3次元測位システム、ノード、ホスト、およびその動作方法
【課題】 複数のノードおよび1つのホストを備える3次元(3D)測位システムを提供する。
【解決手段】 ノードは、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、ホストに提供すべき測定距離として測定するように構成される。ホストは、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成される。ノードは、その運動状態に従ってオブジェクトモードとビーコンモードとの間で自動的に切り替わる。
【解決手段】 ノードは、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、ホストに提供すべき測定距離として測定するように構成される。ホストは、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成される。ノードは、その運動状態に従ってオブジェクトモードとビーコンモードとの間で自動的に切り替わる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位システムに関する。特に、本発明は、3次元(3D)測位システム、特に、超音波の到着時間または到着時間差に基づいて距離を測定する3D測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高精度位置決め情報は、現代の生活において非常に重要になっており、例えば人の測位や在庫管理など、多くの機会に適用されている。これらの用途は、位置決め情報の正確さに関する要求が高く、通常、許容度が1メートル未満である。いくつかの用途では、許容度がセンチ程度になることを要求するものもある。
【0003】
精度の高さに加え、測位システムのスケーラビリティもますます重要になっている。例えば、最初の動作中、システムは、通常、例えばいくつかの元のノードや位置などのパラメータに関して手動で設定することを必要とする。しかし、スケーラビリティは、手動の介入なしに、自動構成の自動プロセスを要求し、これを採用する。システムの動作中、測位すべきノードの位置の変化は自動的に検出されなければならず、システムは自動的に較正されなければならない。さらに、システムのマルチオブジェクトの測位も、スケーラビリティの重要な側面である。
【0004】
超音波ベースの測位システムは、ある範囲において比較的高い測位精度を提供することができ、それぞれ超音波の到着時間に基づく距離測定、および超音波の到着時間差に基づく距離測定の2つの主な技術がある。
【0005】
関連の調査の業績がいくつかある。
【0006】
相対測位システムの構造およびその方法を非特許文献1(Hans Gellersen他「協調型相対測位(Cooperative
Relative Positioning)」(IEEE、パーベイシブコンピューティング(Pervasive Computing)2010年10月〜12月))に具体的に示す。
【0007】
特許文献1(米国特許出願公開第US2008/0309556A1号)は、ネットワークノード間の距離情報を測定することによって相対座標を使用して、対象物の3D位置情報を算出するシステムを記載する。
【0008】
特許文献2(PCT国際特許出願公開第WO2007/110626A2号)は、可動構成要素と固定構成要素との間で、超音波レンジングおよび三角法に基づき、超音波トランスデューサを担持している可動構成要素の位置を算出する技術を提供する。
【0009】
非特許文献2(Hubert Piontek他「超音波ベースの定位システムの精度の向上(Improving the Accuracy of Ultrasound-Based Localisation System)」(パーソナルおよびユビキタスコンピューティング(Personal
and Ubiquitous Computing)、2007))で超音波ベースの屋内測位システムの改良されたソリューションを提供しており、主に距離測定の精度および位置情報の更新周波数の向上に焦点を絞る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第US2008/0309556A1号
【特許文献2】PCT国際特許出願公開第WO2007/110626A2号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hans Gellersen他「協調型相対測位(Cooperative Relative Positioning)」(IEEE、パーベイシブコンピューティング(PervasiveComputing)2010年10月〜12月)
【非特許文献2】Hubert Piontek他「超音波ベースの定位システムの精度の向上(Improving theAccuracy of Ultrasound-Based Localisation System)」(パーソナルおよびユビキタスコンピューティング(Personaland Ubiquitous Computing)、2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した関連技術のほとんどは、スケーラビリティにおいて不十分であるか、システム性能、例えば精度または測位速度の低下を犠牲にすることによってスケーラビリティをサポートしなければならない。さらに、現在の技術は、マルチオブジェクトの測位を十分サポートすることができない。マルチオブジェクト測位システムで高精度3D位置情報をできるだけ短い待ち時間で得ることも課題である。従来のシステムは、スケーラビリティおよび適応性を欠き、待ち時間の長さおよび精度の低さを呈して、複数の可動対象物の測位を十分サポートすることができない。
【0013】
従来技術における上記の欠点を鑑み、本発明は、複数のノードおよび1つのホストを備える3次元(3D)測位システムを提供する。ノードは、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、ノードがビーコンモードである場合、ホストに提供すべき測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定するように構成される。ホストは、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離とビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出する。ノードは、その運動状態に従ってオブジェクトモードとビーコンモードとの間で自動的に切り替わる。本発明による3D測位システムは、システムの物理的なトポロジ構造の変化に従って自動的に調整することができ、短い待ち時間および高精度でマルチオブジェクトの測位をサポートすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、3次元測位システムで使用されるように構成されたノードが提供され、ノードは、測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、ノードの運動状態に基づいて、ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットとを備える。
【0015】
好ましい態様では、通信ユニットは、ノードの現在のモードをホストに報告するようにも構成される。また、好ましい態様では、通信ユニットは、ノードがオブジェクトモードである場合、ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、超音波レンジングユニットは、送信シグナリングに基づいてノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される。
【0016】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、ノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、モード切替ユニットは、ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定するように構成される。
【0017】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、ノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、モード切替ユニットは、ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定するように構成される。
【0018】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、運動検出サブユニットを備える。
【0019】
好ましい態様では、運動検出サブユニットは、運動センサまたは慣性センサである。
【0020】
好ましい態様では、ノードの位置が既知であると決定するために、ノードの位置がノードとホストとの間の通信によって通知される。またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたノードを動作させる方法が提供され、この方法は、ノードの運動状態に基づいてノードの現在のモードを決定するモード決定ステップと、ノードの決定されたモードがオブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを判定するモード判定ステップと、ノードの決定されたモードがオブジェクトモードであると判定した場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、超音波の送信を完了した後、モード決定ステップに戻る超音波送信ステップと、ノードの決定されたモードがビーコンモードであると判定した場合、測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定する超音波レンジングステップと、測定距離をホストに報告し、距離の報告を完了した後、モード決定ステップに戻る距離報告ステップとを含む。
【0022】
好ましい態様では、この方法は、ノードの現在のモードを報告するステップをさらに含む。
【0023】
好ましい態様では、この方法は、ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するステップであって、このステップにおいて、送信シグナリングが、対応する動作タイムスロットがノードに割り当てられることを示すために構成されており、超音波送信ステップで、超音波は、受信された送信シグナリングに基づいてノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って送信される。
【0024】
好ましい態様では、モード決定ステップでノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定され、モード決定ステップでノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定される。
【0025】
好ましい態様では、モード決定ステップでノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定され、モード決定ステップでノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定される。
【0026】
好ましい態様では、ノードの位置が既知であると決定するために、ノードの位置がノードとホストとの間の通信によって通知される。またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたホストが提供され、ホストは、ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと(この距離は、超音波レンジング技術に従って、ビーコンモードのノードによって測定される)、通信ユニットによって受信された報告に基づいてビーコンモードのノードの数を決定し、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、ノード数決定ユニットが、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、位置算出ユニットが、オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成される。
【0028】
また、好ましい態様では、通信ユニットは、ノードによって報告された、ノードの現在のモードを受信するように構成される。
【0029】
好ましい態様では、ホストは、オブジェクトノード調整ユニットをさらに備える。また、ノード数決定ユニットは、オブジェクトモードのノードの数を決定するように構成される。オブジェクトノード調整ユニットは、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するためのオブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、オブジェクトモードのノードの数に基づいて、オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整するように構成され、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成するように構成される。また、通信ユニットは、オブジェクトノード調整ユニットによって生成された送信シグナリングを送信するように構成される。
【0030】
好ましい態様では、3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である。
【0031】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される。
【0032】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される。
【0033】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である。
【0034】
