説明

2段階の可動性を実現する電子機械駆動体

【課題】 2段階の可動性を実現する電子機械駆動体。
【解決手段】 物体および複数の駆動体を備える電子機械システムであって、駆動体は物体に対して2段階の可動性を実現するべく協調的に動作するよう構成されている電子機械システムを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは電子機械システムに関し、特に電子機械駆動体アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィー技術の進歩により、非常に微細な構成要素を有する電子機械システム(例えばマイクロマシン技術デバイス、MEMS)を製造できるようになった。マイクロメーター単位の寸法を持つ構成要素も珍しくない。また、サイズが小さいにも関わらず形状はよく制御されている。このため、さまざまな分野でMEMSを利用できるようになった。例を挙げると、圧力センサを車両のタイヤに集積化することによってタイヤ圧をリアルタイムで監視できるようにしたり、微小投薬システムを移植可能なハイテク薬剤カプセルとして使用することが検討されていたり、銃が跳ね上がる時や風力要因の軌道を自動的に調整するべく微小慣性センサが高性能発射体に用いられたり、微小デジタル推進力装置をマイクロ衛星の位置制御に利用できないか検討されている。
【0003】
また、微小機械構造や能動素子が、「ハイテク」センサや「ハイテク」アクチュエータにおいて包括的に機能を集積化すべく、電子素子(例えば信号処理回路)、センサ(温度センサ、pHセンサなど)、光学機器、流体素子(例えば、流路、マイクロポンプ、マイクロバルブ)および高性能化学分析システム(例えば、電気泳動分析)と共に集積化される。
【0004】
さらに、技術革新の結果、1次元の線形並進運動が可能な可動性微小機構が実現されるまでに至った。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態の例に基づき本発明を説明するが、これらの実施形態は本発明を限定するものではない。例に挙げる実施形態は添付の図面に図示する。図中で同様の参照番号を用いている場合は同様の構成要素を指すものとする。以下に図面を簡単に説明する。
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、微小駆動体アレイを備えるマイクロマシン技術(MEMS)を示す上面図である。
【0007】
【図2】一実施形態に係る、図1に示した複数の微小駆動体のうちの1つを部分的に示す拡大図である。
【0008】
【図3】図1に示したMEMSの断面図である。
【0009】
【図4】本発明の一実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、微小駆動体アレイを備えるMEMSを示す上面図である。
【0010】
【図5】本発明の一実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、微小駆動体アレイを備えるMEMSを示す斜視図である。
【0011】
【図6A】一実施形態に係る、図5に示した複数の微小駆動体の連携アクティブ化を詳細に説明するための図である。
【図6B】一実施形態に係る、図5に示した複数の微小駆動体の連携アクティブ化を詳細に説明するための図である。
【0012】
【図7】一実施形態に係る、図1から図5に示したMEMSのいずれかを組み込んだ素子を有するシステムの例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態は、2段階の可動性を実現する電子機械駆動体アレイおよびそのような電子機械駆動体アレイを組み込んだシステムを提供するが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0014】
当業者間で技術内容を伝える場合一般的に用いられる用語に基づき、本発明の実施形態をさまざまな観点から説明する。しかし、説明内容の一部のみを用いても本発明の実施が可能なことは当業者には明らかである。例として挙げる実施形態を分かりやすく説明するべく、具体的な数字、材料および構成を記載している。しかし、このような具体的且つ詳細な記載がなくとも本発明を実施できることは当業者には明らかである。また、公知の特徴に関する説明は、本発明の実施形態の説明が不明瞭になるのを避けるべく、省略または簡略化する。
【0015】
本明細書では「一実施形態」という記載を繰り返し用いている。この記載は同じ実施形態を指す場合もそうでない場合もあることに注意されたい。また、特に明記していない限り、「備える」、「有する」、「含む」といった用語は同義語として解釈されたい。
【0016】
