説明

1−フェニル−3−ピペラジン−ピラゾール及び該物質の農薬組成物

本発明は、式(I)の5−ジアザシクロアルキルピラゾール誘導体又はその塩、その調製方法、その組成物、並びにその節足動物及び蠕虫を含めた害虫の防除用の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の5−ジアザシクロアルキルピラゾール誘導体、その調製方法、その組成物、並びに昆虫及び蛛形類を含む有害節足動物、線虫を含む蠕虫及び原虫害虫等の害虫の防除へのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1−アリルピラゾール化合物を用いた昆虫、蛛形類又は蠕虫の防除は、例えば特許公開番号の国際公開第93/06089号、国際公開第94/21606号、国際公開第87/03781号、欧州特許第0295117号、欧州特許第659745号、欧州特許第679650号、欧州特許第201852号及び米国特許第5232940号に記載されている。1−アリルピラゾール化合物を用いた動物の寄生虫の防除も、特許公開番号の国際公開第00/35884号、欧州特許第0846686号、国際公開第98/24769号及び国際公開第97/28126号に記載されている。
【0003】
特に、欧州特許第0352944A1号は、N−フェニルピラゾール誘導体及び殺虫剤としてのその使用を記載しており、その中で特定の誘導体が、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)の幼生に有効であった。しかしながら、これらの先行技術の化合物の作用レベル及び/又は作用の持続時間は、すべての用途の分野、特に特定の微生物に対して、死亡率、又は低濃度が適用される場合において、完全に満足のいくものではない。
【特許文献1】国際公開第93/06089号
【特許文献2】国際公開第94/21606号
【特許文献3】国際公開第87/03781号
【特許文献4】欧州特許第0295117号
【特許文献5】欧州特許第659745号
【特許文献6】欧州特許第679650号
【特許文献7】欧州特許第201852号
【特許文献8】米国特許第5232940号
【特許文献9】国際公開第00/35884号
【特許文献10】欧州特許第0846686号
【特許文献11】国際公開第98/24769号
【特許文献12】国際公開第97/28126号
【特許文献13】欧州特許第0352944A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現代の農薬は、例えば、作用のレベル、持続時間及びスペクトル、使用スペクトル、毒性、他の活性物質との組合せ、配合助剤若しくは合成との組合せ等の広範囲の要件に合致する必要があり、また耐性の発生が可能であるので、このような物質の開発は、終わったものと見なすことはできず、少なくともある態様に関する限り、周知の化合物に対して有利である新規の化合物への高い要求が常にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I)の5−ジアザシクロアルキルピラゾール誘導体である化合物又は農薬として許容されるその塩を提供する。
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
は、CN、CH、CF、C(=N−Z)−S(O)−(C−C)−アルキル又はCSNHであり、ここで、Zは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、−(CH、COR、CO−(C−C)−アルキル又はS(O)であり、
は、ハロゲン、CH又はNR1112であり;
は、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ又はSFであり;
は、水素、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルケニル、CO−(C−C)−アルキニル、CO−(CH、CO−(CH10、CONR又はSO;ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR及びCOからなる群から選択される、1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換されたホルミル、CO−CO−(C−C)−アルキル又はCO−(C−C)−アルキル;
又はCO−(CH;又はCO−(CH10
又はハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR、COOH及びCOからなる群から選択される1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換された(C−C)−アルキル;
又はR及びR10であり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル又は(C−C)−ハロアルキニルであり;
Aは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH若しくは(CH10で置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
Eは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH若しくは(CH)qR10で置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
ここで、AとEは結合して二環系を形成してよく、
及びRは、それぞれ独立にH、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
及びRは、結合したN原子と一緒になって4〜7員飽和環、又は5〜7員不飽和環を形成することができ、この環は、場合によっては、O、S及びNから選択される1つ又は複数の更なるヘテロ原子を環中に含み、この環は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル及びオキソからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていないか置換されており、任意の更なる環中にN原子が存在する場合、(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルキル又はCH11基で置換されていないか置換されており;
は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、CN、NO、S(O)及びNRからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていない又は置換されたフェニルであり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキル−(C−C)−シクロアルキル、−(CH又は−(CH10であり、
10は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルコキシ、S(O)、OH及びオキソからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていない又は置換されたヘテロシクリルであり、
11及びR12は、それぞれ独立に、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル又は(C−C)−アルキニルであり、ここで最後の3つの基は、ハロゲン、(C−C)−シクロアルキル、R、R10、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていないか置換されており;
n、p及びqは、それぞれ独立に、0、1又は2であり;
mは、0、1、2又は3であり;
上述の基のそれぞれのヘテロシクリルは、それぞれ独立に、環中に3〜7個の環原子及びN、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する複素環基である]。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
「農薬として許容される塩(pesticidally acceptable salts)」という用語は、そのアニオン又はカチオンが周知であり、農薬用途の塩を形成するための技術で許容される塩を意味する。例えばカルボン酸基を含む式(I)の化合物によって形成される適切な塩基を有する塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム及びマグネシウム)、アンモニウム及びアミン(例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、オクチルアミン、モルホリン及びジオクチルメチルアミン)塩が含まれる。例えばアミノ基を含む式(I)の化合物によって形成される適切な酸付加塩には、無機酸との塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、及び硝酸塩、並びに有機酸、例えば酢酸との塩が含まれる。
【0009】
式(I)の化合物の好ましい塩は、R−N基の窒素におけるプロトン化又はアルキル化のいずれかで式(II)の化合物を生成することによって生成される。
【0010】
【化2】

【0011】
[式中、Qは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
Xは、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩のようなアニオンである]
【0012】
これらの化合物は、貴重な農薬の性質を有している。
【0013】
本発明は、式(I)又は(II)による化合物の任意の立体異性体、鏡像異性体又は幾何異性体、及びそれらの混合物も含む。添付の特許請求の範囲を含めた本特許明細書においては、前述の置換基は、次の意味を有する。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
基の名称の前の「ハロ」という用語は、この基が、部分的に又は完全にハロゲン化されている、即ちF、Cl、Br、又はIによって任意の組合せで、好ましくはF又はClによって置換されていることを意味する。
アルキル基及びその一部(特に別の指定がない限り)は、直鎖又は枝分れ鎖でよい。
「(C−C)−アルキル」という表現は、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する、非分枝又は分枝炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピル又はtert−ブチル基を意味するものと理解されたい。
アルキル基は、複合基においても、特に別の指定がない限り、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。
「(C−C)−ハロアルキル」は、例えばモノハロアルキル、ペルハロアルキル、CF、CHF、CHF、CHFCH、CFCH、CFCF、CHFCF、CHFCHCl、CHCl、CCl、CHCl又はCHCHCl等の、1個又は複数の水素原子が同数の同じ又は異なるハロゲン原子によって置換された、上記「(C−C)−アルキル」という表現で述べられたアルキル基を意味する。
「(C−C)−アルキレン」という表現は、1〜6個の炭素原子を有する、非分枝又は分枝飽和炭素鎖を意味するものと理解されたい。
「(C−C)−ハロアルキレン」という表現は、1個又は複数の水素原子が、同数の同じ又は異なるハロゲン原子によって置換された、1〜6個の炭素原子を有する、非分枝又は分枝飽和炭素鎖を意味するものと理解されたい。
「(C−C)−アルケニレン」という表現は、それぞれの不飽和基の任意の位置にあってよい少なくとも1個の二重結合を含む、2〜6個の炭素原子を有する非分枝又は分枝飽和炭素鎖を意味するものと理解されたい。
「(C−C)−アルコキシ」は、その炭素鎖が上記「(C−C)−アルキル」という表現で表される意味を有するアルコキシ基を意味する。「ハロアルコキシ」は、例えば、OCF、OCHF、OCHF、CFCFO、OCHCF又はOCHCHClである。
「(C−C)−アルケニル」は、それぞれの不飽和基の任意の位置にあってよい少なくとも1個の二重結合を含む、この記載の範囲に相当する数の炭素原子を有する非分枝又は分枝非環式炭素鎖を意味する。「(C−C)−アルケニル」は、従って、例えば、ビニル、アリール、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、ペンテニル、2−メチルペンテニル又はヘキセニル基を意味する。
「(C−C)−アルキニル」は、それぞれの不飽和基の任意の位置にあってよい1個の三重結合を含む、この記載の範囲に相当する数の炭素原子を有する非分枝又は分枝非環式炭素鎖を意味する。「(C−C)−アルキニル」は、従って、例えば、プロパルギル、1−メチル−2−プロピニル、2−ブチニル又は3−ブチニル基を意味する。シクロアルキル基は、好ましくは、環中に3〜7個の炭素原子を有し、場合によってはハロゲン又はアルキルで置換される。
【0014】
式(I)又は(II)の化合物においては、次のラジカルの例が提供される。
シクロアルキルで置換されたアルキルの一例は、シクロプロピルメチルであり;
アルコキシで置換されたアルキルの一例は、メトキシメチル(CHOCH−)であり;アルキルチオで置換されたアルキルの一例は、メチルチオメチル(CHSCH−)である。
アリールは、単環式又は二環式芳香族系、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル等、好ましくはフェニルである。
「ヘテロシクリル」基は、飽和、不飽和又は複素環式芳香族でよく;好ましくは複素環中にN、O及びSからなる群から選択される、1個又は複数、特には1、2又は3個のヘテロ原子を有し;好ましくは3〜7個の環原子を有する脂肪族複素環式基、或いは5又は6個の環原子を有する複素環式芳香族基である。複素環式基は、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル及びトリアゾリル、或いはオキシラニル、オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、オキサニル、ピロリドニル、ピペリジル、ピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル及びモルホリニル等の部分的又は完全に水素化した基等の、少なくとも1つの環が1個又は複数のヘテロ原子を有する、単環式、二環式又は多環式芳香族系等の、複素環式芳香族基又は環(ヘテロアリール)等でよい。「ヘテロシクリル」基は、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノ及びジアルキルアミノカルボニル、並びにアシルアミノ、モノ及びジアルキルアミノ等の置換されたアミノ、及びアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキル並びにハロアルキルからなる群から選択される1個又は複数の基(好ましくは1、2又は3個の基)、並びに更にオキソで置換されなくても置換されてもよい。例えばN及びSの場合等、種々の酸化数が可能である複素環原子にオキソ基が存在してもよい。
【0015】
害虫という用語は、節足動物害虫(昆虫及び蛛形類を含む)、及び蠕虫(線虫を含む)を意味する。
【0016】
好ましい式(I)又は(II)の化合物は、次の残基によって特徴付けられる。
[式中、
は、CN又はCSNH、より好ましくはRはCNであり、
且つ/又は
は、Clであり、
且つ/又は
は、CFであり、
且つ/又は
は、水素、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルケニル、CO−(C−C)−アルキニル、CO−(CH、CO−(CH10、CONR又はSO;ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR及びCOからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていない又は置換されたホルミル、CO−CO−(C−C)−アルキル又はCO−(C−C)−アルキル;
又はCO−(CH;又はCO−(CH10
又はハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR、COOH及びCOからなる群から選択される1つ又は複数の基によって置換されていない又は置換された(C−C)−アルキル;
又はR及びR10であり;
且つ/又は
は、CFであり
且つ/又は
Aは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10によって置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレン基であり、
且つ/又は
Eは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10によって置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレン基である]。
【0017】
より好ましい本発明の実施形態は、式中、
Aが、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10で置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン基であり、
且つ
Eが、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10で置換されていない又は置換された(C)−アルキレン基
である式(I)又は(II)の化合物である。
【0018】
具体的には、AがC−アルキレンでEがC−アルキレン、又はAがC−アルキレンでEがC−アルキレン、又はAがC−アルキレンでEがC−アルキレン、又はAがC−アルキレンでEがC−アルキレン、又はAがC−アルキレンでEがC−アルキレン、又はAがC−アルキレンでEがC−アルキレンの組合せが好ましく、式中、すべてのアルキレン基が、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10で置換されていないか置換されている。特に、Rがアルキル基である場合、A基又はE基の少なくとも1つがエチレンでなければ好ましい。
【0019】
更に好ましい本発明の一実施形態は、式中、
が、CO−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルケニル、CO−(C−C)−アルキニル、CO−(CH、CO−(CH10、CONR又はSO;(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR及びCOからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていない又は置換されたホルミル、CO−CO−(C−C)−アルキル又はCO−(C−C)−アルキル;
又はCO−(CH;又はCO−(CH10である
式(I)又は(II)の化合物である。
【0020】
とりわけ好ましいのは、COH、COCH、COC、CO(n−C)、CO(iso−C)、CO(n−C)、CO(tert.−C)、CO(iso−C)、CO(sec.−C)、CO(シクロ−C)、CO(シクロ−C)、CO(シクロ−C)、CO(シクロ−C11)、COCH=CH、COC(CH)=CH、フェニル−CO、(4−Cl−フェニル)−CO、(4−CH−フェニル)−CO、(2,6−F,F−フェニル)−CO、(2−Cl−フェニル)−CO、(4−CHO−フェニル)−CO、フェニル−CHCO、フェニル−CCO、COCOOH、COCOOCH、COCOOC、COCOO(n−C)、COCOO(tert.−C)、COCCOOH、COCCOOCH、COCCON(CH、COCHCN(CH、COCHCl、COCHOCH、COCHOC、COCFのようなアシル基、
SOCH、SO、SO(n−C)、SO(iso−C)、SOCl、SOCF、フェニル−CHSO、フェニル−SO、(4−CH−フェニル)−SO、(4−Cl−フェニル)−SO、SON(CH、SON(Cのようなスルホニル基、
COOCH、COOC、COO(n−C)、COO(iso−C)、COO(n−C)、COO(tert.−C)、COO(sec.−C)、COO(iso−C)、COO(n−C11)、COO(neo−C11)、COO(シクロ−C13)、COOCHCHCH、COOCHCCH、COO(シクロ−C)、COO(シクロ−C11)、COOCH−フェニル、COOC−フェニル、COOC−フェニル、フェニル−COO、(4−Cl−フェニル)−COO、COOCH(CH)フェニル、COOCH(4−Cl−フェニル)、COOCH(2−ピリジル)、COOCH(3−ピリジル)、COOCH(4−ピリジル)、CONH(CH)、CONH(C)、CON(CH、CON(C、CONH(4−Cl−フェニル)、CONH(フェニル)のようなカルバメート基である。
【0021】
更に好ましい本発明の実施形態は、式中、
が、H、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、R又はR10であり、とりわけ好ましいのは、H、CHCH=CH、CHCH=CHCH、CHCH=CCl、CHCF、CHCCH、シクロ−C、シクロ−C、シクロ−C、シクロ−C11、シクロ−C13、フェニル、4−Cl−C、4−CF−C、4−ON−C、4−CHO−C、4−F−C、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジルである式(I)又は(II)の化合物である。
【0022】
更に好ましい本発明の実施形態は、式中、
が、ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR、COOH及びCOからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されてない又は置換された(C−C)−アルキルであり、特に好ましいのは、CH、C、n−C、iso−C、n−C、sec.−C、iso−C、tert.−C、n−C11、n−C13、シクロ−CCH、シクロ−CCH、シクロ−CCH、シクロ−C11CH、フェニル−CH、フェニル−C、フェニル−C、フェニル−CHCH、CHOC、CHSC、CHSOC、CHSOである式(I)及び(II)の化合物である。
【0023】
一般式(I)の化合物は、周知の方法(即ち、これまで使用された方法又は化学文献に記載された方法)の応用又は適合によって調製することができる。特定の場合においては、当技術分野で周知の保護剤の使用が、満足のいく収率を得るために必要となりうることは理解されよう。
次の方法の説明において、式に現れる記号が特に定義されない場合、それらは、本明細書中の各記号の最初の定義に従って「上記に定義された通り」であることを理解されたい。
【0024】
本発明の更なる一特徴によれば、RがCN、CH又はCFであり、その他の残基及び基(value)が上記に定義された通りである、式(I)の化合物は、式(III)の化合物と
【0025】
【化3】