本発明の第4の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法が提供され、この方法は、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと(この距離は、超音波レンジング技術に従って、ビーコンモードのノードによって測定される)、受信された報告に基づいてビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、報告受信ステップで受信された距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含む。
【0035】
また好ましい態様では、報告受信ステップにおいて、ノードによって報告されたノードの現在のモードも受信される。
【0036】
好ましい態様では、この方法は、受信された報告に基づいてオブジェクトモードのノードの数を決定する第2のノード数決定ステップと、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するためのオブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、オブジェクトモードのノードの数に基づいて、オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整し、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する調整ステップと、調整ステップで生成された送信シグナリングを送信するシグナリング送信ステップとをさらに含む。
【0037】
好ましい態様では、3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である。
【0038】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる。
【0039】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる。
【0040】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である。
【0041】
本発明の第5の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムが提供され、本発明の第1の態様によるノードと、本発明の第3の態様によるホストとを備える。
【発明の効果】
【0042】
本発明による超音波ベースの3次元(3D)測位システムは、スケーラビリティを可能にするために、システムの物理的なトポロジ構造の変化に従って自動的に調整することができる。さらに、超音波ベースの3次元(3D)測位システムは、短い待ち時間および高精度でマルチオブジェクトの測位をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、図面と関連した本発明の実施形態の以下の説明から、より明らかになる。
【0044】
【図1】本発明による3次元(3D)測位ステム100の全体的なブロック図である。
【図2】本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたノード120iの概略構造ブロック図である。
【図3A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【図3B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【図4A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの動作フローチャート例である。
【図4B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの別の動作フローチャート例である。
【図5】本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたホスト110の概略構造ブロック図である。
【図6A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の動作フローチャート例である。
【図6B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の別の動作フローチャート例である。
【0045】
図面全体にわたって、同一または類似の構造またはステップは、同一または類似の参照番号によって識別される。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の理解を不明瞭にしないために、本発明にとって重要でない詳細および機能は省略する。
【0047】
図1は、本発明による3次元(3D)測位ステム100の全体的なブロック図である。
【0048】
図1に示すように、本発明による3D測位システム100は、ホスト110、および複数のノード1201〜120N(一般にノード120と呼ばれる)を備える。各ノード120i(1≦i≦N)には、ビーコンモードおよびオブジェクトモードの2つのモードがある。ビーコンモードのノードは、ビーコンノード(図1の黒円として示す)と呼ばれ、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトノード(図1の白円として示す)と呼ばれる。各ノード120iは、ホスト110と通信する。ノード120とホスト110との間の通信は、無線とすることができる。各ノード120iは、現在どのモードであるかをそれ自体で決定し、モード間をそれ自体で切り替え、ホスト110との通信によって、現在のモードをホスト110に報告することができる。モードの報告は明示的とすることができ、この場合、例えば、各ノード120iがホスト110に報告する。モードの報告は暗黙的であってもよく、この場合、例えば、ビーコンノードのみが所定の時間間隔でホスト110に報告し、一方、オブジェクトノードは、現在のモードを報告しない。別の例として、以下に詳細に記載するように、暗黙的な報告を距離報告と結合することもできる。オブジェクトノードでなく、ビーコンノードのみが測定距離をホスト110に報告するので、ホスト110がノードによって報告される距離を受信すると、このノードはビーコンノードであると決定することができる。ビーコンノードは、超音波レンジング技術に従って、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定し、ホスト110との通信によって、測定距離をホスト110に報告する。超音波レンジング技術は、超音波の到着時間に基づくレンジング技術、または超音波の到着時間差に基づくレンジング技術とすることができる。オブジェクトノードは、ビーコンノードの測定についての超音波レンジング技術の要件に従って超音波を送信する。任意選択で、オブジェクトノードは、ホスト110との通信によって決定される動作タイムスロットに従って順次超音波を送信することができる。同時に、ホスト110は、オブジェクトノードの合計数を決定し、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するオブジェクトノードがたった1つ存在するように、ノード120との通信によってオブジェクトノードの動作タイムスロットを調整する。TDMの利点は、超音波チャネルがTDMによって共有されるように、複数のオブジェクトノードが同じ超音波チャネルを使用することである。そうでなければ、TDMが使用されない場合、複数のオブジェクトノードが同じ超音波チャネルで同時に超音波を送信することがあり、それによってシステム効率の低下を引き起こす。ホスト110は、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。この算出はビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離(即ち超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離)、およびビーコンノードの位置に基づいて行われる。超音波レンジング技術によれば、ホスト110が2次元の座標を決定するには、少なくとも3つのビーコンノードの位置が必要であり、ホスト110が3次元座標を決定するには、少なくとも4つのビーコンノードの位置が必要である。本発明の平面の用途(2次元であるか1次元が一定の3次元)では、ホスト110は、ビーコンノードの数が3未満であると決定すると、さらなるビーコンノードからの報告を待つ、すなわち、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。ホスト110は、ビーコンノードの数が3以上であると決定すると、オブジェクトノードの位置を算出する。本発明のステレオ(3次元の)用途では、ホスト110は、ビーコンノードの数が4未満であると決定すると、さらなるビーコンノードからの報告を待つ、すなわち、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。ホスト110は、ビーコンノードの数が4以上であると決定すると、オブジェクトノードの位置を算出する。
【0049】
さらに、ある条件下で、ビーコンノードとしてのみ使用されるノードがいくつかある場合があり、こうしたノードはビーコンモードのみを有し、常にビーコンモードである。ビーコンノードとしてのみ使用されるこうしたノードは、「純粋な」ビーコンノードと呼ばれる。純粋なビーコンノードが存在する状況下で、純粋なビーコンノードとホスト110との間の通信は、有線または無線を介することができる。
【0050】
ビーコンノードの位置を決定する際、ホスト110は、まず、システム座標を確立すること、必要な所定の数の最初のビーコンノードの位置を決定することなどを含む初期化プロセスを実行する。所定の数は、2次元の場合、3であり、3次元の場合、4である。最初のビーコンノードの位置を決定する際、相対位置方法を使用することができる。まず、ノード120がすべてビーコンモードに切り替わる。次いで、ホスト110の調整中、オブジェクトモードで動作し、各時点において超音波信号を送信するノード120iがたった1つ存在し、他のノードのそれぞれはノード120iからその距離を算出する。各ノードがオブジェクトノードとして使用された後、システムの2つの任意のノードの間の距離を得ることができる。任意に選択された座標系に対するすべてのノードの相対位置は、過剰決定された方程式を解くための任意の方法によって得ることができる。あるいは、最初のビーコンノードの位置を決定する際、絶対位置方法を使用することができる。まず、ノード120がすべてビーコンモードに切り替わる。ユーザは、オブジェクトモードで動作するノード120iを選択し、位置が既知である4つのポイントにノードを順次配置する。4つのポイントの各々に対して、ビーコンノードのそれぞれは、既知のポイント(ノード120i)からのその距離を算出する。4つのポイントのすべてに対する算出が完了したあと、ホスト110は、過剰決定された方程式を解くための任意の方法によって、ユーザによって示される座標系におけるすべてのノードの絶対位置を算出することができる。
【0051】
初期化プロセス後の動作状態において、初期化プロセスのものと同じ方法によってビーコンノードの位置を算出することは不要である。ビーコンノードの位置は、ノードがビーコンモードに移る前に、ホスト110によって最後に得られたオブジェクトモードであるときの(相関または絶対)位置とすることができる。
【0052】
説明の便宜上、本発明によるノード120iの構造は、ノード120iが2つのモードを有することを例にとることによって、下記のように説明される。純粋なビーコンノードは、常にビーコンモードであるノード120iの具体例として解釈することができる。
【0053】
図2は、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの概略構造ブロック図である。図3Aおよび図3Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【0054】
図2に示すように、ノード120iは、通信ユニット121、超音波レンジングユニット122、およびモード切替装置123を備える。
【0055】
通信ユニット121は、ホスト110と通信し、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードをホスト110に(明示的にまたは暗黙的に)報告する。さらに、ノード120iがオブジェクトモードであるとき、通信ユニット121は、TDMの方法で決定され、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信するようにも構成される。
【0056】
ノード120iがオブジェクトモードであるとき、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。さらに、ノード120iがオブジェクトモードであるとき、通信ユニット121は、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信する場合、超音波レンジングユニット122は、送信シグナリングに従ってノード120iに割り当てられる動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。
【0057】
ノード120iがビーコンモードであるとき、超音波レンジングユニット122は、測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノード120iと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定する。測定距離は通信ユニット121に提供され、通信ユニット121は次いで、その測定距離をホスト110に報告する。
