3Dディスプレイパネル及び位相板の製造方法
【課題】本発明の実施例は、互いに対向する第一基板と第二基板を含むディスプレイパネルと、位相板を含む3Dディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】この第一基板は第一偏光板を、第二基板は第二偏光板を含み、前記位相板は前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置される。本発明の実施例は他に位相板の製造方法を提供する。
【解決手段】この第一基板は第一偏光板を、第二基板は第二偏光板を含み、前記位相板は前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置される。本発明の実施例は他に位相板の製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3Dディスプレイパネル及び位相板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体ディスプレイは、ディスプレイの領域における発展方向となっている。立体ディスプレイの基本原理は視差を利用し立体効果を生み出すことにあり、即ち、使用者の左目が左目画像を、右目が右目画像を観察するようにすることである。左目、右目画像は視差のある一組の立体画像である。
【0003】
立体ディスプレイを実現する一つの方法は直列方式であり、即ち第一の時刻においてディスプレイは左目画像を表示し、このとき観察者の左目のみが表示画像を観察できるようにする。第二の時刻においてディスプレイは右目画像を表示し、このとき観察者の右目のみが表示画像を観察できるようにする。画像は目の網膜に一定時間保留されるため、左目、右目が同時に左目、右目画像を観察しているように認識され、これにより立体感が形成される。
【0004】
立体ディスプレイを実現するもう一つの方法は並列方式であり、即ち同一時刻において、ディスプレイ上の一部の画素は左目画像を表示し、別の一部の画素は右目画像を表示する。回折格子、偏光メガネ等の部品により表示された右目画像は右目のみに観察され、かつ表示された左目画像は左目のみに観察されるようにし、これにより立体感が形成される。
【0005】
偏光メガネ式立体ディスプレイは従来の立体ディスプレイ領域における主流技術であり、この技術の基本構成はディスプレイパネルの前に出射光の偏光方向を調節できる部品を設置するものである。この部品は一つの位相板または液晶セル、あるいは他の異なる画素の出射光の偏光方向を調節できる部品であることができる。位相板立体ディスプレイの原理は図1に示すように、上から下へそれぞれ、ディスプレイパネルが表示する画像、位相板、出射画像、及び観察用の偏光メガネとなる。ディスプレイパネルにおいて、一行は右目画像を表示し、次の一行は左目画像を表示する。ディスプレイパネルの前に一つの位相板を設置し、一行はλ/2遅延(λは光の波長)、次の一行は0遅延とする。画素の出射光は位相板を通り、λ/2遅延の部分に対応する画素の出射光の偏光方向が90°回転される。この場合、左目、右目の偏光方向が直交する偏光メガネを着用すれば、右目は右目画素の発する光のみ、左目は左目画素の発する光のみ観察でき、これにより立体効果が形成される。また、一行はλ/4遅延、次の一行は3λ/4遅延とする方案もある。
【0006】
様々な偏光メガネ式立体ディスプレイにおいて、位相板を使用する技術が最も好まれている。その基本構成は、ディスプレイパネル上において精密に位置合わせた後、一つの位相板を貼り付け、位相板上の異なる領域により異なる位相遅延を形成することができることを利用し、これにより異なる画素の光が異なる偏光方向で出射されるようにし、観察者が偏光メガネを着用すれば3D効果を得ることができる。
【0007】
従来では、位相板による3Dディスプレイパネルの製造方法は、まず位相板基板(例えば、ガラスまたは薄膜基材)上に位相板を作成し、そして位相板を両面テープあるいは他の粘着剤によりディスプレイパネルに貼り付けるものである。図2に示すように、その基本構造は位相板基板211上に作成した位相板2が粘着剤212によりディスプレイパネル1の上偏光板112上に貼り付けられたものである。
【0008】
前記位相板の製造工程における問題点は、位相板をディスプレイパネルに対応するように貼り付ける際、精密に対応させるのは難しく、精度が低いため、この方式により製造される3D製品は良品率が低く、クロストークが激しいこと、また一層の粘着剤212と位相板基板211を増やしたため、光の損失につながることにある。また、発光点(ディスプレイ基板上の赤、緑、青の発光点)と位相板の距離を増やしたため、視野角を狭めることになる。これらの問題は位相板式3Dディスプレイの発展の大きな妨げとなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例は、互いに対向する第一基板と第二基板を含むディスプレイパネルと、位相板を含む3Dディスプレイパネルを提供する。この第一基板は第一偏光板を、第二基板は第二偏光板を含み、前記位相板は前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置される。
【0010】
本発明の他の実施例は、ディスプレイパネルの上基板の表面に配向層を塗布するS1と、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするS2と、配向処理が完了した配向層上に反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を塗布し、前記反応性メソゲンを配向させた後硬化させ、位相板を形成するS3とを含む位相板の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術における位相板により3Dディスプレイを実現する原理を示す図である。
【図2】従来技術における貼り付けの方式により位相板を偏光板に貼り付ける構造を示す図である。
【図3A】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの一つの構造を示す図である。
【図3B】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの第二の構造を示す図である。
【図3C】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの第三の構造を示す図である。
【図3D】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの他の一つの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施例により上基板の上表面において配向層を形成した後の位相板の構造を示す図である。
【図5】本発明の実施例における位相板における配向層の配向方式の上面図、うち図5Aは配向後のストリップ状領域が垂直に配列する場合であり、図5Bは配向後のストリップ状領域が水平に配列する場合である。
【図6】本発明の実施例により配向層上にRMを塗布した後の位相板の構造を示す図である。
【図7】上基板上に位相板を形成した後の状態を示す図であり、配向層はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図8】図7のモデルの配向層上にRMを塗布した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図9】図8における一つのマザーボード上の複数のパネルを単独のパネルに切り出した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図10】上基板上において位相板配向層を形成した後の状態を示す図であり、配向層はいくつかの水平のストリップ状領域に分けられ、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図11】図10のモデルの配向層上にRMを塗布した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図12】図11における一つのマザーボード上の複数のパネルを単独のパネルに切り出した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図13】位相板を使用する方式により3D画像の表示を実現する際の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面と実施例に基づき、本発明の具体的な実施方法について更に詳細な説明を行う。以下の実施例は本発明を説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
