説明

4−アリル−ニコチンアミド誘導体の製造方法

本発明は、一般式[式中、置換基は請求項1に定義されたとおりである]の化合物の製造方法であって、a)式Xの化合物と、式XIIIの化合物とを反応させて、式XIVa、XIVの化合物を得る工程と、b)式XIV/XIVaの化合物のOH/=O官能部分を、POCl、PBr、MeI、または(FCSOOを含む群から選択される離脱基を含む試薬によって、離脱基Pに変換し、式XV[式中、Pは、ハロゲンまたはトリフロオロメタンスルホネートである]の化合物を形成する工程と、c)前記離脱基Pを、HRによりRに置換して、式XVIの化合物を形成する工程と、d)HSO、HCl、または酢酸を含む酸性媒体中で、ニトリル官能部分を加水分解して、式Iの化合物を得る工程とを含むことを特徴とする、製造方法に関する。式Iの化合物は、NK−1拮抗活性を有する治療上有効な化合物の製造のための有用な中間体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式
【0002】
【化18】

【0003】
[式中、RおよびR1’は、独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、
は、−N(R、−N(R)(CHOH、−N(R)S(O)−低級アルキル、−N(R)S(O)−フェニル、−N=CH−N(R、−N(R)C(O)R、または基
【0004】
【化19】

【0005】
で示される環式第3級アミンであり、
は、互いに独立に、水素、C3〜6−シクロアルキル、ベンジル、または低級アルキルであり、
は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、−(CHCOO−低級アルキル、−N(R)CO−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、シアノ、−(CHO(CHOH、−CHO、または任意にアルキレン基を介して結合している5員もしくは6員のヘテロ環式基である]の化合物の製造方法に関する。
【0006】
式Iの化合物は、一般式
【0007】
【化20】

【0008】
[式中、RおよびR1’は、独立して、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、
は、−N(R、−N(R)(CHOH、−N(R)S(O)−低級アルキル、−N(R)S(O)−フェニル、−N=CH−N(R、−N(R)C(O)R、または基
【0009】
【化21】

【0010】
で示される環式第3級アミンであり、
は、互いに独立して、水素、C3〜6−シクロアルキル、ベンジル、または低級アルキルであり、
は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、−(CHCOO−低級アルキル、−N(R)CO−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、シアノ、−(CHO(CHOH、−CHO、または任意にアルキレン基を介して結合している5員もしくは6員のヘテロ環式基であり、
およびR5’は、互いに独立して、水素、低級アルキルであるか、または炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成しており、
およびR6’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチルメチル、低級アルコキシ、もしくはシアノであるか、または
およびR6’は、一緒になって、低級アルキルもしくは低級アルコキシから選択された1個もしくは2個の置換基によって任意に置換されている、−CH=CH−CH=CH−であってもよく、
Xは、−C(O)N(R)−、−(CHO−、−(CHN(R)−、−N(R)C(O)−、または−N(R)(CH−であり、nは0〜4であり、mは1または2である]の治療活性化合物の製造のために有用な中間生成物である。
【0011】
式IIの化合物は、EP−A−1035115に記載されている、例えば、N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−[メチル−(2−モルホリン−4−イルーエチル)−アミノ]−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−チオモルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−(1−オキソ−1λ−4−チオモルホリン−4−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−N−メチル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−ピペラジン−1−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−N−メチル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル−N−メチル−N−(4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−N−[6−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル]−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−N−(6−ピペラジン−1−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、および
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミドである。
【0012】
式IIのこれらの化合物は、ノイロキニン1(NK−1、サブスタンスP)受容体の拮抗薬である。ほ乳類のタキキニンサブスタンスPの中枢作用および末梢作用は、偏頭痛、関節リウマチ、喘息、および炎症性腸疾患を含む様々な炎症症状、ならびに嘔吐反射の緩和、およびパーキンソン病などの中枢神経系(CNS)失調の調整と関連している。さらに、これらの化合物は、痛み、頭痛、特に偏頭痛、アルツハイマー病、多発性硬化症、モルヒネ禁断症状の減弱、心血管変化、浮腫、例えば熱傷によって引き起こされる浮腫、慢性の炎症疾患、例えば関節リウマチ、喘息/気管支過敏、およびアレルギー性鼻炎を含む別の呼吸器疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む消化管の炎症疾患、眼球損傷および眼の炎症疾患の処置に有用である。さらに、前記化合物は、中枢神経系の障害、例えば不安、うつおよび精神疾患などの障害を含む多数の生理学的障害の処置に有用な場合もある。ノイロキニン−1受容体拮抗薬は、さらに、乗り物酔いの処置、誘発性嘔吐の処置、およびシスプラチンによって誘発される嘔吐の軽減に有用である。
【0013】
本記述中で使用されている一般的な用語を以下に定義するが、この定義は、その用語が単独かまたは組み合わされて使用されているかに関わらず適用されるものである。
【0014】
ここで使用されているように、「低級アルキル」という用語は、1〜7個の炭素原子を含む直鎖のまたは分枝鎖状のアルキル基であって、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどを意味する。好ましい低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子をもつ基である。
【0015】
「低級アルコキシ」という用語は、上のように規定されアルキル残基が、酸素原子を介して結合している基を意味する。
【0016】
「ハロゲン」という用語は、塩素、ヨウ素、フッ素、および臭素を指す。
【0017】
「シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を含む飽和の炭素環式基を指す。
【0018】
「環式第3級アミン」という用語は、例えば、ピロール−1−イル、イミダゾール−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イル、または1,1−ジオキシ−チオモルホリン−4−イルを指す。
【0019】
「5員もしくは6員ヘテロ環式基」という用語は、例えば、ピリジニル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾイル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピペラジニル、またはピペリジルを指す。
【0020】
式IIの化合物は、例えばEP−A−1035115に基づいて製造することができる。
【0021】
式Iの本願化合物を、例えば、次の図1に示す方法によって製造できることが知られている(EP−A−1035115)。
【0022】
【化22】

