説明

鼻内投与のためのケトロラクの薬学的処方物

本発明は、ケトロラクもしくは薬学的に受容可能な塩を、単独で、またはリドカインもしくはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて含む治療用組成物、特に、スプレー可能な水性組成物、および単位用量処方物に関する。上記組成物は、疼痛もしくは炎症を処置するために、その必要がある被験体に鼻投与される。本発明は、薬学的組成物および鼻内投与に適した上記薬学的組成物の単位用量処方物に関し、上記薬学的組成物は、ケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩を活性鎮痛成分および抗炎症成分として、および必要に応じて、ヒリヒリ感を軽減し、効力を改善するためのリドカインを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2008年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/061,522号および2009年3月13日に出願された同第61/160,254号の利益を主張し、これらの両仮特許出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、薬学的組成物および鼻内投与に適した上記薬学的組成物の単位用量処方物に関し、上記薬学的組成物は、ケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩を活性鎮痛成分および抗炎症成分として、および必要に応じて、ヒリヒリ感を軽減し、効力を改善するためのリドカインを含む。本発明はまた、疼痛もしくは炎症を処置するために、被験体への上記組成物の鼻内投与を提供する治療法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ケトロラクもしくは5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボン酸は、以下の式(I)を有する:
【0004】
【化1】

。数年間にわたって公知であり(特許文献1)、鎮痛剤および抗炎症剤として、トロメタミン塩としてヒト治療において使用されている。特許文献1は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0005】
この化合物のラセミ形態および右旋性異性体および左旋性異性体の各々の両方は、公知である。多くの薬学的に受容可能な塩(その最も一般に使用されるものは、トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)塩である)はまた、公知である。
【0006】
非常に多くの文献が、ケトロラク(例えば、非特許文献1)に関して入手可能である。ケトロラクは、多くの他の非ステロイド性抗炎症薬物よりかなり高い鎮痛活性を有する薬物として記載されている。最も顕著なことには、ケトロラクは、アヘン剤の周知の副作用なしに、上記アヘン剤(例えば、モルフィン)に匹敵する鎮痛活性を有する。
【0007】
ケトロラクが鼻投与可能な組成物として処方され得ることは、公知である。特許文献2(Recordati)(これは、その全体が本明細書に参考として援用される)を参照のこと。特許文献3(その内容は、その全体が本明細書に参考として援用される)は、ヒリヒリ感を軽減する、鼻投与のためのケトロラクおよび局所麻酔剤の組み合わせである組成物を記載している。具体的には、特許文献3に開示される組成物は、有効量のケトロラクを、薬学的に受容可能な希釈剤および4%〜10%重量/体積(w/v)の局所麻酔剤(例えば、塩酸リドカイン)(好ましくは、5〜6% w/v)と組み合わせて含む。好ましくは、上記組成物は、約2.5〜22.5% w/vのレベルで存在するケトロラクトロメタミン、および4%〜10% w/vのレベルで存在する塩酸リドカインを含むスプレー可能な水溶液である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,089,969号明細書
【特許文献2】米国特許第6,333,044号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0042968号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「Ketorolac−A review of its pharmacodynamic and pharmacokinetic properties and its therapeutic potential」,Drugs 39(1):86−109,1990
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明の一局面は、片方もしくは両方の外鼻孔への鼻投与のための単位用量処方物であり、上記処方物は、
(a)22.5% w/vより高い濃度で、外鼻孔片方あたり12mgより多く約38mgまでのケトロラク;および
(b)薬学的に受容可能なキャリア;
を含み、ここで上記単位用量は、外鼻孔片方あたり100μl以下の体積を有する。
【0011】
別の局面において、上記組成物100μlは、4%〜10% w/vの濃度で、約10mgまでのリドカインをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、外鼻孔片方あたり、約38mgまでの、および好ましくは、約30mgのケトロラクトロメタミン、および約6mgの塩酸リドカインを含み、その体積は、外鼻孔片方あたり約100μlである。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、外鼻孔片方あたり、約17mgまで、および好ましくは、約15mgのケトロラクトロメタミン、および約3mgの塩酸リドカインを含み、その体積は、外鼻孔片方あたり約50μlである。
【0012】
本発明の別の局面は、ヒト被験体の鼻経路へスプレーするための組成物であり、上記組成物は、
(a)薬学的に受容可能なキャリア;
(b)22.5% w/vより高く約38% w/vまでのケトロラク、もしくは薬学的に受容可能な塩(例えば、トロメタミン);および
(c)必要に応じて、他の薬学的に受容可能な賦形剤
を含む。
【0013】
本発明の別の局面は、ヒト被験体の鼻経路にスプレーするための組成物であり、上記組成物は、
(a)薬学的に受容可能なキャリア;
(b)22.5% w/vより高く約38% w/vまでのケトロラク、もしくは薬学的に受容可能な塩(例えば、トロメタミン);
(c)約4〜10% w/vのリドカイン、もしくは薬学的に受容可能な塩(例えば、塩酸塩);および
(d)必要に応じて、他の薬学的に受容可能な賦形剤
を含む。
【0014】
本発明の別の局面は、疼痛もしくは炎症を処置する必要性のある被験体において、疼痛もしくは炎症を処置するための方法であり、上記方法は、上記被験体に本発明の組成物を鼻内投与する工程を包含する。
【0015】
本発明の別の局面は、疼痛もしくは炎症を処置する必要性のある被験体において、疼痛もしくは炎症を処置するための方法であり、上記方法は、上記患者の片方の外鼻孔に本発明の単位用量処方物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記患者の各外鼻孔に本発明の単位用量処方物を投与する工程を包含する。
【0016】
本発明の別の局面は、患者の鼻経路に本発明の組成物をスプレーするためのデバイスを装備した容器中にある、上記組成物である。
【0017】
本発明の別の局面は、患者の鼻経路に本発明の組成物をスプレーするためのデバイスを備えた単回使用の容器中にある、上記単位用量処方物である。本発明の別の局面は、患者の鼻経路に本発明の組成物をスプレーするためのデバイスを備えた容器中にある、上記単位用量処方物である。ここで上記容器は、上記通常の大気中酸素含有量より低い酸素含有量を有する上部空間を含む。
【0018】
本発明の別の局面は、疼痛もしくは炎症の処置のために、被験体への鼻投与のための組成物を調製するための、必要に応じて、約4%〜約10% w/vのリドカインもしくはその薬学的に受容可能な塩と組み合わされた、約22.5%より高く38% w/vまでのケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0019】
