説明

3位が複素環式基によって置換されたピリドインドロン誘導体、それらの製造法およびそれらの治療用途

本発明は、一般式(I):
【化1】


(式中:
−R1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R2は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R3はメチル基でモノまたはポリ置換されたチエニルを表すか;またはピリジル、N−オキシドピリジニオ、ピラゾリル、(N−フェニル)ピラゾリル、(N−ハロフェニル)ピラゾリル、フリル、インドリル、(N−ベンジル)インドリル、(N−ハロベンジル)インドリル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリルから選択される単環もしくは二環性の複素 環式基を表し、これらの基は置換されていないか、またはハロゲン原子、またはメチルもしくはメトキシ基で1回以上置換されおり;
−R4およびR5は、同一または異なって互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子またはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルもしくはシアノ基を表す)
の複素環式基によって3位が置換されたピリドインドロン誘導体に関する。
本発明は、それらの製造方法およびそれらの治療用途にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3位が複素環式基によって置換されたピリドインドロン誘導体、それらの製造法およびそれらの治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
フランス特許第97 08409号は、式:
【化1】

(式中:
−xは水素もしくは塩素原子、またはメチルもしくはメトキシ基を表し;
−r1は水素原子またはメチルもしくはエチル基を表し;
−r2はメチルまたはエチル基を表すか;または
−r1およびr2は一緒になって(CH2)3基を形成し;
−r3は、一方で、ハロゲン原子またはメチルもしくはメトキシ基で任意に置換されてい てもよいフェニル基を表し、他方で、チエニル基を表す)
の化合物を開示している。
【0003】
この特許の明細書において、GABAA受容体に伴うオメガ調節サイトに対する親和性を有する式(A)の化合物は、不安症、不眠症、癲癇等のようなGABAA受容体サブタイプに伴うGABAergic伝達に関連した症状の治療に用いられ得ると記載されている。
【発明の開示】
【0004】
本発明の課題は、式:
【化2】

(式中:
−R1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R2は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R3はメチル基でモノまたはポリ置換されたチエニルを表すか;またはピリジル、N−オキシドピリジニオ、ピラゾリル、(N−フェニル)ピラゾリル、(N−ハロフェニル)ピラゾリル、フリル、インドリル、(N−ベンジル)インドリル、(N−ハロベンジル)インドリル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリルから選択される単環もしくは二環性の複素環式基を表し、これらの基は置換さていないか、またはハロゲン原子またはメチルもしくはメトキシ基で1回以上置換されており、;
−R4およびR5は、同一または異なって互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子またはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルもしくはシアノ基を表す)
に相当し、抗癌作用を有する化合物である。
【0005】
式(I)の化合物は、塩基の形態または酸付加塩の形態で存在し得る。そのような付加塩は本発明の一部を形成する。
これらの塩は、医薬的に許容される酸で有利に製造されるが、例えば式(I)の化合物を精製または単離するためのその他の有用な酸の塩も本発明の一部を形成する。
式(I)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態、すなわち1分子以上の水または溶媒との結合または組合せの形態でも存在し得る。そのような水和物および溶媒和物も本発明の一部を形成する。
【0006】
本発明に関連して:
−ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素または沃素を意味すると理解され;
−(C1−C4)アルキル基は、1〜4の炭素原子を含む直鎖状または分枝鎖状の飽和脂肪族基を意味すると理解される。一例として、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル基が挙げられる;
−(C1−C4)アルコキシ基は、O−アルキル基(ここで、アルキル基は上で定義されたとおりである)を意味すると理解される。
【0007】
本発明の課題は、特に式(I):
(式中:
−R1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R2は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R3はメチル基でモノまたはポリ置換されたチエニルを表すか;またはピリジル、ピラゾリル、(N−フェニル)ピラゾリル、(N−ハロフェニル)ピラゾリル、フリル、インドリル、(N−ベンジル)インドリル、(N−ハロベンジル)インドリル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリルから選択される単環もしくは二環性の複素環式基を表し、これらの基は置換さていないか、またはハロゲン原子またはメチル基で1回以上置換されており、;
−R4およびR5は、同一または異なって互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子またはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルもしくはシアノ基を表す)
の化合物である。
【0008】
本発明の課題である式(I)の化合物のうち、好ましい化合物は次のように定義される:
−R1が水素原子またはメチル基を表し;
−そして/またはR2がメチル基を表し;
−そして/またはR3がN−オキシドピリジニオ、ピリジルまたはベンゾチエニルから選択される複素環式基を表し、これらの基は置換されていないか、あるいはハロゲン原子またはメチルもしくはメトキシ基で1回以上置換されており、;
−そして/またはR4がメチル基を表し;
−そして/またはR5が水素原子またはメチル基を表す。
【0009】
本発明の特別な課題は、以下の化合物である:
・1,6−ジメチル−3−(ピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・1,6,9−トリメチル−3−(ピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・1,6−ジメチル−3−(1−オキシドピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(4,6−ジメチルピリジン−2−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(1−ベンゾチエン−5−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
【0010】
・3−(5−クロロ−1−ベンゾチエン−3−イル)−1,6,9−トリメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(1H−インドール−1−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(3−クロロピリジン−4−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)−1,6,9−トリメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン
ならびにこれらの塩、水和物および溶媒和物である。
【0011】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は次の方法によって製造され得る。
その方法は:
式:
【化3】

