ログ130は、何れか適切なフォーマットにより構成されるかもしれない。本例では、各監査レコードは、データ、ポインタ、リファレンス、又は取引、第1賭け施設102、第2賭け施設102、端末103、賭けイベント、賭け(馬#2に対する勝利など)、賭け金、タイムスタンプ、賭けをする人(利用可能である場合)及びハブ106の他の何れかの識別子を含む。各監査レコードは、一例となるデータの一部又はすべてを含むようにしてもよいし、あるいはその何れも含まないようにしてもよいということは理解されるであろう。一実施例では、監査ログ130に示される各監査レコードは単なる一例であり、システム100は、適切な賭け150の監査を可能にするため、他の何れか適切な監査コンポーネントを想定する。さらに、監査ログ130は、本発明の範囲から逸脱することなく、複数のテーブル又はファイルに分離されるようにしてもよい。
【0034】
図3及び図4は、パリミューチュアル方式の賭けの電子的なリアルタイム処理の様々な特徴に対する一例となる方法300及び350をそれぞれ示すフローチャートである。第1に、図3は、本発明の一実施例による高速パリミューチュアルネットワーク108を介した施設102間の賭けの通信及び処理を一般に説明する方法300を示す。第2に、図4は、本発明の一実施例によるパリミューチュアルシステム100へのアクセスによる施設102間の賭けのモニタリングを一般に示す方法350を示す。以下の説明は、方法300と350の実行におけるパリミューチュアルシステム100のコンポーネントの動作に着目している。しかしながら、パリミューチュアルシステム100は、説明した機能及び技術の一部又はすべてを実現するため、論理的要素の適切な組み合わせ及び構成を使用することを想定している。
【0035】
ハイレベルでは、方法300は、第1賭け施設により主催されるイベントに対する各賭け150のリアルタイムによる送受信と、各賭け150に基づくオッズのリアルタイムな再計算を含む。方法300は、ステップ302から開始され、第2賭け施設102が第1賭け施設102により主催されるイベントに対する第1の賭け150を受信する。上述したように、第1の賭け150は、賭け窓口において人手により受付され、賭け端末103から電子的に受信され、又は他の何れか適切な技術を利用して受信されてもよい。何れか適切な処理の後、第2賭け施設102は、ネットワーク108の適切なハブ106を開始第1賭け施設102に賭け150を送信する。その後、第1賭け施設102は、ステップ308において、受信した賭け150とメモリの他の何れかの賭け150に基づきオッズを動的に再計算する。次にステップ310において、第2賭け施設102は、イベントの現在の参加者又は賭けをする人に新たなオッズを表示する。その後、第1賭け施設102は、しばしばリアルタイムにより再計算されたオッズを当該イベントを主催していない1以上の賭け施設102にネットワーク108を介し送信する。
【0036】
ステップ312において、第2賭け施設102は、第1施設102から再計算されたオッズを受信する。次に、第2賭け施設102は、ステップ314において、当該イベントに対する他の賭け150を受信する。判定ステップ316において、第2賭け施設102は、第1賭け施設102が当該イベントに対する賭けの受付を停止したか判断する。第1施設102がこれを示す1つの方法は、内部の「賭けストップ」コマンド155を発行し、以降の賭け150を送信する施設102に「賭け拒絶」メッセージを発行することによるものである。「賭けストップ」コマンド155はまた、ネットワーク108、1以上のハブ106及び/又は1以上の賭け施設102に通信されていてもよい。すなわち、第2賭け施設102は、賭け150の試みられた送信に基づき第1賭け施設102からエラーメッセージを受信し、「賭けストップ」コマンド155がハブ106に問い合わせることにより、又は他の何れか適切な技術を介し通信されたか判断するようにしてもよい。賭けが第1賭け施設102により停止されていなかった場合、当該処理はステップ304に移行する。そうでない場合、第2賭け施設102は、各賭けをした人に「賭け拒絶」メッセージを送信し、賭け150を拒絶する。この「賭け拒絶」メッセージは、口頭、電子的又は他の何れか適切なフォーマットによるものであってもよい。
【0037】
賭けイベントが終了すると、第1賭け施設102は、ステップ320において、賭けイベントの当選者を特定する。その後、イベントの結果に基づき、第1賭け施設102は、ステップ322において、結果情報を判断するためパリミューチュアル処理を実行する。一実施例では、パリミューチュアル処理は、当該イベントに関するすべての賭け150を集計し、当選者に賭け150の少なくとも一部の分配を決定することを含むかもしれない。もちろん、任意のパリミューチュアル処理が利用可能である。ステップ324において、第2賭け施設102は、ネットワーク108を介し第1賭け施設102から決定された結果情報を受信する。第2賭け施設102は、図5により詳細に示されるように、当選者に予定された当選金を分配してもよいし、クリアリングハウス106により自動決済された口座を有するようにしてもよい。
【0038】
一般に、方法350は、クリアリングハウス106がネットワーク108を送信される賭け150に関する監査情報を取得することを含む。方法350は、ステップ352から開始され、クリアリングハウス106は、ネットワーク108を介し第1賭け施設102と第2賭け施設102との間で送信される賭け150をモニタする。ステップ354において、クリアリングハウス106は、何れか適切な技術を利用して賭け150の監査情報を取得する。例えば、クリアリングハウス106は、電子的な賭け150を解析及びスキャンし、施設102から、又は他の何れかの技術を介し賭け150のコピーを受信することによって所望の情報を取得するようにしてもよい。取得されると、クリアリングハウス106は、ステップ356において、監査情報を監査ログ130に格納する。何れか適切な時点において、クリアリングハウス106は、ステップ358において第1賭け施設102に行われたイベントの結果を受信する。さらに、方法350はステップ358に続くように示されているが、クリアリングハウス106はステップ358とパラレルにステップ352〜356を実行することによって、ネットワーク108をモニタし続けるようにしてもよいということが理解されるべきである。
