説明

2重機能の測定システム

【課題】2重測定能力を有する測定システムを開示する。
【解決手段】測定システムは、試料媒体(8)を照明する第1の軸に沿って光を供給するように形成された光源(10)を有する。測定システムは、試料媒体内の散乱光を測定するように形成された第1のセンサ(5)を有する。測定システムは、試料媒体を通過する光を測定するように形成された第2のセンサ(17)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体、気体、医薬など何であれ、製品(粒子の懸濁(particle suspension)を許容できる媒体)の品質や純度は、工程専門家、技術者、科学者等には興味がある。製品品質の測定の1つとして、構成要素としての粒子(particle)又は工程の製造による粒子物体が規定量又は適切な許容範囲内に存在することを保証するために、最終製品又は製造の様々な過程における製品中の粒子物体又は粒子物体の濃度の分析評価がある。懸濁液中の粒子が未知のとき、粒子は構成、大きさ、形状が異なるかもしれない。様々な方法で、例として少し挙げれば、吸収、反射や散乱、蛍光によって、物体が光と相互作用することは公知である。例えば、濁度計(turbidimeter)、比濁計(nephelometer)、粒子係数計(particle counter)、濃度計(densitometer)等の様々な光学的手段が懸濁液(suspension)中の粒子物体を測定するために考案されてきたが、すべて基本的に異なる光学的構成を使用する。即ち、各々の光学的構成は、光の透過(transmittance)、反射(reflection)、放射(remittance)によって、懸濁する粒子の特定の属性や濃度の範囲を測定するために設計される。
【0002】
光学的な測定器の構成に関する他の制約は、監督官庁によって、即ち、例えば、米国環境保護局の方法180.1(アメリカ材料試験協会)の『水の濁度のための標準試験方法』(the U.S. EPA Method 180.1, ASTM Standard Test Method for Turbidity of Water D 1889-00)による標準化方法によって、及び、水質の分析評価のための濁度の測定のための国際標準ISO7027によって課せられる。これらの方法と標準とは、同様の課題を有する器具が指定されたパラメータの範囲内で報告目的のために遂行することを確実にするために、検知器に対する発光器の幾何学的な関係と集光光学系の立体角とを示す。
【0003】
懸濁液中の粒子の存在を測定するために設計された比濁分析の測定機器に関する他の制限は、粒子の大きさと濃度の幅広い範囲を超えても障害なく動作するという機器の能力である。粒子係数計は低濃度の粒子でよく機能するが、濃度や粒子の大きさが測定器インタラプタの狭い制約、オリフィス、キャピラリを通過するための流れ蒸気(flow steam)の能力よりも大きくなるとき障害となる傾向がある。例えば濁度計等の制約のない流れ経路を備えた機器は、低濃度の粒子に対して感度が鈍い。なぜなら、検知器が自ら生成する雑音のそれより大きい、検知手段に衝突する散乱光のエネルギに主要な測定技術は依存するからである。
【0004】
懸濁液中の粒子の測定に使用される機器で更に別の欠如しているものとして、熟練したオペレータや技術者と比濁分析装置(nephelometric device)との間で相互の影響を要求する校正標準や校正機器の導入によって、粒子の流れを破壊することなく器具の操作上の準備を評価する手段の欠如がある。
【0005】
媒体中の懸濁粒子の有無や数の分析評価を実行し、要求される実行属性に応じて測定するシステム能力の検証を実行するために、開示される発明は、多数の比濁分析の測定機器及びシステム検証機器の必要性を排除する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの特徴は、測定システムが、光を第1の軸に沿って指向されて試料容量を照明するように形成された光源と、第2の軸に沿って整合されて試料容量内の散乱光を検知するように形成された第1のセンサと、光源から出て試料容量を通過する光量を検知するように形成された第2のセンサとを有することである。
【0007】
好ましくは、第1のセンサと第2のセンサとに結合されて第1のセンサによって検知された全光量を第2のセンサによって検知された全光量と比較するように形成された処理部を更に有する。
好ましくは、第1のセンサと第2のセンサとに結合されて試料容量内の浮遊媒体の濁度(turbidity)と、試料容量内にて検知された粒子の数の両方を計算するように形成された処理部を更に有する。
【0008】
