説明

4,5−ジヒドロ−ピラゾロ[3,4−c]ピリド−2−オン類を製造する方法

以下に示されるタイプの4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オンの適当なフェニルヒドラジンからの製造のための新規な方法およびその中間体を記載する。


これらの化合物はXa因子阻害剤として有用であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に、4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン類の製造方法およびその合成中間体に関し、そのようなピラゾロ-ピリジノンはXa因子阻害剤として有用であることができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
国際公開番号WO03/26652記載のような4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン化合物は現在、臨床設定におけるXa因子阻害剤として研究されている。臨床試験および新薬申請提出には、活性薬剤および活性薬剤の製造のための中間体の実践的な大量合成が必要である。その結果、4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン類を製造するための新規な合成手法を発見することが所望である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明の概要
従って、本発明は、4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン類を製造する新規な方法に関する。
【0004】
本発明は、4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン類の新規な合成中間体に関する。
【0005】
これらのおよび他の目的は、式III:
【化1】

で示される化合物に関する方法の以下の詳細な記載中において明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の詳細な記載
従って、第一の具体的態様において、本発明は、(a)式Iの化合物と式IIの化合物とを第一塩基の存在下にて接触させること:
【化2】

[式中、
ZはCl、Br、I、OSO2Me、OSO2PhおよびOSO2Ph-p-Meから選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
RはCl、Br、I、C1-6アルコキシおよびNR1R2から選択され;
R1およびR2は、独立してC1-6アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびベンジルから選択され;
あるいは、NR1R2は炭素原子、Nおよび0〜1のO原子からなる3〜8員環であり;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式IIIの化合物を製造する新規な方法を提供する。
【0007】
第二の具体的態様において、本発明は、ZがCl、BrおよびIから選択され;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;RがCl、Br、IおよびNR1R2から選択され;NR1R2がモルホリノ、ピロリジノおよびピペリジノから選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、新規な方法を提供する。
【0008】
第三の具体的態様において、本発明は、ZがClであり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;Rがモルホリノであり;環Aが非置換である、新規な方法を提供する。
【0009】
第四の具体的態様において、反応(a)において、式Iの化合物が式IIの化合物と接触した後、第一塩基を添加する。
【0010】
第五の具体的態様において、反応(a)における第一塩基が置換アミン塩基である。
【0011】
第六の具体的態様において、置換アミン塩基がトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、dabco、DBN、DBUおよびN-メチルモルホリンから選択される。
【0012】
第七の具体的態様において、置換アミン塩基がトリエチルアミンである。
【0013】
第八の具体的態様において、反応(a)における接触が第一非プロトン性溶媒の存在下にて行われる。
【0014】
第九の具体的態様において、第一非プロトン性溶媒がトルエンである。
【0015】
第十の具体的態様において、反応(a)がさらに、第一強酸との接触を含む。
【0016】
第十一の具体的態様において、第一酸がHClである。
【0017】
第十二の具体的態様において、本発明は、(b)式IIIのB基をアミノ基に還元すること;および
(c)得られたアミノ化合物とアルキル-酸ハロゲン化物とを接触させて式IVの化合物を形成させること:
【化3】

[式中、
アルキル-酸ハロゲン化物はX-C3-5-アルキレン-C(O)-X1であり;
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
X1はCl、Br、OS(O)2CH3、OS(O)2CF3、OS(O)2-フェニルおよびOS(O)2-トリルからなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式IVの化合物を製造する新規な方法を提供する。
【0018】
第十三の具体的態様において、本発明は、アルキル-酸ハロゲン化物がX-(CH2)4-C(O)-X1であり;XがClおよびBrからなる群から選択され;X1がClであり;nが4であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルからなる群から選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、新規な方法を提供する。
【0019】
第十四の具体的態様において、本発明は、XがClであり;X1がClであり;nが4であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;環Aが非置換である、新規な方法を提供する。
【0020】
第十五の具体的態様において、反応(b)が水素、第一触媒および第二非プロトン性溶媒の存在下にて行われる。
【0021】
第十六の具体的態様において、反応(b)において、第一触媒がPd/CおよびPd/Al2O3から選択され、第二非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノン、DMSO、DMF、DMACおよびTHFから選択される。
【0022】
第十七の具体的態様において、反応(b)において、第一触媒がPd/Al2O3であり、第二非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノンである。
【0023】
第十八の具体的態様において、反応(b)から得られた還元溶液をろ過して反応(c)においてアルキル-酸ハロゲン化物と接触させる。
【0024】
第十九の具体的態様において、本発明は、(d)式IVの化合物を環化させて式Vの化合物を形成させること:
【化4】

[式中、
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式Vの化合物を製造する新規な方法を提供する。
【0025】
第二十の具体的態様において、本発明は、pが1であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、新規な方法を提供する。
【0026】
第二十一の具体的態様において、本発明は、pが1であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;環Aが非置換である、新規な方法を提供する。
【0027】
第二十二の具体的態様において、反応(d)が第一化学的脱水剤の存在下にて行われる。
【0028】
第二十三の具体的態様において、反応(d)における第一脱水剤が第二強酸および第一オルトギ酸エステルである。
【0029】
第二十四の具体的態様において、反応(d)において、第二強酸がTFAであり、第一オルトギ酸エステルがオルトギ酸トリエチルである。
【0030】
第二十五の具体的態様において、反応(d)において、化合物IVを第一化学的脱水剤と接触させた後、ナトリウムアルコキシドを添加する。
【0031】
第二十六の具体的態様において、反応(d)において、ナトリウムアルコキシドがナトリウムエトキシドである。
【0032】
第二十七の具体的態様において、環化反応(d)が第三非プロトン性溶媒の存在下にて行われる。
【0033】
第二十八の具体的態様において、第三非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノンである。
【0034】
第二十九の具体的態様において、反応(c)から得られた接触溶液を反応(d)において直接用いる。
【0035】
第三十の具体的態様において、反応(b)から得られた還元溶液をろ過した後、反応(c)においてアルキル-酸ハロゲン化物と接触させ、反応(c)から得られた接触溶液を反応(d)において直接用いる。
【0036】
第三十一の具体的態様において、本発明は、(e)式Vの化合物のエステルR1aをアミド化して式VIの化合物を形成させること:
【化5】

【0037】
[式中、
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択され;
R5はH、CH3およびCH2CH3から選択される]
を含む、式VIの化合物を製造する新規な方法を提供する。
【0038】
第三十二の具体的態様において、本発明は、pが1であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがCO2CH2CH3であり;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択され;R5がHである、新規な方法を提供する。
【0039】
第三十三の具体的態様において、本発明は、pが1であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがCO2CH2CH3であり;環Aが非置換である、新規な方法を提供する。
【0040】
第三十四の具体的態様において、反応(e)が式Vの化合物とホルムアミドとを第二塩基および第四非プロトン性溶媒存在下にて接触させること(ここに、ホルムアミドはHC(O)NHR5であり;第二塩基はアルコキシドであり;R5はH、CH3およびCH2CH3から選択される)により行われる。
【0041】
第三十五の具体的態様において、反応(e)において、ホルムアミドがHC(O)NH2であり;第二塩基がC1-6アルコキシドであり、対イオンがLi、Na、K、LiおよびMgから選択され;第四非プロトン性溶媒がDMFである。
【0042】
第三十六の具体的態様において、反応(e)における第二塩基はナトリウムC1-2アルコキシドである。
【0043】
第三十七の具体的態様において、反応(e)における第二塩基はNaOMeである。
【0044】
第三十八の具体的態様において、反応(e)において、式Vの化合物および第四非プロトン性溶媒を第二化学的脱水剤と接触させた後、第二塩基と接触させる。
【0045】
第三十九の具体的態様において、反応(e)における第二脱水剤は第三強酸および第二オルトギ酸エステルである。
【0046】
第四十の具体的態様において、反応(e)における第三強酸はTFAであり、オルトギ酸エステルはオルトギ酸トリメチルである。
【0047】
第四十一の具体的態様において、本発明は、式IIa:
【化6】