本実施例は液晶パネルと位相板を含む3Dディスプレイを提供し、この液晶パネルは互いに対向した上基板と下基板、及び上基板と下基板の間に充填される液晶等の構成要素を含む。上基板は上偏光板、下基板は下偏光板を含む。位相板は液晶パネルの上基板の上表面を直接覆う。通常、上基板はカラーフィルタ基板、下基板はアレイ基板であり、上基板はベース基板、カラーフィルム層等、下基板はベース基板、アレイ層等を含む。しかし、上基板と下基板の構造と構成要素は実際に応じて変更しても良い。上基板のベース基板と下基板のベース基板はいずれもガラス基板または他の透明基板、例えばプラスチック基板とすることができる。上偏光板あるいは下偏光板が上基板あるいは下基板の内部に位置する場合、それらは実質上、上基板あるいは下基板の一部となることが当業者は理解すべきである。混同や誤解を招かない場合において、本発明の実施例は説明の便宜上、偏光板(上、下偏光板)を上、下基板から独立した部品として説明していることがある。説明すべきことに、本発明の各実施例及びそれに関する図面は、本発明における3Dディスプレイ及び液晶パネルに関する部品のみについて説明と図示を行うものであり、その他の本発明の設計点と無関係な部品、例えば液晶パネルのPI層(配向層)、カラーフィルムの共通電極層等については説明と図示を行っていない。
【0014】
図3Aに示すのは本実施例の一つの典型的な図示であり、本実施例において、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、具体的に、位相板2は実際には上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Aに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。上基板11はベース基板111、上偏光板112とカラーフィルム層113を含む。上偏光板112はベース基板111とカラーフィルム層113の間に位置する。下基板12はベース基板121、下偏光板122とアレイ層123を含み、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。
【0015】
図3Bに示すのは本実施例のもう一つの典型的な図示であり、同様に、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、即ち、上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Bに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。下基板12は図3Aに示す実施例と全く同じであり、ベース基板121、下偏光板122とアレイ層123を含み、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。図3Bに示す3Dディスプレイが図3Aと異なるのは、図3Bにおいて、上基板11はベース基板111、上偏光板112とカラーフィルム層113を含むが、カラーフィルム層113はベース基板111上に形成され、上偏光板112はカラーフィルム層113の下表面に設置されることである。
【0016】
図3Cに示すのは本実施例のまた一つの典型的な図示であり、同様に、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、即ち、上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Cに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。図3A、3Bに示す実施例と異なるのは、図3Cに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1はCOA構造の液晶パネルであることである。COAとは、即ちColor filter On Arrayであり、通常は上基板(カラーフィルム基板)の上に形成されるカラーフィルム層(RGB)がアレイ(Array)基板上に形成されることを指す。図3Cに示すように、本実施例において、液晶パネル1の上基板11はベース基板と上偏光板112を含み、上偏光板112はベース基板111の下表面に直接形成される。下偏光板12は下から上へ順次に、ベース基板121、下偏光板122、アレイ層123及びカラーフィルム層113を含み、即ち、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。
【0017】
図3A、3Bと3Cにおいて、上偏光板112の液晶パネル1における位置はそれぞれ異なるが、下偏光板122の液晶パネル1における位置は変わっておらず、いずれもベース基板121とアレイ層123の間に位置している。実際、下偏光板122の位置はこの位置のみに限らず、実際の必要に応じて液晶パネル内外の異なる位置、例えば従来の方法により下基板12の下表面に設置しても良い。図3Dに示すのはそのうち一つの方案である。
【0018】
図3A〜図3Dは液晶パネル1の全ての構成要素を図示していないことは、当業者が理解すべきである。また、液晶パネル1は普通のTN型、または水平電界型、VA型等、他の種の電界であっても良い。
【0019】
以上は本実施例が提供する3Dディスプレイパネルの構造であり、位相板の液晶パネルにおける構造の他、主に液晶パネルの構造に関し、特に上偏光板及び下偏光板の設置方案に関する。当業者は本発明の技術と保護範囲内において、前記内容に対し変更を行うことが可能である。以下、本実施例が提供する3Dディスプレイパネルの位相板の構造を具体的に説明する。
【0020】
本実施例における位相板2は配向層を含み、この配向層は少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられる。図4に示すのは、上基板111上において配向層21を形成した後の断面図である。
【0021】
具体的に、配向層はいくつかのストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。前記ストリップ状領域は水平、垂直あるいは他の任意の方向に沿って延びており、水平方向に延びるのが好ましい。図5A、5Bはそれぞれストリップ状領域が水平方向と垂直方向に配列する場合の配向層の上面図である。また、異なる種類のストリップ状領域は順次交互に配列しても良く、チェック状あるいは他の形状で配列しても良い。
【0022】
表示の効果を確保するため、それぞれ一行(あるいは一列)のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一行(あるいは一列)のサブピクセルの一部または全部、あるいは一行(あるいは一列)以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一行あるいは一列のサブピクセルを覆うことが好ましい。位相板に水平のストリップ状領域を用いる場合の表示効果は垂直のストリップ状領域を用いる場合より優れるため、従って最も好ましい方案は、位相板に水平のストリップ状領域を用い、かつそれぞれのストリップ状領域は丁度一行のサブピクセルを覆うものである。
【0023】
複数の領域は少なくとも二種類の異なる配向方向を含む領域であり、二種類の異なる配向方向を含むことが好ましい。二種類の異なる配向方向を含む場合、二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°とすることができ、90°であることが好ましい。さらに、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行で、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直である。前記配向方向の間の角度は90°であることが好ましいのは、従来における偏光メガネの二つのレンズの偏光方向の間の角度は90°であることを前提とした好ましい設計方案である。本実施例において、ディスプレイパネルの上偏光板、位相板、偏光メガネの三者の偏光方向が合わせば3Dディスプレイ効果を実現できることは、当業者は理解すべきである。偏光メガネの二つのレンズの偏光方向の間の角度が90°でない場合(例えば60°でも良い)、配向方向の間の好ましい角度も90°ではない(例えば60°であるのも可能)。
