説明

5−フロピリジノン置換インダゾール

化合物を開示する。本化合物は、MCH1モジュレータとして作用する。他の実施形態も開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2007年1月10日出願の米国仮出願第60/884,351号、および2007年7月21日出願の米国仮出願第60/951,202号から優先権を主張する。両出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、肥満の治療に有用である、ヒトメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体選択的拮抗剤5−フロピリジノン置換インダゾール、これらの化合物を含む薬学的組成物、ならびに哺乳動物における肥満、不安神経症、うつ病、および精神疾患の治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
肥満、ならびに糖尿病、脂質異常症、冠状動脈性心臓病、および特定の癌等の肥満に関連する多数の併存疾患は、公衆衛生上、主要な関心事である。肥満の治療のために現在利用可能な薬物療法は、有効性が限られており、それらの使用を制限する副作用がある。したがって、肥満に対するより優れた薬物療法の、強い医療ニーズがある。
【0004】
メラニン凝集ホルモン(MCH)は、食物摂取および体重調整に効果を及ぼす食欲促進ペプチドとして同定されている。MCHは、エネルギー制限およびレプチン欠損の両方に反応して、不確帯および外側視床下部に発現される、環状の19アミノ酸神経ペプチドである。MCHは、ラットの側脳室に注入されると、摂食を刺激し、遺伝性肥満マウス(ob/ob)の視床下部、ならびに絶食対照動物およびob/ob動物において、MCHのmRNAが上方調節されることが既知である。さらに、MCHで処理された動物は、グルコース、インスリン、およびレプチンのレベルの増加を示し、ヒトのメタボリックシンドロームに似た症状を呈する(Gomori,A.Chronic infusion of MCH causes obesity in mice Am.J Physiol.Endocrinol.Metab.284,E583,2002(非特許文献1))。MCHを欠くマウスは、代謝率が高く、食欲が減退し、痩せているが、MCHを過剰に発現する動物は、標準および高脂肪の食餌の両方において、過剰に体重が増加する。MCHは、他の神経系機能にも影響を及ぼすと考えられる(Rocksz,L.L.Biological Examination of Melanin Concentrating Hormone 1 Multi−tasking from the hypothalamus Drug News Perspect 19(5),273,2006(非特許文献2))。オーファンGタンパク質共役受容体(GPCR)が、近年、MCH受容体として同定された。したがって、MCHとMCH受容体との間の結合の分裂、すなわち、MCH拮抗作用を使用して、MCHの影響を打ち消すことができる(McBriar,M.D.Recent advances in the discovery of melanin−concentrating hormone receptor antagonists Curr.Opin.Drug Disc. & Dev.9(4),496,2006(非特許文献3))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Gomori,A.Chronic infusion of MCH causes obesity in mice Am.J Physiol.Endocrinol.Metab.284,E583,2002
【非特許文献2】Rocksz,L.L.Biological Examination of Melanin Concentrating Hormone 1 Multi−tasking from the hypothalamus Drug News Perspect 19(5),273,2006
【非特許文献3】McBriar,M.D.Recent advances in the discovery of melanin−concentrating hormone receptor antagonists Curr.Opin.Drug Disc. & Dev.9(4),496,2006
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態による、式Iの化合物であって、

式中、
nは、1または2であり、
Rは、NRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよび置換されていてもよいアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが付着するN原子と共に、示されるN原子に加えて1または2個のヘテロ原子を含んでもよい4〜7員の置換されていてもよい非芳香族複素環を形成し、
およびRはそれぞれ独立して、Hおよびアルキルから選択されるか、またはR、RおよびRは、組み合わせて、置換されていてもよいイミダゾリン−2−イルを形成することができ、
Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、
、R、Rはそれぞれ独立して、H、−OH、−O−アルキル、アルキル、ハロ、−CF、および−CNから選択され、
但し、該化合物は、以下の


のうちの1つではないことを条件とする、化合物を提供する。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態によれば、Rは、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、および3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イルからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、Rは、S−2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、R−2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、S−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、およびR−3−ヒドロキシピロリジン−1−イルから選択される。幾つかの実施形態では、R、R、およびRは、組み合わせて、1、4、および5位のそれぞれにおいてアルキルで独立して置換されていてもよいイミダゾリン−2−イルを形成する。本発明の幾つかの実施形態によれば、RおよびRは、共にHである。幾つかの実施形態において、nは1である。他の実施形態において、nは2である。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態において、Bはフェニルである。幾つかの実施形態において、Bは、R、R、およびRと一緒になって、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−シアノ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−2−メトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、および4−メチルフェニルからなる群から選択される。本発明の幾つかの実施形態において、Bはピリジンである。幾つかの実施形態において、Bは、R、R、およびRと一緒になって、5−クロロピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、5−フルオロピリジン−2−イル、およびピリジン−2−イルからなる群から選択される。本発明の幾つかの実施形態において、Bはピリダジンである。幾つかの実施形態において、Bは、R、R、およびRと一緒になって、6−メチルピリダジン−3−イルである。本発明の幾つかの実施形態において、Bはピリミジンである。幾つかの実施形態において、Bは、R、R、およびRと一緒になって、ピリミジン−2−イルである。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態において、R、R、Rはそれぞれ独立して、H、−O−アルキル、アルキル、ハロ、−CF、および−CNから選択される。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態において、該化合物は、以下の



のうちの1つから選択される。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態において、該化合物は、薬学的に許容される塩形態である。幾つかの実施形態において、該化合物は、HCl塩形態である。
【0012】
また、本発明の実施形態に従い、本明細書に記載される化合物と、その薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含有する薬学的組成物も提供する。
【0013】
また、本発明の実施形態に従い、肥満を治療する方法であって、肥満の軽減を必要とする患者に、本明細書に記載する肥満軽減に有効な量の化合物を投与するステップを含む、方法も提供する。
【0014】
また、本発明の実施形態に従い、不安神経症を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、本明細書に記載する治療上有効な量の化合物を投与するステップを含む、方法も提供する。
【0015】
また、本発明の実施形態に従い、うつ病を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、本明細書に記載する治療上有効な量の化合物を投与するステップを含む、方法も提供する。
【0016】
また、本発明の実施形態に従い、非アルコール性脂肪肝疾患を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、本明細書に記載する治療上有効な量の化合物を投与するステップを含む、方法も提供する。
【0017】
また、本発明の実施形態に従い、MCH受容体モジュレータによる治療に影響を受けやすい疾患または状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に、本明細書に記載する治療上有効な量の化合物を投与するステップを含む、方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書を通して、用語および置換基はそれらの定義を保有する。
【0019】
アルキルは、線状、分枝状、または環状炭化水素構造、およびこれらの組み合わせを含むことを意図する。別途限定されない限り、該用語は、20個以下の炭素のアルキルを指す。低級アルキルは、1、2、3、4、5、および6個の炭素原子のアルキル基を指す。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−およびt−ブチル等が挙げられる。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、3、4、5、6、7、および8個の炭素原子の環状炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、c−プロピル、c−ブチル、c−ペンチル、ノルボルニル、アダマンチル等が挙げられる。
【0020】
〜C20の炭化水素(例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20)は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、およびこれらの組み合わせを含む。例としては、ベンジル、フェネチル、シクロヘキシルメチル、カンホリル(camphoryl)、およびナフチルメチルが挙げられる。「フェニレン」という用語は、式:

のオルト、メタ、またはパラ残基を指す。
【0021】
アルコキシまたはアルコキシルとは、酸素を介して、親構造に付着する、線状、分枝状、環状配置、およびこれらの組み合わせの、1、2、3、4、5、6、7、または8個の炭素原子の基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。低級アルコキシとは、1〜4個の炭素を含む基を指す。本特許出願の目的上、アルコキシはまた、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシも含み、そこでは、それぞれの酸素原子が、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシ基が、環を形成するようにそこからペンダント状になっている、原子、鎖、または環に結合される。したがって、例えば、アルコキシによって置換されたフェニルは、例えば、