[式中、
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物を提供する。
【0048】
第四十二の具体的態様において、本発明は、式III:
【化7】

[式中、
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物を提供する。
【0049】
第四十三の具体的態様において、本発明は、式IV:
【化8】

[式中、
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物を提供する。
【0050】
第四十四の具体的態様において、本発明は、式V:
【化9】

[式中、
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物を提供する。
【0051】
第四十五の具体的態様において、本発明は、式Iの化合物と式IIの化合物とを第一塩基の存在下にて接触させる工程;式IIIのB基をアミノ基に還元する工程;得られたアミノ化合物とアルキル-酸ハロゲン化物とを接触させて式IVの化合物を形成させる工程;および式IVの化合物を環化させて式Vの化合物を形成させる工程を含む、式Vの化合物を製造する新規な方法:
【化10】

[ここに、
ZはCl、Br、I、OSO2Me、OSO2PhおよびOSO2Ph-p-Meから選択され;
アルキル-酸ハロゲン化物はX-C3-5-アルキレン-C(O)-X1であり;
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
X1はCl、Br、OS(O)2CH3、OS(O)2CF3、OS(O)2-フェニルおよびOS(O)2-トリル(tolulyl)からなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
RはCl、Br、I、C1-6アルコキシおよびNR1R2から選択され;
R1およびR2は独立して、C1-6アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびベンジルから選択され;
あるいは、NR1R2は炭素原子、Nおよび0〜1のO原子からなる3〜8員環であり;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を提供する。
【0052】
第四十六の具体的態様において、本発明は、式Iの化合物と式IIの化合物とを第一塩基の存在下にて接触させる工程;式IIIのB基をアミノ基に還元する工程;得られたアミノ化合物とアルキル-酸ハロゲン化物とを接触させて式IVの化合物を形成させる工程;式IVの化合物を環化して式Vの化合物を形成させる工程;式Vの化合物のエステルR1aをアミド化して式VIの化合物を形成させる工程を含む、式VIの化合物を製造する新規な方法:
【化11】

[ここに、
ZはCl、Br、I、OSO2Me、OSO2PhおよびOSO2Ph-p-Meから選択され;
アルキル-酸ハロゲン化物はX-C3-5-アルキレン-C(O)-X1であり;
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
X1はCl、Br、OS(O)2CH3、OS(O)2CF3、OS(O)2-フェニルおよびOS(O)2-トリルからなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
RはCl、Br、I、C1-6アルコキシおよびNR1R2から選択され;
R1およびR2は独立して、C1-6アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびベンジルから選択され;
あるいは、NR1R2は炭素原子、Nおよび0〜1のO原子からなる3〜8員環であり;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択され;
R5はH、CH3およびCH2CH3から選択される]
を提供する。
【0053】
本発明は、その精神または不可欠な特質から逸脱することなく、他の特定の形態にて具現化することができる。従って、上記具体的態様は、限定と考えるべきではない。任意のおよびすべての本発明の具体的態様は、他のいずれの具体的態様とも一緒になって、別の具体的態様を記載することができる。それぞれの具体的態様の個々の要素は、それ自体独立の具体的態様である。さらに、具体的態様の任意の要素は、任意の具体的態様からの任意のおよび他のすべての要素と一緒になって、別の具体的態様を記載することを意味する。さらに、本発明は、本明細書に記載の本発明の異なる具体的態様、具体的態様の一部、定義、記載および実施例の組合せを包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
定義
本出願の定義ならびに他の部分において提供されるすべての実施例は、明記されなければ、限定されるものではない。
【0055】
本発明は、マルチグラムスケール、キログラムスケール、マルチキログラムスケールまたは工業スケールにて行うことができる。本明細書においてマルチグラムスケールは、少なくとも一つの出発物質が10グラム以上、少なくとも50グラム以上、または少なくとも100グラム以上にて存在するスケールであることができる。マルチキログラムスケールは、一キロより多くの少なくとも一つの出発物質が用いられるスケールを意味する。工業スケールは、研究スケール以外のものであり、臨床試験または消費者への流通のいずれかに十分な生成物を供給するために十分である、スケールを意味する。
【0056】
当量は、明記されなければ、モル当量を意味する。
【0057】
本明細書に記載の化合物は、不斉中心を有することができる。不斉に置換された原子を含む本発明化合物は、光学活性体またはラセミ体にて単離することができる。光学活性体の製造方法、例えばラセミ体の分割または光学活性な出発物質からの合成は、当分野においてよく知られている。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体もまた、本明細書に記載の化合物に存在することができ、そのようなすべての安定な異性体は本発明に包含される。本発明化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載されており、異性体の混合物または別々の異性体として単離することができる。具体的な立体化学または異性体が具体的に示されなければ、すべてのキラル体、ジアステレオマー体、ラセミ体およびすべての構造幾何異性体を意味する。本発明化合物およびそれを製造する中間体を製造するために用いられるすべての工程は、本発明の一部とみなされる。本明細書に示されるか、または記載される化合物の互変異性体は、本発明の一部とみなされる。
【0058】
「置換されている」は、指定された原子上の任意の一つ以上の水素が指示された基からの選択で置き換えられるが、但し、指定された原子の正常な電荷を超えず、置換により安定な化合物がもたらされることを意味する。置換基がケト(すなわち=O)であるとき、原子上の2つの水素が置き換えられる。ケト置換基は芳香環部分上には存在しない。
【0059】
本発明は、本化合物に存在する原子のすべての同位体を含む。同位体としては、同じ原子数を有するが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。一般的な例の目的で、制限されないで、水素の同位体としては、トリチウムおよびジューテリウムが挙げられる。炭素の同位体としては、C-13およびC-14が挙げられる。
【0060】
本発明は、具体的に記載されないときであっても、チオールおよびアミノ基のすべての安定な酸化物を含む。アミノ基が置換基として記載されているとき、アミノ基のN-酸化物誘導体もまた、置換基として含まれる。チオール基が存在するとき、S-酸化物およびS,S-二酸化物誘導体もまた含まれる。
【0061】
置換基への結合が環中の二つの原子を連結する結合と交差して示されるとき、該置換基は環上のいずれの原子にも結合することができる。置換基が与えられた式の残りの化合物に結合している原子を示さないで記載されているとき、該置換基は該置換基におけるいずれの原子によっても結合することができる。置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらすときのみ許容される。
【0062】
「アルキレン」としては、特定数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。C3-5アルキレンとしては、C3、C4およびC5アルキレン基が挙げられる。アルキレンの例としては、n-プロピレン、i-プロピレン、n-ブチレンおよびs-ブチレンが挙げられる。
【0063】
本明細書にて特許請求される合成方法の反応は、適切な塩基の存在下行うことができ、その適切な塩基は種々の任意の塩基であり、本反応において所望の生成物の合成を容易にするものである。適切な塩基は、有機合成分野における当業者により選択することができる。適切な塩基としては、アルキルリチウム、水素化物、リチウムアミド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水酸化タリウムおよび水酸化アンモニウムなどの無機塩基;アルコキシド;リン酸塩;および水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、炭酸テトラ-n-ブチルアンモニウムなどの炭酸塩、および水酸化アンモニウムが挙げられる。適切な塩基としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、i-プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、i-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,2,-テトラメチルピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カリウムまたは水素化ナトリウムが挙げられる。
【0064】
「置換アミン塩基」としては、第三級アミン塩基が挙げられる。例としては、三つのアルキル基が同じか、または異なることができるトリアルキルアミンが挙げられる。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびs-ペンチルが挙げられる。置換アミン塩基上のアルキル基としてはまた、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)およびシクロアルキル-アルキル基(例えばシクロプロピル-メチル、シクロブチル-メチル、シクロペンチル-メチルおよびシクロヘキシル-メチル)も挙げられる。置換アミン塩基としては、単環式、二環式および三環式アミン塩基も挙げることができる。置換アミン塩基の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、dabco(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、DBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)およびDBU(1,8-ジアザビシクロ[5.5.0]ウンデカ-7-エン)が挙げられる。
【0065】
「強塩基」または「強塩基性条件」としては、アルキルリチウム、リチウムアミド、ヒドリド塩基、他の有機金属塩基およびt-ブトキシドが挙げられる。強塩基の例としては、リチウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、メチルリチウム、エチルリチウム、n-プロピルリチウム、i-プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、i-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム2,2,2,-テトラメチルピペリジン、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カリウムおよび水素化ナトリウムが挙げられる。
【0066】
「強酸」または「強酸性条件」としては、TFA(トリフルオロ酢酸)、硫酸およびスルホン酸(例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸およびナフタレンスルホン酸)が挙げられる。
【0067】
適切な非プロトン性溶媒としては、エーテル溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシメタン、ジメトキシメタン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ベンゼン、トルエン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチルウレア、ニトロメタン、ニトロベンゼンまたはヘキサメチルホスホルアミドが挙げられる。
【0068】
「医薬的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、炎症、アレルギー反応、または適度な利益/危険性比と比例した他の問題もしくは合併症を伴わないで、ヒトおよび動物の組織と接触させる際の使用に適切である物質、組成物および/または剤形を意味する。
【0069】
「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩または塩基塩を製造することにより修飾される開示化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられる。医薬的に許容される塩としては、例えば無毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の通常の無毒性塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、そのような通常の無毒性塩としては、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、炭酸水素酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸(glycollyarsanilic)、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸(salicyclic)、ステアリン酸、塩基性酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸から選択される無機酸および有機酸に由来するものが挙げられる。
【0070】
本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般にそのような塩は、水もしくは有機溶媒または両者の混合物において、このような化合物の遊離の酸形態または塩基形態と化学量論量の適切な塩基または酸とを反応させることにより製造することができる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体が有用である。適切な塩のリストは、文献(Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1990, p 1445)に見られ、その開示は本明細書に引用される。
【0071】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの有用な純度への単離および有効な治療薬への製剤化を切り抜けるのに十分に頑丈である化合物を示す。
【0072】
「置換」は、「置換」を用いた表現において示される原子上の1以上の水素が示された基から選択されたものと置き換えられるが、但し、示された原子の標準の価数を超えないで、置換が安定な化合物をもたらすことを示す。置換基がケト(すなわち=O)基であるとき、原子上の2の水素が置き換えられる。
【0073】
合成
例示のために、限定されないで、本発明はさらに次の反応式および記載により理解することができる。
【0074】
ヒドラゾニル(hydrazonyl)化合物Iの製造
【化12】

