説明

3α(β)−7α(β)−ジヒドロキシ−6α(β)−アルキル−5β−コラン酸の調製方法

3α−7α(β)−ジ−ヒドロキシ−6α(β)−エチル−5β−コラン酸(I)であってRが直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであるもの、並びに中間体である3α−ヒドロキシ−6β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)及び3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)の調製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3α(β)−7α(β)−ジヒドロキシ−6α(β)−アルキル−5β−コラン酸の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
核内受容体(FXR)は、当初、ラット肝のcDNAライブラリーから最初に同定されたオーファン受容体であって(非特許文献1)、ステロイド、レチノイド及び甲状腺ホルモンなどのリガンド活性化転写因子の核レセプターのファミリーのメンバーである(非特許文献2)。
【0003】
天然型の複数の胆汁酸は、共に結合し、特許文献1に記載の生理的な濃度でFXRを活性化するものであって、特に、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、並びにタウリン及びグリシンを有する関連コンジュゲートである。
【0004】
また、FXRは、胆汁酸及びコレステロールの恒常性の制御に関与すると考えられている。
【0005】
特許文献2は、下記の一般式(A)に記載の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6α−アルキル−(アリル)−5β−コラン酸を開示する。
【0006】
【化17】

【0007】
ここで、R’は、エチル、プロピル、又はアリルであって、核内受容体(FXR)のアゴニストでもある。
【0008】
特に、R’がエチルである式(I)の化合物は、天然型で最な強力なFXRアゴニストであるケノデオキシコール酸よりも2桁のオーダーでより強力なものである。
【0009】
特にHDLコレステロールを増加させるのに使用され、胆汁由来の肝臓疾患の予防及び処置用でトリグリセリドを低下させる一般式(A)の化合物は、下記のステージを有する方法により調製される。
【0010】
i)式(II)の3−α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラン酸を、ジヒドロピランと反応させて、対応する式(B)の3−α−テトラヒドロピラニルオキシ−7−ケト−5β−コラン酸を得るステージ。
【0011】
【化18】

【0012】
【化19】

【0013】
ii)化合物(B)を、R’Brの臭化アルキルと反応して、化合物(C)を得るステージであって、R’は、上記と同様の意味を有する、ステージ。
【0014】
【化20】

【0015】
iii)化合物(C)を、水素化ホウ素ナトリウムにより還元して、化合物(D)を得るステージ。
【0016】
【化21】

【0017】
iv)化合物(D)を加水分解して、化合物(A)を得るステージ。
【特許文献1】国際公開第00/37077号パンフレット
【特許文献2】国際公開第02/072598号パンフレット
【非特許文献1】B.M.Formanら著、Cell、1995年、81巻、p.687−693
【非特許文献2】D.J.Mangelsdorfら著、Cell、1995年、83巻、p.841−850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
この方法は、数次のステージを有するにも関わらず、一連の欠点がある。
【0019】
第一に、全てのステージにおいて、反応生成物は、クロマトグラフィー用カラムで精製され、すなわち、非常に高価な分離方法であって、工業スケールで実行され得ないものである。
【0020】
さらに、ステージ(ii)の反応収率は、非常に低く(12〜13%)、全体の収率は、3.5%未満と、かなり低くなる。
【0021】
さらに、このステージにおいて、未だ、反応剤として、公知の発ガン剤であるヘキサメチレンホスホンアミドを使用する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本願出願人は、一般式(I)の化合物を得ることができる方法を見出した。
【0023】
【化22】

【0024】
ここで、6位及び7位の破線(−−−)は、置換基がα又はβの位置に存在してもよい。この化合物は、下記のクラスからなるものである。
【0025】
i)一般式(IA)の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸
【0026】
【化23】

【0027】
ii)一般式(IB)の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−β−アルキル−5β−コラン酸
【0028】
【化24】

【0029】
iii)一般式(IC)の3−α,7−β−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸
【0030】
【化25】

【0031】
Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルである。また、上記の方法は、下記のステージを有する。
【0032】
a)3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラン酸(II)を、酸性環境下、メタノール中でエステル化して、メチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(cholanate)(III)を得るステージ。
【0033】
【化26】