好ましくは、入口ポートと出口ポートとを有する積分球(integration sphere)を更に有し、入口ポートは第1の軸に整合され、第2のセンサは出口ポートに整合される。
好ましくは、入口ポートは出口ポートに対して実質的に90度に整合される。
好ましくは、第1の軸は第2の軸に対して実質的に90度に整合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図12、及び、以下の記述と提示とは、本技術分野における当業者に本発明の最良の形態を製造する方法と使用する方法とを教示するために特別な例を示す。本発明の原理を教示する目的のために、従来のいくつかの局面を簡素化したり省略したりした。本技術分野の当業者は、本発明の範囲内にあるこれらの例から変形例を正しく認識するであろう。本技術分野の当業者は、以下に記述される特徴が様々な方法で結合されて本発明の多数の変形例を形成する場合があることを正しく認識するであろう。その結果、本発明は、以下に記述される特別な例に限定されず、特許請求の範囲とその同等物によってのみ限定される。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態における粒子測定システムの光学的配置の断面図である。粒子測定システムは、光源10と屈曲取付部27とメニスカスレンズ1と入力レンズ6と出力レンズ7と視野レンズ2と機器本体19と積分球(integrating sphere)11と透過検知器(transmit detector)17とレンズ3と開口絞り(aperture mask)9とレンズ4と粒子検知器5とを有する。光源10は屈曲取付部7に取り付けられ、光を第1の光軸AAに沿って放出する。屈曲取付部27は光源10と機器本体19との間の角度の関係を調節したり整合したりするのに使用される。空洞8はメニスカスレンズ1と入力レンズ6と出力レンズ7と視野レンズ2と機器本体19とによって形成される。試験される媒体は紙面に対して垂直な軸に沿って空洞8内を流れる。例えばOリング等のガスケット又はシール機器は、レンズと機器本体との間で使用され、流体に対してしっかりしたシール部(a fluid tight seal)が空洞8まわりに形成されることを助ける。出力レンズ7は機器本体19に取り付けられ、第1の光軸AAに整合される。積分球11は出力レンズ7の近くで機器本体19に取り付けられる。積分球11は、第1の光軸AAに整合された入口ポート15を有する。透過検知器17は積分球11の出口ポート16において、入口ポート15に対して実質的に90度に取り付けられる。メニスカスレンズ1と視野レンズ2とレンズ3と開口絞り9とレンズ4とは、第2の光軸BBに沿って整合される。粒子検知器5は機器本体に取り付けられ、第2の光軸BBに整合される。積分球11の内側面12は、反射率を改めるため、反射面の安定性、耐久性、安全性を高めるために、選択的に被覆される。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態における粒子測定システムの第1の側面図である。光源10は、レーザー、LED(発光ダイオード(Light Emitting Diode))、白熱灯、放電ランプ、或いは、有益な情報を生成するために検知器を刺激できる他の任意の干渉的(coherent)又は非干渉的な(non-coherent)光源である。比濁分析装置(nephelometric device)を通る流れの入口41と出口44とは、機器本体19に取り付けられた接続部39,42によって容易にされる入口管40と出口管43とによって通される。図2のクランプ33の断面図は、ねじ36が力をクランプ33に適用して固定位置に検知器ホルダ34を確実に取り付けるために、検知器スリーブ32を押し込む手段を示す。
【0012】
図3は、メニスカスレンズは除かれているが、本発明の一実施形態における粒子測定システムの第2の側面図である。
【0013】
図4は、本発明の一実施形態における粒子測定システムの流路の断面図である。粒子測定システムは、メニスカスレンズ1と出力レンズ7と視野レンズ2と機器本体19とレンズ3と開口マスク9とレンズ4と粒子検知器5と入口管40と出口管43とを有する。比濁分析装置を通る流れの入口41と出口44とは、機器本体19に取り付けられた接続部39,42によって容易にされる入口管40と出口管43とによって通される。Oリングシール部45,46は、機器本体19に対して配管43,40をシールする。第1の光軸AAは紙面に対して垂直な線を形成し、第1の光軸AAは幾何学的中心が出力レンズ7の光学的中心に一致される。
【0014】
