説明

2−オキソ−1−ピロリジン誘導体を含む持続放出製剤

本発明は、活性成分としてレベチラセタム、ブリバラセタム又はセレトラセタムを含む医薬組成物に関し、本発明は、具体的には、持続放出製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−オキソ−1−ピロリジン誘導体の経口医薬組成物並びにその製造方法及び治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(S)−(−)α−エチル−2−オキソ−1−ピロリジンアセトアミドは、レベチラセタムとしても知られており、以下においてそのように称する。レベチラセタムを中枢神経系(CNS)の低酸素侵襲及び虚血侵襲の治療及び予防のための保護剤として使用することは、ヨーロッパ特許EP−B−0162036に記載されている。この化合物はてんかんの治療にも用いることができるが、その右旋性エナンチオマーである(R)−(+)−α−エチル−2−オキソ−1−ピロリジンアセトアミドは、てんかんへの治療効能については活性を完全に欠いていることが実証されている(A.J.GOWERら、Eur.J.Pharmacol.、222、(1992)、193〜203)。
【0003】
公開番号WO01/62726の国際特許出願は、2−オキソ−1−ピロリジン誘導体及びそれらの製造方法を開示している。この出願は特に、ブリバラセタム(brivaracetam)の国際一般名で知られている化合物、(2S)−2−[(4R)−2−オキソ−4−プロピル−ピロリジン−1−イル]ブタンアミドを開示している。
【0004】
公開番号WO2005/121082の国際特許出願は、2−オキソ−1−ピロリジン誘導体の製造方法を記載し、特に、セレトラセタム(seletracetam)の国際一般名で知られている、(2S)−2−[(4S)−4−(2,2−ジフルオロビニル)−2−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブタンアミドの製造方法を開示している。
【0005】
したがって、2−オキソ−1−ピロリジン誘導体は、医薬業界において特に有用である。
【0006】
ブリバラセタムは、てんかんの治療に有効である。臨床試験により、続発性全汎化の有無にかかわらず、難治性部分発作起始を有する成人患者の補助療法におけるブリバラセタム(5、20及び50mg/日)の有効性及び安全性が評価された。ブリバラセタムは、帯状疱疹後神経痛の患者の治療にも有効である。
【0007】
セレトラセタムは、てんかんの治療に有効である。てんかんにセレトラセタムを用いる2つの研究が行われ、3種までの抗てんかん薬を併用投与中の成人の高難治性患者の部分発作起始の補助療法におけるセレトラセタムの有効性及び安全性が評価された。
【0008】
一部の患者では、持続放出製剤の投与が特に望ましいであろう。持続放出製剤は、血漿中CmaxとCminの差を小さくすることによって副作用を低減するために有利に使用できるであろう。更に、持続放出製剤は、投与回数を減らすことができるので、患者のコンプライアンスを改善する。
【0009】
同じ製剤を、活性成分の種々の用量に容易に対応させることができれば、これもまた望ましいであろう。
【0010】
更に、摂取の容易な製剤は、小児患者への投与、また、一部の高齢患者への投与に特に望ましいであろう。
【0011】
1日1回の持続放出製剤は、特に望ましいであろう。
【0012】
国際特許出願WO2006/088864及び米国特許出願第US2007/298098号は、レベチラセタム(levetiracetam)を脈動法で送達する、レベチラセタム粒子の第1の群を含む第1の成分と放出調節被膜で被覆されたレベチラセタム粒子の第2の群を含む第2の成分とを含む放出制御組成物を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
驚くべきことに、十分に小さいサイズのペレットから徐放挙動が得られること及び放出制御被膜を使用することによって正確な放出制御が得られることがわかった。
【0014】
本発明の目的の1つは、経口投与によって医薬活性物質の放出を制御でき、その結果、患者に1日により少ない回数で投与する、理想的には1日1回投与することができ、したがって、患者に投与したときに、少なくとも16時間治療効果が得られる医薬組成物である。
【0015】
レベチラセタム、ブリバラセタム及びセレトラセタムがBCS Iに分類されることを考慮すれば、持続的な血漿中治療的薬物濃度を得るためには、得られるインビトロでの緩衝化水性媒体への溶出(USP<711>装置n°2)が、1時間の溶出後に40%以下、4時間の溶出後に25%〜80%、16時間の溶出後に80%以上の薬物放出でなければならない。好ましくは、溶出プロフィールは、1時間の溶出後に35%以下、4時間の溶出後に35%〜75%、16時間の溶出後に80%以上である。より好ましくは、1時間の溶出後に30%以下、4時間の溶出後に45%〜70%、16時間の溶出後に80%以上の溶出プロフィールである。
【0016】
しかし、レベチラセタム、ブリバラセタム及びセレトラセタムは、水溶性が非常に高い(それらの水への溶解度は500mg/mlを超える)。したがって、モノリシックでない形態を用いる場合には特に、総表面積が必然的に劇的に増加するので、このような程度まで放出を遅らせることは自明ではない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明は、活性成分及び少なくとも1種の賦形剤を含む第1の層で被覆されている不活性コアを含む粒状物を含む医薬組成物であって、この第1の層は放出制御層である第2の層で更に被覆されており、前記活性成分が、式(I)
【化1】


[式中、
はH、C1〜10アルキル又はC2〜6アルケニルであり;
はC1〜10アルキル又はC2〜6アルケニルであり;
Xは−CONR、−COOH、−COOR又は−CNであり;
はC1〜10アルキルであり;
は水素又はC1〜10アルキルであり;
は水素又はC1〜10アルキルである]
の2−オキソ−1−ピロリジン誘導体である医薬組成物に関する。
【0018】
本明細書中で使用する用語「活性成分」は、治療効果を有する物質又は薬物と定義する。これは、治療効果を有する物質の混合物であることもできる。
【0019】
本発明の医薬組成物中に存在する活性成分の量は、組成物を投与する患者及び治療される疾患によって異なり得る。
【0020】
本明細書中で使用する用語「アルキル」は、直鎖(非分岐鎖)、分岐鎖又は環状部分又はそれらの組合せを有する飽和一価炭化水素基を意味する基である。好ましくは、アルキルは炭素数が1〜10である。より好ましくは、アルキルは炭素数が1〜4である。任意選択で、アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、アシル、シアノ、アシルオキシ、酸、アミド又はアミノ基からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、トリフルオロメチル及びトリフルオロエチルである。
【0021】
本明細書中で使用する用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を有する非置換又は置換分岐鎖、非分岐鎖又は環状炭化水素基又はそれらの組合せを意味する。好ましいアルケニルは炭素数が2〜6である。より好ましいアルケニルは炭素数が2〜4である。「アルケニル」部分は任意選択で、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、エステル、アシル、シアノ、アシルオキシ、カルボン酸、アミド又はアミノ基からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0022】
本明細書中で使用する用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を意味する。
【0023】
本明細書中で使用する用語「ヒドロキシ」は、式−OHの基を意味する。
【0024】
本明細書中で使用する用語「アルコキシ」は、式−OR[式中、Rは、前記で定義したC1〜4アルキルである]の基を意味する。
【0025】
本明細書中で使用する用語「アシル」は、式RCO−[式中、Rは前記で定義したC1〜4アルキルを表す]の基を意味する。
【0026】
本明細書中で使用する用語「エステル」は、式−COOR[式中、Rは前記で定義したC1〜4アルキルを表す]の基を意味する。
【0027】
本明細書中で使用する用語「シアノ」は、式−CNの基を意味する。