【0024】
実際、配向層自体により位相板の機能が実現可能であるため、本実施例の位相板2は配向層21のみを含むことができる。さらに、位相板でより優れた効果を実現するため、図に示すように、本実施例における位相板の配向層表面は一層のRM(反応性メソゲン)22に覆われている(図6に示す)。そのうちRMの英文正式名称はReactive Mesogensであり、一般的に反応性メソゲンあるいはRM反応物と称され、複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質である。具体的に、RMは液晶ポリマーあるいは他の適する物質とすることができる。前記RMは液晶ポリマーであることが好ましい。RMはその真下に位置する配向層の影響を受け配向する。硬化後の反応性メソゲンの配向方向はその真下に位置する配向層領域の配向方向と同じであるため、配向層の異なる領域に対応するように、硬化後の反応性メソゲンも配向方向の異なる複数の領域を形成する。
【0025】
本実施例は他に、前記3Dディスプレイパネルを含む3Dディスプレイ機器を提供する。この3Dディスプレイ機器はテレビ、ノートパソコン、携帯電話、PSP等の電子機器であることができる。
【0026】
本実施例の3Dディスプレイパネル及び3Dディスプレイ機器には、製造コストが低く、表示効果に優れる利点がある。
[実施例2]
【0027】
本実施例における位相板の製造方法は以下のステップを含む。
【0028】
ステップS301において、ディスプレイパネルの上基板の表面に位相板配向層を塗布する。具体的に、ディスプレイパネルの上基板の表面は実際、上基板のベース基板の表面である。この配向層の材料は上基板の上表面の材料と反応せず、かつそれに対し強い粘着力を有するものが好ましい。本発明の各実施例における偏光板(上偏光板と下偏光板を含む)は、光の偏光作用を実現できる全ての光学部品のことであり、従来の偏光板を含むがこれに限らない。
【0029】
ステップS302において、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにする。具体的な配向処理の方法は、配向層上にマスクを設置し、紫外線照射を使用し配向処理を行い、露光後の配向層が異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするものである。もちろん、具体的な配向処理の方法は前記紫外線照射を使用する方法以外、本領域において多用される他の方法であっても良い。本実施例において、例えば、配向層が二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにすることができる。具体的な配向処理の方法は、配向層上にマスクを設置し、紫外線照射を使用し配向処理を行い、露光後の配向層が異なる二種類の配向方向である複数の領域に分かれるようにするものである。例えば、二種類の配向方向の間の角度は45°〜135°とすることができ、90°であることが好ましい。さらに、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行で、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直である。前記配向方向の間の角度は90°であることが好ましいのは、従来における偏光メガネの異なるレンズの偏光方向の間の角度は90°であることを前提とした好ましい設計方案である。本実施例において、ディスプレイパネルの上偏光板、位相板、偏光メガネの三者の偏光方向が合わせば3Dディスプレイ効果を実現できることは、当業者が理解すべきである。偏光メガネの偏光方向の間の角度が90°でない場合(例えば60°でも良い)、配向方向の間の好ましい角度も90°ではない(例えば60°であるのも可能)。
【0030】
配向層において、この二種類の異なる配向方向である領域は、配向方向が異なる任意の二つの領域に分かれることができ、例えば、上基板上に所定の配向の角度が存在するいくつかのストリップ状領域を形成し、隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。ストリップ状領域は水平、垂直あるいは他の任意の方向に沿って延びるようにすることができる。異なる種類のストリップ状領域(即ち、配向方向が異なるストリップ状領域)は順次交互に配列しても良く、チェック状あるいは他の形状で配列しても良い。製造の便宜上、本実施例において配向層はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。本技術手段は一つのパネル(Panel)のみに対し実現できる。通常、パネルを製造する際、一つのマザーボード上において複数のパネルを製造するため、本技術手段は一つのマザーボード上の複数のパネルに対しても実現できる。図7に四つのパネルを製造する場合の状態を示す。図7に示すように、図7における(a)、(b)は上基板の上表面(具体的には上基板のベース基板111の上表面)において塗布及び配向を行った後の配向層21を図示し、この配向層21はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。表示の効果を確保するため、それぞれ一列のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一列のサブピクセルの一部または全部、あるいは一列以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一列のサブピクセルを覆うことが好ましい。
【0031】
S303において、配向処理が完了した配向層上にRMを塗布し、このRMを配向した後硬化させ、位相板を形成する。本実施例において、RMは液晶ポリマーである。図8における(a)、(b)に示すように、RM22は配向層21の上を覆う。RM22は硬化する前、配向層21の配向方向の影響を受けるため、RM22が硬化した後の配向方向は配向層21の配向方向と一致し、これにより位相板2を形成する。図9は切り出された後の一つのパネルの状態を示す。位相板基板による保護が得られず、切り出す工程あるいは運搬の過程において位相板を傷めることを防ぐため、ステップS303の後に位相板の表面に保護膜を一層貼り付けるステップを含むようにしても良い。
[実施例3]
【0032】
図10、11、12に示すように、本実施例における実施例2と異なる点は、ステップS302において配向層に対して配向処理を行った後、配向層はいくつかの水平のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることである。つまり、配向方向が異なるストリップ状領域は垂直方向において交互に配列する。表示の効果を確保するため、それぞれ一行のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一行のサブピクセルの一部または全部、あるいは一行以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一行のサブピクセルを覆うことが好ましい。
【0033】
位相板に水平のストリップ状領域を用いる場合の表示効果は垂直のストリップ状領域を用いる場合より優れる。図13に示すように、一つの画素のみを例に使用者の観察効果を説明する。図に示すように、一つの画素の前にはいくつかのストリップ状領域が存在し、この画素は左目画像の内容を提供するものとすると、この画素が左斜め線に沿って発する光は左目の偏光レンズにより選択されるが、右斜め線に沿って発する光はクロストークを引き起こす。図面からわかるように、配向が異なる領域が水平ストリップ状である場合、OK領域とクロストーク領域は垂直方向において交互に出現し、配向が異なる領域が垂直ストリップ状である場合、OK領域とクロストーク領域は水平方向において交互に出現する。人の両目は水平に分布しており、また上下移動するのは比較的少なく、左右移動するのは比較的多い。よって、位相板に垂直ストリップ状領域を用いる場合、OK領域とクロストーク領域は水平方向において交互に出現し、左目はOK領域に位置するが、右目はクロストーク領域に位置する、あるいは少し移動しただけでクロストーク領域に入る可能性が発生し、観賞に影響を及ぼす。位相板に水平ストリップ状領域を用いる場合、OK領域とクロストーク領域は垂直方向において交互に出現する。この場合、同じ位置に座っていれば、両目は常にOK領域に位置する。
【0034】