【0034】
【化27】

【0035】
b)メチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(III)を、トリメチルクロロシランでシリル化して、対応する3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)を得るステージ。
【0036】
【化28】

【0037】
c)ステージb)で得たメチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)を、強塩基存在下で、トリメチルクロロシランを用いてシリル化して、メチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−6−エン−5β−コラネート(V)を得るステージ。
【0038】
【化29】

【0039】
d)メチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−6−エン−5β−コラネート(V)を、アルデヒドであるR−CHO及びルイス酸と反応するステージであって、Rは、上記と同様の意味を有し、メチル3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラネート(VI)を得るステージ。
【0040】
【化30】

【0041】
e)メチル3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラネートを、3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラン酸に加水分解するステージ。
【0042】
【化31】

【0043】
f)水性アルカリ環境で、3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラン酸を、Pd/Cを用いて、3α−ヒドロキシ−6β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸に水素化するステージ。
【0044】
【化32】

【0045】
g)中間体(VIII)を、水性アルカリ環境下、任意に熱処理して、対応する3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)を得るステージ。
【0046】
【化33】

【0047】
h)下記の作用条件のいずれかに従って、7位のケトン基を、7−ヒドロキシ基の中間体(VIII)又は(IX)に還元するステージ:
h’)3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸化合物(IX)を、金属ハイドライドを用いて、3α,7α−ジ−ヒドロキシ−6α−アルキル−5β−コラン酸(IA)に還元する作用条件;
h’’)ナトリウム及びアルコールの存在下、3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸化合物(IX)を還元して、3α−,7β−ジ−ヒドロキシ−6α−アルキル−5β−コラン酸化合物(IC)を得る作用条件;
h’’’)金属ハイドライドの存在下、3α−ヒドロキシ−6β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)を、3α−,7α−ジ−ヒドロキシ−6β−アルキル−5β−コラン酸(IB)に還元する作用条件。
【0048】
特に3α−,7α−ジ−ヒドロキシ−6α−アルキル−5β−コラン酸(IA)を得る本発明による方法は、上記の公知の方法に対してかなりの利点を示す。事実、多くのステージを包含するにも関わらず、種々の公知の方法よりも明らかに高く明らかに満足のいく全収率(24.6%)で、式(I)の産物を得ることが可能となる。さらに、上記の中間体は、クロマトグラフィーによる精製を必要とせず、且つ例えば高い毒性を有するヘキサメチレンフォスフォンアミドなどの試薬を使用することが回避される。
【0049】
最後に、本発明の方法及び上記の事項について、特に胆汁うっ滞に由来する肝疾患の処置及び予防用の肝保護剤に使用され得る式(IB)及び(IC)の新規の化合物を得ることが可能である。
【0050】
従って、本発明は、活性本体として、式(IB)及び(IC)の酸の少なくともひとつの化合物を含有する医薬組成物、並びに適当な賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせた医薬的に許容される関連する塩に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の方法のステージa)における3−α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラン酸(II)のエステル化反応は、酸性条件下、30〜60℃の温度で好ましく実行され、この酸は、好ましくは、メタンスルホン酸である。
【0052】
本発明の方法のステージb)に包含されるメチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネートの3α位の水酸基のシリル化反応は、非極性の溶媒中、より好ましくは芳香性溶媒中、よりさらに好ましくはトルエン中で、脂肪族、脂環族又は複素芳香型の三級アミンから好ましくなる水素イオン受容体の存在下で、好ましく実行され、上記の三級アミンは、トリエチルアミンであることがよりさらに好ましい。
【0053】
特に好適実施例によると、ステージc)で使用される前に、メチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネートは、単離且つ精製されないが、逆に、このステージにおいて、塩が水抽出により前もって単離されたものから反応溶媒を蒸発させた後に得られる油状の残渣を使用する。
【0054】
本発明の方法のステージc)に包含される7位のケト基の次なるシリル化は、強塩基として、アンモニアから得られたアルカリ性アミド、又は脂肪族の二級アミンから得られたアルカリ性アミドを使用して、実行される。特に好適な溶液としては、上記の強塩基として、リチウムジイソプロピルアミドを使用する。この反応は、極性非プロトン性溶媒中で好ましく実行され、よりさらに好ましくは、この溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0055】
好適実施例によると、ステージd)に使用される前のステージc)で得られる産物は、単離且つ精製されないが、逆に、この場合もまた、塩が水により前もって抽出されたものから反応溶媒を蒸発させた後に得られる油状の残渣を使用する。
【0056】
ステージd)は、好ましくはアルキルハライドから好ましく選択された非極性溶媒中で好ましく実行され、さらにより好ましくは、この溶媒は、塩化メチレンである。
【0057】
ステージd)は、アルデヒドであるR−CHOの存在下で、ルイス酸として三フッ化ホウ素エーテル塩を使用して、−90〜−60℃の温度で2〜4時間、好ましく実行される。なお、Rは、好ましい意味を有する。
【0058】
次に、上記の反応混合物は、0〜35℃の温度で1〜6時間、反応される。
【0059】
この場合もまた、下記のステージe)に使用される前に、ステージd)で得られた産物は、単離且つ精製されないが、塩及び水溶性成分が水抽出により抽出されたものから反応溶媒を蒸発させた後に得られる油状の残渣を使用する。
【0060】
ステージe)は、アルカリ性の水酸化物の存在下、好ましくはメタノールなどのアルコール性溶媒中で好ましく実行され、よりさらに好ましくは、上記のアルカリ性の水酸化物は、30%の水酸化ナトリウムの水溶液である。
【0061】
上記の温度は、好ましくは、20〜60℃である。
【0062】
ステージe)の反応産物は、酸性化した後に、可能であれば水の存在下、酢酸エチル及びアセトンから好ましく選択された有機溶媒を用いた結晶化により、好ましく単離される。
【0063】
ステージf)に包含される水素化反応は、1〜3気圧の圧力で、水酸化ナトリウムの水溶液の存在下、水性環境において好ましく実行される。本発明の方法がステージg)を包含する場合、特に、一般式(IA)又は(IC)の化合物が調製されるべき場合、このステージは、水素化反応に由来する反応混合物について、直接好ましく実行され、この反応を95〜105℃の温度で数時間加熱することにより、好ましく実行され、6−β−エチル基が6−α−エチルへとエピマー化される。
【0064】
ステージf)又は可能なステージg)に由来する反応産物は、下記の作用条件を好ましく用いて、反応混合物から単離される。
【0065】
1)上記の水性溶液を添加する条件であって、ここから、濾過により触媒が除去され、85%のリン酸を好ましく用いて酸性化される、条件;
2)酢酸エチルを、ステージ1)で得た混合物に添加し、全体を、40〜70℃の温度に加熱する条件;
3)これを、その後、0〜30℃の温度に冷却し、得た沈殿物を濾過し、その後乾燥する条件。
【0066】