いくつかの実施形態において、上記疼痛は、上記被験体が負った外傷の結果である。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、上記被験体に対して行われた手術(medical operation)の結果である。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、病気に伴うものである。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、神経障害によるものである。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、偏頭痛もしくは他の頭痛による疼痛である。
【0020】
これらおよび他の実施形態は、以下に詳細に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
(定義)
上記組成物および方法を記載する前に、本発明が、記載される特定の方法論、プロトコルおよび試薬に限定されず、これらは変動し得ることが理解されるべきである。本発明において使用される用語は、本発明の特定の実施形態を記載することが意図され、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲を限定することは決して意図されないことも理解されるべきである。
【0022】
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似もしくは等価な、任意の方法および材料が、本発明の実施もしくは試験において使用され得るが、好ましい方法、デバイスおよび材料が、ここで記載される。本明細書で引用される全ての技術的刊行物および特許公開は、それらの全体が本明細書に参考として援用される。本発明が、本明細書において以前の発明によってこのような開示に先立つ権利がないという自白として解釈されるべきではない。
【0023】
本発明に従って、および本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段明示的に示されなければ、以下の意味で定義される。
【0024】
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの、ある(a)、「1つの、ある(an)」および「上記、この、その(the)」は、文脈が明らかに別のことを示さなければ、複数形への言及を含む。例えば、用語「薬学的に受容可能な塩」は、複数の薬学的に受容可能な塩(その混合物を含む)を含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「含む、包含する(comprisingもしくはcomprises)」は、上記組成物および方法が、記載される要素を含むが、他のものを排除しないことを意味することが意図される。組成物および方法を定義するために使用される場合に「〜から本質的になる」とは、示された目的のための組み合わせに対して任意の本質的な意味のある他の要素を排除することを意味するものとする。従って、本明細書で定義されるように上記要素から本質的になる組成物は、特許請求された発明の基本的かつ新規な特徴に本質的に影響を及ぼさない他の材料も工程も、排除しない。「〜からなる」とは、他の成分の微量の要素および実質的な方法工程の要素をも排除することを意味するものとする。これら接続語の各々によって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0026】
数値の指定(例えば、pH、温度、量、濃度、および分子量(範囲を含む))の前に使用される場合に、用語「約」とは、(+)5%、1%もしくは0.1%、もしくは(−)5%、1%もしくは0.1%だけ変動し得る近似値を示す。
【0027】
数字の後に使用される用語「〜より高い、〜より大きい、〜より多い」とは、上記数字を含まない範囲に言及する。例えば、「22.5%より高い」とは、22.5%を含まない。
【0028】
「ケトロラク」とは、5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボン酸の化合物に言及し、以下の式(I)を有する:
【0029】
【化2】

。名称ケトロラクは、そのラセミ混合物、スカレミック(scalemic)(もしくは鏡像異性的に富化された)混合物、光学的に活性な化合物、または上記のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩を個々にもしくはまとめて包含する。ケトロラクの多くの薬学的に受容可能な塩(例えば、ケトロラクトロメタミン)は、公知である。本明細書で使用される場合、ケトロラクのラセミ混合物は、式(I)の2つの鏡像異性体を等量有する混合物である。ケトロラクのスカレミックもしくは鏡像異性的に富化された混合物は、式(I)の鏡像異性体のうちの一方の量が、他方の鏡像異性体より多い混合物である。光学的に活性な化合物は、鏡像異性的に富化されたかもしくは鏡像異性的に純粋な化合物を含み得る。鏡像異性的に純粋な化合物とは、ケトロラクの全量に対して、上記鏡像異性体のうちの一方が99%より多い、好ましくは、99.5%、もしくは99.9%であるケトロラクをいう。
【0030】
「リドカイン」とは、2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミドの化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩をいい、以下の式(II)を有する:
【0031】
【化3】

。リドカインの多くの薬学的に受容可能な塩は公知である。このような塩の非限定的な例は、塩酸リドカインおよびメタンスルホン酸リドカインである。本明細書で使用される場合、用語「リドカイン」とは、別段示されなければ、上記化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩のうちのいずれかをいう。
【0032】
用語「被験体」、「個体」、もしくは「患者」とは、ヒトに言及する。
【0033】
用語「総1日用量(aggregate daily dose)」とは、24時間の期間で患者に投与される薬物もしくは化合物の総量をいう。上記総1日用量は、直接関連する規制当局(例えば、米国食品医薬品局(FDA)もしくは欧州医薬品庁(EMEA)によって許可される最大投与量を超えるべきではない。
【0034】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、当該分野で周知の種々の有機対イオンもしくは無機対イオンから得られる薬学的に受容可能な塩に言及し、例示に過ぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トロメタミン、およびテトラアルキルアンモニウム、ならびに上記分子が塩基性官能基を含む場合には、有機酸もしくは無機酸の塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート(メタンスルホン酸塩としても公知)、酢酸塩、マレイン酸塩、およびシュウ酸塩)が挙げられる。適切な塩としては、P.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(編),Handbook of Pharmaceutical Salts Properties,Selection,and Use;2002に記載されるものが挙げられる。
【0035】
(単位用量)
ケトロラクトロメタミンの鼻投与は、上記化合物を注射もしくは経口による投与を上回る特定の利点を有する。これら利点は、先行技術文献の米国特許第6,333,044号(「‘044特許」)および米国特許出願公開第2009/0042968号(「‘968公開」)において議論されている。後者の参考文献は、ケトロラクトロメタミンを局所麻酔剤(例えば、塩酸リドカイン)と首尾よく組み合わせて、いくらかの患者がケトロラクトロメタミン単独の鼻投与で経験する、ヒリヒリする効果を軽減することを教示する。上記‘044特許および上記‘968公開は、鼻投与のためのケトロラクトロメタミンの最大濃度が22.5% w/vであることを教示しているので、上記化合物のより高い濃度が、達成され得ないことを教示した。実際に、上記溶液中の4〜6% リドカインでは、ケトロラクトロメタミンの濃度を増大させると、沈殿する可能性が高まり、おそらく上記溶液の不安定性が、上記生成物の貯蔵寿命を低下させることが予測された。
【0036】