であり得る。
【0022】
オキサアルキルとは、1つまたは複数の炭素(およびそれらの関連水素)が酸素によって置換されているアルキル残基を指す。例としては、メトキシプロポキシ、3,6,9−トリオキサデシル等が挙げられる。オキサアルキルという用語は、当技術分野において理解される通りのものを意図し[American Chemical Society出版のNaming and Indexing of Chemical Substances for Chemical Abstracts、¶196(¶但し127(a)に制限されない)を参照]、すなわち、酸素がその隣接原子(エーテル結合を形成する)への単結合を介して結合される化合物を指す。同様に、チアアルキルおよびアザアルキルとは、1つまたは複数の炭素が、それぞれ、硫黄または窒素によって置換されているアルキル残基を指す。例としては、エチルアミノエチルおよびメチルチオプロピルが挙げられる。
【0023】
アシルとは、カルボニル官能性を通して親構造に付着する、線状、分枝状、環状配置の、飽和、不飽和、および芳香族、ならびにこれらの組み合わせの、1、2、3、4、5、6、7、および8個の炭素原子の基を指す。アシル残基内の1つまたは複数の炭素は、親への付着点がカルボニルにとどまる限り、窒素、酸素、または硫黄により置換され得る。例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル等が挙げられる。低級アシルとは、1から4個の炭素を含む基を指す。
【0024】
アリールおよびヘテロアリールとは、置換基として、それぞれ、芳香環またはヘテロ芳香環を指す。ヘテロアリールは、O、N、またはSから選択される、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含む。双方とも、単環式5員または6員の芳香環またはヘテロ芳香環、二環式9員または10員の芳香環またはヘテロ芳香環、および三環式13員または14員の芳香環またはヘテロ芳香環を指す。芳香族6、7、8、9、10、11、12、13、および14員の炭素環は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、およびフルオレンを含み、5、6、7、8、9、および10員の芳香族複素環は、例えば、イミダゾール、ピリジン、インドール、チオフェン、ベンゾピラノン、チアゾール、フラン、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラジン、テトラゾール、およびピラゾールを含む。
【0025】
アリールアルキルは、アリール環に付着するアルキル残基を意味する。例としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0026】
置換アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル等は、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルを指し、それぞれの残基内の最大3個のH原子は、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ(アルコキシカルボニルとも称される)、カルボキシアミド(アルキルアミノカルボニルとも称される)、シアノ、カルボニル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、アルキルチオ、スルホキシド、スルホン、アシルアミノ、アミジノ、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、フェノキシ、ベンジルオキシ、またはヘテロアリールオキシで置換される。
【0027】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0028】
「プロドラッグ」という用語は、生体内でさらに活性となる化合物を指す。一般に、プロドラッグの薬物への変換は、哺乳動物の肝臓または血液中の酵素過程によって生じる。本発明の多くの化合物は、体循環に吸収されることなく、化学的に改変され得、そのような場合、生体内での活性化は、化学作用(胃内の酸性触媒による切断等で)または胃腸消化管内で酵素およびミクロフローラの仲介によって起こり得る。
【0029】
幾つかの置換基の特性において、ある置換基は、結合して環を形成し得ることが説明される。別途記載されない限り、このような環は、様々な程度(完全飽和から完全不飽和まで)の不飽和度を示し、ヘテロ原子を含むことができ、低級アルキルまたはアルコキシで置換され得ることを意図する。
【0030】
本発明の化合物は、放射標識体で存在することができる、すなわち、化合物は、通常天然で見出される原子質量または質量数とは異なる、原子質量または質量数を含む、1つまたは複数の原子を含み得ることが認識されるであろう。水素、炭素、リン、フッ素、ヨウ素、および塩素の放射性同位体は、それぞれ、H、14C、35S、18F、32P、33P、125I、および36Clを含む。これらの放射性同位体および/または他の原子の他の放射性同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。本明細書に記載の放射性標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、当業者に公知の方法によって調製され得る。好都合に、このような放射性標識化合物は、容易に調達できる放射性標識試薬を非放射性標識試薬の代わりに用いることによって、実施例およびスキームにおいて開示された手順を実行することによって調製され得る。
【0031】
「治療または予防方法」という用語は、脂質障害と関連する症状および/または影響からの改善、予防、または軽減を意味する。本明細書で使用される「予防(する)」という用語は、急性発症を未然に防ぐもしくは緩和するために、または、慢性症状の場合は、状態の可能性または重症度を軽減するために、事前に、医用薬剤を投与することを指す。医学分野(特許請求に記載の本方法が対象とする)に携わる当業者は、「予防」という用語が、絶対的な用語ではないことを理解するであろう。医学分野において、状態の可能性または重症度を大幅に軽減するために、薬剤の予防投与を意味することが理解され、これは、出願人の特許請求の範囲で意図される意味である。本明細書で使用される、患者の「治療」への言及は、予防法を含むことを意図する。
【0032】
本願を通して、様々な参考文献が参照される。本明細書に記載される特許、特許出願、特許公報、および参考文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0033】
「哺乳動物」という用語は、その辞書の意味で使用される。「哺乳動物」という用語は、例えば、マウス、ハムスター、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ、サル、イヌ(例えば、ケイネス・ファミリアリス)、ネコ、ウサギ、モルモット、およびヒトを含む霊長類を含む。
【0034】
本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含み得、したがって、光学異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体を生じ得る。それぞれのキラル中心は、絶対立体化学において、(R)−または(S)−として、定義され得る。本発明は、ラセミ体および光学的に純粋な形態を含むすべてのこのような可能な異性体、およびその混合物を含むことが意図される。光学活性された(R)−および(S)−、(−)−および(+)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製され、または従来の技術を使用して分解され得る。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的非対称中心を含む場合、別途指定がない限り、該化合物は、EおよびZの双方の幾何異性体を含むことを意図する。同様に、すべての互変異性型を含むことも意図する。
【0035】
本明細書で使用され、当業者によって理解されるように、「化合物」の詳述は、その化合物の塩、溶媒和物、および包接錯体、ならびに任意の立体異性体、または任意の割合の、いずれかのこのような形態の該化合物の混合物を含むことを意図する。したがって、本発明の幾つかの実施形態に従って、薬学的組成物、治療方法、および化合物自体についての文脈におけるものを含む、本明細書に記載される化合物は、塩形態として提供される。本発明の幾つかの実施形態によれば、該塩は塩酸塩である。
【0036】
「鏡像体過剰率」(enantiomeric excess(ee))という用語は、当技術分野において公知であり、下記のように、a+bへのabの分解に対して定義される。

