説明

2次元符号化データ読み取りおよび復号化処理装置および方法

【課題】 2次元符号化データを読み取り、復号化処理可能な複合機などのシステムにおいて、2次元符号データを含む原稿に対して、データの再生、複号化操作環境を容易に提供することを目的とする。
【解決手段】 オートドキュメントフィーダに搭載された複数原稿を1頁ずつ読取手段、2次元符号データが含まれているか判断手段、2次元符号データが含む場合、2次元符号データの内容のみ読取簡易手段、読取内容を対応ページ番号と共にリスト作成し追加する手段、リスト内容を複合機操作パネル上に表示する手段、オートフィーダに搭載された複数原稿の全頁読取終了の判断手段、終了判定の場合にリスト作成有無の判断手段、リスト作成の場合に操作メニューの指示に従い、2次元符号データの処理を行う手段、リスト非作成の場合にADFに搭載原稿に対してハードコピー動作を行う手段とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機における2次元符号化データを利用した、デコード手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコード等に代表されるように、従来製品等の情報をコード化して紙(この場合ラベル等が多い)に埋め込む事が行われてきた。それをリーダで読み取る事により情報を取得し、例えば商品の管理等に利用する形態がある一方で、製品番号等だけではなく画像等の情報を2次元符号化して紙に埋め込む方法が考えられている。
【0003】
一方で、例えば特開平10−240550号では、情報をスキャンし、印刷先を指定し、指定先にジョブを送信し印刷する。その際、機密文書を送信しないなどジョブ実行が適切か否かを判断し処理したり、またジョブを解析し利用可能なプリンタでの印刷指示を問うなど、複合機等において原稿の情報を解析し処理する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平10−240550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な複合機等では、スタートボタンを押すと原稿台の原稿を直ちにスキャンして、ハードコピーを開始していた。2次元符号データを含む原稿の場合もコードを読まずにハードコピーをしてしまうため、音声データや画像データを再現させる、2次元符号データに埋め込まれたスクリプトを実行するなど、通常のハードコピーでなく適切な処理を行うシステムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、
2次元符号化データを読み取り、復号化処理可能な複合機において、
オートドキュメントフィーダに搭載された複数原稿に対し、読み取り開始を指示する読み取り開始手段と、
原稿を1ページずつ読み取るページ読み取り手段と、
前記ページ読み取り手段において2次元符号データが含まれているか否かを判断する2次元符号データ判断手段と、
前記2次元符号データ判断手段において、2次元符号データが含まれている場合、概2次元符号データの内容だけを読み取る簡易2次元符号データ読み取り手段と、
前記簡易2次元符号データ読み取り手段で読み取った内容を対応するページ番号とともにリストを作成し追加する、リスト作成、追加手段と、
前記リスト追加手段の内容を複合機操作パネル上に操作メニューとともに表示する、表示手段と、
オートフィーダに搭載された複数原稿の全ページの読み取りが終了したかを判断する、読み取り終了判断手段と、
前記読み取り終了判断手段において、終了と判定された場合、前記リスト作成、追加手段で、リストが作成されたか否かを判断する、リスト作成判断手段と、
前記リスト作成判断手段で、リストが作成された場合、前記表示手段で表示した操作メニューの指示に従い、2次元符号データの処理を行う、2次元符号データ処理手段と、
前記リスト作成判断手段で、リストが作成されていない場合、ADFに搭載された原稿に対してハードコピー動作を行う、ハードコピー手段
を提供することを目的とする。
【0006】
あるいは、
2次元符号化データを読み取り、復号化処理可能な複合機において、
原稿台をプレスキャンするプレスキャン手段と、
前記プレスキャン手段において、原稿に2次元符号データが含まれているか否かを判断する2次元符号データ判断手段と、
前記2次元符号データ判断手段において、原稿に2次元符号データが含まれているか否かにより2次元符号データフラグをON,OFFするフラグ設定手段と、
スタートボタンにより原稿のハードコピーを指示するコピー指示手段と、
前記コピー手段が指示され、前記フラグ設定手段において2次元符号データフラグがONの場合、再度原稿の読み取りを行い、2次元符号データを復号化する復号化手段と、
前記コピー手段が指示され、前記フラグ設定手段において2次元符号データフラグがOFFの場合、原稿のハードコピーを行うハードコピー手段
