説明

3DMMICバラン及びその製造方法

3次元(3D)モノリシック集積回路(MMIC)バラン、及びその製造方法が提供される。螺旋状の一次巻線は、ギャップによって第2の一次巻線と間隔をおいて、実質的に整列された積層構成として配置され、バランを形成する。ギャップの媒体は、複数金属の処理を使用する場合には低誘電率材料、或いはウェハレベルパッケージング処理を使用する場合には空気とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的にはエレクトロニクスに関し、より詳細には3次元(3D)マイクロ波モノリシック集積回路(MMIC、microwave monolithic integrated circuit)バラン、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バランは、平衡入力から不平衡出力への変換、またはその逆の変換のために、電気及び電子工学において広く用いられている。無線周波数(RF)及びマイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)では、バランは一般に、例えばプッシュプル式の低雑音増幅器(LNA)やダブルバランストミキサを設計するために用いられる。バランは、回路の全体的な性能の決定において最も重要な構成要素の1つとなる可能性がある。例えばそれは、プッシュプル構成の増幅器に対して高いリニアリティ性能を可能にする。さらに、多くの最新の電子システムは、軍事的用途でも商業的用途でも、かなり広い周波数帯域にわたって動作可能なバランを必要とする。しかし、報告されているMMICの広帯域バランのほとんどは、オクターブ帯域またはそれより小さいものであり、高い挿入損失を伴う。
【0003】
バランを含む典型的な設計は、同一面上に構成された一次巻線及び二次巻線を有している。動作可能ではあるが、こうした平面的なバランの設計は、低い自己共振周波数または大きい寄生容量のために、帯域幅がきわめて限られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの技術的障害を克服するために、一定の広帯域バランを実装する必要がある。例えば通常のMMIC処理におけるバランの設計は、バランの巻線の低い自己共振周波数(SRF)並びに低いQのために、しばしばかなりの制限を受ける。他の難点は、動作帯域をかなり低い周波数まで拡張するには巻線の巻き数を増やす必要があるため、それが難しいことである。巻き数が増えると、きわめて望ましくない寄生容量が生じ、それがバランの自己共振周波数を著しく低下させる。結果として、動作帯域幅が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、3次元(3D)マイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)バランが提供される。3D MMICバランは、双螺旋状の二次巻線と、双螺旋状の一次巻線であって、双螺旋状の二次巻線が選択可能な距離を有するギャップによって該双螺旋状の一次巻線と間隔をおいて配置された積層構成として配置される双螺旋状の一次巻線とを備えている。ギャップは、双螺旋状の二次巻線と双螺旋状の一次巻線の両方の少なくとも実質的な領域にわたって広がっている。
【0006】
本発明の他の態様では、3Dマイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)バランが提供される。MMICバランは、第1のウェハの上に配設された二次巻線、及び第2のウェハの上に配設された一次巻線を備えている。第1及び第2のウェハは、二次巻線が選択可能な距離を有するエアギャップによって一次巻線と間隔をおいて配置された積層構成として配置される。
【0007】
本発明のさらに他の態様では、3D MMICバランを形成する方法が提供される。その方法は、第1の面の上に双螺旋状の二次巻線を形成すること、及び、第1の面から実質的に平行であり、かつ第1の面からのギャップによって双螺旋部と間隔をおいて配置された第2の面の上に、双螺旋状の一次巻線を形成することを含み、双螺旋状の二次巻線及び双螺旋状の一次巻線は、実質的に積層構成として整列される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は3次元(3D)MMICバラン及びその製造方法に関する。螺旋状の一次巻線がギャップによって二次巻線と間隔をおいて実質的に整列された積層構成として配置され、バランを形成する。ギャップの媒体は、複数金属の処理を使用する場合には低誘電率材料とすることができ、ウェハレベルパッケージング処理を使用する場合には空気とすることができる。
【0009】