本発明のヒドラゾニル出発物質(式I)は、上記に示すように、適当なアニリンから製造することができる。ジアゼニル基をまず製造した後、濃縮および留去してヒドラゾニル化合物を形成させる。ヒドラジニル基を形成させるための有用な試薬は、NaNO2およびHClである。まず、アニリンを水性酸(例えば2〜3当量)と反応させた後、冷却して水性NaNO2(例えば約1〜2当量)を添加することができる。当業者に知られるヒドラジンへの他の経路を用いることができる。ヒドラジニル基のヒドラゾニル基への変換は、適当に置換されているアシル化合物を接触させること(ここに、該接触は塩基(例えばNaOAc)の存在下であることができる)により達成することができる。例えばR1aがCO2Etであり、ZがClであるとき、出発アシル化合物はCH3C(O)CH(Cl)CO2Etであることができる。さらなるR1a基(例えばC1-4アルキル、CF3および他のC1-4アルキルエステル)およびZ基(例えばBr、I、CH3SO3-、フェニル-SO3-およびトリル(toluenyl)-SO3-)もまた、最終生成物に応じて用いることができる。種々のヒドラゾニル基はWO 03/49681に記載されており、その内容はそのまま本明細書に引用される。
【0075】
親双極子剤IIの製造
【化13】

BがNO2である親双極子剤IIは、その出発ニトロ-アニリンから形成することができる。ラクタム形成を達成する一つの方法は、ニトロ-アニリンと、(a)ブロモ-塩化バレリル(BVC)もしくはクロロ-塩化バレリル(CVC)または(b)BVCなどのアルキル-酸塩化物との反応による。わずかに過剰な塩化バレリルを用いることができる。アルキル-酸塩化物の当量の例としては、(a)1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45から1.5までおよび(b)1.15が挙げられる。この最初のアミド形成は、K2CO3またはKOHなどの塩基の存在下行うことができる。用いる塩基の当量の例としては、(a)0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4から1.5までおよび(b)1.1が挙げられる。非プロトン性溶媒が一般に用いられる(例えばクロロ-ベンゼンおよびTHF)。クロロ-ベンゼンの重量に基づく溶媒中のTHFの量の例としては、(a)30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95から100%までおよび(a)50%が挙げられる。縮合反応の温度の例としては、(a)5、10、15、20、25、30から35℃までおよび(b)15℃が挙げられる。
【0076】
次いでラクタム形成は、触媒(例えば臭化テトラブチルアンモニウム)の存在下、得られたアミドと塩基(例えばKOH)とを接触させることにより達成することができる。塩基の当量の例としては、(a)2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9から3.0までおよび(b)2.0が挙げられる。塩基性pH、例えば(a)11、12、13から14までおよび(b)14を維持することは一般に有用である。非プロトン性溶媒が一般に用いられる(例えばクロロ-ベンゼンおよびTHF)。クロロ-ベンゼンの重量に基づく溶媒中のTHFの量の例としては、(a)30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95から100%までおよび(a)50%が挙げられる。縮合反応の温度の例としては、(a)5、10、15、20、25、30から35℃までおよび(b)15℃が挙げられる。
【0077】
ジクロロ-中間体への塩素化は、非プロトン性溶媒(例えばクロロ-ベンゼン)中の塩素系試薬(例えばPCl5)との反応により達成することができる。塩素系試薬の当量の例としては、(a)2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4から3.5までおよび(b)3.0が挙げられる。塩素化の温度の例としては、(a)25、30、35、40、45、50、55、60から65℃までおよび(b)約50℃が挙げられる。
【0078】
式IIの化合物への最終変換は、クロロ基の一つの除去により達成することができる。式IIの化合物への一つの経路は、対応する塩(例えばLiCl)および非プロトン性溶媒(例えばDMF)の存在下におけるジクロロ-中間体と塩基(例えばLi2CO3)との接触である。塩基の当量の例としては、(a)0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9から2.0までおよび(b)約0.5当量が挙げられる。塩の当量の例としては、(a)0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9から2.0までおよび(b)0.5が挙げられる。除去の温度の例としては、(a)約100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124から125℃までおよび(b)約105、106、107、108、109から110℃までが挙げられる。
【0079】
親双極子剤はまた、US2003/0181466に示されるように製造することもでき、その内容は本明細書に組み込まれる。
反応(a):1,3-双極子シクロ付加
【化14】

【0080】
本発明の1,3-双極子シクロ付加反応は、式Iのヒドラゾニル化合物と式IIの親双極子剤との反応を含む。このシクロ付加反応は、4,5-ジヒドロ-ピラゾロ[3,4-c]ピリド-2-オン核を提供する。反応は、置換アミン塩基(例えば非求核性第三級アミン塩基)の存在下行うことができる。置換アミン塩基の例としては、(a)トリアルキルアミン(例えばトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミン)および環状第三級アミン(例えばN-メチルモルホリンまたはDBU)、(b)トリアルキルアミンおよび(c)トリエチルアミンが挙げられる。用いる塩基の当量の例としては、(a)約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4から3.5までおよび(b)3が挙げられる。非プロトン性溶媒(例えばトルエン、THFおよびDME)がシクロ付加のためであることができる。シクロ付加は室温から溶媒の還流点までで行うことができる。反応温度の例としては、(a)約80、85、90、95から100℃までおよび(b)約90℃が挙げられる。
【0081】
ヒドラゾニル化合物Iをまず、塩基または親双極子剤(II)と接触させた後、第二成分を添加することができる。例えば、親双極子剤(II)をヒドラゾニル化合物(I)と接触させた後、塩基の添加を行うことができる。あるいは、ヒドラゾン(I)を塩基と接触させた後、親双極子剤(II)の添加を行うことができる。
反応(b)および(c):アミド形成
【化15】