【0028】
本明細書中で使用する用語「アシルオキシ」は、式−O−COR[式中、Rは前記で定義したC1〜4アルキル又はアリール基である]の基を意味する。
【0029】
本明細書中で使用する用語「アリール」は、芳香族炭化水素から水素を1つ除去することによって得られる有機基、例えば、フェニルを意味する。
【0030】
本明細書中で使用する用語「カルボン酸」は、式−COOHの基を意味する。
【0031】
本明細書中で使用する用語「アミノ基」は、式−NH、NHR又はNR[式中、R及びRは、本明細書中において前記で定義したアルキル基である]の基を意味する。
【0032】
本明細書中で使用する用語「アミド」は、式−CO−NH、−CO−NHR又は−CO−NR[式中、R及びRは、本明細書中において前記で定義したアルキル基である]の基を意味する。
【0033】
本明細書中で使用する用語「スルホネート基」は、式−O−SO−R[式中、Rは本明細書中において前記で定義したアルキル又はアリールである]の基を意味する。好ましいスルホネート基は、メタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基又はトリフルオロメタンスルホネート基である。
【0034】
式(I)の化合物は、それらの構造中に、(1)及び(2)で示される少なくとも2つの立体中心を有する。これらの立体中心は、R又はS配置で表すことができ、前記R及びSの表記は、Pure.Appl.Chem.、45(1976)11〜30に記載された規則に従って用いる。
【0035】
本発明の第1の態様による一実施形態において、RはC1〜4アルキル又はC2〜4アルケニルである。本発明の第1の態様による更なる実施形態において、Rは水素、n−プロピル又は2,2−ジフルオロビニルである。
【0036】
本発明の第1の態様による一実施形態において、RはC1〜4アルキルである。本発明の第1の態様による別の実施形態において、Rはエチルである。
【0037】
本発明の第1の態様による一実施形態において、Xは−CONR、−COOH又は−COOR[式中、RはC1〜4アルキルである]である。本発明の第1の態様による別の実施形態において、Xは−CONRである。
【0038】
本発明の第1の態様による一実施形態において、Xは−CONR又は−COOR[式中、RはC1〜4アルキルである]である。本発明の第1の態様による別の実施形態において、XはCOOR[式中、RはC1〜4アルキルである]である。
【0039】
本発明の第1の態様による一実施形態において、Xは−CONR又は−COOR[式中、RはC1〜4アルキルである]である。本発明の第1の態様による別の実施形態において、XはCOOR[式中、RはC1〜4アルキルである]である。
【0040】
特定の実施形態において、Rはメチルである。
【0041】
本発明の第1の態様による一実施形態において、Rは水素又はC1〜4アルキルである。本発明の第1の態様による別の実施形態において、Rは水素である。
【0042】
本発明の第1の態様による一実施形態において、Rは水素又はC1〜4アルキルである。本発明の第1の態様による別の実施形態において、Rは水素である。
【0043】
好ましくは、Rは水素、n−プロピル又は2,2−ジフルオロビニルであり;Rはエチルであり;Xは−CONHである。
【0044】
より好ましくは、活性成分は、ブリバラセタム、セレトラセタム及びレベチラセタムから選択される。最良の結果は、ブリバラセタム及びセレトラセタムによって得られた。
【発明を実施するための形態】
【0045】
したがって、本発明は、活性成分を含んでおり、放出制御層で被覆された粒状物を含む医薬組成物に関する。通常、放出制御層の重量百分率は、医薬組成物の重量を基準として、1.0%〜60%の範囲に含まれる。好ましくは、放出制御層の重量百分率は、医薬組成物の重量を基準として、2.0%〜50%の範囲に含まれる。より好ましくは、放出制御層の重量百分率は、医薬組成物の重量を基準として、5.0%〜40%の範囲に含まれる。
【0046】
本発明によれば、放出制御層は少なくとも1種の放出制御ポリマーを含む。放出制御ポリマーとは、水性環境におけるその溶解性/透過性によって活性成分の放出速度を制御できるポリマーと解釈する。
【0047】
一般に、放出制御ポリマーは、アンモニオアルキルメタクリレートエチルアクリレートコポリマー、若しくはエチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、若しくはエチルセルロース、若しくは32%〜44%の範囲に含まれるレベルのアセチル基を有するセルロースアセテート、又はそれらの混合物である。好ましくは、放出制御ポリマーは、75000〜200,000daの範囲に含まれる平均分子量を有し、6%〜14%の範囲に含まれるレベルのアンモニオアルキルメタクリレート部分を有するアンモニオアルキルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー;又は2つのモノマーのモル比が2:1であり、500000〜1000000の範囲に含まれる平均分子量を有するエチルアクリレートとメチルメタクリレートとのコポリマーから選択される。最良の結果は、Evonik Industries AGにより市販されている商品名Eudragit(登録商標)RS又はEudragit(登録商標)RLで市販されているアンモニオアルキルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー;及びEvonik Industrries AGによって商品名Eudragit(登録商標)NE 30 Dで30%水性分散液として市販されているエチルアクリレートとメチルメタクリレートとのコポリマーによって得られた。
【0048】
通常、放出制御層は、少なくとも1種の賦形剤、例えば、共結合剤、接着防止剤(antisticking agent)、消泡剤、矯味矯臭剤(flavoring agent)、色素、可塑剤のような加工助剤、乳化剤又は安定剤を含む。
【0049】
一般に、放出制御層は共結合剤を含む。一般に、共結合剤は、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール若しくはポリビニルピロリドン又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、共結合剤はセルロース誘導体である。より好ましくは、共結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。最良の結果は、共結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP28型名2910)を用いた場合に得られた。
【0050】
一般に、放出制御層は接着防止剤を含む。一般に、接着防止剤はタルク、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、澱粉、第三リン酸カルシウム又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、接着防止剤はタルクである。
【0051】
通常、本発明による医薬組成物は、放出制御層の総乾燥質量を基準として、30〜100重量%の放出制御ポリマーを含む。本発明による医薬組成物は、放出制御層の総乾燥質量を基準として、好ましくは40〜90重量%の放出制御ポリマー、より好ましくは60〜75重量%の放出制御ポリマーを含む。
【0052】
通常、本発明による医薬組成物は、放出制御層の総乾燥質量を基準として、0〜15重量%の共結合剤を含む。本発明による医薬組成物は、放出制御層の総乾燥質量を基準として、好ましくは1〜10重量%の共結合剤、より好ましくは3〜5重量%の共結合剤を含む。
【0053】
通常、本発明による医薬組成物は、放出制御層の総乾燥質量を基準として、0〜50重量%の接着防止剤を含む。本発明による医薬組成物は、放出制御層の乾燥質量を基準として、好ましくは10〜45重量%の接着防止剤、より好ましくは25〜35重量%の接着防止剤を含む。
【0054】
一般に、不活性コアは、0.75超の真球度及び0.5〜1.5の範囲に含まれる密度を有する球である。好ましくは、不活性コアは、0.85超の真球度及び0.6〜1.2の範囲に含まれる密度を有する球である。最良の結果は、0.90超の真球度及び0.80〜0.90の範囲に含まれる密度を有する球によって得られた。真球度とは、所与の粒子の表面積に対する球(その粒子と同じ体積を有する)の表面積の比と解釈する。
【0055】
一般に、不活性コアは中性である(即ち、活性物質を含まない)。