【0039】
図5は、本発明の一実施例によるネットワーク108へのアクセスにより賭け施設102間の決済を決定する一例となる方法400を示す。一般に、クリアリングハウス106は、取得した監査情報を利用して処理されていないすべての賭け150を処理し、適切な施設102の間の口座をシステマティックに決済する。
【0040】
方法400はステップ405から開始され、クリアリングハウス106は第1賭け施設102を特定する。その後、クリアリングハウス106は、ステップ410において、主催施設として特定された賭け施設102に関して、モニタされた賭け150から取得された監査情報を選択する。次にステップ415において、クリアリングハウス106は、選択された監査情報に基づき第1の非主催施設102を特定する。クリアリングハウス106は、その後、ステップ420において、特定された非主催施設102に関する監査情報の一部を選択する。次に、ステップ425において、クリアリングハウス106は、特定された主催賭け施設102と非主催賭け施設102との間の契約ファイル135からの電子契約を特定する。例えば、サーバ110は、メモリ120に格納されている契約ファイル135から、サイマルキャスト料などの適切な契約パラメータを選択するかもしれない。その後、ステップ430において、クリアリングハウス106は、特定された契約パラメータに基づき、監査情報の選択された部分と結果を処理し、2つの施設102の間の口座の決済を生成する。判定ステップ435において、クリアリングハウス106は、ステップ410において選択された監査情報に未処理の非主催施設102が残っているか判断する。そうである場合、クリアリングハウス106は、ステップ440において次の非主催施設102を特定し、当該処理はステップ420に戻る。
【0041】
選択された監査情報について、すべての非主催施設102が処理された場合、クリアリングハウス106は、非主催施設102として(ステップ405において特定された)賭け施設102に関するモニタされた賭け150から取得される他の監査情報を選択する。次にステップ450において、クリアリングハウス106は、選択された監査情報に基づき、第1主催施設102を特定する。その後、クリアリングハウス106は、ステップ455において、特定されたホスト施設に関する監査情報の一部を選択する。次にステップ460において、クリアリングハウス106は、特定された主催賭け施設102と非主催賭け施設102との間の契約ファイル135からの電子契約を特定する。その後、ステップ465において、クリアリングハウス106は、特定された契約パラメータと結果に基づき監査情報の選択された部分を処理し、これら2つの施設102の間の口座の決済を生成する。判定ステップ470において、クリアリングハウス106は、ステップ455において選択された監査情報に未処理の主催施設102が残っているか判断する。存在する場合、クリアリングハウス106は、ステップ475において次の日主催施設102を特定し、当該処理はステップ455に戻る。そうでない場合、判定ステップ480において、クリアリングハウス106は、未処理の施設102があるか判断する。存在する場合、クリアリングハウス106は、ステップ485において次の施設102を特定し、当該処理はステップ410に戻る。
【0042】
そうでない場合、クリアリングハウス106は、システム100の複数の施設102の間で口座の決済が終了したと判断し、当該処理を終了する。クリアリングハウス106は、知識を使って施設が非効率的に処理されていないことを保証するか、あるいは各施設102の間の1つの決済を生成するため、ステップ430及び465で決定された決済を集計するようにしてもよいということは理解されるべきである。ある実施例では、クリアリングハウス106は、何れか適切な時点において、銀行に対するEFT処理を介し施設102の間の資金移転を促すかもしれない。また、クリアリングハウス106は、各非主催施設102と主催賭け施設102と決済160を通信するようにしてもよい。
【0043】
上記フローチャート及び付随する説明は、単なる一例となる方法300、350及び400を示すものにすぎない。パリミューチュアルシステム100は、上記及び他のタスクを実行するため何れか適切な技術を利用することを想定している。従って、上記フローチャートの各ステップの多くは、図示されたものと異なる順序で、及び/又は同時に実行されてもよい。さらに、パリミューチュアルシステム100は、当該方法が適切である限り、さらなるステップ、より少ないステップ及び/又は異なるステップを備える方法を利用してもよい。
【0044】
本開示が特定の実施例及び一般に関連する方法に関して説明されたが、上記実施例及び方法の変形及び改良が当業者に明らかとなるであろう。従って実施例の上記説明は、本開示を規定又は制限するものではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の変更、置換及び変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本開示の一実施例による一例となるパリミューチュアル賭けシステムを示す。
【図2】図2は、図1のパリミューチュアルシステムのクリアリングハウスによって格納される監査ログの一例となる図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例によるパリミューチュアルシステムを介し賭け施設の間で賭けを通信する一例となる方法を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施例によるパリミューチュアルシステムにアクセスすることにより賭け施設の間の賭けをモニタする一例となる方法を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施例によるパリミューチュアルシステムにアクセスすることにより賭け施設の間の決済を決定する一例となる方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに通信可能に接続され、第1賭け施設に関連付けされる賭けシステムであって、