以下では、本発明をマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に応用した実施形態を説明するが、本発明はMEMSに限定されず、これ以外の単位、例えばナノスケール単位で実施するとしてもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、駆動体アレイを備えるMEMSを示す上面図である。同図に示すように、本実施形態によれば、MEMS102は、微小物体414および微小駆動体402a〜402dを有する駆動体アレイを備え、微小物体414と微小駆動体402a〜402dは互いに接合されている。以下でより詳細に説明するが、微小駆動体402a〜402dはそれぞれ選択的に残りの微小駆動体と連携して、微小物体414に対して2段階の可動性を実現する。具体的に言うと、本実施形態においては、第1可動性としてX/−X方向に沿った可動性、第2可動性としてY/−Y方向に沿った可動性を実現する。微小駆動体402a〜402dを、例えば微小駆動体402b−402c、微小駆動体402aと402d、微小駆動体402aと402cまたは微小駆動体402aと402dというようにさまざまに組み合わせ、それぞれの対を補完的にアクティブ化することによって、2段階の可動性、例えばXとY/−Y、−XとY/−Y、YとX/−X、ならびに−YとX/−Xを実現する。
【0018】
可動性の方向は、分かりやすいようにX/−X方向およびY/−Y方向と記載している。しかし、このような記載は本発明を限定するものと解釈されるべきではない。MEMS102をどういう観点から説明するのかによって、可動性の方向はZ方向またはそれ以外の方向であるとしてもよい。同様に、図面を上面図、側面図などと説明しているが、これも説明を分かりやすくする目的で使用されているにすぎない。本発明の実施形態を別の観点から説明していれば、各図は別の名称で記載するとしてもよい。このように、図面の名称も本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0019】
図1に示すように、本実施形態によれば、MEMS102はさらに、微小物体414がその上に配設された台416を備える。微小物体414は台416と一体化した状態で形成されるとしてもよいし、台416に取り付けるとしてもよい。本実施形態に係るMEMS102はさらに、台416(および微小物体414)が取り付けられたコンプライアンス特性を有するサスペンションビーム412aおよび412bを備える。本実施形態によれば、サスペンションビーム412aおよび412bの形状は、屈曲され且つ略縦長である。また、微小駆動体402cおよび402dはサスペンションビーム412aおよび412bの一端に接合され、微小駆動体402cおよび402dがサスペンションビーム412aおよび412bの他端に接合されている。
【0020】
微小駆動体402bおよび402cは、補完的にアクティブ化されると、連携してサスペンションビーム412aおよび412b、従って微小物体414を、X方向に沿って所定距離動かすように構成されている。一方微小駆動体402aおよび402dは、補完的にアクティブ化されると、逆向きに連携してサスペンションビーム412aおよび412b、従って微小物体414を、−X方向に沿って所定距離動かすように構成されている。
【0021】
また、微小駆動体402aおよび402cは、補完的にアクティブ化されると、サスペンションビーム412aおよび412bを圧縮し、微小物体414を、Y方向に沿って所定距離動かすように構成されている。一方、微小駆動体402bおよび402dは、補完的にアクティブ化されると、サスペンションビーム412aおよび412bを伸長し、微小物体414を、−Y方向に沿って所定距離動かすように構成されている。
【0022】
本実施形態によれば、微小物体414は、X/−X方向もしくはY/−Y方向のいずれにもまったく動かされていない場合、基板410のほぼ中央に位置するようにMEMS102は構成されている。説明の便宜上、この位置を「初期」位置と呼ぶとする。ほかの実施形態では、中央以外の位置が「初期」位置であってもよい。
【0023】
さまざまな実施形態において、移動距離は、稼動する微小駆動体のアクティブ化強度の関数である。このため、異なる強度で連携している2つの微小駆動体を補完的にアクティブ化することによって、2方向の動きを実現することができる。さまざまな実施形態において、微小駆動体402a〜402dはそれぞれ別々に、同一もしくは異なる強度でアクティブ化されるとしてもよい。所望の強度差は、その差が所望の強度差に一致する異なる強度で、一対の微小駆動体をアクティブ化することによって実現するとしてもよい。例えば、2つの微小駆動体のうち1つは強度差に等しい強度でアクティブ化し、もう一方の微小駆動体の「アクティブ化」は強度をゼロとして行う。このように、本明細書ならびに請求項では、「補完的なアクティブ化」に、微小駆動体の一方を強度ゼロで「アクティブ化」する「アクティブ化」の「ゼロ」形態も含まれることとする。
【0024】
さまざまな実施形態において、MEMS102はさらに、微小駆動体402a〜402dが接合された複数のばね413a〜413dを備えるとしてもよい。ばね413a〜413dは、基板410に取り付けられているとしてもよい。本実施形態によれば、ばね413a〜413dもまた、略縦長の形状をしており、微小駆動体402a〜402dと略平行に配設されている。
【0025】