【0056】
通常、不活性コアは、糖、サッカライド、ポリサッカライド、セルロース、セルロース誘導体、微結晶セルロース、澱粉及び/又はワックスによって構成される。好ましくは、不活性コアは、微結晶セルロースを含む。より好ましくは、不活性コアは本質的に微結晶セルロースである。
【0057】
一般に、不活性コアの平均粒径は75〜1400μmである。好ましくは、不活性コアの平均粒径は400〜1100μmである。より好ましくは、不活性コアの平均粒径は500〜1000μmである。最良の結果は、Pharmatrans Sanaq AGによって商標Cellets(登録商標)で販売されているか又は旭化成株式会社から商品名Celphere(登録商標)で販売されている、糖を含まない微結晶セルロースの中性球、詳細には、平均粒径500〜710μmのCellets(登録商標)500、平均粒径700〜1000μmのCellets(登録商標)700、平均粒径500〜710μmのCelphere(登録商標)CP−507及び平均粒径710〜850μmのCelphere(登録商標)CP−708によって得られた。
【0058】
本発明によれば、第1の層は、活性成分及び少なくとも1種の賦形剤を含む。最終用量に応じて、活性層のレベルを変えることができるであろう。
【0059】
通常、第1の層の重量百分率は、不活性コアの重量を基準として、0.25〜150%の範囲に含まれる。
【0060】
好ましくは、第1の層の重量百分率は、不活性コアの重量を基準として、0.5〜120%の範囲に含まれる。
【0061】
より好ましくは、第1の層の重量百分率は、不活性コアの重量を基準として、1.0〜100%の範囲に含まれる。
【0062】
通常、第1の層の賦形剤は結合剤を含む。
【0063】
一般に、結合剤は、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、結合剤はセルロース誘導体である。より好ましくは、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。最良の結果は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP28型名2910)によって得られた。
【0064】
通常、第1の層の賦形剤は接着防止剤を含む。一般に、接着防止剤は、タルク、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、澱粉、第三リン酸カルシウム又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、接着防止剤はタルクである。
【0065】
好ましくは、第1の層の賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含む。
【0066】
任意選択で、第1の層の賦形剤は保存剤を含む。一般に、保存剤は、エデト酸二ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、保存剤はエデト酸二ナトリウムである。
【0067】
通常、本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量の総重量を基準として、1〜35重量%の結合剤を含む。本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量を基準として、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは5〜15重量%の結合剤を含む。
【0068】
通常、本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量を基準として、0〜40重量%の接着防止剤を含む。本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量を基準として、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%の接着防止剤を含む。
【0069】
通常、本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量を基準として、0〜5重量%の保存剤を含む。本発明による医薬組成物は、第1の層の乾燥質量を基準として、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0〜2重量%の保存剤を含む。
【0070】
本発明の別の実施形態においては、放出制御層への活性成分のいかなる拡散も防ぐために又は外部からの化学的攻撃から活性成分をより適切に保護するために、放出制御層の前に中間層を加える。粒状物を中間層で被覆する。一般に、中間層は結合剤、接着防止剤、色素及び/又は可塑剤のような加工助剤を含む。
【0071】
通常、中間層の重量百分率は、不活性コア及び第1の層の総重量を基準として、1.0%〜30%の範囲に含まれる。
【0072】
好ましくは、中間層の重量百分率は、コア及び第1の層の総重量を基準として、2.5%〜20%の範囲に含まれる。より好ましくは、中間層の重量百分率は、コア及び第1の層の総重量を基準として、5%〜15%の範囲に含まれる。
【0073】
通常、中間被膜層は結合剤を含む。一般に、結合剤は、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、結合剤はセルロース誘導体である。より好ましくは、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。最良の結果は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースUSP28型名2910によって得られた。
【0074】
通常、中間層は接着防止剤を含む。一般に、接着防止剤は、タルク、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、澱粉、第三リン酸カルシウム又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、接着防止剤はタルクである。
【0075】
任意選択で、中間層は可塑剤を含む。一般に、可塑剤は、グリセロール、脂肪酸、フタレート、低分子量ポリエチレングリコール、シトレート又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、可塑剤はポリエチレングリコールである。
【0076】
低分子量ポリエチレングリコールとは、分子量12000da未満のポリマーと解釈する。
【0077】
通常、本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、30〜95重量%の結合剤を含む。本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、好ましくは40〜90重量%の結合剤、より好ましくは60〜80重量%の結合剤を含む。
【0078】
通常、本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、0〜40重量%の接着防止剤を含む。本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、好ましくは5〜35重量%の接着防止剤、より好ましくは15〜25重量%の接着防止剤を含む。
【0079】
通常、本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、0〜25重量%の可塑剤を含む。本発明による医薬組成物は、中間層の乾燥質量を基準として、好ましくは2〜20重量%の可塑剤、より好ましくは6〜10重量%の可塑剤を含む。
【0080】
本発明の別の実施形態においては、放出制御層の次に最終層を加える。放出制御層で被覆された粒状物を、更に最終層で被覆する。最終層は、結合剤、接着防止剤、色素及び/又は加工助剤を含む。
【0081】
通常、最終層の重量百分率は、医薬組成物の総重量を基準として、1.0%〜30%の範囲に含まれる。好ましくは、最終層の重量百分率は、医薬組成物の総重量を基準として、2.5%〜20%の範囲に含まれる。より好ましくは、最終層の重量百分率は、医薬組成物の総重量を基準として、5%〜15%の範囲に含まれる。
【0082】
本発明の別の実施形態においては、外部層(external phase)を加える。色素、保存剤又は加工助剤などの数種の医薬として許容され得る賦形剤を、外部層成分として組成物に加えることができる。
【0083】