【0026】
式(IV)の化合物(式中、R、E、A及びその他の残基及び基が上記に定義された通りであり、Halは、脱離基として作用するハロゲン、好ましくは臭素である)との反応によって調製することができる。
【0027】
【化4】

【0028】
上記反応は、一般的に、不活性溶媒中、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃の温度において、第三級アミン(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン)又は塩基性金属塩(例えば炭酸カリウム、水素化ナトリウム)等の塩基の存在下で実施される。
【0029】
本発明の更なる一特徴によれば、式中、RがCN、CH又はCFであり、その他の基及び残基が上記に定義された通りである式(I)の化合物は、
【0030】
【化5】

【0031】
式中、Rが水素でありその他の残基及び基が上記に定義された通りである式(I)の化合物と
式(V)の化合物の反応によって調製することができる。
−L (V)
[式中、Lは、脱離基、好ましくは塩素であり、Rは、水素以外で上記に定義された通りである]上記反応は、一般的に、不活性溶媒中、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃の温度において、第三級アミン(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン)等の塩基の存在下で実施される。
【0032】
好ましい式(I)の化合物の塩は、式中、式(I)の化合物が式(VI)の化合物と反応する、R−N基の窒素におけるプロトン化又はアルキル化のいずれかによって式(II)の化合物を生成することによって生成される。
QX (VI)
[式中、Qは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
Xは、例えばハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩のようなアニオンである]
【0033】
上記反応は、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃の温度において実施される。
【0034】
更なる本発明の一特徴によれば、RがCSNHであり、その他の残基及び基が上記に定義された通りである式(I)又は(II)の化合物は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、メタノール又はエタノール等の不活性溶媒中、−35℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃の温度において、式中、RがCNである対応する式(I)の化合物と、リチウム、カリウム、カルシウム又は好ましくは水硫化ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属水硫化物との反応によって調製することができる。場合によっては、水硫化物は、金属アルコキシド又はトリアルキルアミン等の有機塩基、或いはナトリウム、カリウム又はアンモニウム炭酸塩等の無機塩基の存在下におけるHSでの処理によって、その場で生成することができる。クラウンエーテル等の金属錯化剤の使用が、反応促進に役立ちうる。
【0035】
水硫化物塩と、式(III)又はR=Hである式(I)の化合物との反応も、クラウンエーテル又は臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム又は塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩等の相間移動触媒を用いて、2相水/有機溶媒系中で実施することができる。水との2相系での使用に適した有機溶媒には、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、1−クロロブタン及びメチル第三ブチルエーテルが含まれる。
【0036】
別法として、式中、RがCSNHである式(I)又は(II)の化合物も、式中、RがCNである対応する式(I)の化合物から、Tet. Lett., 24 (20), 2059 (1983)に記載されたように、PhPSの試薬による処理によって調製することができる。
【0037】
更なる本発明の一特徴によれば、式中、RがCSNHであり、その他の残基及び基が上記に定義された通りである式(I)又は(II)の化合物は、一般的にナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等の塩基の存在下、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、0℃〜60℃の温度において、式中、RがCNである対応する式(I)又は(II)の化合物と、ビス(トリアルキルシリル)スルフィド、好ましくはビス(トリメチルシリル)スルフィドとの反応によって調製することができる。上記手順は、一般的にLin, Ku and ShiaoによってSynthesis 1219 (1992)中に記載されている。
【0038】
更なる本発明の一特徴によれば、式中、RがC(=N−H)−S−(C−C)−アルキルであり、その他の残基及び基が上記に定義された通りである式(I)又は(II)の化合物は、式中、RがCSNHである対応する式(I)又は(II)の化合物と、式(VII)又は(VIII)のアルキル化剤との反応によって調製することができる。
(C−C)−アルキル−L (VII) ((C−C)−アルキル)BF (VIII)
[式中、Lは、脱離基、一般的にハロゲンであり、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素である]上記反応は、一般的に、塩基、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、又はカリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドの存在下、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、0℃〜60℃の温度において実施される。別法として、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、又は例えばトリエチルアミン若しくはN,N−ジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン等の有機塩基を、アセトン等の不活性溶媒中、0℃か溶媒の還流温度までの温度において使用することができる。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート等の式(VIII)の化合物が、アルキル化剤として用いられる場合、塩基は、好ましくは重炭酸ナトリウム等のアルカリ金属重炭酸塩であり、溶媒は、例えばジクロロメタンであり、温度は、0℃から溶媒の還流温度までである。
【0039】
更なる本発明の一特徴によれば、式中、RがC(=N−Z)−S−(C−C)−アルキルであり、ZがHを除いて上記に定義された通りであり、その他の基が上記に定義された通りである式(I)又は(II)の化合物は、式中、ZがHである対応する式(I)又は(II)の化合物と、式(IX)の化合物とのアルキル化、アシル化又はスルホニル化によって調製することができる。
Z−L (IX)
[式中、ZはHを除いて上記に定義された通りで、Lは脱離基である]アルキル化については、Zが、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル又は−(CHである場合、Lは、好ましくはハロゲン、アルキルスルホニルオキシ又はアリルスルホニルオキシ(より好ましくは塩素、臭素、ヨウ素、メチルスルホニルオキシ又はp−トルエンスルホニルオキシ)である。一般的に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド又はN,N−ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、−30℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃の温度において実施される反応中に、場合によっては塩基が存在する。該塩基は、一般的に、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、或いは例えばトリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミン等の第三級アミン、又はピリジン、又は1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)等の有機塩基である。
【0040】
アシル化については、ZがCOR又はCO−(C−C)−アルキルである場合、(IX)は、Lが好ましくは塩素又は臭素(より好ましくは塩素)である酸ハロゲン化物である。一般的にアルキル化に使用されたのと同様の塩基、溶媒及び温度を用いて実施される上記反応に、場合によっては塩基が存在する。
【0041】
スルホニル化については、ZがS(O)である場合、(IX)は、Lが好ましくは塩素又は臭素(より好ましくは塩素)である、好ましくはハロゲン化スルホニルである。一般的にアルキル化に使用されたのと同様の塩基、溶媒及び温度を用いて実施される上記反応に、場合によっては塩基が存在する。
【0042】
上述の方法で合成しうる式(I)又は(II)の化合物の集団も、同じ方法で調製することもでき、これは、手動で、又は半自動的に、又は完全に自動的に実施することができる。この場合、例えば、反応、検査又は生成物の精製若しくは中間体の精製を自動化することが可能である。全体で、これは、例えばS.H. DeWittによって、"Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity: Automated Synthesis", Volume 1, Verlag Escom 1997, pages 69 to 77中に記載されたような手順を意味すると理解されたい。
【0043】
例えば、Stem Corporation, Woodrolfe Road, Tollesbury, Essex, CM9 8SE, England又はH+P Labortechnik GmbH, Bruckmannring 28, 85764 Oberschleissheim, Germany又はRadleys, Shirehill, Saffron Walden, Essex, Englandによって提供されているような、一連の市販の装置は、反応及び検査の同時処理に使用することができる。式(I)若しくは(II)の化合物の、又はその調製中に得られる中間体の同時精製については、とりわけ、クロマトグラフィー装置、例えばISCO, Inc., 4700 Superior Street, Lincoln, NE 68504, USA製のものを使用することができる。
【0044】
前述の装置は、個々の工程段階が自動化されたモジュール式の処理をもたらすが、工程段階の間に手動操作を実施しなければならない。これは、問題の自動モジュールが、例えばロボットによって操作される、半統合化又は完全に統合された自動システムによって回避することができる。このような自動システムは、例えばZymark Corporation, Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USAから得られる。
【0045】
本明細書に記載されたことに加えて、式(I)又は(II)の化合物は、固相担体法によって部分的に又は完全に調製することができる。この目的のために、上記合成の、又は問題の処理に合うよう適合された合成の、個々の中間段階又はすべての中間段階は、合成樹脂に結合される。固相担体合成法は、専門家の論文、例えばBarry A. Bunin in "The Combinatorial Index", Academic Press, 1998中に広く記載されている。
【0046】
固相担体合成法の使用は、上記論文から周知であり、手動で又は自動で実施しうる一連のプロトコルを可能にする。例えば、IRORI社製(11149 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA)の製品が使用される、「ティーバッグ法(tea-bag method)」(Houghten、米国特許第4,631,211号; Houghten et al., Proc. Natl. Acad. Sci, 1985, 82, 5131-5135)は、半自動化することができる。固相担体同時合成の自動化は、例えば、Argonaut Technologies, Inc.社製(887 Industrial Road, San Carlos, CA 94070, USA or MultiSynTech GmbH, Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germany)の装置によって首尾よく実施される。
【0047】
本明細書に記載された調製方法は、ライブラリーと呼ばれる物質の集団の形態の式(I)又は(II)の化合物をもたらす。本発明は、式(I)又は(II)の少なくとも2種の化合物を含むライブラリーも対象とする。
【0048】
更なる本発明の一特徴によれば、式(I)の化合物又はその塩の有効量をその場所(at a locus)に適用することを含む、害虫の防除方法が提供される。この目的のために、前記化合物は、通常、農薬組成物(即ち、農薬組成物での使用に適した相溶性の希釈剤又は担体及び/又は界面活性剤と共に)、例えば、以下に記載されるような形態で使用される。
【0049】
本明細書で用いられる「本発明の化合物」という用語は、上記に定義された式(I)の5−置換アルキルアミノピラゾール及び農薬として許容されるその塩を含む。
【0050】
上記で定義された本発明の一態様は、ある場所での害虫の防除方法である。場所には、例えば、害虫自体、害虫が存在する、又は餌を採る場所(植物、野原、森林、果樹園、水路、土壌、植物生成物等)、或いは将来害虫の侵入を受けやすい場所が含まれる。従って、本発明の化合物は、害虫に対して直接、害虫が存在するか餌を採る場所に対して、或いは将来害虫の侵入を受けやすい場所に対して使用することができる。
【0051】
前述の農薬としての使用から明らかなように、本発明は、農薬として活性な化合物、及び特に昆虫又はダニ等の蛛形類等の節足動物、又は植物線虫等の蠕虫等を含む多数の害虫種の防除用の前記化合物の使用方法を提供する。従って、本発明の化合物は、例えば、農業又は園芸作物における、森林地における、動物薬又は家畜飼育における、或いは環境衛生における実用に有利に使用される。
【0052】
本発明の化合物は、例えば、次の用途に及び次の害虫に対して使用することができる。
【0053】
コーンルートワーム、シロアリ(特に構造物の保護用)、根ウジ、ハリガネムシ(wireworm)、根ゾウムシ、茎食い虫(stalkborer)、ヨトウムシ、根アブラムシ、又は地虫等の土壌害虫の防除用。それらは、根こぶ線虫、シスト線虫、ダガー線虫、根腐れ(lesion)線虫、又は茎若しくは球根線虫等の植物病原菌線虫、或いはダニに対する活性を提供するのに使用することもできる。例えばコーンルートワーム等の土壌害虫の防除のためには、上記化合物が、作物が植えられた又は植える予定である土壌に、又は種子又は成長する植物の根に有効量で有利に施用又は混合される。
【0054】
環境衛生の分野においては、上記化合物は、特にイエバエ、サシバエ、ミズアブ、ノサシバエ、メクラアブ、ウマバエ、ユスリカ、ヌカカ、ブユ又は蚊等の汚物バエ又はその他の双翅類害虫等の多くの昆虫の防除に特に有用である。
【0055】
穀物又は小麦粉を含めた穀類、落花生、動物飼料、木材又は例えばカーペット及び織物等の家庭用品などの貯蔵製品の保護においては、本発明の化合物は、節足動物、特に、例えばエフェスチア属種(Ephestia spp.)(スジコナマダラメイガ)、アンスレヌス属種(Anthrenus spp.)(カツオブシムシ)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)(コクヌストモドキ)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)(穀物ゾウムシ)、又はアカルス属種(Acarus spp.)(ダニ)等のゾウムシ、蛾又はダニを含めた甲虫よる攻撃に対して有用である。
【0056】
侵入された家屋又は産業用建物におけるゴキブリ、アリ又はシロアリ又は類似の節足動物害虫の防除において、或いは水路、井戸、貯水池又はその他の流水又は静水における蚊の幼虫の防除において有用である。
【0057】
シロアリ(termites)、例えば、レチクリテルメスspp.(Reticulitermes spp.)、ヘテロテルメス(Heterotermes spp.)、コプトテルメス(Coptotermes spp.)による建造物への攻撃の予防における土台、構造体又は土壌の処理のために有用である。
【0058】
更に、本発明の化合物は、工業材料を破壊する昆虫に対して高い殺虫作用を示すことが見出された。
【0059】
好ましい非制限的な例として、次の昆虫が挙げられる。
甲虫(Beetle)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロフォルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコミス(Ptilinus pecticomis)、デンドロビウム・ペルチネクス(Dendrobium pertinex)、エモビウス・モリス(Emobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、ライクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、ライクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、ライクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、ライクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、ライクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンセス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン種(Sinoxylon spec.)、ディノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
膜翅目(Hymenoptera)、例えば、シレクス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグア(Urocerus augur);
シロアリ(termites)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ゾーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ(Silverfish)、例えばレピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0060】