実際、とくに携帯端末製品において、パネルが回転した場合、画面も従って回転することが良くあり、回転後の位相板のストリップ状領域は水平から垂直、あるいは垂直から水平に変わる可能性がある。このため、実施例2と3において実現した3Dディスプレイ効果は相互に切り替えことができる。
[実施例4]
【0035】
本実施例は、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの内部に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。そのうち、上偏光板を液晶パネルの内部に形成するのは、上偏光板を液晶パネルの上基板の異なる層の表面、例えばベース基板表面、カラーフィルム層表面等に形成するものを含む。
【0036】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの上基板のベース基板とカラーフィルム層の間に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Aと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更し、例えば図3Dと同じようにしても良い。
【0037】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの上基板のカラーフィルム層の下表面に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Bと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更しても良い。
【0038】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、ベース基板、アレイ層とカラーフィルム層を含む下基板、及びベース基板を含む上基板を形成し、上偏光板を液晶パネルの上基板のベース基板の下表面に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Cと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更しても良い。
【0039】
以上からわかるように、実施例2と実施例3が提供する位相板製造方法は、実施例1に説明した様々な形式の3Dディスプレイパネルの製造に用いることができる。前記方法により製造される3Dディスプレイパネルは位相板とディスプレイパネルの対応精度及び製品良品率を高め、位相板基板と粘着剤の使用を減らし、コストを抑えるとともに、透過光の損失を減らし、可視角度を増やし、製造コストが低く、表示効果に優れる利点がある。
【0040】
以上の実現方法は本発明を説明するためのみのものであり、これを制限するものではなく、本技術分野の一般技術者は、本発明における趣旨と範囲を逸脱しないうえで変更や同等変換を加えられるため、同等な発明は全て、本発明の保護範囲に含まれるべきであり、本発明の特許保護範囲は特許請求により限定すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 液晶パネル
11 上基板
12 下基板
13 液晶層
21 配向層
22 RM
111 ベース基板
112 上偏光板
113 カラーフィルム層
121 ベース基板
122 下偏光板
123 アレイ層
【技術分野】
【0001】
本発明は3Dディスプレイパネル及び位相板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体ディスプレイは、ディスプレイの領域における発展方向となっている。立体ディスプレイの基本原理は視差を利用し立体効果を生み出すことにあり、即ち、使用者の左目が左目画像を、右目が右目画像を観察するようにすることである。左目、右目画像は視差のある一組の立体画像である。
【0003】
立体ディスプレイを実現する一つの方法は直列方式であり、即ち第一の時刻においてディスプレイは左目画像を表示し、このとき観察者の左目のみが表示画像を観察できるようにする。第二の時刻においてディスプレイは右目画像を表示し、このとき観察者の右目のみが表示画像を観察できるようにする。画像は目の網膜に一定時間保留されるため、左目、右目が同時に左目、右目画像を観察しているように認識され、これにより立体感が形成される。
【0004】
立体ディスプレイを実現するもう一つの方法は並列方式であり、即ち同一時刻において、ディスプレイ上の一部の画素は左目画像を表示し、別の一部の画素は右目画像を表示する。回折格子、偏光メガネ等の部品により表示された右目画像は右目のみに観察され、かつ表示された左目画像は左目のみに観察されるようにし、これにより立体感が形成される。
【0005】
偏光メガネ式立体ディスプレイは従来の立体ディスプレイ領域における主流技術であり、この技術の基本構成はディスプレイパネルの前に出射光の偏光方向を調節できる部品を設置するものである。この部品は一つの位相板または液晶セル、あるいは他の異なる画素の出射光の偏光方向を調節できる部品であることができる。位相板立体ディスプレイの原理は図1に示すように、上から下へそれぞれ、ディスプレイパネルが表示する画像、位相板、出射画像、及び観察用の偏光メガネとなる。ディスプレイパネルにおいて、一行は右目画像を表示し、次の一行は左目画像を表示する。ディスプレイパネルの前に一つの位相板を設置し、一行はλ/2遅延(λは光の波長)、次の一行は0遅延とする。画素の出射光は位相板を通り、λ/2遅延の部分に対応する画素の出射光の偏光方向が90°回転される。この場合、左目、右目の偏光方向が直交する偏光メガネを着用すれば、右目は右目画素の発する光のみ、左目は左目画素の発する光のみ観察でき、これにより立体効果が形成される。また、一行はλ/4遅延、次の一行は3λ/4遅延とする方案もある。
【0006】
様々な偏光メガネ式立体ディスプレイにおいて、位相板を使用する技術が最も好まれている。その基本構成は、ディスプレイパネル上において精密に位置合わせた後、一つの位相板を貼り付け、位相板上の異なる領域により異なる位相遅延を形成することができることを利用し、これにより異なる画素の光が異なる偏光方向で出射されるようにし、観察者が偏光メガネを着用すれば3D効果を得ることができる。
【0007】
従来では、位相板による3Dディスプレイパネルの製造方法は、まず位相板基板(例えば、ガラスまたは薄膜基材)上に位相板を作成し、そして位相板を両面テープあるいは他の粘着剤によりディスプレイパネルに貼り付けるものである。図2に示すように、その基本構造は位相板基板211上に作成した位相板2が粘着剤212によりディスプレイパネル1の上偏光板112上に貼り付けられたものである。
【0008】
前記位相板の製造工程における問題点は、位相板をディスプレイパネルに対応するように貼り付ける際、精密に対応させるのは難しく、精度が低いため、この方式により製造される3D製品は良品率が低く、クロストークが激しいこと、また一層の粘着剤212と位相板基板211を増やしたため、光の損失につながることにある。また、発光点(ディスプレイ基板上の赤、緑、青の発光点)と位相板の距離を増やしたため、視野角を狭めることになる。これらの問題は位相板式3Dディスプレイの発展の大きな妨げとなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例は、互いに対向する第一基板と第二基板を含むディスプレイパネルと、位相板を含む3Dディスプレイパネルを提供する。この第一基板は第一偏光板を、第二基板は第二偏光板を含み、前記位相板は前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置される。
【0010】
本発明の他の実施例は、ディスプレイパネルの上基板の表面に配向層を塗布するS1と、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするS2と、配向処理が完了した配向層上に反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を塗布し、前記反応性メソゲンを配向させた後硬化させ、位相板を形成するS3とを含む位相板の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術における位相板により3Dディスプレイを実現する原理を示す図である。
【図2】従来技術における貼り付けの方式により位相板を偏光板に貼り付ける構造を示す図である。