加工助剤の例は、タルク、澱粉、ステアリン酸及び無水コロイド状シリカである。本発明による好ましい加工助剤は、無水コロイド状シリカ、例えば、AEROSIL 200(登録商標)である。
【0084】
通常、本発明による医薬組成物は、0.0〜3.0重量%の加工助剤を含む。本発明による医薬組成物は、組成物の総重量を基準として、好ましくは0.0〜2.0重量%の加工助剤、より好ましくは0.25〜1.0重量%の加工助剤を含む。
【0085】
本発明によれば、任意選択で、組成物は甘味剤、矯味矯臭剤、嗜好剤(palatability agent)も含む。
【0086】
本発明の一実施形態において、医薬組成物は、
−平均粒径75〜1400μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1の層の総重量を基準として1〜35%の結合剤及び0〜40%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、1.0〜60%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、30〜100%の放出制御コポリマー、1〜15%の結合剤及び0〜50%の接着防止剤を含む放出制御層;並びに
−加工助剤を、医薬組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルで含む外部層
を含む。
【0087】
特定すれば、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%の結合剤及び5〜35%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、2.0〜50%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、40〜90%の放出制御コポリマー、1〜10%の結合剤及び10〜45%の接着防止剤を含む放出制御層;並びに
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0088】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%の結合剤及び10〜30%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、5.0〜40%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、60〜75%の放出制御コポリマー、3〜5%の結合剤及び25〜35%の接着防止剤を含む放出制御層;並びに
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0089】
特定の実施形態において、本発明は、
−平均粒径75〜1400μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として1〜35%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0〜40%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、1.0〜60%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、30〜100%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜15%のヒドロキシプロピルメチル−セルロース及び0〜50%のタルクを含む放出制御層;並びに
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0090】
特定の実施形態において、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び5〜35%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、2.0〜50%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、40〜90%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜10%のヒドロキシプロピルメチル−セルロース及び10〜45%のタルクを含む放出制御層;並びに
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0091】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのブリバラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び10〜30%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として、5.0〜40%の重量百分率を有しており、放出制御層の総重量を基準として、60〜75%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、3〜5%のヒドロキシプロピルメチル−セルロース及び25〜35%のタルクを含む放出制御層;並びに
−コロイド状無水シリカを、医薬組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0092】
本発明の別の実施形態において、医薬組成物は、
−平均粒径75〜1400μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として1〜35%の結合剤及び0〜40%の接着防止剤を含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として1〜30%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として30〜95%の結合剤、0〜40%の接着防止剤及び0〜25%の可塑剤を含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として1.0〜60%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として30〜100%の放出制御コポリマー、1〜15%の結合剤及び0〜50%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルで含む外部層
を含む。
【0093】
特定すれば、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%の結合剤及び5〜35%の接着防止剤を含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として2.5〜20%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として40〜90%の結合剤、5〜35%の接着防止剤及び2〜20%の可塑剤を含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として2.0〜50%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として40〜90%の放出制御コポリマー、1〜10%の結合剤及び10〜45%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0094】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%の結合剤及び10〜30%の接着防止剤を含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として5〜15%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として60〜80%の結合剤、15〜25%の接着防止剤及び6〜10%の可塑剤を含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として5.0〜40%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として60〜75%の放出制御コポリマー、3〜5%の結合剤及び25〜35%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0095】
特定の実施形態において、本発明は、