(式中、R1、R2、R4およびR5は式(I)の化合物について定義されたとおりである)
の2−アミノインドールを、式:
【化4】

(式中、R3は式(I)の化合物について定義されたとおりであり、AlkはC1−C4アルキルを表す)
のエステルと反応させることを特徴とする。
【0012】
この反応は、非プロトン性、極性および好ましくは塩基性の溶媒、例えばピリジン中で、室温と溶媒の還流温度の間の温度で行われる。
式(II)のアミノインドールは、Khim. Geterosikl. Soedin., 1973, 12, 647−652および J. Heterocycl. Chem., 1975, 12, 135−138に記載のような方法によって製造され得る。
【0013】
式(II)のいくつかの2−アミノインドール誘導体は公知であり、Khim. Geterosikl. Soedin., 1973, 4, 511−515; Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther., 1992, 27 (9), 908−918; Chem. Heterocycl. Compd. (Engl. Transl.), 1970, 6, 338−343; Tetrahedron, 1971, 27, 775−785; Pharm. Chem. J. (Engl. Transl.), 1990, 24 (11), 810−812; Tetrahedron Lett., 1996, 37 (28), 4931−4932に記載されている。
【0014】
式(III)のエステルは、次の反応スキームによって製造され得る。
【化5】

式(IV)の酢酸エステルまたはそれに相当する酸誘導体は、一般的に知られており、そして/または市販されている。
2−(4,5−ジメチル−2−チエニル)酢酸のメチルエステルは、J. Heterocycl. Chem., 1988, 25, 1571−1581に記載されている。
【0015】
本発明による化合物は、式:
【化6】

(式中、R1、R2、R4およびR5は式(I)の化合物について定義されたとおりである)
のアミノインドールを、式:
【化7】

(式中、R3は式(I)の化合物について定義されたとおりであり、AlkはC1−C4アルキルを表す)
のエステルと反応させることを特徴とする方法によっても製造され得る。
【0016】
この反応は、プロトン性かつ極性の溶媒中、好ましくは酸性媒体中で、室温と溶媒の還流温度の間の温度で行われる。
【0017】
式(VI)の化合物は、ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(VII)を用いて、J. Org. Chem., 1982, 47, 2846−2851に記載の方法と類似の方法によって製造されるか、またはJ. Org. Chem., 1982, 15, 2846−2851によるBredereck's試薬(tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン) を用いて、次の反応スキームによって製造される。
【化8】

【0018】
本発明によるいくつかの化合物の製造法を、以下の実施例に記載する。これらの実施例は、限定するものでなく、本発明を説明するためだけのものである。実施例における化合物番号は、後記の表における番号を表し、その表では本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物性が示されている。
【0019】
プロトン核磁気共鳴(NMR)によって観測される信号は、TFAを任意に含むd6−DMSO中で記録され;リファレンスはテトラメチルシランから2.50ppmに位置するd6−DMSO中に置かれる。化学シフトδはppmで表され、シグナルは次のように表される:s:シングレット;bs:幅広いシングレット;d:ダブレット;sd:スプリットダブレット;t:トリプレット;st:スプリットトリプレット;q:カルテット;mt:マルチプレット。
【0020】
以下の製造例および実施例において、次の略語が用いられる:
TFA:トリフルオロ酢酸
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCM:ジクロロメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
AcOEt:酢酸エチル
AcOH:酢酸
MTBE:メチルtert−ブチルエーテル
AT:室温
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0021】
式(II)の化合物の製造
式(II)の化合物は、二つの互変異性型で存在し得る:
【化9】