【0037】
「鏡像体過剰率」という用語は、共に同一現象の測定値であるという点において、古い用語「光学純度」に関連する。eeの値は、0〜100の数字であり、0がラセミであり、100が純粋な、単一の光学異性体である。従来、98%光学的に純粋であると称されてきた化合物は、現在、96%eeとしてさらに精密に記載される。つまり、90%eeは、問題になっている材料における95%の光学異性体、および5%の他の存在を反映する。
【0038】
本明細書で見られる任意の炭素−炭素二重結合の配置は、便宜上選択されているに過ぎず、特定の配置を指定する意図はなく、したがって、本明細書において任意にEとして表現される炭素−炭素二重結合は、Z、E、または任意の比率のその2つの混合物であり得る。
【0039】
「保護」、「脱保護」、および「保護される」官能性に関連する術語が、本願を通して使用される。このような術語は、当業者により十分に理解され、一連の試薬による連続処理に関する過程の文脈において使用される。その文脈において、保護基とは、1つの過程ステップの間、それがなければ反応するがその反応が望ましくない官能基をマスクするために使用される基を指す。保護基は、そのステップで反応を防ぐが、その後、本来の官能性を曝露するために除去され得る。除去または「脱保護」は、保護基がなければ官能基が干渉するであろう反応が完了した後、行なわれる。したがって、本発明の過程にあるように、一連の試薬を特定する場合、当業者は、「保護基」として適切であるそれらの基を容易に想定することができる。その目的のための適切な基は、T.W.Greene[John Wiley & Sons,New York,1991]によるProtective Groups in Organic Synthesis等の、化学分野における標準的な教科書で論じられ、それらは、参照により本明細書に組み込まれる。特に注目すべきは、「Protection for the Hydroxyl Group,Including1,2− and 1,3−Diols」(10〜86頁)と表題をつけられた章である。
【0040】
略語である、Me、Et、Ph、Tf、Ts、およびMsは、それぞれ、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、トルエンスルホニル、およびメタンスルホニルを表す。有機化学者(すなわち、当業者)により利用される略語の包括的な一覧は、第1版のJournal of Organic Chemistryの各巻に見られる。一般に「Standard List of Abbreviations」と表題をつけられた表で表される一覧は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
式Iの化合物がそのままの化学物質として投与される可能性はあり得るが、薬学的組成物の一部としてそれらを投与することが好ましい。本発明の実施形態に従って、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、その1つまたは複数の薬学的な担体および任意に1つまたは複数の他の治療成分と共に含む、薬学的組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と適合性があり、その受容者に有害でないという意味において、「許容され」なければならない。さらに、上記段落35の、「化合物」という用語はその塩も同様に含み、「化合物」を説明する独立請求項は、その塩も同様に言及していると理解されるという記述があるが、独立請求項において、化合物またはその薬学的に許容される塩への言及がなされた場合、そのような化合物について言及する独立請求項に従属する請求項は、該従属請求項において塩に対する明示的な言及がなされなかったとしても、該化合物の薬学的に許容される塩も含むことが理解される。
【0042】
製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、および関節内を含む)、直腸、および局所(皮膚、口腔、舌下、および眼球内を含む)投与に適切なものを含む。最も適切な経路は、受容者の状態および疾患に依存し得る。製剤は、簡便に単位用量形態で投与することができ、薬学分野において公知である任意の方法により調製され得る。このような方法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(「有効成分」)と、1つまたは複数の副成分を構成する担体とを関連させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分と、液体担体または微粉化した固体担体または両方とを均一かつ密接に関連させ、その後、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形するステップにより調製される。
【0043】
経口投与に適した製剤は、所定量の有効成分をそれぞれ含む、カプセル、カシェ剤、または錠剤等の別個の単位として、粉末もしくは顆粒として、水性液体もしくは非水性液体における溶液もしくは懸濁液として、または水中油乳濁液もしくは油中水乳濁液として、投与され得る。有効成分はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして、投与され得る。
【0044】
錠剤は、任意に1つまたは複数の副成分と共に、圧縮または成形によって、作製され得る。圧縮された錠剤は、適切な機械で、粉末または顆粒等のフリーフロー形態にある活性成分を圧縮することによって調製され、結合剤、滑剤、不活性希釈剤、潤滑剤、界面活性剤、または分散剤と任意に混合することができる。不活性液体希釈剤で湿潤された粉末化合物の混合物を、適した機械において成形することによって、成形された錠剤を作製してもよい。錠剤は、任意にコーティングまたは刻み目を入れることができ、その中で有効成分を持続放出、遅延放出、もしくは制御放出するように、処方され得る。薬学的組成物は、「薬学的に許容される不活性担体」を含み得、この語句は、デンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶性セルロース、希釈剤、潤滑油、結合剤、崩壊剤等を含む、1つまたは複数の不活性賦形剤を含むことを意図する。所望の場合、開示される組成物の錠剤用量は、標準的な水溶性または非水溶性技術によって、コーティングされ得、「薬学的に許容される担体」はまた、制御放出手段も包含する。
【0045】
薬学的組成物はまた、他の治療成分、凝固剤、保存料、甘味剤、着色剤、香味料、乾燥剤、可塑剤、染料等を任意に含み得る。いかなるこのような任意の成分も、製剤の安定性を確実にするよう、式Iの化合物と適合しなければならない。組成物は、必要に応じて、例えば、乳糖、グルコース、果糖、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルティトール、メレジトース、スタキオース、ラクチトール、パラチニット(palatinite)、デンプン、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトール等、およびこれらの水和物、ならびに例えばアラニン、グリシン、およびベタイン等のアミノ酸、ならびに例えば胚乳等のペプチドおよびタンパク質を含む、他の添加剤を含み得る。
【0046】
薬学的に許容される担体および薬学的に許容される不活性担体、ならびに前述の追加成分として使用するための賦形剤の例としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑油、抗菌剤、およびコーティング剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
成人ヒトに対する用量範囲は、一般に、経口で0.005mg〜10g/日である。錠剤、または別個の単位で提供される他の提示形態は、このような用量で、または例えば5mg〜500mg、通常約10mg〜200mgを含有する同じ単位の複数回用量で有効である式Iの化合物の量を、簡便に含有し得る。患者に投与される化合物の正確な量は、担当医師の責任となる。しかしながら、用いられる用量は、患者の年齢および性別、治療される正確な疾患、ならびにその重症度を含む、多くの要因に依存する。
【0048】
用量単位(例えば、経口用量単位)は、例えば、1〜30mg、1〜40mg、1〜100mg、1〜300mg、1〜500mg、2〜500mg、3〜100mg、5〜20mg、5〜100mg(例えば、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg)の本明細書に記載の化合物を含むことができる。
【0049】
薬学的組成物およびそれらの製剤についてのさらなる情報に関しては、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2000を参照されたい。
【0050】
薬剤は、例えば、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、腹腔内注射、局所、舌下、関節内(関節における)、皮内、口腔、眼(眼球内を含む)、鼻腔内(カニューレの使用を含む)、または他の経路により投与することができる。薬剤は、経口で、例えば、所定量の活性成分を含有する錠剤またはカシェ剤、ゲル、ペレット、ペースト、シロップ、ボーラス、舐剤、スラリー、カプセル、粉末、顆粒として、水性液体または非水性液体における溶液または懸濁液として、水中油乳濁液または油中水乳濁液として、ミセル製剤(例えば、WO97/11682を参照)を介して、リポソーム製剤(例えば、欧州特許第EP736299号、WO99/59550、およびWO97/13500を参照)を介して、WO03/094886に記載の製剤または幾つかの他の形態で、投与することができる。薬剤はまた、経皮投与(すなわち、リザーバ型またはマトリクス型パッチ、極微針、熱穿孔法(thermal poration)、皮下針、イオントフォレシス、電気穿孔法、超音波または超音波療法(sonophoresis)の他形態、ジェット式注射、または前述の方法のいずれかの組み合わせ(Prausnitz et al.2004,Nature Reviews Drug Discovery 3:115))で、投与することができる。薬剤は、局所的に、例えば、負傷部位で損傷した血管に対して、投与することができる。薬剤は、ステント上にコーティングすることができる。薬剤は、米国特許第20020061336号に記載のヒドロゲル粒子製剤を使用した、高速経皮粒子射出法(high−velocity transdermal particle injection techniques)を使用して、投与することができる。さらなる粒子製剤が、WO00/45792、WO00/53160、およびWO02/19989に記載されている。プラスターおよび吸収促進剤ジメチルイソソルビドを含有する経皮製剤の例が、WO89/04179に見られる。WO96/11705は、経皮投与に適切な製剤を提供する。薬剤は、坐薬の形態で、または他の経膣もしくは直腸的手段により投与することができる。薬剤は、WO90/07923に記載されるような、膜貫通型製剤で、投与することができる。薬剤は、米国特許第6,485,706号に記載の脱水粒子を介して非侵襲的に投与することができる。薬剤は、WO02/49621に記載されるように、腸溶性製剤で投与することができる。薬剤は、米国特許第5,179,079号に記載の製剤を使用して経鼻投与することができる。非経口注射に適した製剤は、WO00/62759に記載されている。薬剤は、米国特許第20030206939号およびWO00/06108に記載のカゼイン製剤を使用して投与することができる。薬剤は、米国特許第20020034536号に記載の粒子製剤を使用して投与することができる。
【0051】
薬剤は、単独またはその他の適した構成成分と組み合わせて、気道内注入(注射器による肺への溶液の送達)、リポソームの気管内送達、吹送(注射器または任意の他の類似デバイスによる肺への粉末製剤の投与)、およびエアロゾル吸入が含まれるがそれらに限定されない幾つかの技術を利用して、肺経路により投与することができる。エアロゾル(例えば、ジェットまたは超音波ネブライザー、定量噴霧式吸入器(MDI)、およびドライパウダー吸入器(DPI))はまた、鼻内適用に使用することができる。エアロゾル製剤は、気体媒質中の、固体材料および液滴の安定した分散液または懸濁液であり、ヒドロフルオロアルカン(HFA、すなわち、HFA−134aおよびHFA−227、またはその混合物)、ジクロロジフルオロメタン(または高圧ガス11、12、および/または114の混合物等の他のクロロフルオロカーボン高圧ガス)、プロパン、窒素等の加圧された許容可能な高圧ガスに入れることができる。経肺製剤は、脂肪酸等の透過促進剤、およびサッカリド、キレート剤、酵素阻害剤(例えば、プロテアーゼ阻害剤)、アジュバント(例えば、グリココール酸、サーファクチン、スパン85、およびナファモスタット)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウムまたはクロロブタノール)、およびエタノール(通常、最大5重量%であるが、場合により最大20重量%)を含み得る。エタノールは、計量バルブの機能を改善し、場合によっては、分散液の安定性も改善することができるため、一般に、エアロゾル組成物に含まれる。経肺製剤は、界面活性剤をも含み得るが、例として、限定されないが、胆汁塩と、米国特許第6,524,557号およびその中の参考文献に記載のものとが挙げられる。米国特許第6,524,557号に記載の界面活性剤、例えば、C〜C16脂肪酸塩、胆汁塩、リン脂質、またはアルキルサッカリドは、報告によれば、それらのうちの幾つかもまた、製剤中の化合物の吸収を促進するという点において、好都合である。また、本発明において、適切な担体と混合され、ドライパウダー吸入器に関連して使用するように適合された治療上有効な量の活性化合物を含有するドライパウダー製剤が適している。本発明のドライパウダー製剤に加えることができる吸収促進剤には、米国特許第6,632,456号に記載のものを含む。WO02/080884は、粉末の表面改質のための新規方法を記載している。エアロゾル製剤は、米国特許第5,230,884号、米国特許第5,292,499号、WO017/8694、WO01/78696、米国特許第2003019437号、米国特許第20030165436号、およびWO96/40089(植物油を含む)を含み得る。吸入に適している持続放出製剤は、米国特許第20010036481A1号、第20030232019A1号、および米国特許第20040018243Al号、ならびにWO01/13891、WO02/067902、WO03/072080、およびWO03/079885に記載されている。微粒子を含有する経肺製剤は、WO03/015750、米国特許第20030008013号、およびWO00/00176に記載されている。安定したガラス状態の粉末を含有する経肺製剤は、米国特許第20020141945号および米国特許第6,309,671号に記載されている。他のエアロゾル製剤は、欧州特許第EP1338272A1号、WO90/09781、米国特許第5,348,730号、米国特許第6,436,367号、WO91/04011、ならびに米国特許第6,294,153号に記載され、米国特許第6,290,987号は、エアロゾルまたは他の手段を介して、投与することができるリポソームをベースとする製剤について記載している。吸入用の粉末製剤は、米国特許第20030053960号およびWO01/60341に記載されている。薬剤は、米国特許第20010038824号に記載されるように、鼻腔内に投与することができる。
【0052】
ネブライザーでエアロゾルを生成するために、緩衝食塩水および類似の媒介物中の医用薬剤の溶液が、一般に利用される。単純なネブライザーは、ベルヌーイの法則で作動し、噴霧粒子を生成するために空気流または酸素流を利用する。より複雑なネブライザーは、噴霧粒子を形成するために超音波を利用する。両方の型は、当技術分野において公知であり、Sprowlsの「American Pharmacy」およびRemingtonの「The Science and Practice of Pharmacy」等の薬学の標準的な教科書に記載されている。エアロゾルを生成するための他のデバイスは、圧縮ガス、通常ヒドロフルオロカーボンおよびクロロフルオロカーボンを利用し、これらのガスは加圧容器内で医用薬剤および任意の必要な賦形剤と混合され、これらのデバイスも同様にSprowlsおよびRemington等の標準的な教科書に記載されている。
【0053】
薬剤は、半減期を向上させるためにリポソームに組み込むことができる。薬剤はまた、ポリエチレングリコール(PEG)鎖と複合化することもできる。PEG化の方法およびPEG複合体を含むさらなる製剤(すなわちPEGベースのヒドロゲル、PEG修飾リポソーム)は、Harris and Chess,Nature Reviews Drug Discovery 2:214−221および同文献中の参考文献に見られる。薬剤は、ナノ渦巻形または渦巻形の送達媒介物(BioDelivery Sciences International)により投与することができる。薬剤は、米国特許第5,204,108号に記載されているもの等の製剤を使用して、経粘膜的に(すなわち、膣、目、または鼻等の粘膜表面を超えて)送達することができる。薬剤は、WO88/01165に記載されるように、マイクロカプセルとして製剤化することができる。薬剤は、米国特許第20020055496号、WO00/47203、および米国特許第6,495,120号に記載の製剤を使用して、口腔内に投与することができる。薬剤は、WO01/91728A2に記載のナノ乳濁液製剤を使用して送達することができる。
【0054】
表1は、本発明の実施形態の典型的な化合物を記載する。
【0055】
一般に、式Iの化合物は、容易に入手可能な出発材料、試薬、および従来の合成手順を使用して、例えば後述される一般反応スキームで説明される方法、またはその修正形態により調製され得る。これらの反応において、それら自体既知であるが、本明細書には言及されていない、変形を使用することも可能である。
【0056】
式Iの化合物を取得するための過程を以下に提示する。式Iの他の化合物は、その合成が本明細書に例示されるものについてと同様の様式で調製され得る。以下の手順は、そのような方法を説明する。さらに、本明細書に示される合成は、特定の立体化学を有する光学異性体の調製をもたらし得るが、任意の立体異性形態の式Iの化合物が、本発明の範囲内に含まれ、本明細書に示されるもの以外の立体異性形態の式Iの化合物の調製は、本明細書に提示される手順に基づき、化学分野における当業者にとって自明である。
【0057】
合成方法
スキーム1