図1は、本発明の一態様による3次元(3D)MMICバラン10の斜視図を示している。図1のバラン10は、複数オクターブの帯域幅を発生させることができる、センタタップ式の差動広帯域バランである。バラン10は、第1の面に沿って配設された双螺旋状の一次巻線12、及び選択可能な距離Dを有するギャップ15によって間隔をおいて配置された第2の面に沿って配設された、双螺旋状の二次巻線14を含んでいる。第1の面は実質的に第2の面に対して平行であり、したがって、ギャップ15は実質的に、双螺旋状の一次巻線12と双螺旋状の二次巻線14の両方の領域全体にわたって広がっている。一次巻線12は、二次巻線14の第1の螺旋部22の上または下に積み重ねられ、実質的にそれと整列させた第1の螺旋部16、及び二次巻線14の第2の螺旋部24の上または下に積み重ねられ、実質的にそれと整列させた第2の螺旋部18を有している。螺旋状の一次巻線12及び二次巻線14が双螺旋状の構成であること並びにそれらが実質的に整列していることによって、一次巻線12及び二次巻線14の自己インダクタンス並びに相互インダクタンスが高められ、バランは高い周波数(例えば約20GHz)だけではなく、低い周波数(例えば1GHz)でも動作することが可能になる。3D MMICバラン10の3D積層構造によって、平坦な相手側部品に対する外面部がかなり小さくなる。
【0010】
シングルエンド型の入力信号からディファレンシャル型の出力信号を与えるために、一次巻線12は入力部20を有し、二次巻線14は、第1の出力部26及び第2の出力部28を有している。第2の出力部28は、第1の出力部26に与えられる出力信号から位相が180°ずれた出力信号を与える。巻線比は、ほぼ同じ入力インピーダンス及び出力インピーダンスを得るように調整することができる。積重ね構造の構成によって、バラン10の寸法を小さくすることも可能であり、また所与のシステムの他のMMIC回路と共にオンチップの形に集積することができる。例えば、一次巻線12及び二次巻線14は、約200ミクロンから約400ミクロンの幅、及び約200ミクロンから約400ミクロンの長さを有することができる。したがって、MMIC処理との適合性、低コスト及び信頼性によって、多くの電子システムに対して理想的な候補となる。
【0011】
図2は、図1の双螺旋状の一次巻線12の表面の平面図を示している。一次巻線12は、双螺旋状の一次巻線12の第1の螺旋部16の第1の端部まで配線された入力部20を含んでいる。双螺旋状の一次巻線の第1の螺旋部16の第2の端部は、第2の螺旋部18の第1の端部に結合されている。双螺旋状の一次巻線12の第2の螺旋部18の第2の端部は、接地面17に結合されている。接地面17は双螺旋状の一次巻線12を囲み、双螺旋状の一次巻線12を他の回路から電気的に分離している。
【0012】
図3は、図1の双螺旋状の二次巻線14の表面の平面図を示している。二次巻線14は、接地面25に結合された、第1の螺旋部22の第1の端部及び第2の螺旋部24の第1の端部を含んでいる。双螺旋状の二次巻線14の第1の螺旋部22の第2の端部は、第1の出力部26として設けられている。双螺旋状の二次巻線14の第2の螺旋部24の第2の端部は、第2の出力部28として設けられている。接地面25は双螺旋状の二次巻線14を囲み、双螺旋状の二次巻線14を他の回路から電気的に分離している。
【0013】
図1に示されるように、双螺旋状の一次巻線12の表面は、距離Dのギャップ15によって隔てられた双螺旋状の二次巻線14の表面と向かい合っており、一次巻線12の第1の螺旋部16は、二次巻線14の第1の螺旋部22の上または下に積み重ねられ、実質的にそれと整列され、また一次巻線12の第2の螺旋部18は、二次巻線14の第2の螺旋部24の上または下に積み重ねられ、実質的にそれと整列されている。本発明の一態様では、複数金属のMMIC処理において低誘電率材料を使用することによって、双螺旋状の二次巻線14と双螺旋状の一次巻線12の間にギャップ15を形成することができる(例えば、約2ミクロンから12ミクロン)。
【0014】
本発明の他の態様では、一次巻線12を第1のウェハの上に形成し、二次巻線14を第2のウェハの上に形成するようにウェハレベルパッケージング(WLP)を使用することによって、ギャップ15を形成することができる。その場合、所望の周波数範囲に基づいてギャップ15について選択された距離を得るように、第1及び第2のウェハをボンディングポストによって積み重ね、分離する。この実施形態では、一次巻線と二次巻線の間の誘電体は、誘電率が1である空気であり、一次巻線と二次巻線の間の寄生容量及びシャント容量を低減して、実質的に高い周波数と低い周波数の動作比が約10:1から約20:1(例えば18:1)である、広帯域周波数バランの動作を可能にする。ギャップは、約2ミクロンから約12ミクロンとすることができる。しかし所望の実装形態に基づいて、ギャップを12ミクロンより大きくすることもできる。
【0015】
WLPは、比較的新しいタイプのMMICパッケージング技術であり、他の手法では得ることができない高性能の広帯域幅バランの設計を可能にする。WLP技術では、2つのウェハは別々に製造される。それらは、InP、GaN、GaAs、Si、SiGe、石英または任意の有望な材料など、半導体材料または技術の任意の組合せを用いることができる。これにより、様々な半導体技術を利用して、様々な処理によって与えられる利点を十分に活用することが可能になる。次に2つのウェハは、実質的に正確に整列した状態で互いの表面に面して組み立てられる。2つのウェハは、ボンディングポストで一緒に接続される。結果として、これら2つのウェハの間にエアギャップが作成される。低誘電率媒体である空気を使用すると、寄生容量が低減される。寄生容量が低いほど、自己共振周波数(SRF)は高く、挿入損失は低く、またQは低くなり、従来の手法に比べてきわめて広い帯域幅が得られる。さらに、ウェハレベルパッケージングを使用すると、プリント配線板の手法と比べてより狭い許容誤差を得ることができるため、出力位相及び振幅平衡を著しく改善することができる。