【0022】
製造例1.1
N,1,5−トリメチル−1H−インドール−2−アミン塩酸塩
A)N'−(4−メチルフェニル)アセトヒドラジド
1−(4−メチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩(104.8g)を、酢酸イソプロピル(525ml)中に懸濁し、水(300ml)中の炭酸カリウム(104.8g)の溶液を加え、次いで混合物を固体が消失するまで撹拌する。温度を20℃以下に維持しながら無水酢酸(77.4g)を加え、次いで混合物を20℃で撹拌下に放置する。沈殿物の生成が認められるが、これは混合物を約55〜60℃で加熱すると消失する。有機相を水(200ml)で2回洗浄し、次いで0〜5℃で一夜冷却する。生成した物質をろ過によって回収し、次いでMTBE(100ml)で2回洗浄する。
NMR CDCl3 (300MHz): 2.02 ppm : s : 3H; 2.29 ppm : s : 3H; 6.14 ppm : d : 1H; 6.73 ppm : d : 2H; 7.03 ppm : d: 2H; 7.72 ppm : s : 1H
【0023】
B)N,N'−ジメチル−N'−(4−メチルフェニル)アセトヒドラジン
前工程からのヒドラジン(60g) およびテトラブチルアンモニウムブロマイド(11.8g)をトルエン(240ml)中に懸濁し、50% NaOH水溶液(292g)、次いで沃化メチル(155.6g)を加える。その後、水酸化ナトリウムのペレット(83g)を加え、次いで反応媒体を80℃で6時間加熱する。混合物を30〜35℃に冷却し、次いで水(500ml)を加える。有機相を水(100ml)で3回洗浄する。減圧下に水と共沸させて、有機相を乾燥する。
NMR CDCl3 (300MHz): 2.15 ppm : s : 3H; 2.31 ppm : s : 3H; 2.95 ppm : s : 3H; 3.10 ppm : s : 3H; 6.63 ppm : d: 2H; 7.13 ppm : d : 2H
【0024】
C)N,1,5−トリメチル−1H−インドール−2−アミン塩酸塩
前工程で得られた物質をトルエン中に溶解し、ホスホラスオキシクロライド(61.5g)を加え、混合物を80℃で2時間加熱する。酢酸エチル(100ml)を80℃で加え、次いで媒体をATまで冷却する。沈殿物をろ過し、次いで酢酸エチル(50ml)で2回洗浄する。m.p. = 222℃
NMR d6−DMSO (200MHz): 2.36 ppm : s : 3H; 3.11 ppm : s : 3H; 3.49 ppm : s : 3H; 4.29 ppm : s : 1H; 7.25−7.35ppm: 未解析ピーク : 3H; 10.07 ppm : 未解析ピーク : 1H
【0025】
製造例1.2
N,5−ジメチル−1H−インドール−2−アミン 2塩酸塩
A)N'−(4−メチルフェニル)アセトヒドラジド
この化合物のもう一つの製造方法を以下に記載する。
1−(4−メチルフェニル)ヒドラジン塩酸塩(5 g)を水中に溶解し、次いでトリエチルアミンを塩が中和されまで加える。AcOEtで抽出を行い、次いで抽出液を蒸発させて乾燥する。生成した沈殿物をエーテル(30ml)中に溶解し、次いでエーテル(30ml)中に溶解した無水酢酸(4.6ml)の溶液を滴下する。混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで生成した沈殿物をろ過し、所期の化合物(3g)を得る。
NMR CDCl3 (300MHz): 2.02 ppm : s : 3H; 2.29 ppm : s : 3H; 6.14 ppm : d : 1H; 6.73 ppm : d : 2H; 7.03 ppm : d: 2H; 7.72 ppm : s : 1H
【0026】
B)N−メチル−N'−(4−メチルフェニル)アセトヒドラジド
60%NaH(0.8g)をDMF(30ml)中に懸濁する。DMF(20ml)中の前工程で得られたヒドラジン(3.2g)を0℃で滴下する。ガスの発生が止んだとき、沃化メチル(1.8ml) を加え、混合物をATで1時間撹拌する。混合物を飽和NH4Cl溶液に注ぎ、次いでAcOEtで抽出を行う。飽和NaCl溶液で洗浄を数回行い、次いで蒸発を行って乾燥する。AcOEt/ヘプタン混液(25/75; v/v)、次いで(50/50; v/v)で溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、所期の化合物(1.0g)を白色粉末の形態で得る。
NMR CDCl3 (200MHz): 2.21 ppm : s : 3H; 2.32 ppm : s : 3H; 3.15 ppm : s : 3H; 5.88 ppm : s : 1H; 6.64 ppm : d: 2H; 7.12 ppm : d : 2H
【0027】
C)N,5−ジメチル−1H−インドール−2−アミン 2塩酸塩
前工程からの化合物(1.0g)をPOCl3 (20ml)中に溶解し、次いで混合物を100℃で2時間加熱する。反応混合物を冷却し、次いでエーテルを加える。生成した沈殿物をろ過し、エーテルで洗浄して、所期の化合物(1.3g)を得る。
NMR d6−DMSO (300MHz): 2.31 ppm : s : 3H; 3.05 ppm : s : 3H; 4.14 ppm : s : 2H; 7.07−7.23 ppm : 未解析ピーク: 3H; 10.51ppm : s : 1H; 12.37 ppm : d : 1H
式(III)および(VI)の中間体の製造
化合物(III)は2つの互変異性型で存在し得る:
【化10】