【0058】
式2の化合物(式中、Zは塩素、臭素またはヨウ素である)は、式1の化合物を、室温で、酢酸中のNaNOと処理することによって調製することができる。
【0059】
スキーム2

【0060】
代替として、式2の化合物は、アミノインダゾール3をNaNOおよびハロゲン化銅で処理することによって調製することができる。
【0061】
スキーム3

【0062】
代替として、式2の化合物は、加熱条件下で、アルデヒド4をヒドラジンで処理することによって調製することができる。
【0063】
スキーム4

【0064】
式2の化合物を、周囲温度または加熱条件下で、塩基および式5の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等、n=1または2)で処理して、式6の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよびテトラヒドロフラン(THF)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
スキーム5

【0066】
代替として、式2の化合物を、周囲温度または加熱条件下で、塩基および式7の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等;Y=O、OR、またはH;R=アルキル基、H、またはtert−ブチルジメチルシリル等の保護基;R=アルキル;n=1または2)で処理して、式8の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。Y=ORである場合、式8の化合物を、酸性反応条件下で処理し、式9の化合物を提供することができる。Y=HおよびR=保護基である場合、式8の化合物を、適切な脱保護条件下で処理し、R=Hである式8の化合物を提供することができる。Y=HおよびR=Hである場合、式8の化合物を、デス−マーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodane)または塩化オキサリルおよびDMSO等の酸化剤で処理して、式9の化合物を得ることができる。化合物9を、アミン10と、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、またはピコリンボラン錯体等の還元剤とで処理することにより、式中n=1または2である式11の化合物を提供することができる。
【0067】
スキーム6

【0068】
さらに、Y=OおよびR=アルキルである場合、式8の化合物を、ジアミン12(式中、R10、R11、R12はそれぞれ独立して、Hまたはアルキルである)、およびトリメチルアルミニウムで処理して、式13の化合物を提供することができる。
【0069】
スキーム7

【0070】
式15の化合物(式中、Zは、塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等の活性化基であり、R13=アルキル)は、フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(化合物14)から調製することができる。Zが臭素である場合、化合物14を、周囲温度から加熱条件下で、酢酸中の臭化水素酸ピリジニウムペルブロミド等の臭素化剤で処理し、式15の化合物を得ることができる。次いで、式15の化合物を、加熱条件下で、式16の化合物(式中、Z=塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等、およびR13=アルキル)、パラジウム(0)等の触媒、および炭酸カリウム等の塩基で処理し、式17の化合物を提供することができる。
【0071】
スキーム8

【0072】
式6の化合物を、加熱条件下、ヨウ化銅等の触媒、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたは8−ヒドロキシキノリン等の配位子、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはリン酸カリウム等の塩基、および式17の化合物で処理し、式18の化合物を得ることができる。
【0073】
スキーム9

【0074】
代替として、式6の化合物を、加熱条件下、ヨウ化銅等の触媒、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたは8−ヒドロキシキノリン等の配位子、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはリン酸カリウム等の塩基、およびフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンで処理し、式19の化合物を得ることができる。次いで、適切な活性化基をフロピリジノン環上に導入し、式20の化合物(式中、Z=塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等、およびR13=アルキル)を得ることができる。Zが臭化物である場合、式19の化合物を、周囲温度から加熱条件下、酢酸中の臭化水素酸ピリジニウムペルブロミド等の臭素化剤で処理し、式20の化合物を得ることができる。式20の化合物を、加熱条件下で、式16の化合物(式中、Z=塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等、およびR13=アルキル)、パラジウム(0)等の触媒、および炭酸カリウム等の塩基で処理し、式18の化合物を提供することができる。
【0075】
スキーム10

【0076】
さらに、式8の化合物(式中、Y=O、OR、またはH;R=アルキル基、H、またはtert−ブチルジメチルシリル等の保護基;R=アルキル;n=1または2)を、加熱条件下、ヨウ化銅等の触媒、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンまたは8−ヒドロキシキノリン等の配位子、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはリン酸カリウム等の塩基、および式17の化合物で処理し、式21の化合物を得ることができる。Y=ORである場合、式21の化合物を酸性反応条件下で処理し、式22の化合物を提供することができる。Y=HおよびR=保護基である場合、式21の化合物を適切な脱保護条件下で処理し、式中、R=Hである、式21の化合物を提供することができる。Y=HおよびR=Hである場合、式21の化合物を、デス−マーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodane)または塩化オキサリル等の酸化剤、およびDMSOで処理し、式22の化合物を得ることができる。化合物22を、アミン10、および水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、またはピコリンボラン錯体等の還元剤で処理し、式中、n=1または2である式18の化合物を提供することができる。
【0077】
スキーム11

【0078】
さらに、Y=OおよびR=アルキルである場合、式21の化合物を、ジアミン12およびトリメチルアルミニウムで処理し、式23の化合物を提供することができる。
【0079】
スキーム12

【0080】
代替として、式24の化合物(式中、Zは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等の活性化基である)を、加熱条件下、DMF等の溶媒中で、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム等の塩基、および式17の化合物で処理し、式25の化合物を得ることができる。次いで、式25の化合物を、SnCl、鉄粉、およびNHCl等の還元性条件下で処理し、または水素雰囲気下のパラジウム炭素で処理して、式26の化合物を提供することができる。化合物26を、室温で、酢酸中のNaNOで処理し、式27の化合物を提供することができる。化合物27を、周囲温度または加熱条件下、塩基および式5の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等、n=2または3)で処理し、式18の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
スキーム13

【0082】
さらに、式27の化合物を、周囲温度または加熱条件下で、塩基および式7の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等;Y=O、OR、またはH;R=アルキル基、H、またはtert−ブチルジメチルシリル等の保護基;R=アルキル;n=1または2)で処理し、式21の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
スキーム14

【0084】
代替として、式27の化合物を、周囲温度または加熱条件下で、塩基および式28の化合物(式中、n=1または2、ならびにZおよびZ=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)で処理し、式29の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。式29の化合物を、周囲温度または加熱条件下、アミン10で処理し、式18の化合物(式中、n=1または2)を提供することができる。
【0085】
スキーム15

【0086】
代替として、式20の化合物は、式24の化合物から開始して作製することができる。式24の化合物(式中、Zは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等の活性化基である)を、加熱条件下、DMF等の溶媒中で、炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウム等の塩基およびフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(化合物14)で処理し、式30の化合物を得ることができる。次いで、適切な活性化基を、フロピリジノン環上に導入し、式31の化合物(式中、Z=塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等、およびR13=アルキル)を得ることができる。Zが臭化物である場合、式30の化合物を、周囲条件から加熱条件下、酢酸中で臭化水素酸ピリジニウムペルブロミド等の臭素化剤で処理し、式31の化合物を得ることができる。式31の化合物を、SnCl、または鉄粉、およびNHCl等の還元性条件下で処理し、式32の化合物を提供することができる。化合物32を、室温で酢酸中のNaNOで処理し、式33の化合物を提供することができる。化合物33を、周囲温度または加熱条件下、塩基および式5の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)で処理し、式20の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
スキーム16

【0088】
さらに、式21の化合物を、式33の化合物から開始して、作製することができる。式33の化合物を、周囲温度または加熱条件下、塩基および式7の化合物(式中、Z=ハロゲン、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等、Y=O、OR、またはH;R=アルキル基、H、またはtert−ブチルジメチルシリル等の保護基;R=アルキル;n=1または2)で処理し、式34の化合物を得ることができる。典型的な塩基としては、炭酸セシウム、炭酸カリウム、および水素化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、およびテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない。式34の化合物を、加熱条件下、式16の化合物(式中、Z=塩素、臭素、ヨウ素、B(OH)、B(OR13、SnR13等、およびR13=アルキル)、パラジウム(0)等の触媒、および炭酸カリウム等の塩基で処理して、式21の化合物を提供することができ、これは上に示す通り、式18の化合物に変換することができる。
【実施例】
【0089】
別途指摘されない限り、試薬および溶媒は、民間の供給業者から受け取った状態のものを使用した。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、300、400、または500MHzのBruker分光計上で取得された。スペクトルは、ppmの単位(δ)で与えられ、結合定数、Jは、ヘルツの単位で報告される。内部標準として、テトラメチルシラン(TMS)を使用した。質量スペクトルは、Finnigan LCQ Duo LCMSイオントラップエレクトロスプレーイオン化法(ESI)または質量Varian 1200L単一四重極型質量分析計(ESI)のいずれかを使用して回収した。高性能液体クロマトグラフ(HPLC)分析は、標準的な溶媒グラジエントプログラム(方法A)を使用し、254nmでのUV検出を用いて、Luna C18(2)カラム(250×4.6mm、Phenomenex)を使用して取得した。
【0090】
方法A

A=0.05%トリフルオロ酢酸を含む水
B=0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0091】
実施例1
2−フェニル−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)2−フェニル−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
バイルシュタイン(Beilstein)登録番号7705392

化学式:C13H9NO2
精密質量:211.06
分子量:211.22
【0092】
本分子は、Krutosikova and Sleziak,Collect.Czech.Chem.Commun.1996,6l,1627−1636に記載される合成法に従い、調製された。
【0093】
b)5−ヨード−1H−インダゾール
バイルシュタイン(Beilstein)登録番号3262