【図3A】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの一つの構造を示す図である。
【図3B】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの第二の構造を示す図である。
【図3C】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの第三の構造を示す図である。
【図3D】本発明の実施例により上基板の上表面において位相板を形成する3Dディスプレイの他の一つの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施例により上基板の上表面において配向層を形成した後の位相板の構造を示す図である。
【図5】本発明の実施例における位相板における配向層の配向方式の上面図、うち図5Aは配向後のストリップ状領域が垂直に配列する場合であり、図5Bは配向後のストリップ状領域が水平に配列する場合である。
【図6】本発明の実施例により配向層上にRMを塗布した後の位相板の構造を示す図である。
【図7】上基板上に位相板を形成した後の状態を示す図であり、配向層はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図8】図7のモデルの配向層上にRMを塗布した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図9】図8における一つのマザーボード上の複数のパネルを単独のパネルに切り出した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はA−Aに沿った断面図である。
【図10】上基板上において位相板配向層を形成した後の状態を示す図であり、配向層はいくつかの水平のストリップ状領域に分けられ、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図11】図10のモデルの配向層上にRMを塗布した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図12】図11における一つのマザーボード上の複数のパネルを単独のパネルに切り出した後の状態を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)はB−Bに沿った断面図である。
【図13】位相板を使用する方式により3D画像の表示を実現する際の効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面と実施例に基づき、本発明の具体的な実施方法について更に詳細な説明を行う。以下の実施例は本発明を説明するためのもので、本発明の範囲を限定するものではない。
【0013】
本実施例は液晶パネルと位相板を含む3Dディスプレイを提供し、この液晶パネルは互いに対向した上基板と下基板、及び上基板と下基板の間に充填される液晶等の構成要素を含む。上基板は上偏光板、下基板は下偏光板を含む。位相板は液晶パネルの上基板の上表面を直接覆う。通常、上基板はカラーフィルタ基板、下基板はアレイ基板であり、上基板はベース基板、カラーフィルム層等、下基板はベース基板、アレイ層等を含む。しかし、上基板と下基板の構造と構成要素は実際に応じて変更しても良い。上基板のベース基板と下基板のベース基板はいずれもガラス基板または他の透明基板、例えばプラスチック基板とすることができる。上偏光板あるいは下偏光板が上基板あるいは下基板の内部に位置する場合、それらは実質上、上基板あるいは下基板の一部となることが当業者は理解すべきである。混同や誤解を招かない場合において、本発明の実施例は説明の便宜上、偏光板(上、下偏光板)を上、下基板から独立した部品として説明していることがある。説明すべきことに、本発明の各実施例及びそれに関する図面は、本発明における3Dディスプレイ及び液晶パネルに関する部品のみについて説明と図示を行うものであり、その他の本発明の設計点と無関係な部品、例えば液晶パネルのPI層(配向層)、カラーフィルムの共通電極層等については説明と図示を行っていない。
【0014】
図3Aに示すのは本実施例の一つの典型的な図示であり、本実施例において、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、具体的に、位相板2は実際には上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Aに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。上基板11はベース基板111、上偏光板112とカラーフィルム層113を含む。上偏光板112はベース基板111とカラーフィルム層113の間に位置する。下基板12はベース基板121、下偏光板122とアレイ層123を含み、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。
【0015】
図3Bに示すのは本実施例のもう一つの典型的な図示であり、同様に、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、即ち、上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Bに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。下基板12は図3Aに示す実施例と全く同じであり、ベース基板121、下偏光板122とアレイ層123を含み、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。図3Bに示す3Dディスプレイが図3Aと異なるのは、図3Bにおいて、上基板11はベース基板111、上偏光板112とカラーフィルム層113を含むが、カラーフィルム層113はベース基板111上に形成され、上偏光板112はカラーフィルム層113の下表面に設置されることである。
【0016】
図3Cに示すのは本実施例のまた一つの典型的な図示であり、同様に、位相板2は液晶パネル1の上基板11の上表面の上を直接覆い、即ち、上基板11のベース基板111の上を直接覆う。図3Cに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1は上基板11、下基板12及びこれらの間に充填される液晶層13を含む。図3A、3Bに示す実施例と異なるのは、図3Cに示す3Dディスプレイにおいて、液晶パネル1はCOA構造の液晶パネルであることである。COAとは、即ちColor filter On Arrayであり、通常は上基板(カラーフィルム基板)の上に形成されるカラーフィルム層(RGB)がアレイ(Array)基板上に形成されることを指す。図3Cに示すように、本実施例において、液晶パネル1の上基板11はベース基板と上偏光板112を含み、上偏光板112はベース基板111の下表面に直接形成される。下偏光板12は下から上へ順次に、ベース基板121、下偏光板122、アレイ層123及びカラーフィルム層113を含み、即ち、下偏光板122はベース基板121とアレイ層123の間に位置する。
【0017】
図3A、3Bと3Cにおいて、上偏光板112の液晶パネル1における位置はそれぞれ異なるが、下偏光板122の液晶パネル1における位置は変わっておらず、いずれもベース基板121とアレイ層123の間に位置している。実際、下偏光板122の位置はこの位置のみに限らず、実際の必要に応じて液晶パネル内外の異なる位置、例えば従来の方法により下基板12の下表面に設置しても良い。図3Dに示すのはそのうち一つの方案である。
【0018】
図3A〜図3Dは液晶パネル1の全ての構成要素を図示していないことは、当業者が理解すべきである。また、液晶パネル1は普通のTN型、または水平電界型、VA型等、他の種の電界であっても良い。
【0019】
以上は本実施例が提供する3Dディスプレイパネルの構造であり、位相板の液晶パネルにおける構造の他、主に液晶パネルの構造に関し、特に上偏光板及び下偏光板の設置方案に関する。当業者は本発明の技術と保護範囲内において、前記内容に対し変更を行うことが可能である。以下、本実施例が提供する3Dディスプレイパネルの位相板の構造を具体的に説明する。
【0020】
本実施例における位相板2は配向層を含み、この配向層は少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられる。図4に示すのは、上基板111上において配向層21を形成した後の断面図である。
【0021】