【0082】
B基(例えばNO2)のその対応するアミンへの還元は、知られている還元法を用いて達成することができる。水素化を触媒により行うことができる。当業者に知られている水素化触媒を用いることができる。パラジウムおよび白金触媒の例としては、(a)Pd/C、Pd/Al2O3、Pd/CaCO3、Pd/SrCO3、Fe添加Pd/C、V添加Pd/C、Pt/Al2O3、Pt/CaCO3およびPd/BaCO3、(b)Pd/Al2O3および(c)5%Pd/Al2O3が挙げられるが、これらに限定されない。非プロトン性溶媒を用いることができる(例えばN-メチルピロリジノン、DMSO、DMF、DMACおよびTHF)。Pd/Cを触媒として用いるとき、還元溶液とNa2CO3との接触により水素化後、これを除去することは有用であることができる。次いで溶液をろ過し、所望ならば、さらに精製せずにアミド化反応に用いることができる。
【0083】
アミドIVは適当なアルキル-酸ハロゲン化物との縮合により形成させることができる。アルキル-酸ハロゲン化物のハロゲン化物脱離基は、ハロゲン化物(例えばBr、ClまたはI)であることができるか、またはラクタムへの環化を容易にするための異なるタイプの両立可能な脱離基(例えばOMs、OTf、OS(O)2-フェニルまたはOTs)であることができる。アルキル-酸ハロゲン化物の例としては、(a)塩化4-ブロモブチリル、塩化4-クロロブチリル、塩化5-ブロモバレリル(BVC)、塩化5-クロロバレリル(CVC)、塩化6-ブロモヘキサノイルおよび塩化6-クロロヘキサノイル、(b)BVCおよびCVC、および(c)CVCが挙げられる。アルキル-酸ハロゲン化物の当量の例としては、(a)1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.2、1.21、1.22、1.23、1.24から1.25までおよび(b)1.13が挙げられる。縮合反応は、還元反応からの溶媒中にて行うことができる。反応温度の例としては、(a)15、20、25、30から35℃までおよび(b)20℃が挙げられる。縮合反応物に塩基(例えばK2CO3)を加えることは有用であることがある。塩基の当量の例としては、(a)0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1.、1.2、1.3、1.4から1.5までおよび(b)1.3が挙げられる。還元に用いられる非プロトン性溶媒は、縮合に用いることができる(例えばN-メチルピロリジノン(NMP))。CVCおよびNMPを用いるとき、反応を塩基の非存在下行うことができる。得られたアミドは精製せずにラクタム形成反応に用いることができる(例えばアミド/NMP溶液を直接用いることができる)。
反応(d):ラクタム形成
【化16】

【0084】
式Vのラクタムは、式IV中の脱離基Xをその対応するアミド窒素で置き換えることにより形成させることができる。この環化は、まず出発物質を化学的脱水剤で乾燥することにより促進させることができる。適切な脱水剤としては、強酸およびオルトギ酸エステルが挙げられる。強酸の例としては、(a)TFA、(b)硫酸および(c)スルホン酸が挙げられる。オルトギ酸エステルの例としては、(a)オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸ジエチルフェニル、オルトギ酸トリブチル、オルトギ酸トリイソプロピル、オルトギ酸トリペンチルおよびオルトギ酸トリプロピルおよび(b)オルトギ酸トリエチルが挙げられる。オルトギ酸エステルの添加量は、脱水前に存在する水分レベルおよび脱水後所望な水の量に依存する。残存する水の量の例は、脱水後に残存する水の(a)約0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02から0.01 wt%未満および(b)約0.03 wt%未満である。変換のために、0.1 wt%は1000ppmと等価である。当業者に知られている方法(例えばKarl Fisher法)を用いて含水量を測定することができる。酸およびギ酸エステルによる処理の後、得られた混合物をアルコキシド塩基と接触させて、ラクタム化を完了することができる。アルコキシド塩基の例としては、(a)ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムイソブトキシド、ナトリウムsec-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムブトキシド、カリウムイソブトキシド、カリウムsec-ブトキシドおよびカリウムtert-ブトキシドおよび(b)ナトリウムエトキシドが挙げられる。アルコキシ部分がギ酸エステル部分と適合するアルコキシド塩基を用いることは所望であることができる。用いる塩基の当量の例としては、用いうる塩基の(a)0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1.、1.2、1.3、1.4から1.5当量までおよび(b)1.3が挙げられる。
反応(e):アミド化
【化17】

【0085】
アミドVIは、溶媒の存在下におけるホルムアミドおよび塩基との接触によりV(ここに、R1aはエステル、例えばエチルエステルである)から形成させることができる。ホルムアミドの例としては、(a)N-エチル-ホルムアミド、N-メチル-ホルムアミドおよびホルムアミド自体および(b)ホルムアミド自体が挙げられる。塩基の例としては、(a)アルコキシド、(b)C1-6アルコキシドおよび(c)メトキシドが挙げられる。アルコキシドについての対イオンの例としては、(a)Li、Na、K、LiおよびMgおよび(b)Naが挙げられる。溶媒の例としては、(a)非プロトン性溶媒および(b)DMFが挙げられる。反応温度の例としては、(a)室温から用いる溶媒の還流点までおよび(b)室温から100℃までが挙げられる。
【0086】
アミド化は、化学的脱水剤を添加した後、塩基と接触させることにより進行させることができる。適切な脱水剤としては、強酸およびオルトギ酸エステルが挙げられる。強酸の例としては、(a)TFA、硫酸およびスルホン酸および(b)TFAが挙げられる。オルトギ酸エステルの例としては、(a)オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸ジエチルフェニル、オルトギ酸トリブチル、オルトギ酸トリイソプロピル、オルトギ酸トリペンチルおよびオルトギ酸トリプロピルおよび(b)オルトギ酸トリメチルが挙げられる。オルトギ酸エステルの添加量は、脱水前に存在する水分レベルおよび脱水後に所望の水量に依存する。残存する水量の例としては、脱水後に残存する水の(a)約0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02から0.01 wt%未満および(b)約0.03 wt%未満である。変換のために、0.1 wt%は1000ppmと等価である。
【0087】
本発明の他の特徴は、本発明の説明のために与えられる次の例示の具体的態様の記載中において明らかとなり、それに限定されるものではない。
【実施例】
【0088】
実施例1
【化18】

