説明

2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶及びその製造法

大きな平板柱状である、母液から比較的容易に分離可能な2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。この結晶は、比較的低温で晶析を行う新規な方法により得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L−リジン硫酸塩結晶及びその結晶の製造法に関する。より詳しくは、その構造に結晶水を含む2L−リジン硫酸塩結晶、及び、母液から容易に分離できるこれらの結晶を大量に製造する方法に関する。さらに、本発明は上記新規方法により製造されたL−リジンを含む製品に関する。
【背景技術】
【0002】
L−リジンは必須アミノ酸の一つであり、栄養調整剤、飼料添加物などとして製薬及び農芸その他の用途において広範囲に利用されている。L−リジンは、主としてL−リジン塩酸塩として流通している(http://www.ajinomoto.co.jp/ajinomoto/A-Life/aminoscience/siryou/lijin.html)。L−リジンは、2L−リジン硫酸塩の形でもL−リジン塩酸塩と同等の飼料効果が得られることが明らかとなっている(Roth et al, 1994: Biological Efficiency of L-Lysine Base and L-Lysine Sulphate Compared with L-Lysine HCl in Piglets; Agribio. Res. 47(2): 177-186 (1994))。
【0003】
2L−リジン硫酸塩の結晶には2L−リジン硫酸塩・無水和物の存在が知られている(Aketa et al., Stereo chemical studies XL A biomimetic conversion of L-lysine into
optically active 2-substituted; Chem. Pharm. Bull. 24(4): 623-31(1976))。このため、2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶の製造のために、2L−リジン硫酸塩水溶液にアルコール類を添加することが多い。添加されたアルコールは、生じた結晶から除かなくてはならないため、製造方法に付加的な精製工程が必要になり、結晶の収率も低下する。Aketa et al.参照。
【0004】
2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶は、水に対する溶解度が高いことが知られており、晶析収率が低くなる原因となっている。この結果、母液における高濃度の結晶は、晶析速度の低下をもたらす。最終的に得られる少量の結晶は微細となり、母液からの分離が困難であり、さらに、低収率の問題が大きくなる。
【0005】
そのため、純度がよく分離が容易なL−リジン結晶を得る改良された方法が求められている。L−リジンは、種々の産業における製品において重要な構成成分であるため、L−リジンを晶析し精製する効率のよい方法が求められている。
【0006】
本発明は、効率がよく、有意に収率が向上し、母液から生成結晶が容易にかつ効率よく分離される、L−リジンの晶析及び精製の方法に開示する。本発明は、また、L−リジン硫酸の新規な結晶形を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、2L−リジン硫酸・3水和物を晶析する技術、及び、それにより得られる、分離性に優れ、高収率であり、その他の優れた性質を有する結晶を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様として、溶液からの2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、約−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させ、該結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0009】
本発明の他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、約
−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させ、該結晶を回収し、結晶を乾燥して結晶水を除去し、2L−リジン硫酸酸塩を回収することをすることを含む方法が記載される。
【0010】
本発明のさらに他の態様として、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が記載される。
【0011】
本発明のさらにまた他の態様として、溶液からの2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、約40℃超の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させ、次いで、約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、該結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0012】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を蒸発により濃縮して結晶を形成させ、該結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0013】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、約40℃超の温度で2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を調製し、約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0014】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液に貧溶剤を添加して結晶を形成させ、該結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0015】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物柱状結晶の製造方法であって、約40℃超の温度で2L−リジン硫酸塩板状(plate)結晶のスラリーを調製し、約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、該結晶を回収することを含む方法が記載される。