本明細書内においては、工業材料は、好ましくは、プラスチック、接着剤、にかわ、紙及び厚紙、なめし革、木材、木製品及び塗料等の非生物を意味するものと理解される。
【0061】
同時に、本発明の化合物は、対象、特に海水又は汽水と接触する船体、仕切板、網、建物、埠頭及び信号設備の付着物に対する保護のために使用することができる。
【0062】
更に、本発明の化合物は、他の防汚剤として活性な化合物と共に使用することができる。
【0063】
上記活性化合物は、家庭、衛生及び貯蔵保護におけるズーペスト(zoopests)、特に共同住宅、作業場、事務室、車室等の閉鎖された空間に出現する昆虫、蛛形類及びダニの防除に適している。それらは、これらの害虫の防除用の家庭殺虫製品中に、単独で、又はその他の活性化合物及び助剤と共に使用することができる。それらは、感受性種及び耐性種に対して、並びにすべての発達段階に対して活性である。これらの害虫には次のものが含まれる。
サソリ目(Scorpionidea)、例えばブツス・オクシタヌス(Buthus occitanus)。
ダニ目(Acarina)、例えばナガヒメダニ(Argas persicus)、鳩扁ダニ(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、ニワトリダニ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニソドラス・モウバタ(Ornithodorus moubat)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレデュゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae)。
真正クモ目(Araneae)、例えばアビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae)。
ザトウムシ目(Opiliones)、例えばシュードスコルピオネス・ケリファ(Pseudoscorpiones chelifer)、シュードスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium)。
等脚目(Isopoda)、例えば、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ワラジムシ(Porcellio scaber)。
倍脚目(Diplopoda)、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムスspp.(Polydesmus spp.)。
唇脚目(Chilopoda)、例えば、ゲオフィルスspp.(Geophilus spp.)。
シミ目(Zygentoma)、例えば、クテノレピスマspp.(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)。
ゴキブリ目(Blatteria)、例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalies)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラspp.(Panchlora spp.)、パルコブラッタspp.(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルンネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノーサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)。
サルタトリア(Saltatoria)目、例えば、アケタ・ドメスチクス/ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)。
革翅目(Dermaptera)、例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)。
等翅目(Isoptera)、例えば、カロテルメスspp.(Kalotermes spp.)、レチクリテルメスspp.(Reticulitermes spp.)。
チャタテムシ目(Psocoptera)、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリスspp.(Liposcelis spp.)。
鞘翅目(Coleoptera)、例えば、アンスレヌスspp.(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメテス属種(Dermestes spp.)、ラセチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)。
双翅目(Diptera)、例えば、アエデス・アエギプティ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾーナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファスシアツス(Culex quinquefasciatus)、アカイエカ(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィア属種(Drosophila spp.)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、イエバエ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウムspp.(Simulium spp.)、馬小屋ハエ(Stomoxys calcitrans)、ガガンボ(Tipula paludosa)。
鱗翅目(Lepidoptera)、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネア・ビセリエリア(Tineola bissellielia)。
ノミ目(Siphonaptera)、例えば、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、トゥンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピズ(Xenopsylla cheopis)。
膜翅目(Hymenoptera)、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)。
シラミ目(Anoplura)、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグスspp.(Pemphigus spp.)、フィロエラ・バスタトリクス(Phylloera vastatrix)、フティルス・ピュビス(Phthirus pubis)。
異翅目(Heteroptera)、例えば、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロドニウス・プロリクス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0064】
家庭殺虫剤セクターにおける使用は、単独で、又はホスフェート、カルバメート、ピレスロイド、ネオニコチノイド、成長調節剤などの適切な活性化合物、又は他の周知のクラスの殺虫剤による活性化合物と共に実施される。
【0065】
エアロゾル、非加圧式噴霧剤、例えば、ポンプ式噴霧及びダスチング噴霧(dusting sprays)、ネブライザー、霧吹き、フォーマー(foamer)、ゲル、セルロース若しくはプラスチックの蒸発用プレートレット付の蒸発用製品、液体蒸発装置、ゲル及び膜の蒸発装置、プロペラ駆動式の蒸発装置、無エネルギー若しくは受動的な蒸発システム、ハエ捕り紙、ハエ捕り器、及びハエ捕りゲル(fly gel)と共に、顆粒又は粉末として、まき餌又は餌置き場で使用が実施される。
【0066】
例えば、ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens)(オオタバコガ)、ヘリオシス・アルミゲラ(Heliothis armigera)及びヘリオシス・ゼア(Heliothis zea)等のヘリオシス属種(Heliothis spp.)等の鱗翅目(Lepidoptera)(蝶及び蛾)の成虫、幼虫及び卵に対する農業において。例えば、グランジス(grandis)(メキシコワタノミゾウムシ)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)(コロラドハムシ)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)(コーンルートワーム)等のアントノムス属種(Anthonomus spp.)等の鞘翅目(Coleoptera)(甲虫)の成虫及び幼虫に対して。例えば、キジラミ属種(Psylla spp.)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、トリアレウロデス属種(Trialeurodes spp.)、アイフィス属種(Aphis spp.)、ミズス属種(Myzus spp.)、メゴウラ・ヴィシアエ(Megoura viciae)、ピロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ネフォテッチキス属種(Nephotettix spp.)(ツマグロヨコバイ)、ニラパルバタ属種(Nilaparvata spp.)等の異翅類(Heteroptera)(半翅目及び同翅目)に対して。
例えばムスカ属種(Musca spp.)等の双翅目(Diptera)に対して。トリプス・ダバシ(Thrips tabaci)等のアザミウマ目(Thysanoptera)に対して。ロクスタ(Locusta)及びシストセラ属種(Schistocerca spp.)、(バッタ及びコオロギ)、例えば、グリルス属種(Gryllus spp.)、及びアケタ属種(Acheta spp.)、例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blatella germanica)、ロクスタ・ミグラトリア・ミグラトリオイデス(Locusta migratoria migratorioides)、及びシストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)等の直翅目(Orthoptera)に対して。例えば、ペリプラネタ属種(Periplaneta spp.)及びブラッテラ属種(Blatella spp.)(ゴキブリ)等のトビムシ目(Collembola)に対して。
ダニ類(ダニ)、例えば、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、及びパノニクス属種(Panonychus spp.)等の農業的に重要な節足動物に対して。
直接に、又は細菌性、ウイルス性、マイコプラズマ若しくは真菌性の植物疾患をまん延させることによってのいずれかで、農業、森林又は園芸に重要な植物又は木を攻撃する線虫(Nematodes)に対して。例えば、メロイドジン属種(Meloidogyne spp.)(例えばメロイドジン・インコグニタ(M. incognita))等の根瘤線虫(root-knot nematodes)。
脊椎動物、特に牛、羊、山羊、馬、豚、家禽、犬又は猫等の家畜等の温血脊椎動物に内部寄生又は外部寄生する節足動物、例えば、マダニ(tick)を含めたダニ類(Acarina)(例えば、アルガシダエ属種(Argasidae spp.)、例えばアルガス属種(Argas spp.)及びオルニソドルス属種(Ornithodorus spp.)(例えばオルニソドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata))を含めた軟体ダニ(soft-bodied tick));イキソディダエspp.(Ixodidae spp.)、例えばボーフィルスspp.(Boophilus spp.)、例えばボーフィルス・ミクロプラス(Boophilus microplus)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、例えばリピセファルス・アペンディクラトゥス(Rhipicephalus appendiculatus)及びリピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)を含めた堅体ダニ(hard-bodied tick);ダニ類(mite)(例えばダマリニア属種(Damalinia spp.));ノミ(flea)(例えばクテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、例えばネコノミ(Ctenocephalides felis)(ネコノミ)及びイヌノミ(Ctenocephalides canis)(イヌノミ));シラミ(lice)、例えばメノポン属種(Menopon spp.);双翅目(Diptera)(例えばアエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.));半翅目(Hemiptera);網翅目(Dictyoptera)(例えばペリプラネタ属種(Periplaneta spp.)、ブラッテラ属種(Blatella spp.));膜翅目(Hymenoptera)に対しての;及び、例えば寄生線虫(parasitic nematode worm)、例えば毛様線虫(Trichostrongylidae)のファミリーのものによって引き起こされた消化管の感染に対しての動物薬、又は家畜飼育の分野において、又は環境衛生の維持において。
【0067】
好ましい本発明の一態様においては、式(I)の化合物又はその塩は、動物の寄生虫の防除に使用される。好ましくは、治療すべき動物は、犬又は猫等の家庭用ペットである。
【0068】
防除すべき寄生虫には次のものが含まれる。
シラミ目(Anoplurida)、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペディキュルス属種(Pediculus spp.)、フィチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)。
ハジラミ目(Mallophagida)及びアムブリセリナ(Amblycerina)亜目及びイシノセリナ(Ischnocerina)亜目、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコーラ属種(Bovicola spp.)、ウエルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコーラ属種(Felicola spp.)。
双翅目(Diptera)及びネマトセリナ(Nematocerina)亜目及びブラキセリナ(Brachycerina)亜目、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレキス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイア属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミア属種(Chrysomyia spp.)、ウオルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒッポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファグス属種(Melophagus spp.)。
ノミ目(Siphonapterida)、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp)。
異翅目(Heteropterida)、例えば、シメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.)。
ゴキブリ目(Blattarida)、例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、チャバネゴキブリ(Blattela germanica)、スペラ属種(Supella spp.)。
ダニ亜綱(Acari)(ダニ(Acarina))及びメタスチグマタ(Metastigmata)目及びメソスチグマタ(Mesostigmata)目、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニソドラス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、ボーフィルス属種(Boophilus spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.)。
アクチネジダ(Actinedida)目(プロスチグマタ(Prostigmata))及びアカリジダ(Acaridida)目(アスチグマタ(Astigmata))、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニソケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロフォルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリカス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0069】
構造式(I)の本発明の化合物は、牛、羊、山羊、馬、豚、ロバ、ラクダ、野牛、ウサギ、鶏、シチメンチョウ、雌アヒル、雌ガチョウ、ミツバチ等の家畜、犬、猫、愛玩鳥、観賞魚等のその他の家畜、並びにハムスター、モルモット、ラット及びマウス等のいわゆる実験動物に影響を及ぼす節足動物の防除にも適している。これらの節足動物の防除によって、死亡率、及び性能損失(肉、乳、羊毛、皮、卵、みつ等における)が減少し、そのために、より経済的且つより簡単な畜産業が、本発明の化合物の使用によって可能になる。
【0070】
獣医セクター及び畜産業における上記活性成分の使用は、例えば、錠剤、カプセル、飲料、潅注、顆粒、ペースト、ボリ(boli)、フィードスループロセス(the feed-through process)、座剤等の形態の腸内投与による、例えば、注射(とりわけ、筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内)、インプラントによる非経口的投与による、経鼻投与による、例えば、ディッピング、噴霧、ポアオン(pour-on)及びスポットオン(spot-on)、洗浄、粉ふりの形態での経皮投与による、及び、首輪、耳標、尾標、足バンド、端綱、マーキングディバイス(marking device)等の活性化合物を含む器具の利用による周知の手段によって実施される。
【0071】
牛、家禽、家畜等における使用においては、構造式(I)の活性化合物を、活性化合物を含む処方物(例えば、粉末、乳剤、流動性のある薬剤(flowable agent))として、1〜80重量%の量で、直接的に、又は100〜10,000倍に希釈後に、又は薬浴として使用することができる。
【0072】
更なる本発明の一態様においては、式(I)の化合物又はその塩又は組成物は、動物薬の調製に使用される。
【0073】
上記に名前を挙げられた害虫には、例えば次のものが含まれる。