ステージh)の還元が本発明の方法の式(IA)の化合物を得るようにステージh’)に包含される作用条件に従って実行される場合、又は本発明の方法の式(IB)の化合物を得るようにステージh’’’)に包含される作用条件に従って実行される場合、上記の金属ハイドライドは、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムであり、還元反応は、アルカリ性の水溶液中で実行される。この反応は、70〜105℃で1時間、好ましく実行される。
【0067】
代わって、ステージh)の還元がステージh’’)に包含される作用条件に従って実行される場合、直鎖又は分岐のC〜Cのアルコール、よりさらに好ましくはsec−ブチルアルコール中で、溶媒還流温度(solvent reflux temperature)で好ましく実行される。ステージh’)又はh’’’)で得られた産物は、下記の作用条件に従って、好ましく単離される。
【0068】
1’)好ましくは塩化メチレンなどの非極性溶媒である水和性溶媒を、上記の反応混合物に添加し、好ましくはリン酸を用いて混合物を酸性化する条件;
2’)その後得た混合物を攪拌し、停止して、水相を除去する条件;
3’)有機相から、水及びアンモニアを用いて、産物を抽出する条件;
4’)このようにして得た水相に、リン酸を添加して、全体を、数時間、20〜50℃の温度で、攪拌する条件;
5’)沈殿した産物を濾過により回収し乾燥する条件。
【0069】
本発明の方法は、Rが好ましくはメチルである式(I)の化合物の調製に特に適する。
【0070】
例証を目的とし、限定することを目的とすることなく、本発明の方法に従った、式(I)の化合物、特に、Rがメチルである式(IA)、(IB)又は(IC)の化合物の調製について、数次の例を挙げる。
【実施例】
【0071】
(例1)Rがメチルである式(IA)の3α−,7α−ジヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸の調製方法
a)メチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(III)の調製
17.0kgの3−α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラン酸、68kgのメタノール、及び0.17kgのメタンスルホン酸を、反応器に充填する。この反応混合物を、その後、1時間、30〜60℃に加熱し、25.5kgの脱塩水を添加する。得た混合物を、その後、攪拌し、良好な沈殿が達成されるまで、20〜25℃に冷却し、その後、0〜15℃にさらに冷却する。沈殿物を、濾過し、水及びメタノールの混合物で洗浄し、約40℃でオーブン中でさらに乾燥する。このようにして、15kgのメチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(III)を得る。化学量論的収率:85.2%。
【0072】
b)メチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)の調製
15.0kgのメチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート、45kgのトルエン、7.5kgのトリエチルアミン、及び7.5kgのトリメチルクロロシランを反応器に充填する。
【0073】
この混合物を、70〜80℃に加熱し、この温度で、約1時間、攪拌下で保持し、その後、37.5kgの水を添加し、この混合物を、15〜20℃で攪拌する。
【0074】
底部の水相をその後分離し消失させる。油状の残渣が得られるまでその有機相を濃縮し、これに、15kgのテトラヒドロフランを添加する。
【0075】
このようにして得た、メチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)を含有する溶液を、下記のステージc)に用いる。
【0076】
c)メチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−5β−コラネート(V)の調製
30kgのテトラヒドロフランを、反応器に充填し、その後、この混合物を、−90〜−60℃の温度とし、9.8kgの100%リチウムジイソプロピルアミド、及び9.3kgのトリメチルクロロシランを添加し、上記b)で調製し、メチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネートを含有するテトラヒドロフランの全溶液を注入する。その後、この混合物を、約1時間、−60〜−90℃の温度で攪拌する。その後、4.50kgの重炭酸ナトリウム、及び60kgの水からなる溶液を注入し、この混合物を、0〜10℃で攪拌し、底部の水相を分離し消失させる。その底部の相を、その後、油状の残渣が得られるまで、濃縮し、これに、45.0kgの塩化メチレンを添加する。
【0077】
このようにして得たメチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−5β−コラネートを、次のステージd)に送る。
【0078】
d)Rがメチルであるメチル3α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラネート(VI)の調製
上記の例に由来するメチル3α,7−α−ジ−トリメチルシロキシ−5β−コラネートを有する塩化メチレンの全溶液を反応器に充填し、−90/−60℃の冷却し、その後、1.97kgのアセトアルデヒド、及び5.5kgの三フッ化ホウ素エーテル塩を添加する。この反応混合物を、上記の温度で、2/4時間、攪拌下で保持する。その後、30〜35℃に加熱し、約2/4時間、この温度で保持する。その後、60kgの水を添加する。得た混合物を、攪拌し、その水相を分離する。このようにして得た、メチル3α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラネートを含有する溶液を、次のステージに送る。
【0079】
e)RがCHである3α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラン酸7(VII)の調製
上記のステージで得たメチル3−α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラネートを有する塩化メチレンの溶液を、反応器に充填する。その後、油状の残渣が得られるまで、その溶媒を、蒸留により、除去し、これに、15kgのメタノールを添加する。
【0080】
その後、この反応混合物を、45〜50℃に加熱し、7.5kgの30%の水酸化ナトリウムを注入し、反応混合物を、約1時間、上記の温度で保持する。その後、30kgの水を添加する。その後、45.0kgの塩化メチレン、及び7.5kgの85%のリン酸を添加する。底部の有機相を分離し、続いて、水相を、消失させた。有機相から、蒸留により、ペースト状の残渣を得るまで、溶媒を除去する。この残渣に、約37.5kgの酢酸エチルを添加し、この混合物を、65〜75℃に加熱し、その後、10〜35℃に冷却する。このようにして得、濾過し、且つ酢酸エチルで洗浄した沈殿物を、乾燥する。
【0081】
メチル3−α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネートに対して計算した51.8%の化学量論的収率で、8.0kgの3α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラン酸を得る。
【0082】
f)RがCHである3−α−ヒドロキシ−6−β−エチル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)の調製
8.0kgの3−α−ヒドロキシ−6−α−エチリデン−7−ケト−5β−コラン酸、48.0kgの水、5.1kgの30%の水酸化ナトリウム、及び0.80kgの5%のパラジウム/炭素を、反応器に充填する。この反応混合物を、水素の吸収が観察されなくなるまで、1〜3気圧の圧力で水素化する。
【0083】
g)3α−ヒドロキシ−6−α−エチル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)の調製
反応の終期において、混合物を95〜105℃に加熱し、この温度で数時間保持して、3α−ヒドロキシ−6−β−エチル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)を、所望の3α−ヒドロキシ−6−α−エチル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)の対応するエピマーに変換させる。
【0084】
この懸濁液を濾過し、触媒を除去する。5.1kgの85%のリン酸、及び9.6kgの酢酸エチルを、濾過した溶液に添加し、この反応混合物を、40〜70℃の温度に加熱する。これを、0〜30℃の温度に冷却し、沈殿物を、濾過により回収する。酢酸エチルで洗浄した後、沈殿物を、65℃のオーブン中で乾燥する。5.0kgの3α−ヒドロキシ−6α−エチル−7−ケト−β−コラン酸を得る。化学量論的収率:62.2%。
【0085】
【化34】