さまざまな実施形態において、微小駆動体402a〜402dはそれぞれ、少なくとも2つの部分から構成され、そのうち少なくとも一方は他方に向かって線状に移動できるように構成されている。さまざまな実施形態において、他方にあたる部分がばね413a〜413dのうち対応するばねを介して基板410に固定されている。さらに、さまざまな実施形態において、可動部分の固定部分に向けた線状移動は、静電力によって、つまり微小駆動体に電圧が印加された場合に生じる。移動量は微小駆動体に印加された電圧強度の関数である。
【0026】
基板410の形成材料にはさまざまな基板材料を用いることができる。例を挙げると、これらに限定されないが、シリコンやシリコン・オン・インシュレータなどがある。台416の形成材料にもさまざまな材料を用いることができる。例を挙げると、これらに限定されないが、セラミック材料やシリコンのような半導体材料がある。
【0027】
微小物体414は、少なくとも2段階の可動性が望まれるものであれば、どのような微小物体であってもよい。例を挙げると、これらに限定されないが、マイクロレンズやマイクロミラーなどが考えられる。
【0028】
先述したが、微小物体414は、サスペンションビーム412aおよび412bに取り付けられている。サスペンションビーム412aおよび412bは、例えば、1以上の金属もしくはコンプライアンス特性を持つ合金の層を1以上有するとしてもよい。このような金属の例は、これらに限定されないが、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、シリコン(Si)などである。ここで、サスペンションビーム412aおよび412bが圧縮されると微小物体414が+Y方向に沿って所定距離動かされ、伸長(延伸)されると微小物体414が−Y方向に沿って所定距離動かされる。ばね413a〜413dも同様に、1以上の金属もしくはコンプライアンス特性を持つ合金の層を1以上有するとしてもよい。ばね413a〜413dも、これらに限定されないが、上述した金属から形成されるとしてもよい。
【0029】
図2は、さまざまな実施形態に係る微小駆動体を示す拡大図である。図2に示す実施形態によれば、微小駆動体402a〜402dはそれぞれくし型駆動体であり、2つの部分404aおよび404bを有する。部分404aおよび404bはそれぞれ、複数の指部分406を含む。2つの部分404aおよび404bのうち一方は、基板410に(ばね413a〜413dのうち対応するばねを介して)実質的に「取り付けられ」、他方はサスペンションビーム412aおよび412bの一端に接合されている。さまざまな実施形態において、くし型駆動体402a〜402dはそれぞれ、静電力に基づいて動作する。つまり、くし型駆動体402a〜402dを動かす場合、くし型駆動体を構成する2つの部分404a〜404bの指部分406に対して補完的に電圧が印加され、サスペンションビーム412aおよび412bの一端に接続された部分404a/404bが線状に動いて、実質的に「取り付けられた」部分404b/404aに近づくか、部分404b/404aから離れていく。このため、ばね413a〜413bに接合された部分404a/404bはくし型駆動体402a〜402dの「固定」部分と呼び、サスペンションビーム412aおよび412bの一端に接合された部分404a/404bはくし型駆動体402a〜402dの可動部分と呼ぶとしてもよい。
【0030】
移動の方向がどちらであっても移動量は、「固定」部分404b/404aに対する可動部分404a/404bのずれの量によってほぼ決まり、このずれの量は部分404aおよび404bに対して印加された電圧の大きさによって決まる。つまり、微小駆動体402a〜402dを構成する部分404aおよび404bに対して印加された電圧を制御することによって、微小駆動体402a〜402dが移動する距離と、結果として、微小物体414が移動する距離を制御するとしてもよい。さまざまな実施形態において、微小駆動体402a〜402dを構成する部分404aおよび404bに対して印加される電圧の大きさは可変であり、それぞれに印加される電圧は互いに異なるとしてもよい。つまり、X/−X方向またはY/−Y方向に沿った移動量は可変であってもよい。また、同時に発生する、X/−X方向のうち一方向に沿った動きとY/−Y方向のうち一方向に沿った動きは、微小駆動体402a〜402dのうち適切な一対に対して一度行われる補完的アクティブ化によって実現するとしてもよい。
【0031】
図3は、さまざまな実施形態に係るMEMS102の断面図である。図3に示したような実施形態によると、MEMS102はさらに、台416の下方に電極部422を備えるとしてもよい。電極部422は、アクティブ化されると静電力によって台416を誘引するように構成される。このため、台416(および微小物体414)が所望の(例えば動作する)位置まで移動された後、台416および微小物体410を保持または係止するための保持部または係止部として機能する。このような動作は、アセンブリ後に行われるとしてもよいし、MEMS102を含む素子(例えば光電子モジュール)のアセンブリがほぼ完了した後で行ってもよい。「アセンブリがほぼ完了」とは、それ以上アセンブリ作業を行っても、微小物体の箇所/位置に対するその作業の影響は、所望の品質または信頼性について、関係がない、または重要でないとみなされる時点を指す。したがって、(本発明の実施形態の目的に関して)「アセンブリがほぼ完了」という記載が意味するところは、応用環境によって異なる。非常に高い品質または信頼性が要求される場合は、すべてのアセンブリが完全に完了した後を指すこともある。