30ガロンガラスライン(glass-lined)反応器に、水26 Lおよびp-アニシジン8.5 kg(68.1 mole)を充填した。反応器を不活性化し、37%HCl20.1 kg(3当量)を反応器に充填した後、精製水2 Lをラインに流した。バッチを40℃まで加熱し、p-アニシジンの溶解を確認するためにチェックした(40℃での総時間は25分であった)。バッチを-2℃まで冷却し、-2±3℃の温度を維持しながら、40%水性亜硝酸ナトリウム12.0 kg(69.5 mole)を反応器に充填した。水性亜硝酸ナトリウムの添加時間は35分であった。亜硝酸ナトリウムラインに精製水2 Lを流した。反応混合物をサンプリングし、反応完了について分析した。バッチに、反応器内容物を-2±3℃にて維持しながら、窒素圧により11%水性スルファミン酸3.0 kgを加えた。
【0089】
別の100ガロンガラスライン反応器に、精製水28 L、次いで固体酢酸ナトリウム11.2 kgを充填した。反応器は不活性化し、固体が溶解するまでバッチを35℃まで加熱した。バッチを15℃まで冷却し、アセトン18 kgをその反応器に加えた。反応器に、デッドヘッド・バキューム(deadhead vacuum)によりエチル-2-クロロアセトアセテート12.4 kgを加えた後、アセトン2.1 kgを添加ラインに流した。バッチを-2±3℃まで冷却した。次いで100ガロン反応器中のバッチを-2±3℃にて維持しながら、上記30ガロン反応器の内容物を100ガロン反応器に移した。移送時間は45分であった。移送ラインにアセトン5.0 kgを流し、バッチを1時間混合した。反応器にアセトン32.0 kgを充填し、バッチを15分間混合した。バッチを30分間安定させた。反応器にアセトン10.2 kgを充填し、バッチを5分間混合した。撹拌を停止し、バッチを30分間安定させた。水相をドラム(140.2 kg;廃棄物)に取り出した。0±3℃まで反応器温度を制御しながら、反応器にメタノール13.4 kgを充填した。バッチを0±3℃にて維持し、反応が完了するまで毎時間サンプリングした。
【0090】
反応器に、精製水75 Lを充填した。バッチを5±5℃まで加熱し、15分間混合させた。5-7ミクロンのポリプロピレンバッグを備えた携帯用遠心分離機を用いてバッチを分離した。分離を10分間続けた(濃縮物(centrate)109 kg)。反応器に、精製水26 Lおよびメタノール20.2 kgを充填した。混合物を5±3℃まで冷却した後、遠心分離機に取り出し、ケーキを洗浄した。湿ケーキ14.5 kgをFEPライナーで覆われた乾燥トレーに移した。ケーキを40℃にて80時間乾燥し、所望の生成物13.8 kgを得た。
【0091】
実施例2
【化19】

30ガロンガラスライン反応器に、4-ニトロアニリン6.1 kgを充填した。クロロベンゼン17.5 kg、次いでTHF11.5 kgを充填した。撹拌を150 RPMにて開始し、40%水性炭酸カリウム13.3 kgを反応器に充填した。バッチを10℃〜13℃の間に冷却した。テフロン(登録商標)ライン圧シリンダーから、10℃〜15℃の間で反応器温度を維持しながら、反応器にBVC9.0 kgを充填した。BVCの全添加時間は37分であり、撹拌を220 RPMに増大した。反応完了のために反応量をサンプリングした。
【0092】
別の容器にて、透明溶液が得られるまで、臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)250 gを精製水500 mLと混合した。この溶液を反応器に充填した後、反応器温度を10〜15℃の間に維持しながら(添加時間:12分)、45%水性KOH12.0 kgを加えた。15℃の反応器ジャケット設定点で220 RPMにてバッチを4時間混合した。反応完了のためにバッチをサンプリングした。ジャケット設定点を20℃まで上昇させ、水性KOH0.5 kgを反応器に充填した。混合の45分後、反応量を再びサンプリングした。バッチを90分間混合し、反応量を再びサンプリングした。
【0093】
反応器に、37%HCl2.0 kgを加え、15分間撹拌しながらバッチを25℃まで昇温させた。バッチをpHのためにサンプリングした(実際:紙片により10〜11)。全バッチをドラムに移し(drummed)、反応器を精製水ですすいだ。5ミクロンのポリプロピレンフィルターを通してバッチを反応器に戻した後、クロロベンゼン5 kgですすいだ。バッチを20分間安定させ、下層を除去した。反応器に塩化ナトリウム溶液(精製水9 L中NaCl2.2 kg)を加えた後、精製水1 Lですすいだ。バッチを20分間混合し、終夜安定させた。大きな濁った茶色のぼろぼろの(rag)層が形成されたが、終夜の放置の間には分離しなかった。予想される低相の約半分を除去し、ぼろぼろの層を反応器中に生成物とともに残した。バッチを減圧蒸留してTHFおよび水を留去し、約22 Lの容積とした後、クロロベンゼンを戻した。透明溶液を得られなかったので、さらに数工程を実験室作業に基づいて加えた。まず、精製水9 Lを反応器に充填し、バッチを15分間混合した。下層(生成物豊富なクロロベンゼン層)を新しいPE-ラインドラムに取り出し、上水層を別のドラムに取り出した。反応器を精製水ですすぎ、水を反応器から取り出した。5ミクロン綿カートリッジフィルターを通して反応器に生成物層を戻した。綿フィルターはほとんどの暗茶色不溶性物質を除去したようであった。ドラムおよび移送ラインをクロロベンゼン2 kgですすいだ。バッチを減圧蒸留して42 Lとし、バッチをTHFおよびH2O含有量についてサンプリングした。バッチにクロロベンゼン10 kgを加え、減圧蒸留を繰り返した。バッチを再びサンプリングした後、25℃まで冷却した。
【0094】
乾燥した水不含50ガロンガラスライン反応器中に、PCl527.0 kg、次いでクロロベンゼン43 kgを充填した。スラリーを150 RPMにて撹拌しながら40℃まで加熱した。上記の形成されたクロロベンゼン溶液を30ガロン反応器から100ガロン反応器に7分かけて移し;反応温度は添加中50℃を超えなかった。反応器および移送ラインをクロロベンゼン5 kgですすいだ。反応量を55℃(15分)まで加熱し、1時間混合した。バッチを25℃まで冷却し、反応完了のためにサンプリングした。
【0095】
精製水30 Lを用いて100ガロンガラスライン反応器をすすぎ、これをラクタム反応物の減圧蒸留の間、蒸留受けとして用いた。反応混合物を含んだ50ガロンではなく、100ガロンの反応器に水を加えたことを確認し、注意した。これをすすいだ後、精製水106 Lを100ガロン反応器に加え、水を5℃まで冷却した。50ガロン反応器中の反応物を、反応停止処理した物質が25℃の温度を超えないように、100ガロン反応器中の冷水に移して反応停止処理した。移送時間は40分であった。移送完了後、n-ヘプタン16 kgを50ガロン反応器に充填し、反応器および移送ラインをすすいだ。この洗浄物を100ガロン反応器に移し、100ガロン反応器の内容物を常温にて66 RPMにて終夜混合した。
【0096】
終夜放置した後、n-ヘプタン15.4 kgを反応器に充填し、バッチを1時間混合させた。サンプルを取り、すぐにろ過して固体の存在を検証した。ポリプロピレンバッグを用いて36”ガラスラインNutscheフィルター上にてバッチをろ過した。ろ過時間は20分であった。100ガロン反応器に、精製水21 Lを充填した。水を10分間混合して冷却した後、これをNutscheフィルターに取り出し、ケーキを洗浄した。次に、n-ヘプタン16.1 kgを100ガロン反応器に充填し、10分間混合した後、Nutscheフィルターに取り出し、ケーキを洗浄した。湿ケーキ10.5 kgをFEPラインで覆われた乾燥トレーに移した。ケーキを50℃にて28時間乾燥し、所望のジクロロ生成物8.5 kgを得た。
【0097】
ジクロロ-ラクタム16.0 kgを50ガロンガラスライン反応器に充填した後、塩化リチウム1.2 kgおよび炭酸リチウム2.2 kgを充填した。反応器を窒素で不活性化した。反応器に、DMF31.1 kgを充填し、反応器を105〜110℃まで混合しながら加熱した。反応混合物を105〜110℃の間にて4時間維持した後、45〜50℃までサンプリングのために冷却した。反応混合物を反応完了のためにサンプリングした。次いでバッチを105〜110℃まで加熱し、50分間維持した。バッチを45〜50℃までサンプリングのために冷却し、完了についてサンプリングした。次いでバッチを80〜85℃まで加熱した。70℃以上の温度を維持しながらデッドヘッド・バキュームを用いて精製水93 Lをドラムから反応器に充填した。バッチを15〜20℃まで35分かけて冷却した。バッチを携帯用遠心分離機上に5-7ミクロンのポリプロピレンバッグを用いてろ過した。分離を30分続けた(集めた濃縮物121 kg)。反応器に精製水60 Lを加えた。水を反応器から遠心分離機に取り出し、ケーキを洗浄した(濃縮物60 kgについて25分)。反応器にイソプロピルアルコール40.0 kgを加えた。溶媒を反応器から遠心分離機に取り出し、ケーキを洗浄した(濃縮物43.5 kgについて30分)。湿ケーキ12.8 kg(サンプル0.6 kgを含まない)をFEPラインで覆われた乾燥トレーに移した。ケーキを70℃にて乾燥し、9時間完全に減圧とし、乾燥クロロ生成物12.8 kgを得た。
【0098】
実施例3
【化20】