図5は、本発明の一実施形態における検知経路の光学的配置のブロック図である。図5は、対象平面49において懸濁媒体(suspension media)47中の粒子によってメニスカスレンズ1の方向に散乱された光を示す。光軸BBに沿ってメニスカスレンズ1と視野レンズ2とレンズ3,4とが、対象平面49に配置された粒子の像面(image plane)49’’における正立像(erect image)を形成する。粒子の中間像(intermediate image)は、メニスカスレンズ1によって視野レンズ2内の像面49’において光軸BBに沿って形成される。視野レンズ2内で中間像を形成することによって、粒子からメニスカスレンズ1に向かって反射され(reflected)、散乱され(scattered)、出射された(emitted)光だけが像面49’’に合焦される。その結果、懸濁液中の粒子の像は、レンズ3,4の直接の結果として形成されないが、メニスカスレンズ1上に衝突した光の結果としてだけ形成される。
【0015】
本発明の一実施形態において、メニスカスレンズ1は、懸濁媒体の屈折率(refractive index)よりも大きい屈折材料でできたエマージョンレンズ(emersion lens)である。メニスカスレンズ1は、懸濁媒体に接触する凹状の第1屈折面と凸状の第2反射面とを有する。第1及び第2の面は同心である必要はなく、どちらの面も対象平面49に対して同心である必要はない。本発明の一実施形態において、メニスカスレンズ1の第1屈折面は懸濁媒体に不活性である。メニスカスレンズ1の第2反射面は第1屈折面によって保護されるから、メニスカスレンズ1はより精密な反射面を傷つける危険を冒すことなくきれいにされる。第1屈折面は更にある程度の光収差(optical aberrations)の修正の自由を見込む。そうでなければ、より少ない製造コストという利点に対して非球面は必要なく、像面49’,49’’において画質を低下させるだろう。メニスカスレンズの主な光学的な力(optical power)は反射面によって供給されるから、幅広い範囲の試験波長にわたる分散(dispersion)の問題は最小限にされるかもしれない。対象平面49からの周辺光線(marginal ray)50はメニスカスレンズ1の凹面によって屈折され、光線50aとしてメニスカスレンズ1の反射的な凸面に伝播する。レンズの被覆された凸面で反射して、反射光50bはメニスカスレンズ1の凹面において再び屈折されて、屈折光50cとしてレンズを出る。対象平面49と中間像面49’とは視野レンズ2内で光軸BBに沿って配置されるから、懸濁媒体47間の屈折率と視野レンズ2の屈折率とは類似し、中間像49’は視野レンズ2の凸面に対して同心であるかほとんど同心であるので、屈折は視野レンズ2のいずれの側面でもほとんど起きない。メニスカスレンズ1は、懸濁媒体47中の粒子から散乱された光の大部分を捉える大きな開口数(numerical aperture)を提供する。本発明の一実施形態において、散乱光全体の7分の1超は像面49’’で粒子検知器5上に衝突するように利用される。周辺光線50cは周辺光線50dとしてレンズ3によって屈折され、周辺光線50eとしてレンズ3から現れる。視野絞り(field stop)9は、懸濁媒体47中の粒子から散乱される周辺光線が光学系を通って伝播する程度を画定する。視野絞り9の像はメニスカスレンズ1の表面又は表面近くに視野絞りの像9’として形成される。周辺光線50eはレンズ4に伝播し、周辺光線50fとして屈折され、粒子の正立像が像面49’’で対象平面49からの散乱光から形成される周辺光線50gとしてレンズ4から現れる。主光線(principle ray)51は視野絞り9の中心を通り、メニスカスレンズ1の表面に形成された視野絞りの像9’の中心も通過する光学系を通る類似の経路に続く。粒子検知器5が視野絞り9の無限共役(infinite conjugate)にあるように、視野絞り9はレンズ4から離れて置かれる。従って、視野絞り9に形成される像の任意の部分は、粒子検知器5の表面に等しく衝突する。
【0016】
検知器5は、フォトダイオード、光電子増倍管(Photo-Multiplier Tube(PMT))、電荷結合素子(Charged Coupled Device(CCD))、相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS))イメージセンサ、又は、光又は放射を電位又は電流を有する定量化された値へ変換する他の任意の手段である。本発明の一実施形態において、例えばCCDやCMOSイメージセンサ等の領域アレイ検知器は、空間的な位置と増分領域(incremental area)とによってイメージセンサ上に形成された像の強度を測定するために使用される。この情報を使用して、機器は対象平面49で懸濁液中の粒子の大きさ、形状、分布、出現頻度、速度を測定する。