【0023】
一般式Iの化合物を製造するためのこの方法は高収率であるが、高価な出発材料の使用を必要とする。さらに、この方法における重要な工程は、グリニヤール反応によるピリジンのR1’MgClでの置換である。この反応が成功するかしないかは、芳香環における置換パターンに依存する。電子吸引性基によってグリニヤール試薬の反応性が低下する場合、鈴木型反応(鈴木カップリング)を行わなくてはいけない。
【0024】
したがって、本発明の根底の課題は、グリニヤール反応が起こらないかまたはあまりよく起こらない場合に好まれる、式Iの化合物を製造するための方法を提供することである。この方法は、さらなるNK1受容体拮抗薬の合成のために有用である。
【0025】
この課題は、本発明によれば、図2に示す、式Iの化合物の製造方法によって解決される。
【0026】
【化23】

【0027】
図2において、R、R1’、およびRについての置換基の定義は、前述の通りである。
【0028】

【0029】
【化24】

【0030】
の化合物は、2−クロロアセトアミドとピリジンとの反応によって良好な収率で得られる。この反応は、A. R. Katritzky、N. E. Grzeskowiak、およびJ. Alvarez-Builla,、J. C. S. Perkin I、1981、1180〜1185に記載されている。
【0031】

【0032】
【化25】

【0033】
の化合物の製造は、次の2つの工程を含む。
【0034】
工程1)
3,3−ジメトキシプロピオニトリル(XII)および式XIの化合物の溶液を、アルコール、例えば低級アルキルアルコール、シクロアルキルアルコール、好ましくはメタノール中のナトリウムメタノラートに、30℃未満、好ましくは20℃未満の内部温度を保ちながら添加する。反応混合物を、20〜30℃、好ましくは22〜25℃の範囲の温度で、5〜20時間、好ましくは10〜12時間撹拌する。
【0035】
工程2)
次に、酸、例えば酢酸、HSO、またはHClを、10〜30℃、好ましくは15〜25℃の温度で前記反応混合物に添加する。得られた混合物を5〜180分間、好ましくは30〜60分間撹拌した後、式XIIIの化合物が十分な収率で得られる。
【0036】
式Iの化合物を製造するための、本発明による方法は、
a)式
【0037】
【化26】