−平均粒径75〜1400μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として1〜35%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0〜40%のタルクを含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として1.0〜30%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として30〜95%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、0〜40%のタルク及び0〜25%のポリエチレングリコールを含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として1.0〜60%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として30〜100%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0〜50%のタルクを含む放出制御層;更に
−組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルの外部層中のコロイド状無水シリカ
を含む医薬組成物に関する。
【0096】
特定すれば、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び5〜35%のタルクを含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として2.5〜20%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として40〜90%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、5〜35%のタルク及び2〜20%のポリエチレングリコールを含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として2.0〜50%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として40〜90%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜10%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び10〜45%のタルクを含む放出制御層;更に
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0097】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのセレトラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び10〜30%のタルクを含む第1の層;
−前記中性コア及び前記第1の層の総重量を基準として5〜15%の重量百分率を有し、中間被膜層の総重量を基準として60〜80%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、15〜25%のタルク及び6〜10%のポリエチレングリコールを含む中間層;
−医薬組成物の総重量を基準として5.0〜40%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として60〜75%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、3〜5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び25〜35%のタルクを含む放出制御層;更に
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0098】
本発明の別の実施形態において、医薬組成物は、
−平均粒径75〜1400μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1の層の総重量を基準として1〜35%の結合剤及び0〜40%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として1.0〜60%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として30〜100%の放出制御コポリマー、1〜15%の結合剤及び0〜50%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、医薬組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルで含む外部層
を含む。
【0099】
特定すれば、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%の結合剤及び5〜35%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として2.0〜50%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として40〜90%の放出制御コポリマー、1〜10%の結合剤及び10〜45%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0100】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%の結合剤及び10〜30%の接着防止剤を含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として5.0〜40%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として60〜75%の放出制御コポリマー、3〜5%の結合剤及び25〜35%の接着防止剤を含む放出制御層;更に
−加工助剤を、組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0101】
特定の実施形態において、本発明は、
−平均粒径75〜1400μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.25〜150%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として1〜35%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0〜40%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として1.0〜60%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として30〜100%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び0〜50%のタルクを含む放出制御層;更に
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.0〜3.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0102】
特定の実施形態において、本発明は、
−平均粒径400〜1100μmの中性微結晶コア;
−前記中性コアを基準として0.5〜120%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として2〜25%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び5〜35%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として2.0〜50%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として40〜90%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、1〜10%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び10〜45%のタルクを含む放出制御層;更に