【0032】
さまざまな実施形態において、電極部422に加えて、もしくは電極部422に代えて、基板の1以上の領域に電圧を印加することによって台416を誘引するとしてもよい。このような構成とすることによって、台416(および微小物体414)を所望の(例えば動作する)位置/箇所まで移動した後、台416および微小物体410を保持または係止するための所望の保持機能または係止機能を達成するとしてもよい。
【0033】
別の実施形態によれば、このような保持機能または係止機能は上記以外の物理力を用いて実現するとしてもよい。例を挙げると、これらに限定されないが、電磁力、圧電バイモルフ、熱バイモルフなどがある。
【0034】
このような保持部または係止部は特に、例えばマイクロレンズを利用する場合(つまり、微小物体414がマイクロレンズの場合)に有用である。この場合、マイクロレンズを所望の動作位置(例えば光源および光ファイバに従って決められた場所)まで移動させた後、マイクロレンズを保持または係止する。上述したが、このような動作はアセンブリ後に行うとしてもよいし、MEMS102を含む光電子モジュールのアセンブリがほぼ完了した後に行うとしてもよい。また、このような保持状態または係止状態はしばらくしてから解除され、構成要素の位置合わせを再度行うべくマイクロレンズを可動状態に戻してもよい。再度位置合わせが行われれば、マイクロレンズは再び係止されるとしてもよい。このような係止解除および再位置合わせは、動作要件が変更された場合、または(何らかの理由によって)構成要素の位置がずれた場合に行われる必要が出てくるとしてもよい。係止解除、再位置合わせおよび再係止の一連の処理は、必要であれば何度でも繰り返すとしてもよい。上述したようなマイクロレンズ分野での応用、具体的には光電子モジュールのアセンブリ後に位置合わせおよび係止を行うことができるような構成は、発明者が本発明と同じで同時に出願された同時係属中の出願(名称「可動レンズビーム操作器」、出願日:2004年4月27日、参照番号:EU984797833US)の主題である。ここで、微小物体の位置合わせ、係止、係止解除、再位置合わせおよび再係止を行う一連の処理過程の有用性は、マイクロレンズの分野に限定されるものではない。このような処理過程は、構成要素間での相対的な再位置合わせが必要な微小物体であれば、さまざまなものに応用するとしてもよい。
【0035】
図4は、本発明の別の実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、駆動体アレイを備えるMEMSを示す。MEMS102´は図1に示したMEMS102とほぼ同じであるが、駆動体402aおよび402cがそれぞれ2つの互いに分離した部分に分割され、互いに離れた状態で配設されている(駆動体部分402aaおよび402ab、ならびに駆動体部分402caおよび402cb)。微小駆動体部分402aaおよび402abはそれぞれ、サスペンションビーム412aおよび412bの一方の端部に接合され、微小駆動体部分402caおよび402cbはそれぞれ、サスペンションビーム412aおよび412bの反対側の端部に接合されている。
【0036】
微小駆動体部分402caおよび402cbはそれぞれ、微小駆動体402bと補完的にアクティブ化され、連携してサスペンションビーム412aおよび412bを、従って微小物体414を、X方向(および任意で、ほぼ同時にY/−Y方向のうちのいずれか)に沿って所定距離動かすように構成されている。一方、微小駆動体部分402aaおよび402abはそれぞれ、微小駆動体402dと補完的にアクティブ化され、連携してサスペンションビーム412aおよび412bを、従って微小物体414を、−X方向(および任意で、ほぼ同時にY/−Y方向のうちのいずれか)に沿って所定距離動かすように構成されている。このような構成は上述した通りである。
【0037】
さらに、微小駆動体部分402aaおよび402abならびに402caおよび402cbは、補完的にアクティブ化され、連携してそれぞれサスペンションビーム412aおよび412bを圧縮し、Y方向(および任意で、ほぼ同時にX/−X方向のうちのいずれか)に沿って微小物体414を所定距離動かすように構成されている。一方、微小駆動体402bおよび402dは、補完的にアクティブ化され、サスペンションビーム412aおよび412bを伸長し、−Y方向(および任意で、ほぼ同時にX/−X方向のうちのいずれか)に沿って微小物体414を所定距離動かすように構成されている。このような構成も上述した通りである。
【0038】