具体的に、配向層はいくつかのストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。前記ストリップ状領域は水平、垂直あるいは他の任意の方向に沿って延びており、水平方向に延びるのが好ましい。図5A、5Bはそれぞれストリップ状領域が水平方向と垂直方向に配列する場合の配向層の上面図である。また、異なる種類のストリップ状領域は順次交互に配列しても良く、チェック状あるいは他の形状で配列しても良い。
【0022】
表示の効果を確保するため、それぞれ一行(あるいは一列)のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一行(あるいは一列)のサブピクセルの一部または全部、あるいは一行(あるいは一列)以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一行あるいは一列のサブピクセルを覆うことが好ましい。位相板に水平のストリップ状領域を用いる場合の表示効果は垂直のストリップ状領域を用いる場合より優れるため、従って最も好ましい方案は、位相板に水平のストリップ状領域を用い、かつそれぞれのストリップ状領域は丁度一行のサブピクセルを覆うものである。
【0023】
複数の領域は少なくとも二種類の異なる配向方向を含む領域であり、二種類の異なる配向方向を含むことが好ましい。二種類の異なる配向方向を含む場合、二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°とすることができ、90°であることが好ましい。さらに、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行で、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直である。前記配向方向の間の角度は90°であることが好ましいのは、従来における偏光メガネの二つのレンズの偏光方向の間の角度は90°であることを前提とした好ましい設計方案である。本実施例において、ディスプレイパネルの上偏光板、位相板、偏光メガネの三者の偏光方向が合わせば3Dディスプレイ効果を実現できることは、当業者は理解すべきである。偏光メガネの二つのレンズの偏光方向の間の角度が90°でない場合(例えば60°でも良い)、配向方向の間の好ましい角度も90°ではない(例えば60°であるのも可能)。
【0024】
実際、配向層自体により位相板の機能が実現可能であるため、本実施例の位相板2は配向層21のみを含むことができる。さらに、位相板でより優れた効果を実現するため、図に示すように、本実施例における位相板の配向層表面は一層のRM(反応性メソゲン)22に覆われている(図6に示す)。そのうちRMの英文正式名称はReactive Mesogensであり、一般的に反応性メソゲンあるいはRM反応物と称され、複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質である。具体的に、RMは液晶ポリマーあるいは他の適する物質とすることができる。前記RMは液晶ポリマーであることが好ましい。RMはその真下に位置する配向層の影響を受け配向する。硬化後の反応性メソゲンの配向方向はその真下に位置する配向層領域の配向方向と同じであるため、配向層の異なる領域に対応するように、硬化後の反応性メソゲンも配向方向の異なる複数の領域を形成する。
【0025】
本実施例は他に、前記3Dディスプレイパネルを含む3Dディスプレイ機器を提供する。この3Dディスプレイ機器はテレビ、ノートパソコン、携帯電話、PSP等の電子機器であることができる。
【0026】
本実施例の3Dディスプレイパネル及び3Dディスプレイ機器には、製造コストが低く、表示効果に優れる利点がある。
[実施例2]
【0027】
本実施例における位相板の製造方法は以下のステップを含む。
【0028】
ステップS301において、ディスプレイパネルの上基板の表面に位相板配向層を塗布する。具体的に、ディスプレイパネルの上基板の表面は実際、上基板のベース基板の表面である。この配向層の材料は上基板の上表面の材料と反応せず、かつそれに対し強い粘着力を有するものが好ましい。本発明の各実施例における偏光板(上偏光板と下偏光板を含む)は、光の偏光作用を実現できる全ての光学部品のことであり、従来の偏光板を含むがこれに限らない。
【0029】
ステップS302において、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにする。具体的な配向処理の方法は、配向層上にマスクを設置し、紫外線照射を使用し配向処理を行い、露光後の配向層が異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするものである。もちろん、具体的な配向処理の方法は前記紫外線照射を使用する方法以外、本領域において多用される他の方法であっても良い。本実施例において、例えば、配向層が二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにすることができる。具体的な配向処理の方法は、配向層上にマスクを設置し、紫外線照射を使用し配向処理を行い、露光後の配向層が異なる二種類の配向方向である複数の領域に分かれるようにするものである。例えば、二種類の配向方向の間の角度は45°〜135°とすることができ、90°であることが好ましい。さらに、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行で、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直である。前記配向方向の間の角度は90°であることが好ましいのは、従来における偏光メガネの異なるレンズの偏光方向の間の角度は90°であることを前提とした好ましい設計方案である。本実施例において、ディスプレイパネルの上偏光板、位相板、偏光メガネの三者の偏光方向が合わせば3Dディスプレイ効果を実現できることは、当業者が理解すべきである。偏光メガネの偏光方向の間の角度が90°でない場合(例えば60°でも良い)、配向方向の間の好ましい角度も90°ではない(例えば60°であるのも可能)。
【0030】
配向層において、この二種類の異なる配向方向である領域は、配向方向が異なる任意の二つの領域に分かれることができ、例えば、上基板上に所定の配向の角度が存在するいくつかのストリップ状領域を形成し、隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。ストリップ状領域は水平、垂直あるいは他の任意の方向に沿って延びるようにすることができる。異なる種類のストリップ状領域(即ち、配向方向が異なるストリップ状領域)は順次交互に配列しても良く、チェック状あるいは他の形状で配列しても良い。製造の便宜上、本実施例において配向層はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。本技術手段は一つのパネル(Panel)のみに対し実現できる。通常、パネルを製造する際、一つのマザーボード上において複数のパネルを製造するため、本技術手段は一つのマザーボード上の複数のパネルに対しても実現できる。図7に四つのパネルを製造する場合の状態を示す。図7に示すように、図7における(a)、(b)は上基板の上表面(具体的には上基板のベース基板111の上表面)において塗布及び配向を行った後の配向層21を図示し、この配向層21はいくつかの垂直のストリップ状領域に分けられ、隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なる。表示の効果を確保するため、それぞれ一列のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一列のサブピクセルの一部または全部、あるいは一列以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一列のサブピクセルを覆うことが好ましい。
【0031】
S303において、配向処理が完了した配向層上にRMを塗布し、このRMを配向した後硬化させ、位相板を形成する。本実施例において、RMは液晶ポリマーである。図8における(a)、(b)に示すように、RM22は配向層21の上を覆う。RM22は硬化する前、配向層21の配向方向の影響を受けるため、RM22が硬化した後の配向方向は配向層21の配向方向と一致し、これにより位相板2を形成する。図9は切り出された後の一つのパネルの状態を示す。位相板基板による保護が得られず、切り出す工程あるいは運搬の過程において位相板を傷めることを防ぐため、ステップS303の後に位相板の表面に保護膜を一層貼り付けるステップを含むようにしても良い。
