説明

1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンカルボキシアミド誘導体、それらの製造法およびそれらの治療用途

一般式
【化1】


(式中、Xは窒素原子または式C-R2の基を表し、Pは式C-R3の基を表し、Qは式C-R4の基を表し、Rは式C-R5の基を表し、Wは式C-R6の基を表すか、またはP、Q、RおよびWのうちの一つは窒素原子を表し、R1は水素原子またはアルキル基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表し、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ、水素もしくはハロゲン原子、またはアルキル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、シアノもしくはアミノ基、またはその他の官能基を表す)
の化合物。治療用途。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の化合物は、ニコチン性リガンドである。これらの化合物は、特に中枢神経系におけるニコチン性受容体の機能障害に伴う疾患の治療または予防において有用である。
【発明の開示】
【0002】
本発明の化合物は、一般式(I)
【化1】

【0003】
(式中、
Xは窒素原子または一般式C-R2の基を表し、
Pは一般式C-R3の基を表し、
Qは一般式C-R4の基を表し、
Rは一般式C-R5の基を表し、
Wは一般式C-R6の基を表すか、または
P、Q、RおよびWのうちの一つは窒素原子を表し、
【0004】
R1は水素原子または(C1-C6)アルキル基を表し、
R2は水素原子または(C1-C6)アルキル基を表し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基、または一般式-NR7R8、-NR7C(=O)R8、-NR7C(=O)NR8R9、-NR7C(=O)OR8、-NR7S(=O)2NR8R9、-OR7、-OC(=O)R7、−OC(=O)OR7、-OC(=O)ONR7R8、-OC(=O)SR7、-OS(=O)2R7、-C(=O)OR7、−C(=O)R7、-C(=O)NR7R8、-SR7、-S(=O)R7、-S(=O)2R7、-S(=O)2NR7R8の基、ハロゲン原子および(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルおよびシアノ基から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよい(C6-C11)アリールもしくは(C3-C12)ヘテロアリール、または一般式-NR7R8もしくは-OR7の基を表し、
【0005】
R7、R8およびR9は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、または環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、または(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは(C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロへテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R7、R8およびR9は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基、あるいは一般式-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(=O)OR11、-NR10S(=O)2NR11R12
-OR10、-OC(=O)R10、-OC(=O)OR10、-OC(=O)ONR10R11、-OC(=O)SR10、-C(=O)OR10、-C(=O)R10、-C(=O)NR10R11、-SR10、-S(=O)R10、-S(=O)2R10、-S(=O)2NR2R11の基で任意に置換されていてもよく、
【0006】
R10、R11およびR12は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは (C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロヘテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R10、R11およびR12は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基で、または-NR13R14、-NR13C(=O)R14、-NR13C(=O)NR14R15、-NR13C(=O)OR14、-NR13S(=O)2NR14R15、-OR13、-OC(=O)R13、-OC(=O)OR13、-OC(=O)ONR13R14、-OC(=O)SR13、-C(=O)OR13、-C(=O)R13、-C(=O)NR13R14、-SR13、-S(=O)R13、-S(=O)2R13、-S(=O)2NR13R14で任意に置換されていてもよく、
【0007】
R13、R14およびR15は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは(C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロへテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R3およびR4、またはR4およびR5、またはR5およびR6は、それらを有する二つの炭素原子と一緒になって、R7、R8およびR9について定義された置換基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよい、環中に6原子を含むもう一つの芳香環または芳香複素環を形成していてもよい)
に相当する。
【0008】
有利な化合物の第一サブセットは、一般式(I)(ここで、Xは上で定義された一般式
C-R2の基を表す)の化合物のものである。
これらの化合物のうち、区別され得るものは、一方では、一般式(I)(ここで、P、Q、RおよびWは、それぞれ上で定義された一般式C-R3、C-R4、C-R5およびC-R6を表す)の化合物であり、他方では、一般式(I)(ここで、P、Q、RおよびWのうちの一つは窒素原子を表す)の化合物である。
【0009】
有利な化合物の第二サブセットは、Xが窒素原子を表す一般式(I)の化合物のもので
ある。
これらの化合物のうち、区別され得るものは、一方では、一般式(I)(ここで、P、Q、RおよびWは、それぞれ上で定義された一般式C-R3、C-R4、C-R5およびC-R6の基を表す)の化合物であり、他方では、一般式(I)(ここで、P、Q、RおよびWのうちの一つは窒素原子を表す)の化合物である。
本発明の化合物は、塩基または酸付加塩の形態で存在し得る。
【0010】
本発明に従って、一般式(I)の化合物は、次のスキーム1により示される方法によって
製造され得る。
スキーム1
【0011】
【化2】