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.0〜2.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0103】
より特定すれば、本発明は、
−平均粒径500〜1000μmの中性コア;
−前記中性コアを基準として1.0〜100%の重量百分率を有し、活性成分としてのレベチラセタム並びに第1被膜層の総重量を基準として5〜15%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び10〜30%のタルクを含む第1の層;
−医薬組成物の総重量を基準として5.0〜40%の重量百分率を有し、放出制御層の総重量を基準として60〜75%のエチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、3〜5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び25〜35%のタルクを含む放出制御層;更に
−コロイド状無水シリカを、組成物の総重量を基準として、0.25〜1.0%のレベルで含む外部層
を含む医薬組成物に関する。
【0104】
本発明の医薬組成物は、当業者に知られた従来の方法による任意のプロセスによって、例えば、圧縮、押出、湿式若しくは乾式造粒、粉末の結合、噴霧プロセス、ローター造粒又は流動層造粒によって製造できる。
【0105】
任意選択で、放出制御層は、20℃〜75℃の範囲に含まれる温度において、1時間〜5日の範囲に含まれる期間、硬化させる必要があることもある。好ましくは、放出制御層は、30℃〜70℃の範囲に含まれる温度において、2時間〜3日の範囲に含まれる期間、硬化させる必要があることもある。より好ましくは、放出制御層は、40℃〜65℃の範囲に含まれる温度において、8時間〜1日の範囲に含まれる期間、硬化させる必要があることもある。
【0106】
更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.20〜70重量%のブリバラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0107】
通常、この更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.40〜60重量%のブリバラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0108】
特定すれば、この更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.60〜50重量%のブリバラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0109】
本発明による医薬組成物は、好ましくは経口投与する。
【0110】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、カプセル剤、サシェ剤(sachet)又は錠剤の形態で投与する。
【0111】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、外部希釈剤(external diluent)又は加工助剤、例えば(限定的ではないが)、澱粉、ラクトース、微結晶セルロース、タルクを含む。
【0112】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味剤、着色剤又は矯味矯臭剤を含んでいてもよい。
【0113】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、味覚マスキング剤(taste−masking agent)を含んでいてもよい。
【0114】
別の更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.20〜70重量%のセレトラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0115】
通常、この更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.40〜60重量%のセレトラセタムを含む医薬組成物に関する。
【0116】
特定すれば、この更なる特定の実施形態において、本発明は、組成物の総重量を基準として、0.60〜50重量%のセレトレセタムを含む医薬組成物に関する。
【0117】
本発明による医薬組成物は、好ましくは経口投与する。
【0118】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、カプセル剤、サッシェ剤又は錠剤の形態で投与する。
【0119】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、希釈剤又は加工助剤、例えば(限定的ではないが)、澱粉、ラクトース、微結晶セルロース、タルクを含む。
【0120】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、スクロース若しくはサッカリンなどの甘味剤、着色剤又は矯味矯臭剤を含む。
【0121】
任意選択で、本発明による医薬組成物は、味覚マスキング剤を含む。
【0122】
本発明はまた、疾患の治療への医薬組成物の使用に関する。
【0123】
別の態様において、本発明は、疾患の治療又は予防に有用な活性成分を含む医薬組成物に関する。
【0124】
用語「疾患」とは、てんかん発生、発作性障害、けいれん、パーキンソン病、ドーパミン補充療法によって誘発されるジスキネジア、神経遮断薬によって誘発される遅発性ジスキネジア、ハンティングトン舞踏病(Huntington chorea)、並びに双極性障害、躁病、うつ病、不安神経症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、片頭痛、三叉神経痛及び他の神経痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、脳虚血、不整脈、筋緊張症、コカイン乱用、脳卒中、間代性筋けいれん、振せん、本態性振せん、単純又は複雑チック、ツレット症候群(Tourette syndrome)、不穏下肢症候群及び他の運動障害、新生児脳出血、筋萎縮性側索硬化症、痙縮及び変性疾患を含む他の神経障害からなる群から選択される疾患と解釈する。
【0125】
本明細書中で使用する用語「治療」は、治癒的治療及び予防的治療を含む。
【0126】
「治癒的」とは、障害及び病態の進行中の症候性エピソードの治療における有効性を意味する。
【0127】
「予防的」とは、障害又は病態の発症又は再発の防止を意味する。
【0128】
本発明はまた、前記医薬組成物の使用による、ヒト患者の治療方法に関する。
【0129】
本発明はまた、前記疾患を治癒させる薬剤として使用するための医薬組成物に関する。
【0130】
本発明はまた、前記疾患への治療的適用のための薬剤の製造に前記医薬組成物を使用することに関する。
【0131】
好ましくは、前記疾患は、てんかん、パーキンソン病、ジスキネジア、片頭痛、振せん、本態性振せん、双極性障害、慢性疼痛、神経障害性疼痛から本質的になる群から選択される。より好ましくは、前記疾患はてんかんである。
【0132】
本発明はまた、本発明の医薬組成物を使用することを特徴とする、前記疾患の治療的適用を目的とする医薬の製造方法に関する。
【0133】
本発明の医薬組成物の量及び活性成分配合量を変えることによって、広い用量範囲を網羅することができる。即時放出(IR)組成物は持続放出(PR)組成物に先行するので、即時放出挙動又は持続放出挙動をいずれも実現できる。最終的には、溶出プロフィールは、PR被膜の厚さを変えることによって容易に調節できる。更に、持続放出多粒子型は一般に、活性成分の放出プロフィールに対して向上した頑健性及び信頼性を提供する。
【0134】
本発明の医薬組成物は、許容され得る薬物吸収を生体内において実現するために、活性成分の少なくとも50%を8時間未満で放出する。
【0135】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を説明するものである。
【0136】
(例1)
セレトラセタム製剤
低薬物配合量のペレットを、表1に示した組成に従って調製した。
【表1】

【0137】