を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0007】
2次元符号データを含む原稿の場合、自動的あるいは最小限ステップにて、複合機および機器が2次元符号データの内容に応じて動作することが可能となる。無駄なコピー出力を抑止し、スクリプトを実行したり、音声データの自動再生を行う効果も期待できる。
【0008】
さらに、原稿台の場合、プレスキャンによって、ファーストコピーの出力時間を遅延させないで処理する効果も期待できる。
【0009】
さらに、複数原稿の場合、原稿途中に埋め込まれた2次元符号データの内容リストを先に生成することで、2次元符号データの再生、複号化操作環境を容易に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1および図10は、本発明の処理の全体像を示した概念図である。
【0012】
図10において、[113]は複合機(MFP)であり、入力されたデータから2次元符号化データを生成し、プリント用紙へ出力するまでの処理を示したものである。
【0013】
処理の対象となる入力データ[101]は、文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル、音声ファイル、実行ファイルなどであり、スキャナや電話回線(FAX)、外部媒体、ネットワーク機器から複合機に投入される。例えば、画像ファイルはスキャナで読み取られた[102]画像データであり、電話回線(FAX)からの入力[103]や、外部媒体からの入力[104]、ネットワーク機器からの入力[105]も可能である。同様に、文書ファイルや動画ファイル、音声ファイル、実行ファイルはネットワーク機器から入力[105]することが出来る。
【0014】
複合機[113]は、入力されたデータ[101]から2次元符号化データを生成して、プリント用紙へ出力[106]するか([108]は2次元符号化されたデータのプリント結果である)、または、入力データ自体[101]をネットワーク機器へ送信[107]、送信先のネットワークアドレスに対して2次元符号化を行いプリントする[106]。
【0015】
図10において、[113]は複合機(MFP)であり、スキャナから読み込んだ2次元符号化データを復号し、元データを復元するまでの処理を示したものである。
【0016】
複合機[113]は、2次元符号化されたデータがプリントされた原稿[108]を、スキャナから読み取り[109]、2次元符号化データを抽出すると同時に、復号する[111]ことにより、復号されたデータ[112]、つまり図1における入力データ[101]を得ることが出来る。このとき復号されたデータがネットワークアドレスであった場合は、そのアドレスを参照、ネットワーク機器からファイルを取得することで、図1における入力データ[101]を得ることが出来る。
【0017】
以上、本発明の全体動作について概略的に述べたが、以下において具体的な実施方法について図面を用いて詳細に説明する。
【0018】
図2は、複合機(MFP)[113]の内部構成を示したものであり、本発明の複合機のコントローラも同様の構成を取るものである。
【0019】
図2において、[200]は複合機全体である。複合機[200]は、ROM[202]あるいは例えばハードディスクなどの大規模記憶装置[210]に記憶されたソフトウェアを実行するCPU[201]を備え、CPU[201]はシステムバス[213]に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0020】
[203]はRAMで、CPU[201]の主メモリ、ワークエリア等として機能する。[205]は外部入力コントローラ(PANELC)で、複合機に備えられた各種ボタンあるいはタッチパネル[206]等からの指示入力を制御する。[207]はディスプレイコントローラ(DISPC)で、例えば液晶ディスプレイなどで構成される表示モジュール(DISPLAY)[208]の表示を制御する。
【0021】
[204]はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN[215]を介して、他のネットワーク機器あるいはファイルサーバ等と双方向にデータをやりとりする。
【0022】
[211]は、例えば電子写真方式あるいはインクジェット方式などで実現される紙への印字部である。
【0023】
[212]は、紙に印字された画像を読み込むための画像読み取り部である。画像読み取り部は原稿台に置かれた原稿を1枚読み取るが、多くの場合、画像読み取り部[212]にはオプションとしてオートドキュメントフィーダ(ADF)[213]が装着されており、複数枚の原稿を順次、自動的に読み込むことができる。
【0024】
なお、大規模記憶装置[210]は、場合によっては画像の一時記憶場所としても使われることがある。
【0025】
複合機[200]における、コピー動作について本図で簡単に説明する。
