説明

魚釣りゲーム玩具

【課題】簡単な構造で実際の魚釣りの雰囲気を味わうことができるとともに、電池の消耗などを気にすることなくリアル感のある魚釣りを楽しむことができる魚釣りゲーム玩具を提供すること。
【解決手段】釣竿2で魚体1を釣り上げる魚釣りゲーム玩具において、上記魚体1を凸面状に湾曲形成された板部材で構成するとともに略中央に口を模して円形の開口部3を形成し、上記釣竿2は竿部6の先端に螺旋溝9が形成された軸体7を吊り下げる懸垂部8を配置し、この懸垂部8には上記軸体7を公転させる駆動機構Dを設け、この駆動機構Dを中心からやや外れた位置に貫通孔25が形成されハンドル10の操作で回転する駆動歯車17と、軸体7の回転を阻止する回転阻止部35とで構成し、上記軸体7の上部を上記貫通孔25を貫通させるとともに、軸体7の上端を上記回転阻止部35に連係させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りゲーム玩具、詳しくはリールを巻き上げる操作をして魚体を釣り上げる魚釣りゲーム玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣りをして遊ぶ玩具としては様々なものが提案されているが、一般的には口を開閉する魚が口を開けたタイミングに釣り針を模したフックを口の中に落とし込み、口が閉じたことによりフックが魚に引っかかるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
この玩具は、竿の先端に魚体の重量で作動するスイッチを設け、竿を把握する内部には電池を収納した把手部と、釣り針と、先端のスイッチに接続した釣り糸と、通電すると振える振動モータを内部に収納した振動部とで構成したもので、玩具の魚体の口が開くところを目掛けて釣り針を引っかけると竿の先端のスイッチが作動して振動部が作動し竿が振るえて魚を釣り上げた手応えを感じることができるようにしたものである。
【特許文献1】実用新案登録第3058792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の玩具では魚を釣り上げた実感を味わうことができるように、釣り上げ時に釣竿が振動するが、魚を釣り上げるためのテクニックは特に必要のないもので、釣り遊びは楽しめるがテクニックを要求されるものではなく遊びに飽きてしまう点であった。また、魚には口を開閉させる機構を設け、釣竿にはセンサや振動部を設ける必要があり、電気的な機構を必要とし玩具の製造コストが上昇するのに加え、電池が切れると遊ぶことができない点であった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、簡単な構造で実際の魚釣りの雰囲気を味わうことができるとともに、電池の消耗などを気にすることなくリアル感のある魚釣りを楽しむことができる魚釣りゲーム玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る魚釣りゲーム玩具は、釣竿で魚体を釣り上げる、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記魚体を凸面状に湾曲形成された板部材で構成し、略中央に口を模して円形の開口部を形成したこと
(ロ)上記釣竿は竿部の先端に釣り糸を模した軸体を吊り下げる懸垂部を配置し、該懸垂部には上記軸体を公転させる駆動機構を設け、該駆動機構は握り部に設けたハンドルの回転操作で動作するようにしたこと
(ハ)上記駆動機構は、中心からやや外れた位置に貫通孔が形成された駆動歯車と、軸体の回転を阻止する回転阻止部とで構成されていること
(ニ)上記軸体の上部は上記貫通孔を貫通し、軸体の上端は上記回転阻止部に連係していること
(ホ)上記軸体の周面には螺旋溝が形成されていること
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、釣り糸を軸体で構成し、この軸体の周面に螺旋溝を形成するとともに、軸体を先端部が円を描くように公転させ、魚体の口を模した開口部に軸体の先端を係合させて遠心力で魚を釣り上げることができるようにしたので、釣り上げた魚体は軸体上を上昇し、リールを巻き上げて魚を釣り上げる実感が味わえるとともに、電池の消耗などを気にすることなく魚釣りをいつでも楽しむことができる魚釣りゲーム玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明に係る魚釣りゲーム玩具を示し、この魚釣りゲーム玩具は魚体1と、この魚体1を釣り上げる釣竿2とから構成されている。
【0009】
魚体1は、図2(a)、(b)に示すように、凸面状に湾曲形成された樹脂製の板部材で構成され、略中央に円形の開口部3を形成し、魚が上を向いて口を開けた状態を模して形成されているものである。
【0010】
釣竿2は、握り部5と、竿部6と、釣り糸を模した軸体7と、竿部6の先端に連結され上記釣り糸を模した軸体7を吊り下げる懸垂部8とで構成され、上記軸体7の周面には螺旋溝9が形成されている。
【0011】
上記懸垂部8には上記軸体7を公転させる駆動機構Dが配置されている。この駆動機構Dは、握り部5の側面に配置されたクランク状のハンドル10を回すことにより作動するもので、図3に示すように、ハンドル10の軸11にはクラウン歯車12が固定され、このクラウン歯車12に噛み合うピニオンギヤ13の回転軸14の先端にはクラウン歯車15が固定され、ハンドル10を回すとクラウン歯車15が回転し、駆動機構Dを作動させることができるようになっている。
【0012】
駆動機構Dは二段歯車16と、軸体7を公転させる駆動歯車17と、軸体7の回転を阻止する回転阻止部とで構成され、二段歯車16の小歯車16aは上記クラウン歯車15に噛み合い、大歯車16bは駆動歯車17に噛み合っている。
【0013】
上記駆動歯車17は、図4に示すように、平歯車18と、この平歯車18を上下から挟持する挟持鈑19、20とで構成され、平歯車18と、挟持鈑19、20とはネジで固定され一体の駆動歯車17を構成している。