【0028】
製造例2.1
メチル 3−(ジメチルアミノ)−2−(2−ピリジニル)−2−プロペノエート(VI)
エチル 2−(2−ピリジニル)アセテート(10 g)、ジメトキシ−N,N−ジメチルメタンアミン(39ml)およびN,N,N',N'−テトラメチレンジアミン(1.5ml)を混合し、混合物を130℃で18時間加熱する。混合物をAcOEtと飽和NH4Cl溶液との等量混液(120ml)中に採取する。有機相を沈殿によって分離し、飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、蒸発させて、所期の物質を油状物の形態で得る。
NMR (250 MHz d6−DMSO): 1.1ppm: t: 3H; 2.6ppm: s: 6H; 4ppm : q : 2H; 7.1−7.3ppm : 未解析ピーク : 2H; 7.5ppm : s : 1H; 7.6ppm : mt : 1H; 8.5ppm : d : 1H
【0029】
製造例2.2
メチル 3−ヒドロキシ−2−(4−ピリジニル)プロペノエート(III)
エチル 2−(4−ピリジニル)アセテート(9 g)および95%NaH(1.35g)を、トルエン(90 ml)中で混合する。混合物を100℃で30分間加熱し、次いで冷却し、ギ酸エチル(8.8ml)を加える。混合物をATで1時間、次いで100℃で45分間撹拌し続ける。反応媒体を冷却し、次いで2NHCl(25.5ml)を加える。ろ過を行い、次いで生成した沈殿物をAcOEt中に採取し、次いでエーテル中に採取して、所期の化合物(5.65g)を得る。
NMR (200 MHz d6−DMSO): 1.1ppm : t : 3H; 4ppm: q : 2H; 8ppm : d : 2H; 8.6ppm : d : 2H; 9.7ppm: s: 1H
【0030】
以下の表中に示された中間体を、製造例2.1に記載の方法に従って製造した:(Meはメチルを表す)
【0031】
表1
【化11】

【0032】
【表1−1】

【0033】
【表1−2】

【0034】
(a): 85℃で2.5時間加熱下にBredereck試薬を作用させて、中間体2.8をエチル (1−オキシドピリジン−4−イル)アセテートから製造する。
【0035】
(b):メチル (3−クロロピリジン−4−イル)アセテートにBredereck試薬を作用させて、製造例2.10の化合物を得る。上記の化合物自体は、次のように製造される。
ジイソプロピルアミン(13.25ml)およびヘキサン中の1.6M BuLi(58.79ml)を、THF(160ml) に−78℃で加え、次いでTHF(10ml)中の3−クロロ−4−メチルピリジン(10g)(J.Organomet. Chem., FR, 1981, 216 (2), 139−147により製造)を加える。混合物を50℃で30分間撹拌し続け、次いで炭酸ジメチル(12.11ml)を加え、混合物を50℃で30分間、次いでATで18時間撹拌する。酢酸エチル(100ml)を加え、次いで酢酸エチル(100ml)で抽出を行う(3回)。有機相をMgSO4で乾燥し、蒸発させ、次いで残渣をシリカでクロマトグラフにかけ、所期の化合物(310mg)を得る。
NMR d6DMSO/TFA (200 MHz): 3.6ppm : 未解析ピーク : 3H; 3.85ppm : s : 2H; 7.45ppm : d : 1H; 8.4ppm : d : 1H; 8.6ppm : s : 1H
【0036】
(c):メチル (2,6ジメトキシピリジン−4−イル)アセテートにBredereck試薬を作用させて、製造例2.11の化合物を製造する。この化合物は以下の工程により製造される。
【0037】
A)4−ブロモメチル−2,6−ジメトキシピリジン
J. Heterocl. Chem., 1974, 11, 251に従って製造された(2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)メタノール(1 g)を、CH2Cl2 (20ml)中に溶解し、PBr3(0.84ml)を加え、次いで混合物をATで10時間撹拌し続ける。ペンタンを加え、生成した沈殿物をろ過し、ペンタンで洗浄し、次いで乾燥して所期の化合物(850mg)を得る。
NMR d6DMSO (200 MHz): 3.75 ppm : s : 6H; 4.45ppm : s : 2H; 6.35 ppm : s : 2H
【0038】
B)4−シアノメチル−2,6−ジメトキシピリジン
前工程からの化合物(4.3 g)を、EtOH(40ml)およびKCN(2.33 g)と混合し、この混合物を還流下に2時間加熱し、次いで溶媒を蒸発させる。残渣をCH2Cl2中に採取し、次いで有機相を水洗し、乾燥し、蒸発させる。得られた固体をペンタンで洗浄して、所期の化合物(1.8 g)を得る。
NMR d6DMSO (200 MHz):3.9 ppm : s : 6H; 4.1ppm : s : 2H; 6.4 ppm : s : 2H
【0039】
C)2,6−ジメトキシピリジン−4−酢酸
前工程からの化合物(1.62 g)をEtOH(50ml)中に入れ、10N NaOH(2.96ml)を加え、次いで混合物を還流下に3時間加熱する。蒸発させて乾燥し、残渣を最小限の水中に採取し、次いで濃HCLを添加してpHを6にする。AcOEtで抽出を行い、有機相を乾燥し、蒸発させて、所期の化合物(1.5 g)を得る。
NMR d6DMSO (200 MHz): 3.5ppm : s : 2H; 3.8ppm : s : 6H; 6.25ppm : s : 2H; 12.50ppm : bs : 1H
【0040】
D)メチル (2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)アセテート
前工程からの化合物(1.7 g)をMeOH(15 ml)中に入れ、+4℃に冷却し、次いで塩化チオニル(2.5ml)を滴下する。混合物をATで1時間撹拌し続け、蒸発させて乾燥し、残渣をMeOH中に採取し、次いで再び蒸発させ、乾燥して、所期の化合物(1g)を得る。
製造例2.2に記載の方法に従って次の中間体を製造する。
【0041】
製造例2.16
【化12】