【0026】
まず、PANEL[206]の指示により、コピーおよび各種コピーモードが指定される。その後、画像読み取り部[212]は、原稿台に置かれた原稿をあるいはオートドキュメントフィーダー[213]に投入された原稿を読み取る。読み取られた原稿は、その画像情報を順次RAM[203]に格納する。容量が大きい場合はHD[210]への格納も行う。次に、格納された画像情報を順にPRINTER[211]へ送り、出力を行う。出力がすんだ画像情報はRAM[203]あるいは、HD[210]から削除されることも可能である。
【0027】
図3は本発明における複合機[200]の各操作部分を具体的に示したものである。図3において、301は図2の[212]で説明した画像読み取り部分として原稿台部分を示している。また、302は図2の[213]で説明した画像読み取り部分としてドキュメントオートフィーダー(ADF)を示している。303は図2の[206]で説明した、操作パネルを示している。
【0028】
図4は前述の操作パネルの一例を示したものである。
【0029】
図4において401は操作パネルの液晶パネルを示している。複合機[200]はこのパネルにメニューを表示し、タッチパネル操作により各種ユーザのオペレーション指示や設定を受けつける。また動作中のメッセージや操作方法などを表示することが可能である。
【0030】
402はスタートボタンであり、前述の操作パネル303の設定内容に従い、コピー動作や複合機における各種機能を実行させるものである。このスタートボタン402は、特に303での指示がなければ、デフォルトとしてハードコピー動作を行う。
【0031】
403はスキャンボタンであり、前述のスタートボタン402とは異なり、後述する原稿を一度スキャンし原稿の種別を判別し、各種動作を行うことができるボタンである。すなわち、本ボタンの押下指示においては、直ちにハードコピー動作を実行することはない。本ボタンの色や形、配置はこの例にとどまることなく色々な構成が取れることは言うまでもない。
【0032】
次に本発明における複合機[200]の原稿のコピーおよび読み取り後の2次元符号化原稿の処理について以後の図、フローチャートを用いて説明する。
【0033】
本発明では、原稿に2次元符号化データが混在しているときの、複合機[200]で、この2次元符号化データを判別し、適宜処理を行う動作に関して記述している。通常、ユーザは複合機[200]においてハードコピーやスキャン動作を行う場合、原稿を原稿台301あるいはADF302にセットし、指示をおこなう。
【0034】
図5は、本発明における原稿台301に原稿がセットされた場合の処理を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ステップS501において、原稿台に原稿がセットされたことを確認する。確認する方法としては、原稿台のふたが一度開いて閉まったことで、原稿台にセットと仮定する方法が一般的である。
【0036】
次にステップS502において原稿台が閉まった時点でプレスキャンを行う。このプレスキャンの過程で原稿が検地できない場合は原稿なしと判断することができる。その場合は通常の初期処理に戻り、ユーザの指示を待つことになるが、ここではその記載は割愛する。このステップS502におけるプレスキャンでは通常、用紙サイズなどの検知を行うが、本発明では同時に、原稿の2次元符号化データ検知のプレスキャンを行う。
【0037】
次にステップS503で原稿台の原稿に2次元符号化データが含まれていた場合は、ステップS504に進み、2次元符号フラグをONにする。ステップS503で原稿台の原稿に2次元符号化データが含まれていない場合は、ステップS505に進み2次元符号フラグをOFFにする。
【0038】
次にステップS506に進み、ユーザーの指示を待つ。
【0039】
ステップS506でユーザの指示があった場合ステップS507へ進み、ユーザの指示が前述のスタートボタン402が押下か否かを判断する。S507でスタートボタン402押下以外の指示であればステップS509へ進み、適宜ユーザの指示に従った動作処理を行い、改めてステップS506へ進みユーザの指示を待つ。
【0040】
ステップS507でスタートボタン402が押下された場合、ステップS508へ進み、2次元符号フラグがONか否かを判断する。
【0041】
ステップS508で2次元符号フラグがOFFの場合はステップS511に進み、通常のスタートボタン402の押下時の動作として、コピー動作を行い、その後の指示をS506で待つ。
【0042】
ステップS508で2次元符号フラグがONの場合はステップS510に進み、原稿の読み取りを行い、2次元符号データ部分のデコード処理を行うとともに内容を判別する。
【0043】
次にステップS512へ進み2次元符号データの内容に従って、自動処理を行う。この場合、2次元符号化データの内容が音声で、複合機200が音声再生機能を持っていれば、音声データを再生する。あるいは、スクリプトの実行ファイルで、複合機200の設定のためのスクリプトであれば、そのスクリプトを実行し、複合機200の各種設定を自動で行うことも可能である。