[実施例3]
【0032】
図10、11、12に示すように、本実施例における実施例2と異なる点は、ステップS302において配向層に対して配向処理を行った後、配向層はいくつかの水平のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることである。つまり、配向方向が異なるストリップ状領域は垂直方向において交互に配列する。表示の効果を確保するため、それぞれ一行のサブピクセル上は一種類のみのストリップ状領域(即ち、一種類の配向方向である領域)で覆い、それぞれのストリップ状領域は一行のサブピクセルの一部または全部、あるいは一行以上のサブピクセルを覆うようにしても良い。それぞれのストリップ状領域は丁度、一行のサブピクセルを覆うことが好ましい。
【0033】
位相板に水平のストリップ状領域を用いる場合の表示効果は垂直のストリップ状領域を用いる場合より優れる。図13に示すように、一つの画素のみを例に使用者の観察効果を説明する。図に示すように、一つの画素の前にはいくつかのストリップ状領域が存在し、この画素は左目画像の内容を提供するものとすると、この画素が左斜め線に沿って発する光は左目の偏光レンズにより選択されるが、右斜め線に沿って発する光はクロストークを引き起こす。図面からわかるように、配向が異なる領域が水平ストリップ状である場合、OK領域とクロストーク領域は垂直方向において交互に出現し、配向が異なる領域が垂直ストリップ状である場合、OK領域とクロストーク領域は水平方向において交互に出現する。人の両目は水平に分布しており、また上下移動するのは比較的少なく、左右移動するのは比較的多い。よって、位相板に垂直ストリップ状領域を用いる場合、OK領域とクロストーク領域は水平方向において交互に出現し、左目はOK領域に位置するが、右目はクロストーク領域に位置する、あるいは少し移動しただけでクロストーク領域に入る可能性が発生し、観賞に影響を及ぼす。位相板に水平ストリップ状領域を用いる場合、OK領域とクロストーク領域は垂直方向において交互に出現する。この場合、同じ位置に座っていれば、両目は常にOK領域に位置する。
【0034】
実際、とくに携帯端末製品において、パネルが回転した場合、画面も従って回転することが良くあり、回転後の位相板のストリップ状領域は水平から垂直、あるいは垂直から水平に変わる可能性がある。このため、実施例2と3において実現した3Dディスプレイ効果は相互に切り替えことができる。
[実施例4]
【0035】
本実施例は、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの内部に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。そのうち、上偏光板を液晶パネルの内部に形成するのは、上偏光板を液晶パネルの上基板の異なる層の表面、例えばベース基板表面、カラーフィルム層表面等に形成するものを含む。
【0036】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの上基板のベース基板とカラーフィルム層の間に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Aと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更し、例えば図3Dと同じようにしても良い。
【0037】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、上偏光板を液晶パネルの上基板のカラーフィルム層の下表面に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Bと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更しても良い。
【0038】
本実施例は他に、液晶パネルを形成する際、ベース基板、アレイ層とカラーフィルム層を含む下基板、及びベース基板を含む上基板を形成し、上偏光板を液晶パネルの上基板のベース基板の下表面に形成する3Dディスプレイパネルの製造方法を提供する。また、実施例2あるいは3に説明した位相板製造方法による位相板の製造を含む。この方法により製造される3Dディスプレイの構造は図3Cと同じものであることができ、もちろん、下偏光板の位置を更に変更しても良い。
【0039】
以上からわかるように、実施例2と実施例3が提供する位相板製造方法は、実施例1に説明した様々な形式の3Dディスプレイパネルの製造に用いることができる。前記方法により製造される3Dディスプレイパネルは位相板とディスプレイパネルの対応精度及び製品良品率を高め、位相板基板と粘着剤の使用を減らし、コストを抑えるとともに、透過光の損失を減らし、可視角度を増やし、製造コストが低く、表示効果に優れる利点がある。
【0040】
以上の実現方法は本発明を説明するためのみのものであり、これを制限するものではなく、本技術分野の一般技術者は、本発明における趣旨と範囲を逸脱しないうえで変更や同等変換を加えられるため、同等な発明は全て、本発明の保護範囲に含まれるべきであり、本発明の特許保護範囲は特許請求により限定すべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 液晶パネル
11 上基板
12 下基板
13 液晶層
21 配向層
22 RM
111 ベース基板
112 上偏光板
113 カラーフィルム層
121 ベース基板
122 下偏光板
123 アレイ層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第一基板と第二基板を含むディスプレイパネルと、
位相板と、
を含む3Dディスプレイパネルであって、
前記第一基板は第一偏光板を、前記第二基板は第二偏光板をそれぞれ含み、前記位相板は前記第一基板の前記第二基板と反対側の表面上に直接設置されることを特徴とする3Dディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第一基板は第一ベース基板を含み、前記第一偏光板は前記第一ベース基板の第二基板に面する側に設置され、前記位相板は前記第一ベース基板の前記第二基板と反対側の表面上に設置されることを特徴とする請求項1記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第一基板はカラーフィルム基板であり、前記第一基板は更にカラーフィルム層を含み、前記カラーフィルム層と前記第一偏光板とはこの順で、あるいはこれと逆の順で前記第一ベース基板の前記第二基板に対向する側に形成されることを特徴とする請求項2記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項4】
前記位相板は配向層を含み、前記配向層は、前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置され、かつ少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項5】
前記配向層は、二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられることを特徴とする請求項4記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項6】
前記二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°であることを特徴とする請求項5記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項7】
前記二種類の異なる配向方向のうち、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行し、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直することを特徴とする請求項5あるいは6記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項8】
前記配向層の、二種類の異なる配向方向である領域は、垂直または水平のストリップ状領域であり、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることを特徴とする請求項5あるいは6記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項9】