【0042】
実施例1:化合物3
1,6,9−トリメチル−3−(2−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3b]インドール−2−オン塩酸塩
製造例1.1からの化合物(1 g)および製造例2.1からの化合物(1.25g)をAcOH(5ml)中で混合し、混合物を100℃で18時間加熱する。反応媒体を水(80ml)中に注入し、濃NaOH溶液を添加してpHを9にする。得られたガムをAcOEtとDCMの混液(1/1; v/v)(30ml)中に溶解し、次いで飽和NaCl溶液で洗浄する。有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させて黄色油状物を生成させ、エーテル性塩酸中に採取する。生成した沈殿物をろ過し、乾燥して、所期の化合物(200mg)を黄色粉末の形態で得る。
M.p.>260℃
NMR (200 MHz d6DMSO/TFA): 2.2 ppm : s : 3H; 3.9ppm : s : 6H; 7.1ppm : d : 1H; 7.2ppm : d : 1H; 7.6ppm : 未解析ピーク : 2H; 8.2−8.5ppm : 未解析ピーク : 3H; 8.9 ppm : s : 1H
【0043】
実施例2:化合物2
1,6,9−トリメチル−3−(4−ピリジニル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン塩酸塩
製造例1.1からの化合物(1 g)および製造例2.2からの化合物(0.744g)をピリジン(10ml)中で混合する。製造例2.2からの化合物がTLCで消失するまで混合物を100℃で加熱し、次いでピリジンを蒸発させ、残渣をAcOEt/H2O (1/1; v/v) 混液中に採取する。有機相をNa2SO4で乾燥し、次いで蒸発させる。残渣をAcOEt中に採取し、エーテル性塩酸を添加して沈殿物を生成させる。沈殿物をろ過し、乾燥して、所期の化合物(180mg)を黄色粉末の形態で得る。M.p.>250℃
NMR (200 MHz d6DMSO): 2.6 ppm : s : 3H; 4ppm: s : 3H; 4.1ppm : s : 3H; 7.2ppm : d : 1H; 7.5ppm : d : 1H; 7.9ppm : s : 1H; 8.8ppm : s : 4H; 9.2ppm : s : 1H
【0044】
実施例3:化合物4
1,6−ジメチル−3−(ピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3b]インドール−2−オン塩酸塩
製造例1.2からの化合物(1.5 g)および製造例2.2からの化合物(2g)をAcOH(20ml)中に溶解する。混合物を100℃で18時間加熱し、次いで反応媒体を水(100ml)中に注入する。Et2Oで抽出を行い、次いで水相を濃NaOHでpH=10にする。AcOEt/CH2Cl2 (1/1; v/v)混液で抽出を数回行う。有機相を水洗し、乾燥し、次いで蒸発させる。残渣を最小限のMeOH中に溶解し、次いでエーテル性塩酸で沈殿させる。沈殿物をろ過し、Et2Oで洗浄し、次いで乾燥して、所期の化合物(0.680g)を得る。
【0045】
実施例4:化合物10
3−(1−ベンゾチエン−3−イル)−1,6−ジメチル−1,9ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン
製造例1.2からの化合物(2 g)をAcOH(10ml)中に溶解し、溶液を100℃に加熱し、次いでAcOH(10ml)中の製造例2.6からの化合物(2.66g)を加え、混合物を100℃で2時間加熱する。冷却し、次いで沈殿物をろ過し、続いてEt2Oで2回洗浄し、次いで乾燥して、所期の化合物(2.47g)を得る。
【0046】
実施例5:化合物9
3−(1−ベンゾチエン−3−イル)−1,6,9−トリメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン
上記の実施例からの化合物(2.46 g)をDMSO(25ml)中に溶解し、K2CO3(2.7 g)および沃化メチル(5ml)を加え、次いで混合物を40℃で18時間撹拌し続ける。反応媒体をろ過し、次いでろ液を水(300ml)中に注入する。再びろ過を行い、固体を3回水洗する。乾燥を行い、エーテルで3回洗浄を行い、再び乾燥を行って、所期の化合物(2.44g)を得る。
【0047】
実施例6:化合物13
1,6,9−トリメチル−3−(1−オキシドピリジン−4−イル)−2,9−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3b]インドール−2−オン
化合物2(300 mg)およびMeOH(30ml)を混合し、次いでCH2Cl2(5ml)中のm−クロロ過安息香酸(373mg)を0℃で加え、混合物をATで3時間撹拌する。蒸発させ、残渣を重亜硫酸ナトリウム溶液中に採取し、次いでCH2Cl2で抽出する。有機相を乾燥し、蒸発させ、次いで残渣をEt2O中に採取し、ろ過を行い、再び乾燥を行って、所期の化合物(235mg)を得る。
【0048】
本発明によるいくつかの化合物の物性を以下の表に示す。この表において、Meはメチルを表す。
表2
【化13】