出発ヒドラゾン6.5 kgおよびテトラヒドロピリドン6.0 kgを50ガロンガラスライン反応器に充填した。反応器にトルエン44.9 kgを加え、バッチを90℃まで加熱した。バッチ温度を100℃以下に維持しながら、トリエチルアミン7.2 kgを圧力シリンダーから90分かけて反応器に充填した。添加後、移送ラインをトルエン1 kgで流した。反応物を90℃にて2時間混合した後、サンプリングのために40℃まで冷却した。35℃以上の温度を維持しながら(5分)精製水11 Lを加えた。反応混合物を2時間かけて20℃まで冷却し、終夜20℃にて撹拌した。反応混合物を遠心分離した(20分)。反応器に精製水42 Lを充填し、この水を取り出し、遠心分離した。二つに分かれた液層が濃縮物中に観察され、これはケーキが完全に脱液されていないことを示す。イソプロパノール9.5 kgを反応器に充填した後、遠心分離した。この濃縮物はさらに二層を含む。湿ケーキ10.6 kgをFEPライナーで覆われた乾燥トレーに移した。ケーキを50℃にて33.5時間乾燥し、乾燥生成物9.2 kgを得た。
【0099】
実施例4
【化21】

50ガロンのハステロイ反応器に、出発ニトロ基8.0 kgおよびPd/C触媒240 g(Degussa E101)を充填した。反応器を窒素で不活性化した後、テトラヒドロフラン85 kgを加えた。標準操作手順に従い、水素化のために反応器を準備した。撹拌を120 RPMにて設定し、バッチを25℃にて安定化させた。撹拌を90 RPMまで減少させ、水素を加えた。水素設定圧は3,100 mmHgであった。ジャケットを20℃まで冷却し、撹拌を150 RPMに達するまで20分かけて増大した。次いでジャケット温度を40℃まで約30分かけて増大した。バッチを40℃にて3時間維持した後、反応器を減圧し、不活性化した。サンプリング前にバッチを10分間安定させた。バッチを反応完了のためにサンプリングした。バッチにTHF2.6 kg中にてスラリー化したPd/C触媒120 gを加えた。移送ラインをTHF1.4 kgを通してすすいだ。撹拌を200 RPMに設定し、反応器を水素圧3,100 mmHgまで加圧した。バッチを40℃にて3時間反応させた。反応器を減圧し、不活性化した。バッチを反応完了のためにサンプリングした。撹拌を100 RPMまで減少させ、バッチを40℃にて終夜維持した。
【0100】
バッチを35℃まで冷却し、撹拌を150 RPMまで増大させ、40%水性炭酸カリウム7.2 kgを反応器に充填した。反応器にメタ重亜硫酸ナトリウム158 gの精製水4 L溶液を充填した後、精製水2.2 kgですすいだ。バッチを200 RPMにて15分間混合した。バッチを30℃まで冷却した。30〜38℃の間の温度を維持しながら、反応器に塩化5-ブロモバレリル4.4 kgを20分かけて充填した。添加ラインをTHF3.0 kgで流した。バッチを25℃まで冷却し、2時間反応させた。バッチを2時間の反応時間後、反応完了のためにサンプリングした。バッチにさらに塩化5-ブロモバレリル0.3 kgを加えた。バッチを1時間反応させた後、バッチを反応完了のためにサンプリングした。バッチを5ミクロンのポリプロピレンバッグ、次いで二つのカートリッジフィルター(0.5ミクロン、次いで0.2ミクロン)でバッグフィルターに通してろ過した。ろ過を20分続けた。反応器をTHF14.2 kgですすぎ、洗浄物をろ過トレイン(filtration train)に取り出し、触媒ケーキを洗浄した。ろ液をフッ素化ポリプロピレンドラム中に集めた。
【0101】
生成物溶液を50ガロンガラスライン反応器に移した。バッチを減圧(圧力=100 mmHg;最大ジャケット温度=50℃)下、約38 Lの容積まで蒸留した。圧力シリンダーから約30分かけてバッチに試験用(200 proof)エタノール33.0 kgを加えた。45〜50℃の温度にて維持しながら、バッチに精製水32 Lを30分かけて充填した。バッチを20℃まで90分かけて冷却し、20℃にて1時間混合した。次いでポリプロピレンバッグを備えた携帯用遠心分離機にバッチを取り出した。固体生成物を約15分にて分離した(濃縮物86.9 kgを集めた)。反応器に試験用(200 proof)エタノール30.0 kgを充填した。溶媒を遠心分離機に取り出し、ケーキを洗浄した。ケーキを洗浄し、回転(spin out)を25分間続け;濃縮物32.8 kgを集めた。湿ケーキ9.3 kgを減圧下65℃にて28.5時間乾燥し、所望のアミド9.3 kgを得た。
【0102】
実施例5
【化22】

50ガロンガラスライン反応器に、実施例4からの生成物16.7 kgを加えた。反応器を不活性化し、テトラヒドロフラン74.0 kgを反応器に充填した。反応器にカリウムエトキシド11.7 kg(エタノール中24%溶液)を9分かけてデッドヘッド・バキュームにより加えた。バッチ温度を上昇させたが、40℃を超えない。すぐに移送ラインをTHF1Lですすいだ。バッチが40℃に達したとき、氷酢酸180 gを回送ラインにより反応器に充填した。移送ラインは精製水1Lですすいだ。反応器にPicaChem 80PN活性炭50 gおよび精製水16Lを充填した。バッチを30分間混合し、サンプリングしてpH(約7.3)をチェックした。1.0ミクロンのポリプロピレンバッグを有するバッグフィルター、次いで二つのポリプロピレンカートリッジフィルター(0.5ミクロン、次いで0.2ミクロン)に通してバッチをろ過し、ジャケット温度を45℃にて100ガロンガラスライン反応器に移した。50ガロン反応器にテトラヒドロフラン7.0 kgを充填した。THFをろ過トレインに通して100ガロン反応器に移した。
【0103】
次いで100ガロン反応器に、精製水130リットルを充填した。反応器内容物を45±3℃にて1時間維持した。バッチを5±3℃まで2時間冷却し、1時間混合しながら5±3℃にて維持した。1〜3ミクロンのポリプロピレンバッグを備えた携帯用遠心分離機上に固体生成物を分離した。分離を1時間続けた(集めた濃縮物214.9 kg)。100ガロン反応器に精製水100リットルを充填し、この水を反応器から遠心分離機に取り出し、ケーキを洗浄した。ケーキ洗浄時間は30分であり、濃縮物103.5 kgを集めた。100ガロン反応器に5±3℃まで冷却した酢酸エチル29.0 kgを充填した。溶媒を反応器から遠心分離機に取り出した。ケーキ洗浄時間は30分であり、濃縮物36.6 kgを集めた。ケーキを減圧下70℃にて24.5時間乾燥し、所望のラクタム10.7 kgを得た。
【0104】
実施例6
【化23】