前記位相板は、前記配向層表面に設置される一層の反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を含み、前記反応性メソゲンは複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質であることを特徴とする請求項4から8のいずれか1項記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項10】
ディスプレイパネルの上基板の表面に配向層を塗布するステップS1と、
前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするステップS2と、
配向処理が完了した配向層上に反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を塗布し、前記反応性メソゲンを配向させた後硬化させ、位相板を形成するステップS3と、
を含む位相板製造方法。
【請求項11】
前記ステップS2において、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにすることを特徴とする請求項10記載の位相板製造方法。
【請求項12】
二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°であることを特徴とする請求項11記載の位相板製造方法。
【請求項13】
二種類の異なる配向方向のうち、一つの配向方向は前記ディスプレイパネルの上偏光板の出射光の偏光方向と平行し、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直することを特徴とする請求項12記載の位相板製造方法。
【請求項14】
前記ステップS2において配向層に対して配向処理を行った後、配向層はいくつかの垂直あるいは水平のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の位相板製造方法。
【請求項15】
前記反応性メソゲンは複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質であることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の位相板製造方法。
【請求項1】
互いに対向する第一基板と第二基板を含むディスプレイパネルと、
位相板と、
を含む3Dディスプレイパネルであって、
前記第一基板は第一偏光板を、前記第二基板は第二偏光板をそれぞれ含み、前記位相板は前記第一基板の前記第二基板と反対側の表面上に直接設置されることを特徴とする3Dディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第一基板は第一ベース基板を含み、前記第一偏光板は前記第一ベース基板の第二基板に面する側に設置され、前記位相板は前記第一ベース基板の前記第二基板と反対側の表面上に設置されることを特徴とする請求項1記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第一基板はカラーフィルム基板であり、前記第一基板は更にカラーフィルム層を含み、前記カラーフィルム層と前記第一偏光板とはこの順で、あるいはこれと逆の順で前記第一ベース基板の前記第二基板に対向する側に形成されることを特徴とする請求項2記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項4】
前記位相板は配向層を含み、前記配向層は、前記第一基板における前記第二基板の反対側の表面上に直接設置され、かつ少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項5】
前記配向層は、二種類の異なる配向方向である複数の領域に分けられることを特徴とする請求項4記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項6】
前記二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°であることを特徴とする請求項5記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項7】
前記二種類の異なる配向方向のうち、一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と平行し、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直することを特徴とする請求項5あるいは6記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項8】
前記配向層の、二種類の異なる配向方向である領域は、垂直または水平のストリップ状領域であり、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることを特徴とする請求項5あるいは6記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項9】
前記位相板は、前記配向層表面に設置される一層の反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を含み、前記反応性メソゲンは複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質であることを特徴とする請求項4から8のいずれか1項記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項10】
ディスプレイパネルの上基板の表面に配向層を塗布するステップS1と、
前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が少なくとも二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにするステップS2と、
配向処理が完了した配向層上に反応性メソゲン(Reactive Mesogens)を塗布し、前記反応性メソゲンを配向させた後硬化させ、位相板を形成するステップS3と、
を含む位相板製造方法。
【請求項11】
前記ステップS2において、前記配向層に対して配向処理を行い、配向層が二種類の異なる配向方向である複数の領域に分かれるようにすることを特徴とする請求項10記載の位相板製造方法。
【請求項12】
二種類の異なる配向方向の間の角度は45°〜135°であることを特徴とする請求項11記載の位相板製造方法。
【請求項13】
二種類の異なる配向方向のうち、一つの配向方向は前記ディスプレイパネルの上偏光板の出射光の偏光方向と平行し、もう一つの配向方向は上偏光板の出射光の偏光方向と垂直することを特徴とする請求項12記載の位相板製造方法。
【請求項14】
前記ステップS2において配向層に対して配向処理を行った後、配向層はいくつかの垂直あるいは水平のストリップ状領域に分けられ、かつ隣接する二つのストリップ状領域の配向方向は異なることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の位相板製造方法。
【請求項15】
前記反応性メソゲンは複屈折性を備え、配向と硬化を行うことができる物質であることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の位相板製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−252335(P2012−252335A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−124172(P2012−124172)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【出願人】(510280589)京東方科技集團股▲ふん▼有限公司 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【出願人】(510280589)京東方科技集團股▲ふん▼有限公司 (35)
【Fターム(参考)】
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