【0012】
一般式(II)の1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを、一般式(III)(ここで、X、P、Q、R、WおよびR1は上で定義されたとおりである)の化合物と、例えばN,N'−カルボニルジイミダゾールのようなカップリング剤の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で反応させる。代わりに、一般式(III)の化合物上に存在するカルボン酸官能基を、ジクロロエタンのような溶媒中で1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンと反応させるために、前工程において酸クロライド官能基に変換してもよい。
【0013】
一般式(II)の化合物は、次のスキーム2によって示される方法によっても製造され得
る。
スキーム2
【0014】
【化3】

【0015】
一般式(II)の1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを、一般式(IV)(ここで、X、P、Q、R、WおよびR1は上で定義されたとおりであり、Zは臭素または沃素原子を表す)の化合物と、一酸化炭素および例えばビス(トリフェニルホスフィノ)ジクロロパラジウムのようなパラジウム触媒、ならびに例えばトリエチルアミンのような塩基の存在下に、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で反応させる。
【0016】
ある化合物については、置換基は一般式(III)または(IV)の出発化合物中に存在しなくてもよく;それらの性質によって、置換基は一般式(I)の最終化合物に導入され得る。
このように、例えば一般式(I)(ここで、P、Q、RおよびWは、それぞれ一般式C-R
3、C-R4、C-R5およびC-R6(ここで、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ(C6-C11)アリールまたは(C5-C12)ヘテロアリール基を表す)の基をそれぞれ表す)の化合物は、相当する化合物(ここで、式R3、R4、R5およびR6はそれぞれ臭素および沃素を表す)から、ボロン酸およびパラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下に、スズキタイプのカップリングのような、公知の方法によって製造され得る。
【0017】
一般式(III)の化合物は、市販されているか、または文献、例えばCan.J.Chem.1988、66、420−8に記載の方法によって得られる。
一般式(IV)の化合物は、市販されているか、または文献、例えばJ. Het. Chem. 1983、475に記載の方法によって得られる。
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンの製造法は、J. Med. Chem. 1993、36、2311−2320に記載されている。
【0018】
以下の実施例は、本発明のいくつかの化合物の製造法を説明する。元素微分析ならびにIRおよびNMRスペクトルは、得られた化合物の構造を確認する。
実施例のタイトルにおけるカッコに示された番号は、後記の表の第一欄の番号に対応している。
化合物名において、ハイフン「−」は語の一部を形成し、下線印「_」は改行を表すのに役立つだけであり;改行部にそれがない場合は削除されるべきであり、普通のハイフンまたは空白のいずれによっても置き換えられるべきでない。
【0019】
実施例1(化合物2)
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−インダゾール塩酸塩
N,N−ジメチルホルムアミド(30ml)中に溶解した1H−インダゾール−3−カルボン酸(2.4g、14.8mmol)、およびN,N'−カルボニルジイミダゾール(2.4g、14.8mmol)を、100mlの反応器中に導入する。混合物を室温で45分間撹拌し、次いで、N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中に溶解した1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(1.7g、13.4mmol)を加え、混合物を室温で15分間撹拌する。
得られた混合物を酢酸エチル(100ml)中に希釈し、有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥し、ろ過する。溶媒を減圧下に濃縮し、残渣をクロロホルム、メタノールおよび水性アンモニアの混液(割合85/15/1.5)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。生成物(1.7g)を得、イソプロピルアルコール(30 ml)中に溶解し、次いで5N塩化水素溶液(1.5ml)を加える。得られた結晶をろ過によって回収し、減圧下に乾燥する。塩酸塩(1.2g)を得る。
融点:282−283℃
【0020】
実施例2(化合物8)
3−(1,4,ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
3−ブロモ−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン(1 g、5 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)ジクロロパラジウム(0.53g、0.75mmol)、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(1.9g、15.1mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(15ml)中に溶解したトリエチルアミン(3.5ml、25mmol)を、50mlの反応器中に連続的に導入する。次いで、混合物を一酸化炭素でパージし、110℃で20時間加熱する。反応媒体を水(100ml)中に注入し、水相をクロロホルムで抽出する。有機相を乾燥した後、それらを乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をクロロホルム、メタノールおよび水性アンモニアの混液(割合90/10/1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。
このようにして、生成物(0.41g)を結晶性固体の形態で得る。
融点:232−234℃
【0021】
実施例3(化合物1)
4−(1H−インドール−3−イルカルボニル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩
実施例1と同様に、1H−インドール−3−カルボン酸(0.117g、0.72mmol)を、実施例1に記載の条件下で、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.083g、0.66mmol)と反応させる。塩酸塩(0.008g)を得る。