【0049】
【表2−1】

【0050】
【表2−2】

【0051】
【表2−3】

【0052】
【表2−4】

【0053】
【表2−5】

【0054】
【表2−6】

【0055】
本発明による式(I)の化合物を、ヒト乳癌細胞株:アメリカンタイプカルチャーコレクションから入手可能なMDA−MB−231株(リファレンスHTB26)に対して、インビトロで試験した。
【0056】
抗増殖効果を、J.M. Derocqら(FEBS Letters 1998, 425, 419−425)に従って評価する:処置された細胞のDNAにおける[3H]チミジンの結合レベルを、式(I)の化合物を96時間培養した後に測定する。阻害濃度50(IC50)は、細胞の増殖を50%阻害する濃度であると定義する。
本発明による化合物は、MDA−MB−231株に関して、一般的に10 μMより低いIC50を示す。
【0057】
式(I)の化合物を、もう一つのヒト乳癌細胞株、MDA−A1と呼ばれる「マルチドラッグレジスタント」(MDR)株に対しても試験した。この株は、E. Collomb, C. DussertおよびP.M. Martin (Cytometry, 1991, 12(1), 15-25)により記載されている。
【0058】
この株を示す「マルチレジスタント」という用語は、この株が一般的に広く用いられる化学療法剤、特にパクリタキセル、ビンクリスチンまたはビンブラスチンのような天然由来の細胞分裂抑制剤に対して、通常あまり感受性を示さないことを意味する。
【0059】
本発明による化合物は、MDA−A1マルチレジスタントに対して、一般的に10μMより低いIC50を示す。
【0060】
本発明による化合物を、文献:Mooberry S.L. ら(Int. J. Cancer, 2003, 104 (4), 512−521); Polin L. ら(Invest. New Drugs, 2002, 20 (1), 13−22); Corbett T.Hら(Invest. New Drugs, 1999, 17 (1), 17−27)に記載の方法に従って、インビボでヒト腫瘍異種移植片のネズミ(murine)モデルでも試験した。直径2〜3 mmのヒト腫瘍片を、Balb/C種のSCID(Severe Combined Immunodeficiency)(重度複合免疫不全)マウス(Iffa−Credo, Lyons,フランス)に皮下移植する。これらの腫瘍の重さが50〜60 mgに達したとき、本化合物を1回の投与当たり10〜300mg/kgで変動する用量で、試験期間(20〜40日)中、毎日または一日おきに、経口または静脈内投与する。
【0061】
腫瘍の重さを式:
W (腫瘍片の重さ(mg))= (a×b2)/2
(ここで、aおよびbは、移植腫瘍の長さおよび幅(mm)をそれぞれ表す)
によって評価する。
【0062】
aおよびbの測定は、キャリパー(Calliper)ルールを用いて行う。試験化合物で処置された動物群の腫瘍の平均重量(T)を、化合物の溶媒だけを投与した対照動物群の腫瘍の平均重量(C)と比較することによって、抗腫瘍効果を評価する。T/C比(%)で表されるこの測定は、Cが約1000 mgに達したときに行われる。本発明による化合物は、インビボ抗腫瘍活性(100%より低いT/C比)を実証し、いくつかは42%以下の極めて顕著なT/C比を示した。
【0063】
本発明によれば、式(I)の化合物がマルチ抵抗性を示す細胞の増殖を含んで、腫瘍細胞の増殖を阻害することが明らかである。したがって、本発明による化合物は、抗癌作用を有することが明らかである。
【0064】
もう一つの観点によれば、本発明の課題は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される酸との付加塩、または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含む医薬である。
【0065】
これらの医薬は、治療、特に腫瘍細胞の増殖によって引き起こされるかまたは悪化する疾患の治療、または該疾患の予防に有用である。
【0066】
これらの化合物は、固形腫瘍、初期および転移性の固形腫瘍、悪性腫瘍および癌、特に:乳癌;肺癌;小腸癌、結腸および直腸癌;気道、中咽頭および下咽頭の癌;食道癌;肝臓癌、胃癌、胆管癌、胆嚢癌、腎臓癌;腎臓、尿路上皮および膀胱を含む尿路癌;子宮、子宮頸管および卵巣を含む女性生殖器癌、絨毛癌および絨毛性癌;前立腺癌、精嚢癌および精巣癌を含む男性生殖器癌、胚芽細胞腫瘍;甲状腺癌、下垂体癌および副腎癌を含む内分泌癌;ヘマンジオマス(haemangiomas)、黒色腫およびカポシ(Kaposi)肉腫を含む肉腫を含む皮膚癌;脳腫瘍、神経腫瘍、眼腫瘍、ならびに星状細胞種、神経膠腫、グリア芽腫、網膜細胞腫、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経鞘腫および骨髄膜腫を含む髄膜腫瘍;白血病、緑白腫、プラスマ細胞、キノコ状真菌症、T−細胞リンパ腫または白血病を含む造血器悪性腫瘍、非ホジキンリンパ腫、悪性ヘモパシー(haemopathies)および骨髄腫に起因する固形癌の治療において、腫瘍細胞の増殖阻害剤として有用である。
【0067】