【0038】
化合物と、式
【0039】
【化27】

【0040】
の化合物とを反応させ、式
【0041】
【化28】

【0042】
[式中、置換基の定義は前述の通りである]の化合物を形成する工程を含む。
【0043】
工程a)の詳細な説明は次の通りである。
【0044】
工程a1)
有機溶媒、例えばエーテル、ケトン、またはアルコール、好ましくはアルコール、最も好ましくはメタノール中で反応を行う。反応混合物は、有機塩基、例えばトリエチルアミンで、約10〜50℃、好ましくは20〜30℃で処理する。反応混合物を0.5〜12時間、好ましくは2時間撹拌し、真空中で濃縮する。
【0045】
工程a2)
次に、残渣を有機溶媒、例えばジクロロメタンに取り、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロライド(フィルスマイヤー試薬)で処理し、30〜60℃、好ましくは45℃に、0.5〜5時間、好ましくは1時間加熱する。全ての揮発性成分を除去するために、混合物を真空で濃縮する。
【0046】
工程a3)
得られた残渣を、そのままでまたは高沸点の溶媒、例えばキシレン、トルエン、ジフェニルエーテル中に溶解させて、150〜240℃、好ましくは170〜200℃、最も好ましくは180〜190℃に、10〜60分、好ましくは15分間加熱し、10〜30℃、好ましくは20〜25℃に冷却し、有機溶媒中で溶解し、水を使用した抽出によって精製する。層が分離する。真空中での有機相の蒸発によって、式
【0047】
【化29】

【0048】
の生成物を得る。
【0049】
b)式XIV/XIVaの化合物のOH/=O官能部分を、離脱基Pに変換させる
【0050】
【化30】

【0051】
[式中、Pは、ハロゲンまたは−O−SOCFである]。
【0052】
式XVIの化合物と、離脱基、例えばPOCl、PBr、MeI、または(FCSOOを含む試薬との反応は、有機溶媒、例えばジクロロメタン、トリフルオロメチルベンゼン、またはクロロベンゼン中で、約40〜80℃、好ましくは約50℃で、60〜240分間、好ましくは80分間行う。
【0053】
c)式XVIの離脱基Pを、HRによってRに置換し、式
【0054】
【化31】

【0055】
[式中、R、R’、およびRは前述の通りである]の化合物を形成する。
【0056】
工程c)は、好ましくは有機溶媒、例えばDMF、DMSO、N−メチルピロリデンクロロベンゼン、トルエン、またはこれらの混合物中で、約60〜150℃、好ましくは90〜120℃、最も好ましくは112℃で、10〜240分間、好ましくは20〜120分間、最も好ましくは30〜60分間行う。この混合物を冷却し、酸、例えば硫酸、酢酸、または塩酸で処理する。
【0057】
d)式XVIのニトリル官能部分を加水分解して、式
【0058】
【化32】

【0059】
の化合物を形成する。
【0060】
工程d)は、酸性媒体、例えばHSO、HCl、または酢酸中で、有機溶媒を使用してまたは使用せずに、温度50〜140℃、好ましくは60〜90℃、最も好ましくは70℃で、1〜8時間、好ましくは2時間行う。
【0061】
本発明の好ましい実施態様によれば、RおよびR’は、互いに独立して、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、Pはハロゲンであり、Rは、基
【0062】
【化33】

【0063】
[式中、Rは前述の通りである]の環式第3級アミンである。
【0064】
本発明のより好ましい実施態様によれば、RおよびR’は、互いに独立して、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、Pは塩素であり、Rは、モルホリン−4−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、または1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イルである。
【0065】
本発明のさらにより好ましい実施態様によれば、この方法は、6−ヒドロキシ−4−o−トリル−ニコチノニトリル、6−オキソ−4−p−トリル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(2−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(3−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(3−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(2−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、N−(6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−アセトアミド、6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル、6−モルホリン−4−イル−4−トリル−ニコチノニトリル、6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチノニトリル、6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチノニトリル、6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド、および6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチンアミドの製造のために適用される。
【0066】
本発明の好ましい実施態様を、次の実施例1〜14によってより詳細に説明する。
【0067】
実施例1
6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド
a)1−カルバモイルメチル−ピリジニウムクロライド
2−クロロアセトアミド50.00g(524.01mmol)を、アセトニトリル100ml中に懸濁させた。ピリジン41.54g(524.01mmol)を添加し、懸濁液を、90℃で10時間加熱した。懸濁液を22℃まで冷却し、吸引濾過し、ヘキサン100mlで洗浄した。生成物1−カルバモイルメチル−ピリジニウムクロライド(79.10g)が、エタノールからの再結晶後、融点205.2℃の無色の結晶として得られた。
【0068】
【表1】