いくつかの場合において、上記活性剤のうちの多くを、必要に応じて、上記塩酸リドカインとともに、単位用量で患者に送達することは有利であり得ることを十分に理解したので、外鼻孔片方あたりの上記溶液の体積を増やすことによって、より多くの薬物を上記患者に送達しようと試みた。200μlまでが、片方の外鼻孔に投与され得るが、この大きさの体積は、上記外鼻孔の制限された能力および鼻粘膜の表面積に起因して、上記外鼻孔から上記溶液の顕著な排出および上記活性成分の喪失をもたらし得る。従って、外鼻孔に投与される薬物の量が、投与される体積を単に増大させることによって、効率的に増大されるわけではないことが見いだされた。外鼻孔により吸収され得る最大体積が約125μlであることがさらに見いだされた。過剰な量は、上記外鼻孔から流れでてしまい、治療効果の望ましくない低下および/もしくは上記流れ出る流体が接触した領域への副作用を生じ得る。これは、患者のコンプライアンスの低下をもたらし得る。好ましくは、上記単位用量の体積は、約100μlを超えない;患者の外鼻孔片方あたり75μl、50μl、もしくは25μlが、良好な患者の受容およびコンプライアンスという最高の可能性を提供する。
【0037】
驚くべきことに、本発明者らは、ヒト被験体における疼痛および/もしくは炎症の処置のために、高濃度の活性成分ケトロラクを含む、鎮痛/抗炎症性の鼻内処方物を調製することが可能であることをここで見いだした。以前に記載されていたケトロラクの鼻内処方物によって得られるものより強い治療効果を得るために、上記高濃度のケトロラクを含む処方物が、鼻内投与に適切であるが、上記投与される体積を、排出を回避するために上記外鼻孔の能力にもしくはそれより低く制限し、患者の受容、よってコンプライアンスの可能性を増大させ、バイオアベイラビリティーを増大させ、そして/またはより再現性の高い薬物動態プロフィールを提供することが企図される。上記高濃度はまた、片方の外鼻孔もしくは各外鼻孔への1回のスプレーで高い単位用量のケトロラクがその必要性がある患者に投与されることを可能にする。さらに、リドカイン、もしくはその塩の濃度は、ケトロラクの濃度の増大とともに増大される必要はなく、ケトロラクの濃度の増大によって引き起こされるヒリヒリ感をなお効率的に軽減し得ることが企図される。
【0038】
この発見は、本発明の種々の局面をもたらし、このことは、これ以降で議論される。これら局面は、単位投薬における使用に特に適した新規な組成物、鼻送達のための組成物を使用する新規なデバイス、上記組成物を使用して疼痛もしくは炎症を処置するための方法、および使用説明書とともに上記デバイス中に上記組成物を含む、上記組成物を送達するためのシステムを含む。
【0039】
その局面のうちの1つにおいて、本発明の組成物は、ヒト被験体への鼻送達に適したpHにおいて、22.5% w/vより高いケトロラクトロメタミンを、必要に応じて、薬学的に受容可能な塩として約4〜10% w/vのリドカインと組み合わせて含む、ケトロラクトロメタミンの溶液を含む。
【0040】
従って、一実施形態において、本発明は、片方もしくは両方の外鼻孔へ鼻投与するための単位用量処方物に関し、上記処方物は、
(a)22.5% w/vより高い濃度で外鼻孔片方あたり、12mgより多く、約38mgまでのケトロラク;および
(b)水;
を含み、ここで上記単位用量は、外鼻孔片方あたり100μl以下の体積を有する。
【0041】
別の実施形態において、本発明は、鼻投与のための単位用量処方物に関し、上記処方物は、
(a)22.5% w/vより高い濃度で外鼻孔片方あたり、12mgより多く、約17mgまでのケトロラク;および
(b)水;
を含み、ここで上記単位用量は、外鼻孔片方あたり約50μl以下の体積を有する。
【0042】
いくつかの実施形態において、ケトロラクは、ケトロラクトロメタミンである。
【0043】
いくつかの実施形態において、上記外鼻孔片方あたりの体積は、約100μlを超えない。いくつかの実施形態において、外鼻孔片方あたりの体積は、約50μlである。いくつかの実施形態において、上記ケトロラクの量は、1mg増分もしくはその一部の単位で増大させられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、12mgより多くの、約13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、21mg、22mg、23mg、24mg、25mg、26mg、27mg、28mg、29mg、30mg、31mg、32mg、33mg、34mg、35mg、36mg、37mg、もしくは38mgのケトロラクトロメタミンを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、上記単位用量は、リドカインの量が、約10% w/vを超えずかつ約4% w/vより高ければ、約2〜約10mgのリドカインもしくはその薬学的に受容可能な塩(例えば、塩酸リドカイン)をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、約2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、もしくは10mgの塩酸リドカインをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、被験体は、片方もしくは両方の外鼻孔に、外鼻孔片方あたり約50〜100μlを投与される。例えば、片頭痛の発作の急性エピソードについては、約100μlの2つの単一スプレー(各々、約30mgのケトロラクを含む)が、各外鼻孔に投与されて、約60mgのケトロラクの単位用量を提供し得る。この単位用量は、上記疼痛の迅速な軽減を提供し、そして/または上記疼痛の悪化を停止し、片頭痛と関連する他の症状(例えば、悪心、ならびに光および音への敏感性)を予防もしくは排除すると予測される。いくつかの実施形態において、約30mgの単位用量は、約15mgのケトロラクを含む約50μlの2回のスプレーによって、各外鼻孔の片方に投与され得る。その結果、全ての薬物が、前記外鼻孔中に保持され得る。この低下した体積は、増大されたバイオアベイラビリティーおよび/もしくは良好な薬物動態を提供するが、上記治療効果を維持すると予測される。
【0046】
このような高用量のケトロラクは、より高い鎮痛効力もしくは抗炎症効力を送達し得るが、その副作用を顕著に増大させないことが企図される。本発明の処方物中の上記より高用量のケトロラクにも関わらず、上記処方物中に存在するリドカインの量は、適用の間の刺激(stinging)を阻害すると同時に、鼻粘膜および/もしくは咽喉における麻痺を最小限にするかもしくは除去することがさらに企図される。
【0047】
いくつかの実施形態において、上記単位用量は、水溶液の形態である。
【0048】
いくつかの実施形態において、上記単位用量は、ケトロラクトロメタミンを含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約30mgのケトロラクトロメタミンを含み、外鼻孔片方あたり約100μlの体積を有する。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約15mgのケトロラクトロメタミンを含み、外鼻孔片方あたり約50μlの体積を有する。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、両方の外鼻孔への投与のためのものであり、その単位用量は、約15mgのケトロラクトロメタミンを含み、外鼻孔片方あたり約50μlの体積を有する。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、片方の外鼻孔への投与のためのものであり、その単位用量は、約15mgのケトロラクトロメタミンを含み、約50μlの体積を有する。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、両方の外鼻孔への投与のためのものであり、その単位用量は、約30mgのケトロラクトロメタミンを含み、外鼻孔片方あたり約100μlの体積を有する。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、片方の外鼻孔への投与のためのものであり、その単位用量は、約30mgのケトロラクトロメタミンを含み、約100μlの体積を有する。
【0049】
いくつかの実施形態において、上記単位用量は、塩酸リドカインをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、外鼻孔片方あたり約6mgの塩酸リドカインを含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、外鼻孔片方あたり約3mgの塩酸リドカインを含む。
【0050】
