説明

魚群探知機用アタッチメント

【課題】 小型ボート等に魚群探知機を設置する際、船内のスペースを広く活用出来、また、魚群探知に適した箇所に適切に配置出来るようにする。
【解決手段】 インフレータブルボートBのフロート部Bfに設けられる取付座gにアタッチメント1の本体2を固定し、この本体2から水中に向けて延出するアーム3の先端にセンサ4を取付けるとともに、本体2の上部にモニター部7を取り付け、センサ4で検知した信号をモニター部7の画面に表示する。また、アーム3をアーム支持軸13の軸周りに回動自在にし、更にアーム3の中間部を折り畳み可能にする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば小型船舶等に魚群探知機を装着する際の補助治具となる魚群探知機用アタッチメントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マリンレジャーの普及に連れてインフレータブルボート等の小型ボートを使用したボート釣りが盛んになっており、またポータブル式の魚群探知機が安価に出回るようになたため、ボート釣りで魚群探知機を使用する機会が増えている。この際、エンジン取付用のトランサム板を備えた船外機付きボート等であれば、トランサム板等を利用して魚群探知機のセンサを取付けることが可能であるが、チューブ式のフロート部が主体となるゴムボート等では、例えば両舷のフロート部の間に架け渡される座席板や、底板等を利用して魚群探知機のセンサやモニター部等を固定せざるを得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のように座席板や底板を利用して魚群探知機を固定する場合は、狭い船内での各種作業等の邪魔になりやすく、また船内スペースも制約されて乗員の移動や物品搭載等に不便であった。
【0004】そこで本発明は、船内のスペースを広く活用することが出来、また、魚群探知に適した箇所に適切に配置出来るようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、船体の一部に取付けられる本体と、この本体から水中に向けて延出するアームと、このアームの先端に形成されるセンサ取付部を備えた魚群探知機用アタッチメントを設け、アームの根元部を、所定方向に揺動可能にした。
【0006】そして、アタッチメントの本体を船体の一部に取り付け、先端にセンサを取付けたアームを水中を延出させて魚群探知を行い、任意の箇所に設置したモニター部で監視するが、この際、本体の取付部を船体の船べり等に設ければ、乗員の作業の邪魔にならず、船内スペースを広く活用することが出来る。また、アームの根元部を揺動自在にしておけば、例えば水上の浮遊物等がアームの先端に引っ掛かったり、アームの先端が傷害物等に衝突したような時でも、アームに無理な力が作用せず、アームの損傷等が防止される。このため、少なくとも船の進行方向に揺動可能にしておくことが好ましい。
【0007】ここで、船のタイプ等はインフレータボートやFRP製等の小型ボートに好適であり、手漕ぎ式の小型ボートでも、船外機付きのボートでも、帆走式のボートでも良いが、その他のタイプの船舶でも良い。
【0008】また請求項2では、前記アームを折り畳み可能にした。このように折り畳み可能にすれば、例えばアーム長を長くしても、収納時等にコンパクトに折り畳んで搬送等を行うことが出来、便利である。
【0009】また請求項3では、前記本体に、魚群探知機のモニター部を取付けるためのモニター取付部を形成するようにした。こうすれば、魚群探知機の構成部品一式を纏めてアタッチメントに取付けることが可能となり、また本体周囲の空間を有効に活用出来る。
【0010】また請求項4では、本体を、インフレータブルボートのフロート部の取付座に取付け可能にした。ここで、インフレータブルボートのフロート部の取付座とは、例えば釣竿支持用の受具等を固定するため、既にチューブ式のフロート部に貼着されている直方体ブロック状の弾性部材であり、この取付座を利用してアタッチメント本体を取付けるようにすれば、場所的にも好適であり、また既存のインフレータブルボートをそのまま活用出来て便利である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。ここで図1は本魚群探知機用アタッチメントが取付けられるボートの一例を示す全体図、図2は本魚群探知機用アタッチメントの一例を示す説明図、図3は本体に形成されるモニタ取付部の説明図、図4はアームの構造の一例を示す説明図である。
【0012】本発明に係る魚群探知機用アタッチメント1は、例えば図1に示すようなインフレータブルボートBのフロート部Bfにポータブル式等の魚群探知機を取付ける際の補助治具として構成され、図2にも示すように、フロート部Bfの上面の取付座gに取付けられる本体2と、この本体2から水中に向けて延出するアーム3を備えており、このアーム3の先端には、センサ4を取付けるためのセンサ取付部5が設けられている。
【0013】そしてこの実施形態では本体2の上部にモニター取付部6が形成されており、このモニター取付部6にモニター部7が取付けられるとともに、このモニター部7の背面側に接続される接続コード8の延出端部が前記センサ4に接続されている。
【0014】前記取付座gは、例えば釣竿を支持する受具等を固定するため、殆どのインフレータブルボートBのフロート部Bfの上面に接着等で固定されているものであり、ソリッドゴム等の弾性部材から直方体ブロック状に構成されるとともに、中間部に貫通孔が形成されている。
【0015】前記本体2は、取付座gに嵌合可能な嵌合部2pと、フロート部Bfの上面形状に倣った円弧部2rを備えており、嵌合部2pには、取付座gに嵌合させた際に取付座gの貫通孔に連通する軸挿通孔h(図3)が形成されている。そしてこの軸挿通孔hには、後述するアーム支持軸13が取付座gの貫通孔を通して挿通され、アーム支持軸13の一端側に形成されるネジ部にナット14を螺合させて本体2を取付座gに固定出来るようにしている。
【0016】また、前記モニター取付部6は、図3にも示すように、嵌合部2pの上面にピン9により枢着されて所定角度範囲(実施形態では45度範囲)内で水平に揺動自在な水平板10と、この水平板10の両端部にヒンジ等を介して起伏自在に設けられる一対の取付板11を備えており、この取付板11には、モニター7を固定するためのネジ挿通孔iが設けられている。