[0055] モード切替ユニット123は、ノード120iの運動状態に基づいて、ノード120iの現在のモードを決定するように構成される。ノード120iが可動状態にあるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがオブジェクトモードである(図3Aおよび図3Bの切替矢印310によって示される)と決定する。ノード120iが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがビーコンモードである(図3Aの切替矢印320によって示される)と決定する。任意選択で、ノード120iのモード間の頻繁な切替を回避するために、モード切替時間の閾値を設定することができる。ノード120iがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがビーコンモードである(図3Bの切替矢印330によって示される)と決定する。ノード120iの運動状態を決定するために、モード切替ユニット123は、運動センサまたは慣性センサによって実施することができる運動検出サブユニット1231を備え得る。ノード120iの位置が既知であると決定するために、ノード120iの位置を、ホスト110とノード120iとの間の通信によって通知することができる。あるいは、ノード120iの位置が既知であると決定するために、ノード120iは、ノード120iと別のビーコンノードとの間の距離を含み、前記別のビーコンノードによってホスト110に送信される(すなわちシステムにおけるブロードキャスト)情報通信(情報パケット、データパケット、信号など)を受信することができる。
【0058】
図4Aは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの動作フローチャート例である。
【0059】
図4Aに示すように、ステップS410で、モード切替ユニット123は、ノード120iの現在のモードを決定する。
【0060】
ステップS420で、通信ユニット121は、ホスト110と通信して、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードをホスト110に(明示的にまたは暗黙的に)報告する。
【0061】
ステップS430で、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがビーコンモードであるかオブジェクトモードであるかが決定される。
【0062】
モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがオブジェクトモードである場合、ステップS440で、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。超音波の送信の後、フローは、ステップS410に戻る。
【0063】
モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがビーコンモードである場合、ステップS450で、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って、ノード120iと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定距離として測定する。ステップS460で、超音波レンジングユニット122は、測定距離を通信ユニット121に提供し、通信ユニット121はその距離をホスト110に報告する。距離の報告の後、フローはステップS410に戻る。
【0064】
図4Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの別の動作フローチャート例である。図4Bは、TDM操作の方法を導入するという点で、図4Aと異なる。説明を簡単にするために、図4Aのものと類似している図4Bのステップは、同一の参照符号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0065】
ステップS470で、通信ユニット121は、TDMの方法で決定され、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信する。
【0066】
ステップS440’で、超音波レンジングユニット122は、ノード120iに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。
【0067】
さらに、図4Aおよび図4Bが明示的な報告に関して示されている点に留意されたい。暗黙的な報告が使用される場合、ステップS420を、ステップS430の左の分岐(ビーコン分岐)に配置することができる。あるいは、ステップS430を省略することができる。
【0068】
図5は、本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたホスト110の概略構造ブロック図である。
【0069】
図5に示すように、ホスト110は、通信ユニット111と、ノード数決定ユニット112と、位置算出ユニット113とを備える。さらに、TDMの方法を使用した技術的なソリューションでは、ホスト110は、オブジェクトノード調整ユニット114(図の点線によって示される)をさらに備える。
【0070】
通信ユニット111は、ノードと通信して、ノードによって(明示的にまたは暗黙的に)報告されたノードの現在のモード、およびビーコンノードと現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を受信し、この距離は、超音波レンジング技術に従って測定され、ノードによって報告される。
【0071】
ノード数決定ユニット112は、通信ユニット111によって受信されたモード報告に基づいてビーコンノードの数を決定し、ビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるかどうかを判定する。2次元の場合、所定の数は3であり、3次元の場合、所定の数は4である。
【0072】
ビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるとノード数決定ユニット112が判定すると、位置算出ユニット113は、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。この算出は、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離(即ち超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離)、およびビーコンノードの位置に基づいて行われる。
【0073】
ビーコンノードの数が必要な所定の数未満であるとノード数決定ユニット112が判定すると、位置算出ユニット113は、オブジェクトノードの位置を算出しない。ノード数決定ユニット112は、さらなるビーコンノードからの報告を待つ。すなわち、ノード数決定ユニット112は、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。
【0074】
TDMを使用した技術的なソリューションでは、ノード数決定ユニット112は、オブジェクトノードの合計数をさらに決定する。オブジェクトノード調整ユニット114は、TDMの方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するビーコンモードがたった1つ存在するように、オブジェクトノードの合計数に基づいて、オブジェクトノードの動作タイムスロットを調整し、オブジェクトノード調整ユニット114は、対応する動作タイムスロットが対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する。通信ユニット111は、ノードと通信して、オブジェクトノード調整ユニット114によって生成された送信シグナリングを送信する。
【0075】
さらに、通信ユニット111は、ビーコンモードと通信して、位置算出ユニット113によって算出されたオブジェクトノードの位置を送信することもできる。
【0076】
図6Aは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の動作フローチャート例である。
【0077】
図6Aに示すように、ステップS600で、ホスト110は、システム座標を確立すること、必要な所定の数の最初のビーコンノードの位置を決定することなどを含む初期化プロセスを実行する。所定の数は、2次元の場合、3であり、3次元の場合、4である。
【0078】
ステップS610〜S650は、初期化プロセス後の動作状態を示す。
【0079】
ステップS610で、通信ユニット111は、ノードと通信して、ノードによって(明示的にまたは暗黙的に)報告されたノードの現在のモードを受信する。
【0080】
ステップS620において、ノード数決定ユニット112は、受信されたモード報告に基づいてビーコンノードの数を決定する。
【0081】
ステップS630において、ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるかどうかがを判定する。
【0082】
ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数(ステップS630では「N」)未満であると判定された場合、フローは、初期化ステップS600に戻り、初期化プロセスを再度実行するように、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。
【0083】
ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数(ステップS630では「Y」)以上であると判定された場合、ステップS640で、通信ユニット111は、ノードと通信して、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離であって、超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離を受信する。ステップS650で、位置算出ユニット113は、ビーコンノードの位置、および通信ユニット111によって受信された距離に基づいて、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。
【0084】
図6Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の別の動作フローチャート例である。図6Bは、TDM操作の方法を導入するという点で、図6Aと異なる。説明を簡単にするために、図6Aのステップと類似している図6Bのステップは、同一の参照符号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0085】
ステップS631で、ノード数決定ユニット112は、オブジェクトノードの合計数を決定する。
【0086】
ステップS632で、オブジェクトノード調整ユニット114は、TDMの方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するビーコンモードがたった1つ存在するように、オブジェクトノードの合計数に基づいて、オブジェクトノードの動作タイムスロットを調整し、オブジェクトノード調整ユニット114は、対応する動作タイムスロットが対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する。
【0087】
ステップS633で、通信ユニット111は、ノードと通信して、オブジェクトノード調整ユニット114によって生成された送信シグナリングを送信する。
【0088】
さらに、図6Aおよび図6Bが明示的な報告に関して示されている点に留意されたい。暗黙的な報告が使用される場合、ステップS640を、ステップS610とステップS620との間、またはステップS620とステップS630との間に配置することができる。暗黙的な報告が使用される場合、すなわちモードが報告されない場合、ステップS610をステップS640と置き換えることができる。
【0089】
本発明の他の構成は、方法実施形態(最初に概要が説明され、後に詳述されている)のステップおよび操作を実行するソフトウェアプログラムを含む。より詳細には、コンピュータプログラム製品は、コード化されたコンピュータプログラムロジックを含むコンピュータ可読媒体を備えるこうした一実施形態である。コンピュータプログラムロジックは、コンピュータデバイス上で実行されると、上記の3D測位ソリューションを提供するための対応する動作を提供する。コンピュータプログラムロジックは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、コンピューティングシステムの少なくとも1つのプロセッサが本発明の実施形態の動作(方法)を実行できるようにする。本発明のこうした構成は、通常、光媒体(例えばCD−ROM)、フロッピー若しくはハードディスク、または1つまたは複数のROM、RAM、PROMチップにおけるファームウェアまたはマイクロコードなどの他の媒体、特定用途向けIC(ASIC)、または1つまたは複数のモジュールにおけるダウンロード可能なソフトウェア画像および共有データベースなど、コンピュータ可読媒体に設けられ、または符号化されるソフトウェア、コード、および/または他のデータ構造として提供される。ソフトウェア、ハードウェア、またはこうした構成は、コンピューティングデバイスにおける1つまたは複数のプロセッサが本発明の実施形態によって記載されている技術を実行することができるように、コンピューティングデバイスに搭載することができる。例えば一群のデータ通信デバイスまたは他のエンティティにおけるコンピューティングデバイスと組み合わせて動作するソフトウェアプロセスも本発明のノードおよびホストを提供することができる。本発明によるノードおよびホストは、複数のデータ通信デバイス上の複数のソフトウェアプロセス、一群の小型の特定のコンピュータ上で稼働するすべてのソフトウェアプロセス、または単一のコンピュータ上で稼働するすべてのソフトウェアプロセスの間に分散することもできる。
【0090】
本発明の実施形態は、簡潔に言えばデータ処理デバイス、または個々のソフトウェア、および/または個々の回路上のソフトウェアプログラム、ソフトウェア、およびハードウェアとして実施することができる点に留意されたい。
【0091】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0092】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0093】
(付記1)
3次元測位システムで使用されるように構成されたノードであって、
測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、前記ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、前記ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、前記通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、