任意の特定の患者のための上記単位用量は、当該分野で公知の種々の要因(処置されるべき疼痛もしくは炎症のタイプおよび重篤度、上記患者の年齢、体重、全身的な健康状態、性別および食事、腎機能および肝機能、ならびに投与の時間が挙げられる)に依存し、一般に、主治医の助言に従い得る。上記に記載されるように、上記単位用量は、ある体積の上記薬学的組成物を保持するように設計された単一の容器中に含まれ得、その結果、1回もしくは複数回の投与が、その容器から投与され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、上記活性成分の安定性もしくは活性に干渉し得るキレート化剤(すなわち、主に2価もしくは3価の金属イオン(例えば、カルシウム)を結合する物質)をさらに含み得る。キレート化剤は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」の最新版に言及すれば、当業者に公知である。好ましいキレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(EDTAナトリウム)、米国局方である。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約0.001〜約1mgのエデト酸二ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約0.01〜約0.1mgのエデト酸二ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約0.02mgのエデト酸二ナトリウムを含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、上記単位用量のpHは、約4.5〜約8、もしくは約4.8〜約7.5である。いくつかの実施形態において、上記単位用量のpHは、約7.2である。いくつかの実施形態において、上記pHは、薬学的に受容可能な塩基(例えば、水酸化ナトリウム)によって調節される。
【0053】
いくつかの実施形態において、上記単位用量のpHは、pH緩衝化剤(例えば、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素二カリウム(KHPO)もしくはリン酸カリウム(KPO)の十分量によって、必要に応じて、水酸化ナトリウムと組み合わせて、さらに調節されるか、そして/もしくは維持される。いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約0.68mgのリン酸二水素カリウムを含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約30mgのケトロラクトロメタミン、約0.02mgのエデト酸二ナトリウム、約0.68mgのリン酸二水素カリウム、pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウムおよび約100μlにするための水を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約30mgのケトロラクトロメタミン、約6mgの塩酸リドカイン、約0.02mgのエデト酸二ナトリウム、約0.68mgのリン酸二水素カリウム、pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウムおよび約100μlにするための水を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約15mgのケトロラクトロメタミン、約0.01mgのエデト酸二ナトリウム、約0.34mgのリン酸二水素カリウム、pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウムおよび約50μlにするための水を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約15mgのケトロラクトロメタミン、約3mgの塩酸リドカイン、約0.01mgのエデト酸二ナトリウム、約0.34mgのリン酸二水素カリウム、pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウム、および約50μlにするための水を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、被験体の鼻経路へ上記組成物をスプレーするためのデバイスを装備した容器中に含まれる。ここで上記組成物は、水溶液である。いくつかの実施形態において、上記容器は、計量チャンバをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、スプレーデバイスと連結され得る。上記組成物を上記被験体の鼻経路にスプレーするために使用され得るデバイスの例は、米国特許出願第12/404,250号(2009年3月13日出願、発明の名称「Device for Intranasal Administration」、その全体が本明細書に参考として援用される)に開示されている。いくつかの実施形態において、上記容器は、酸素含有量が減少した上部空間を含む。いくつかの実施形態において、上記上部空間は、10%以下の、8%以下の、もしくは5% v/v以下の酸素を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、1回のスプレーのために約50μlを保持する。別の実施形態において、上記計量チャンバは、1回のスプレーのために約100μlを保持する。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバによって測定される体積は、調節可能である。
【0060】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり約15〜約30mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書との組み合わせで存在する。いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、1用量あたり約25〜約60mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書との組み合わせで存在する。いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、1用量あたり約30mgもしくは約60mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書との組み合わせで存在する。
【0061】
(組成物)
本発明の別の局面において、外鼻孔の吸収能を超えずに、上記望ましい高い単位用量のケトロラクを適用して、より良好な鎮痛治療効果/抗炎症治療効果を達成するために適した鼻内処方物が提供される。本発明の処方物は、高濃度の上記活性成分であるケトロラクを使用するために設計される。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明の鼻内処方物は、最終処方物に基づいて、22.5%より高く約38% w/vまでの範囲に及ぶ(例えば、約24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、もしくは38% w/v)濃度のケトロラクもしくは薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、ケトロラクは、ケトロラクトロメタミンである。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約4%〜10%の範囲に及ぶ(例えば、約4%、5%、6%、7%、8%、9%、もしくは10% w/v)リドカイン、もしくは薬学的に受容可能な塩をさらに含む。いくつかの実施形態において、リドカインは、塩酸リドカインである。
【0063】
本発明の組成物は、患者に、多量のケトロラクを、最大100μlの上記組成物を含むたった1回のスプレーで、上記外鼻孔の片方もしくは各々に投与することを可能にする。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、30% w/vのケトロラクを含み、そして30mgのケトロラクを含む100μlの溶液が上記患者の各外鼻孔に与えられる場合、60mgのケトロラクを患者に提供する。患者に投与されるより多量のケトロラクは、より効率的な鎮痛緩和および/もしくは抗炎症緩和を生じ、そして/または顕著な漏れなしに、より重篤な疼痛を処置することにおいて有用であることが企図される。これは、片頭痛の疼痛を処置するか、そして/または急性の片頭痛の発作による悪化を予防するために有益であり得る。別の好ましい実施形態において、30% w/vのケトロラクを含む上記組成物は、15mgのケトロラクを含む溶液50μlの溶液が上記患者の各外鼻孔に与えられる場合、患者に30mgのケトロラクを提供する。より小さい体積が漏れをさらに最小化し、改善されたバイオアベイラビリティーおよび/もしくは薬物動態を提供する。