前記第1賭け施設によって主催される複数の賭けイベントに対する賭けオッズを格納するよう動作可能なメモリと、
前記メモリに接続され、前記第1賭け施設によって主催される賭けイベントの少なくとも1つを有するあるイベントに対する第1の賭けを前記ネットワークを介し受け付け、前記第1の賭けを受け付けた後に所定の期間内に第2の賭けが受け付けられる場合、前記第1の賭けと前記第2の賭けの両方に基づき、前記イベントに対する賭けオッズを再計算し、前記第1の賭けを受け付けた後に所定の期間内に第2の賭けが受け付けされない場合、前記第1の賭けに基づき、前記イベントに対する賭けオッズを再計算するよう動作可能なプロセッサと、
から構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記所定の期間は、0〜15秒の何れかの長さであることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記再計算された賭けオッズを前記ネットワークを介し少なくとも1つの他の賭け施設に通信するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記イベントに対する以降の賭けを受け付けないことを示す賭けストップコマンドを生成するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記ネットワークが前記イベントに対する以降の賭けを拒絶するよう動作可能となるように、前記賭けストップコマンドを前記ネットワークに通信するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項4記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに第2賭け施設が前記イベントに対する以降の賭けを拒絶するよう動作可能となるように、前記賭けストップコマンドを前記第2賭け施設に通信するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項4記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記イベントに対する第2の賭けを前記ネットワークを介し受け付け、前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されたか判断するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されることに応答して、前記第2の賭けを受け付けるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項7記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されなかったことに応答して、前記第2の賭けを拒絶するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記イベントの結果を特定し、該結果を第2賭け施設に通信するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記イベントの結果を特定し、該結果をクリアリングハウスに通信するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、さらに前記第1の賭けが暗号化されているか判断し、前記第1の賭けが暗号化されていることに応答して、前記第1の賭けを解読するよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムであって、
前記第1の賭けが、第2賭け施設から受け付けられ、
前記プロセッサは、さらに前記第1の賭けとは別に前記第2賭け施設から第2の賭けを受け付けるよう動作可能である、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、
前記賭けイベントは、パリミューチュアル賭けイベントから構成されることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムであって、
前記賭けイベントは、競馬レース、ドッグレース及びハイアライの少なくとも1つから構成されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、
前記プロセッサは、前記賭けオッズを実質的にリアルタイムに再計算することを特徴とするシステム。
【請求項17】
賭けを行う方法であって、
第1賭け施設によって主催される複数の賭けイベントに対する賭けオッズを格納するステップと、
前記第1賭け施設によって主催される前記賭けイベントの少なくとも1つから構成されるあるイベントに対する第1の賭けをネットワークを介し受け付けるステップと、
前記第1の賭けを受け付けた後に所定の期間内に第2の賭けが受け付けられる場合、前記第1の賭けと前記第2の賭けの両方に基づき、前記イベントに対する賭けオッズを再計算するステップと、
前記第1の賭けを受け付けた後に所定の期間内に第2の賭けが受け付けされない場合、前記第1の賭けに基づき、前記イベントに対する賭けオッズを再計算するステップと、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法であって、
前記所定の期間は、0〜15秒の何れかの長さであることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項17記載の方法であって、さらに、
前記再計算された賭けオッズを前記ネットワークを介し少なくとも1つの他の賭け施設に通信するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17記載の方法であって、さらに、