光軸BBに沿って像に対する対象の倍率(magnification)は重要性のある測定のための充分な解像度(resolution)を提供し、懸濁液中で測定できる最大の領域を画定する。イメージセンサの大きさが6.4×4.8mmで光学系の倍率が×2であれば、懸濁液中で測定できる最大の大きさは3.2×2.4mmである。所定のイメージセンサにとって光電性の箇所(photosensitive site)の固定された数(fixed number)は現在例えば640×480画素であり、それ故に各画素は10ミクロンメートルで、懸濁液中では画素当たり5ミクロンメートルの対象物の解像度を意味する。測定されるべき粒子が系の解像度よりも少なくとも2〜3倍大きいのであれば、対象物の大きさと形状との合理的な測定を決定できる。光軸BBに沿った像の深度は光軸BBに沿った照明光の直径又は幅の結果であり、及び/又は、像光学系の被写界深度(depth of field)である。画定される測定量(measurement volume)は、光軸BBに沿った照明の幅、像光学系の被写界深度、光学系の倍率、粒子検知器の大きさを使用して決定される。画定される測定量中の照明される粒子又は蛍光の粒子の計数は、立方メートル当たりの計数として報告される。イメージセンサが積分型であれば、CCDやCMOSイメージセンサの場合のように、積分時間−−−機器の光電性領域(photosensitive area)上に蓄積される電荷に割り当てられる時間は、積分期間内に限界を超える画素数の測定によって懸濁液中の粒子の流速を測定するために使用される。結果として出力される像は時には「縞」として参照される。その長さと既知の積分時間とが粒子の速度の計算に使用でき、それ故に、懸濁媒体の流速の計算に使用される。懸濁液中の粒子の濃度が充分に高いとき個々の粒子はイメージセンサで識別できないが、フォトダイオード(感光性半導体素子)のそれと同じように、既知の積分期間中にイメージセンサ上に蓄積される電荷全体、又は、粒子検知器5のアンペア電流産出物(ampere current product)によって粒子の濃度として測定される。このことは、比濁分析標準液の既知の濃度に校正された懸濁液の曇り(cloudiness)や濁り(haze)の測定の比濁分析濁度単位(Nephelometric Turbidity Units(NTU))、ホルマジン比濁分析単位(Formazin Nephelometric Unit(FNU))、マクファーレン単位(McFarlane Units)、又は、他の標準的な比濁分析単位に相関する。
【0017】
開示される発明は、単一の検知経路(single detection path)に限定されない。図6は、本発明の一実施形態において検知経路を1以上利用する時の光学的配置のブロック図を示す。第2の光軸CCは光軸BBに対して実質的に90度に導入され、両者は光源の光軸に対して実質的に90度に導入される。対象平面49で粒子からの光の散乱は、粒子検知器5Aに粒子の正立像(erect image)を形成するためにメニスカスレンズ1A、視野レンズ2A、レンズ3A,4Aを代わりに利用する図5に記述されたのと同じ方法(manor)で、収集されて光軸CCに沿って透過される。2つの像は関連し、粒子検知器5Aに形成された像は、粒子検知器5に形成される像の像側面(image profile)である。加えて、2つの検知器5,5Aは同じスペクトル応答(spectral response)を有する必要ないし、メニスカスレンズ1,1Aが同じスペクトル反射性(spectral reflectivity)を有する必要性もない。各光路がスペクトルの異なる部分に対して感度が良くなるように、実際は、各光路(optical path)は光学フィルタの付加、被覆の反射性(coating reflectivity)、検知器の応答性(detector response)によって改められて、対象平面49で特定の波長(unique wavelength(s))で懸濁媒体47中の粒子からの吸収又は出射を検知する。
【0018】