100ガロンガラスライン反応器に、プロピレングリコール(米国薬局方)73.0 kg、次いで実施例5の生成物10.0 kgを充填した。反応器を窒素で不活性化し、35℃まで加熱した。熱水を用いて圧縮ガスシリンダーから無水アンモニア6.8 kg(99.99%)を入れ、気化させた。35℃バッチ温度を維持しながら、全アンモニア(20当量)6.8 kgを4時間かけて加えた。反応器圧は930〜940トールであり、ジャケット温度は添加の間中ほぼ26.6℃であった。添加完了後、バッチを2時間かけて90℃まで加熱した。泡は観察されなかった。バッチを150 RPM、90℃にて12時間混合した。圧力を約45 psigにて維持した。
【0105】
バッチを40℃まで2.5時間かけて冷却し、撹拌を75 RPMまで遅め、結晶摩耗を最小限にした。アンモニアを洗浄機(scrubber)に放出した。反応器を窒素で1200 mmHgまで加圧した後、酢酸洗浄機に放出した。バッチを反応完了のために結晶体についてサンプリングした。バッチを90℃まで加熱し、150 RPMにて4時間混合した。バッチを2時間かけて40℃まで冷却し、結晶体についてサンプリングした。バッチを50 RPMにて終夜撹拌し続けた。
【0106】
次いでバッチを115℃まで加熱し、150 RPMにて混合した。バッチ温度を安定化させたとき、プロピレングリコール(米国薬局方)1.1 kg中のN-1体種結晶(seeds)30 gを充填した。種結晶を加えた後、バッチを115℃にて3時間混合した。バッチをサンプリングのために冷却した。バッチを加熱して115℃に戻し、30分間混合した。次いでバッチを90℃まで70分間かけて冷却した。ヘッドスペースを蒸気ミストに戻したが、とにかくバッチをプロピレングリコール(米国薬局方)0.8 kg中の種結晶25.6 gで90.9℃にて播種した。バッチを89-91℃にて15分間維持した後、50℃まで2時間かけて冷却した。バッチを結晶体についてサンプリングした。
【0107】
バッチ温度を40℃以上に維持しながら、反応器に精製水83 kgを28分かけて加え、バッチを100 RPMにて30分間混合した。バッチを20℃まで90分かけて冷却し、20℃にて30分間混合した。固体生成物を遠心分離機(ポリプロピレンバッグと適合)にて分離した。反応器に、精製水60 kgを充填し;水を取り出し、遠心分離してケーキを洗浄した。全精製水洗浄物180 kgについてこの手順を2回繰り返した。湿ケーキ9.1 kgを65℃にて31時間減圧乾燥し、所望のアミド8.9 kgを得た。
【0108】
実施例7
【化24】

エチルエステル10 gをN,N-ジメチルホルムアミド60 mLおよびホルムアミド20 mL中50℃にて溶解させた。溶液の含水量をカール・フィッシャー(Karl Fisher(KF))法(0.18 wt%)により測定した。オルトギ酸トリメチル1.2 mLおよびトリフルオロ酢酸0.3 mLを加え、混合物を30分間50℃にて撹拌した。KF分析を繰り返し、水0.01 wt%を検出した。ナトリウムメトキシドのメタノール溶液6.1 mL(25 wt%)を加え、混合物を2時間撹拌し、この時点にてHPLCにより反応が完了した。水60 mLを50℃にて加え、得られたスラリーを25℃まで冷却し、2時間撹拌した。生成物をろ過し、水(2×100 mL)およびtert-ブチルメチルエーテル50 mLで洗浄した。減圧オーブン中70℃にて乾燥した後、灰白色アミド8.2 g(87%収率)を単離した(多形体H2-2)。
【0109】
実施例8
【化25】

N2により不活性化された100 mLオートクレーブ中に、実施例3からのニトロ化合物8.75 g、5%Pd/Al2O30.44 gタイプC5941(Johnson Matthey)およびNMP50 mLを加えた。反応器を3時間25℃にて水素25 psigで加圧した。減圧後、懸濁液を分液漏斗上にろ過した。ケーキをNMP8 mLで3回洗浄した。アニリンをNMP中の溶液として96%収率にて得た。
【0110】
20〜36℃の間の内部温度を維持しながら、アニリン17.88 gのNMP175 mL溶液を塩化クロロバレリル(CVC)8.00 mLで処理した。1時間後、反応を完了した。
【0111】
オルトギ酸トリエチル38.10 mLおよびTFA0.70 mLをCVC付加生成物に加えた。1時間後、KF測定により234 ppmにて水分レベルを示した。NaOEt60.2 mL(EtOH中21 w%)を滴加した。内部温度を20〜30℃の間に維持した。環化を3時間にて達成した。TFA6.80 mLを滴加した。0.5時間後、水175 mLを0.5時間かけて加えた。3時間後、固体をろ過し、水175 mLで2回、MTBE175 mLで2回すすぎ、減圧オーブン(60℃、25 mmHg)中、12時間乾燥した。ラクタムを79%収率(17.00 g)で得た。
【0112】
実施例9
【化26】

エチルエステル1 kgを無水N,N-ジメチルホルムアミド7.55 kgおよびホルムアミド2.26 kg(99.5+%, Aldrich)とともに反応器中に充填した。混合物を撹拌し、48-52℃まで昇温させた。溶液の含水量をカール・フィッシャー法(0.18 wt%)により測定した。オルトギ酸トリメチル0.1376 kgおよびトリフルオロ酢酸0.047 kgを加え、混合物を48〜52℃にて30分間撹拌した。KF分析を繰り返し、水0.03 wt%を検出した。ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.7866 kgを加え、混合物を30分間撹拌し、この時点にてHPLCにより反応が完了した。水0.4 kgを48〜52℃にて加え、溶液を撹拌し、20〜25℃まで2時間冷却した。水7.6 kgを17〜20℃にて1時間以内で加えた。得られたスラリーを17〜20℃にて約1〜2時間撹拌した。スラリーを結晶化の完了のためにサンプリングした。
【0113】
スラリー1 Lを一時的なタンクに移し、55〜60℃まで加熱し、はぎ取り、撹拌してH2-2から小粒状N-1結晶の多形体に変換した。RamanおよびLasentecにより示されるように多形体変換の完了後、55〜60℃のタンク温度を維持しながら残存するスラリーを一時的なタンクに移した。スラリーをはぎ取り、撹拌して小粒状N-1結晶を形成させた。1 Lの液体レベルを維持しながら、スラリーを連続的にレシーバータンクにデカンテーションした(55℃にて維持)。レシーバータンクを2〜3時間かけて20℃まで冷却した。スラリーをろ過し、水(3×5 kg)およびイソプロパノール(1×4 kg)で洗浄し、減圧オーブン中50℃にて乾燥し、N-1結晶として最終生成物(0.80〜0.85 kg, 85〜90%収率)を得た。
【0114】
X線回折:他の適切な標準NISTで計算された2θスピニング・キャピラリーを有する回折計(CuKα)で集めた高品質パターンに基づく室温における特徴的な回折ピーク位置(2θ±0.1度)を以下の第1表に示す。
【表1】

【0115】
テトラメチルシラン(TMS)と比較したSSNRM13シフト(δ)は:20.5、21.5、24.5、31.4、51.7、54.4、113.4、117.1、121.7、125.4、128.2、128.9、130.6、131.7、134.3、141.8、158.1、160.0、161.7および172.2(ppm)である。
【0116】
データは、Bruker-Nonius CAD4連続回折計にて収集した(BRUKER AXS, Inc., 5465 East Cheryl Parkway Madison, WI 53711)。単位格子パラメータは、25高角反射の実験的回折計設定の最小二乗分析により得た。強度はθ-2θ可変スキャン法により一定温度にてCu Kα放射線(λ= 1.5418Å)を用いて測定し、ローレンツ偏光因子のみ補正した。バックグラウンド計数は、スキャンの半分の時間についてスキャンの極度にて収集した。あるいは、単一結晶データはCu Kα放射線(λ= 1.5418Å)を用いてBruker-Nonius Kappa CCD 2000系にて収集した。測定された強度データの指標および処理は、コレクトプログラムパッケージソフトのHKL2000ソフトウェアパッケージにより行った(Otwinowski, Z.&Minor, W. (1997) in Macromolecular Crystallography, eds. Carter, W.C. Jr&Sweet, R.M. (Academic, NY), Vol. 276, pp.307-326およびCollect Data collection and processing user interface: Collect: Data collection software, R. Hooft, Nonius B.V., 1998を参照のこと)。指示したときに、結晶はデータ収集中においてOxford冷凍系の冷却流中にて冷却した(Oxford Cryosystems Cryostream cooler: J. Cosier and A.M. Glazer, J. Appl. Cryst., 1986, 19, 105を参照のこと)。構造は直接的な方法により解決し、局所的に小改変されたSDPソフトウェアパッケージ(Structure Determination Package,Enraf-Nonius, Bohemia NY 11716)または結晶学パッケージ, MAXUS(maXus solution and refinement software suite: S. Mackay, C.J. Gilmore, C. Edwards, M. Tremayne, N. Stewart, K. Shankland)のいずれかを用いて観察された反射に基づき絞り込んだ。
【0117】
誘導原子パラメータ(配位および温度因子)は、完全マトリックス最小二乗法により絞り込んだ。絞り込みにて最小化された関数において、
Σw(|Fo|-|Fc|)2Rは、Σ||Fo|-|Fc||/Σ|Fo|として定義され、
Rw = [Σw(|Fo|-|Fc|)2w|Fo|2]1/2
(式中、wは観察された強度における誤差に基づく適当な重み関数である)である。絞り込みのすべての段階において差の分布図を調べた。等方性温度因子とともに理想的な位置にて水素を導入したが、水素パラメータは変化しなかった。
【0118】
結晶学的データ:N-1体およびH2-2体についての単位格子データ、およびN-1体およびH2-2体についての位置パラメータを以下の第2〜4表に提供する。
【表2】