化学式:C7H5IN2
精密質量:243.95
分子量:244.03
【0094】
氷酢酸(400mL)中の4−ヨード−2−メチルアニリン(10.0g、42.9mmol)の溶液を、水(10mL)中のNaNO(2.96g、42.9mmol)の溶液で処理した。6時間撹拌後、混合物を濃縮乾固し、酢酸エチル(EtOAc)に溶解した。シリカゲル(EtOAc)のパッドを通してろ過し、深紫色固体として、表題化合物(10.4g、99%)が提供された。ESI MS m/z245[M+H]
【0095】
c)5−ヨード−1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール

化学式:C13H16IN3
精密質量:341.04
分子量:341.19
【0096】
1−(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(9.88g、58.1mmol)を、無水DMSO(100mL)中の5−ヨード−1H−インダゾール(8.86g、36.3mmol)およびCsCO(50.8g、456mmol)の懸濁液に添加し、得られた懸濁液を、25℃で14時間撹拌した。HO(100mL)を添加し、該水溶液をEtOAc(3×200mL)で抽出した。混合された有機抽出物を、食塩水(2×200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(9:1 EtO/EtN)により、黄色固体として、6.473g(52%)の表題化合物を得た。

【0097】
d)2−フェニル−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C26H24N4O2
精密質量:424.19
分子量:424.49
【0098】
N−メチルピロリドン(NMP)(2.7mL)中の5−ヨード−1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール(0.316g、0.923mmol)の溶液を、2−フェニル−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.232g、1.10mmol)、CsCO(0.601g、1.84mmol)、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(21.2mL、0.184mmol)、およびCuI(0.210g、1.10mmol)に添加し、30分間アルゴンで脱酸素化した。110℃で48時間撹拌後、反応混合物を冷却し、MeOH(3mL)および7:1 MeOH/NHOH(3mL)の溶液で希釈し、セライトを通してろ過した。ろ液を濃縮し、その後CHCl(20mL)および水(20mL)で懸濁し、CHCl(4×50mL)で抽出した。混合された有機物を乾燥させて(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/(80:18:2 CHCl/MeOH/NHOH)、100:0〜0:100)により精製し、褐色固体として、表題化合物(29.6mg、7%)を産出した。

【0099】
e)2−フェニル−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C26H25ClN4O2
精密質量:460.17
分子量:460.96
【0100】
CHCl(0.5mL)中の2−フェニル−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(27.6mg、0.065mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(65.0μL、0.065mmol、1.0M)中の無水HClで処理した。周囲温度で1時間撹拌後、反応混合物をEtO(50mL)で希釈した。得られた固体をろ過により回収し、真空オーブンで乾燥させ、褐色固体として、表題化合物(14.6mg、48%)を産出した。

【0101】
実施例2
2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)2−(4−クロロフェニル)−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン
バイルシュタイン(Beilstein)登録番号7708433。

化学式:C13H8ClNO2
精密質量:245.02
分子量:245.66
【0102】
本分子は、Krutosikova and Sleziak,Collect.Czech.Chem.Commun.1996,6l,1627−1636に記載される合成法に従い、調製された。
【0103】
b)5−ブロモ−1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール

化学式:C13H16BrN3
精密質量:293.05
分子量:294.19
【0104】
実施例1(ステップb〜c)の手順に従うが、但し、4−ヨード−2−メチルアニリンの代わりに4−ブロモ−2−メチルアニリンを用いて、橙色の油として表題化合物を調製した。

【0105】
c)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C26H23ClN4O2
精密質量:458.15
分子量:458.94
【0106】
NMP(3.3mL)中の5−ブロモ−1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール(0.349g、1.18mmol)の溶液を、2−(4−クロロフェニル)−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(0.347g、1.41mmol)、CsCO(0.768g、2.36mmol)、trans−1,2−ビス(メチルアミノ)シクロヘキサン(0.035mL、0.236mmol)、およびCuI(0.269g、1.41mmol)に添加し、30分間アルゴンで脱酸素化した。110℃で48時間撹拌後、反応混合物を冷却し、CHCl(10mL)および水(10mL)で希釈し、CHCl(4×50mL)で抽出した。セライトを通して該有機物をろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/(80:18:2 CHCl/MeOH/NHOH)、100:0〜0:100)による精製およびその後の分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)、250.0×50.0mm、10ミクロン、0.05%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含むHO、および0.05%のTFAを含むCHCN)により、淡黄色固体として、表題化合物(7.5mg、13%)を産出した。ESI MS m/z459[M+H]
【0107】
d)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C26H24Cl2N4O2
精密質量:494.13
分子量:495.4
【0108】
CDCl(0.7mL)中の2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(6.7mg、0.014mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(14.5μL、0.014mmol、1.0M)中の無水HClで処理した。周囲温度で1時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、CHCNおよびHOで希釈し、部分的に濃縮し、その後凍結乾燥し、淡黄色固体として、表題化合物(6.5mg、91%)を産出した。

【0109】
実施例3
(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)1−(2,2−ジメトキシエチル)−5−ヨード−1H−インダゾール

化学式:C11H13IN2O2
精密質量:332
分子量:332.14
【0110】
DMSO(104mL)中の5−ヨード−1H−インダゾール(8.28g、33.9mmol)の溶液に、2−ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(7.9mL、68mmol)およびCsCO(44.1g、136mmol)を添加した。反応混合物を40℃で18時間撹拌し、その後、反応混合物をHO(100mL)およびEtOAc(175mL)で希釈した。分配された物質を、EtOAc(4×175mL)で抽出した。該有機物を、食塩水(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、(0.1%のEtNを含むヘキサン)/(0.1%のEtNを含むEtOAc)、100:0〜90:10)により精製し、淡橙色の粉末として、表題化合物(4.49g、46%)を産出した。

【0111】
b)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C24H20ClN3O4
精密質量:449.11
分子量:449.89
【0112】
DMSO(11.2mL)中の1−(2,2−ジメトキシエチル)−5−ヨード−1H−インダゾール(3.14g、9.46mmol)の溶液に、2−(4−クロロフェニル)−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(2.32g、9.46mmol)、CsCO(3.39g、10.4mmol)、8−ヒドロキシキノリン(0.274g、1.89mmol)、およびCuI(2.16g、11.4mmol)を添加した。該溶液を15分間、高真空下で排出し、その後アルゴンで逆充填した。この過程を3回繰り返した。反応混合物を128℃で5時間撹拌し、その後、反応混合物を100℃に冷却し、この温度で18時間維持した。反応混合物をHO(100mL)中の10%のNHOHで希釈し、得られた固体を、追加のHO溶液(300mL)中の10%のNHOHで洗浄した。該固体をCHCl(100mL)中で溶解し、HO(2×50mL)で洗浄した。該有機物をいずれの余分な固体をも除去するためにろ過し、その後濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、0.1%のEtNを含むヘキサンから0.1%のEtNを含むヘキサン/MTBE/EtOAc 35:1.25:0.25、0.1%のEtNを含むヘキサン/MTBE/EtOH 35:1.25:0.25、CHCl/(80:18:2 CHCl/MeOH/NHOH)1:1)により精製し、褐色固体として、表題化合物(1.78g、41%)を産出した。

【0113】
c)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C22H16ClN3O4
精密質量:421.08
分子量:421.83
【0114】
40℃のTHF(36mL)中の2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2,2−ジメトキシエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(1.66g、3.69mmol)の溶液に、HO(36mL、2.0M)中のHClを添加した。該溶液を3時間で70℃に、その後2時間で80℃に加熱した。反応混合物を、HO(75mL)およびCHCl(75mL)で希釈した。得られた固体をろ過により回収し、乾燥させ、淡褐色固体として、表題化合物(1.00g、64%)を産出した。ESI MS m/z422[M+H]
【0115】
d)(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C27H25ClN4O3
精密質量:488.16
分子量:488.97
【0116】
CHCl(2.0mL)、MeOH(1.0mL)、およびAcOH(0.30mL)中の2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(86mg、0.20mmol)の溶液に、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジン(60μL、0.61mmol)およびピコリンボラン錯体(21.8mg、0.204mmol)を添加した。該溶液を、周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、その後1N HCl(2.0mL)で希釈し、周囲温度で45分間撹拌した。混合物をNaHCOで塩基性にし、CHCl(3×15mL)で抽出した。該有機物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/10%のNHOHを含むEtOH、97.5:2.5)により精製し、オフホワイトの粉末として、表題化合物(65mg、65%)を得た。

【0117】
e)(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C27H26Cl2N4O3
精密質量:524.14
分子量:525.43
【0118】
CHCl(2.0mL)中の(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(65mg、0.13mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(0.13mL、0.13mmol、1.0M)中の無水HClで処理した。周囲温度で3時間撹拌後、該固体を濃縮し、乾燥させ、オフホワイトの固体として、表題化合物(63.5mg、90%)を産出した。

【0119】
実施例4
(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C27H25ClN4O3
精密質量:488.16
分子量:488.97
【0120】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに(S)−2−ヒドロキシメチルピロリジンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(64.9mg、65%)を調製した。

【0121】
b)(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C27H26Cl2N4O3
精密質量:524.14
分子量:525.43
【0122】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(58mg、84%)を調製した。

【0123】
実施例5
(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシ)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C26H23ClN4O3
精密質量:474.15
分子量:474.94
【0124】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに(S)−3−ヒドロキシピロリジンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(11.5mg、45%)を調製した。

【0125】
b)(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C26H24Cl2N4O3
精密質量:510.12
分子量:511.4
【0126】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、(S)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(11.2mg、91%)を調製した。

【0127】
実施例6
(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシ)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C26H23ClN4O3
精密質量:474.15
分子量:474.94
【0128】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに、(R)−3−ヒドロキシピロリジンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(21.8mg、29%)を調製した。

【0129】
b)(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C26H24Cl2N4O3
精密質量:510.12
分子量:511.4
【0130】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(22.2mg、定量)を調製した。融点242〜246℃(分解);