【0016】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩の製造方法であって、2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を蒸発により濃縮して結晶を形成させ、該結晶を回収し、該結晶を乾燥して結晶水を除去し、該2L−リジン硫酸塩を回収することを含む方法が記載される。
【0017】
本発明のさらにまた他の態様として、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が記載される。
【0018】
本発明のさらにまた他の態様として、上述の方法により製造される2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が記載される。
【0019】
本発明のさらにまた他の態様として、上述の方法及びその後の乾燥工程により製造されるL−リジンを含む組成物が記載される。
【0020】
本発明の他の目的、特徴、及び、それらの効果は、以下の実施の態様に関する詳細な説明を添付の図面を参照して読めば当業者に明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、新規な晶析技術及び精製方法、並びに、飼料添加剤や栄養補助剤などのL−
リジンが現在使用されている用途用のL−リジン硫酸塩の新規な結晶について記載する。より詳しくは、本発明は、新規な精製方法による新規な2L−リジン硫酸塩・3水和物の形成について記載する。本発明は、晶析を行う時に晶析温度を変化させること、特に低下させることにより、2L−リジン硫酸塩無水和物結晶に加えて新規な2L−リジン硫酸塩・3水和物の析出を生じさせる方法について記載する。
【0022】
新規な2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は、2L−リジン硫酸塩無水和物結晶と比べて、結晶がより大きく、母液から分離が容易であるため、有利である。さらに、水に対する溶解度が低いため、結晶収率が高く、また、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は、水を結晶水として取り込んでいるので、晶析に必要な溶媒の量の減少を通じて晶析収率の改善が期待され得る。
【0023】
本発明の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は、母液から容易に分離できるように改善されたサイズ及び全体的形状を有する。図1は、大きな平板状(tabular)結晶の形態である新規な2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を示す。図1に示されるように、これらの結晶はより大きく、平板柱状である。これらのより大きな結晶は、晶析の後の分離工程で母液からより容易に分離できる。図2は、比較のために、2L−リジン硫酸塩無水和物結晶を示す。これらは、明らかに小さく、凝集形態(板状結晶)であり、母液からの分離が難しく、低収率を招く。
【0024】
本発明の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は、結晶に取り込まれた水を有し、これにより、好ましい形状、サイズが可能となり、より容易に分離可能になる。好ましくは、結晶は、結晶格子に3モルの水をとりこみ、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を生じる。
【0025】
新規な晶析方法の原料は、リジン溶液(L−リジンを溶質として含む溶液)であり、好ましくは2L−リジン硫酸塩の水溶液である。該溶液は、2L−リジン硫酸塩で過飽和していることが好ましく、これにより晶析が開始する。原料としての2L−リジン硫酸塩溶液は、当業者に知られている任意の方法で調製できる。出発溶液を得る好ましい方法は、培養の結果として培養液中に2L−リジン硫酸塩を蓄積させることである。特開平5−30985及び特開平5−244969は、培養により培養液2L−リジン硫酸塩を蓄積する方法の例を教示する。晶析は、蒸発、次いで冷却によりこの培養液から直接開始してもよい。あるいは、出発溶液を得るための他の方法には、2L−リジン及び硫酸を市販品として入手し、水溶液でそれらを混合することがある。
【0026】
出発溶液としての2L−リジン硫酸塩溶液の濃度は、本技術分野で知られた方法による晶析に合わせて調整し得る。典型的には、溶液を過飽和にする。濃度、温度、溶解度などのパラメーターも含めて出発溶液の組成を決定する方法は本技術分野で知られている。指針としては、濃度は、2L−リジン硫酸塩の溶解度を超えていればよい。一つの態様では、晶析温度が20℃の場合、該温度における2L−リジン硫酸塩の溶解度は、102.9 g/100 g水である。従って、晶析原料溶液における2L−リジンの濃度は、102.9 g/100 g水以上に調整される。
【0027】
より大きく、より容易に分離可能な本発明の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を得るために、本発明の新規な晶析方法を使用できる。本発明の方法は、−10℃〜35℃の温度で晶析を開始するか、又は、より高い温度で晶析を開始し次いで温度をこの望ましい範囲に低下させることを含む。これらの温度は、おおよそのものであり、プラスマイナス5℃の範囲で変わり得る。原料の温度を低下させることにより、水溶液からの2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の析出が、より大きな結晶形で得られることが判明した。図3は、温度を5℃〜60℃の範囲で5℃刻みに変化させて析出させた場合の結晶の形状を示す。温度範囲全体から、35℃以下で形成する2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶がより大き
く、より平板柱状である。40℃以上では、形成する2L−リジン硫酸塩結晶は板状(小さくて凝集)である。従って、本発明の方法は、温度が好ましくは約35℃以下、より好ましくは約30℃未満、さらに好ましくは約25℃未満、さらにまた好ましくは約20℃未満である晶析工程を含む。さらに好ましくは、晶析温度は約10℃である。この工程の実施の際には、2L−リジン硫酸塩・3水和物の種晶を原料溶液に添加してもよい。
【0028】
具体的には、晶析は、下記のいずれかの工程により実施することができる。
約−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して前記結晶を形成させる。
約40℃超の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させる。
約40℃超の温度で2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を調製する。
【0029】
さらに、他の態様では、40℃超の温度で、2L−リジン硫酸塩・無水和物として結晶を析出させ、次いで、温度を35℃以下に低下させる。このようにして、本発明の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶への変換を通じて得ることができる。この方法は、転位により不純物が除去される点で有利である。
【0030】
さらに、晶析は以下の態様により実施することができる。
【0031】
結晶は、2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を蒸発により濃縮することにより析出させることができる。2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液は、2L−リジン硫酸液を水に溶解するか、又は、硫酸塩以外のL−リジン塩の水溶液に硫酸を添加することにより調製することができる。2L−リジン硫酸塩・3水和物の濃度は特に限定されないが、飽和溶液が好ましい。溶液のpHは、結晶が析出する限り特に限定されないが、通常には5.0〜7.0である。蒸発は、通常の方法により実施できる。圧力は、常圧又は減圧(通常には2640〜4000 Pa)でよい。温度は、常温であるか又は加熱できる(通常には40.0〜60.0℃)。蒸発は、好ましくは、減圧で実施される。
【0032】
結晶は、2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液に貧溶剤を添加することにより析出させることができる。2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液は、上述したとおりである。貧溶剤は、2L−リジン硫酸塩・3水和物の溶解度を減少させる限り限定されず、例えば、メタノール、エタノール、又は、2−イソプロピルアルコールである。貧溶剤の添加量は、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を形成させるのに十分な量であり、通常には、5〜30 vol%である。温度は、通常には、−10〜35℃である。
【0033】
晶析工程の後、L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を、吸引ろ過、遠心ろ過、遠心分離、加圧ろ過等を含むが、これらに限定されない通常の分離方法により母液から分離する。分離後、結晶は、本技術分野で知られる通常の方法により乾燥し、工業用に回収することができる。
【0034】
<転移晶析>
2L−リジン硫酸塩・3水和物の板状結晶の柱状晶への転移は、2L−リジン硫酸塩板状結晶のスラリーを約40℃超の温度で調製し、温度を−10〜35℃に低下させて結晶を形成させ、該結晶を回収することにより実施できる。
【0035】
板状結晶のスラリーは、水への溶解量を超える量の2L−リジン硫酸塩を水に添加し、40℃超の温度で一夜撹拌・熟成させることで調製できる。スラリーのpHは、スラリー状態が維持される限り限定されないが、通常には、5.0〜7.0である。
【0036】
<2L−リジン硫酸塩・3水和物の水に対する溶解度>
2L−リジン硫酸塩・3水和物は35℃以下で、2L−リジン硫酸塩・無水和物は40℃以
上で析出する。通常、水に対する溶解度は温度が低くなると連続的に低下する傾向にある。しかし、驚くべきことに図4に示すように2L−リジン硫酸塩・3水和物の溶解度曲線と2L−リジン硫酸塩・無水和物のそれは非連続的になっていた。つまり、2L−リジン硫酸塩・3水和物が析出する温度領域では、2L−リジン硫酸塩・無水和物の溶解度曲線から予想される溶解度より、さらに溶解度が低くなっている。このため、2L−リジン硫酸塩・3水和物で晶析した方が、2L−リジン硫酸塩・無水和物で晶析するより晶析収率が向上することが判明した。これは、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶では、水自体が結晶格子に保持され、これにより、晶析が進むときに上澄み中の有効な遊離水が減少し、リジン硫酸塩の溶解を促進する上澄み水が減少するためであろう。このことは、高収率、すなわち、より多量の結晶の晶析に寄与する。
【0037】
<2L−リジン硫酸塩・3水和物の特徴>
本発明の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の特徴をさらに明らかにするために、粉末X線回折、熱分析、L−リジン含量分析を行った。図5に2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の粉末X線回折パターンを、図6に2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶の粉末X線回折パターンを示す。
【0038】