前記イベントに対する以降の賭けを受け付けないことを示す賭けストップコマンドを生成するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法であって、さらに、
前記ネットワークが前記イベントに対する以降の賭けを拒絶するよう動作可能となるように、前記賭けストップコマンドを前記ネットワークに通信するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20記載の方法であって、さらに、
第2賭け施設が前記イベントに対する以降の賭けを拒絶するよう動作可能となるように、前記賭けストップコマンドを前記第2賭け施設に通信するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項23記載の方法であって、さらに、
前記イベントに対する第2の賭けを第3賭け施設から前記ネットワークを介し受け付けるステップと、
前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されたか判断するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法であって、さらに、
前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されたことに応答して、前記第2の賭けを受け付けるステップを有することを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23記載の方法であって、さらに、
前記賭けストップコマンドが生成される前に、前記第2の賭けが送信されなかったことに応答して、前記第2の賭けを拒絶するステップを有することを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項17記載の方法であって、さらに、
前記イベントの結果を特定するステップと、
該結果を第2賭け施設に通信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項17記載の方法であって、さらに、
前記イベントの結果を特定するステップと、
該結果をクリアリングハウスに通信するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項17記載の方法であって、さらに、
前記第1の賭けが暗号化されているか判断するステップと、
前記第1の賭けが暗号化されていることに応答して、前記第1の賭けを解読するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項17記載の方法であって、
前記第1の賭けが、第2賭け施設から受け付けられ、
当該方法は、さらに前記第1の賭けとは別に前記第2賭け施設から第2の賭けを受け付けるステップを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項17記載の方法であって、
前記賭けイベントは、パリミューチュアル賭けイベントから構成されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項17記載の方法であって、
前記賭けイベントは、競馬レース、ドッグレース及びハイアライの少なくとも1つから構成されることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項17記載の方法であって、
前記賭けオッズの再計算は、実質的にリアルタイムに行われることを特徴とする方法。
【請求項33】
賭けを行う方法であって、
ネットワークを利用して第2賭け施設に接続される第1賭け施設において、前記第2賭け施設によって主催される賭けイベントに対する複数の賭けを受け付けるステップと、
前記ネットワークを利用して、前記複数の賭けのそれぞれを個別に前記第2賭け施設に送信するステップと、
から構成されることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33記載の方法であって、
各賭けは、該賭けを受け付けると、実質的にリアルタイムに送信されることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項33記載の方法であって、さらに、
前記イベントに対する以降の賭けを受け付けないことを示す賭けストップコマンドを受け付けるステップと、
前記賭けストップコマンドに応答して、前記イベントに対する以降に受け付けた賭けを拒絶するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項33記載の方法であって、
前記賭けイベントは、パリミューチュアル賭けイベントから構成されることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項33記載の方法であって、
前記賭けイベントは、競馬レース、ドッグレース及びハイアライの少なくとも1つから構成されることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項33記載の方法であって、さらに、
前記第2賭け施設において、前記送信された賭けのそれぞれを受け付けるステップと、
前記送信された賭けの少なくとも一部に基づき、前記イベントに対する賭けオッズを再計算するステップと、
を有することを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−531086(P2007−531086A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503015(P2007−503015)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/007994
【国際公開番号】WO2005/086924
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(506244755)イースピード,インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】