【0016】
図4は、本発明の一態様に従って、ウェハレベルパッケージングを使用して形成された3D MMICバラン40を示している。一次巻線46が第1のウェハ42の上に製造され、二次巻線48が第2のウェハ44の上に製造されている。第1のウェハ42、したがって一次巻線46は、複数のボンディングポスト50を使用して選択可能な距離Dを有するギャップ52により、第2のウェハ44、したがって二次巻線48から隔てられている。ボンディングポストの高さは、距離Dを選択するように選択することが可能であり、またそれを用いて第1のウェハ42を第2のウェハ44に結合することができる。距離Dは、特定の実装形態に基づいて選択することができる。ウェハレベルパッケージングを使用すると、互いの上面に面して積み重ねられた2つの異なるウェハ上の一次巻線46と二次巻線48の間に、選択可能なエアギャップを設けることができる。
【0017】
一次巻線及び二次巻線の実質的な部分にわたるエアギャップは、一次巻線と二次巻線の間に最適な誘電媒体を形成し、その結果、他の誘電媒体と比べて最も低い量のシャント容量及び寄生容量が得られる。エアギャップを、図1〜図3に示した双螺旋状の一次巻線及び双螺旋状の二次巻線のバラン構成と組み合わせて使用すると、実質的に高い周波数と低い周波数の動作比が約10:1から約20:1(例えば18:1)になり、約2ミクロンから約12ミクロンのエアギャップに対して複数オクターブの帯域幅を発生させることができる、センタタップ式の一定の差動広帯域バランが提供されることが見出されている。本発明の一態様では、ウェハレベルパッケージングによる双螺旋状のバラン構成は、約1GHzから約20GHzで動作することが可能である。本発明の他の態様では、ウェハレベルパッケージングによる双螺旋状のバラン構成は、約500MHzから約10GHzで動作することが可能である。
【0018】
ウェハレベルパッケージング手法の使用は、単一の一次巻線及び二次巻線のバラン構成、誘電媒体として選択可能なエアギャップを使用するインピーダンスバランなど、様々な異なるMMICバランのタイプを製造するために採用することが可能であることを理解されたい。また、第1のウェハ42及び第2のウェハ44、或いはバランを用いてシングルチップ集積を電気的に実施する他のウェハの上に、他のタイプの動作可能な電気回路を製造することが可能であることを理解されたい。
【0019】
図5は、本発明の一態様に従って、複数金属の処理を用いて製造された3Dの双螺旋状のバラン構成のバラン70を示している。第1の誘電体層74が、半導体基板72の上に形成されている。例えば第1の誘電体層74の上に金属を堆積させ、双螺旋状の二次巻線80をエッチングすることによって、第1の誘電体層74の上に双螺旋状の二次巻線80が形成される。双螺旋状の二次巻線80は、第1の出力部86を備えた第1の螺旋部82、及び第2の出力部88を備えた第2の螺旋部84を有している。第1の螺旋部82及び第2の螺旋部84は互いに隣接して配設され、また互いに電気的に分離されている。二次巻線80の上には、双螺旋状の一次巻線90と双螺旋状の二次巻線80との間の所望のギャップに基づいて選択された厚みを有する第2の誘電体層76が堆積されている。
【0020】
例えば第2の誘電体層76の上に金属を堆積させ、双螺旋状の一次巻線90をエッチングすることによって、第2の誘電体層76の上に双螺旋状の一次巻線90が形成されている。双螺旋状の一次巻線90は、入力部98として設けられた第1の端部を備えた第1の螺旋部92を有している。第1の螺旋部92の第2の端部は、電気コネクタまたはトレース96を介して第2の螺旋部94の第1の端部に電気的に結合され、第2の螺旋部94の第2の端部は接地面に結合されている。第1の螺旋部92及び第2の螺旋部94は互いに隣接して配設され、双螺旋状の一次巻線90の第1の螺旋部92は、双螺旋状の二次巻線80の第1の螺旋部82の上に配設され、実質的にそれと整列しており、また双螺旋状の一次巻線90の第2の螺旋部94は、双螺旋状の二次巻線80の第2の螺旋部84の上に配設され、実質的にそれと整列している。双螺旋状の一次巻線90の上に第3の誘電体層78を堆積させて、3Dの双螺旋構成のバラン70の製造を完了する。第1のウェハ42及び第2のウェハ44、或いは双螺旋状のバラン構成のバラン70に電気的に結合された他のウェハの上に、他の電気回路を製造することが可能であることを理解されたい。
【0021】
前述の構造上及び機能上の特徴を考慮すると、図6〜図7を参照することによって本発明の様々な態様による方法がより適切に理解されるであろう。説明を簡潔にするために、図6〜図7の方法は連続的に実施するものとして図示及び記載されているが、本発明に従って幾つかの態様を異なる順序で、及び/または本明細書に図示及び記載されたものからの他の態様を同時に用いて実施することが可能であるため、本発明は示された順序によって限定されないことを理解及び認識されたい。さらに、本発明の態様による方法を実施するのに、示されたすべての特徴を必要としないこともある。