図5及び図6に示すように、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は回折角2θ=16.6°および17.0°に回折ピークを有し、これらの回折ピークは2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶には認められない。一方、2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶は回折角2θ=13.8°に回折ピークを有するが、本回折ピークは2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶には認められない。2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶と2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶とで粉末X線回折パターンが異なることから、両者は異なった結晶形を有するものと判断される。
【0039】
2L−リジン硫酸塩結晶の性質を明らかにするために熱分析を行った。図7に2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の熱分析結果を、図8に2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶の熱分析結果を示す。図7および図8を比較すると、これら2つの結晶は共通して215℃付近と300℃付近に吸熱ピークが認められた。これは、2L−リジン硫酸塩の融解あるいは分解に伴う吸熱ピークと考えられる。
【0040】
一方、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶では、特異的に45〜60℃に吸熱ピークが認められた。これは2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が水和水を失う際の吸熱ピークと推定される。このように2L−リジン硫酸塩・3水和物の水和水は非常に低温で失われることから、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶は乾燥工程により容易に結晶水を失うため、工業的に2L−リジン硫酸塩・無水和物を製造する場合極めて有利である。通常には、40℃以上で一夜乾燥し、結晶水を除去できる。温度が40℃未満である場合、結晶は水和物のままであることがある。乾燥温度の上限は、結晶が分解しない限り限定されないが、通常には、費用の点から決定される。
【0041】
実施例1の方法で得られる2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶のL−リジン含量は好ましくは約65%である。L−リジンは、HPLCなどの、この技術分野で知られる方法により定量できる。好ましくは、結晶水を約46℃で除去し、結晶を無水物に転換することによりL−リジン含量を75%超に向上させることができる。特開平5-192089には、発酵液を直接乾燥させることにより、すなわち、精製工程を用いずに得られた2L−リジン硫酸塩を含む物質の例が記載されている。この方法により得られる結晶は、典型的には、L−リジン含量が50%未満である。これに較べ本発明にかかる結晶ではL−リジン含量が高いという優位点がある。
【0042】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、実施例は例示であり、添付の請
求の範囲により特定される本発明の範囲を制限するものではない。
【0043】
<実施例>
本明細書で開示したデータは以下の分析条件で得られた。
【0044】
a.L−リジン含量:日立アミノ酸アナライザーL-8800(タンパク質加水分解分析法)
b.粉末X線回折:フィリップスX'Pert TYPE PW3040/00(X線:CuKα、波長:1.5418Å)
c.熱分析:島津製作所 示差走査熱量計DSC-60
d.元素分析:元素分析装置vario EL3による炭素、水素及び窒素の分析(元素)、有機元素分析装置CHN-O-Rapidによる酸素の分析(元素)、イオンクロマトアナライザーによる硫黄の分析(酸素との燃焼により生成した硫酸として硫黄を分析)、全分析は東レリサーチセンターにより行われた。
【実施例1】
【0045】
市販の50%L−リジン水溶液(第1ファインケミカル(株)製 製造番号A2882)584 gを500 mlガラスビーカーに入れ水浴中で10℃に保温した。引き続き98%硫酸(試薬特級、純正化学 Lot.1L8102)102 gを添加し、L-リジンを2L−リジン硫酸塩に転換した。その結果、図1に示すように柱状晶が析出した。
【0046】
得られたスラリーは一夜、5℃で攪拌・熟成させた後、ろ紙を使った吸引ろ過で母液と結晶に分離した。
元素分析の結果を表1に示す。粉末X線回折チャートを図9に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
熱分析結果を図7に示す。分析条件は以下の通りである。
【0049】
【表2】

【0050】
表1に示すように実施例1より得られた結晶の元素分析結果は2L-リジン硫酸塩・3水和物の理論元素組成に近似していた。従って、実施例1より得られた結晶は2L-リジン硫酸塩・3水和物であると判断された。
【0051】
図9に示すように、実施例1より得られた結晶は粉末X線回折において回折角2θ=16.6°および17.0°に回折ピークを有し、13.6°に回折ピークを有さなった。このことから2L−リジン硫酸塩・3水和物であると判断された。
【実施例2】
【0052】
比較の目的で、実施例1と同様の方法で、晶析温度のみを45℃として2L−リジン硫酸塩晶析を行った。母液を分離して得られた結晶について直ちに粉末X線パターンを取得した。さらに分離した結晶は105℃で乾燥し、元素分析を行った。
粉末X線パターンを図10に示す。元素分析の結果を表3に示す。
【0053】
【表3】

【0054】
熱分析結果を図8に示す。分析条件は以下の通りである。
【0055】
【表4】

【0056】
表3に示すように実施例2より得られた結晶の元素分析結果は2L-リジン硫酸塩・無水和物の理論元素組成に近似していた。従って、実施例2より得られた結晶は2L-リジン硫酸塩・無水和物であると判断された。
【0057】
図10に示すように、2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶は回折角2θ=13.8°に特異的な回折ピークを持っていた。一方、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶に特異的な2θ=16.6°、17.0°のピークは認められなかった。従って、実施例2により得られた結晶は2L−リジン硫酸塩・無水和物であると判断された。