図5、図6Aおよび図6Bは、本発明の別の実施形態に係る、2段階の可動性を持ち、駆動体アレイを備えるMEMSを示す。MEMS102´´は基本的に、図1に示すMEMS102および図4に示すMEMS102´´とほぼ同じであるが、台416が3つ(416a〜416c)に分割されている。マイクロレンズはメイン台416aに配設されている。メイン台416aは、可動アーム418a〜418dを介して、残り2つのステージ416bおよび416cに接合されている。可動アーム418a〜418dはそれぞれ、微小駆動体対402a*〜402d*(*はaまたはb)に接合されている。微小駆動体対402a*〜402d*はそれぞれ、「左」微小駆動体402aa、402ba、402ca、402da、および「右」微小駆動体402ab、402bb、402cbおよび402dbを有する。微小駆動体対402a*〜402d*は、図1から図4に示したほぼ線状の動きとは違って、反時計回り方向もしくは時計回り方向の(図6Aおよび図6Bを参照のこと)動きを可能とするように、組み合わされて、選択的にアクティブ化されるように構成されている。「上面図」「側面図」などについて上記で説明したが、これと同様に、微小駆動体を「左」および「右」と呼ぶのもMEMS102´´の説明を簡単にするためのものであり、本発明の実施形態を限定するものと解釈されるべきではない。
【0039】
微小駆動体402a*〜402d*は、微小駆動体402abおよび402cbが反時計回り方向の動きを可能とするべく(ほぼ等しい強度で)アクティブ化され、微小駆動体402bbおよび402dbが時計回り方向の動きを可能とするべく(ほぼ等しい強度で)アクティブ化され、アーム418a〜418d、従って微小物体414を、連携してX方向に沿って(図6A)所定距離動かすように、構成されている。同様に、微小駆動体402aaおよび402caが時計回り方向の動きを可能とするべく(ほぼ等しい強度で)アクティブ化され、微小駆動体402baおよび402daが反時計回り方向の動きを可能とするべく(ほぼ等しい強度で)アクティブ化され、アーム418a〜418d、従って微小物体414を、−X方向に沿って連携して所定距離動かす。さらに、既述の実施形態と同様に、微小駆動体402abおよび402cb、微小駆動体402bbおよび402db、微小駆動体402aaおよび402ca、および/または、微小駆動体402baおよび402daは、ほぼ同時にY/−Y方向のいずれかに沿った動きを可能とすべく、任意で異なる強度でアクティブ化されるとしてもよい。
【0040】
同様に、微小駆動体402ab、402ba、402cbおよび402daがすべて、Y方向に沿って(図6B参照のこと)連携してアーム418a〜418d、従って微小物体414を反時計回り方向に所定距離動かすべく、(ほぼ等しい強度で)アクティブ化されるとしてもよい。また、微小駆動体402aa、402bb、402caおよび402dbがすべて、−Y方向に沿って(図6B参照のこと)連携してアーム418a〜418d、従って微小物体414を時計回り方向に所定距離動かすべく、(ほぼ等しい強度で)アクティブ化されるとしてもよい。さらに、既述の実施形態と同様に、微小駆動体402abおよび402cb、微小駆動体402bbおよび402db、微小駆動体402aaおよび402ca、および/または、微小駆動体402baおよび402daは、ほぼ同時にX/−X方向のいずれかに沿った動きを可能とすべく、任意で異なる強度でアクティブ化されるとしてもよい。
【0041】
図7は、一実施形態に係る通信システムの例を示す。同図に示す通り、システム500は、互いに接合されたデータルーティングサブシステム502およびネットワーク用インターフェースモジュール504を備える。ネットワーク用インターフェースモジュール504により、通信システム500がネットワークに光学的に接合される。このネットワークは、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、電話ネットワークなどであってもよい。このようなネットワークは私有ネットワークおよび/または公共ネットワークであってもよい。本実施形態に係るネットワークインターフェースモジュール504は、具体的には、図1から図5に示したMEMS102、102´および102´´のいずれかが組み込まれた素子(例えば光電子送信器モジュール)を有するとしてもよい。本明細書においては、ネットワークインターフェースモジュール504を通信インターフェースモジュールと呼ぶとしてもよい。
【0042】
図7に示すように、本実施形態によれば、データルーティングサブシステム502は互いに接合されたプロセッサ512およびメモリ514を有する。メモリ514は複数のデータルーティングルールを格納しており、このデータルーティングルールに従って、ネットワークインターフェースモジュール504を介して受信したデータのルーティングをプロセッサ512が行う。データルーティングルールの格納は、どのデータ構築方法を用いて行ってもよい。データ構築方法の例を挙げると、これらに限定されないが、テーブルやリンクリストなどがある。データの送受信は、どの通信プロトコルを用いて行ってもよい。通信プロトコルの例を挙げると、これらに限定されないが、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)がある。
【0043】
さまざまな実施形態において、プロセッサ512が行うタスクには、MEMS102が供える駆動体の制御や、微小物体414が所望の動作位置まで移動させられた後に微小物体414を保持または係止するように構成要素を制御することなどがあるとしてもよい。また、プロセッサ512によって、微小物体414の「係止解除」が行われ、位置合わせおよび係止プロセスが繰り返されるとしてもよい。再位置合わせ/係止のプロセスは、必要なだけ何度でも繰り返してよい。