前記ノードの運動状態に基づいて、前記ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットと
を備えることを特徴とするノード。
【0094】
(付記2)
前記通信ユニットは、
さらに、前記ノードの現在のモードを前記ホストに報告するように構成されることを特徴とする付記1に記載のノード。
【0095】
(付記3)
前記通信ユニットは、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、前記ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、
前記超音波レンジングユニットは、
送信シグナリングに基づいて前記ノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される
ことを特徴とする付記2に記載のノード。
【0096】
(付記4)
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成され、
或いは
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成される
ことを特徴とする付記1から付記3の何れか1項に記載のノード。
【0097】
(付記5)
前記モード切替ユニットが、
運動検出サブユニットを備えることを特徴とする付記4に記載のノード。
【0098】
(付記6)
前記運動検出サブユニットが、
運動センサまたは慣性センサであることを特徴とする付記5に記載のノード。
【0099】
(付記7)
前記ノードの位置が既知であると決定するために、前記ノードの位置が前記ノードと前記ホストとの間の通信によって通知され、
或いは、
またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す
ことを特徴とする付記4から付記6の何れか1項に記載のノード。
【0100】
(付記8)
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストであって、
ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと、
前記通信ユニットによって受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定し、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、
前記ノード数決定ユニットが、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、前記ビーコンモードのノードによって報告される距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、
前記位置算出ユニットが、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成され、
前記通信ユニットが受信する前記距離は、
超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とするホスト。
【0101】
(付記9)
前記通信ユニットが、
前記ノードによって報告された、前記ノードの現在のモードを受信するように構成される
ことを特徴とする付記8に記載のホスト。
【0102】
(付記10)
オブジェクトノード調整ユニットをさらに備え、
前記ノード数決定ユニットが、
前記オブジェクトモードのノードの数を決定するように構成され、
前記オブジェクトノード調整ユニットが、
時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するための前記オブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、前記オブジェクトモードのノードの数に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整するように構成され、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成するように構成され、
前記通信ユニットが、
前記オブジェクトノード調整ユニットによって生成された送信シグナリングを送信するように構成される
ことを特徴とする付記9に記載のホスト。
【0103】
(付記11)
3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である
ことを特徴とする付記8から付記10の何れか1項に記載のホスト。
【0104】
(付記12)
前記ビーコンモードのノードは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、
前記オブジェクトモードのノードは、
前記オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成され、
或いは、
前記ビーコンモードのノードは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、
前記オブジェクトモードのノードは、
前記オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される
ことを特徴とする付記8から付記11の何れか1項に記載のホスト。
【0105】
(付記13)
前記ビーコンモードのノードの位置は、
ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、前記ホストによって最後に取得された位置である
ことを特徴とする付記12に記載のホスト。
【0106】
(付記14)
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法であって、
現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと、
受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、前記報告受信ステップで受信された距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含み、
前記報告受信ステップで受信する距離は、超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とする方法。
【0107】
(付記15)
前記報告受信ステップにおいて、
前記ノードによって報告された前記ノードの現在のモードも受信されることを特徴とする付記14に記載の方法。
【0108】
(付記16)
受信された報告に基づいて前記オブジェクトモードのノードの数を決定する第2のノード数決定ステップと、
時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するための前記オブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、前記オブジェクトモードのノードの数に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整し、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する調整ステップと、
前記調整ステップで生成された送信シグナリングを送信するシグナリング送信ステップとをさらに含む
ことを特徴とする付記15に記載の方法。
【0109】
(付記17)
3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である
ことを特徴とする付記14から付記16の何れか1項に記載の方法。
【0110】
(付記18)
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、前記ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、
前記オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、前記オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる
或いは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、前記ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、
前記オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる
ことを特徴とする付記14から付記17の何れか1項に記載の方法。
【0111】
(付記19)
前記ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である
ことを特徴とする付記18に記載の方法。
【0112】
(付記20)
付記1から付記7の何れか1項に記載のノードと、
付記8から付記13の何れか1項に記載のホストと
を備えることを特徴とする3次元測位システム。
【符号の説明】
【0113】
120i:ノード
121:通信ユニット
122:超音波レンジングユニット
123:モード切替ユニット
310:可動状態
320:静止状態、および位置が既知
330:静止状態の時間≧モード切替時間の閾値、および位置が既知
110:ホスト
111:通信ユニット
112:ノード数決定ユニット
113:位置算出ユニット
114:オブジェクトノード調整ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位システムに関する。特に、本発明は、3次元(3D)測位システム、特に、超音波の到着時間または到着時間差に基づいて距離を測定する3D測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高精度位置決め情報は、現代の生活において非常に重要になっており、例えば人の測位や在庫管理など、多くの機会に適用されている。これらの用途は、位置決め情報の正確さに関する要求が高く、通常、許容度が1メートル未満である。いくつかの用途では、許容度がセンチ程度になることを要求するものもある。
【0003】
精度の高さに加え、測位システムのスケーラビリティもますます重要になっている。例えば、最初の動作中、システムは、通常、例えばいくつかの元のノードや位置などのパラメータに関して手動で設定することを必要とする。しかし、スケーラビリティは、手動の介入なしに、自動構成の自動プロセスを要求し、これを採用する。システムの動作中、測位すべきノードの位置の変化は自動的に検出されなければならず、システムは自動的に較正されなければならない。さらに、システムのマルチオブジェクトの測位も、スケーラビリティの重要な側面である。
【0004】
超音波ベースの測位システムは、ある範囲において比較的高い測位精度を提供することができ、それぞれ超音波の到着時間に基づく距離測定、および超音波の到着時間差に基づく距離測定の2つの主な技術がある。
【0005】
関連の調査の業績がいくつかある。
【0006】
相対測位システムの構造およびその方法を非特許文献1(Hans Gellersen他「協調型相対測位(Cooperative
Relative Positioning)」(IEEE、パーベイシブコンピューティング(Pervasive Computing)2010年10月〜12月))に具体的に示す。
【0007】
特許文献1(米国特許出願公開第US2008/0309556A1号)は、ネットワークノード間の距離情報を測定することによって相対座標を使用して、対象物の3D位置情報を算出するシステムを記載する。
【0008】
特許文献2(PCT国際特許出願公開第WO2007/110626A2号)は、可動構成要素と固定構成要素との間で、超音波レンジングおよび三角法に基づき、超音波トランスデューサを担持している可動構成要素の位置を算出する技術を提供する。
【0009】
非特許文献2(Hubert Piontek他「超音波ベースの定位システムの精度の向上(Improving the Accuracy of Ultrasound-Based Localisation System)」(パーソナルおよびユビキタスコンピューティング(Personal
and Ubiquitous Computing)、2007))で超音波ベースの屋内測位システムの改良されたソリューションを提供しており、主に距離測定の精度および位置情報の更新周波数の向上に焦点を絞る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第US2008/0309556A1号
【特許文献2】PCT国際特許出願公開第WO2007/110626A2号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hans Gellersen他「協調型相対測位(Cooperative Relative Positioning)」(IEEE、パーベイシブコンピューティング(PervasiveComputing)2010年10月〜12月)
【非特許文献2】Hubert Piontek他「超音波ベースの定位システムの精度の向上(Improving theAccuracy of Ultrasound-Based Localisation System)」(パーソナルおよびユビキタスコンピューティング(Personaland Ubiquitous Computing)、2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した関連技術のほとんどは、スケーラビリティにおいて不十分であるか、システム性能、例えば精度または測位速度の低下を犠牲にすることによってスケーラビリティをサポートしなければならない。さらに、現在の技術は、マルチオブジェクトの測位を十分サポートすることができない。マルチオブジェクト測位システムで高精度3D位置情報をできるだけ短い待ち時間で得ることも課題である。従来のシステムは、スケーラビリティおよび適応性を欠き、待ち時間の長さおよび精度の低さを呈して、複数の可動対象物の測位を十分サポートすることができない。
【0013】