【実施例3】
【0058】
1.濃縮晶析
pHを7.0に調整したL−リジン濃度34.5%の2L−リジン硫酸塩水溶液320 gを原料として用い、ロータリーエバポレーターを使用し(減圧度:30 mmHg,水浴温度40℃)、濃縮倍率が約1.5倍まで濃縮した。この結果、柱状晶の結晶が析出することが確認された。
【0059】
2.冷却晶析
pHを7.0に調整した2L−リジン硫酸塩スラリーを一夜、60℃で攪拌・熟成させた。次いで、ろ紙を使った吸引濾過で、2L−リジン硫酸塩飽和溶液と結晶に分離した。この2L−リジン硫酸塩飽和溶液を原料として用い、60℃から10℃まで冷却した。この結果、柱状晶の結晶が析出することが確認された。
【0060】
3.溶剤添加晶析
pHを7.0に調整したL−リジン濃度34.5%の2L−リジン硫酸塩水溶液320 gを原料として用い、それぞれメタノール、エタノール、2−イソプロピルアルコールを溶液に対して20%[v/v]添加した。この結果、柱状晶の結晶が析出することが確認された。
【0061】
4.転移晶析
pHを7に調整した2L−リジン硫酸塩スラリーを一夜、60℃で攪拌・熟成させ、微細な板状結晶(2L−リジン硫酸塩無水物結晶)のみを含有するスラリーを得た。次いで、スラリーを60℃から10℃まで冷却した。この結果、板状結晶は全て柱状結晶に転移した。
【0062】
上記1〜4で得られた生成物は、ろ紙を使った吸引濾過で、母液と結晶に分離した。得られた結晶は室温で乾燥させた後、L-リジン含量、粉末X線回折、熱分析、元素分析を行った。
なお、本実施例で開示したデータは以下の分析条件で分析されたものである。
【0063】
L-リジン含量:日立アミノ酸アナライザーL-8800(タンパク質加水分解分析法)
粉末X線回折:フィリップス X’Pert TYPE PW3040/00(X線:CuKα、波長:1.5418Å)熱分析:セイコーインスツルメント 示差走査熱量計 TG/TDA220 SII
元素分析:分析を東レリサーチセンターに依頼(報告書番号P101976-01)
【0064】
本実施例で種々の晶析方法により得られた結晶は全て厚みのある柱状晶であり、2L−リジン硫酸塩無水物の結晶形とは異なっていた。
表5にそれぞれの晶析により得られた結晶のL-リジン含量を示す。
【0065】
【表5】

【0066】
表5に示すように、本実施例で得られた結晶のL−リジン含量は約66 wt%であり、2L−リジン硫酸塩・3水和物の理論L−リジン含量、65 wt%と一致した。
【0067】
図11〜16にそれぞれの晶析方法により得られた結晶の粉末X線回折パターンを示す。図11〜16に示すように、本実施例でそれぞれの晶析方法により得られた結晶は、すべて回折角2θ=16.6°及び17.0°に特有の回折ピークを有した。従って、これらはすべて“L−リジン硫酸塩・3水和物結晶であると判断された。
【0068】
本実施例で得られた結晶の熱分析で、50〜60℃付近に特異的な吸熱ピークが確認された。これは、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が水和水を失う際の吸熱ピークと推定される。
表6にそれぞれの晶析方法により得られた結晶の元素分析結果を示す。
【0069】
【表6】

【0070】
表6に示すように本実施例で得られた結晶は、すべて2L−リジン硫酸塩・3水和物の理論元素組成に近似していた。従って、本実施例で得られた結晶は、すべて2L-リジン硫酸塩・3水和物であると判断された。
【実施例4】
【0071】
グルコース100 g/L、硫酸アンモニウム8.0 g/L、Yeast Extract(Basco製)1.05 g/L、KH2PO4 1.0 g/L、MgSO4・7H2O 0.4 g/L、FeSO4・7H2O 10 mg/L、MnSO4・4H2O 10 mg/L、ビタミンB1塩酸塩0.2 mg/L、ビオチン0.05 mg/L、界面活性剤GD-113(日本樹脂製)0.05 mg/Lを含有する培地(pH 7.2)にブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)AJ 11275(NRRL B-11474)株を接種し、31.5℃で70時間攪拌培養を行い、L-リジン発酵ブロスを製造した。得られたブロスのリジン含量は3.46 wt%であった。
【0072】
このブロスを冷却高速遠心分離機(KUBOTA model 7930)にて、25℃、4500 rpmの条件で20分間遠心分離を行い、上澄みを取って除菌液とした。この除菌液を原料に用い、ロータリーエバポレーターを使用し、濃縮倍率が約4倍まで、濃縮操作(減圧度:30 mmHg、水浴温度:60℃)を実施し、その後、更に濃縮倍率が合計で約10倍になるまで、濃縮操作(
減圧度:20 mmHg、水浴温度:40℃)を実施した。この結果、柱状晶が析出したことを確認した。
【0073】
その後、得られたスラリーを10℃にて約40時間攪拌・熟成し、濾布を使用した振り切り分離にて、母液と結晶に分離した。
【0074】
得られた結晶は室温で乾燥させた後、L−リジン飽和水溶液にて5回洗浄した後、エタノールを用いて洗浄した。得られた結晶は、厚みのある柱状晶であり、2L−リジン硫酸塩・無水和物の結晶形とは異なっていた。得られた結晶のL−リジン含量は63 wt%であった(理論含量65 wt%)。以降、該結晶を結晶Iと呼ぶことにする。
【0075】
図17に得られた結晶I(2L−リジン硫酸塩・3水和物)の粉末X線回折パターンを示す。
【0076】
図17に示すように、本実施例で取得した結晶I(室温25℃乾燥)は、2L−リジン硫酸塩・3水和物の特徴である回折角2θ=16.6°及び17.0°に回折ピークを有していた。従って、2L−リジン硫酸塩・3水和物であると判断された。
表7に今回の晶析により得られた結晶Iの元素分析結果を示す。
【0077】
【表7】

【0078】
表7に示すように本実施例で取得した結晶Iの元素分析結果は、2L−リジン硫酸塩・3水和物の理論元素組成に近似していた。従って、2L−リジン硫酸塩・3水和物であると判断された。
【0079】