シラミ目(Anoplura)(フチラプテラ(Phthiraptera))、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
クモ形綱(Arachnida)、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドーニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アキュルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニスス・カリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラトゥス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici)。
双殻網(Bivalva)、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
唇脚目(Chilopoda)、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.)。
鞘翅目(Coleoptera)、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルチジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパシ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメテス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・パジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポセネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノラルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサンソグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシロイデ・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾポルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノフォルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シムフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)。
トビムシ目(Collembola)、例えば、オニチウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
革翅目(Dermaptera)、例えば、ホルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
倍脚目(Diplopoda)、例えば、ブラニウルス グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
双翅目(Diptera)、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリフォラ・エリスロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルディロビア・アンスロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレキス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィア属種(Drosophila spp.)、ファニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオスシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウオルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.)。
腹足綱(Gastropoda)、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デルコセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
蠕虫綱(Helminth)、例えば、アンシロストマ・デュオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・ケイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アンシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギアマライイ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、肝吸虫属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ディクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ディクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ディフィロボスリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロンギルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア糸状虫(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピスソルキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、肺吸虫属種(Paragonimus spp.)、シキストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・シュードプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロンギルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
更に、アイメリア(Eimeria)等の原生動物(protozoa)を防除しうる。
異翅目(Heteroptera)、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリッサス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロムマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメクス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ディルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘウェッチ(Diconocoris hewetti)、デイスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウスキスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロッサス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカバツス(Macropes excavatus)、メクラカメムシ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、シューダシスタ・パルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノフォラ属種(Scotinophora spp.)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
同翅目(Homoptera)、例えば、アシルソシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア(Aeneolamia spp.)、アゴノスセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アロウロスリクス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルデュイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アウピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルスム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリギポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキル(Chlorita onukil)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカデュリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアフォリナ属種(Diaphorina spp.)、ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ディサフィス属種(Dysaphis spp.)、ディスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エムポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリスロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウスケリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコックス・コッフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセルヤ属種(Icerya spp.)、イディオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファキス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ディロドゥム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネフォテッチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルセジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラツリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パッセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、シューダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、シュードコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカホイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、スキザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピドゥス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マレイエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カルヤエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ヴィテウス・ヴィティフォリイ(Viteus vitifolii)。
膜翅目(Hymenoptera)、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.)。
等脚目(Isopoda)、例えば、アルマジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスカス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
等翅目(Isoptera)、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)。
鱗翅目(Lepidoptera)、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラスラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブクラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アムビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアロアス・インスルナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオシス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・シュードスプレテラ (Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランダルデラ(Lithocolletis blancardella)、リソファネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミティムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレア(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、シュードアレチア属種(Pseudaletia spp.)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テェルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トリトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
直翅目(Orthoptera)、例えば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ グレガリア(Schistocerca gregaria)。
ノミ目(Siphonaptera)、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
シンフィラ目(Symphyla)、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)。
アザミウマ目(Thysanoptera)、例えば、バリオスリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオスリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオスリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、リピフォロスリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シスロトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオスリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、スリプス属種(Thrips spp)。
シミ目(Thysanura)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0074】
植物寄生性線虫には、例えば、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノアイムス属種(Belonoaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリオコチレンクス属種(Heliocotylenchus spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メオイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、ティレンコイリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、ティレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)が含まれる。
【0075】
本発明の構造式(I)の化合物は、特にアブラムシ(例えば、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)及びモモアカアブラムシ(Myzus persicae))、甲虫の幼虫(例えば、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae))、蝶の毛虫(例えば、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、スポドプテラ・エキシグア(Spodoptera exigua)及びスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))に対する強い作用によって特徴付けられる。
【0076】
本発明の化合物は、場合によっては、一定の濃度又は施用量で、除草剤、セーフナー、成長調節剤、又は植物性質改良用薬剤として、又は例えば殺菌剤、抗真菌剤、殺細菌剤、殺ウイルス剤(ウイロイドに対する薬剤を含む)等の殺菌剤として、又はMLO(マイコプラズマ様微生物)及びRLO(リッケチア様微生物)に対する薬剤として使用することもできる。それらは、場合によっては、更なる活性化合物の合成用の中間体又は前駆体として使用することもできる。
【0077】
本発明によれば、すべての植物及び植物部位を処置しうる。植物は、本明細書により、望ましい及び望ましくない野生植物又は培養変種(自然の培養変種を含む)等のすべての植物及び植物群を意味すると理解される。培養変種は、形質転換植物を含め、植物種保護権により保護し得る又は保護し得ない植物種を含めた、通常の育種及び最適化方法、又は生物工学、又は遺伝子工学方法、又はそれらの方法の組合せによって得ることができる植物でよい。植物部位は、例えば、葉、針状葉、柄、茎、花、子実体、果実、及び種子、並びに根、球根、根茎等の接ぎ穂、葉、花及び根等の、すべての地上及び地下の植物の部位及び器官であると理解される。収穫作物並びに栄養繁殖及び生殖の材料、例えば、切り枝、球根、根茎、苗条、及び種子も、植物部位に属する。
【0078】