【0017】そして、両方の取付板11を起こした状態で、間にモニター部7をセットし、ネジ挿通孔iを通したネジ12(図2)によりモニター部7を固定するようにし、また収納時には、取付板11を倒してスペースが広がらないようにしている。
【0018】前記アーム3は、図4にも示すように、前記アーム支持軸13の一端側に、軸周りに回動自在に設けられており、また中間部が分割されてピン軸15で枢着されている。このため、アーム3全体をアーム支持軸13の軸周りに回動させると、アーム3の下端部のセンサ取付部5が揺動し、またアーム3の下方部をピン軸15回りに揺動させると、図4の鎖線に示すように折り畳むことが出来るようにされている。またアーム3の下端部のセンサ取付部5は、センサ4をネジ止めで固定出来るようにされている。
【0019】以上のように構成される魚群探知機用アタッチメント1において、本体2上部のモニター取付部6にモニター部7を取り付け、このモニター部7に接続コード8を介して接続されるセンサ4を、アーム3先端のセンサ取付部5に取付けるとともに、本体の2の嵌合部2pを、図2に示すフロート部Bfの取付座gに取付ける。
【0020】そして図2に示すようにアーム3の先端のセンサ4を水中に浸漬し、センサ4から音波を発振し、反射波を受信してその信号をモニター部7の画面に表示することで、魚群を探知する。この際、モニター部7を保持する水平板10は、所定角度揺動するため、見やすい方向にセットして監視することが出来る。
【0021】こうしてセットした魚群探知機によりモニター部7の画像を監視しつつ、例えばボートBを走行させるような場合、アーム3は、少なくともボートBの進行方向に揺動可能にされているため、走行中にアーム3の下端部が傷害物等に衝突したり、水上浮遊物等がアーム3の下端部に引っ掛かっても、アーム3の下端部はアーム支持軸13周りに揺動し、アーム3に無理な力がかかるようなことがなく、アーム3の折損等を未然に防止することが出来る。
【0022】また、このような魚群探知機用アタッチメント1は、インフレータブルボートBを使用しないで収納するような際、簡単に取外して持ち運ぶことが可能であるが、アーム3が折り畳み可能であるため、コンパクトな形態で嵩張らないようにして搬送することが出来る。
【0023】尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。例えば、上記の実施形態では、モニター部7をアタッチメント1の上部に取り付けるようにしているが、アタッチメント1の上部に釣竿支持用の受具等を取付け、モニター部7を別の箇所に設けるようにしても良い。また、アタッチメント1をフロート部Bfの取付座g以外の箇所、例えば図1のインフレータブルボートBのトランサム板Bt等に設けるようにしても良い。
【0024】更に、本アタッチメント1が取り付けられる船は、インフレータブルボート以外のFRP製の小型ボートや、木製のボート等でも良く、またインフレータブルボートの種類等も任意である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明に係る魚群探知機用アタッチメントは、船体の一部に取付けられる本体から水中に向けてアームを延出させ、このアームの先端にセンサを取付けるようにしたため、アタッチメントを船体の船べり等に取付ければ、乗員の作業の邪魔にならず、船内スペースを広くすることが出来る。またアームの根元部を、所定方向に対して揺動可能にしているため、例えば水上の浮遊物等がアームの先端に引っ掛かったような時でも、アームに無理な力が作用せず、アームの損傷等が防止される。
【0026】また請求項2のように、アームを折り畳み可能にすれば、収納時等にコンパクトに折り畳んで搬送等を行うことが出来る。また請求項3のように、本体にモニター取付部を形成すれば、魚群探知機の構成部品一式を纏めてアタッチメントに取付けることが可能となり便利である。更に、請求項4のように、本体をインフレータブルボートのフロート部の取付座に取付け可能にすれば、既存のインフレータブルボートをそのまま活用して取付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本魚群探知機用アタッチメントが取付けられるボートの一例を示す全体図
【図2】本魚群探知機用アタッチメントの一例を示す説明図
【図3】本体に形成されるモニタ取付部の説明図
【図4】アームの構造の一例を示す説明図
【符号の説明】
1…魚群探知機用アタッチメント、2…本体、3…アーム、4…センサ、5…センサ取付部、6…モニター取付部、7…モニター部、B…インフレータブルボート、g…取付座。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 船体の一部に取付けられる本体と、この本体から水中に向けて延出するアームと、このアームの先端に形成されるセンサ取付部を備えた魚群探知機用アタッチメントであって、前記アームの根元部は、所定方向に揺動可能にされることを特徴とする魚群探知機用アタッチメント。
【請求項2】 請求項1に記載の魚群探知機用アタッチメントにおいて、前記アームは折り畳み可能にされることを特徴とする魚群探知機用アタッチメント。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の魚群探知機用アタッチメントにおいて、前記本体には、魚群探知機のモニター部を取付けるためのモニター取付部が形成されることを特徴とする魚群探知機用アタッチメント。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の魚群探知機用アタッチメントにおいて、前記本体は、インフレータブルボートのフロート部の取付座に取付け可能にされることを特徴とする魚群探知機用アタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2001−74840(P2001−74840A)
【公開日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−245391
【出願日】平成11年8月31日(1999.8.31)
【出願人】(000000077)アキレス株式会社 (402)
【Fターム(参考)】