次に、得られた2L−リジン硫酸塩・3水和物の結晶を105℃にて36時間乾燥させることにより、2L−リジン硫酸塩・無水和物を得た。得られた2L−リジン硫酸塩・無水和物のL−リジン含量は74 wt%であった(理論含量74 wt%)。以降、該結晶を結晶IIと呼ぶことにする。
【0080】
図18に105℃乾燥によって得られた結晶II(2L−リジン硫酸塩・無水和物)の粉末X線回折パターンを示す。
【0081】
図18に示すように、本実施例にて105℃乾燥で取得した結晶IIは、2L−リジン硫酸塩・無水和物の特徴である回折角2θ=13.8°に回折ピークを有していた。従って、2L−リジン硫酸塩・無水和物であると判断された。
表8に結晶IIの元素分析結果を示す。
【0082】
【表8】

【0083】
表8に示すように、本実施例で取得した結晶IIの分析値は、2L−リジン硫酸塩・無水和物の理論値に近似していた。従って、2L−リジン硫酸塩・3水和物を経由して得られた2L−リジン硫酸塩・無水和物であると判断された。
【0084】
尚、本実施例で得られた結晶のL-リジン含量、粉末X線回折、元素分析の方法は実施例3と同様である。
【0085】
以上の結果より、2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を経由した2L−リジン硫酸塩・無水和物を実際の発酵液から取得できることが判明した。
【0086】
好ましい態様について、本発明を詳細に説明したが、当業者にとって、本発明の範囲内で様々な改変を行い、等価物を用いることができることは明らかである。上記の文献は、参照により全体を本明細書に含める。
【産業上の利用可能性】
【0087】
大きな平板状結晶であり、母液からの分離性が改善された2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】2L−リジン硫酸塩・3水和物の結晶写真(顕微鏡写真)。
【図2】2L−リジン硫酸塩・無水和物の結晶写真(顕微鏡写真)。
【図3】各温度における2L−リジン硫酸塩水溶液からの析出結晶(顕微鏡写真)。
【図4】温度と2L−リジン硫酸塩の溶解度の関係。
【図5】2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の粉末X線回折パターン。
【図6】2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶の粉末X線回折パターン。
【図7】2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の熱分析結果。
【図8】2L−リジン硫酸塩・無水和物結晶の熱分析結果。
【図9】実施例1で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図10】実施例2で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図11】実施例3(濃縮による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図12】実施例3(冷却による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図13】実施例3(転移による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図14】実施例3(メタノール添加による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図15】実施例3(エタノール添加による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図16】実施例3(2−イソプロピルアルコール添加による晶析)で得られた結晶の粉末X線回折パターン。
【図17】実施例4で得られた結晶(結晶I)の粉末X線回折パターン。
【図18】実施例4で得られた結晶(結晶II)の粉末X線回折パターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、
a)約−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して前記結晶を形成させ、
b)前記結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項2】
前記温度が約0℃〜約20℃である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記温度が約10℃である請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記結晶が濾過により回収される請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記濾過が、吸引濾過、遠心濾過、遠心分離及び加圧濾過からなる群から選択される請求項4記載の方法。
【請求項6】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
2L−リジン硫酸塩の製造方法であって、
a)約−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させ、
b)前記結晶を回収し、
c)前記結晶を乾燥して結晶水を除去し、
d)前記2L−リジン硫酸塩を回収する
ことをすることを含む前記方法。
【請求項8】
前記温度が約0℃〜約20℃である請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記温度が約10℃である請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記結晶が濾過により回収される請求項10記載の方法。
【請求項11】
前記濾過が、吸引濾過、遠心濾過、遠心分離及び加圧濾過からなる群から選択される請求項10記載の方法。
【請求項12】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、
a)約40℃超の温度でリジン溶液を硫酸と混合して結晶を形成させ、
b)約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、