融点:332−333℃.
【0022】
実施例4(化合物6)
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン塩酸塩
実施例2と同様に、3−ヨード−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(0.5 g、2.05 mmol) を、実施例2に記載の条件下で、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.52g、4.1mmol)と反応させる。塩酸塩(0.13g)を得る。
融点:>300℃.
【0023】
実施例5(化合物9)
3−(ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン臭化水素酸塩
実施例2と同様に、3−ブロモ−6−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(0.105g、0.5mmol)を、実施例2に記載の条件下で、1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン(0.108g、0.86mmol)と反応させる。 臭化水素酸塩(0.16g)を得る。
融点:>300℃.
【0024】
実施例6(化合物27)
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(5−メチル−2−チエニル)−1H−インダゾール臭化水素酸塩
5−ブロモ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−インダゾール(0.1g、0.29mmol)、5−メチル−2−チオフェンボロン酸(0.057g、0.4 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0.016g、0.01mol)、炭酸ナトリウム(0.058G、0.27mmol)、トルエン(2ml)およびエタノール(0.2ml)を、10mlの反応器中に連続的に導入し、混合物を100℃で4時間加熱する。得られた混合物を水(2ml)で加水分解し、水相をクロロホルムで抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をクロロホルム、メタノールおよび水性アンモニアの混液(割合90/10/1)で溶出するシリカプレートクロマトグラフィーによって精製する。
生成物(0.083g)を得、これをイソプロピルアルコール(2ml)中に溶解し、次いで酢酸中の5.7N臭化水素溶液(0.08ml)を加える。生成した結晶をろ過によって回収し、真空下に乾燥する。生成物(0.068g)を得る。
融点:339−340℃.
【0025】
実施例7(化合物83)
3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
7.1. 2,2,2−トリクロロ−1−(6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリド−3−イル)エタノン
アルミニウムトリクロライド(4g、0.03mol)、ジクロロメタン(3ml)およびトリクロアセチルクロライド(3.6g、0.02mol、すなわち2.23ml)を、コンデンサー、磁性撹拌機および塩化カルシウム保護チューブを備えた丸底フラスコ中に入れ、混合物を室温で30分間撹拌する。6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(1.52g、0.01mol)を少しずつ加え、混合物を3時間還流する。氷浴中で冷却しながら、氷(50ml)をフラスコに加え、混合物を30分間激しく撹拌する。ペースト状の凝集物を得、これをデカンテーションによって水相から分離する。この生成物を次の工程で直接用いる。
【0026】
7.2. 6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸
前工程からの粗誘導体を、水(10ml)および35%水酸化ナトリウム溶液(6ml)中に採取し、混合物を油浴中、90℃で10分間加熱する。冷後、反応媒体をろ過し、ろ液を氷浴中で冷却し、濃塩酸で酸性にして約pH3とする。白色の沈殿物を得、これをろ過し、吸引によって排水し、真空下にデシケータ中で乾燥する。生成物(1.72g)を単離する。
融点:283−284℃
【0027】
7.3. 6−クロロ−3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(化合物No.82)
前工程からの誘導体(375mg、2mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(760mg、4mmol)、ジメチルアミノピリジン(50mg)、アセトニトリル(5ml)およびジアザビシクロノナン(500mg、4mmol)を、マイクロ波チューブ(PersonalChemistry)中に入れ、チューブに栓をし、100℃で10分間加熱する。混合物を水(50ml)中に浸し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を蒸発させる。イソプロピルエーテル中で粉砕して結晶性化合物(310mg)を得る。
融点:228−229℃
【0028】
7.4. 3−(1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノン−4−イルカルボニル)−6−(4−フルオロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
前工程で得られた誘導体(87mg、0.287mmol)、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(80mg、2当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (20mg)、トルエン(2ml)、アセトニトリル(2ml)および2N炭酸ナトリウム溶液(2ml)を、マイクロ波チューブ(PersonalChemistry)中に入れ、混合物を150℃で10分間加熱する。有機相をシリカカートリッジ上に置き、ジクロロメタン、メタノールおよび水性アンモニアの混液(90/10/1)で溶出する。得られた油状の残渣を、イソプロピルエーテル中で粉砕して結晶化させる。生成物(60mg)を単離する。
融点:285−286℃
【0029】
以下の表は、本発明のいくつかの化合物の化学的構造および物性を示す。
P、Q、RおよびWの欄における「Ms」はメチルスルホニル基を表し、iC3H7は1−メチルエチル基を表し、x−C4H3Sはx−チエニル基を表し、x−C4H3Oはx−フリル基を表し、x−C4H4Nはx−ピロリル基を表し、そしてx−C5H4Nはx−ピリジル基を表す。
「塩」の欄における「−」は塩基の形態にある化合物を表し、「HBr」は臭化水素酸塩を表し、「HCl」は塩酸塩を表し、そして「ox」はシュウ酸塩を表す。
【0030】
【表1−1】