図7は、本発明の一実施形態における光源経路(light source path)の光学的配置のブロック図である。迷光の放射エネルギ(stray radiant energy)が光軸BBに沿って粒子検知器5に伝播するのを防ぐことが望まれる。それゆえに、粒子検知器5に結像され得るよりも多い容量の試料が照明されないことが最良のやり方である。入力レンズ6は光源10から光53を53aとして合焦させて、試料容量の像が粒子検知器5に貢献する試料容量に照明を当てる。試料容量を通って光が伝播した後、光53bとして懸濁液中の粒子によって吸収も拡散もされない透過光を、出力レンズ7は積分球11の入口ポート15へ指向させる。積分球11の内側面12上の被覆や仕上げは拡散反射的に最適化されて、透過光で積分球の内側面を均一に照明する。そのようにして、光源10の透過光線の中で照明の光軸AAに沿った光の正確な角度や分布にもかかわらず、透過検知器17は光の同じ強度を測定する。積分球11の出口ポート16は、積分球11の入口ポートに対して実質的に90度に置かれる。透過検知器17の直接の照明を防ぎ、その結果、光線の入射(incidence)と位置とに対する感度を減らすために、透過検知器17の検知器54,54aの視線(lines of sight)は入口ポート15や積分球11の内側面12上の入射透過エネルギ(incident transmit energy)を含まない。透過検知器17及び粒子検知器5から生成された信号は、透過光の散乱光に対する一部を決定するため、或いは、粒子の吸収や蛍光を測定するために利用される。比濁計(nephelometer)内の透過光の測定のための積分球の新規な用途のもう1つの有利な点は、積分球11の内側面12を横切った光の再分布(redistribution)にある。その結果、透過検知器17の表面で強度が減少する。それによって、透過検知器17上に衝突する入射光(incident light)の最大値を減らすための遮光器(light trap)又は中性の密度のフィルタ(neutral density filters)の必要性が除かれる。
【0019】
開示された発明の独自の品質は、視野絞り9において光軸BBに沿って置かれた対象物やマスクをメニスカスレンズ1の表面上又は近くに結像する能力である。図7aに示されるように、視野絞り9の配置の環状マスク9aの場所は、光軸BBに関連して高い角度で対象平面49から反射され散乱される光線だけを許容可能な伝播によって識別するのに利用される。絞り9に代わって使用される環状マスク9b,9cは、光学系のエタンデュー(etendue)を一定に維持する一方で、散乱の許容可能な伝播角(angle of scatter)を変更するために利用される。エタンデューは、放射光を透過するための光学系の幾何学的な能力、即ち、スループットを特定するために使用される。エタンデューの数値的な値は一般に系の定数であり、開口部の大きさと系が光を受ける立体角(solid angle)との積として計算される。エタンデューはまた、光学系の集光即ち光を集める能力としても知られる。図7bに示されるように、図7の固定された視野絞り9のために代替された虹彩絞り(iris diaghragm)は、粒子検知器5上に衝突する光量と、全体の含まれた対象平面49からの散乱角とを改めるために調節される場合がある。粒子から散乱されて照明の入射光線に向かう光は、比濁計の用語において「後方散乱」として参照される。対照的に、照明の光源から離れて散乱される光は、「前方散乱」として参照される。入射光源に向かう光、或いは、入射光源から離れる光のどちらでもない粒子から散乱される光は、比濁計の用語において「側方散乱」として参照される。図7c乃至図7gにおいて示される形式の開口部またはマスクは、散乱の型によって粒子から散乱される光量の測定を許容する。懸濁媒体中の粒子の濃度に依存する線形性や感度(sensitivity)に関して異なる型の散乱は更に有効であるから、粒子の異なる濃度を測定することができるためにこのことは有効である。図7の視野絞り9の位置に置かれた光軸BBからの円形マスクのオフセットは、図7cに示されるように、光軸BBに対して偏心して9a,9b,9cとして回転させ、円錐曲線(conic section)の区切りとして光軸BBについての散乱角の優先的な選択を備えた光学系のエテンデューを一定に保つ。光軸BBまわりに独立して回転され薄膜状で図7の視野絞り9の位置で互いに極めて近接する2つの半円形のマスクは、図7dにおいて9a,9b,9c,9dとして示される。マスクの回転は独立してセクターの開口部を生成する。その開口部を通って、光軸BBまわりの散乱光の一部は、光学系を通って粒子検知器5へ散乱の選択された方向で通過することが許容される。シャッター形式のマスクは、図7eに示されるように、対象平面49から散乱され出射される光の角度の一部を選択するのに利用される。シャッターは図7の開口部9の表面を横切って滑り、対象平面49からの出射光の散乱角に依存する粒子検知器5に対する光線の伝播を優先的に透過し、又は、遮蔽する。図7eの位置9aにあるシャッターは対象平面49から前方へ散乱される光を透過する。独立して調節可能で互いに直行し薄膜状で図7の視野絞り9の位置で極めて近接する2つのシャッターが図7fに示される。2つのシャッターによって形成される開口部、セクターは、図7dの半円形状のマスクによって形成されるセクターのそれに似ず、光軸BBから離れて移動することができる。