【0064】
ケトロラクが、いくつかの分解生成物(例えば、式(III)および化学名5−ベンゾイル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オンを有する1−ケトアナログ)を、溶液中に生じることが見いだされた。
【0065】
【化4】

。生成された1−ケトアナログの量は、溶液中のケトロラクおよび利用可能な酸素(例えば、上記容器(例えば、米国特許出願第12/404,250号(2009年3月13日出願、発明の名称「Device for Intranasal Administration」)に記載されるもの)の上部空間中の)の量に概して比例する。より高い濃度のケトロラクは、受容可能なレベル以外の上記1−ケトアナログの濃度(これは、安全性の懸念を引き起こし得る)を生じ得ることが見いだされた。本発明の処方物が、高用量のケトロラクが、安全性の必要性を損なわずに、患者に鼻内投与されることを可能にするために、冷蔵条件下でもしくは酸素含有量が低下した空気の下で(例えば、10% v/v以下)貯蔵され得ることがさらに見いだされた。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、ケトロラクとリドカインとの組み合わせを含む。米国特許出願公開第2009/0042968号に詳細に記載されるように、リドカインを上記15% w/v ケトロラク組成物へ添加すると、いくつかの予測外の有利な相乗効果を提供することが見いだされた。第1に、上記組み合わせは、ケトロラクによって引き起こされるヒリヒリ感を実質的に軽減する。第2に、リドカインは、麻痺を引き起こすことが公知の局所麻酔である一方で、このような麻痺は、リドカインがケトロラクと合わせられる場合に、実質的に存在しないかまたは軽減される。第3に、5〜6% w/vのリドカインとケトロラクとの組み合わせは、ケトロラクが被験体の血漿中のそのCmaxに達する時間(「Tmax」)を低下させ、より迅速でかつより良好な疼痛軽減を被験体に提供することが見いだされた。驚くべきことには、上記ケトロラクの濃度が38%まで増大させられる場合、上記リドカインの量は、4〜10%もしくは好ましくは、5〜6%のレベルで維持され得、さらになおケトロラクのヒリヒリ感を阻害する。上記ケトロラクの濃度が上記リドカインに対して増大させられるが、減少したTmaxの利益が、リドカインとケトロラクとの組み合わせによってなお達成されることが企図される。
【0067】
リドカインおよびその薬学的に受容可能な塩(例えば、塩酸リドカイン)は、4.5〜7.2の生理的pH範囲下で、水中で不十分な溶解度を有するが、2.5〜4.5の低いpH範囲で6% w/vより高くまで可溶性である。特定の他の局所麻酔剤(例えば、ベンゾカイン)はまた、生理学的pHにおいて低い溶解度を有するが、低いpHでも可溶性である。例えば、塩酸ベンゾカインは、水中で可溶性であり、上記溶液は、約1.5のpHを有する。しかし、15% ケトロラクの存在下では、6% ベンゾカイン溶液および10% ベンゾカイン溶液の両方について沈殿が観察された。このような沈殿は、加熱しても、そのpHを調節しても、再分散されなかった。驚くべきことに、リドカインは、pH7.2を有する15%もしくは30%のケトロラクトロメタミン溶液中に可溶性であることが見いだされている。いかなる理論にも限定されないが、上記ケトロラクが、リドカイントロメタミンの溶解を相乗効果的に補助し、このような相乗効果が、上記ケトロラクの量が増大させられる場合になお継続するようである。このことは、リドカインをケトロラクの鼻内投与と関連するヒリヒリ感を軽減するために特有に適したものにする。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明は、被験体への鼻投与に適した水溶液である組成物を提供し、上記溶液は、
(a)22.5% w/vより高く約38% w/vまでのケトロラク、
(b)水、および
(c)約4.5〜8のpHにおいて上記溶液を維持するための薬学的に受容可能なpH調節剤
を含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明は、被験体の鼻投与に適した水溶液である組成物を提供し、上記溶液は、
(a)22.5% w/vより高く約38% w/vまでのケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩、
(b)約4% w/v〜約10% w/vのリドカインもしくはその薬学的に受容可能な塩、
(c)水、および
(d)上記溶液を約4.5〜8のpHに維持するための薬学的に受容可能なpH調節剤、
を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、ケトロラクは、ラセミ混合物として存在する。
【0071】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、約25〜35% w/vのケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約28〜32% w/vのケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約30% w/vのケトロラクもしくはその薬学的に受容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、ケトロラクトロメタミンを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約30% w/vのケトロラクトロメタミンを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、塩酸リドカインを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約4% w/v〜約7.5% w/vの塩酸リドカインを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約5〜6% w/v 塩酸リドカインを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約6% w/v 塩酸リドカインを含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、キレート化剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記キレート化剤は、エデト酸二ナトリウムである。
【0074】
いくつかの実施形態において、上記組成物のpHは、約4.5〜8である。いくつかの実施形態において、上記pHは、約4.8〜7.5である。いくつかの実施形態において、上記pHは、約7.2である。
【0075】
いくつかの実施形態において、上記pHは、薬学的に受容可能な塩基によって調節される。いくつかの実施形態において、上記薬学的に受容可能な塩基は、水酸化ナトリウムである。
【0076】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、生成物の安定性および許容量の両方について至適pH条件を作り出すために、pH緩衝化剤をさらに含む(pH範囲約4〜約8;好ましくは、約6.0〜7.5)。適切な緩衝化剤としては、トリス(トロメタミン)緩衝化剤、リン酸緩衝化剤などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、リン酸カリウム NF、リン酸二水素カリウム、もしくはリン酸二カリウム、またはこれらの組み合わせは、上記pHを7.2に維持するために使用される。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約2% w/vまでのリン酸二水素カリウムを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約0.68% w/vのリン酸二水素カリウムを含む。
【0077】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、被験体の外鼻孔へと上記溶液をスプレーするために適した容器に含まれる。いくつかの実施形態において、上記容器は、約0.1〜4mLの上記溶液を含むように適したサイズを有し、いくつかの実施形態において、上記容器は、約0.2〜2.4mLの上記溶液を含むように適したサイズを有する。