【0031】
【表1−2】

【0032】
【表1−3】

【0033】
【表1−4】

【0034】
【表1−5】

【0035】
本発明の化合物を、AndersonおよびArneric(Eur.J.Pharmacol(1994)253261)およびHallら(BrainRes.(1993)600127)によって記載された方法により、α4β2サブユニットを含むニコチン性受容体に対する親和性に関して試験した。
【0036】
体重150〜200 gの雄のスプラーグ・ドーリーラットを断頭し、全脳を速やかに除去し、4℃で0.32M蔗糖溶液(15容量)中でホモジナイズし、その後1000×gで10分間遠心分離する。ペレットを捨て、上清を20,000×gで、4℃で20分間遠心分離する。ペレットを回収し、Polytron(商標)ミルを用いて、二回蒸留した水(15容量)中、4℃でホモジナイズし、次いで8000×gで20分間遠心分離する。ペレットを捨て、上清および「軟膜」(buffy coat)を40,000×gで20分間遠心分離し、ペレットを回収し、二回蒸留した水(15ml)中に再懸濁し、40,000×gで再び遠心分離し、−80℃で保存する。
【0037】
試験当日、組織をゆっくり解凍し、バッファー(3容量)中、懸濁する。このメンブラン懸濁液(150μl)を、試験化合物の存在下または不存在下に、バッファー(最終容量500 μl)中の1 nM[3H]シチシン(100μl)の存在下に、4℃で120分間培養する。ポリエチレンイミンで予め処理されたWhatmanGF/B(商標)フィルターでろ過することによって反応を停止し、フィルターを、バッファー(2×5ml)を用いて4℃で漱ぎ、フィルター上に保持された放射能を、液体シンチグラフィーによって測定する。非特異的結合を、10μM(−)−ニコチンの存在下に測定する;非特異的結合は、フィルター上に回収された全結合の75〜85%を表す。試験化合物の各濃度について、[3H]シチシンの特異的結合の阻害率を測定し、次いで特異的結合を50%阻害する化合物の濃度であるIC50値を計算する。
本発明の最も純粋な化合物のIC50値は1〜10μMである。
【0038】
本発明の化合物を、MarksおよびCollins(J.Pharmacol.Exp.Ther.(1982)22564)およびMarksら(Mol.Pharmacol.(1986)30427)によって記載された方法により、α7サブユニットを含むニコチン性受容体に対する親和性に関しても試験した。
【0039】
体重150〜200 gのOFA雄ラットを断頭し、全脳を速やかに除去し、Polytron(商標)ミルを用いて、0.32M蔗糖溶液(15容量)中で4℃でホモジナイズし、次いで1000×gで10分間遠心分離する。ペレットを捨て、上清を8000×gで4℃で20分間遠心分離する。ペレットを回収し、Polytron(商標)ミルを用いて、二回蒸留した水(15容量)中、4℃でホモジナイズし、次いで8000×gで20分間遠心分離する。ペレットを捨て、上清および軟膜を40,000×gで20分間遠心分離する。ペレットを回収し、二回蒸留した水(15容量)中に4℃で再懸濁し、40,000×gで20分間再び遠心分離し、−80℃で保存する。
【0040】
試験当日、組織をゆっくり解凍し、バッファー(5容量)中に懸濁する。このメンブラン懸濁液(150μl)を暗所で、試験化合物の存在下または不存在下に、37℃で30分間前培養する。次に、メンブランを暗所で、1 nM[3H]α−ブンガロトキシン(50μl)の存在下に、20mMHEPES、0.05%ポリエチレンイミンバッファー(最終容量250μl)中、37℃で60分間培養する。0.5%ポリエチレンイミンで3時間予め処理されたWhatmanGF/C(商標)フィルターを通してろ過することにより、反応を停止する。フィルターをバッファー(2×5ml)を用いて4℃で漱ぎ、各フィルター上に保持された放射能を液体シンチグラフィーによって測定する。α−ブンガロトキシン(最終1μM)の存在下における非特異的結合を測定する;非特異的結合は、フィルター上に回収された全結合の約60%を表す。試験化合物の各濃度について、[3H]α−ブンガロトキシンの特異的結合の阻害率を測定し、次いで特異的結合を50%阻害する化合物の濃度であるIC50値を計算する。
【0041】
本発明の最も純粋な化合物のIC50値は、0.005〜0.15μMである。
前記の結果は、本発明の化合物がニコチン性受容体のα7サブユニットのための選択的リガンドであることを示す。
【0042】
種々の試験結果は、特に中枢神経系におけるニコチン性受容体の機能障害に伴う障害の治療または予防における本化合物の用途を示唆する。