【0044】
別の実施形態によれば、実際の制御を行うのは別の1以上のコントローラ(不図示)であるとしてもよい。つまり、プロセッサ512はそのようなほかのコントローラを用いて所望の制御を行う。従って、請求項においては、プロセッサをコントローラと呼んでもよいし、その逆もまた可能である。つまり本明細書および本願請求項においては、プロセッサとコントローラという用語は互換可能であると考えられたい。
【0045】
またさらに、さまざまな実施形態においては、データルーティングシステム502は、システム500の性能を測定すべく、1以上のセンサ(不図示)をも有するとしてもよい。このようなセンサもまた、プロセッサ512(もしくはそのエージェントである「下流」コントローラ)に接合されており、性能を計測するために集められたデータのみに基づいて、もしくはそれ以外の動作データもしくは構成データも一緒に考慮して、(定期的にもしくはリアルタイムで)制御を行う。センサはシステム500内ならどこに配設してもよい。ネットワーク用インターフェースモジュール504(例えばMEMS102)でもよいが、これに限定されない。
【0046】
MEMS102をネットワーク用インターフェースモジュール504と一体化させた点を除くと、構成要素502および504は公知技術の代表例である。
【0047】
さまざまな実施形態において、システム500は、ルーター、スイッチ、ゲートウェイ、サーバなどであってよい。
【0048】
以上において、さまざまな実施形態に係る、微小物体に対して2段階の可動性を実現するべく駆動体アレイが備えられたMEMS、およびそのようなMEMSを組み込んだシステムを説明した。具体的な実施形態を説明したが、本発明の範囲を超えることなく、上述の具体的な実施形態に代わるものとして、さまざまな変形例および/または類似例を実施できることは、当業者に明らかである。本出願は、上記で説明した実施形態の変形例はすべて含むものとする。このため、本発明は請求項およびそれに類するものによってのみ限定されるものと解釈されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機械システムであって、
コンプライアンス特性を有する第1サスペンションビームと、
前記第1サスペンションビームに接合された物体と、
前記第1サスペンションビームの第1端部および第2端部に接合された第1駆動体および第2駆動体であって、前記第1サスペンションビームを移動、圧縮または延伸するべく補完的にアクティブ化され、前記物体に対して第1可動性および第2可動性を実現する第1駆動体および第2駆動体と
を備える電子機械システム。
【請求項2】
前記第1駆動体および前記第2駆動体は、第1方向に沿って前記物体を所定距離動かすべく、前記第1サスペンションビームを前記第1方向に沿って所定距離動かすように、補完的にアクティブ化される
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項3】
前記第1駆動体および前記第2駆動体は、前記第1方向に沿った前記物体の移動とほぼ同時に、前記第1方向と直交する第2方向に沿って前記物体を所定距離動かすべく、前記第1サスペンションビームを所定量圧縮または伸長するように、補完的にアクティブ化される
請求項2に記載の電子機械システム。
【請求項4】
前記電子機械システムはコンプライアンス特性を有する第2サスペンションビームをさらに備え、
前記物体はさらに前記第2サスペンションビームに接合されており、
前記第1駆動体および前記第2駆動体はさらに、前記第2サスペンションビームの第3端部および第4端部に接合され、前記第1サスペンションビームの前記移動、前記圧縮または前記伸長と合わせて、前記第2サスペンションビームを移動、圧縮または伸長するように、補完的にアクティブ化される
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項5】
前記電子機械システムはさらに前記第1サスペンションビームの前記第1端部に接合された第3駆動体を備え、当該第3駆動体は、前記第1駆動体および前記第2駆動体の補完的なアクティブ化を補完するべく、前記第1サスペンションビームを移動、圧縮または伸長するように前記第2駆動体と補完的にアクティブ化される
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項6】
前記第1駆動体および前記第2駆動体は、1以上の第1補完的アクティブ化方法に基づいて、前記第1可動性および前記第2可動性を実現し、
前記電子機械システムはさらに、前記第1サスペンションビームの前記第1端部および前記第2端部に接合された第3駆動体および第4駆動体を備え、当該第3駆動体および当該第4駆動体は、1以上の第2補完的アクティブ化方法に基づいて、前記第1可動性および前記第2可動性を実現するべく、前記第1サスペンションビームを移動、圧縮または伸長するように互いに補完的にアクティブ化される
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項7】