【0131】
実施例7
2−(4−クロロフェニル)−5−(1−((4,5ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)メチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン
バイルシュタイン(Beilstein)登録番号742679

化学式:C7H5NO2
精密質量:135.03
分子量:135.12
【0132】
本化合物は、Korenova,et al.,Collect.Czech.Chem.Commun.1997,52,192−198の手順に従って調製した。
【0133】
b)2−ブロモ−5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C14Η9BrN2O4
精密質量:347.97
分子量:349.14
【0134】
4−フルオロ−2−メチル−1−ニトロベンゼン(2.3mL、19mmol)を、無水DMF(100mL)中のフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(2.115g、15.67mmol)およびCsCO(5.097g、15.67mmol)の懸濁液に添加し、得られた懸濁液を125℃に加熱し、15時間撹拌した。HOを添加し、水性懸濁液をろ過した。該固体を減圧下で乾燥させ、4.6gの未精製の5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを得、これはさらに精製することなく使用された。
【0135】
臭化水素酸ピリジニウムペルブロミド(1.14g、3.57mmol)を、N流下で、AcOH(10mL)中の未精製の5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(963mg、3.57mmol)の溶液に添加し、得られた懸濁液を約45℃まで2時間加熱した。懸濁液を減圧下で濃縮し、残渣物をHOで希釈した。得られた水性懸濁液をろ過し、該固体を減圧下で乾燥させ、1.7gの黄色固体を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(4:1 ヘキサン/EtOAc)により、黄色固体として、表題化合物(417mg、34%)を産出した。

【0136】
c)2−ブロモ−5−(1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C14H8BrN3O2
精密質量:328.98
分子量:330.14
【0137】
Fe粉末(1.30g、23.2mmol)およびNHCl(69mg、1.3mmol)を、4:1 EtOH/HO(60mL)中の2−ブロモ−5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(896mg、2.58mmol)の懸濁液に添加し、得られた懸濁液を、還流で14時間加熱した。懸濁液を温めながらセライトを通してろ過し、ろ液を濃縮し、黄色固体として、800mgの未精製の5−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−2−ブロモフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを得た。
【0138】
NaNO(174mg、2.52mmol)を5:1 AcOH/HO(24mL)中の未精製の5−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−2−ブロモフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(800mg、2.52mmol)の溶液に添加し、得られた溶液を、25℃で14時間撹拌した。該溶液を、減圧下で濃縮した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(49:1 CHCl/MeOH)で、黄色固体として、表題化合物(373mg、44%)を得た。

【0139】
d)メチル−2(5−(2−ブロモ−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−イル)1H−インダゾール−1−イル)酢酸塩

化学式:C17H12BrN3O4
精密質量:401
分子量:402.2
【0140】
DMSO(10.5mL)中の2−ブロモ−5−(1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.13g、3.41mmol)の溶液に、ブロモ酢酸メチル(0.64mL、6.8mmol)およびCsCO(4.44g、13.6mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、その後、さらにブロモ酢酸メチル(0.30mL)を添加した。3時間後、さらにブロモ酢酸メチル(0.30mL)を添加した。反応混合物を3.5時間撹拌し、その後、反応混合物をHO(50mL)で希釈し、CHCl(4×25mL)で抽出した。抽出物を食塩水(3×25mL)で洗浄し、乾燥させて(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/MTBE、4:1)で精製し、淡黄色固体として、表題化合物(0.77g、56%)を産出した。

【0141】
e)メチル−2−(5−(2−(4−クロロフェニル)−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−イル)−1H−インダゾール−1−イル)酢酸塩

化学式:C23H16ClN3O4
精密質量:433.08
分子量:433.84
【0142】
DMSO(44mL)中のメチル−2(5−(2−ブロモ−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−イル)1H−インダゾール−1−イル)酢酸塩(0.77g、1.9mmol)の溶液に、4−クロロフェニルボロン酸(0.32g、2.1mmol)、KCO(0.52g、3.8mmol)、および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.13g、0.19mmol)を添加した。該溶液を15分間、高真空下で排出し、その後アルゴンで逆充填した。この過程を3回繰り返した。反応混合物を90℃で2時間撹拌し、その後、反応混合物をHO(20mL)で希釈し、CHCl(3×40mL)で抽出した。抽出物を食塩水(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/MTBE、100:0〜1:1)により精製し、淡黄色固体として、表題化合物(0.38mg、46%)を産出した。

【0143】
f)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−((4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)メチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C24H18ClN5O2
精密質量:443.11
分子量:443.89
【0144】
0℃のトルエン(0.36mL)中のエチレンジアミン(68mL、1.0mmol)の溶液に、10分間にわたり、ゆっくりとトリメチルアルミニウム(0.50mL、トルエン中1.0M)を添加した。該溶液を0℃で5分間撹拌させ、その後、トルエン(7.27mL)中のメチル−2−(5−(2−(4−クロロフェニル)−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−イル)−1H−インダゾール−1−イル)酢酸塩(0.22g、0.50mmol)の懸濁液を添加し、反応混合物を加熱還流した。反応混合物を、18時間還流撹拌し、その後、反応混合物をHO(2mL)で希釈し、該固体をろ過により除去した。ろ液をCHCl(3×20mL)で抽出し、抽出物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/9:1 NHOHを含むEtOH、100:0〜90:10)により精製し、オフホワイトの固体として、表題化合物(47.6mg、21%)を産出した。

【0145】
g)2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C24H19Cl2N5O2
精密質量:479.09
分子量: 480.35
【0146】
実施例3の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを用いて、オフホワイトの固体として、表題化合物(41.7mg、86%)を調製した。

【0147】
実施例8
2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)2−(3−クロロフェニル)−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C13H8ClNO2
精密質量:245.02
分子量:245.66
【0148】
本分子は、Krutosikova and Sleziak,Collect.Czech.Chem.Commun.1996,61,1627−1636に記載される合成法に従い、調製された。

【0149】
b)2−(3−クロロフェニル)−5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H13ClN2O4
精密質量:380.06
分子量:380.78
【0150】
DMF(9.46mL)中の2−(3−クロロフェニル)−5H−フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン(1.00g、4.08mmol)の溶液に、5−フルオロ−2−ニトロトルエン(0.57mL、4.7mmol)およびCsCO(1.32g、4.08mmol)を添加した。120℃で48時間撹拌後、反応混合物を冷却し、該固体をろ過により回収した。該固体をEtOAc(300mL)で洗浄し、明黄色固体として、表題化合物(1.22g、78%)を産出した。

【0151】
b)5−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−2−(3−クロロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H15ClN2O2
精密質量:350.08
分子量:350.8
【0152】
EtOH(21.2mL)およびHO(5.16mL)中の2−(3−クロロフェニル)−5−(3−メチル−4−ニトロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.20g、3.15mmol)の溶液を、鉄粉(1.52g、28.3mmol)およびNHCl(72.2mg、1.35mmol)で処理した。18時間還流撹拌後、反応混合物をセライト(登録商標)を通してろ過し、ろ液を濃縮させて、淡橙色固体として、表題化合物(1.02g、92%)を産出した。

【0153】
c)2−(3−クロロフェニル)−5−(1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H12ClN3O2
精密質量:361.06
分子量:361.78
【0154】
AcOH(23mL)中の5−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−2−(3−クロロフェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.02g、2.91mmol)の溶液を、HO(0.65mL)中のNaNO(0.20g、2.9mmol)の溶液で処理した。周囲温度で12時間撹拌後、反応混合物を濃縮した。得られた固体をCHClおよび水で分配した。固体がある場合は、ろ過により除去した。ろ液をCHCl(4×30mL)で抽出した。該有機物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、除去した固体と再結合させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/MeOH、100:0〜90:10)により精製し、黄褐色固体として、表題化合物(0.409g、40%)を得た。

【0155】
d)2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C26H23ClN4O2
精密質量:458.15
分子量:458.94
【0156】
DMSO(1.5mL)およびNMP(0.94mL)中の2−(3−クロロフェニル)−5−(1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(0.365g、0.732mmol)の溶液に、(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(0.273g、1.61mmol)およびCsCO(1.43g、4.39mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、その後、反応混合物をHO(10mL)およびEtOAc(20mL)で希釈した。所望の固体をろ過により回収した。フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、CHCl/(80:18:2 CHCl/MeOH/NHOH)、100:0〜0:100)により精製し、淡黄色固体として、表題化合物(83.8mg、25%)を産出した。

【0157】
e)2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C26H23ClN4O2
精密質量:458.15
分子量:458.94
【0158】
CHCl(1.5mL)中の2−(3−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(83mg、0.18mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(0.18μL、0.18mmol、1.0M)中の無水HClで処理した。周囲温度で3時間撹拌後、固体をろ過により回収し、乾燥させて、淡黄色固体として、表題化合物(76.3mg、84%)を産出した。

【0159】
実施例9
2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H20N4O2
精密質量:348.16
分子量:348.4
【0160】
フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(402mg、2.98mmol)、5−ヨード−1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール(1.22g、3.58mmol)、CuI(682mg、3.58mmol)、CsCO(1.07g、3.28mmol)、および8−ヒドロキシキノリン(87mg、0.60mmol)を、無水DMSO(4mL)で希釈し、得られた懸濁液を、45分間、減圧下で脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に置き、130℃に加熱し、20時間撹拌した。懸濁液を冷却し、HO(10mL)を添加し、該水性懸濁液をろ過した。該固体をNHOHで洗浄し、CHCl中で溶解し、NaSO上で乾燥させた。得られた溶液を減圧下で濃縮し、1.516gの褐色固体を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(7:3 EtO/EtN)により、淡黄色の粉末として、表題化合物(475mg、46%)を産出した。