【0086】
(分析)
3−α−ヒドロキシ−6−α−エチル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)
2642、融点185〜188℃
【0087】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−400MHzを用い、CDODに溶解した試料のH−NMR分析により、下記の結果を得た。
【0088】
0.62ppm(s,3H,C18のメチル);0.76ppm,J=7.4Hz(t,3H,C26のメチル);0.89ppm,J=6.5Hz,(d,3H,C21のメチル);1.18ppm(s,3H,C19のメチル),2.21ppm(m,2H,C23の−CH−);2.50ppm,J=11.17Hz(ψt,CのCH);2.85ppm J=13Hz及びJ=5.4Hz(dd,Cの1H),3.50ppm(m,CのCH)
【0089】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−200MHzを用い、CDOD及びCDClの混液に溶解した分析対象の試料の13C−NMR分析により、下記の結果を得た。
【0090】
212.82ppm(C);179.44ppm(C24),71.26ppm(C),54.77ppm(C17),51.98ppm(C14),18.84ppm(C21),18.34ppm(C26),12.09ppm(C18
【0091】
h’)Rがメチルである式(I)の3α,7α−ジヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸の調製
5.0kgの3α−ヒドロキシ−6α−エチル−7−ケト−β−コラン酸、5.0kgの水、及び2.50kgの水酸化ナトリウムを、反応器に充填する。その後、この混合物を、70〜105℃に加熱し、2.50kgの水に溶解した水素化ホウ素ナトリウムの混合物を注入し、その後、この混合物を、1時間、熱状態で保持し、室温に冷却し、10.0gの脱塩水、15.0kgの塩化メチレン、及び3.00kgの85%のリン酸を添加する。この混合物を、攪拌し、底部の有機相を分離し、水相を除去する。
【0092】
有機溶液を冷却することにより、粗産物の結晶化を行う。この産物を、50kgの脱塩水、及び1.10kgの30%のアンモニアに溶解する。その後、完全な溶液となるまで、この混合物を、攪拌し、この混合物を20〜50℃で保持し、1.50kgのリン酸を注入する。20〜50℃の温度に常に保ちながら、沈殿した混合物を攪拌し、その後、濾過により沈殿物を回収し、水で洗浄し、乾燥する。
【0093】
Rがメチルである式(I)の3α−,7α−ジ−ヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸4.50kgを得る。化学量論的収率:89.6%。
【0094】
(例2)Rがメチルである式(IB)の3−α,7α−ジ−ヒドロキシ−6β−エチル−5β−コラン酸の調製
上記の例1のステージa)〜f)で言及したように調製し、且つステージg)で言及したように単離した式(VIII)の3α−ヒドロキシ−6−β−エチル−7−ケト−5β−コラン酸を、例1のステージh’)に述べたのと同様の作用条件を用いて、還元する。その後、Rがメチルである式(IB)の3α,7α−ジ−ヒドロキシ−6β−エチル−5β−コラン酸を得る。
【0095】
(分析)
【0096】
【化35】