c)前記2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項13】
工程(b)の前記温度が約0℃〜約20℃である請求項12記載の方法。
【請求項14】
工程(b)の前記温度が約10℃である請求項2記載の方法。
【請求項15】
前記結晶が濾過により回収される請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記濾過が、吸引濾過、遠心濾過、遠心分離及び加圧濾過からなる群から選択される請求項15記載の方法。
【請求項17】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項18】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【請求項19】
粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項18記載の結晶。
【請求項20】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶であって、
a)約−10℃〜約35℃の温度でリジン溶液を硫酸と混合して前記結晶を形成させ、
b)前記2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を回収する
ことを含む方法で得られる前記結晶。
【請求項21】
前記温度が約0℃〜約20℃である請求項20記載の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【請求項22】
前記温度が約10℃である請求項21記載の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【請求項23】
前記結晶が濾過により回収される請求項20記載の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【請求項24】
前記濾過が、吸引濾過、遠心濾過、遠心分離及び加圧濾過からなる群から選択される請求項23記載の2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶。
【請求項25】
請求項1記載の方法、及び、その後の乾燥工程により製造されるL−リジンを含む組成物。
【請求項26】
請求項7記載の方法により製造されるL−リジンを含む組成物。
【請求項27】
請求項12記載の方法、及び、その後の乾燥工程により製造されるL−リジンを含む組成物。
【請求項28】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、
a)2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を蒸発により濃縮して結晶を形成させ、
b)前記結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項29】
前記蒸発が、減圧下のものである請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記2L−リジン硫酸塩・水和物結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項31】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、
a)約40℃超の温度で2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を調製し、
b)約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、
c)前記2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項32】
前記溶液が飽和溶液である請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記2L−リジン硫酸塩・水和物結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項34】
2L−リジン硫酸塩・3水和物結晶の製造方法であって、
a)2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液に貧溶剤を添加して結晶を形成させ、
b)前記結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項35】
前記貧溶剤がメタノール、エタノール又は2−イソプロピルアルコールである請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記2L−リジン硫酸塩・水和物結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
2L−リジン硫酸塩・3水和物柱状結晶の製造方法であって、
a)約40℃超の温度で2L−リジン硫酸塩板状結晶のスラリーを調製し、
b)約−10℃〜約35℃まで温度を低下させて結晶を形成させ、
c)前記結晶を回収する
ことを含む前記方法。
【請求項38】
前記2L−リジン硫酸塩・水和物柱状結晶が、粉末X線回折において回折角2θが16.6°および17.0°にピークを持つことを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
2L−リジン硫酸塩の製造方法であって、
a)2L−リジン硫酸塩・3水和物の水溶液を蒸発により濃縮して結晶を形成させ、
b)前記結晶を回収し、
c)前記結晶を乾燥して結晶水を除去し、
d)前記2L−リジン硫酸塩を回収する
ことを含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2007−514642(P2007−514642A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520544(P2006−520544)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019465
【国際公開番号】WO2005/058799
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】