前記第1駆動体および前記第2駆動体のうち少なくとも一方は、互いに分離された状態で配設された2つの部分を有する
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項8】
前記電子機械システムはさらに前記第1サスペンションビームに接続された台を備え、前記物体は前記台の上に配設されている
請求項1に記載の電子機械システム。
【請求項9】
前記電子機械システムはさらに、
基板と、
前記基板上に配設され、それぞれ前記第1駆動体および前記第2駆動体に接合された第1ばねおよび第2ばねと
を備え、
前記基板は、前記第1駆動体および前記第2駆動体が前記物体を動かせないように、前記台を誘引して保持するようにアクティブ化される領域を1以上有する
請求項8に記載の電子機械システム。
【請求項10】
前記電子機械システムはさらに、前記第1駆動体および前記第2駆動体が前記物体を動かせないように、前記台を誘引して保持するようにアクティブ化される構成要素を1以上備える
請求項8に記載の電子機械システム。
【請求項11】
電子機械システムであって、
第1可動アーム、第2可動アーム、第3可動アームおよび第4可動アームと、
前記第1可動アーム、前記第2可動アーム、前記第3可動アームおよび前記第4可動アームに接続された物体と、
前記第1可動アーム、前記第2可動アーム、前記第3可動アームおよび前記第4可動アームにそれぞれ対応するように接合された第1駆動体、第2駆動体、第3駆動体および第4駆動体であって、前記物体に対して第1可動性および第2可動性を実現するべく、連携して前記第1可動アーム、前記第2可動アーム、前記第3可動アームおよび前記第4可動アームを動かすように、補完的にアクティブ化される第1駆動体、第2駆動体、第3駆動体および第4駆動体と
を備える電子機械システム。
【請求項12】
前記物体を第1方向に沿って所定距離動かすべく、前記第1駆動体および前記第2駆動体が反時計回り方向または時計回り方向に動くように補完的にアクティブ化され、且つ前記第3駆動体および前記第4駆動体が前記第1駆動体および前記第2駆動体とは逆方向に動くように補完的にアクティブ化される
請求項11に記載の電子機械システム。
【請求項13】
前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体はさらに、前記第1方向に沿った前記物体の移動とほぼ同時に、前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記物体を所定距離動かすべく補完的にアクティブ化される
請求項12に記載の電子機械システム。
【請求項14】
前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体はさらに、第1方向に沿って前記物体を所定距離動かすべく、反時計回り方向または時計回り方向に動くように補完的にアクティブ化される
請求項11に記載の電子機械システム。
【請求項15】
前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体はさらに、前記第1方向に沿った前記物体の移動とほぼ同時に、前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記物体を所定距離動かすべく補完的にアクティブ化される
請求項14に記載の電子機械システム。
【請求項16】
前記電子機械システムは、前記第1可動アーム、前記第2可動アーム、前記第3可動アームおよび前記第4可動アームに接合された台をさらに備え、前記物体は前記台の上に配設されている
請求項11に記載の電子機械システム。
【請求項17】
前記電子機械システムはさらに、前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体が前記物体を動かせないように、前記台を誘引して保持するようにアクティブ化される領域を1以上含む基板を備える
請求項16に記載の電子機械システム。
【請求項18】
前記電子機械システムはさらに、前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体が前記物体を動かせないように、前記台を誘引して保持するようにアクティブ化される構成要素を1以上備える
請求項16に記載の電子機械システム。
【請求項19】
第1駆動体をアクティブ化することと、
物体に対して第1可動性および第2可動性を実現するべく、略縦長の形状を持つ第1部材を移動、圧縮または伸長するように、前記第1駆動体のアクティブ化に対して補完的に、前記第1駆動体とは異なる第2駆動体をアクティブ化することと
を含む方法。
【請求項20】
前記第1駆動体および前記第2駆動体の補完的アクティブ化は、主に前記第1可動性および前記第2可動性のいずれかを実現するために行われ、
前記方法は、前記物体に対して前記第1可動性および前記第2可動性のうち前記第1駆動体および前記第2駆動体とは異なる可動性を主に実現するべく、前記第1部材を移動、圧縮または伸長するように、前記第1駆動体および前記第2駆動体の補完的アクティブ化と連携して、第3駆動体および第4駆動体を補完的にアクティブ化することをさらに含み、前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体は異なる駆動体である