【0097】
式(IB)の3−α,7−α−ジ−ヒドロキシ−6−β−エチル−5β−コラン酸
2644、融点115〜118℃
【0098】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−400MHzを用い、CDODに溶解した試料のH−NMR分析により、下記の結果を得る。
【0099】
0.70ppm(s,3H,C18のメチル);0.95ppm(s,3H,C19のメチル),1.00ppm,J=7.65Hz(t,3H,C26のメチル);1.45ppm,J=3.5Hz,(d,3H,C21のメチル);2.25ppm(m,2H,C23の−CH−);3.40ppm(m,CのCH),3.62ppm(m,CのCH)
【0100】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−200MHzを用い、CDOD及びCDClの混液に溶解した分析対象の試料の13C−NMR分析により、下記の結果を得た。
【0101】
177.91ppm(C24),72.18ppm(C),71.68ppm(C);55.79ppm(C17),50.83ppm(C14),18.17ppm(C21),14ppm(C26),11.60ppm(C18
【0102】
(例3)Rがメチルである式(IC)の3−α,7β−ジ−ヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸の調製
例1のステージa)〜g)に言及した作用条件に従って、中間体(IX)を調製し、これに、完全な溶液となるまで、sec−ブチルアルコールを添加する。ここで、ナトリウムは、式(IX)の化合物に対して、3:1〜3:2のモル量で前もって溶解されている。Rがメチルである式(IC)の3−α,7β−ジ−ヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸を得る。
【0103】
(分析)
式(IC)の3−α,7−β−ジ−ヒドロキシ−6−α−エチル−5β−コラン酸
2644、融点217〜219℃
【0104】
【化36】