従来技術における上記の欠点を鑑み、本発明は、複数のノードおよび1つのホストを備える3次元(3D)測位システムを提供する。ノードは、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、ノードがビーコンモードである場合、ホストに提供すべき測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定するように構成される。ホストは、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離とビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出する。ノードは、その運動状態に従ってオブジェクトモードとビーコンモードとの間で自動的に切り替わる。本発明による3D測位システムは、システムの物理的なトポロジ構造の変化に従って自動的に調整することができ、短い待ち時間および高精度でマルチオブジェクトの測位をサポートすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、3次元測位システムで使用されるように構成されたノードが提供され、ノードは、測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、ノードの運動状態に基づいて、ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットとを備える。
【0015】
好ましい態様では、通信ユニットは、ノードの現在のモードをホストに報告するようにも構成される。また、好ましい態様では、通信ユニットは、ノードがオブジェクトモードである場合、ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、超音波レンジングユニットは、送信シグナリングに基づいてノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される。
【0016】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、ノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、モード切替ユニットは、ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定するように構成される。
【0017】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、ノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、モード切替ユニットは、ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定するように構成される。
【0018】
好ましい態様では、モード切替ユニットは、運動検出サブユニットを備える。
【0019】
好ましい態様では、運動検出サブユニットは、運動センサまたは慣性センサである。
【0020】
好ましい態様では、ノードの位置が既知であると決定するために、ノードの位置がノードとホストとの間の通信によって通知される。またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたノードを動作させる方法が提供され、この方法は、ノードの運動状態に基づいてノードの現在のモードを決定するモード決定ステップと、ノードの決定されたモードがオブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを判定するモード判定ステップと、ノードの決定されたモードがオブジェクトモードであると判定した場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信し、超音波の送信を完了した後、モード決定ステップに戻る超音波送信ステップと、ノードの決定されたモードがビーコンモードであると判定した場合、測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定する超音波レンジングステップと、測定距離をホストに報告し、距離の報告を完了した後、モード決定ステップに戻る距離報告ステップとを含む。
【0022】
好ましい態様では、この方法は、ノードの現在のモードを報告するステップをさらに含む。
【0023】
好ましい態様では、この方法は、ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するステップであって、このステップにおいて、送信シグナリングが、対応する動作タイムスロットがノードに割り当てられることを示すために構成されており、超音波送信ステップで、超音波は、受信された送信シグナリングに基づいてノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って送信される。
【0024】
好ましい態様では、モード決定ステップでノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定され、モード決定ステップでノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定される。
【0025】
好ましい態様では、モード決定ステップでノードが可動状態にあるとき、ノードがオブジェクトモードであると決定され、モード決定ステップでノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、ノードがビーコンモードであると決定される。
【0026】
好ましい態様では、ノードの位置が既知であると決定するために、ノードの位置がノードとホストとの間の通信によって通知される。またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたホストが提供され、ホストは、ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと(この距離は、超音波レンジング技術に従って、ビーコンモードのノードによって測定される)、通信ユニットによって受信された報告に基づいてビーコンモードのノードの数を決定し、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、ノード数決定ユニットが、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、ビーコンモードのノードによって報告される距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、位置算出ユニットが、オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成される。
【0028】
また、好ましい態様では、通信ユニットは、ノードによって報告された、ノードの現在のモードを受信するように構成される。
【0029】
好ましい態様では、ホストは、オブジェクトノード調整ユニットをさらに備える。また、ノード数決定ユニットは、オブジェクトモードのノードの数を決定するように構成される。オブジェクトノード調整ユニットは、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するためのオブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、オブジェクトモードのノードの数に基づいて、オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整するように構成され、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成するように構成される。また、通信ユニットは、オブジェクトノード調整ユニットによって生成された送信シグナリングを送信するように構成される。
【0030】
好ましい態様では、3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である。
【0031】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される。
【0032】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される。
【0033】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である。
【0034】
本発明の第4の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法が提供され、この方法は、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと(この距離は、超音波レンジング技術に従って、ビーコンモードのノードによって測定される)、受信された報告に基づいてビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、報告受信ステップで受信された距離、およびビーコンモードのノードの位置に基づいて、オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含む。
【0035】
また好ましい態様では、報告受信ステップにおいて、ノードによって報告されたノードの現在のモードも受信される。
【0036】
好ましい態様では、この方法は、受信された報告に基づいてオブジェクトモードのノードの数を決定する第2のノード数決定ステップと、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するためのオブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、オブジェクトモードのノードの数に基づいて、オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整し、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する調整ステップと、調整ステップで生成された送信シグナリングを送信するシグナリング送信ステップとをさらに含む。
【0037】
好ましい態様では、3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である。
【0038】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる。
【0039】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる。
【0040】
好ましい態様では、ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である。
【0041】
本発明の第5の態様によれば、スケーラブルな3次元(3D)測位システムが提供され、本発明の第1の態様によるノードと、本発明の第3の態様によるホストとを備える。
【発明の効果】
【0042】
本発明による超音波ベースの3次元(3D)測位システムは、スケーラビリティを可能にするために、システムの物理的なトポロジ構造の変化に従って自動的に調整することができる。さらに、超音波ベースの3次元(3D)測位システムは、短い待ち時間および高精度でマルチオブジェクトの測位をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、図面と関連した本発明の実施形態の以下の説明から、より明らかになる。
【0044】
【図1】本発明による3次元(3D)測位ステム100の全体的なブロック図である。
【図2】本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたノード120iの概略構造ブロック図である。
【図3A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【図3B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【図4A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの動作フローチャート例である。
【図4B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの別の動作フローチャート例である。
【図5】本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたホスト110の概略構造ブロック図である。
【図6A】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の動作フローチャート例である。
【図6B】本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の別の動作フローチャート例である。
【0045】
図面全体にわたって、同一または類似の構造またはステップは、同一または類似の参照番号によって識別される。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の理解を不明瞭にしないために、本発明にとって重要でない詳細および機能は省略する。
【0047】
図1は、本発明による3次元(3D)測位ステム100の全体的なブロック図である。
【0048】