【0078】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、外鼻孔片方あたり50〜約100μlの上記溶液の投与を提供するラベル説明書と組み合わせで存在する。いくつかの実施形態において、上記ラベル説明書は、外鼻孔片方あたり約100μlの上記溶液の投与を提供する。いくつかの実施形態において、上記ラベル説明書は、外鼻孔片方あたり約50μlの上記溶液の投与を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、
(a)約30% w/vのラセミのケトロラクトロメタミン,
(b)約0.01% w/v〜約0.1% w/vのエデト酸二ナトリウム、
(c)約2% w/vまでのリン酸二水素カリウム、
(d)pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウム、および
(e)100% w/vにするための水、
を含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、
(a)約30% w/vのラセミのケトロラクトロメタミン、
(b)約5% w/v〜約6% w/v 塩酸リドカイン、
(c)約0.01% w/v〜約0.1% w/vのエデト酸二ナトリウム、
(d)約2% w/vまでのリン酸二水素カリウム、
(e)pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウム、および
(f)100% w/vにするための水、
を含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、上記組成物は、約5% w/vの塩酸リドカインを含む。いくつかの実施形態において、上記組成物は、約6% w/vの塩酸リドカインを含む。
【0082】
本発明の別の局面は、上記組成物を患者の鼻経路にスプレーするためのデバイスを装備した容器中の、本発明の組成物である。いくつかの実施形態において、上記容器は、上記患者の鼻経路にスプレーされるべき上記組成物の所望の量を測定するために、計量チャンバをさらに備えている。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、患者が上記組成物の所望の量(例えば、単位用量)を同時に測定し、スプレーし得るように、上記スプレーデバイスと組み合わされる。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、約50〜約125μlの液体を測定し得る。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、約50〜約100μlの液体を測定し得る。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは調節可能である。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、約50μlの液体を測定し得る。いくつかの実施形態において、上記計量チャンバは、約100μlの液体を測定し得る。
【0083】
本発明の組成物の上記単位用量は、通常、1日に1回、2回、3回もしくは4回投与され、病気が元であろうと、神経障害が元であろうと(例えば、外傷により負った疼痛、手術後疼痛、片頭痛など)、軽度から重篤な疼痛を処置することにおいて概して有効な量を提供する。概して、18〜65歳齢の被験体は、最大の許容される1日用量まで受容し得る。例えば、上記用量は、外鼻孔片方あたり100μl以下の30% w/v ケトロラク溶液の1日あたりのケトロラクの鼻内投与であり得る。いくつかの実施形態において、上記組成物は、1日に4回まで与えられ得る。
【0084】
急性の片頭痛の発作の場合において、本発明の組成物によって可能にされる高い単位用量は、疼痛の軽減を可能にし、そして/または片頭痛の疼痛および他の症状の進行を阻害することが企図される。その結果、好ましくは、上記患者は、上記組成物が1回もしくは2回投与された後に、顕著な片頭痛の疼痛もしくは関連症状を経験せず、1回の片頭痛エピソードの間の、ケトロラクの反復投与の必要性を回避する。
【0085】
青年期もしくは65歳より高齢の被験体は、より少ないケトロラクを、例えば、外鼻孔片方あたり50μlの30% w/vの鼻内投与によって、または片方のみの外鼻孔への100μlの30% w/v ケトロラク処方物、もしくは各外鼻孔への50μlの30% w/v ケトロラク処方物の鼻内投与によって受容し得る。12歳以下の小児は、適切により少ない量を受容する。小児の鼻吸収能力は、成人のものより低いので、片方もしくは各外鼻孔へのより小さな体積(例えば、50μl)が、排出(discharge)を回避するために小児に投与されるべきであることが企図される。
【0086】
正確な量が、主治医の助言に依存し、上記患者の年齢もしくは体重、上記疼痛の重篤度および当該分野で公知の他の要因に基づくことが理解される。
【0087】
本発明の薬学的組成物および単位用量処方物は、必要に応じて、1種以上の薬学的に受容可能な賦形剤(薬学的に受容可能なキャリア(もしくは希釈剤)を含む)を含み得る。当然のことながら、特定の賦形剤の選択は、所望される処方物投与形態(すなわち、溶液が滴剤中で使用されるのか、またはスプレーとして所望されるのか、または懸濁物、軟膏、もしくはゲルが鼻腔へ直接適用されるのが望ましいのか)に依存する。任意の場合において、本発明は、単一用量もしくは複数用量の投与形態の調製を可能にし、このことは、薬物の至適量の適用を確実にする。
【0088】
本発明に従う処方物のための好ましいキャリアは、水、好ましくは、滅菌水であり、他の賦形剤も、望ましい場合には、添加され得る。
【0089】
水性希釈剤、油性希釈剤もしくはゲル希釈剤に加えて、本発明に従う組成物において使用され得る他の希釈剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、これらの混合物、もしくは前述のうちの1種以上と水との混合物を含む溶媒系を含む。
【0090】
他の賦形剤としては、化学増強剤(chemical enhancer)(例えば、吸収促進剤)が挙げられる。これらとしては、脂肪酸、胆汁酸塩および他の界面活性剤、フシジン酸、リゾホスファチド(lysophosphatide)、環式ペプチド抗生物質、保存剤、カルボン酸(アスコルビン酸、アミノ酸)、グリチルレチン酸、o−アシルカルニチンが挙げられる。好ましい促進剤は、ジイソプロピルアジペート、POE(9)ラウリルアルコール、グリココール酸ナトリウムおよびリゾホスファチジル−コリンである。これらは、特に活性であることが判明した。
【0091】
存在する場合、賦形剤(例えば、油、ゲル、吸収促進剤を含む化学増強剤など)は、上記溶液の均質性およびスプレーできることに有害な影響を与えない量であるべきである。
【0092】
本発明の組成物はまた、上記活性成分の微生物学的安定性を確実にする適合性の保存剤を含み得る。適切な保存剤としては、メチルパラオキシベンゾエート(メチルパラベン)、プロピルパラオキシベンゾエート(プロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、およびクロロブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記ケトロラクの鼻内組成物は、保存剤を含まない。
【0093】
本発明の組成物中の細菌負荷は、好ましくは、100コロニー形成単位(CFU)を超えず、より好ましくは、約50CFUを超えない。
【0094】
例示的処方物は、ケトロラク、リドカインおよび水に加えて、以下の成分および量(w/v)を含み得る。
【0095】
【表1A】

(1)例えば、EDTAナトリウム
(2)例えば、メチルパラオキシベンゾエートもしくはプロピルパラオキシベンゾエートまたはこれらの混合物
(3)例えば、グリココール酸ナトリウム
(4)例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCナトリウム)
(5)例えば、グリセロール。
【0096】
CMCナトリウムおよびCARBOPOLと称されるポリマーのような成分が、粘性の異なる多くのタイプで存在することは、当業者によって認識される。それらの量は、状況に応じて調節されるべきである。各処方物に対する異なる調節がまた、いくつかの任意の成分の省略および他の成分の添加を含め、必要であり得る。従って、各成分についての全てを包含する量範囲を与えることは可能でないが、本発明に従う各調製物の最適化は、当該分野の技術範囲内である。上記賦形剤の存在は、上記溶液の均質性およびスプレーできることに悪影響を及ぼさない量で存在すべきである。
【0097】
(方法)