【0105】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−400MHzを用い、CDODに溶解した試料のH−NMR分析により、下記の結果を得た。
【0106】
0.56ppm(s,3H,C18のメチル);0.73ppm,J=7.4Hz(t,3H,C26のメチル);0.81ppm(s,3H,C19のメチル),0.82ppm,J=4.60Hz,(d,3H,C21のメチル);2.21ppm(m,2H,C23の−CH−),3.80ppm(br,Cの水酸基、C、及びC24のカルボキシルのO−H);3.10ppm(m,CのCH);3.44ppm(m,CのCH)
【0107】
Bruker社製のDRX−ADVANCE−200MHzを用い、CDOD及びCDClの混液に溶解した分析対象の試料の13C−NMR分析により、下記の結果を得た。
【0108】
179ppm(C24),75.65ppm(C),71.87ppm(C),56ppm(C17),55ppm(C14),18.4ppm(C21),12.24ppm(C26),11.20ppm(C18

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


の3α−7α(β)−ジヒドロキシ−6α(β)−アルキル−5β−コラン酸の調製方法であって、
ここで、6及び7位の破線(−−−)の結合は、置換基がα又はβ位であってもよいことを示し、このコラン酸は:
i)一般式(IA)の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸
【化2】



ii)一般式(IB)の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−β−アルキル−5β−コラン酸
【化3】



iii)一般式(IC)の3−α,7−β−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸
【化4】



の各クラスからなるものであり、Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであり、当該方法は:
a)3−α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラン酸(II)
【化5】


を、酸性環境下、メタノール中でエステル化して、メチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(III)
【化6】