微結晶コアペレット(MCC球)は、Cellet(登録商標)として販売されている。グレード700は、700〜1000μmの範囲の平均粒径を指す。商標Pharmacoat(登録商標)として販売されているヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を結合剤として用いる。グレード603及び606が好ましい。タルクは接着防止剤である。エデト酸二ナトリウムは保存剤として用いる。ポリエチレングリコール(PEG6000)は、ヒドロプロピルメチルセルロースの可塑剤である。グレード「6000」が適用に好ましい。グレード6000は、6000daの平均分子量を指す。エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマーは、商標Eudragit(登録商標)NE 30Dとして販売されている。無水コロイド状シリカは、商標Aerosil(登録商標)200として販売されている。無水コロイド状シリカは、接着防止及び滑沢剤として用いる。
【0138】
得られたペレットはセレトラセタムの徐放プロフィールを示し、いずれもインビトロ溶出要件に適合している。
【表2】

【0139】
水中におけるインビトロ溶出プロフィールを、USP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒体500ml)に従って、16時間にわたって測定した。溶出は、37℃においてpH6.4のリン酸緩衝液中で行った。
【0140】
(例2)
セレトラセタム製剤
中程度の薬物配合量のペレットを、表3に示した組成に従って調製した。
【表3】

【0141】
微結晶コアペレットは、Cellet(登録商標)として販売されている。グレード700は、700〜1000μmの範囲の平均粒径を指す。商標Pharmacoat(登録商標)として販売されているヒドロプロピルメチルセルロースを結合剤として用いる。グレード603及び606が好ましい。タルクは接着防止剤である。エデト酸二ナトリウムは保存剤として用いる。ポリエチレングリコール(PEG6000)は、ヒドロプロピルメチルセルロースの可塑剤である。グレード「6000」が適用に好ましい。グレード6000は、6000daの平均分子量を指す。エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマーは、商標Eudragit(登録商標)NE 30Dとして販売されている。無水コロイド状シリカは、商標Aerosil(登録商標)200として販売されている。無水コロイド状シリカは、接着防止及び滑沢剤として用いる。
【0142】
得られたペレットはセレトラセタムの徐放プロフィールを示し、いずれもインビトロ溶出要件に適合している。
【表4】

【0143】
水中におけるインビトロ溶出プロフィールを、USP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒体900ml)に従って、16時間にわたって測定した。溶出は、37℃においてpH6.4のリン酸緩衝液中で行った。
【0144】
(例3)
セレトラセタム製剤
高薬物配合量のペレットを、表5に示した組成に従って調製した。
【表5】

【0145】
微結晶コアペレットは、Cellet(登録商標)として販売されている。グレード500は、500〜710μmの範囲の平均粒径を指す。商標Pharmcoat(登録商標)として販売されているヒドロプロピルメチルセルロースを結合剤として用いる。グレード603及び606が好ましい。タルクは接着防止剤である。エデト酸二ナトリウムは保存剤として用いる。ポリエチレングリコール(PEG6000)は、ヒドロプロピルメチルセルロースの可塑剤である。グレード「6000」が適用に好ましい。グレード6000は、6000daの平均分子量を指す。エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマーは、商標Eudragit(登録商標)NE 30Dとして販売されている。無水コロイド状シリカは、商標Aerosil(登録商標)200として販売されている。無水コロイド状シリカは、接着防止及び滑沢剤として用いる。
【0146】
得られたペレットはセレトラセタムの徐放プロフィールを示し、いずれもインビトロ溶出要件に適合している。
【表6】

【0147】
水中におけるインビトロ溶出プロフィールを、USP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒体900ml)に従って、16時間にわたって測定した。溶出は、37℃においてpH6.4のリン酸緩衝液中で行った。
【0148】
(例4)
ブリバラセタム徐放製剤
ブリバラセタムペレットを、表7に示した組成に従って調製した。
【表7】

【0149】
微結晶コアペレットは、商品名Cellet(登録商標)として販売されている。グレード700は、700〜1000μmの範囲の平均粒径を指す。商標Pharmacoat(登録商標)として販売されているヒドロプロピルメチルセルロースを結合剤として用いる。グレード603及び606が好ましい。タルクは接着防止剤である。エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマーは、商標Eudragit(登録商標)NE 30Dとして販売されている。無水コロイド状シリカは、商標Aerosil(登録商標)200として販売されている。無水コロイド状シリカは、接着防止及び滑沢剤として用いる。
【0150】
得られたペレットはブリバラセタムの徐放プロフィールを示し、いずれもインビトロ溶出要件に適合している。
【表8】

【0151】
水中におけるインビトロ溶出プロフィールを、USP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒体900ml)に従って、16時間にわたって測定した。溶出は、37℃においてpH6.4のリン酸緩衝液中で行った。
【0152】
(例5)
レベチラセタム
レベチラセタムペレットを、表9に示した組成に従って調製した。
【表9】

【0153】
微結晶コアペレットは、商品名Cellet(登録商標)として販売されている。グレード700は、700〜1000μmの範囲の平均粒径を指す。商標Pharmacoat(登録商標)で販売されているヒドロプロピルメチルセルロースを、結合剤として用いた。グレード603及び606が好ましい。タルクは接着防止剤である。エチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマーは、商標Eudragit(登録商標)NE 30Dで販売されている。無水コロイド状シリカは、商標Aerosil(登録商標)200で販売されている。これを接着防止剤及び滑沢剤として用いる。
【0154】
得られたペレットはレベチラセタムの徐放プロフィールを示し、いずれもインビトロ溶出要件に適合している。
【表10】

【0155】
水中でのインビトロ溶出プロフィールを、USP<711>(装置n°2、50rpm、水性媒体900ml)に従って、16時間の間隔にわたって測定した。溶出は、37℃においてpH6.4のリン酸緩衝液中で行った。
【0156】
(例6)
薬理学データ:実験は全て、地域の動物実験倫理委員会のガイドラインに従って行った。
【0157】
海馬切片におけるてんかん様反応:レベチラセタムは、ラット海馬切片において灌流液中の高K/低Ca2+濃度によって誘発されるてんかん様反応、及びビククリン(bicuculline)によって誘発されるてんかん様反応を共に減少させる。高K/低Ca2+濃度又はビククリンによって誘発されるてんかん様反応に対するブリバラセタムの効果を、前述の標準的手順に従って、Sprague−Dawleyラットから調製した横断方向の海馬切片で調べた。てんかん様反応は、人工脳脊髄液(ACSF)(K 3mM、Ca2+ 2.4mM)の正常灌流から、高K/低Ca2+液(HKLCF)(K 7.5mM、Ca2+ 0.5mM)又は5Mビククリンメチオジド(BMI)含有ACSFに移すことによって誘発した。
【0158】
細胞外電場電位(FP)を、切片のCA3野において、2M NaClを充填したガラス管微小電極を用いて記録した。海馬采刺激に反応して誘発されたFPを、10分間隔で記録した。海馬采刺激は、スライスがACSF中にある場合に最大振幅の50〜75%の単一ポピュレーションスパイク(PS)を惹起する、定電流長方形パルスによって誘発した。HKLCFモデルにおいては、2分の自発活動性も、誘発反応の各10分の記録間隔の中間で記録した。
【0159】
ブリバラセタム又はレベチラセタムのいずれかを切片の浴液に加え、20分後にACSFからHKLCF又は5M BMI含有ACSFのいずれかに移し、実験全体を通して、灌流液中に保持した。
【0160】