【0069】
b)2−ホルミル−3−o−トリル−アクリロニトリル
3,3−ジメトキシプロピオニトリル13.19g(110.00mmol)およびo−トリルアルデヒド12.39g(100.00mmol)の溶液を、メタノール22.0ml中のナトリウムメタノレート23.40g(130.00mmol)に、20℃未満の内部温度を保ちながら添加した。反応混合物を、22〜25℃で一晩撹拌し、真空中で(40℃で20mbarでロータリーエバポレータを使用)濃縮した。HCl(25%)100.00mlを15〜25℃で添加し、得られた混合物を60分間撹拌した。沈殿物を吸引濾過し、メタノール(予め−20℃まで冷却しておく)30mlで洗浄し、真空中で乾燥させて、2−ホルミル−3−o−トリル−アクリロニトリル16.14gを、融点81.5℃の黄色の結晶として得た。
【0070】
【表2】

【0071】
c)6−ヒドロキシ−4−o−トリル−ニコチノニトリル
メタノール24.8ml中の、1−カルバモイルメチル−ピリジニウムクロライド1.726g(10.0mmol)および2−ホルミル−3−o−トリル−アクリロニトリル1.712g(10.0mmol)を、トリエチルアミン1.05g(10.4mmol)で20〜30℃で処理した。反応混合物を2時間撹拌し、真空中(40℃で20mbarでロータリーエバポレータを使用)で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン50mlに取り、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロライド(フィルスマイヤー試薬)2.56g(20mmol)で処理し、45℃で1時間加熱した。全ての揮発性成分を除去するために、混合物を真空中で(45℃で20mbarでロータリーエバポレータを使用)濃縮した。残渣を、180〜190℃で15分間加熱し、20〜25℃まで冷却し、ジクロロメタン80.0mlおよび水80.0ml中に分配させた。層を分離した。真空中で有機相を蒸発させることにより、6−ヒドロキシ−4−o−トリル−ニコチノニトリルのアモルファス生成物1.37gを得た。
【0072】
【表3】

【0073】
d)6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル
ジクロロメタン10.0ml中の、6−ヒドロキシ−4−o−トリル−ニコチノニトリル2.5g(11.89mmol)およびオキシ塩化リン3.64g(23.78mmol)を、50℃で80分間加熱した。混合物を20〜25℃に冷却し、20〜30℃の内部温度を保ちながら、水中に注ぎ、ジクロロメタン80.0mlをさらに添加することによって抽出を行った。真空中で有機相を蒸発させることによって、6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリルの未精製の生成物2.9gを得た。これを、シリカゲル(エチルアセテート:ヘキサン=4:1)を通すクロマトグラフィによって精製し、融点112.4℃のもの2.4gを得た。
【0074】
【表4】

【0075】
e)6−モルホリン−4−イル−4−トリル−ニコチノニトリル
6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル500mg(2.1865mmol)を、トルエン10.0ml中に溶解し、112℃に加熱した。この温度で、モルホリン762g(8.746mmol)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。混合物を20〜25℃に冷却し、硫酸(95%)900mgで処理した。有機相を、水5ml(水相のpHは7〜7.5)で洗浄した。真空中での蒸発によって、6−モルホリン−4−イル−4−トリル−ニコチノニトリル530mgを、白色の泡状物として得た。
【0076】
【表5】

【0077】
f)6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド
未精製の6−モルホリン−4−イル−4−トリル−ニコチノニトリル500mg(1.79mmol)、トルエン0.5ml、および硫酸(95%)475mgの混合物を、70℃で2時間加熱した。懸濁液を20〜25℃に冷却し、水5mlで急冷した。エチルアセテート5ml、続いて水2ml中の水酸化ナトリウム710mgの溶液を添加した。真空中で有機相を蒸発させることにより、無色の固体700mgを得た。シリカゲル(エチルアセテート/ヘキサン1:2)を通すクロマトグラフィによる精製後、6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド490mを、融点144〜145℃の無色の結晶として得た。
【0078】
【表6】

【0079】
実施例2
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド
a)6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチノニトリル
6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル500mg(2.1865mmol)を、トルエン10.0ml中に溶解し、112℃に加熱した。この温度で、1−メチルピペラジン2.19g(21.865mmol)を添加し、反応混合物を、さらに60分間撹拌した。混合物を50℃に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残渣に、温度20〜25℃でトルエン5mlを、続いて硫酸(95%)900mgを添加した。有機相を、水5mlで洗浄した。真空中での蒸発により、6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチノニトリル520mgを、ベージュ色の泡状物として得た。
【0080】
【表7】