図1に示すように、本発明による3D測位システム100は、ホスト110、および複数のノード1201〜120N(一般にノード120と呼ばれる)を備える。各ノード120i(1≦i≦N)には、ビーコンモードおよびオブジェクトモードの2つのモードがある。ビーコンモードのノードは、ビーコンノード(図1の黒円として示す)と呼ばれ、オブジェクトモードのノードは、オブジェクトノード(図1の白円として示す)と呼ばれる。各ノード120iは、ホスト110と通信する。ノード120とホスト110との間の通信は、無線とすることができる。各ノード120iは、現在どのモードであるかをそれ自体で決定し、モード間をそれ自体で切り替え、ホスト110との通信によって、現在のモードをホスト110に報告することができる。モードの報告は明示的とすることができ、この場合、例えば、各ノード120iがホスト110に報告する。モードの報告は暗黙的であってもよく、この場合、例えば、ビーコンノードのみが所定の時間間隔でホスト110に報告し、一方、オブジェクトノードは、現在のモードを報告しない。別の例として、以下に詳細に記載するように、暗黙的な報告を距離報告と結合することもできる。オブジェクトノードでなく、ビーコンノードのみが測定距離をホスト110に報告するので、ホスト110がノードによって報告される距離を受信すると、このノードはビーコンノードであると決定することができる。ビーコンノードは、超音波レンジング技術に従って、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定し、ホスト110との通信によって、測定距離をホスト110に報告する。超音波レンジング技術は、超音波の到着時間に基づくレンジング技術、または超音波の到着時間差に基づくレンジング技術とすることができる。オブジェクトノードは、ビーコンノードの測定についての超音波レンジング技術の要件に従って超音波を送信する。任意選択で、オブジェクトノードは、ホスト110との通信によって決定される動作タイムスロットに従って順次超音波を送信することができる。同時に、ホスト110は、オブジェクトノードの合計数を決定し、時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するオブジェクトノードがたった1つ存在するように、ノード120との通信によってオブジェクトノードの動作タイムスロットを調整する。TDMの利点は、超音波チャネルがTDMによって共有されるように、複数のオブジェクトノードが同じ超音波チャネルを使用することである。そうでなければ、TDMが使用されない場合、複数のオブジェクトノードが同じ超音波チャネルで同時に超音波を送信することがあり、それによってシステム効率の低下を引き起こす。ホスト110は、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。この算出はビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離(即ち超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離)、およびビーコンノードの位置に基づいて行われる。超音波レンジング技術によれば、ホスト110が2次元の座標を決定するには、少なくとも3つのビーコンノードの位置が必要であり、ホスト110が3次元座標を決定するには、少なくとも4つのビーコンノードの位置が必要である。本発明の平面の用途(2次元であるか1次元が一定の3次元)では、ホスト110は、ビーコンノードの数が3未満であると決定すると、さらなるビーコンノードからの報告を待つ、すなわち、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。ホスト110は、ビーコンノードの数が3以上であると決定すると、オブジェクトノードの位置を算出する。本発明のステレオ(3次元の)用途では、ホスト110は、ビーコンノードの数が4未満であると決定すると、さらなるビーコンノードからの報告を待つ、すなわち、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。ホスト110は、ビーコンノードの数が4以上であると決定すると、オブジェクトノードの位置を算出する。
【0049】
さらに、ある条件下で、ビーコンノードとしてのみ使用されるノードがいくつかある場合があり、こうしたノードはビーコンモードのみを有し、常にビーコンモードである。ビーコンノードとしてのみ使用されるこうしたノードは、「純粋な」ビーコンノードと呼ばれる。純粋なビーコンノードが存在する状況下で、純粋なビーコンノードとホスト110との間の通信は、有線または無線を介することができる。
【0050】
ビーコンノードの位置を決定する際、ホスト110は、まず、システム座標を確立すること、必要な所定の数の最初のビーコンノードの位置を決定することなどを含む初期化プロセスを実行する。所定の数は、2次元の場合、3であり、3次元の場合、4である。最初のビーコンノードの位置を決定する際、相対位置方法を使用することができる。まず、ノード120がすべてビーコンモードに切り替わる。次いで、ホスト110の調整中、オブジェクトモードで動作し、各時点において超音波信号を送信するノード120iがたった1つ存在し、他のノードのそれぞれはノード120iからその距離を算出する。各ノードがオブジェクトノードとして使用された後、システムの2つの任意のノードの間の距離を得ることができる。任意に選択された座標系に対するすべてのノードの相対位置は、過剰決定された方程式を解くための任意の方法によって得ることができる。あるいは、最初のビーコンノードの位置を決定する際、絶対位置方法を使用することができる。まず、ノード120がすべてビーコンモードに切り替わる。ユーザは、オブジェクトモードで動作するノード120iを選択し、位置が既知である4つのポイントにノードを順次配置する。4つのポイントの各々に対して、ビーコンノードのそれぞれは、既知のポイント(ノード120i)からのその距離を算出する。4つのポイントのすべてに対する算出が完了したあと、ホスト110は、過剰決定された方程式を解くための任意の方法によって、ユーザによって示される座標系におけるすべてのノードの絶対位置を算出することができる。
【0051】
初期化プロセス後の動作状態において、初期化プロセスのものと同じ方法によってビーコンノードの位置を算出することは不要である。ビーコンノードの位置は、ノードがビーコンモードに移る前に、ホスト110によって最後に得られたオブジェクトモードであるときの(相関または絶対)位置とすることができる。
【0052】
説明の便宜上、本発明によるノード120iの構造は、ノード120iが2つのモードを有することを例にとることによって、下記のように説明される。純粋なビーコンノードは、常にビーコンモードであるノード120iの具体例として解釈することができる。
【0053】
図2は、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの概略構造ブロック図である。図3Aおよび図3Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの状態切替図である。
【0054】
図2に示すように、ノード120iは、通信ユニット121、超音波レンジングユニット122、およびモード切替装置123を備える。
【0055】
通信ユニット121は、ホスト110と通信し、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードをホスト110に(明示的にまたは暗黙的に)報告する。さらに、ノード120iがオブジェクトモードであるとき、通信ユニット121は、TDMの方法で決定され、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信するようにも構成される。
【0056】
ノード120iがオブジェクトモードであるとき、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。さらに、ノード120iがオブジェクトモードであるとき、通信ユニット121は、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信する場合、超音波レンジングユニット122は、送信シグナリングに従ってノード120iに割り当てられる動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。
【0057】
ノード120iがビーコンモードであるとき、超音波レンジングユニット122は、測定距離として、超音波レンジング技術に従って、ノード120iと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定する。測定距離は通信ユニット121に提供され、通信ユニット121は次いで、その測定距離をホスト110に報告する。
[0055] モード切替ユニット123は、ノード120iの運動状態に基づいて、ノード120iの現在のモードを決定するように構成される。ノード120iが可動状態にあるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがオブジェクトモードである(図3Aおよび図3Bの切替矢印310によって示される)と決定する。ノード120iが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがビーコンモードである(図3Aの切替矢印320によって示される)と決定する。任意選択で、ノード120iのモード間の頻繁な切替を回避するために、モード切替時間の閾値を設定することができる。ノード120iがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、モード切替ユニット123は、ノード120iがビーコンモードである(図3Bの切替矢印330によって示される)と決定する。ノード120iの運動状態を決定するために、モード切替ユニット123は、運動センサまたは慣性センサによって実施することができる運動検出サブユニット1231を備え得る。ノード120iの位置が既知であると決定するために、ノード120iの位置を、ホスト110とノード120iとの間の通信によって通知することができる。あるいは、ノード120iの位置が既知であると決定するために、ノード120iは、ノード120iと別のビーコンノードとの間の距離を含み、前記別のビーコンノードによってホスト110に送信される(すなわちシステムにおけるブロードキャスト)情報通信(情報パケット、データパケット、信号など)を受信することができる。
【0058】
図4Aは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの動作フローチャート例である。
【0059】
図4Aに示すように、ステップS410で、モード切替ユニット123は、ノード120iの現在のモードを決定する。
【0060】
ステップS420で、通信ユニット121は、ホスト110と通信して、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードをホスト110に(明示的にまたは暗黙的に)報告する。
【0061】
ステップS430で、モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがビーコンモードであるかオブジェクトモードであるかが決定される。
【0062】
モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがオブジェクトモードである場合、ステップS440で、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。超音波の送信の後、フローは、ステップS410に戻る。
【0063】
モード切替ユニット123によって決定されたノード120iの現在のモードがビーコンモードである場合、ステップS450で、超音波レンジングユニット122は、超音波レンジング技術に従って、ノード120iと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を測定距離として測定する。ステップS460で、超音波レンジングユニット122は、測定距離を通信ユニット121に提供し、通信ユニット121はその距離をホスト110に報告する。距離の報告の後、フローはステップS410に戻る。
【0064】
図4Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたノード120iの別の動作フローチャート例である。図4Bは、TDM操作の方法を導入するという点で、図4Aと異なる。説明を簡単にするために、図4Aのものと類似している図4Bのステップは、同一の参照符号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0065】
ステップS470で、通信ユニット121は、TDMの方法で決定され、ホスト110によって送信された送信シグナリングを受信する。
【0066】
ステップS440’で、超音波レンジングユニット122は、ノード120iに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信する。
【0067】
さらに、図4Aおよび図4Bが明示的な報告に関して示されている点に留意されたい。暗黙的な報告が使用される場合、ステップS420を、ステップS430の左の分岐(ビーコン分岐)に配置することができる。あるいは、ステップS430を省略することができる。
【0068】
図5は、本発明による3次元(3D)測位ステム100で使用されるように構成されたホスト110の概略構造ブロック図である。
【0069】
図5に示すように、ホスト110は、通信ユニット111と、ノード数決定ユニット112と、位置算出ユニット113とを備える。さらに、TDMの方法を使用した技術的なソリューションでは、ホスト110は、オブジェクトノード調整ユニット114(図の点線によって示される)をさらに備える。
【0070】
通信ユニット111は、ノードと通信して、ノードによって(明示的にまたは暗黙的に)報告されたノードの現在のモード、およびビーコンノードと現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を受信し、この距離は、超音波レンジング技術に従って測定され、ノードによって報告される。
【0071】
ノード数決定ユニット112は、通信ユニット111によって受信されたモード報告に基づいてビーコンノードの数を決定し、ビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるかどうかを判定する。2次元の場合、所定の数は3であり、3次元の場合、所定の数は4である。
【0072】
ビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるとノード数決定ユニット112が判定すると、位置算出ユニット113は、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。この算出は、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離(即ち超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離)、およびビーコンノードの位置に基づいて行われる。
【0073】