これらの障害は、認識機能障害、より詳しくは記憶機能障害を含むが、アルツファイマー病、病的加齢(AgeAssociatedMemoryImpairment,AAMI)、パーキンソン病、トリソミー21(ダウン症候群)、Korsakoffアルコール性症候群および血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆、MID)に伴う注意力機能障害も含む。
【0043】
本発明の化合物は、パーキンソン病、またはハンチントン舞踏病、トゥーレット症候群、遅発性運動障害および運動過剰症のようなその他の神経疾患において見られる運動障害の治療においても有用である。
【0044】
本発明の化合物は、発作ならびに脳内低酸素症のような急性神経変性疾患、および慢性神経変性疾患、例えばアルツハイマー病の治療的処置または対症療法も構成し得る。それらは、精神病:精神分裂症、鬱病、不安症、恐慌発作、強制および強迫行動の場合にも用いられ得る。
【0045】
それらはタバコ、アルコール、ならびにコカイン、LSD、カンナビスおよびベンゾジアゼピンのような依存を誘発する様々な薬物の禁断によって引き起こされる症状を阻止し得る。
【0046】
さらに、血管ニコチン性受容体の活性化は、内皮細胞および動脈平骨筋の増殖を促進し、アポトーシスを低減し、インビトロで毛細管の形成を向上させることが知られている。インビボで、これらの効果は、下肢の虚血形態においてよく立証される血管形成作用に反映される。投与されたニコチンは、慢性的に毛細血管の密度、側腹動脈の直径および虚血性骨格筋への血液潅流を向上させる。ニコチンの血管形成および動脈形成の効果は、単球補充の増大に付随して現れ、一酸化窒素およびVEFG(血管内皮増殖因子)のような血管形成因子の放出により部分的に仲介される。血管形成作用により、局所的に適用されたニコチンは糖尿病動物の場合、皮膚の瘢痕形成を促進する。
【0047】
上記に要約した作用を考慮すれば、臨床的適応は、下肢の虚血、下肢の閉塞性動脈炎(PAD:末端動脈疾患)、心臓虚血(安定狭心症)、心筋梗塞、心不全、糖尿病患者における皮膚瘢痕形成欠損症および静脈機能不全の静脈瘤性潰瘍の治療である。
上記の各疾患には、ニコチン剤のみ、および/または病状によって指示される関連医薬物質との組合せで治療を行う。
【0048】
したがって、本発明の課題は、塩基または医薬的に許容される塩、もしくは溶媒和物の形態にあるか、または適切な場合には好適な賦形剤との混合物の形態にある、本発明による少なくとも一つの化合物の有効量を含む医薬組成物でもある。
【0049】
賦形剤は、医薬の剤形および所望の投与形態によって選択される。
本発明による医薬組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、気管内、鼻腔内、経皮、直腸または眼内投与用とすることができる。
【0050】
単位投与形態は、例えば、錠剤、ゲルカプセル剤、顆粒、粉末、経口または注射可能な溶液または懸濁液、経皮パッチまたは坐薬であり得る。局所投与には、軟膏、ローションおよび洗眼剤が考えられる。
【0051】
提示形態に従って、有効成分が体重kg当たり1日に0.01〜20 mgとなるように単位剤形が投与される。
【0052】
錠剤を製造するために、例えばラクトース、微結晶性セルロース、でん粉のような稀釈剤、および製剤補助剤、例えば結合剤(ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、シリカのような流動促進剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルトリベヘネートまたはステアリルフマル酸ナトリウムのような滑沢剤を含む医薬媒体が、微粉化されたまたは微分化されていない活性成分に加えられる。湿潤剤またはラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤を加てもよい。
【0053】
製造技術は、直接打錠、乾式顆粒化、湿式顆粒化またはホットメルトであり得る。
錠剤はコーティングされていないか、例えば蔗糖でコーティングされているか、または種々のポリマーもしくはその他の適当な材料でコーティングされていてもよい。それらは、ポリマーマトリックス、またはコーティングに用いられる特定のポリマーによって、活性成分を急速、遅延または持続放出するように設計され得る。
【0054】
ゲルカプセル剤を製造するために、有効成分を、乾燥医薬媒体と混合する(単なる混合、乾式もしくは湿式顆粒化、またはホットメルト)か、または液状もしくは半固体状の医薬媒体と混合する。
ゲルカプセル剤は硬質または軟質であってよく、急速、持続または遅延活性(例えば腸溶型)を有するようにフィルムコーティングされていても、されていなくてもよい。