【0022】
図6は、本発明の一態様に従って3D MMICバランを形成する方法を示している。100では、第1のウェハの上にMMICの一次巻線が製造される。110では、第2のウェハの上にMMICの二次巻線が製造される。一次巻線及び二次巻線は、単螺旋構成または双螺旋構成とすることができる。120では、所望の実装形態に基づいてギャップ距離(例え、約2ミクロンから約12ミクロン)が選択される。130では、第1のウェハ及び第2のウェハが、選択されたギャップ距離によって隔てられた一次巻線及び二次巻線のそれぞれの巻線を実質的に整列させるように積み重ねられ結合される。140では、MMICバランは、増幅器、ミキサまたは発振器などの回路の実装形態に組み込まれる。
【0023】
図7は、本発明の一態様に従って、3D MMICバランを形成する他の方法を示している。200では、第1の層の上にMMICの双螺旋状の二次巻線が形成される。第1の層は、誘電体層の上に配設された金属層とすることができる。或いは、第1の層は第1のウェハとして存在することもできる。210では、所望の実装形態に基づいてギャップ距離が選択される。ギャップ内の媒体は、金属層の処理では低Κの誘電体、或いはウェハレベルパッケージング処理では空気とすることができる。次いで、その方法は220へ進む。220では、選択されたギャップ距離によって隔てられたMMICの双螺旋状の二次巻線のそれぞれの巻線の上に実質的に整列され、積み重ねられた第2の層の上に、MMICの双螺旋状の一次巻線が形成される。第2の層は、MMICの双螺旋状の二次巻線の上に形成された誘電体層の上に配設された、金属層とすることができる。或いは、第2の層は、ボンドポストを介して第1のウェハの上に配設された第2のウェハとして存在することも可能であり、ボンドポストはそれらの間にエアギャップを形成する。
【0024】
これまで記述してきたものは、本発明の実施形態である。もちろん、本発明を記述する目的で、構成要素または方法について考えられるすべての組合せを記述することはできないが、当業者には本発明についてさらに多くの組合せ及び変更が認識されるであろう。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる、そうしたすべての代替形態、変更形態及び変形形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一態様による3D MMICバランの斜視図である。
【図2】図1の双螺旋状の一次巻線の表面の平面図である。
【図3】図1の双螺旋状の二次巻線の表面の平面図である。
【図4】本発明の一態様に従って、ウェハレベルパッケージングを使用して製造された3D MMICバランを示す図である。
【図5】本発明の一態様に従って、複数金属の処理を用いて製造された3Dの双螺旋状のバランを示す図である。
【図6】本発明の一態様に従って3D MMICバランを形成する方法を示す図である。
【図7】本発明の一態様に従って3D MMICバランを形成する他の方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3D)モノリシック集積回路(MMIC)バランであって、
双螺旋状の二次巻線と、
選択可能な距離を有するギャップによって間隔をおいて前記双螺旋状の二次巻線が配置された積層構成として配置される双螺旋状の一次巻線とを備え、
前記ギャップが、前記双螺旋状の二次巻線と前記双螺旋状の一次巻線の両方の少なくとも実質的な領域にわたって広がることを特徴とする3D MMICバラン。
【請求項2】
前記ギャップ内の誘電媒体は低誘電率材料であることを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項3】
前記ギャップ内の誘電媒体は、誘電率が1である空気であることを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項4】
前記双螺旋状の二次巻線は第1の面内にあり、前記双螺旋状の一次巻線は、前記ギャップによって隔てられた前記第1の面に対して実質的に平行な第2の面内にあることを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項5】
前記双螺旋状の二次巻線は第1の螺旋部及び第2の螺旋部を有し、前記双螺旋状の一次巻線は、実質的に前記双螺旋状の二次巻線の前記第1の螺旋部の上に整列される第1の螺旋部、及び、実質的に前記双螺旋状の二次巻線の前記第2の螺旋部の上に整列される第2の螺旋部を有することを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項6】
前記双螺旋状の一次巻線の前記第1の螺旋部は、入力部として設けられた第1の端部、及び、前記双螺旋状の一次巻線の前記第2の螺旋部の第1の端部に結合された第2の端部を有し、前記双螺旋状の一次巻線の前記第2の螺旋部の第2の端部は接地面に結合され、前記双螺旋状の二次巻線の前記第1の螺旋部は第1の出力を与え、前記双螺旋状の二次巻線の前記第2の螺旋部は、前記第1の出力での位相から約180°ずれた第2の出力を与えることを特徴とする請求項5に記載のMMICバラン。