もう一つの観点によれば、本発明は、本発明による化合物を有効成分として含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも一つの本発明による化合物の有効量、または該化合物の医薬的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、少なくとも一つの医薬的に許容される賦形剤含む。
【0068】
賦形剤は、医薬の剤形および所望の投与方法によって、当業者に公知の通常の賦形剤から選択される。
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与用の本発明の医薬組成物において、上記の式(I)の有効成分、またはその任意の塩、溶媒和物もしくは水和物は、通常の医薬賦形剤との混合物として、単位投与形態で、上記の障害または疾患の予防または治療のために、動物またはヒトに投与され得る。
【0069】
好適な単位投与形態は、錠剤、軟質または硬質ゼラチンカプセル剤、粉末、顆粒および経口溶液または懸濁液のような経口ルートによる形態、舌下、口腔内、気管内、眼内または鼻腔内投与形態、吸入による投与形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与の形態、直腸投与の形態およびインプラントを含む。局所適用には、本発明による化合物はクリーム、ゲル、軟膏またはローションで使用され得る。
【0070】
上記の式(I)の化合物は、治療を受ける哺乳動物の体重1kg当たり、1日に0.002〜2000 mg、好ましくは1日に0.1〜300mg/kg用いられ得る。ヒトにおいて、用量は治療を受ける対象の年齢または治療の種類:予防または治療によって、好ましくは0.02〜10000mg/日で変動し、より詳しくは1〜3000mg/日である。
【0071】
より多い、またはより少ない用量が適する特別な場合があり得る;そのような用量は、本発明の範囲外ではない。慣行によって、各患者にとって適当な用量は、投与方法、患者の体重および応答に従って、医師により決定される。
【0072】
もう一つの観点によれば、本発明は、本発明による化合物の有効量、またはその医薬的に許容される塩、またはその水和物もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、上記の疾患の治療方法にも関する。
【0073】
本発明によれば、式(I)の一つ以上の化合物は、一つ(以上)の抗癌有効成分、特に、アルキルスルホネート(ブスルファン)、ダカルバジン、プロカルバジン、ナイトロジェン・マスタード(クロルメチン、メルファラン、クロラムブシル)、シクロホスファミドまたはイホスファミドのようなアルキル化剤;カルムスチン、ロムスチン、セムスチンまたはストレプトゾシンのようなニトロソウレア;ビンクリスチンまたはビンブラスチンのような抗腫瘍性アルカロイド類;パクリタキセルまたはタクソテレのようなタキサン類;アクチノマイシンのような抗腫瘍性抗生物質;挿入剤、抗腫瘍性代謝拮抗剤、葉酸拮抗剤またはメトトレキサート;プリン合成阻害剤;メルカプトプリンまたは6−チオグアニンのようなプリン類似物質;ピリミジン合成阻害剤、アロマターゼ阻害剤、フルオロウラシル、ゲムシタビン、シタラビンおよびシトシンアラビノシドのようなカペシタビンまたはピリミジン類似物質;ブレキナル;カンプトセシンまたはエトポシドのようなトポイソメラーゼ阻害剤;タモキシフェンを含む抗癌性ホルモンアゴニストおよびアンタゴニスト;キナーゼ阻害剤、イマチニブ;増殖因子阻害剤;ペントサン ポリスルフエート、コルチコステロイド、プレドニゾンまたはデキサメタゾンのような抗炎症剤;ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシンおよびミトラマイシンを含むエトポサイド、アンスラサイクリンのような抗トポイソメラーゼ類;抗癌性金属錯体、白金錯体、シスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチン;インターフェロンアルファ、トリフェニルチオホスホルアミドまたはアルトレタミン;抗血管形成剤;サリドマイド;免疫療法補助剤;またはワクチンのような抗腫瘍性化合物との組合せで投与され得る。
【0074】
もう一つの観点によれば、本発明は、本発明による化合物の有効量、またはその医薬的に許容される塩のうちの一つ、あるいは水和物もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、上記疾患の治療方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中:
−R1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R2は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し;
−R3はメチル基でモノまたはポリ置換されたチエニルを表すか;またはピリジル、N−オキシドピリジニオ、ピラゾリル、(N−フェニル)ピラゾリル、(N−ハロフェニル)ピラゾリル、フリル、インドリル、(N−ベンジル)インドリル、(N−ハロベンジル)インドリル、ベンゾチエニルまたはベンゾフリルから選択される単環、もしくは二環性の複素環式基を表し、これらの基は置換さていないか、またはハロゲン原子、またはメチルもしくはメトキシ基で1回以上置換されており、;