本発明の組成物は、上記患者の鼻経路と、単位用量もしくは上記患者によるケトロラクの吸収を生じるに十分な量の上記組成物とを接触させて、上記患者が経験する上記疼痛および/もしくは炎症を軽減することによって、これを必要とする患者に投与される。このことは、好ましくは、本明細書に記載されるように、上記患者の鼻経路へ、スプレー(例えば、噴霧される粒子)を生成するためのデバイス(例えば、アトマイザー)を備えた容器から、溶液をスプレーすることによって行われる。上記デバイスは、上記患者によって、彼女もしくは彼の鼻経路(そこから、上記粒子が血流へと迅速に吸収されて、その鎮痛作用および抗炎症作用をもたらす)へと吸収される微細な液体粒子の噴霧もしくは懸濁物を生じる。上記投与される体積は、排出を介する薬物損失を回避するために、上記外鼻孔の最大吸収能を超えるべきではない。適切な容器およびスプレーデバイスは、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」を参照することによって、当業者に利用可能である。このような容器の1つの供給元は、Ing.Erich Pfeiffer GmbH,Radolfzell,Germanyである。別の供給元は、Valois,50 avenue de l’Europe,78164 MARLY−LE−ROI,Franceである。
【0098】
別の局面において、本発明は、疼痛もしくは炎症の処置を必要とする被験体において、疼痛もしくは炎症を処置するための方法を提供し、上記方法は、上記のように、本発明の薬学的組成物もしくは単位用量処方物を、患者の片方もしくは各々の外鼻孔に鼻内投与する工程を包含する。
【0099】
いくつかの実施形態において、上記単位用量処方物は、1日に1回、2回、3回もしくは4回投与される。
【0100】
いくつかの実施形態において、上記方法は、疼痛を処置するためのものである。
【0101】
いくつかの実施形態において、上記疼痛は、上記被験体が負った外傷の結果である。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、上記被験体に対して行われた手術の結果である。
【0102】
いくつかの実施形態において、上記疼痛は、病気に伴うものである。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、神経障害によるものである。いくつかの実施形態において、上記疼痛は、片頭痛もしくは他の頭痛による疼痛である。
【0103】
ケトロラクの鼻内投与のための処方物の以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示するのに役立つ。
【実施例】
【0104】
(実施例1)
この実施例は、本発明に従う鼻投与のための組成物を作製するための記載を提供する。溶液を、表1に示される割合に従って調製した。
【0105】
【表1】

製品名および業者の例の付表
ケトロラクトロメタミン:Union Quimico Farmaceutico,S.A.,Spain
ヒドロキシプロピルセルロース(KLUCEL(登録商標)):Dow Chemical Co,Midland MI USA
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(METHOCEL(登録商標)):Dow Chem.Co,Midland MI
ヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL(登録商標)):Hercules Inc,Wilmington DE USA
カルボキシメチルセルロースナトリウム(BLANOSE(登録商標)):Hercules Inc,Wilmington DE
CARBOPOL(登録商標):BF Goodrich Chemical Co.,Cleveland,OH,USA
ポリカルボフィル(POLYCARBOPHIL):BF Goodrich Chemical Co.,Cleveland,OH,USA
エチルアルコール:Eastman Chemical Products Inc.,Kingsport,TN,USA
イソプロピルアルコール:Baker Chemical Co.,New York,NY,USA
プロピレングリコール:Dow Chemical Co.,MIDLAND,MI,USA
ポリエチレングリコール:BASF Wyndotte Corp.,Parsippany,NJ,USA
ジイソプロピルアジペート:Croda,Goole,North Humerside,UK
グリココール酸ナトリウム:Sigma Chemical Company,St.Louis,MO,USA
リゾホスファチジルコリン:American Lecithin,Long Island,NY,USA
メチルパラオキシベンゾエート(NIPAGIN):BDH Chemical Ltd,Poole,Dorset,UK
プロピルパラオキシベンゾエート:BDH Chemical Ltd,Poole,Dorset,UK
安息香酸ナトリウム:Pfizer Inc.,New York,NY,USA.
ベンジルアルコール:BDH Chemical Ltd,Poole Dorset,UK
塩化ベンザルコニウム:ION Pharmaceuticals,Covina,CA,USA
EDTAナトリウム:Grace And Co.,London,UK.
POE(9)ラウリルアルコール:BASF Wyndotte Corp,Parsippany,NJ,USA
グリセロール:Dow Chemical Co.,Midland,MI,USA
塩化ナトリウム:Aldrich Chemie,Stanheim,Germany
グルコース:Roquette Ltd,Tunbridge Wells,Kent,UK

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体への鼻投与に適した水溶液であって、該水溶液は、
(a)22.5% w/vより高く、約38% w/vまでのケトロラク、
(b)水、および
(c)該溶液をpH約4.5〜8に維持するための薬学的に受容可能なpH調節剤、
を含む、水溶液。
【請求項2】
ケトロラクは、ラセミ混合物として存在する、請求項1に記載の溶液。
【請求項3】
約25% w/v〜約35% w/vのケトロラクトロメタミンを含む、請求項1に記載の溶液。
【請求項4】
約28% w/v〜約32% w/vのケトロラクトロメタミンを含む、請求項1に記載の溶液。
【請求項5】
約30% w/vのケトロラクトロメタミンを含む、請求項1に記載の溶液。
【請求項6】
約4% w/v〜約10% w/vのリドカインをさらに含む、請求項1に記載の溶液。
【請求項7】
約4% w/v〜約7.5% w/vのリドカインを含む、請求項6に記載の溶液。
【請求項8】
約5〜約6% w/v 塩酸リドカインを含む、請求項7に記載の溶液。
【請求項9】
前記pHは、約7.2である、請求項1に記載の溶液。
【請求項10】
前記pHは、薬学的に受容可能な塩基によって調節される、請求項1に記載の溶液。
【請求項11】
キレート化剤をさらに含む、請求項1に記載の溶液。
【請求項12】
前記キレート化剤は、エデト酸二ナトリウムである、請求項11に記載の溶液。
【請求項13】
約25〜35% w/vのケトロラクトロメタミンおよび約4〜10% w/vの塩酸リドカインを含み、前記pHは、約7.2である、請求項1に記載の溶液。
【請求項14】
約28〜32% w/vのケトロラクトロメタミンおよび約4〜7.5% w/vの塩酸リドカインを含む、請求項13に記載の溶液。
【請求項15】
約30% w/vのケトロラクトロメタミンおよび約5〜6% w/vの塩酸リドカインを含む、請求項13に記載の溶液。
【請求項16】
前記溶液を被験体の外鼻孔にスプレーするに適切な容器中に含まれる、請求項1に記載の溶液。
【請求項17】
前記容器は、約0.1〜4mLの前記溶液を含むに適した大きさである、請求項16に記載の溶液。
【請求項18】
前記容器は、約0.2〜2.4mLの前記溶液を含むに適した大きさである、請求項16に記載の溶液。
【請求項19】
外鼻孔片方あたり50〜約100μlの前記溶液の投与を提供するラベル説明書と組み合わされた、請求項16に記載の溶液。
【請求項20】
前記ラベル説明書は、外鼻孔片方あたり約100μlの前記溶液の投与を提供する、請求項19に記載の溶液。
【請求項21】
前記ラベル説明書は、外鼻孔片方あたり約50μlの前記溶液の投与を提供する、請求項19に記載の溶液。
【請求項22】
被験体への鼻投与に適した溶液であって、該溶液は、
(a)約30% w/vのラセミのケトロラクトロメタミン、
(b)約0.02% w/vのエデト酸二ナトリウム、
(c)約0.68% w/vのリン酸二水素カリウム、
(d)pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウム、および