節足動物、特に昆虫若しくはダニ類等の蛛形類、又は植物の線虫害虫等の蠕虫の防除のための実用においては、一方法は、例えば、有効量の本発明の化合物の、植物への又はそれらが生育する培地への施用を含む。このような方法については、本発明の化合物は、一般的に、処置すべき場所1ヘクタール当たり、活性化合物の約2g〜約1kgの範囲の有効量で節足動物又は線虫の発生を防除すべき場所に施用される。理想的な状況下では、防除すべき害虫によって、より低い施用量が十分な保護を提供しうる。一方、悪天候、害虫の耐性、又は他の要因は、活性成分がより高い施用量で使用されることを必要としうる。最適な施用量は、通常、いくつかの要因、例えば、防除すべき害虫のタイプ、被害植物のタイプ又は成長段階、種の列の間隔又は施用方法による。好ましくは、活性化合物の有効施用量範囲は、約10g/ヘクタール〜約400g/ヘクタール、より好ましくは約50g/ヘクタール〜約200g/ヘクタールである。
【0079】
害虫が、土壌介在性である場合、一般的に処方組成物の活性化合物は、処理(例えば、散布又は帯状処理)すべき範囲に任意の好都合な方法で一様に分散され、約10g/ヘクタール〜約400g ai/ヘクタール、好ましくは約50g/ヘクタール〜約200g ai/ヘクタールの施用量で施用される。苗への根のディッピング又は植物への細流灌漑として施用される場合、液体溶液又は懸濁液は、約0.075〜約1000mg ai/l、好ましくは約25〜約200mg ai/lを含む。施用は、必要に応じて、畑又は作物が生えている地面に広く、又は攻撃から保護すべき種子又は植物に近接して実施することができる。本発明の化合物は、地面の上に水と一緒に噴霧することによって土壌に浸み込ませることができ、或いは降雨の自然の作用にゆだねることができる。施用中又は施用後、処方された化合物は、必要に応じて、機械的に、例えば、耕作、円板鋤での耕作、又はドラッグチェーンの使用によって、土中に分散することができる。施用は、種まき前、種まき時、種まき後で発芽が生じる前、又は発芽後でよい。
【0080】
本発明の化合物及びそれを用いた害虫の防除方法は、野原、飼料、企業農業、温室、果樹園又はブドウ園の作物、観賞植物、又はプランテーション若しくは森林樹、例えば、穀物(小麦又は米等)、綿、野菜(コショウ等)、畑作物(砂糖大根、大豆又はアブラナ等)、草原又は飼料作物(トウモロコシ又はソルガム等)、果樹園又は柑橘類の果樹園(石果又はピットフルーツ(pit fruit)又は柑橘類等)、温室での又は庭園若しくは公園の観賞植物、花若しくは野菜若しくは低木、又は森林、プランテーション若しくは苗床の森林樹(落葉樹及び常緑樹の両方)の保護において特に重要である。それらは、例えば、ハバチ又は甲虫又はシロアリ等からの攻撃からの木材(立木、倒木、加工された木、貯蔵された木又は構造物の木)の保護においても有用である。
【0081】
それらは、丸ごと、粉砕して、又は製品に練り込んで、穀類、果実、堅果、香辛料又はタバコ等の貯蔵製品の、蛾、甲虫、ダニ又は穀物ゾウムシの攻撃からの保護における用途を有する。また、天然又は加工された形態(例えばカーペット又は織物として)での皮、毛、羊毛又は羽毛等の貯蔵畜産物を蛾又は甲虫の攻撃から、並びに貯蔵された肉、魚又は穀物を甲虫、ダニ又はハエの攻撃から保護する。
【0082】
更に、本発明の化合物及びその使用方法は、例えば、前述したような家畜に対して有害で、又は広がる、又は媒介動物として作用する節足動物又は蠕虫の防除において、及びより詳しくは、マダニ、ダニ類、シラミ、ノミ、ユスリカ、又はサシバエ、ニューサンスフライ(nuisance flies)、ハエウジ病のハエ(myiasis flies)の防除においてとりわけ有用である。本発明の化合物は、宿主家畜内に存在する、又は皮膚中又は皮膚上で餌を採る、又は動物の血液を吸う節足動物又は蠕虫の防除において特に有用であり、その目的のためには、それらを、経口で、非経口で、経皮的に又は局所的に投与することができる。
【0083】
育成中の作物又は生えている場所への施用のために、又は種子粉衣として以下に記載される組成物は、一般的に、代わりに、貯蔵製品、家庭用品、一般的な環境の性質又は領域の保護に使用することができる。本発明の化合物の適切な適用には、次のものが含まれる。
葉面散布剤(例えば、畝間散布剤(in-furrow spray)として)、微粉、顆粒、霧又は泡として、又は微粉化した、又はカプセル化した組成物の懸濁液として、液体潅注、微粉、顆粒、霧又は泡による土壌又は根処理として成長中の作物に対して;液体スラリー又は微粉による、種子粉衣としての適用により作物の種子に対して;
例えば、飼料、又は適切な経口摂取可能な製剤処方、食餌、家畜用岩塩、栄養補助食品、ポアオン処方剤、スプレー、入浴、ディップ、シャワー、ジェット(jet)、微粉、グリース、シャンプー、クリーム、ワックススメアー(wax smears)又は家畜自己処理システムへの組み込みによって、活性成分が、節足動物又は蠕虫に対して、ある期間にわたって、即効の、及び/又は長期の作用を示す組成物の非経口の、経口の、又は局所の適用によって、節足動物又は蠕虫が発生した又は発生に瀕した動物に対して;
スプレー、霧、微粉、煙、ワックススメアー、ラッカー、顆粒又は餌として、又は水路、井戸、貯水池又は他の流水若しくは静水への細流供給中に、一般の環境に対して、又は貯蔵製品、材木、家庭用品、又は家屋若しくは工場建物を含めて、害虫が潜む特定の場所に対して。
【0084】
式(I)の化合物又はその塩は、経口で適用された場合、動物の寄生虫の防除に特に有用であり、更に好ましい本発明の一態様においては、式(I)の化合物又はその塩が、経口適用によって、動物の寄生虫の防除に使用される。式(I)の化合物又はその塩は、食前、食中又は食後に投与することができる。式(I)の化合物又はその塩は、担体及び/又は食料品と混合することができる。
【0085】
式(I)の化合物又はその塩は、動物の体重1kg当たり式(I)の化合物又はその塩の一般的に0.1〜500mg/kgの用量範囲で、動物に対する用量で経口で投与される(mg/kg)。
【0086】
式(I)の化合物又はその塩で処置すべき動物、好ましくは家畜の処置の頻度は、一般的に、約1週に1回から約1年に1回、好ましくは約2週間に1回から3カ月に1回である。
【0087】
本発明の化合物は、内部寄生虫駆除剤、及び/又は外部寄生虫駆除剤、及び/又は内部外部寄生虫駆除剤等の別の寄生虫駆除に有効な物質と一緒に、最も有利に投与することができる。例えば、このような化合物には、例えばイベルメクチン、ピラテル等のアベルメクチン又はミルベマイシン等の大環状ラクトン、又はルフェヌロン又はメトプレン等の昆虫成長調整剤が含まれる。
【0088】
式(I)の化合物又はその塩は、周知の遺伝子組換えの植物又は開発予定の遺伝子組換えの植物の作物の害虫の防除にも使用できる。一般に、遺伝子導入植物は、例えば、特定の作物保護剤に対する耐性、植物病害、又は昆虫、又は真菌、細菌又はウイルス等の微生物等の植物病害の病原体に対する耐性等の特に有利な性質で区別される。他の特定の性質は、例えば、数量、品質、貯蔵特性、組成物及び固有成分に関する収穫素材に関係する。従って、デンプン含有量が増加する、又はデンプン品質が変更される、又は収穫素材が異なる脂肪酸組成物を有する遺伝子導入植物が知られている。
【0089】
遺伝子工学改変によって、特に有利な有益な性質(「形質」)をこれらの植物に与える遺伝物質を得たすべての植物は、好ましくは本発明に従って処置されるべき遺伝子導入(遺伝子工学で得られた)植物、又は植物種に属する。このような性質の例は、改良された植物成長、高温又は低温に対する増加した耐性、干ばつに対する、又は水又は土壌の塩含有率に対する増加した耐性、改良された開花実績、単純化された収穫、熟成促進、増加した収穫高、改良された品質及び/又は作物の栄養的価値、作物のより良い貯蔵寿命及び/又は加工である。このような性質の更なる特に強調される例は、昆虫、ダニ、病原性植物真菌、細菌及び/又はウイルスに対する等の、ズーペスト及び微生物害虫に対する増加した植物の耐性、並びに特定の除草剤に対する増加した植物の耐性である。このような遺伝子導入植物の例は、穀類(小麦、米)、トウモロコシ、大豆、ジャガイモ、サトウダイコン、トマト、エンドウ、及び他の野菜種、綿、タバコ、セイヨウアブラナ等の重量な栽培型植物、並びに果実植物(果実のりんご、梨、柑橘類の果実及びブドウを含む)であり、それによってトウモロコシ、大豆、ジャガイモ、綿、タバコ及びセイヨウアブラナが特に強調される。特に強調される性質(「形質」)は、植物中(下文に「Bt植物」として知られる)に形成される毒素、特に、バチルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9cCry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せからの)からの遺伝物質によって植物中に産生されるものを通しての、昆虫、線虫及び腹足類に対する増加した植物の耐性である。また、性質(「形質」)として特に強調されるのは、全身獲得抵抗性(SAR)を通しての真菌、細菌及びウイルスに対する増加した植物の耐性、システミン、フィトアレキシン、誘導因子及び耐性遺伝子及び対応して発現されたタンパク質及び毒素である。更なる特に強調される性質(「形質」)は、特定の活性な除草剤化合物、例えばイミダゾリノン、スルホニル尿素、グリホセート又はホスフィノトリシン(例えば「PAT」−遺伝子)に対する増加した植物の耐性である。所望の性質(「形質」)を与えるそれぞれの遺伝子は、遺伝子導入植物においても互いに組み合わさって生じうる。このような「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えばトウモロコシ、綿、大豆)、KnockOut(登録商標)(例えばトウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えばトウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(綿)、Nucotn(登録商標)(綿)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商標で市販されているトウモロコシ品種、綿品種、大豆品種及びジャガイモ品種である。除草剤に耐性のある植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリフォセートに対する耐性、例えばトウモロコシ、綿、大豆)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン(phosphinotricin)に対する耐性、例えばセイヨウアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノンに対する耐性)及びSTS(登録商標)(スルホニル尿素に対する耐性、例えばトウモロコシ)の商標で市販されているトウモロコシ品種、綿品種、大豆品種である。除草剤に耐性のある(除草剤耐性用に伝統的な方法で作り出された)植物として記載されるのは、Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)の商標で市販されている品種である。当然ながら、これらの記述は、これらの遺伝的性質(「形質」)又は将来開発されるものを有する、将来開発される、又は市販される植物品種にも適用する。
【0090】
有用な植物及び観賞植物、例えば、小麦、大麦、ライ麦、エンバク、アワ、米等の穀類、キャッサバ、及びトウモロコシ等の経済的に重要な遺伝子組換え作物、或いはその他のサトウダイコン、綿、大豆、アブラナ、ジャガイモ、トマト、エンドウ、及び他のタイプの野菜の作物における使用が好ましい。
【0091】
遺伝子組換え作物、特に昆虫に対して耐性を有するものに使用される場合、他の作物に認められる害虫に対する効果に加えて、例えば、制御しうる変更された又は特異的に広げられた害虫のスペクトル、或いは施用に使用できる変更された施用量等の、問題の遺伝子組換え作物への適用に特異的な効果がしばしば認められる。
【0092】
本発明は、従って、遺伝子組換え作物植物における害虫を防除するための、式(I)の化合物又はその塩の使用も対象とする。
【0093】
更なる本発明の一特徴によれば、1種又は複数の相溶性の、農薬として許容される希釈剤又は担体及び/又は界面活性剤と一緒になった、好ましくは均一に分散された、上記に定義された1種又は複数の本発明の化合物を含む農薬組成物が提供される[即ち、農薬組成物における使用に適しているとして当技術分野で一般的に許容され、本発明の化合物と相溶性のあるタイプの希釈剤又は担体及び/又は界面活性剤]。実際には、本発明の化合物は、最も頻繁に組成物の一部を形成する。これらの組成物は、節足動物、特に昆虫、及びダニ等の蛛形類、又は植物線虫等の蠕虫を防除するのに使用することができる。上記組成物は、任意の建物又は屋内又は屋外領域での所望の害虫への施用に適した、当技術分野で周知の任意のタイプのものでもよい。これらの組成物は、例えば、目的の用途に適した、農学的に、又は医学的に許容しうる、固体、又は液体の担体、又は希釈剤、補助剤、界面活性剤等である、1種又は複数の他の相溶性の成分と組み合わせて、又は関連して、活性成分として少なくとも1種の本発明の化合物を含む。当技術分野で周知の任意の方法で調製できるこれらの組成物は、同様に本発明の一部を形成する。
【0094】
本発明の化合物は、その市販入手可能な処方において、またこれらの処方から調製した使用形態において、殺虫剤、誘引剤、滅菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺真菌剤、成長調節物質、又は除草剤等の他の活性物質との混合物中に存在してよい。
【0095】
農薬には、例えば、リン酸エステル、カルバメート、カルボン酸エステル、ホルムアミジン、スズ化合物、及び微生物により産生された物質が含まれる。
【0096】
殺菌剤:
核酸合成阻害剤
ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、キララキシル(chiralaxyl)、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メタラキシル、メタラキシル−M、オフレース、オキサジキシル、オキソリン酸
有糸分裂及び細胞分裂の阻害剤
ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミス(zoxamis)
呼吸複合体Iの阻害薬
ジフルメトリム
呼吸複合体IIの阻害薬
ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド(penthiopyrad)、チフルザミド
呼吸複合体IIIの阻害薬
アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン(enestrobin)、ファモキサドン、フェナミドン、フルオキサストロビン、クレソシキム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピラクロストロビン、ピコキシストロビン
デカップラー
ジノカップ、フルアジナム
ATP産生阻害薬
フェンチンアセテート、フェンチンクロリド、フェンチンヒドロキシド、シルチオファム
アミノ酸及びタンパク質の生合成の阻害剤
アンドプリム、ブラストサイジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、カスガマイシンヒドロクロライド水和物、メパムピリム、ピリメタニル
シグナル変換の阻害剤
フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン
脂肪及び膜合成の阻害薬
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン
アンプロピルホス、アンプロピルホス−カリウム、エジフェンホス、イプロベンホス(IBP)、イソプロチオラン、ピラゾホス
トルクロホス−メチル、ビフェニル
ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロカモカルブ塩酸塩
エルゴステロール生合成の阻害剤
フェンヘキサミド、
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ボリコナゾール(voriconazole)、イマザリル、イマザリル流酸塩、オキシポコナゾール、フェナリモール、フルルプリミドール、ヌアリモール、ピリフェノックス、トリフォリン、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、ビニコナゾール、
アルジモルフ、ドデモルフ、ドデモルフ酢酸塩、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン、
ナフチフィン(naftifin)、ピリブチカルブ、テルビナフィン(terbinafin)
細胞壁合成の阻害剤
ベンチアバリカルブ、ビアラホス、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、ポリオキシン、ポリオキソリム、バリダマイシンA
メラニン生合成の阻害剤
カプロパミド(capropamide)、ジクロシメット、フェノキサニル、フタライド、ピロキロン、トリシクラゾール
耐性導入
アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル
多部位
カプタホール、キャプタン、クロロサロニル、銅塩:水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、(ドジン遊離塩基)、ファーバム、フルオロフォルペット(fluorofolpet)、グアザチン、グアザチン酢酸塩、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンコッパー、マンゼブ、マンネブ、メチラム、メチラム亜鉛、プロピネブ、ポリ硫化カルシウム含有硫黄及び硫黄製剤、チラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム
【0097】
未知の機構