偏光フィルムと電気的に偏光される液晶、例えば、透過型LCD(液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display))を通過する散乱光の選択的な偏光によって制御された視野絞り9の位置で画素化されたマスク(pixilated mask)は、光が光軸BBに沿ってLCDを通って伝播することを交差偏波(cross polarization)によって遮断するために利用される。画素化されたマスクは、優先権なしに、以前に記述された開口部の記述された任意の又はすべての形式を代替できる。マスクの選択は検知器5が結局処理する反射角を効率的に選択する。代替的に、散乱又は出射光の角度、及び/又は、強度だけが対象平面49から測定されるべきであり、粒子の存在又は蛍光の場合のように、散乱された粒子のどのような像も形成される必要はないとき、CCDやCMOS像面センサ等の像アレイは、図7gに示されるように、視野絞り9に代わって置かれる。画素の像は視野絞りの像9’としてメニスカスレンズ1の表面に形成されるから、像面センサの画素上に衝突する光は、その結果、散乱角又は出射角によって識別される。図6に示されるように、多数の検知経路を有する光学的配置を使用して、粒子に対する散乱角の異なる測定が同時になされるように、異なるマスキング領域を有する多数のマスクが使用されることもある。
【0020】
図8は、本発明の一実施形態における懸濁媒体の視野領域(view area)の光学的配置のブロック図である。光源10からの光は、照明の火面(caustic)又は源の合焦された像を対象平面49に形成するために、周辺光線(marginal ray)53として入力レンズ6へ伝播する。散乱も吸収もされない光は光路AAに沿って続き、粒子の物質によって吸収も散乱もされない光が入力ポート15を通って積分球11の内側面12へとリレー(中継)されるレンズ7を出る。代替的に、懸濁媒体へ出射される光が平行光に変換され(collimated)又は合焦され、且つ、積分球へ範囲を定められた(subtended)角度が小さい場合、レンズ6,7は光学的な力(optical power)を有する必要はない。懸濁媒体が機器の外部の要素から分離される(isolated)必要がない場合、例えば粒子が空中又は他のガスや蒸気中を懸濁しているとき、レンズ6、7は完全に除去されるかもしれない。
【0021】
本発明の一実施形態において、複数の照明経路(illumination path)が使用される。図9は、本発明の一実施形態における複数の光源経路(light source path)を利用する粒子測定システムのブロック図である。図9は、照明を光軸52,52A,52Bに沿って放射する光源10,10a,10Bを有する。本発明の一実施形態において、光源10,10A,10Bは、同じスペクトル発光(spectral emission)を有する必要はなく、光軸52,52A,52Bに沿って光学フィルタ材料の導入によって、或いは、レンズ6,6A,6B、及び/又は、レンズ7,7A,7Bに使用される光学材料又は被覆の公正な選択によって、発光光の波長を選択したかもしれない。
【0022】
本発明の他の特徴は、フローや粒子の流れを破壊(disruption)することなく機器の操作的な準備の校正や検証を容易にするために、光を既知の量や割合の検知経路へ導入する能力である。図10に示されるように、メニスカスレンズ1の表面に同義の視野絞り9’の像面に、光軸BBに沿って検知光学系(detection optics)の視界(field of view)の中に光を導入することによって、非破壊的な校正又は検証は達成される。透明なプラスチック、ガラス、他の好適な材料でできた環状導波管(annular waveguide)60は、第2の光源56からの光を、光軸59に沿って全内面反射(Total Internal Reflection(TIR))によって2つの鏡面の間を、環状導波管60の外側の端から環状導波管60の内側の端へ移動させる。粒子検知器はレンズ4の無限共役(infinite conjugate)にあるから、光を光軸BBに沿って周辺光線の輪として散乱させて視野絞り9に環状導波管60の像を形成するため、続いて粒子検知器5上に等しく衝突するために、環状導波管60の内側の端は優先的に研磨されエッチング処理がされ被覆される。電気的又は機械的な手段の供給によって第2の光源56が既知の強度で発光することを選択的に可能にすることによって、光が、光源10によって刺激された粒子から散乱され出射される光に加えて、光軸BBに沿って導入される。光源10によって導入される光は懸濁媒体を通って移動しなければならないので、光源10から透過検知器17へ透過される光と同じ方法(manor)で、光は懸濁媒体中の粒子の濃度による光の吸収、散乱、出射から影響を受ける。光源10から検知器17へ透過される光量と、第2の光源56から粒子検知器5へ透過される光量との比は、光源10と第2の光源56とが一定の強度で発光してすべての光学面が同じ方法で等級を下げれれば、一定である。指示された量以上に逸脱するという異常な状態は、異常状態の修正、或いは、比を確立された値に復元するための比の補償のいずれかのための正当な行動に関して、確立された値からの比の結果として存在する。