Z’は非対称単位あたりの分子数である。
T(℃)は結晶学的データについての温度である。
Vm = V(単位格子)/(ZZ’)
【0119】
【表3】

明記されなければ、占有率は1である。
【0120】
【表4】

【0121】
本発明の多くの改変および変形は上記教示を考慮して可能である。それゆえ添付の特許請求の範囲内において、本発明は本明細書に具体的に記載のものとは別の方法で行うことができることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式Iの化合物と式IIの化合物とを第一塩基の存在下にて接触させること:
【化1】

[式中、
ZはCl、Br、I、OSO2Me、OSO2PhおよびOSO2Ph-p-Meから選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
RはCl、Br、I、C1-6アルコキシおよびNR1R2から選択され;
R1およびR2は、独立してC1-6アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニルおよびベンジルから選択され;
あるいは、NR1R2は炭素原子、Nおよび0〜1のO原子からなる3〜8員環であり;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式IIIの化合物を製造する方法。
【請求項2】
ZがCl、BrおよびIから選択され;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;RがCl、Br、IおよびNR1R2から選択され;NR1R2がモルホリノ、ピロリジノおよびピペリジノから選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ZがClであり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;Rがモルホリノであり;環Aが非置換である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
反応(a)において、式Iの化合物が式IIの化合物と接触した後、第一塩基を添加する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
反応(a)における第一塩基が置換アミン塩基である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
置換アミン塩基がトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、dabco、DBN、DBUおよびN-メチルモルホリンから選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
置換アミン塩基がトリエチルアミンである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
反応(a)において、接触が第一非プロトン性溶媒の存在下にて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
第一非プロトン性溶媒がトルエンである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
反応(a)がさらに、第一強酸との接触を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
第一酸がHClである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
(b)式IIIのB基をアミノ基に還元すること;および
(c)得られたアミノ化合物とアルキル-酸ハロゲン化物とを接触させて式IVの化合物を形成させること:
【化2】

[式中、
アルキル-酸ハロゲン化物はX-C3-5-アルキレン-C(O)-X1であり;
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
X1はCl、Br、OS(O)2CH3、OS(O)2CF3、OS(O)2-フェニルおよびOS(O)2-トリルからなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式IVの化合物を製造する方法。
【請求項13】
アルキル-酸ハロゲン化物がX-(CH2)4-C(O)-X1であり;XがClおよびBrからなる群から選択され;X1がClであり;nが4であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルからなる群から選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
XがClであり;X1がClであり;nが4であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;環Aが非置換である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
反応(b)が水素、第一触媒および第二非プロトン性溶媒の存在下にて行われる、請求項12記載の方法。
【請求項16】
反応(b)において、第一触媒がPd/CおよびPd/Al2O3から選択され、第二非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノン、DMSO、DMF、DMACおよびTHFから選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
反応(b)において、第一触媒がPd/Al2O3であり、第二非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノンである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
反応(b)から得られた還元溶液をろ過して反応(c)においてアルキル-酸ハロゲン化物と接触させる、請求項12記載の方法。
【請求項19】
(d)式IVの化合物を環化させて式Vの化合物を形成させること:
【化3】

[式中、
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
を含む、式Vの化合物を製造する方法。
【請求項20】
pが1であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2およびOC(CH3)3から選択され;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
pが1であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがOCH2CH3であり;環Aが非置換である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
反応(d)が第一化学的脱水剤の存在下にて行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
第一脱水剤が第二強酸および第一オルトギ酸エステルである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
第二強酸がTFAであり、第一オルトギ酸エステルがオルトギ酸トリエチルである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
化合物IVを第一化学的脱水剤と接触させた後、ナトリウムアルコキシドを添加する、請求項22記載の方法。
【請求項26】
ナトリウムアルコキシドがナトリウムエトキシドである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
環化反応(d)が第三非プロトン性溶媒の存在下にて行われる、請求項19記載の方法。
【請求項28】
第三非プロトン性溶媒がN-メチルピロリジノンである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
(e)式Vの化合物のエステルR1aをアミド化して式VIの化合物を形成させること:
【化4】

[式中、
pは0、1および2からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはOCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択され;
R5はH、CH3およびCH2CH3から選択される]
を含む、式VIの化合物を製造する方法。
【請求項30】
pが1であり;環Dが3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;R1aがCO2CH2CH3であり;環Aが0〜1のR4で置換され;R4がHおよびFから選択され;R5がHである、請求項30記載の方法。
【請求項31】
pが1であり;環Dが4-メトキシフェニルであり;R1aがCO2CH2CH3であり;環Aが非置換である、請求項31記載の方法。
【請求項32】
反応(e)が式Vの化合物とホルムアミドとを第二塩基および第四非プロトン性溶媒存在下にて接触させること(ここに、ホルムアミドはHC(O)NHR5であり;第二塩基はアルコキシドであり;R5はH、CH3およびCH2CH3から選択される)により行われる、請求項30記載の方法。
【請求項33】
ホルムアミドがHC(O)NH2であり;第二塩基がC1-6アルコキシドであり、対イオンがLi、Na、K、LiおよびMgから選択され;第四非プロトン性溶媒がDMFである、請求項33記載の方法。
【請求項34】
反応(e)において、式Vの化合物および第四非プロトン性溶媒を第二化学的脱水剤と接触させた後、第二塩基と接触させる、請求項30記載の方法。
【請求項35】
式IIa:
【化5】

[式中、
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物。
【請求項36】
式III:
【化6】

[式中、
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物。
【請求項37】
式IV:
【化7】

[式中、
XはCl、BrおよびIからなる群から選択され;
nは3、4および5からなる群から選択され;
環Dはフェニル、2-フルオロフェニル、3-クロロフェニルおよび4-メトキシフェニルから選択され;
R1aはCH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、OCH2CH2CH2CH3、OCH(CH3)CH2CH3、OCH2CH(CH3)2、OC(CH3)3、O-フェニル、OCH2-フェニル、OCH2CH2-フェニルおよびOCH2CH2CH2-フェニルから選択され;
環Aは0〜1のR4で置換され;
BはNO2であり;
R4はH、OH、OCH3、OCH2CH3、OCH2CH2CH3、OCH(CH3)2、F、Cl、Br、I、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH(CH3)2、CH2CH2CH2CH3、CH2CH(CH3)2、CH(CH3)CH2CH3、CH(CH3)3、-CNおよびCF3から選択される]
で示される新規化合物。

【公表番号】特表2008−514712(P2008−514712A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534702(P2007−534702)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/034548
【国際公開番号】WO2007/001385
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】