アミブロムドル(amibromdol)、ベンチアゾール(benthiazole)、ベトキサジン(bethoxazin)、カプシマイシン、カルボン、キノリンメチオネート(quinoline methionate)、クロロピクリン、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメット、デバカルブ、ジクロメジン、ジクロロフェン、ジクロラン、ジフェンゾコート、ジフェンゾコートメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エタボキサム、フェリムゾン、フルメトバー、フルスルファミド、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオロイミド、ヘキサクロロベンゼン、8−ヒドロキシキノリンスルフェート、イルママイシン、メタスルホカルブ、メトラフェノン、メチルイソチオシアネート、ミルディオマイシン、ナタマイシン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、オクチリノン、オキサモカルブ、オキシフェンチイン、ペンタクロロフェノール及び塩、2−フェニルフェノール及び塩、ピペラリン、プロパノシン−ナトリウム、プロキナジド、ピロールニトリン、キントゼン、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、ザリルアミド(zarilamide)及び2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド、2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]エチリデン]アミノ]オキシ]メチル]フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン(185336−79−2)、メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート、3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル、メチル2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)−ベンズアセテート、4−クロロ−α−プロピニルオキシ−N−[2−[3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル]エチル]−ベンズアセトアミド、(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−N−[(1R)−1,2,2−トリメチルプロピル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、5−クロロ−N−[(1R)−1,2−ジメチルプロピル]−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル−2,4−ジクロロニコチンアミド、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピルベンゾピラノン−4−オン、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジルルオロフェニル]メチル}−2−ベンズアセタミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシベンズアミド、2−[[[[1−[3(1フルオロ−2−フェニルエチル)オキシ]フェニルエチリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−αE−ベンズアセタミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボン酸、O−[1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル]−1H−イミダゾール−1−カルボチオ酸、2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセタミド
【0098】
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び別の銅調製物。
【0099】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤
カルバマート、
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メトミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカルブ、プロメカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート
有機リン酸塩、
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、アルモフォス−エチル(aromophos-ethyl)、アロモフェンビンホス(−メチル)(aromfenvinfos(-methyl))、オータチオホス(autathiofos)、カズサホス、カルボフェノチオン、クロレトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルホス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス(etrimfos)、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロピルO−サリシレート、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェンホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キナルホス、セブホス、スルホテップ、スルプロホス、テブピリミホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン
【0100】
ナトリウムチャネルモジュレーター/電圧依存性ナトリウムチャネルブロッカー
ピレスロイド、
例えば、アクナトリン、アレスリン(d−cis−trans、d−trans)、β−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン、cis−シパルメトリン、cis−レスメトリン、cis−ペリメトリン、クロシトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α−、β−、θ−、ζ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピレトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス、γ−シハルトリン、イミプロトリン、カデトリン、λ−シハルトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(cis−、trans−)、フェノトリン(1R−trans異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(−1R−異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901、ピレトリン類(ピレトラム(pyrethrum))
DDT
オキサジアジン、
例えば、インドキサカルブ
【0101】
アセチルコリン受容体アゴニスト/アンタゴニスト
クロロニコチニル、
例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロピド、チアメトキサム
ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ
【0102】
アセチルコリン受容体モジュレーター
スピノシン、
例えば、スピノサド
【0103】
GABA制御塩化物チャネルアンタゴニスト
有機塩素、
例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル
フィプロール、
例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール
【0104】
塩化物チャネル活性化剤
メクチン系、
例えば、アバメクチン、エマメクチン、エマメクチン−安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベマイシン
幼若ホルモンミメティクス、
例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン
【0105】
エクジソンアゴニスト/ディスラプター
ジアシルヒドラジン、
例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド
【0106】
キチン生合成阻害薬
ベンゾイル尿素、
例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン
ブプロフェジン
シロマジン
【0107】
酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
ジアフェンチウロン
有機スズ化合物、
例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ
【0108】
H−プロトン勾配を遮断することにより作用する酸化的リン酸化デカップラー
ピロール、
例えば、クロルフェナピル
ジニトロフェノール、
例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC
【0109】
サイト−I電子伝達阻害薬
METI’s、
例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド
ヒドラメチルノン
ジコホル
【0110】
サイト−II電子伝達阻害薬
ロテノン
【0111】
サイト−III電子伝達阻害薬
アセキノシル、フルアクリピリム
【0112】
昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
【0113】
脂肪合成阻害薬
テトロン酸、
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン
テトラミン酸、
例えば、スピロテトラマト(CAS−Reg.−No.:203313−25−1)及び3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカルボナート(別名:カルボン酸3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS−Reg.−No.:382608−10−8)
カルボキサミド、
例えば、フロニカミド
オクトパミンアゴニスト、
例えば、アミトラズ
【0114】
マグネシウム刺激ATPアーゼ阻害薬、
プロパルギット
安息香酸ジカルボキサミド、
例えば、フルベンジアミド
ネライストキシン類似体、
例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩、チオスルタップ−ナトリウム
【0115】
リアノジン受容体のアゴニスト、
安息香酸ジカルボキサミド、
例えば、フルベンジアミド
【0116】
生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン
アザジラクチン、バシルス種(Bacillus spec.)、ベアウベリア種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス種(Paecilomyces spec.)、ツリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム種(Verticillium spec.)
【0117】
作用機序が知られていないか又は特定されていない活性化合物
燻蒸剤、
例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル
摂食阻害薬、
例えば、氷晶石、フロニカミド、ピメトロジン
ダニ成長阻害薬、
例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス
アミドフルメト、ベンクロチアズ、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン、シクロプレン、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン、ゴシプルレ、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン
【0118】
除草剤、肥料、成長調節剤、セーフナー、情報化学物質等の他の周知の活性化合物との、或いは植物性質の改良用の薬剤との混合も可能である。
【0119】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用される場合に通常の市販の処方中に、並びに共力剤との混合においてこれらの処方から調製される用途形態中に存在してもよい。共力剤は、添加した共力剤自体は活性でなくても、それによって上記活性化合物の活性を増加しうる化合物である。
【0120】
本発明の活性化合物は、殺虫剤として使用される場合に通常の市販の処方中に、並びに植物の環境においての、植物の表面上での、又は植物組織中での使用後の上記活性化合物の分解を減少させる阻害剤との混合においてこれらの処方から調製される用途形態中に存在してもよい。
【0121】
上記の組合せ用の成分は、周知の活性物質であり、その多くが、Ch.R Worthing, S.B. Walker, The Pesticide Manual, 12th Edition, British Crop Protection Council, Farnham 2000に記載されている。
【0122】
本発明で用いられる化合物の有効な用量は、特に排除すべき害虫の性質、又は例えばこれらの害虫による作物の侵入の程度に応じて、広い範囲で変化しうる。一般的に、本発明による組成物は、通常、約0.05〜約95%(重量)の1種又は複数の本発明による活性成分、約1〜約95%の1種又は複数の固体又は液体担体、及び、場合によっては、約0.1〜約50%の1種又は複数の他の相溶性の成分、例えば界面活性剤等を含む。
【0123】
本明細書においては、「担体」という用語は、活性成分がそれと組み合わさって、例えば植物への、種子への、又は土壌へのその施用を促進する、天然の又は合成の、有機又は無機成分を意味する。この担体は、従って、一般的に不活性であり、許容可能でなけらばならない(例えば、農学的に許容される、特に処置される植物にとって)。
【0124】
担体は、固体、例えば粘土、天然又は合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、ワックス、固形肥料(例えばアンモニウム塩)、陶土、粘土、滑石、白墨、石英、アタパルジャイト、モンモリロン石、ベントナイト又は珪藻土等の粉砕された天然鉱物、或いはシリカ、アルミナ、又はケイ酸塩、特にケイ酸アルミニウム若しくはケイ酸マグネシウム等の粉砕された合成鉱物でよい。顆粒用の固体担体としては、次のもの、即ち、方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイト等の粉砕された又は分別された天然石;無機若しくは有機粗びき粉の合成顆粒;のこ屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸、コーンハスカ若しくはタバコの茎等の有機材料の顆粒;珪藻土、リン酸三カルシウム、コルク粉、若しくは吸収性カーボンブラック;水溶性ポリマー、樹脂、ワックス;又は固形肥料が適切である。このような固体組成物は、必要に応じて、固体の場合に、希釈剤としても役立ちうる、1種又は複数の相溶性の湿潤剤、分散剤、乳化剤又は着色剤を含むことができる。
【0125】
固体担体として適切なものは、
例えば、アンモニウム塩、並びに陶土、粘土、滑石、白墨、石英、アタパルジャイト、モンモリロン石、又は珪藻土等の天然鉱物粉、並びに高度に分散されたシリカ、酸化アルミニウム、及びケイ酸塩等の合成鉱物粉であり、顆粒用の担体として適切なものは、例えば、方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイト等の粉砕された又は分別された天然鉱物、並びに無機及び有機粉末の合成顆粒、並びに紙、のこ屑、ヤシ殻、メイズイヤー(maize ear)及びタバコの茎等の有機材料からの顆粒であり;乳化剤及び発泡剤として適切なものは、例えば、アルキルアリルポリグリコールエステル、アルキルスルホネート、硫酸アルキル、アリルスルホネート及びタンパク質加水分解物等の、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル等の非イオノゲンの及びアニオン性の乳化剤等であり;分散剤として適切なものは、例えば、アルコール−POE及び/又はPOPエーテル、酸及び/又はPOP又はPOEエステル、アルキル−アリール−及び/又はPOP又はPOEエーテル、脂肪及び/又はPOP又はPOE付加物、POE−及び/又はPOP−ポリオール誘導体、POE−及び/又はPOP−ソルビタン又は糖付加物、アルキル又はアリールスルフェート、スルホネート及びホスフェート又はそれぞれのPOエーテル付加物のクラスからの非イオン性及び/又はイオン性材料である。更に、例えばビニルモノマーから出発した適切なオリゴマー又はポリマーは、EO及び/又はPO単独で、又は組合せからのアクリル酸のもの、例えば(ポリ)アルコール又は(ポリ)アミンである。更に、リグニン及びそのスルホン酸誘導体、単純及び修飾セルロース、芳香族及び/又は脂肪族スルホン酸、並びにそれらのホルムアルデヒドの付加物を使用することができる。
【0126】
アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、並びにケファリン及びレシチン等の天然リン脂質及び合成リン脂質等の、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成の粉末状、粒状又はラッテクス様のポリマーを、上記処方に使用することができる。
【0127】
上記担体は、液体、例えば、水、アルコール、特にブタノール又はグリコール、及びそれらのエーテル又はエステル、特にメチルグリコールアセテート;ケトン、特にアセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はイソホロン;パラフィン系又は芳香族系炭化水素、特にキシレン又はアルキルナフタレン等の石油留分;鉱物油又は植物油;脂肪族塩素化炭化水素、特にトリクロロエタン又はメチレンクロリド;芳香族塩素化炭化水素、特にクロロベンゼン;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はN−メチルピロリドン等の水溶性又は強い極性溶媒;液化ガス;或いはそれらの同種のもの又はその混合物でもよい。
【0128】
界面活性剤は、イオン又は非イオンタイプの乳化剤、分散剤又は湿潤剤又はこのような界面活性剤の混合物でよい。これらの中には、例えば、ポリアクリル酸の塩、リグノスルホン酸の塩、フェノールスルホン酸又はナフタレンスルホン酸の塩、エチレンオキシドと脂肪アルコール若しくは、脂肪酸若しくは、脂肪酸エステル若しくは、脂肪族アミンの重縮合物、置換フェノール(特にアルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特にアルキルタウレート)、アルコールのリン酸エステル又はエチレンオキシドとフェノールの重縮合物のリン酸エステル、脂肪酸とポリオールのエステル、又は上記化合物のスルフェート、スルホネート又はホスフェート官能性誘導体がある。活性成分及び/又は不活性担体が少ししか水溶性でない、又は水溶性でなく、適用のための組成物の担体薬剤が水である場合に、少なくとも1種の界面活性剤の存在が、一般的に不可欠である。
【0129】
本発明の組成物は、更に、接着剤又は着色剤等の他の添加剤を含むことができる。アラビアゴム、ポリビニルアルコール又はポリ酢酸ビニル、ケファリン及びレシチン等の天然リン脂質、又は合成リン脂質等の、粉末、顆粒又は格子の形態の、カルボキシメチルセルロース、又は天然若しくは合成ポリマー等の接着剤を、処方中に使用することができる。無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン又は紺青;アリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料等の有機染料;又は鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン又は亜鉛の塩等の微量栄養素等の着色剤を使用することが可能である。
【0130】
その農業用途には、本発明の化合物は、従って、一般的に、様々な固体又は液体形態である組成物の形態である。
【0131】