マウスにおける聴原性発作:音刺激に対して、ワイルドランニング(wild running)、間代性及び強直性けいれんで反応する、遺伝的に音に敏感な雄マウス(16〜28g、n=10匹/群)を用いた。聴原性発作は、音刺激(90dB、10〜20kHz)を30秒間加えることによって誘発した。マウスは、生理食塩水、ブリバラセタム(i.p.、30分)又はレベチラセタム(i.p.、60分)のいずれかで前処理し、間代性けいれんから保護されたマウスの割合を、抗けいれん活性を評価するための評価項目として用いた。
【0161】
マウスにおける化学的誘発発作:ペンチレンテトラゾール、83mg/kg(s.c.)を用いて、ブリバラセタムの抗けいれん性を評価した。生理食塩水で処理した動物における用量作用曲線に基づき、動物の97%において四肢全てに間代性けいれんを誘発する用量を、けいれん誘発量として選択した。けいれん誘発薬の投与直後に、マウスを1匹ずつ、小型プラスチックケージ(25×13×8cm)に入れ、四肢全てに間代性けいれんが存在するか否かを60分間観察した。この期間において、強直性けいれん(後肢伸展)の発生及び死亡数も記録した。間代性けいれんから保護されたマウスの割合を計算し、抗けいれん活性の評価項目として用いた。
【0162】
結果
海馬切片におけるてんかん様反応:ラット海馬切片の灌流を正常なACSFからHKLCFに変えることによって、CA3野のてんかん様FPが、定電流海馬采刺激に反応して、増加的に発生した。HKLCFのみに曝露された対照切片では、PS1振幅が徐々に増加し、20分以内にプラトー値(4.250.77mV)に達した。これは、ACSF灌流下で記録された値(2.180.15mV、スライス数n=10の平均データ)のほぼ2倍であった。また、定電流の単回刺激によって誘発された、繰り返しPS(即ち、PS2、PS3など)のバーストは、HKLCF灌流の最初の30分における数が、単一のPS1から、誘発バースト当たり平均でPS7.62.3まで著しく増加し、記録の終了までわずかに増加し続け、HKLCFの80分灌流後には誘発バースト当たり平均でPS8.81.6に達した。ブリバラセタム及びレベチラセタムはいずれも、これらのてんかん様反応を減少させた。HKLCFの15分の灌流後には、HKLCFのみに曝露された10個の対照切片のうち4個で自発的な電場バーストが発生し、HKLCF中で25分から記録終了までの期間で、全ての対照切片が規則的な電場バーストを示した。ブリバラセタム(3.2M)はこの自発的バーストの発生率を減少させたが、レベチラセタム(32M)は減少させなかった。
【0163】
生体試験:扁桃が完全にキンドリングされたラットにおいて、ブリバラセタムは、21.2mg/kgの用量から、運動発作強度を著しく抑制したが、レベチラセタムは、170mg/kgの用量から同様な効果を生じた。ブリバラセタムはまた、試験した最高用量(212.3mg/kg)において後放電の持続を有意に減少させたが、レベチラセタムは1700mg/kgまではこのパラメーターに対して不活性であった。
【0164】
聴原性発作感受性マウスは、ブリバラセタム及びレベチラセタムによって、間代性けいれんの発現から保護された。ED50値を表2に示す。マウスにおいて発作誘発の30分前に腹腔内投与(i.p.)したブリバラセタムはまた、ペンチレンテトラゾールによって誘発された間代性けいれん、及びマウスにおける最大電気ショックによって誘発された強直性後肢伸展から保護したが、ED50値はより高値であった。
【0165】
ブリバラセタムは、GAERSラットにおける自発的SWDを、2.1mg/kgの用量から有意に抑制し、試験した最高用量(67.9mg/kg)では完全な阻害が見られた。他方、レベチラセタムは、5.4mg/kgの用量からSWDの有意な抑制を生じた。
【0166】
マウスの角膜キンドリング中にブリバラセタムで前処理すると、全身運動発作の発生率が有意に減少した。同様な発生率の減少が、レベチラセタムではより高い用量で観察された。最高用量のブリバラセタムで前処理された群においては、処理終了後の持続性角膜刺激は、全身運動発作の発生率の持続的減少を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分及び少なくとも1種の賦形剤を含む第1の層で被覆されている不活性コアを含む粒状物を含む医薬組成物であって、前記第1の層は放出制御層で被覆されており、前記活性成分が、式(I)
【化1】


[式中、
はH、C1〜10アルキル又はC2〜6アルケニルであり;
はC1〜10アルキル又はC2〜6アルケニルであり;
Xは−CONR、−COOH、−COOR又は−CNであり;
はC1〜10アルキルであり;
は水素又はC1〜10アルキルであり;
は水素又はC1〜10アルキルである]
の2−オキソ−1−ピロリジン誘導体である上記医薬組成物。
【請求項2】
が水素、n−プロピル又は2,2−ジフルオロビニルであり、Rがエチルであり、Xが−CONHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記放出制御層の重量百分率が、前記医薬組成物の重量を基準として、1.0%〜60%の範囲に含まれる、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記放出制御層が、アンモニオアルキルメタクリレートエチルアクリレートコポリマー、若しくはエチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー、若しくはエチルセルロース、若しくは32%〜44%の範囲に含まれるレベルのアセチル基を有するセルロースアセテート、又はそれらの混合物である少なくとも1種のポリマーを含む、請求項1、2又は3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記放出制御ポリマーが、75000〜200,000daの範囲に含まれる平均分子量を有し、6%〜14%の範囲に含まれるレベルのアンモニオアルキルメタクリレート部分を有するアンモニオアルキルメタクリレートとエチルアクリレートとのコポリマー;又は2つのモノマーのモル比が2:1であり、500,000〜1,000,000の範囲に含まれる平均分子量を有するエチルアクリレートとメチルメタクリレートのコポリマーから選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記放出制御層が、共結合剤、接着防止剤、消泡剤、矯味矯臭剤、色素、可塑剤のような加工助剤、乳化剤又は安定剤などの少なくとも1種の賦形剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記不活性コアが、0.75超の真球度を有し、0.5〜1.5の範囲に含まれる密度を有する球である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記不活性コアが本質的に微結晶セルロースである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記不活性コアの平均粒径が75〜1400μmである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第1の層の賦形剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記粒状物が中間層で被覆されている、請求項1から8までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記放出制御層で被覆されている前記粒状物が最終層で更に被覆されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
外部層が加えられている、請求項1から10までのいずれか一項に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2012−509357(P2012−509357A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543763(P2011−543763)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065271
【国際公開番号】WO2010/057870
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(507073918)ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム (70)
【Fターム(参考)】