ビーコンノードの数が必要な所定の数未満であるとノード数決定ユニット112が判定すると、位置算出ユニット113は、オブジェクトノードの位置を算出しない。ノード数決定ユニット112は、さらなるビーコンノードからの報告を待つ。すなわち、ノード数決定ユニット112は、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。
【0074】
TDMを使用した技術的なソリューションでは、ノード数決定ユニット112は、オブジェクトノードの合計数をさらに決定する。オブジェクトノード調整ユニット114は、TDMの方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するビーコンモードがたった1つ存在するように、オブジェクトノードの合計数に基づいて、オブジェクトノードの動作タイムスロットを調整し、オブジェクトノード調整ユニット114は、対応する動作タイムスロットが対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する。通信ユニット111は、ノードと通信して、オブジェクトノード調整ユニット114によって生成された送信シグナリングを送信する。
【0075】
さらに、通信ユニット111は、ビーコンモードと通信して、位置算出ユニット113によって算出されたオブジェクトノードの位置を送信することもできる。
【0076】
図6Aは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の動作フローチャート例である。
【0077】
図6Aに示すように、ステップS600で、ホスト110は、システム座標を確立すること、必要な所定の数の最初のビーコンノードの位置を決定することなどを含む初期化プロセスを実行する。所定の数は、2次元の場合、3であり、3次元の場合、4である。
【0078】
ステップS610〜S650は、初期化プロセス後の動作状態を示す。
【0079】
ステップS610で、通信ユニット111は、ノードと通信して、ノードによって(明示的にまたは暗黙的に)報告されたノードの現在のモードを受信する。
【0080】
ステップS620において、ノード数決定ユニット112は、受信されたモード報告に基づいてビーコンノードの数を決定する。
【0081】
ステップS630において、ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数以上であるかどうかがを判定する。
【0082】
ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数(ステップS630では「N」)未満であると判定された場合、フローは、初期化ステップS600に戻り、初期化プロセスを再度実行するように、いくつかのノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ。
【0083】
ノード数決定ユニット112によって決定されたビーコンノードの数が必要な所定の数(ステップS630では「Y」)以上であると判定された場合、ステップS640で、通信ユニット111は、ノードと通信して、ビーコンノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離であって、超音波レンジング技術に従って測定され、ビーコンノードによって報告される距離を受信する。ステップS650で、位置算出ユニット113は、ビーコンノードの位置、および通信ユニット111によって受信された距離に基づいて、オブジェクトノードを位置決めするために、オブジェクトノードの位置を算出する。
【0084】
図6Bは、本発明による3次元(3D)測位システム100で使用されるように構成されたホスト110の別の動作フローチャート例である。図6Bは、TDM操作の方法を導入するという点で、図6Aと異なる。説明を簡単にするために、図6Aのステップと類似している図6Bのステップは、同一の参照符号によって識別され、その詳細な説明は省略する。
【0085】
ステップS631で、ノード数決定ユニット112は、オブジェクトノードの合計数を決定する。
【0086】
ステップS632で、オブジェクトノード調整ユニット114は、TDMの方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するビーコンモードがたった1つ存在するように、オブジェクトノードの合計数に基づいて、オブジェクトノードの動作タイムスロットを調整し、オブジェクトノード調整ユニット114は、対応する動作タイムスロットが対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する。
【0087】
ステップS633で、通信ユニット111は、ノードと通信して、オブジェクトノード調整ユニット114によって生成された送信シグナリングを送信する。
【0088】
さらに、図6Aおよび図6Bが明示的な報告に関して示されている点に留意されたい。暗黙的な報告が使用される場合、ステップS640を、ステップS610とステップS620との間、またはステップS620とステップS630との間に配置することができる。暗黙的な報告が使用される場合、すなわちモードが報告されない場合、ステップS610をステップS640と置き換えることができる。
【0089】
本発明の他の構成は、方法実施形態(最初に概要が説明され、後に詳述されている)のステップおよび操作を実行するソフトウェアプログラムを含む。より詳細には、コンピュータプログラム製品は、コード化されたコンピュータプログラムロジックを含むコンピュータ可読媒体を備えるこうした一実施形態である。コンピュータプログラムロジックは、コンピュータデバイス上で実行されると、上記の3D測位ソリューションを提供するための対応する動作を提供する。コンピュータプログラムロジックは、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、コンピューティングシステムの少なくとも1つのプロセッサが本発明の実施形態の動作(方法)を実行できるようにする。本発明のこうした構成は、通常、光媒体(例えばCD−ROM)、フロッピー若しくはハードディスク、または1つまたは複数のROM、RAM、PROMチップにおけるファームウェアまたはマイクロコードなどの他の媒体、特定用途向けIC(ASIC)、または1つまたは複数のモジュールにおけるダウンロード可能なソフトウェア画像および共有データベースなど、コンピュータ可読媒体に設けられ、または符号化されるソフトウェア、コード、および/または他のデータ構造として提供される。ソフトウェア、ハードウェア、またはこうした構成は、コンピューティングデバイスにおける1つまたは複数のプロセッサが本発明の実施形態によって記載されている技術を実行することができるように、コンピューティングデバイスに搭載することができる。例えば一群のデータ通信デバイスまたは他のエンティティにおけるコンピューティングデバイスと組み合わせて動作するソフトウェアプロセスも本発明のノードおよびホストを提供することができる。本発明によるノードおよびホストは、複数のデータ通信デバイス上の複数のソフトウェアプロセス、一群の小型の特定のコンピュータ上で稼働するすべてのソフトウェアプロセス、または単一のコンピュータ上で稼働するすべてのソフトウェアプロセスの間に分散することもできる。
【0090】
本発明の実施形態は、簡潔に言えばデータ処理デバイス、または個々のソフトウェア、および/または個々の回路上のソフトウェアプログラム、ソフトウェア、およびハードウェアとして実施することができる点に留意されたい。
【0091】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0092】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0093】
(付記1)
3次元測位システムで使用されるように構成されたノードであって、
測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、前記ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、前記ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、前記通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、
前記ノードの運動状態に基づいて、前記ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットと
を備えることを特徴とするノード。
【0094】
(付記2)
前記通信ユニットは、
さらに、前記ノードの現在のモードを前記ホストに報告するように構成されることを特徴とする付記1に記載のノード。
【0095】
(付記3)
前記通信ユニットは、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、前記ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、
前記超音波レンジングユニットは、
送信シグナリングに基づいて前記ノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される
ことを特徴とする付記2に記載のノード。
【0096】
(付記4)
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成され、
或いは
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成される
ことを特徴とする付記1から付記3の何れか1項に記載のノード。
【0097】
(付記5)
前記モード切替ユニットが、
運動検出サブユニットを備えることを特徴とする付記4に記載のノード。
【0098】
(付記6)
前記運動検出サブユニットが、
運動センサまたは慣性センサであることを特徴とする付記5に記載のノード。
【0099】
(付記7)
前記ノードの位置が既知であると決定するために、前記ノードの位置が前記ノードと前記ホストとの間の通信によって通知され、
或いは、
またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す
ことを特徴とする付記4から付記6の何れか1項に記載のノード。
【0100】
(付記8)
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストであって、
ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと、
前記通信ユニットによって受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定し、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、
前記ノード数決定ユニットが、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、前記ビーコンモードのノードによって報告される距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、
前記位置算出ユニットが、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成され、
前記通信ユニットが受信する前記距離は、
超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とするホスト。
【0101】
(付記9)
前記通信ユニットが、
前記ノードによって報告された、前記ノードの現在のモードを受信するように構成される
ことを特徴とする付記8に記載のホスト。
【0102】
(付記10)
オブジェクトノード調整ユニットをさらに備え、
前記ノード数決定ユニットが、
前記オブジェクトモードのノードの数を決定するように構成され、
前記オブジェクトノード調整ユニットが、
時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するための前記オブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、前記オブジェクトモードのノードの数に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整するように構成され、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成するように構成され、
前記通信ユニットが、
前記オブジェクトノード調整ユニットによって生成された送信シグナリングを送信するように構成される
ことを特徴とする付記9に記載のホスト。
【0103】
(付記11)
3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である
ことを特徴とする付記8から付記10の何れか1項に記載のホスト。
【0104】
(付記12)
前記ビーコンモードのノードは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、
前記オブジェクトモードのノードは、
前記オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成され、
或いは、
前記ビーコンモードのノードは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わるように構成され、
前記オブジェクトモードのノードは、
前記オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるように構成される
ことを特徴とする付記8から付記11の何れか1項に記載のホスト。
【0105】
(付記13)
前記ビーコンモードのノードの位置は、
ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、前記ホストによって最後に取得された位置である
ことを特徴とする付記12に記載のホスト。
【0106】
(付記14)
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法であって、
現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと、
受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、前記報告受信ステップで受信された距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含み、