使用できる組成物の固体形態は、粉剤(80%までの範囲の本発明の化合物の含有率の)、水和剤又は顆粒(水分散性の顆粒を含む)、特に粒状担体の押出し、成形、含浸、又は粉末から出発した顆粒化によって得られるものである(これらの水和剤又は顆粒中の本発明の化合物の含有率は、約0.5及び約80%の間で)。例えば、顆粒、ペレット、ブリケット又はカプセル等の、1種又は複数の本発明の化合物を含む、固体の均一又は不均一組成物は、一定期間にわたって静水又は流水を処理するのに使用することができる。本明細書に記載されたような水分散可能な濃縮物の滴下又は断続的な供給を用いて、同様の効果を達成することができる。
【0132】
液体組成物には、例えば、水性又は非水性の溶液又は懸濁液(乳化可能な濃縮物、乳濁液、フローアブルズ(flowables)、分散液、又は溶液等)又はエアロゾルが含まれる。液体組成物には、液体であるか、或いは例えば水性散布剤(少量及び微量を含む)として又は霧又はエアロゾルとして施用された場合に、液体組成物を形成する組成物の形態としての、特に乳化可能な濃縮物、分散液、乳濁液、フローアブルズ、エアロゾル、水和剤(又はスプレー用粉末)、ドライフローアブルズ(dry flowables)又はペーストも含まれる。
【0133】
例えば、乳化可能な又は可溶性の濃縮物の形態の液体組成物は、最も頻繁に、約5〜約80重量%の活性成分を含むが、施用のために準備された乳濁液又は溶液は、それらの場合には、約0.01〜約20%の活性成分を含む。溶媒以外に、上記乳化可能な又は可溶性の濃縮物は、必要に応じて、安定剤、界面活性剤、浸透剤、防蝕剤、着色剤又は接着剤等の約2〜50%の適切な添加剤を含むことができる。例えば植物への施用に特に適した、任意の所望の濃度の乳濁液は、水での希釈によって、このような濃縮物から得ることができる。これらの組成物は、本発明で使用しうる組成物の範囲に含まれる。上記乳濁液は、油中水又は水中油形の形態であってよく、濃厚な濃度を有してよい。
【0134】
本発明の液体組成物は、通常の農業用の使用用途に加えて、例えば、施設、屋外若しくは屋内貯蔵庫、又は加工領域、容器若しくは装置、又は静水若しくは流水等を含めた、節足動物(又は、本発明の化合物によって防除される他の害虫)が発生した又は発生しそうな基層又は敷地を処理するのに使用しうる。
【0135】
すべてのこれらの水性分散液、又は乳濁液、又は散布用混合物は、例えば、一般的に1ヘクタール当たり約100〜約1200リットルのオーダーの散布用混合物であるが、必要性、又は施用技術に応じて、より高く又はより低く(例えば少量又は微量)なりうる施用量において、作物に任意の適切な手段、主として噴霧によって施用することができる。本発明による化合物又は組成物は、都合よく、植生に、及び特に排除すべき害虫を有する根又は葉に、施用される。本発明による化合物又は組成物の別の施用方法は、ケミゲーション(chemigation)、即ち活性成分を含む処方物の灌漑用水への添加によるものである。この灌漑は、葉面農薬用のスプリンクラー灌漑でよく、又は土壌殺虫剤用、若しくは浸透殺虫剤用の地上灌漑又は地下灌漑でよい。
【0136】
噴霧によって施用しうる高濃度懸濁液は、沈降(微粉砕)せず、通常、約10〜約75重量%の活性成分、約0.5〜約30%の界面活性剤、約0.1〜約10%のチキソトロープ剤、約0〜約30%の適切な添加剤、例えば、消泡剤、腐食抑制剤、安定剤、浸透剤、接着剤等を含み、及び担体として、水、又は活性成分が殆ど溶けない又は不溶性である有機液体を含む、安定な液体生成物を作製するように調製される。いくらかの有機固体又は無機塩を、沈降防止を助けるために、又は水の不凍剤として担体中に溶解することができる。
【0137】
水和剤(又は噴霧用粉末)は、通常、約10〜約80重量%の活性成分、約20〜約90%の固体担体、約0〜約5%の湿潤剤、約3〜約10%の分散剤及び、必要に応じて、約0〜約80%の1種又は複数の安定剤、及び/又は浸透剤、接着剤、固化防止剤、着色剤等の他の添加剤を含むように調製される。これらの水和剤を得るためには、活性成分を、適切なブレンダー中で、多孔質のフィラー上に浸透しうる更なる物質と完全に混合し、磨砕機又は他の適切な粉砕機を用いて磨砕する。これによって、その湿潤性及び懸濁性が有利な水和剤が作製される。それらを、水に懸濁させて任意の所望の濃度が得られ、この懸濁液を、特に植物の葉への施用に非常に有利に使用することができる。
【0138】
「水分散性顆粒(WG)」(水に容易に溶解しうる顆粒)は、上記水和剤と実質的に近い組成物を有する。それらは、湿式法(微粉砕された活性成分を不活性フィラー及び例えば1〜20重量%の少量の水と、又は分散剤若しくはバインダーの水溶液と接触させ、次いで乾燥及びスクリーニングすること)、又は乾式法(成形後に磨砕及びスクリーニングすること)のいずれかによる、上記水和剤に関して記載された処方物の顆粒形成によって調製することができる。
【0139】
処方された組成物の施用量及び濃度は、施用方法、又は組成物の性質、又はその使用に応じて変化しうる。一般的に言えば、節足動物又は植物線虫害虫を防除するための施用組成物は、通常、約0.00001重量%〜約95重量%、一層特には約0.0005重量%〜約50重量%の1種又は複数の本発明の化合物、又は全活性成分(即ち、節足動物又は植物線虫に毒性がある他の物質、共力剤、微量元素又は安定剤と一緒の本発明の化合物)を含む。使用される実際の組成物及びその施用量は、農業者、家畜生産者、医師若しくは獣医、害虫駆除作業者、又は当技術分野の他の技術者によって所望の効果を達成するために選択される。動物、木材、貯蔵製品又は家庭用品への局所的施用のための固体又は液体組成物は、通常、約0.00005%〜約90重量%、一層特には約0.001%〜約10重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含む。経口での、又は経皮的な固体又は液体組成物を含めた非経口での動物への投与については、これらは、通常、約0.1重量%〜約90重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含む。薬剤添加飼料は、通常、約0.001重量%〜約3重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含む。飼料との混合用の濃縮物又は補給剤は、通常、約5重量%〜約90重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含む。鉱塩塊は、通常、約0.1重量%〜約10重量%の1種又は複数の式(I)の化合物又は農薬として許容されるその塩を含む。
【0140】
家畜、物品、家屋又は屋外領域への施用のための粉末又は液体組成物は、約0.0001重量%〜約15重量%、一層特には約0.005重量%〜約2.0重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含むことができる。処理される水の適切な濃度は、約0.0001ppm及び約20ppmの間、より好ましくは約0.001ppm及び約5.0ppmの1種又は複数の本発明の化合物であり、養魚業において適切な曝露時間で治療的に使用しうる。食餌は、約0.01重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%の1種又は複数の本発明の化合物を含むことができる。
【0141】
非経口で、経口で、又は経皮又はその他の手段によって脊椎動物へ投与する場合に、本発明の化合物の用量は、脊椎動物の種、年齢、又は健康、並びに節足動物又は蠕虫害虫による実際の又は潜在的な侵入の性質及び程度によって決まる。継続投薬では、動物の体重1kg当たり、約0.1〜約100mg、好ましくは約2.0約20.0mgの単一用量、又は1日当たり動物の体重1kg当たり、約0.01〜約20.0mg、好ましくは約0.1〜約5.0mgの用量が、一般的に、経口又は非経口投与によって適切である。持続放出の処方物又は機器の使用によって、数カ月にわたり所望される日用量を、一緒にして、一度に動物に対して投与することができる。
【0142】
次の組成物A〜Mは、調製例に記載されるもののような、本発明の化合物を活性成分として含む、節足動物、特にダニ、又は昆虫、又は植物線虫に対する使用のための組成物を例示する。組成物A〜Mに記載される組成物を、それぞれ希釈して、畑での使用に適切な濃度で、噴霧可能な組成物を得ることができる。
【0143】
以下に例示される組成物A〜Mに使用される成分(以下の百分率はすべて重量%である)の一般的な化学的説明は、次の通りである。
商標 化学的説明
Ethylan BCP ノニルフェノールエチレンオキシド濃縮物
Soprophor BSU トリスチリルフェノールエチレンオキシド濃縮物
Arylan CA ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの70重量/体積%溶液
Solvesso 150 軽質C10芳香族溶媒
Arylan S ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Darvan NO2 リグノスルホン酸ナトリウム
Celite PF 合成ケイ酸マグネシウム担体
Sopropon T36 ポリカルボン酸のナトリウム塩
Rhodigel 23 ポリサッカリドキサンタンゴム
Bentone 38 マグネシウムモンモリロナイトの有機誘導体
Aerosil 超微細二酸化ケイ素
【0144】
組成物A
水溶性濃縮物を、次の組成物で調製する。
活性成分 7%
Ethylan BCP 10%
N−メチルピロリドン 83%
N−メチルピロリドンの一部に溶解したEthylan BCPの溶液に、加熱し攪拌しながら活性成分を添加して溶解させる。生成した溶液を溶媒の残りを用いて体積とした。
【0145】
組成物B
乳化用濃縮物(EC)を、次の組成物で調製する。
活性成分 25%(最大)
Soprophor BSU 10%
Arylan CA 5%
N−メチルピロリドン 50%
Solvesso 150 10%
最初の3成分をN−メチルピロリドン中に溶解し、これに、次いでSolvesso 150を添加して最終的な体積を得る。
【0146】
組成物C
水和剤(WP)を、次の組成物で調製する。
活性成分 40%
Arylan S 2%
Darvan NO2 5%
Celite PF 53%
上記成分を混合し、50ミクロン未満の粒子サイズを有する粉末にハンマミル中で磨砕する。
【0147】
組成物D
水性フロアブル処方物を、次の組成物で調製する。
活性成分 40.00%
Ethylan BCP 1.00%
Sopropon T360. 0.20%
Ethylene glycol 5.00%
Rhodigel 230. 0.15%
Water 53.65%
上記成分を完全に混合し、3ミクロン未満の平均粒子サイズが得られるまでビードミル中で磨砕する。
【0148】
組成物E
乳化可能な懸濁濃縮物を、次の組成物で調製する。
活性成分 30.0%
Ethylan BCP 10.0%
Bentone 38 0.5%
Solvesso 150 59.5%
上記成分を完全に混合し、3ミクロン未満の平均粒子サイズが得られるまでビードミル中で磨砕する。
【0149】
組成物F
水分散可能な顆粒を、次の組成物で調製する。
活性成分 30%
Darvan No 2 15%
Arylan S 8%
Celite PF 47%
上記成分を混合し、流体エネルギーミル中で超微粉砕し、次いで水(10%まで)で噴霧することによって回転ペレタイザー中で粒状化する。得られる顆粒を、流動層乾燥機中で乾燥して余分な水を除去する。
【0150】
組成物G
散布剤を、次の組成物で調製する。
活性成分 1〜10%
滑石粉−超微細 99〜90%
上記成分を完全に混合し、更に微粉末を得るのに十分なだけ磨砕する。この粉末を、節足動物の侵入の場所、例えば、ごみ捨て場、貯蔵製品又は家庭用品等に施用することができ、或いは節足動物によって侵入された、又は侵入される危険性のある動物に、節足動物を防除するために経口摂取によって施用することができる。節足動物侵入の場所に対する散布剤の適切な散布手段には、機械的送風器、ハンドシェーカー又は家畜の自己処置器具が含まれる。
【0151】
組成物H
食餌を、次の組成物で調製する。
活性成分 0.1〜1.0%
小麦粉 80%
糖みつ 19.9〜19%
上記成分を完全に混合し、所望の通りに餌の形態に成形する。この食餌は、経口摂取によって節足動物を防除するために、節足動物、例えばアリ、バッタ、ゴキブリ又はハエに侵入された場所、例えば住居又は産業的建物、例えば厨房、病院若しくは店舗、又は屋外領域に散布することができる。
【0152】
組成物I
溶液処方物を、次の組成物で調製する。
活性成分 15%
ジメチルスルホキシド 85%
活性成分をジメチルスルホキシド中に、混合及び/又は必要に応じて加熱しながら溶解する。この溶液は、動物の体重100kg当たり1.2〜12mlの溶液の施用量で、節足動物に侵入された家畜にポアオン施用剤として経皮的に、又はポリテトラフルオロエチレン膜(0.22ミクロンの細孔径)を経由したろ過殺菌後に非経口注射によって施用することができる。
【0153】
組成物J
水和剤を、次の組成物で調製する。
活性成分 50%
Ethylan BCP 5%
Aerosil 5%
Celite PF 40%
Ethylan BCPをAerosil上に吸収させ、次いでその他の成分と混合し、ハンマミル中で磨砕して、水和剤が得られ、この水和剤は、0.001重量%〜2重量%の活性化合物の濃度に水で希釈し、節足動物を防除するために、例えば双翅目の幼虫又は植物線虫等の節足動物に侵入された場所に噴霧によって、又は節足動物によって侵入された、又は侵入の危険性のある家畜に、噴霧若しくはディッピングによって、又は飲料水中の経口投与によって施用することができる。
【0154】
組成物K
持続放出性丸剤組成物を必要に応じて異なる百分率(先の組成物で記載されたものに類似して)で次の組成物を含む顆粒から形成する。
活性成分
密度調整剤
持続放出剤
結合剤
完全に混合した成分を顆粒に形成し、この顆粒は、2以上の比重を有する食塊に固める。これは、反すうする家畜の節足動物による侵入を防除するために、蜂巣胃−前胃の中で滞在中に、長期間、活性化合物の継続的な持続放出を提供するために、反すうする家畜に経口投与することができる。
【0155】
組成物L
顆粒、ペレット、ブリケット等の形態の持続放出性組成物を、次の組成物で調製することができる。
活性成分 0.5〜25%
ポリ塩化ビニル 75〜99.5%
フタル酸ジオクチル(可塑剤)
上記組成物をブレンドし、次いで溶融押出又は成形によって適切な形状に成形する。これらの組成物は、例えば、静水への添加用に、又は持続放出により害虫を防除するための家畜へ取り付ける首輪又は耳標の製造用に有用である。
【0156】
組成物M
水分散性顆粒を、次の組成物で調製する。
活性成分 85%(最大)
ポリビニルピロリドン 5%
アタパルジャイトクレー 6%
ラウリル硫酸ナトリウム 2%
グリセリン 2%
上記成分を水との45%スラリーとして混合し、4ミクロンの粒子サイズに湿式粉砕し、次いで噴霧乾燥して水を除去する。
【0157】
次の非制限的な実施例は、式(I)の化合物の調製を例示する。
【0158】
化学実施例
NMRスペクトルは、特に指定がない限り重水素化クロロホルム中で実施され、シフト値はppmで示される。
【0159】
以下の実施例においては、量(百分率も)は、特に指定がない限り重量ベースである。
【実施例1】
【0160】
1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−ピペラジン−1−イル−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル
THF(50mL)中の1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−5−ブロモ−4−トリフルオロメチルスルホニルピラゾール(5.00g、9.7ミリモル)の混合物に、ピペラジン(2.08g、24.2ミリモル)及びトリエチルアミン(1.96g、19.3ミリモル)を添加した。この混合物を、20〜30℃で24時間攪拌した。抽出処理(ヘプタン−酢酸エチル、水、NaOH)及びイソプロパノールからの再結晶によって、表題生成物(化合物01−03、3.58g)が固体として得られた。1H−NMR:2,71(4H)、3,13(4H)、7,85(2H)ppm;19F−NMR:−64.2(PhCF3);−79.5ppm(SO2CF3)。
【実施例2】
【0161】
1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル
ジオキサン(5mL)中の1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−ピペラジン−1−イル−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(0.40g、0.8ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(0.13g、1.0ミリモル)の混合物に、臭化ベンジル(0.14g、0.8ミリモル)を添加し、5時間還流した。抽出処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)及びクロマトグラフィーによって、表題生成物(化合物01−45、0.31g)が油として得られた。1H−NMR:2.30(4H)、3.19(4H)、3.45(2H)、7.25(5H)、7.82(2H);19F−NMR:−64.1(PhCF3);−79.6ppm(SO2CF3)。
【実施例3】
【0162】
1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−(4−エトキシカルボニルピペラジン−1−イル)−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル
THF(5mL)中の1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−ピペラジン−1−イル−4−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル(0.20g、0.4ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(0.10g、0.8ミリモル)の混合物に、エチルクロロホルメート(0.05g、0.5ミリモル)を添加し、20℃で5時間攪拌した。抽出処理(ヘプタン−酢酸エチル、水)によって、表題生成物(化合物04−06、0.21g)が固体として得られた。1H−NMR:1.23(3H)、3.13(4H)、3.35(4H)、4.11(2H)、7.85(2H);19F−NMR:−63.7(PhCF3);−79.0ppm(SO2CF3)。
【0163】
次の表は、上記の実施例1、2若しくは3、又は上記の一般的な方法に従って、又は同じように調製された式(I)の化合物を含む。
【0164】
表においては、cはシクロ(例えばcPrはシクロプロピル)を意味し、iはイソを意味し、tはターシャリーを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、Buはブチルを意味し、Phはフェニルを意味する。下付き文字が原子の後で省略される場合、それらは、例えばCH3がCHを意味することを意図していることを理解されたい。化合物番号は、参照の目的のためにだけ付けられている。
【0165】
【表1】