【0023】
レンズ3,4は視野レンズ2内からの像をリレー(中継)するから、適用された電界によって部分的に散乱する視野レンズ2の材料や構造を選ぶためにこの整列を利用することも可能である。或いは、視野レンズ2の端へ出射される光を散乱によって再指向するために、又は、視野レンズ2内の光を光軸BBに沿って出射して、その結果、粒子検知器5上に衝突させるために、他の刺激は光学的特徴が対象物に変化することを視野レンズ2に引き起こさせる。この整列は、散乱され出射された光が、妨げられず懸濁媒体を透過せず、生物学的な薄い層や懸濁媒体に接触する材料の析出(deposition)によって影響を受けないという有利な点を有する。従って、より安定的で再生産可能な校正や検証源が結果である。
【0024】
図11に示されるように、代替的に、光は光軸BBに沿ってメニスカスレンズ1の凸面の光学的被覆の中央の被覆されていない部分、即ち、開口部58を通して導入されることもある。第2の光源56の像は、レンズ57によって、メニスカスレンズ1の被覆されていない中央開口部58を通して、視野絞り9の像9’と同義のメニスカスレンズ1の凹面で合焦される。物理的な放射器(radiator)はメニスカスレンズ1の凹面に存在しないが、代わって、第2の光源56の像と、主光線(principle ray)で構成され周辺光線(marginal ray)を含まない光とが存在するから、第2の光源からの光の導入という代替の計画は、以前に記述された図10の方法とは異なる。しかしながら、両者は検知光学系(detection optics)の視界(field of view)の中の視野絞り9の像面9’で光軸BBに沿って光を効果的に出射するから、粒子検知器5上に衝突する光は結果として図10の光の導入方法と図11との間で識別できない。
【0025】
操作的な準備の校正や検証の目的のために光軸BBに沿って光を導入する他の手段は、図12に示されるように、第2の光源のための必要性なしに本発明のために開示される。光源10からの光は光軸BBに沿って出射され、入力レンズ6と出力レンズ7とを通って積分半球(integrating hemisphere)13の入力開口部15を通って、積分球11の内側面上に衝突する。光は積分球の内側面12間の繰り返し入射によって拡散反射され、光軸55に沿って積分球11の出口開口部16に現れる。回転軸63まわりの回転によって選択可能な例によると、少なくとも1つの透過面、即ち、開口部64と、少なくとも1つの反射領域62とを備えた光学面62は積分半球13の出口開口部16の向こうに置かれ、光を光軸55に対して実質的に90度に光軸68に沿って反射し、或いは、光軸55に対する開口部64や反射領域(reflecting area)62の整合に依存して光軸55に沿って光を透過する。反射面62が光軸55に沿って置かれることで、出口開口部16から現れる光は反射され、光軸68に沿って置かれた透過検知器17上に衝突し、その結果、光源10からの透過光の測定が確かめられる。開口部64が光軸55に沿って置かれることで、出口開口部16から開口絞り65、レンズ66、光ファイバー67、レンズ57を通る出射光のリレーによって、光軸BBに沿ってメニスカスレンズ1の中央開口部58を通った光の透過が許容される。光ファイバーの端の像は、視野絞り9の像9’に同義の中央開口部58を通してメニスカスレンズ1の凹面で形成され、視野レンズ2、レンズ3、視野絞り9、レンズ4によって、透過検知器17によって検知される光に比例して、粒子検知器5上に衝突する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態において、粒子測定システムの光学的配置の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態において、粒子測定システムの第1の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態において、粒子測定システムの、メニスカスレンズが除去されたときの第2の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態において、粒子測定システムの流路の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態において、検知経路の光学的配置のブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態において、2以上の検知経路を利用するときの光学的配置のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態において、光源経路の光学的配置のブロック図である。