【0161】
b)2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H19BrN4O2
精密質量:426.07
分子量:427.29
【0162】
臭化水素酸ピリジニウムペルブロミド(1.68g、5.24mmol)を、N流下、AcOH(35mL)中の5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(1.22g、3.49mmol)の溶液に添加し、得られた懸濁液を45分間45℃に加熱した。懸濁液を冷却し、減圧下でAcOHを除去した。残渣物を1:1 HO/飽和NaHCO溶液(50mL)で希釈し、得られた水溶液をCHCl(3×50mL)で抽出した。混合された有機抽出物を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、2.5gの紫色固体を産出した。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 EtO/(9:1 MeOH/EtN)]により、白色粉末として、(約80%純粋な)550mgの表題化合物を得た。

【0163】
c)2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C26H23Cl3N4O2
精密質量:528.09
分子量:529.85
【0164】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(73mg、0.17mmol)、2,4−ジクロロフェニルボロン酸(36mg、0.19mmol)、KCO(47mg、0.34mmol)、およびPd(PPhCl(12mg、0.017mmol)を、無水DMSO(4mL)で希釈し、得られた懸濁液を、減圧下で45分間、脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に定置し、1.75時間、95℃に加熱した。懸濁液を冷却し、HOを添加した。該水性懸濁液をろ過し、該固体をCHClで希釈し、得られた溶液をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、50mgの桃色固体を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 EtO/(4:1 MeOH/EtN)]により、白色粉末として、24mg(29%)の2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを産出した。CHCl(5mL)中の2−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(17mg、0.035mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(0.04mL、0.04mmol、1.0M)中の無水HClで処理し、得られた溶液を25℃で1時間撹拌した。該溶液を、減圧下、EtOで濃縮し、白色粉末として表題化合物を得た。融点258〜260℃;

【0165】
実施例10
2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C27H26Cl2N4O3
精密質量:524.14
分子量:525.43
【0166】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(78mg、0.18mmol)、4−クロロ−2−メトキシフェニルボロン酸(38mg、0.20mmol)、KCO(51mg、0.37mmol)、およびPd(PPhCl(13mg、0.018mmol)を無水DMSO(4mL)で希釈し、得られた懸濁液を減圧下で45分間脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に定置し、2時間95℃に加熱した。懸濁液を冷却し、HOを添加した。水性懸濁液をEtOAcで抽出し、混合された有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、47mgの白色粉末を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 EtO/(1:1 MeOH/EtN)]により、20mgの白色粉末を産出した。分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)、250.0×50.0mm、10ミクロン、0.05%のTFAを含むHO、および0.05%のTFAを含むCHCN)により最終精製し、白色固体として、9mg(10%)の2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを産出した。実施例9の手順に従い、HCl塩を作製し、白色固体として、表題化合物を得た。融点240〜242℃;

【0167】
実施例11
2−(2−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C26H24Cl2N4O2
精密質量:494.13
分子量:495.4
【0168】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(80mg、0.19mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(32mg、0.21mmol)、KCO(52mg、0.38mmol)、およびPd(PPhCl(13mg、0.019mmol)を無水DMSO(4mL)で希釈し、得られた懸濁液を減圧下で45分間脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に定置し、2時間で95℃まで加熱した。懸濁液を冷却し、HOを添加した。水性懸濁液をEtOAcで抽出し、混合された有機抽出物を食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、77mgの白色粉末を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 CHCl/(9:1 MeOH/EtN)]により、56mgの白色粉末を産出した。分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)、250.0×50.0mm、10ミクロン、0.05%のTFAを含むHO、および0.05%のTFAを含むCHCN)により最終精製し、白色固体として、31mg(36%)の2−(2−クロロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを産出した。実施例9の手順に従ってHCl塩を調製し、白色固体として表題化合物を得た。融点102〜104℃;

【0169】
実施例12
5−フルオロ−2−(4−オキソ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)−4,5−ジヒドロフロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル塩酸塩の調製

化学式:C27H23ClFN5O2
精密質量:503.15
分子量:503.96
【0170】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−シアノ−4−フルオロフェニルボロン酸を用いて、4時間後および総反応時間の5時間後、さらに2−シアノ−4−フルオロフェニルボロン酸およびKCOを添加し、白色粉末として、表題化合物(22mg、23%)を調製した。融点120〜122℃;

【0171】
実施例13
2−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C26H23Cl2FN4O2
精密質量:512.12
分子量:513.39
【0172】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸を用いて、白色粉末として、表題化合物(32mg、34%)を調製した。融点140〜142℃;

【0173】
実施例14
2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C26H23Cl2FN4O2
精密質量:512.12
分子量:513.39
【0174】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに4−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸を用いて、白色粉末として、表題化合物(31mg、33%)を調製した。融点256〜258℃;

【0175】
実施例15
2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製
a)2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン

化学式:C20H19BrN4O2
精密質量:426.07
分子量:427.29
【0176】
1−(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(213mg、1.25mmol)を、無水DMSO(3mL)中の2−ブロモ−5−(1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(187mg、0.570mmol)およびCsCO(1.11g、3.42mmol)の懸濁液に添加し、得られた懸濁液を、25℃で14時間撹拌した。HO(10mL)を添加し、該水性懸濁液をろ過した。該固体を減圧下で乾燥させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[4.75:4.75:0.5 MTBE/CHCl/(9:1 EtOH/NHOH)]により、淡黄色の粉末として、表題化合物(113mg、47%)を得、データは、実施例9で報告されるものと一致した。
【0177】
b)2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩

化学式:C26H24ClFN4O2
精密質量:478.16
分子量:478.95
【0178】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(82mg、0.19mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(30mg、0.21mmol)、KCO(53mg、0.38mmol)、およびPd(PPhCl(13mg、0.019mmol)を、無水DMSO(2mL)で希釈し、得られた懸濁液を、減圧下で45分間脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に定置し、2.5時間95℃に加熱した。懸濁液を冷却し、HOを添加した。得られた水性懸濁液をろ過し、該固体を減圧下で乾燥させ、67mgの黄褐色の粉末を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[85:15 MTBE/(9:1 EtOH/EtN)]により、26mgのオフホワイトの粉末を得た。該粉末をCHCl(10mL)中で溶解し、活性炭を添加した。得られた懸濁液を25℃で10分間撹拌した。懸濁液をセライトを通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、22mgのオフホワイトの粉末を得た。分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)、250.0×50.0mm、10ミクロン、0.05%のTFAを含むHO、および0.05%のTFAを含むCHCN)により最終精製し、白色粉末として、17mg(20%)の2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを産出した。実施例9の手順に従ってHCl塩を調製し、白色粉末として表題化合物を得た。融点218〜220℃;

【0179】
実施例16
5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)−2−(4−(トリフルオロ−メチル)フェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C27H24ClF3N4O2
精密質量:528.15
分子量:528.95
【0180】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(83mg、0.20mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(41mg、0.21mmol)、KCO(54mg、0.39mmol)、およびPd(PPhCl(14mg、0.020mmol)を、無水DMSO(2mL)で希釈し、得られた懸濁液を、減圧下で45分間脱気した。懸濁液をAr雰囲気下に定置し、2時間、95℃に加熱した。懸濁液を冷却し、HOを添加した。得られた水性懸濁液をろ過し、該固体を減圧下で乾燥させ、78mgの黄褐色の粉末を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 CHCl/(9:1 MeOH/EtN)]により38mgのオフホワイトの粉末を得た。強陽イオン交換(SCX)カラム(MeOHから7:1 MeOH/NHOH)を使用した最終精製により、白色粉末として、16mg(17%)の5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オンを得た。実施例9の手順に従ってHCl塩を調製し、白色粉末として表題化合物を得た。融点252〜254℃;

【0181】
実施例17
2−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン二塩酸塩

化学式:C25H24Cl3N5O2
精密質量:531.1
分子量:532.85
【0182】
2−ブロモ−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(145mg、0.340mmol)、Pd(PPhCl(39mg、0.034mmol)、およびヘキサメチル二スズ(0.14mL、0.68mmol)を、無水DMSO(4mL)で希釈し、得られた溶液を、80℃に加熱しながら、Nで泡立てた。油浴温度が80℃に到達したら泡立てを中止し、反応混合物を、N雰囲気下、80℃で45分間撹拌した。該溶液を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈した。得られた有機溶液を食塩水(2×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣物、2−ブロモ−5−クロロピリジン(174mg、0.340mmol)およびPd(PPh(39mg、0.034mmol)を、無水DMSO(4mL)で希釈した。得られた溶液をNで脱気し、110℃に加熱し、この温度を18時間保った。溶液を冷却し、EtOAc(40mL)を添加し、得られた溶液をHO(10mL)で洗浄した。該有機溶液を食塩水(2×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、55mgの黄褐色の粉末を得た。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ[9:1 CHCl/(9:1 MeOH/EtN)]により、46mgの白色粉末を産出した。分取HPLC(Phenomenex Luna C18(2)、250.0×50.0mm、10ミクロン、0.05%のTFAを含むHO、および0.05%のTFAを含むCHCN)により最終精製し、白色粉末として、2−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン(9mg、6%)を産出した。実施例9の手順に従ってHCl塩を調製し、白色固体として表題化合物を得た。融点268〜270℃;

【0183】
実施例18
2−(2−フルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C26H24ClFN4O2
精密質量:478.16
分子量:478.95
【0184】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−フルオロフェニルボロン酸を用いて、白色粉末として、表題化合物(32mg、35%)を調製した。融点264〜266℃;

【0185】
実施例19
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C26H23ClF2N4O2
精密質量:496.15
分子量:496.94
【0186】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2,4−ジフルオロ−フェニルボロン酸を用いて、白色粉末として、表題化合物(24mg、28%)を調製した。融点256〜258℃;

【0187】
実施例20
2−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C27H26ClFN4O2
精密質量:492.17
分子量:492.97
【0188】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−フルオロ−4−メチル−フェニルボロン酸を用いて、白色粉末として、表題化合物(21mg、19%)を調製した。融点268〜270℃;