【0044】
ステップS513では、S512音声データの再生やスクリプトが実行されたことをユーザに促すポップアップメッセージや、スクリプトの内容に従ったメッセージの表示などを行う。そして、S506に進み、次の指示を待つ。
【0045】
次に、図6を用いて本発明における、複数原稿の処理について説明する。
【0046】
複数原稿を処理するためにはADF213を使った読み取り処理が一般的である。
【0047】
まず、S601でADFに原稿がセットされたことを確認する。確認する方法としては、ADFについているセンサが原稿を感知することで判断する方法が一般的である。
【0048】
次にステップS602に進み、ユーザの指示を待つ。
【0049】
ステップS602でユーザの指示があった場合ステップS603へ進み、ユーザの指示が前述のスキャンボタン403であるか否かを判断する。
【0050】
ステップS603でスキャンボタン403が押下された場合、全原稿のスキャンを開始すべく、読み取りページを先頭ページとして、ステップS604へ進む。
【0051】
このS603では、スキャンボタン403が押下されたか否かを判断しているが、前述のパネル206の液晶パネルの例401において、あらかじめ、スキャン等、2次元符号化処理の設定がなされており、その際にスタートボタン402が押下されたことで、スキャンボタン403が押下されたと同等に判断し、ステップS604に進むことも可能である。
【0052】
ステップS603で、NOと判断された場合は、ステップS605に進み、ユーザが指示に基づいた適切な処理を行い、再びステップS602へ戻り、ユーザの指示を待つ。
【0053】
ステップS604ではADF213に搭載された原稿の1ページをスキャンし読み取る。スキャンされたイメージデータは、一時的にRAM203に保存される。そして読み取られた原稿に2次元符号データが含まれているかをまず判断する。この判断では、単純に2次元符号データの位置情報のみ検知し、この位置情報があるか否かで判断することが可能である。
【0054】
S607はその判断ステップで、読み取られた原稿に2次元符号データが含まれていた場合は、ステップS608へ進む。このステップS607で原稿に2次元符号データが含まれていない場合は、次のページの読み取りを行うべく、ステップS611に進む。
【0055】
ステップS608ではRAM203に保存されたイメージデータに対してデコード処理を行い、2次元符号データの内容を確認するための情報を抽出、復号(簡易復号化処理)する。本実施例では、単純に2次元符号データの内容を確認するためのデコード処理を行い、全データに対してデコード処理をしない。そして、簡易復号化処理が済んだイメージデータは、メモリ節約のため一旦RAM203から削除される。ただし、ここで、デコード処理を完全に行い、デコードされたデータをRAM203に引き続き保存してもよいし、また、HD210に保存してもよい。これらの処理はバッファ処理として行われ、本デコード処理を開始すると同時に、ステップS609に進む。ステップS609では、読み取られた原稿に対して、パネル206上に、2次元符号データが含まれている旨のポップアップメッセージやメニューを表示、更新する。このUIの例は後述するが、本UIはユーザが指示可能なメニューを液晶パネル401に表示するなど可能である。またここでいう更新とは、すでに表示されたメッセージやメニューに対して、新たにステップS608で読み取られた情報を追加するなどすることを意味している。すなわち、最初のページであれば、初期メニューとメッセージを表示し、2回目以降は、このメニューに情報を追加し更新したメニューを表示する。
【0056】
ステップS609でUIを表示あるいは更新した後、2次元符号データが含まれているページとその内容、実際の復号化されたデータが保存されているHD210あるいはRAM203上のアドレスをリストに追加する。このリスト例は後述する。
【0057】
次にステップS611に進み、ADF213の原稿に対し全ページの読み取りが終了したか否かを判断する。全ページの読み取りが終了していない場合は、次のページを読み取るべく、ステップS606へ進む。
【0058】
ステップS611で全ページの読み取りが終了ならば、ステップS612へ進む。
【0059】
ステップS612では前述のステップS610で2次元符号データの情報としてリストに追加されたか否かを判断する。すなわち、ADF213に搭載された全原稿のうち、1ページでも2次元符号データが存在していれば、YESと見なし、S602へ進み、ユーザの指示を待つ。この際、ステップS609で表示/更新されたメニューからも、ユーザの指示を受けることが可能である。
【0060】