【図7a−7g】本発明の一実施形態において、懸濁液中の粒子から散乱角を区別するために使用される開口マスクの様々な配置と構成のブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態において、懸濁媒体中の視界の光学的配置のブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態において、複数の光源経路を利用する粒子測定システムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態において、環状の仮想源と第2の光源とを備える粒子測定システムの光学的配置のブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態において、凸レンズ面に被覆されない領域と第2の光源とを備える粒子測定システムの光学的配置のブロック図である。
【図12】本発明の一実施形態において、主たる光源からの光を利用した現場構成及び検証の手段と、主たる光源のある割合を校正及び検証手段に迂回させる光学的切替手段の光学的詳細のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を第1の軸に沿って指向されて試料容量(8)を照明するように形成された光源(10)と、
第2の軸に沿って整合されて前記試料容量(8)内の散乱光を検知するように形成された第1のセンサ(5)と、
前記光源(10)から出て前記試料容量(8)を通過する光量を検知するように形成された第2のセンサ(17)と
を有することを特徴とする測定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の測定システムにおいて、
前記第1のセンサ(5)と前記第2のセンサ(17)とに結合されて前記第1のセンサ(5)によって検知された全光量を前記第2のセンサ(17)によって検知された全光量と比較するように形成された処理部を更に有することを特徴とする測定システム。
【請求項3】
請求項1に記載の測定システムにおいて、
前記第1のセンサ(5)と前記第2のセンサ(17)とに結合されて前記試料容量(8)内の浮遊媒体の濁度(turbidity)と、当該試料容量(8)内にて検知された粒子の数の両方を計算するように形成された処理部を更に有することを特徴とする測定システム。
【請求項4】
請求項1に記載の測定システムにおいて、
入口ポート(15)と出口ポート(16)とを有する積分球(integration sphere)(11)を更に有し、
前記入口ポート(15)は前記第1の軸に整合され、
前記第2のセンサ(17)は前記出口ポート(16)に整合されることを特徴とする測定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の測定システムにおいて、
前記入口ポート(15)は前記出口ポート(16)に対して実質的に90度に整合されることを特徴とする測定システム。
【請求項6】
請求項1に記載の測定システムにおいて、
前記第1の軸は前記第2の軸に対して実質的に90度に整合されることを特徴とする測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−7c】
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【図7d−7g】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−531659(P2009−531659A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501659(P2009−501659)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/064074
【国際公開番号】WO2007/112214
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505106575)ハック・カンパニー (12)
【Fターム(参考)】