【0189】
実施例21
5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)−2−p−トリルフロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C27H27ClN4O2
精密質量:474.18
分子量:474.98
【0190】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりにp−トリルボロン酸を用いて、EtOAcおよびトルエンで遊離塩基を粉砕し、オフホワイトの粉末として、表題化合物(19mg、19%)を調製した。融点262〜264℃;

【0191】
実施例22
2−(ピリジン−3−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン二塩酸塩の調製

化学式:C25H25Cl2N5O2
精密質量:497.14
分子量:498.40
【0192】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりにピリジン−3−ボロン酸1,3−プロパンジオール環状エステルを用いて、白色粉末として、表題化合物(7mg、7%)を調製した。融点188〜190℃;

【0193】
実施例23
2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン二塩酸塩の調製

化学式:C25H24Cl2FN5O2
精密質量:515.13
分子量:516.39
【0194】
実施例17の手順に従うが、但し、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに2−ブロモ−5−フルオロピリジンを用いて、黄色粉末として、表題化合物(26mg、13%)を調製した。融点266〜268℃;

【0195】
実施例24
2−(ピリジン−2−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン二塩酸塩の調製

化学式:C25H25Cl2N5O2
精密質量:497.14
分子量:498.40
【0196】
実施例17の手順に従うが、但し、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに2−ブロモピリジンを用いて、黄色粉末として、表題化合物(11mg、1.3%)を調製した。融点50〜52℃;

【0197】
実施例25
2−(6−メチルピリダジン−3−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン塩酸塩の調製

化学式:C25H25ClN6O2
精密質量:476.17
分子量:476.96
【0198】
実施例17の手順に従うが、但し、2−ブロモ−5−クロロピリジンの代わりに3−ブロモ−6−メチルピリダジンを用いて、黄色粉末として、表題化合物(33mg、4%)を調製した。融点282〜284℃;

【0199】
実施例26
2−(ピリミジン−2−イル)−5−(1−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4(5H)−オン二塩酸塩の調製

化学式:C24H24Cl2N6O2
精密質量:498.13
分子量:499.39
【0200】
実施例11の手順に従うが、但し、2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−(トリブチルスタンニル)ピリミジンを用いて、白色粉末として、表題化合物(14mg、11%)を調製した。融点272〜274℃;

【0201】
実施例27
2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−モルホリノエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩の調製
a)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−モルホリノエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C26H23ClN4O3
精密質量:474.15
分子量:474.94
【0202】
実施例3(ステップd)の手順に従うが、但し、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりにモルホリンを用いて、淡黄色の粉末として、表題化合物(38mg、26%)を調製した。

【0203】
b)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−モルホリノエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C26H24Cl2N4O3
精密質量:510.12
分子量:511.40
【0204】
実施例3(ステップe)の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−モルホリノエチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンを用いて、茶黄色の粉末として、表題化合物(34.2mg、86%)を調製した。融点260〜268℃分解;

【0205】
実施例28
2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−ピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩の調製
a)tert−ブチル−4−(2−(5−(2−(4−クロロフェニル)−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5−(4H)−イル)−1H−インダゾール−1−イル)エチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩

化学式:C31H32ClN5O4
精密質量:573.21
分子量:574.07
【0206】
実施例3(ステップd)の手順に従うが、但し、(R)−2−ヒドロキシメチルピロリジンの代わりに、tert−ブチル−1−ピペラジンカルボン酸塩を用いて、淡黄色の粉末として、表題化合物(83.7mg、56%)を調製した。

【0207】
b)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−ピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン

化学式:C26H24ClN5O2
精密質量:473.16
分子量:473.95
【0208】
CHCl(1.0mL)中のtert−ブチル−4−(2−(5−(2−(4−クロロフェニル)−4−オキソフロ[3,2−c]ピリジン−5−(4H)−イル)−1H−インダゾール−1−イル)エチル)ピペラジン−1−カルボン酸塩(76mg、0.13mmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(1.0mL)で処理した。該溶液を、周囲温度で1時間撹拌し、その後濃縮した。得られた膜をCHCl(5mL)で希釈し、NaHCOの飽和溶液で中和した。水層をCHCl(3×20mL)で抽出した。該有機抽出物を食塩水(2×10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮し、橙黄色の固体として、表題化合物(32.0mg、51%)を産出した。

【0209】
c)2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−ピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩

化学式:C26H25Cl2N5O2
精密質量:509.14
分子量:510.42
【0210】
実施例3(ステップe)の手順に従うが、但し、(R)−2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−(2−ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オンの代わりに、2−(4−クロロフェニル)−5−(1−(2−ピペラジン−1−イル)エチル)−1H−インダゾール−5−イル)フロ[3,2−c]ピリジン−4−オン塩酸塩を用いて、橙黄色の粉末として、表題化合物(27.0mg、78%)を調製した。融点298〜300℃分解;

【0211】
ヒトメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体についての結合アッセイ
化合物のヒトMCH受容体に対する親和力の評価は、MacDonald et al.,「Molecular characterization of the melanin−concentrating hormone/receptor complex,identification of critical residues involved in binding and activation」,Mol Pharmacol.,58:217(2000)に記載されるように、トランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内での、放射性リガンド結合アッセイにおいて決定されて、達成された。細胞膜ホモジネート(5μgタンパク質)を、25mMヘペス/トリス(pH7.4)、5mM MgCl2、1mM CaCl、および0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する緩衝液中で、試験化合物の非存在下、または存在下で、22℃で60分間、0.1nM[125I][Phe13,Tyr19]−MCHと共にインキュベートした。非特異的結合は、0.1μM MCHの存在下で決定した。インキュベート後、試料を、真空下、ガラス繊維フィルター(GF/B、Packard)を通して急速ろ過し、96試料細胞ハーベスター(Unifilter、Packard)を使用して、25mMヘペス/トリス(pH7.4)、500mM NaCl、5mM MgCl、1mM CaCl、および0.1%BSAを含有する氷冷緩衝液で数回洗い流した。フィルターを乾燥させ、その後、シンチレーションカクテル(Microscint0、Packard)を使用して、シンチレーション計数管(Topcount、Packard)で放射能を計数した。
【0212】
結果は、対照放射性リガンドの特異的結合の阻害率(%)として表される。IC50値(対照の特異的結合の最大半量の阻害を引き起こす濃度)およびヒル計数(n)は、ヒルの式の曲線のあてはめを使用した、競合曲線の非線形回帰分析により決定した。阻害定数(K)は、チェンプルソフ(Cheng Prusoff)の式から計算された:
(K=IC50/(1+(L/K))
式中、L=アッセイ中の放射性リガンドの濃度、およびK=受容体に対する放射性リガンドの親和力)。
【0213】
上述の方法により、表1に列挙した化合物を合成し、生物活性について試験した。表1内のすべての化合物が、MCH結合アッセイにおいて、2.0μM以下のKを示した。
【0214】
【表1】





【0215】
本発明は、上記実施例において見出される化合物に限定されず、本発明の範囲内である多くの他の化合物もまた、上記合成スキームに記載の手順を使用して調製することができる。これらの方法を使用した式Iのさらなる化合物の調製が、化学分野に携わる当業者には明らかである。
【0216】
本発明を、特にその幾つかの実施形態を参照して詳細に記載したが、当業者には、変形および改変が、本発明の精神および範囲内において達成され得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:

式中、
nは、1または2であり、
Rは、NRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立して、Hおよび置換されていてもよいアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが付着するN原子と共に、示されるN原子に加えて1または2個のヘテロ原子を含んでもよい4〜7員の置換されていてもよい複素環を形成し、
およびRはそれぞれ独立して、Hおよびアルキルから選択されるか、またはR、RおよびRは、組み合わせて、置換されていてもよいイミダゾリン−2−イルを形成することができ、
Bは、アリールまたはヘテロアリールであり、かつ
、R、Rはそれぞれ独立して、H、−OH、−O−アルキル、アルキル、ハロ、−CF、および−CNから選択され、
但し、前記化合物は、以下の


のうちの1つではないことを条件とする。
【請求項2】
Rが、ピロリジン−1−イル、2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、ならびにモルホリン−4−イルおよびピペラジン−1−イルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが、S−2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、R−2−ヒドロキシメチルピロリジン−1−イル、S−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル、およびR−3−ヒドロキシピロリジン−1−イルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが、共にHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R、R、およびRを組み合わせて、1、4、および5位のそれぞれにおいてアルキルで独立して置換されていてもよいイミダゾリン−2−イルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
nが1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
nが2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Bがフェニルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Bが、R、R、およびRと一緒になって、フェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−シアノ−4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−2−メトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−フルオロ−4−メチルフェニル、および4−メチルフェニルからなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Bがピリジンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Bが、R、R、およびRと一緒になって、5−クロロピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、5−フルオロピリジン−2−イル、およびピリジン−2−イルからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Bがピリダジンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Bが、R、R、およびRと一緒になって、6−メチルピリダジン−3−イルである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Bがピリミジンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Bが、R、R、およびRと一緒になって、ピリミジン−2−イルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
、R、Rがそれぞれ独立して、H、−O−アルキル、アルキル、ハロ、−CF、および−CNから選択される、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、10、12、または14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】



から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
薬学的に許容される塩形態である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
HCl塩形態である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物と、その薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含有する、薬学的組成物。
【請求項21】
肥満を治療する方法であって、肥満の軽減を必要とする患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の肥満軽減に有効な量を投与するステップを含む、方法。
【請求項22】
不安神経症を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含む、方法。
【請求項23】
うつ病を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含む、方法。
【請求項24】
非アルコール性脂肪肝疾患を治療する方法であって、かかる治療を必要とする患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含む、方法。
【請求項25】
MCH1受容体モジュレータによる治療に影響を受けやすい疾患または状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含む、方法。

【公表番号】特表2010−515745(P2010−515745A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545656(P2009−545656)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/050609
【国際公開番号】WO2008/086409
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509002589)アルバニー モレキュラー リサーチ, インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】