【0055】
シロップ剤またはエリキシル剤の形態にあるか、または点滴剤の形態にある組成物は、好ましくはノンカロリーである甘味料、防腐剤としてのメチルパラベンまたはプロピルパラベン、風味調整剤および着色剤と一緒に有効成分を含み得る。
【0056】
水分散性粉末および顆粒は、分散剤もしくは湿潤剤、またはポリビニルピロリドンのような分散剤、ならびに甘味料および風味矯正剤との混合物の形態にもある有効成分を含み得る。
直腸投与用には、直腸温度で溶融する結合剤、例えばココアバターまたはポリエチレングリコールと共に製造される坐薬が用いられる。
【0057】
非経口投与用には、薬理学的に矛盾のない分散剤および/または湿潤剤、例えばプロピレングリコールもしくはブチレングリコールを含む水性懸濁液、生理食塩水溶液または注射可能な殺菌溶液が用いられる。
【0058】
有効成分は、任意に1以上の担体もしくは添加剤、あるいはポリマーマトリックスもしくはシクロデクストリン(経皮パッチ、持続放出型)を用いて、マイクロカプセルの形態に製剤化され得る。
【0059】
本発明による局所用組成物は、皮膚と矛盾しない媒体を含む。これらは、特に、水性、アルコール性もしくは水性アルコール溶液、ゲル、クリームもしくはゲルの外観を有する油中水または水中油エマルジョン、ミクロエマルジョンもしくはエアゾールの形態、あるいはイオン性および/または非イオン性脂質を含む小胞分散剤の形態にある。これらの提示形態は、関連分野の通常の方法によって製造される。
【0060】
最後に、本発明による医薬組成物は、一般式(I)の化合物に加えて、前記の症状およ
び疾患の治療において有用であり得るその他の有効成分を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、Xは窒素原子または一般式C-R2の基を表し、
Pは一般式C-R3の基を表し、
Qは一般式C-R4の基を表し、
Rは一般式C-R5の基を表し、
Wは一般式C-R6の基を表すか、
または記号P、Q、RおよびWのうちの一つは窒素原子を表し、
R1は水素原子または(C1-C6)アルキル基を表し、
R2は水素原子または(C1-C6)アルキル基を表し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基、または一般式-NR7R8、-NR7C(=O)R8、-NR7C(=O)NR8R9、-NR7C(=O)OR8、-NR7S(=O)2NR8R9、-OR7、-OC(=O)R7、−OC(=O)OR7、-OC(=O)ONR7R8、-OC(=O)SR7、-OS(=O)2R7、-C(=O)OR7、−C(=O)R7、-C(=O)NR7R8、-SR7、-S(=O)R7、-S(=O)2R7、-S(=O)2NR7R8の基、ハロゲン原子および(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルおよびシアノ基から選択される1以上の基で任意に置換されていてもよい(C6-C11)アリールもしくは(C3-C12)ヘテロアリール、または一般式-NR7R8もしくは-OR7の基を表し、
R7、R8およびR9は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、または環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、または(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは(C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロへテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R7、R8およびR9は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基、あるいは一般式-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(=O)OR11、-NR10S(=O)2NR11R12、-OR10、-OC(=O)R10、-OC(=O)OR10、-OC(=O)ONR10R11、-OC(=O)SR10、-C(=O)OR10、-C(=O)R10、-C(=O)NR10R11、-SR10、-S(=O)R10、-S(=O)2R10、-S(=O)2NR2R11の基で任意に置換されていてもよく、