【0014】
上記平歯車18には貫通孔25が形成され、この貫通孔25は平歯車18の中心から少しずれた位置に形成されている。この貫通孔25には軸体7の上部7aが挿通されている。一方、上側の挟持鈑19の中心には上記貫通孔25が全て含まれる大きさの開口部26が形成され、この開口部26の外側上面には開口部26と同心円状に環状の軸部27が形成されている。そして、下側の挟持鈑20は上記挟持鈑19を裏返したものと同じで、中央には貫通孔25が全て含まれる大きさの開口部28が形成され、この開口部28の外側下面には開口部28と同心円状に環状の軸部29が形成されている。
【0015】
そして、上記駆動歯車17は、懸垂部8を構成する下部材30と上部材31とで回転可能に保持されている。下部材30の中央には上記挟持鈑20の下面に形成された軸部29を軸支する軸穴32が形成され、上部材31の中央には上記挟持鈑19の上面に形成された軸部27を軸支する軸受33が膨出して形成され、軸穴32と軸受33とで駆動歯車17を回転自在に軸支している(図5参照)。
【0016】
そして、上記軸受33の上面には回転阻止部である4組のガイド板35が立設して形成されている。このガイド板35は軸体7の上端に固定された球体部36の周面から4方向に互いに直交して突出形成された係合軸37をガイドするものである。
【0017】
上記球体部36は、軸受33の中央に形成された開口部38と、軸受33に嵌め合わされるカバー部材39の内側上面に形成された環状の係合凸部40とで回動自在に支持されているが、係合軸37がガイド板35でガイドされているので球体部36は水平方向に回転することはない。
【0018】
上記駆動歯車17が回転すると、平歯車18に形成された貫通孔25が偏心して回転するので、球体部36が上部材31とカバー部材39とで支持されている軸体7は球体部36を中心に揺動させられるが、球体部36に形成された係合軸37がガイド板35にガイドされて回転しないようになっているので軸体7自体は回転することなく先端が円を描いて公転するようになっている。
【0019】
次に、上記構成の魚釣りゲーム玩具の遊戯態様について説明する。
【0020】
先ず、図6(a)に示すように、軸体7の先端を魚体1の口を模して形成された開口部3内に差し込み、ハンドル10を回転させる。ハンドル10を回転させるとハンドル10の軸11に固定されたクラウン歯車12、このクラウン歯車12に噛み合うピニオンギヤ13が回転し、このピニオンギヤ13の回転軸14が回転して、クラウン歯車15が回転することになり、このクラウン歯車15に噛み合う二段歯車16が回転し、駆動歯車17が回転する。
【0021】
駆動歯車17が回転すると、平歯車18に形成された貫通孔25が偏心して回転するので、貫通孔25に挿通させた軸体7は球体部36を中心に回転しようとするが、球体部36に形成された係合軸37がガイド板35にガイドされて周方向に回転することができないので、軸体7の先端は球体部36を中心に円を描いて公転することになる。
【0022】
軸体7が公転すると魚体1は、軸体7を中心に遠心力で振り回されるように回転させられることになるが、軸体7は公転しているだけで自転していないので、図6(b)に示すように、相対的に軸体7は停止し、魚体1は軸体7を中心に回転をしていることになり、魚体1は螺旋溝9に沿って軸体7を上昇していく。
【0023】
上述したように、釣り糸を模した軸体7は自転せずに公転して、魚体1に回転を与え、回転を与えられた魚体1は軸体7を中心に遠心力で回転し、軸体7に形成された螺旋溝9に沿って軸体7上を上昇するので、あたかもリールを巻き上げて魚を釣り上げるような雰囲気を味わうことができる。
【0024】
釣り上げた魚体1は、ハンドル10の回転を止めると軸体7に沿って落下し、図7に示すように、魚籠などを模して形成された容器41に確実に取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る魚釣りゲーム玩具の構成を示す斜視図
【図2】(a)(b)は魚体の平面図及び縦断面図
【図3】上記釣竿の構成を説明する分解斜視図
【図4】駆動歯車の構成を説明する分解斜視図
【図5】懸垂部の内部構造を説明する要部断面図
【図6】(a)(b)は釣竿で魚体を釣り上げる状態の説明図
【図7】釣り上げた魚体を容器に取り込む状態を説明する斜視図
【符号の説明】
【0026】
1 魚体
2 釣竿
3 開口部
5 握り部
6 竿部
7 軸体
8 懸垂部
9 螺旋溝
10 ハンドル
17 駆動歯車
25 貫通孔
35 ガイド板(回転阻止部)
D 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿で魚体を釣り上げる、以下の要件を備えることを特徴とする魚釣りゲーム玩具。
(イ)上記魚体を凸面状に湾曲形成された板部材で構成し、略中央に口を模して円形の開口部を形成したこと
(ロ)上記釣竿は竿部の先端に釣り糸を模した軸体を吊り下げる懸垂部を配置し、該懸垂部には上記軸体を公転させる駆動機構を設け、該駆動機構は握り部に設けたハンドルの回転操作で動作するようにしたこと
(ハ)上記駆動機構は、中心からやや外れた位置に貫通孔が形成された駆動歯車と、軸体の回転を阻止する回転阻止部とで構成されていること
(ニ)上記軸体の上部は上記貫通孔を貫通し、軸体の上端は上記回転阻止部に連係していること
(ホ)上記軸体の周面には螺旋溝が形成されていること

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−61291(P2007−61291A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249866(P2005−249866)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000132633)株式会社センテクリエイションズ (21)
【Fターム(参考)】