【0081】
b)6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチノニトリル4800mg(1.642mmol)を硫酸(90%)3.8mlで処理し、80℃で1時間加熱した。混合物を、20〜25℃に冷却し、エチルアセテート20mlで処理した。水酸化ナトリウム2.0gの溶液(28%)を添加し、有機相を水6mlで洗浄した。真空での蒸発によって、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド380mgを、淡黄色の泡状結晶として得た。
【0082】
【表8】

【0083】
実施例3
6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチンアミド
a)6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチノニトリル
6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル500mg(2.1865mmol)、チオモルホリン−1,1−ジオキシド1.478g(10.9325mmol)、およびエチルアセテート5mlの混合物を80℃で12時間加熱した。混合物を20〜25℃に冷却し、エチルアセテート7.5ml、続いて水5.0mlで処理した。有機相を、水5.0mlで洗浄し、減圧下で濃縮した。ジクロロメタン/ヘキサン1:2からの結晶化によって、6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチノニトリルを、融点182.7℃のベージュ色の結晶として得た。
【0084】
【表9】

【0085】
b)6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリルーニコチンアミド
6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチノニトリル400mg(1.222mmol)を、硫酸(95%)400mgで希釈し、70℃で2時間加熱した。この混合物を20〜25℃に冷却し、エチルアセテート5ml、続いて水2ml中の水酸化ナトリウム600mgの溶液で処理した。有機相を水2mlで2回洗浄し、減圧下で濃縮し、6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリルーニコチンアミド360mgを、融点239.7℃の白色結晶として得た。
【0086】
【表10】

【0087】
実施例4
6−オキソ−4−p−トリル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−p−トリルを使用して行い、6−オキソ−4−p−トリル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0088】
【表11】

【0089】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−p−トリルは、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびp−トリルアルデヒドを使用して合成した。
【0090】
実施例5
4−(2−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(2−クロロ−フェニル)を使用して行い、4−(2−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドローピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0091】
【表12】

【0092】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(2−クロロ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびo−クロロ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0093】
実施例6
4−(4−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−クロロ−フェニル)を使用して行い、4−(4−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリルを生成した。
【0094】
【表13】

【0095】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−クロロ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびo−クロロ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0096】
実施例7
4−(3−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(3−シアノ−フェニル)を使用して行い、4−(3−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0097】
【表14】

【0098】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(3−シアノ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびm−シアノ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0099】
実施例8
4−(4−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−シアノ−フェニル)を使用して行い、4−(4−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0100】
【表15】

【0101】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−シアノ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびp−シアノ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0102】
実施例9
4−(4−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−メトキシ−フェニル)を使用して行い、4−(4−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0103】
【表16】

【0104】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−メトキシ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびp−メトキシ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0105】
実施例10
4−(3−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(3−メトキシ−フェニル)を使用して行い、4−(3−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0106】
【表17】

【0107】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(3−メトキシ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびm−メトキシ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0108】
実施例11
4−(2−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(2−メトキシ−フェニル)を使用して行い、4−(2−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0109】
【表18】

【0110】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(2−メトキシ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびo−メトキシ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0111】
実施例12
4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)を使用して行い、4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0112】
【表19】

【0113】
2−プロペンニトリル、2−ホルミル−3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)は、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびp−ジメチルアミノ−ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0114】
実施例13
6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−シアノ−桂皮アルデヒドを使用して行い、6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル(アモルファス)を生成した。
【0115】
【表20】

【0116】
2−シアノ−桂皮アルデヒドは、実施例1bと同様に、3,3−ジメトキシプロピオニトリルおよびベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0117】
実施例14
N−(6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−アセトアミド
この合成は、実施例1cと同様に、1−カルバモイルメチルピリジニウムクロライドおよび2−アセトアミド−桂皮アルデヒドを使用して行った。この場合、フィルスマイヤー試薬による処理は必要ではなかった。マイケル付加反応後に得られた残渣を、直接的に190℃で30分間加熱し、N−(6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−アセトアミド(アモルファス)を生成した。
【0118】
【表21】

【0119】
2−アセトアミド−桂皮アルデヒドは、記載の方法(K. Eiter、E. Sackl、Monatshefte fuer Chemie 1952、123〜136)と同様に合成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】