を得るステージと;
b)メチル3α−ヒドロキシ−7−ケト−5β−コラネート(III)を、トリメチルクロロシランを用いてシリル化して、対応するメチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)
【化7】


を得るステージと;
c)ステージb)で得たメチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)を、強塩基及びトリメチルクロロシランの存在下、シリル化して、メチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−6−エン−5β−コラネート(V)
【化8】


を得るステージと;
d)メチル3α−,7α−ジ−トリメチルシロキシ−6−エン−5β−コラネート(V)を、Rが上記と同様の意味であるアルデヒドであるR−CHO及びルイス酸と反応して、メチル3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラネート(VI)
【化9】


を得るステージと;
e)メチル3−α−ヒドロキシ−6−エチリデン−7−ケト−5β−コラネート(VI)を、3−α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラン酸(VII)
【化10】


に加水分解するステージと;
f)3−α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラン酸を、水性アルキル環境下で、Pd/Cを用いて、3−α−ヒドロキシ−6β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)
【化11】


に水素化するステージと;
g)中間体(VIII)を、水性アルカリ環境下で可能な熱処理を行い、対応する3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)
【化12】


を得るステージと;
h)下記の選択的作用条件、つまり:
h’)3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)を、金属ハイドライドを用いて、3α−,7α−ジ−ヒドロキシ−6α−アルキル−5β−コラン酸(IA)に還元する作用条件;
h’’)金属ナトリウム及びアルコールの存在下、3α−ヒドロキシ−6α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)を還元して、3α−,7β−ジ−ヒドロキシ−6α−アルキル−5β−コラン酸(IC)を得る作用条件;
h’’’)金属ハイドライドの存在下、3α−ヒドロキシ−6β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)を、3α−,7α−ジ−ヒドロキシ−6β−アルキル−5β−コラン酸(IB)に還元する作用条件;
に従って、7位のケト基を、中間体(VIII)又は(IX)の7位のヒドロキシ基に還元するステージと;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
ステージa)のエステル化は、酸性環境下、30〜60℃の温度で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の酸は、メタンスルホン酸であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステージb)のシリル化は、水素イオン受容体の存在下、非極性溶媒中で実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非極性溶媒は、芳香性の溶媒であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記の芳香性の溶媒は、トルエンであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水素イオン受容体は、脂肪族、脂環族又は複素芳香型の三級アミンであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記三級アミンは、トリエチルアミンであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステージb)から得たメチル3−α−トリメチルシロキシ−7−ケト−5β−コラネート(IV)は、ステージc)に使用される前に、単離且つ精製されないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステージc)において、試薬(IV)として、水を用いた抽出により、塩を前もって消失したものから反応溶媒の留去の後に得られる、油状の残渣が使用されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステージc)におけるケト基の次なるシリル化は、強塩基として、アンモニアから得られたアルカリ性アミド、又は二級アミンから得られたアルカリ性アミドを用いて行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記アルカリ性アミドは、リチウムジイソプロピルアミドであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記のステージc)は、極性非プロトン性溶媒中で実行されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記極性非プロトン性溶媒は、テトラヒドロフランであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステージc)で得られたメチル3−α,7−α−ジ−トリメチルシロキシ−6−エン−5β−コラネート(V)は、ステージd)で使用される前に、単離且つ精製されないことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
試薬(V)として、水を用いた抽出により、塩を前もって消失したものから反応溶媒の留去の後に得られる、油状の残渣が使用されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ステージd)は、非極性溶媒中で実行されることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記非極性溶媒は、アルキルハライドであることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記溶媒は、塩化メチレンであることを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記ルイス酸は、三フッ化ホウ素エーテル塩であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
ステージd)は、下記の作用条件、つまり:
反応混合物を、2〜4時間の時間、−90〜−60℃の温度に冷却し;
反応混合物を、1〜6時間の時間、0〜35℃の温度で保持する;
の作用条件に従って、実行されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステージd)で得たメチル3α−ヒドロキシ−6−アルキリデン−7−ケト−5β−コラネート(VI)は、ステージe)に使用される前に、単離且つ精製されないことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
ステージe)の加水分解は、試薬(VI)として、水を用いた抽出により、塩及び水溶性成分を消失したものから反応溶媒の留去の後に得られる、油状の残渣を使用して実行されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ステージe)の加水分解反応は、アルカリ性の水酸化物の水性溶液の存在下、アルコール性溶媒中で実行されることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記反応は、20〜60℃の温度で実行されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステージf)の水素化は、1〜3気圧の圧力で、水酸化ナトリウムの水性溶液の存在下、水性環境中で実行されることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ステージg)を有する場合、このステージは、ステージf)から得られた反応の混合物に対して直接行われることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ステージg)は、95〜105℃の温度で、数時間行われることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ステージg)を含まない場合にステージf)から得られる反応産物、又はステージg)から得られる反応産物は、下記の作用条件、つまり:
1)濾過により触媒が除去されたものからの水性溶液を、酸性化する作用条件;
2)酢酸エチルを、ステージ1)で得た混合物に添加し、全体を、40〜70℃の温度に加熱する作用条件;
3)0〜30℃の温度に冷却し、得た沈殿物を濾過し、且つ乾燥する作用条件;
に従って、反応混合物から単離されることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
ステージh)の還元がステージh’)に包含される作用条件、又は作用条件h’’’)に従って実行される場合、金属ハイドライドは、水素化ホウ素ナトリウムを有する、アルカリ性の水酸化物が溶解された水性溶液であることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
アルカリ性の水酸化物は、30%の水酸化ナトリウムの溶液からなることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記反応は、70〜105℃の温度で、1時間実行されることを特徴とする請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
得た産物は、下記の作用条件、つまり:
1’)水和性溶媒を、上記の反応混合物に添加し、リン酸を用いて混合物を酸性化する作用条件;
2’)混合物を攪拌し、停止して、水相を除去する作用条件;
3’)有機相から、水及びアンモニアを用いて、産物を抽出する作用条件;
4’)このようにして得た水相に、リン酸を添加して、全体を、20〜50℃の温度で、攪拌する条件;
5’)沈殿した産物を濾過により回収し乾燥する作用条件;
に従って、単離されることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
ステージh)を作用条件h’’)に従って実行される場合、還元反応は、溶媒還流温度において、直鎖又は分岐のC〜Cのアルコール中で実行されることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記アルコールは、sec−ブチルアルコールであることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
Rは、好ましくは、メチルであることを特徴とする請求項1乃至35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
3−α,7−α−ジヒドロキシ−6α−エチル−5β−コラン酸を調製することを特徴とする請求項1乃至30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
3α−ヒドロキシ−6−β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(VIII)
【化13】