−R4およびR5は、同一または異なって互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子またはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルコキシカルボニルもしくはシアノ基を表す)
に相当し、塩基または酸付加塩の形態、水和物もしくは溶媒和物の形態にある化合物。
【請求項2】
−R1が水素原子またはメチル基を表し;
−そして/またはR2がメチル基を表し;
−そして/またはR3がN−オキシドピリジニオ、ピリジルまたはベンゾチエニルから選択される複素環式基を表し、これらの基は置換されていないか、またはハロゲン原子またはメチルもしくはメトキシ基で1回以上置換されており、;
−そして/またはR4がメチル基を表し;
−そして/またはR5が水素原子またはメチル基を表す
ことを特徴とする、塩基の形態または酸付加塩の形態、水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1による式(I)の化合物。
【請求項3】
・1,6−ジメチル−3−(ピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・1,6,9−トリメチル−3−(ピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・1,6−ジメチル−3−(1−オキシドピリジン−4−イル)−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(4,6−ジメチルピリジン−2−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(1−ベンゾチエン−5−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(5−クロロ−1−ベンゾチエン−3−イル)−1,6,9−トリメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(1H−インドール−1−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(3−クロロピリジン−4−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)−1,6−ジメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン;
・3−(2,6−ジメトキシピリジン−4−イル)−1,6,9−トリメチル−1,9−ジヒドロ−2H−ピリド[2,3−b]インドール−2−オン
から選択される、塩基の形態または酸付加塩の形態、水和物もしくは溶媒和物の形態にある、請求項1による化合物。
【請求項4】
式:
【化2】

(式中、R1、R2、R4およびR5は請求項1において式(I)の化合物について定義されたとおりである)
の2−アミノインドールを、式:
【化3】

(式中、R3は請求項1において式(I)の化合物について定義されたとおりであり、AlkはC1−C4アルキルを表す)
のエステルと反応させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つによる式(I)の化合物の製造方法。
【請求項5】
式:
【化4】

(式中、R1、R2、R4およびR5は請求項1において式(I)の化合物について定義されたとおりである)
のアミノインドールを、式
【化5】

(式中、R3は請求項1において式(I)の化合物について定義されたとおりであり、AlkはC1−C4アルキルを表す)
のエステルと反応させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つによる式(I)の化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一つによる化合物、または該化合物の医薬的に許容される酸との付加塩、あるいは式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする
医薬。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一つによる式(I)の化合物、または医薬的に許容される塩、あるいは水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項8】
腫瘍細胞の増殖によって引き起こされるかまたは悪化する疾患の治療および予防を意図した医薬を製造するための、請求項1〜3のいずれか一つによる式(I)の化合物の使用


【公表番号】特表2006−505577(P2006−505577A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546105(P2004−546105)
【出願日】平成15年10月21日(2003.10.21)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003111
【国際公開番号】WO2004/037821
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】