R10、R11およびR12は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは (C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロヘテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R10、R11およびR12は、それぞれ互いに独立して、ハロゲン原子または(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチルもしくはシアノ基で、または-NR13R14、-NR13C(=O)R14、-NR13C(=O)NR14R15、-NR13C(=O)OR14、-NR13S(=O)2NR14R15、-OR13、-OC(=O)R13、-OC(=O)OR13、-OC(=O)ONR13R14、-OC(=O)SR13、-C(=O)OR13、-C(=O)R13、-C(=O)NR13R14、-SR13、-S(=O)R13、-S(=O)2R13、-S(=O)2NR13R14で任意に置換されていてもよく、
R13、R14およびR15は、それぞれ互いに独立して、水素原子または直鎖状もしくは分枝鎖状の (C1-C6)アルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルケニル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の(C2-C6)アルキニル基、(C3-C8)シクロアルキルもしくは(C4-C8)シクロアルケニル基、環中に3〜8の原子を含むヘテロシクロアルキル基、(C5-C11)ビシクロアルキルもしくは(C7-C11)ビシクロアルケニル基、環中に5〜11の原子を含むヘテロビシクロアルキル基、環中に5〜11の原子を含むビシクロへテロアルケニル基、または環中に5〜12の原子を含む(C6-C11)アリールもしくはヘテロアリール基を表し、
R3およびR4、またはR4およびR5、またはR5およびR6は、それらを有する二つの炭素原子と一緒になって、R7、R8およびR9について定義された置換基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよい、環中に6原子を含むもう一つの芳香環または芳香複素環を形成していてもよい)
の、塩基または酸付加塩の形態にある化合物。
【請求項2】
Xが一般式C-R2の基を表すことを特徴とする、請求項1による化合物。
【請求項3】
P、Q、RおよびWの各々が一般式C-R3、C-R4、C-R5およびC-R6の基をそれぞれ表すことを特徴とする、請求項2による化合物。
【請求項4】
P、Q、RおよびWのうちの一つが窒素原子を表すことを特徴とする、請求項2による化合物。
【請求項5】
Xが窒素原子を表すことを特徴とする、請求項1による化合物。
【請求項6】
P、Q、RおよびWの各々が一般式C-R3、C-R4、C-R5およびC-R6の基をそれぞれ表すことを特徴とする、請求項5による化合物。
【請求項7】
P、Q、RおよびWのうちの一つが窒素原子を表すことを特徴とする、請求項5による化合物。
【請求項8】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを、一般式(III):
【化2】

(式中、X、P、Q、R、WおよびR1は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物と、そのカルボン酸官能基を酸クロライド官能基に任意に変換する前工程の後に、カップリング剤の存在下に、溶媒中で反応させることを特徴とする、請求項1による化合物の製造方法。
【請求項9】
1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンを、一般式(IV):
【化3】

(式中、X、P、Q、R、WおよびR1は請求項1で定義されたとおりであり、Zは臭素または沃素原子を表す)
の化合物と、一酸化炭素、パラジウム触媒および塩基の存在下に、溶媒中で反応させることを特徴とする、請求項1による化合物の製造方法。
【請求項10】
請求項1による化合物および賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。

【公表番号】特表2006−506356(P2006−506356A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542551(P2004−542551)
【出願日】平成15年10月6日(2003.10.6)
【国際出願番号】PCT/FR2003/002929
【国際公開番号】WO2004/033456
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】