であって、Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであることを特徴とする3α−ヒドロキシ−6−β−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸。
【請求項39】
3−α−ヒドロキシ−6−α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸(IX)
【化14】


であって、Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであることを特徴とする3−α−ヒドロキシ−6−α−アルキル−7−ケト−5β−コラン酸。
【請求項40】
一般式(IB)
【化15】


の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−β−アルキル−5β−コラン酸であって、Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであることを特徴とする3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−β−アルキル−5β−コラン酸。
【請求項41】
一般式(IC)
【化16】


の3−α,7−β−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸であって、Rは、直鎖又は分岐のC〜Cのアルキルであることを特徴とする3−α,7−β−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸。
【請求項42】
活性本体として、請求項40に記載の3−α,7−α−ジヒドロキシ−6−β−アルキル−5β−コラン酸の少なくともひとつ、又は適当な賦形剤及び/若しくは希釈剤と組み合わせた医薬的に許容可能な関連する塩を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項43】
活性本体として、請求項41に記載の3−α,7−β−ジヒドロキシ−6−α−アルキル−5β−コラン酸の少なくともひとつ、並びに適当な賦形剤及び/又は希釈剤と組み合わせた医薬的に許容可能な関連する塩を含有することを特徴とする医薬組成物。

【公表番号】特表2008−540612(P2008−540612A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511719(P2008−511719)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062446
【国際公開番号】WO2006/122977
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(599032590)エレジーレ ソシエタ ペル アチオニ (4)
【Fターム(参考)】