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1駆動体および前記第2駆動体の補完的アクティブ化は、前記第1可動性および前記第2可動性のいずれかを実現するべく、前記第1部材を移動するように行われ、
前記方法は、前記第1部材の移動に合わせて略縦長の形状を持つ第2部材を動かすべく、前記第1駆動体および前記第2駆動体の補完的アクティブ化と連携して第3駆動体および第4駆動体を補完的にアクティブ化することをさらに含み、前記第1駆動体、前記第2駆動体、前記第3駆動体および前記第4駆動体は異なる駆動体である
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、前記物体が配設された台を前記第1駆動体および前記第2駆動体が動かせないようにして、前記物体を係止することをさらに含む
請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、前記台を動かせるようにして、前記第1駆動体および前記第2駆動体が前記物体を再び動かせるようにすることをさらに含む
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、前記物体の移動および前記物体の係止を繰り返すことをさらに含む
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
システムであって、
複数のデータルーティングルールを格納したメモリ、および少なくともある程度は前記データルーティングルールに基づいてデータをルーティングする、前記メモリに接合されたプロセッサを有するデータルーティングサブシステムと、
前記データルーティングサブシステムのデータを光学的に送信する、前記データルーティングサブシステムに接合されたネットワーク用インターフェースモジュールであって、電子機械サブシステムを有するネットワーク用インターフェースモジュールと
を備え、
前記電子機械サブシステムは、
略縦長の形状を持つ複数の部材と、
前記複数の部材と接合された物体と、
前記複数の部材に接合された複数の駆動体であって、前記物体に対して第1可動性および第2可動性を実現するべく、前記複数の部材を移動、圧縮または伸長するように、組み合わせを選択して選択的にアクティブ化される複数の駆動体と
を有する
システム。
【請求項26】
前記電子機械システムが有する前記複数の部材は、コンプライアンス特性を有する第1サスペンションビームおよびコンプライアンス特性を有する第2サスペンションビームを含み、
前記電子機械システムが有する前記複数の駆動体は、前記第1サスペンションビームおよび前記第2サスペンションビームの第1端部に接合された第1駆動体および第2駆動体、ならびに前記第1サスペンションビームおよび前記第2サスペンションビームの第2端部に接合された第3駆動体および第4駆動体を含む
請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記電子機械システムが有する前記複数の部材は、第1可動アーム、第2可動アーム、第3可動アームおよび第4可動アームを含み、
前記電子機械システムが有する前記複数の駆動体は、前記第1可動アーム、前記第2可動アーム、前記第3可動アームおよび前記第4可動アームにそれぞれ対応するように接合された第1駆動体、第2駆動体、第3駆動体および第4駆動体を含む
請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の駆動体はそれぞれ、残りの駆動体のアクティブ化強度とは異なる強度でアクティブ化される
請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記電子機械システムは、
前記物体が接続された台と、
基板であって、前記複数の駆動体によって前記物体が動かせないようにするべく、前記台を誘引して保持するようにアクティブ化される、当該基板上に設けられた構成要素または領域を含む基板と
をさらに有する
請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記システムは、当該システムを1以上の側面から監視するためのセンサを1以上さらに備え、監視結果は単独でまたはほかの入力と共に、前記電子機械システムが有する前記複数の駆動体の選択的且つ補完的なアクティブ化を決定する上で用いられる
請求項29に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−535290(P2007−535290A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510756(P2007−510756)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/012077
【国際公開番号】WO2005/109621
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】