【請求項7】
前記双螺旋状の一次巻線は第1のウェハの上に製造され、前記双螺旋状の二次巻線は第2のウェハの上に製造され、前記第1及び第2のウェハは積層構成として配置されて、前記双螺旋状の一次巻線を、エアギャップによって間隔をおいて配置された前記双螺旋状の二次巻線と実質的に整列させることを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項8】
前記バランは、約10:1から約20:1の高周波数と低周波数の動作比を有することを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項9】
前記双螺旋状の一次巻線及び前記双螺旋状の二次巻線は、約200ミクロンから約400ミクロンの幅、及び、約200ミクロンから約400ミクロンの長さを有することを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項10】
前記選択可能なギャップ距離は、約2ミクロンから約12ミクロンであることを特徴とする請求項1に記載のMMICバラン。
【請求項11】
3次元(3D)マイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)バランであって、
第1のウェハの上に配設された二次巻線と、
第2のウェハの上に配設された一次巻線とを備え、
前記第1及び第2のウェハは、選択可能な距離を有するエアギャップによって前記二次巻線が前記一次巻線と間隔をおいて配置された積層構成として配置されることを特徴とする3D MMICバラン。
【請求項12】
MMICの双螺旋状の一次巻線及び二次巻線が、実質的に整列されることを特徴とする請求項11に記載のMMICバラン。
【請求項13】
前記バランは、実質的に整列したMMICの単螺旋状の一次巻線及び二次巻線を有するインピーダンスバランであることを特徴とする請求項11に記載のMMICバラン。
【請求項14】
前記第1のウェハ及び第2のウェハは積層構成として配置され、ボンディングポストを使用して、前記一次巻線をエアギャップによって間隔をおいて配置された前記二次巻線と実質的に整列させることを特徴とする請求項11に記載のMMICバラン。
【請求項15】
前記エアギャップの前記選択可能な距離は約2ミクロンから約12ミクロンであることを特徴とする請求項11に記載のMMICバラン。
【請求項16】
3次元(3D)マイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)バランを形成する方法であって、
第1の面の上に双螺旋状の二次巻線を形成するステップ、及び、
前記第1の面から実質的に平行で且つ前記第1の面からのギャップによって間隔をおいて配置された第2の面の上に双螺旋状の一次巻線を形成するステップ
を含み、
前記双螺旋状の二次巻線及び前記双螺旋状の一次巻線が、実質的に積層構成として整列されることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記二次巻線を形成するステップは、第1のウェハ上に該二次巻線を形成することを含み、
前記一次巻線を形成するステップは、第2のウェハ上に該一次巻線を形成することを含む
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のウェハと前記第2のウェハの間にエアギャップを形成するボンディングポストによって隔てられた積層配置として、前記第1のウェハ及び前記第2のウェハを配置するステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記二次巻線を形成するステップは、複数金属の工程における第1の層上に前記双螺旋状の二次巻線を形成することを含み、
前記一次巻線を形成するステップは、前記ギャップを形成するための低誘電率材料によって前記第1の層と間隔をおいて配置された第2の層上に前記双螺旋状の一次巻線を形成することを含む
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記ギャップは約2ミクロンから約12ミクロンの選択可能な距離を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−507426(P2009−507426A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529257(P2008−529257)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/033954
【国際公開番号】WO2007/027840
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(502270453)ノースロップ グラマン コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】