【0166】
【表2】



【0167】
【表3】

【0168】
【表4】



【0169】
【表5】



【0170】
【表6】

【0171】
【表7】

【0172】
【表8】

【0173】
生物学的実施例
方法A:ネコノミ(ネコノミ)に対する化合物の浸透性を試験する選別法
試験容器を、10匹のネコノミの成虫で満たした。ガラスシリンダーの一端をパラフィルムで閉鎖し試験容器の上に置いた。試験化合物溶液を、次いで、ウシの血液にピペットで入れ、ガラスシリンダーに添加した。処置したネコノミを、この模造犬試験(artificial dog test)に保ち(血液37℃、相対湿度40〜60%;ネコノミ20〜22℃、相対湿度40〜60%)、施用後24及び48時間において評価を実施した。化合物01−03、01−45、03−03、04−06、06−03は、5ppm以下の試験濃度において、少なくとも80%のネコノミの防除をもたらした。
【0174】
方法B:クリイロコイタマダニ(クリイロコイタマダニ)に対する接触活性を試験する選別法
試験化合物の溶液をろ紙上に滴下し、乾燥し、このろ紙を、試験管中に置き、20〜30匹のクリイロコイタマダニの幼虫(L1)を群がらせ、この管をクリップで閉鎖した。処置したクリイロコイタマダニを、人工気象室(25℃、90%RH)中に保ち、百分率効能を施用後24時間に未処置対照と比較して評価した。
【0175】
化合物番号01−03、06−03は、100ppmの試験濃度において、少なくとも70%のクリイロコイタマダニの接触防除をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の5−ジアザシクロアルキルピラゾール誘導体又は農薬として許容されるその塩
【化1】

[式中、
は、CN、CH、CF、C(=N−Z)−S(O)−(C−C)−アルキル又はCSNHであり、ここで、Zは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−アルキニル、−(CH、COR、CO−(C−C)−アルキル又はS(O)であり、
は、ハロゲン、CH又はNR1112であり;
は、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−ハロアルコキシ又はSFであり;
は、水素、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルケニル、CO−(C−C)−アルキニル、CO−(CH、CO−(CH10、CONR又はSO;ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR及びCOからなる群から選択される、1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換されたホルミル、CO−CO−(C−C)−アルキル又はCO−(C−C)−アルキル;
又はCO−(CH;又はCO−(CH10
又はハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR、COOH及びCOからなる群から選択される1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換された(C−C)−アルキル;
又はR及びR10であり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル又は(C−C)−ハロアルキニルであり;
Aは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH若しくは(CH10で置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
Eは、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH若しくは(CH10で置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
ここで、AとEは結合して二環系を形成してよく、
及びRは、それぞれ独立にH、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
及びRは、結合したN原子と一緒になって4〜7員飽和環、又は5〜7員不飽和環を形成することができ、この環は、場合によっては、O、S及びNから選択される1つ又は複数の更なるヘテロ原子を環中に含み、この環は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル及びオキソからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていないか置換されており、任意の更なる環中にN原子が存在する場合、(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルキル又はCH11基で置換されていないか置換されており;
は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、CN、NO、S(O)及びNRからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていない又は置換されたフェニルであり;
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキル−(C−C)−シクロアルキル、−(CH又は−(CH10であり、
10は、ハロゲン、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルコキシ、S(O)、OH及びオキソからなる群から選択される1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換されたヘテロシクリルであり、
11及びR12は、それぞれ独立に、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル又は(C−C)−アルキニルであり、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニル又は(C−C)−アルキニルは、ハロゲン、(C−C)−シクロアルキル、R、R10、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシからなる群から選択される1つ又は複数のラジカルで置換されていないか置換されており;
n、p及びqは、それぞれ独立に、0、1又は2であり;
mは、0、1、2又は3であり;
上述の基のそれぞれのヘテロシクリルは、それぞれ独立に、環中に3から7個の環原子及びN、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する複素環基である]。
【請求項2】
式(II)で示される請求項1に記載の化合物の塩
【化2】

[式中、Qは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
Xは、アニオンであり、
、R、R、R、R、R、R10、E、A、n、q及びすべての他の残基又は基は、請求項1で定義された通りである]。
【請求項3】
Aが、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10によって置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
且つ/又は
Eが、1つ又は複数の(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10によって置換されていない又は置換された(C−C)−アルキレン又は(C−C)−アルケニレンであり、
、R10及びqが、請求項1で定義された通りである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
が、CO−(C−C)−アルキル、CO−(C−C)−アルケニル、CO−(C−C)−アルキニル、CO−(CH、CO−(CH10、CONR又はSO;ハロゲン、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−ハロアルコキシ、(C−C)−アルケニルオキシ、(C−C)−ハロアルケニルオキシ、(C−C)−アルキニルオキシ、(C−C)−ハロアルキニルオキシ、(C−C)−シクロアルキル、S(O)、CN、NO、OH、R、R10、COR、NR、OR及びCOからなる群から選択される1つ若しくは複数のラジカルで置換されていない又は置換されたホルミル、CO−CO−(C−C)−アルキル又はCO−(C−C)−アルキル;
又はCO−(CH;又はCO−(CH10からなる群から選択され、
、R、R、R、R10、n、p及びqが、請求項1で定義された通りである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
が、CH、C、n−C、iso−C、n−C、sec.−C、iso−C、tert.−C、n−C11、n−C13、シクロ−CCH、シクロ−CCH、シクロ−CCH、シクロ−C11CH、フェニル−CH、フェニル−C、フェニル−C、フェニル−CHCH、CHOC、CHSC、CHSOC、CHSOからなる群から選択される置換されていない又は置換されたアルキル基、
又は水素、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、R又はR10であり、
及びR10が、請求項1で定義された通りである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
がCN又はCSNHであり、且つ/又はRがClであり、且つ/又はRがCFであり、且つ/又はRがCFである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
が、CN、CH又はCFである請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその塩の調製方法であって、
a)式(III)の化合物
【化3】

[式中、Halは、ハロゲンであり、Rは、CN、CH又はCFであり、R、R、R、n及びその他の残基及び基は請求項1で定義された通りである]
と、式(IV)の化合物
【化4】

[式中、R、E、A及びその他の残基及び基は請求項1で定義された通りである]
との塩基の存在下での反応、又は、
b)式(I)の化合物
【化5】

[RがHであり、Rが、CN、CH又はCFであり、R、R、R、A、E、n及びその他の基及び残基が、請求項1で定義された通りである]
と、式(V)の化合物
−L (V)
[式中、Lは、脱離基であり、Rは、水素を除いて請求項1で定義された通りである]
との塩基の存在下での反応、及び
c)所望ならば、得られた式(I)の化合物の農薬として許容されるその塩への変換
を含む方法。
【請求項8】
式(I)の化合物のR−N基の窒素における、式(VI)の化合物によるプロトン化又はアルキル化を含む、RがCN、CH又はCFである、請求項2〜6のいずれか一項に記載の式(II)の化合物の調製方法
QX (VI)
[式中、Qは、H、(C−C)−アルキル、(C−C)−ハロアルキル、(C−C)−アルケニル、(C−C)−ハロアルケニル、(C−C)−アルキニル、(C−C)−ハロアルキニル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキル−(C−C)−アルキル、(CH又は(CH10であり;
Xは、アニオンであり、
、R10、及びq及びその他の基及び残基は、請求項1で定義された通りである]。
【請求項9】
が、C(=N−Z)−S(O)−(C−C)−アルキル又はCSNHであり、ここで、Z及びpが、請求項1で定義された通りである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその塩の調製方法であって、
a)RがCSNHである場合、RがCNであり、その他の残基及び値が請求項1で定義された通りである対応する式(I)の化合物を、アルカリ又はアルカリ土類金属水硫化物と又はPhPSの試薬と反応させること、
又は
b)RがCSNHである場合、RがCNであり、その他の残基及び値が請求項1で定義された通りである対応する式(I)の化合物を、塩基の存在下でビス(トリアルキルシリル)スルフィドと反応させること、
又は
c)RがC(=NH)−S−(C−C)−アルキルである場合、RがCSNHであり、その他の残基及び基が請求項1で定義された通りである対応する式(I)の化合物を、式(VII)又は(VIII)のアルキル化剤と反応させること、
(C−C)−アルキル−L (VII); ((C−C)−アルキル)BF (VIII)
(式中、Lは、脱離基である)
又は、
d)Rが、Hを除いてC(=NZ)−S−(C−C)−アルキルである場合、ZがHであり、その他の残基及び基が請求項1で定義された通りである対応する式(I)の化合物の、式(IX)の化合物とのアルキル化、アシル化又はスルホニル化、
Z−L (IX)
(式中、ZはHを除いて請求項1の定義の通りであり、Lは脱離基である)
並びに
e)所望ならば、得られた式(I)の化合物を農薬として許容されるその塩に変換することを含む方法。
【請求項10】
農薬として許容される希釈剤又は担体及び/又は界面活性剤と共に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又は農薬として許容されるその塩を含む農薬組成物。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその塩の、或いは請求項10に記載の組成物の、動物薬を調製するための使用。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその塩、或いは請求項10に記載の組成物の害虫防除用を調製するための使用。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその塩、或いは請求項10に記載の組成物の有効量をその局所に適用することを含む、害虫の防除方法。

【公表番号】特表2008−522961(P2008−522961A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543787(P2007−543787)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012904
【国際公開番号】WO2006/061147
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(304040692)メリアル リミテッド (73)
【Fターム(参考)】