[式中、RおよびR1’は、独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、
は、−N(R、−N(R)(CHOH、−N(R)S(O)−低級アルキル、−N(R)S(O)−フェニル、−N=CH−N(R、−N(R)C(O)R、または基
【化2】


で示される環式第3級アミンであり、
は、互いに独立に、水素、C3〜6−シクロアルキル、ベンジル、または低級アルキルであり、
は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、−(CHCOO−低級アルキル、−N(R)CO−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、シアノ、−(CHO(CHOH、−CHO、または任意にアルキレン基を介して結合している5員もしくは6員のヘテロ環式基である]の化合物の製造方法であって、
a)式
【化3】


の化合物と、式
【化4】


[式中、RおよびR1’は、上述の通りである]の化合物とを反応させて、式
【化5】


[式中、置換基は上述の通りである]の化合物を得る工程と、
b)式XIV/XIVaの化合物のOH/=O官能部分を、POCl、PBr、MeI、または(FCSOOを含む群から選択される離脱基を含む試薬によって、離脱基Pに変換し、式
【化6】


[式中、Pは、ハロゲンまたはトリフロオロメタンスルホネートであり、RおよびR1’は上述の通りである]の化合物を形成する工程と、
c)前記離脱基Pを、HRによりRに置換して、式
【化7】


[式中、R、R1’およびRは、上述の通りである]の化合物を形成する工程と、
d)HSO、HCl、または酢酸を含む酸性媒体中で、ニトリル官能部分を加水分解して、式
【化8】


[式中、置換基の定義は上述の通りである]の化合物を得る工程とを含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項2】
およびR1’が、互いに独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、Pがハロゲンであり、Rが、基
【化9】


[式中、Rは請求項1に記載の通りである]の環式第3級アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
およびR1’が、互いに独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、Pが塩素であり、Rが、モルホリン−4−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、および1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イルである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
6−オキソ−4−p−トリル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(2−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−クロロ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(3−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−シアノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(3−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(2−メトキシ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、4−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボニトリル、N−(6−オキソ−4−フェニル−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−アセトアミド、6−クロロ−4−o−トリル−ニコチノニトリル、6−モルホリン−4−イル−4−トリル−ニコチノニトリル、6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチノニトリル、6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチノニトリル、6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド、および6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−トリル−ニコチンアミドの製造のための、請求項1記載の方法。
【請求項5】
3,3−ジメトキシプロピオニトリル(XII)と、式XIの化合物とを反応させる工程1)、及び工程1)の反応混合物を酸性化させる工程2)により式XIIIの化合物を製造する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
工程1)をアルコール、例えばアルキルアルコール、シクロアルキルアルコール中で、20〜30℃の範囲の温度で5〜20時間行う、請求項5記載の方法。
【請求項7】
反応を、メタノール中で、22〜25℃の範囲の温度で10〜12時間行う、請求項6記載の方法。
【請求項8】
工程2)で、工程1)の反応混合物を酸、例えば酢酸、HSO、またはHClで、10〜30℃の温度で、得られた混合物を5〜180分間撹拌しながら酸性化させる、請求項5記載の方法。
【請求項9】
酸が塩酸塩であり、温度が15〜25℃であり、得られた混合物を30〜60分間撹拌する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程a)が、工程a1)式Xの化合物と式XIIの化合物とを、有機溶媒中で反応させ、有機塩基で処理する工程と、工程a2)工程a1)で得られた反応混合物を有機溶媒中に取り、フィルスマイヤー試薬で処理する工程と、工程a3)工程a2)で得られた残渣を、そのままかまたは高沸点の溶媒中に溶解させて加熱する工程とを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
工程a1)を有機溶媒、例えばエーテル、ケトン、またはアルコール中で行い、反応混合物を、約10〜50℃でトリエチルアミンで処理し、0.5〜12時間撹拌する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
反応を、メタノール中で約20〜30℃で行い、2時間撹拌する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
工程2a)において、有機溶媒がジクロロメタンであり、フィルスマイヤー試薬が(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロライドであり、反応温度が30〜60℃であって、時間が0.5〜5時間である、請求項10記載の方法。
【請求項14】
温度が約45℃であり、時間が1時間である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
工程a3)において、溶媒がキシレン、トルエン、またはジフェニルエーテルであり、温度が150〜240℃であり、反応時間が10〜60分である、請求項10記載の方法。
【請求項16】
溶媒がトルエンであり、温度が約180〜190℃であり、反応時間が15分である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
工程b)を有機溶媒、例えばジクロロメタン、トリフルオロメチルベンゼン、またはクロロベンゼン中で、約40〜80℃の温度で行い、反応時間を60〜240分とする、請求項1記載の方法。
【請求項18】
有機溶媒がジクロロメタンであり、温度が約50℃であり、時間が約80分である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
工程c)を、DMF、DMSO、N−メチルピロリデンクロロベンゼン、トルエン、またはこれらの混合物中で、約60〜150℃の温度で、10〜240分間行う、請求項1記載の方法。
【請求項20】
溶媒がトルエンであり、温度が約112℃であり、反応時間が30〜60分である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
工程d)を、酸性媒体中で、有機溶媒を使用してまたは使用せずに、50〜140℃の温度で、1〜8時間行う、請求項1記載の方法。
【請求項22】
温度が60〜80℃であり、反応時間が2時間である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
一般式
【化10】