前記報告受信ステップで受信する距離は、超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とする方法。
【0107】
(付記15)
前記報告受信ステップにおいて、
前記ノードによって報告された前記ノードの現在のモードも受信されることを特徴とする付記14に記載の方法。
【0108】
(付記16)
受信された報告に基づいて前記オブジェクトモードのノードの数を決定する第2のノード数決定ステップと、
時分割多重化(TDM)の方法で、各動作タイムスロットにおいて超音波を送信するための前記オブジェクトモードのノードがたった1つ存在するように、前記オブジェクトモードのノードの数に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの動作タイムスロットを調整し、対応する動作タイムスロットがオブジェクトモードの対応するノードに割り当てられることを示すための送信シグナリングを生成する調整ステップと、
前記調整ステップで生成された送信シグナリングを送信するシグナリング送信ステップとをさらに含む
ことを特徴とする付記15に記載の方法。
【0109】
(付記17)
3次元座標のある1つの次元が一定の座標を有する状況では、所定の数は3であり、3次元座標の状況では、所定の数は4である
ことを特徴とする付記14から付記16の何れか1項に記載の方法。
【0110】
(付記18)
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、前記ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、
前記オブジェクトモードのノードが可動状態から静止状態に移行し、その位置が既知であるとき、前記オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる
或いは、
前記ビーコンモードのノードが静止状態から可動状態に移行するとき、前記ビーコンモードのノードは、ビーコンモードからオブジェクトモードに切り替わり、
前記オブジェクトモードのノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記オブジェクトモードのノードは、オブジェクトモードからビーコンモードに切り替わる
ことを特徴とする付記14から付記17の何れか1項に記載の方法。
【0111】
(付記19)
前記ビーコンモードのノードの位置は、ノードがビーコンモードに切り替わる前にオブジェクトモードであったときに、ホストによって最後に取得された位置である
ことを特徴とする付記18に記載の方法。
【0112】
(付記20)
付記1から付記7の何れか1項に記載のノードと、
付記8から付記13の何れか1項に記載のホストと
を備えることを特徴とする3次元測位システム。
【符号の説明】
【0113】
120i:ノード
121:通信ユニット
122:超音波レンジングユニット
123:モード切替ユニット
310:可動状態
320:静止状態、および位置が既知
330:静止状態の時間≧モード切替時間の閾値、および位置が既知
110:ホスト
111:通信ユニット
112:ノード数決定ユニット
113:位置算出ユニット
114:オブジェクトノード調整ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元測位システムで使用されるように構成されたノードであって、
測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、前記ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、前記ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、前記通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、
前記ノードの運動状態に基づいて、前記ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットと
を備えることを特徴とするノード。
【請求項2】
前記通信ユニットは、
さらに、前記ノードの現在のモードを前記ホストに報告するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項3】
前記通信ユニットは、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、前記ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、
前記超音波レンジングユニットは、
送信シグナリングに基づいて前記ノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される
ことを特徴とする請求項2に記載のノード。
【請求項4】
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成され、
或いは
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のノード。
【請求項5】
前記モード切替ユニットが、
運動検出サブユニットを備えることを特徴とする請求項4に記載のノード。
【請求項6】
前記運動検出サブユニットが、
運動センサまたは慣性センサであることを特徴とする請求項5に記載のノード。
【請求項7】
前記ノードの位置が既知であると決定するために、前記ノードの位置が前記ノードと前記ホストとの間の通信によって通知され、
或いは、
またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す
ことを特徴とする請求項4から請求項6の何れか1項に記載のノード。
【請求項8】
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストであって、
ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと、
前記通信ユニットによって受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定し、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、
前記ノード数決定ユニットが、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、前記ビーコンモードのノードによって報告される距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、
前記位置算出ユニットが、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成され、
前記通信ユニットが受信する前記距離は、
超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とするホスト。
【請求項9】
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法であって、
現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと、
受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、前記報告受信ステップで受信された距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含み、
前記報告受信ステップで受信する距離は、超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載のノードと、
請求項8に記載のホストと
を備えることを特徴とする3次元測位システム。
【請求項1】
3次元測位システムで使用されるように構成されたノードであって、
測定距離をホストに報告するためにホストと通信するように構成された通信ユニットと、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成され、前記ノードがビーコンモードである場合、超音波レンジング技術に従って、前記ノードと、現在測定すべきオブジェクトノードとの間の距離を、前記通信ユニットに提供すべき測定距離として測定するように構成された超音波レンジングユニットと、
前記ノードの運動状態に基づいて、前記ノードが現在オブジェクトモードであるかビーコンモードであるかを決定するように構成されたモード切替ユニットと
を備えることを特徴とするノード。
【請求項2】
前記通信ユニットは、
さらに、前記ノードの現在のモードを前記ホストに報告するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のノード。
【請求項3】
前記通信ユニットは、
前記ノードがオブジェクトモードである場合、前記ホストによって送信される時分割多重化(TDM)の方法で決定された送信シグナリングを受信するように構成され、
前記超音波レンジングユニットは、
送信シグナリングに基づいて前記ノードに割り当てられた動作タイムスロットで、超音波レンジング技術に従って超音波を送信するように構成される
ことを特徴とする請求項2に記載のノード。
【請求項4】
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成され、
或いは
前記モード切替ユニットが、
前記ノードが可動状態にあるとき、前記ノードがオブジェクトモードであると決定するように構成され、
前記モード切替ユニットが、
前記ノードがモード切替時間の閾値以上静止状態にあり、その位置が既知であるとき、前記ノードがビーコンモードであると決定するように構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のノード。
【請求項5】
前記モード切替ユニットが、
運動検出サブユニットを備えることを特徴とする請求項4に記載のノード。
【請求項6】
前記運動検出サブユニットが、
運動センサまたは慣性センサであることを特徴とする請求項5に記載のノード。
【請求項7】
前記ノードの位置が既知であると決定するために、前記ノードの位置が前記ノードと前記ホストとの間の通信によって通知され、
或いは、
またはビーコンモードのノードによって送信された、ノードからビーコンモードのノードまでの距離を含む情報通信を受信するノードは、ノードの位置が既知であることを示す
ことを特徴とする請求項4から請求項6の何れか1項に記載のノード。
【請求項8】
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストであって、
ノードと通信して、現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信するように構成された通信ユニットと、
前記通信ユニットによって受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定し、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定するように構成されたノード数決定ユニットと、
前記ノード数決定ユニットが、前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であると決定した場合、前記ビーコンモードのノードによって報告される距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するように構成された位置算出ユニットとを備え、
前記位置算出ユニットが、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満であるとノード数決定ユニットが決定した場合、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出するのではなく、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つように構成され、
前記通信ユニットが受信する前記距離は、
超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とするホスト。
【請求項9】
3次元測位システムで使用されるように構成されたホストを動作させる方法であって、
現在測定すべきオブジェクトモードのノードと、ビーコンモードのノードによって報告されるビーコンモードのノードとの間の距離を受信する報告受信ステップと、
受信された報告に基づいて前記ビーコンモードのノードの数を決定する第1のノード数決定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上であるかどうかを判定する判定ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数未満である場合、オブジェクトモードの追加のノードがオブジェクトモードからビーコンモードに切り替わるのを待つ待機ステップと、
前記ビーコンモードのノードの数が所定の数以上である場合、前記報告受信ステップで受信された距離、および前記ビーコンモードのノードの位置に基づいて、前記オブジェクトモードのノードの位置を算出する測位ステップとを含み、
前記報告受信ステップで受信する距離は、超音波レンジング技術に従って、前記ビーコンモードのノードによって測定される
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載のノードと、
請求項8に記載のホストと
を備えることを特徴とする3次元測位システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2012−208109(P2012−208109A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−244239(P2011−244239)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244239(P2011−244239)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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