ステップS612で、NOの場合、すなわち全原稿に対して2次元符号データが含まれていない場合は、ステップS613に進み、通常のコピー動作をおこなう。そしてステップS602へ進み、ユーザの指示を待つ。
【0061】
次に図7と図8を用いて前述の図6のフローおよび復号化の方法をさらに具体的に説明する。
【0062】
図7はADF213に搭載される複数原稿の一例を示した図である。図では、全11ページの原稿を示しており、一番手前を1ページ目としている。また、2次元符号データが含まれているページをグレイ表示しており、本原稿の例では、4ページ、8ページ、9ページ、11ページに2次元符号データが含まれる例を示している。
【0063】
図8は前述のステップS609にて表示/更新されるメニューの一例を示している。
【0064】
図中、801はユーザがタッチパネル等により、適宜必要な処理対象のアイテムを選択するためのエリアである。802は2次元符号データのインデックス番号を示しており、図では連続した2次元符号データが、合計3個あることを示している。さらに803は各インデックスに対応して、2次元符号データの存在するページ番号を示している。図中、2次元符号データの含まれているページは、前述の図7の複数原稿の一例に従い、4ページ、8ページと9ページ、11ページとなっている例を示している。ここで、8ページと9ページ目は連続した2次元符号データであることを示している。
【0065】
さらに図中、804は各2次元符号データに対する内容を記述したものである。この内容は、図6のステップS608でスキャンされる際に判別される情報を表示している。
【0066】
805はスクロールボタンであり、液晶パネル上に一度に表示しきれない場合、前述の801から804の各情報をスクロール表示させるものである。
【0067】
さらに、図中806は、各2次元符号データに対しての処理の指示をタッチパネル等で受け付けるメニューである。ここでは前述の801で選択されたインデックスの2次元符号データに対して、それぞれ処理を行う。本実施例では、実行可能な処理の例として、5つのメニューを表示している。まず、選択され番号に対するページを単純にコピーするメニュー、選択された番号に対するページ以外をコピーするメニュー、選択に関係なく全ページをコピーするメニュー、選択された番号に対するページに対して再生を行うメニュー、およびデコード処理を行うメニューである。
【0068】
例えば、音声データである番号2が選択された場合、メニュー806の再生メニューボタンを指示することで、RAM203あるいはHD210に保存された原稿の8ページと9ページに対するイメージデータをデコードし、複合機200が音声再生機能付の複合機の場合、音声データを再生する。また、番号1の画像データが選択された場合、再生ボタンにより、液晶パネル上にイメージを表示することも可能である。さらに、デコードボタンで画像データを抽出し、プリントアウトおよびデータとしてHD210に保存するなどの処理も可能となる。
【0069】
これらの処理では、選択されたページに対して、ADFに搭載されている原稿データを順次、選択されたページまでADFが自動空送りして、該当ページで止め、再読み込みを行い、デコード処理である復号化処理を行う。選択されたページが複数の場合は、ページ順に順次該当ページまでADFが原稿を自動空送りし、該当ページを再読み込みすることで復号化処理を順次行う。
【0070】
図9は図6のステップS610で説明したリストの内容を示すテーブルである。このリストはテーブルデータとしてRAM203上に作成され、前述の図8のUIの表示および、図8における各種指示メニュー806を実行するための情報を格納したテーブルである。
【0071】
図中901は2次元符号データのインデックスIDを示しており図8における802の番号に対応している。902は対応するインデックスに対して、2次元符号データの存在する原稿のページ番号を記録している。さらに、903ではその2次元符号データの内容を記録している。これらの情報は前述の図8でも説明したとおり図6のステップS608で生成されたデータを記録するものである。本実施の形態では、簡易復号化処理を行うため、実際のイメージデータは、簡易複合化処理後に削除されるが、前述の図6のステップS608で述べたとおり、イメージデータをRAM203あるいはHD210に保存する場合は、読み取られた実イメージデータと、ページ情報のリンクを取るため、904にRAM203あるいはHD210に保存されたイメージデータのアドレスを保持している。
【0072】
すなわち、前述の図8において、選択された2次元符号データに対し、図8中806のメニューによって指示された処理を行う際は、前述のように、ADF上の原稿を再度、該当ページまで空送りし、該当ページの再読み込みを行い複合化を行う方法と、前述の図6のステップS608でイメージデータをRAM203あるいはHD210に保存する場合は、その番号802に対応する図9のリストテーブルID901を参照し、そのイメージデータが格納されているアドレス904をたどり、実際のイメージデータを参照し、前述の図8中806のメニューによって指示された処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の処理の全体像を示した概念図である。