(e)100% w/vにするための水、
を含む、溶液。
【請求項23】
被験体への鼻投与に適した溶液であって、該溶液は、
(a)約30% w/vのラセミのケトロラクトロメタミン、
(b)約5% w/v〜約6% w/vの塩酸リドカイン、
(c)約0.02% w/vのエデト酸二ナトリウム、
(d)約0.68% w/vのリン酸二水素カリウム、
(e)pHを7.2に調節するための水酸化ナトリウム、および
(f)100% w/vにするための水、
を含む、溶液。
【請求項24】
約6% w/vの塩酸リドカインを含む、請求項23に記載の溶液。
【請求項25】
疼痛もしくは炎症を処置する必要がある被験体において疼痛もしくは炎症を処置するための方法であって、該方法は、請求項1、22または23に記載の溶液を被験体に鼻内投与する工程を包含する、方法。
【請求項26】
前記方法は、疼痛を処置するためのものである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記疼痛は、前記被験体が負った外傷の結果である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記疼痛は、前記被験体に対して行われた手術の結果である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記疼痛は、病気に伴うものである、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記疼痛は、神経障害によるものである、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記疼痛は、片頭痛もしくは他の頭痛による疼痛である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
被験体の片方もしくは両方の外鼻孔への鼻投与のための単位用量処方物であって、該処方物は、
(a)外鼻孔片方あたり約12〜約38mgのケトロラク、および
(b)水、
を含み、ここで該単位用量は、外鼻孔片方あたり100μl以下の体積を有し、ケトロラクの濃度は、22.5% w/vより高い、単位用量処方物。
【請求項33】
前記体積は、外鼻孔片方あたり約50μl〜約100μlである、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項34】
前記体積は、外鼻孔片方あたり約100μlである、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項35】
外鼻孔片方あたり30mgを含む、請求項34に記載の単位用量処方物。
【請求項36】
外鼻孔片方あたり約30mgのケトロラクトロメタミンを含み、前記単位用量は、外鼻孔片方あたり約100μlの体積を有する、両方の外鼻孔への投与のための請求項33に記載の単位用量処方物。
【請求項37】
前記体積は、外鼻孔片方あたり約50μlである、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項38】
外鼻孔片方あたり15mgを含む、請求項37に記載の単位用量処方物。
【請求項39】
外鼻孔片方あたり約15mgのケトロラクトロメタミンを含み、前記単位用量は、外鼻孔片方あたり約50μlの体積を有する、両方の外鼻孔に投与するための請求項37に記載の単位用量処方物。
【請求項40】
外鼻孔片方あたり約4〜約10mgのリドカインをさらに含み、リドカインの濃度は、約10% w/v以下である、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項41】
外鼻孔片方あたり約5mg〜約6mgの塩酸リドカインを含む、請求項40に記載の単位用量処方物。
【請求項42】
キレート化剤をさらに含む、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項43】
前記キレート化剤は、エデト酸二ナトリウムである、請求項42に記載の単位用量処方物。
【請求項44】
pH約4.5〜8を有する請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項45】
前記単位用量処方物は、該単位用量処方物を、前記被験体の外鼻孔へスプレーするためのデバイスを備えた容器に含まれる、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項46】
前記容器は、計量チャンバをさらに含み、該計量チャンバは、約50μl〜約100μlを保持する、請求項45に記載の単位用量処方物。
【請求項47】
外鼻孔片方あたり約15mg〜約30mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書と組み合わされた、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項48】
1用量あたり約25mg〜約60mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書と組み合わされた、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項49】
1用量あたり約30mgもしくは約60mgのケトロラクの投与を提供するラベル説明書と組み合わされた、請求項32に記載の単位用量処方物。
【請求項50】
被験体の片方もしくは両方の外鼻孔への鼻投与のための単位用量処方物であって、該単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約30mgのケトロラクトロメタミン、約6mgの塩酸リドカイン、約0.02mgのエデト酸二ナトリウム、約0.68mgのリン酸二水素カリウム、pHを約7.2へ調節するための水酸化ナトリウム、および約100μlにするための水を含む、単位用量処方物。
【請求項51】
被験体の片方もしくは両方の外鼻孔への鼻投与のための単位用量処方物であって、該単位用量処方物は、外鼻孔片方あたり、約15mgのケトロラクトロメタミン、約3mgの塩酸リドカイン、約0.01mgのエデト酸二ナトリウム、約0.34mgのリン酸二水素カリウム、pHを約7.2へ調節するための水酸化ナトリウム、および約50μlにするための水を含む、単位用量処方物。
【請求項52】
疼痛もしくは炎症を処置する必要のある被験体において、疼痛もしくは炎症を処置するための方法であって、該方法は、請求項32、50、または51のいずれか1項に記載の単位用量処方物を鼻内投与する工程を包含する、方法。
【請求項53】
前記単位用量は、前記被験体の片方の外鼻孔に投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記単位用量は、前記被験体の両方の外鼻孔へ投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記単位用量処方物は、1日に1〜4回投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記方法は、疼痛を処置するためのものである、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記疼痛は、前記被験体が負った外傷の結果である、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記疼痛は、前記被験体に対して行われた手術の結果である、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記疼痛は、病気に伴うものである、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
前記疼痛は、神経障害によるものである、請求項52に記載の方法。
【請求項61】
前記疼痛は、片頭痛もしくは他の頭痛による疼痛である、請求項52に記載の方法。

【公表番号】特表2011−524366(P2011−524366A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513702(P2011−513702)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/047095
【国際公開番号】WO2009/152369
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(509013138)ロクスロ・ファーマ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ROXRO PHARMA, INC.
【Fターム(参考)】