[式中、RおよびR1’は、独立して、水素、低級アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、またはアルキルアミノであり、
は、−N(R、−N(R)(CHOH、−N(R)S(O)−低級アルキル、−N(R)S(O)−フェニル、−N=CH−N(R、−N(R)C(O)R、または基
【化11】


で示される環式第3級アミンであり、
は、互いに独立して、水素、C3〜6−シクロアルキル、ベンジル、または低級アルキルであり、
は、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、−(CHCOO−低級アルキル、−N(R)CO−低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、シアノ、−(CHO(CHOH、−CHO、または任意にアルキレン基を介して結合している5員もしくは6員のヘテロ環式基であり、
およびR5’は、互いに独立して、水素、低級アルキルであるか、または炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成し、
およびR6’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチルメチル、低級アルコキシ、もしくはシアノであるか、または
およびR6’は、一緒になって、低級アルキルもしくは低級アルコキシから選択された1個もしくは2個の置換基によって任意に置換されている、−CH=CH−CH=CH−であってもよく、
Xは、−C(O)N(R)−、−(CHO−、−(CHN(R)−、−N(R)C(O)−、または−N(R)(CH−であり、nは0〜4であり、mは1または2である]の化合物の製造方法であって、
式Iで示される中間体化合物を、
a)式
【化12】


の化合物と、式
【化13】


[式中、RおよびR1’は上述の通りである]の化合物とを反応させ、式
【化14】


[式中、置換基は上述の通りである]の化合物にする工程と、
b)式XIV/XIVaの化合物のOH/=O官能部分を、POCl、PBr、MeI、または(FCSOOを含む群から選択される離脱基を含む試薬によって、離脱基Pに変換して、式
【化15】


[式中、Pは、ハロゲンまたはトリフルオロメタンスルホネートであり、RおよびR1’は上述の通りである]の化合物を形成する工程と、
c)離脱基Pを、HRによりRに置換し、式
【化16】


[式中、R、R1’、およびRは上述の通りである]の化合物を形成する工程と、
d)HSO、HCl、または酢酸を含む酸性媒体中で、ニトリル官能部分を加水分解し、式
【化17】


[式中、置換基の定義は上述の通りである]の化合物にする工程と
により得ることを特徴とする、方法。
【請求項24】
製造される式IIの化合物が、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−[メチル−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミノ]−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−チオモルホリン−4−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−(1−オキソ−1λ−4−チオモルホリン−4−イル)−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−6−(1,1−ジオキソ−1λ−6−チオモルホリン−4−イル)−N−メチル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−N−メチル−6−ピペラジン−1−イル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
N−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−6−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−N−メチル−4−o−トリル−ニコチンアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニル)−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル−N−メチル−N−(4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−N−[6−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−(6−モルホリン−4−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[4−(2−クロロ−フェニル)−6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル]−イソブチルアミド、
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−メチル−N−(6−ピペラジン−1−イル−4−o−トリル−ピリジン−3−イル)−イソブチルアミド、および
2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−N−[6−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−4−o−トリル−ピリジン−3−イル]−N−メチル−イソブチルアミドである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項記載の発明。

【公表番号】特表2009−500292(P2009−500292A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519843(P2006−519843)
【出願日】平成16年7月10日(2004.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007618
【国際公開番号】WO2005/014549
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】