【図2】図1における複合機(MFP)[113]を示すブロック図である。
【図3】図1における複合機(MFP)[113]の一例を示す図である。
【図4】図1におけるパネル(PANEL)[206]の一例を示す図である。
【図5】本実施の形態を説明するフローチャートである。
【図6】本実施の形態を説明するフローチャートである。
【図7】本実施の形態を説明する原稿の例を示す図である。
【図8】本実施の形態を説明する操作パネルのメニューの例を示す図である。
【図9】本実施の形態を説明するリストテーブルの例を示す図である。
【図10】本発明の処理の全体像を示した概念図である。
【符号の説明】
【0074】
113,200 複合機(MFP)
201 データ処理装置
202 記憶装置
203 記憶装置
210 大規模記憶装置
211 印刷部分
212 画像読み取り装置
213 オートドキュメントフィーダー部
215 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元符号化データを読み取り、復号化処理可能な複合機において、
オートドキュメントフィーダに搭載された複数原稿に対し、読み取り開始を指示する読み取り開始手段と、
原稿を1ページずつ読み取るページ読み取り手段と、
前記ページ読み取り手段において2次元符号データが含まれているか否かを判断する2次元符号データ判断手段と、
前記2次元符号データ判断手段において、2次元符号データが含まれている場合、概2次元符号データの内容だけを読み取る簡易2次元符号データ読み取り手段と、
前記簡易2次元符号データ読み取り手段で読み取った内容を対応するページ番号とともにリストを作成し追加する、リスト作成、追加手段と、
前記リスト追加手段の内容を複合機操作パネル上に操作メニューとともに表示する、表示手段と、
オートフィーダに搭載された複数原稿の全ページの読み取りが終了したかを判断する、読み取り終了判断手段と、
前記読み取り終了判断手段において、終了と判定された場合、前記リスト作成、追加手段で、リストが作成されたか否かを判断する、リスト作成判断手段と、
前記リスト作成判断手段で、リストが作成された場合、前記表示手段で表示した操作メニューの指示に従い、2次元符号データの処理を行う、2次元符号データ処理手段と、
前記リスト作成判断手段で、リストが作成されていない場合、ADFに搭載された原稿に対してハードコピー動作を行う、ハードコピー手段
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記2次元符号データ読み取り前記読み取り手段は、前記ページ読み取り手段が終了した後、バッファ内部で平行して処理されること
を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記読み取り開始手段は、複合機パネル上に設置された読み取り開始専用ボタンにより開始されること
を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記2次元符号データ処理手段は、前記操作メニュー上での指示後、ADFに搭載されたドキュメントに対して、該当ページにあたるまで原稿を空送りし、再度読み取りすることで2次元符号データを処理すること
を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
2次元符号化データを読み取り、復号化処理可能な複合機において、
原稿台をプレスキャンするプレスキャン手段と、
前記プレスキャン手段において、原稿に2次元符号データが含まれているか否かを判断する2次元符号データ判断手段と、
前記2次元符号データ判断手段において、原稿に2次元符号データが含まれているか否かにより2次元符号データフラグをON,OFFするフラグ設定手段と、
スタートボタンにより原稿のハードコピーを指示するコピー指示手段と、
前記コピー手段が指示され、前記フラグ設定手段において2次元符号データフラグがONの場合、再度原稿の読み取りを行い、2次元符号データを復号化する復号化手段と、
前記コピー手段が指示され、前記フラグ設定手段において2次元符号データフラグがOFFの場合、原稿のハードコピーを行うハードコピー手段
を含むことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−178014(P2008−178014A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11603(P2007−11603)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】