説明

6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法

【課題】機能性ポリマーの原料として有用な6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを効率的に高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルをアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩、さらに必要に応じて相間移動触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中で1,2−ジハロゲン化エタンと反応させることにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法に関する。本発明で得られる6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルは、機能性ポリマーの原料として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの従来の製造法としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルのアルカリ金属塩と1,2−ジハロゲン化エタンとを反応させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、得られる6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの収率が25%程度と極めて低い。また、1,2−ジハロゲン化エタンとして、1,2−ジブロモエタンを使用する場合には、反応は常圧でも実施できるが、1,2−ジクロロエタンを使用する場合には、過酷な高温高圧条件が必要である。
【0003】
低収率の問題を解決するために、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルのアルカリ金属塩と1,2−ジハロゲン化エタンとの反応において、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルを添加して反応させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、収率良く反応させるためには、高温高圧の過酷な反応条件が必要であり、60%程度の収率で6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを得るためには、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルのアルカリ金属塩に対して6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルを50モル%程度添加する必要があるため、効率的な方法とは言えない。
【0004】
また、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルと1,2−ジハロゲン化エタンとの反応を炭酸カリウムの存在下、アルコール系溶媒中で行う方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法では、高温高圧の過酷な反応条件が必要、あるいは高価な18−クラウン−6などを反応促進剤として添加することが必要であり、収率も30〜50%程度と低い。特に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルとして6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステルを使用する場合、あるいは1,2−ジハロゲン化エタンとして安価に入手可能な1,2−ジクロロエタンを使用する場合には、高温高圧条件下、反応促進剤を添加しても収率は30〜40%程度と低いため、工業的に満足すべき方法は見出されておらず、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを効率的に高収率で製造する方法が望まれている。
【特許文献1】特公平01−016819号公報
【特許文献2】特開昭61−001646号公報
【特許文献3】特公平05−053782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は従来技術では満足できなかった6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法を提供することにある。すなわち、効率的に高収率で6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルをアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩、さらに必要に応じて相間移動触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中で1,2−ジハロゲン化エタンと反応させることにより、効率的に高収率で6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを製造可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
[一般式(1)中、Rはメチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、または炭素数6〜10の芳香族基を表す。]
で示される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルと1,2−ジハロゲン化エタンとをアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩の存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする下記一般式(2)
【0009】
【化2】

【0010】
[一般式(2)中、Rは上記一般式(1)に同じ。]
で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法に関する。
ここで、本発明では、反応系に、さらに相間移動触媒を存在させることが好ましい。
上記相間移動触媒としては、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩またはクラウンエーテルが挙げられる。
また、上記4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムブロマイドが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、上記一般式(2)で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルを効率的かつ高収率で製造することができる。本発明で得られる6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルは、機能性ポリマーの原料として有用であり、例えば6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸を酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエステルは295℃に近い融点を有し、かつ高ヤング率の成形品を溶融成形で製造できるという特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)において、Rを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基のほか、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などの直鎖状アルキル基、i−プロピル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの分岐状アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基が挙げられる。また、Rを構成する炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0013】
本発明において、上記一般式(1)で示される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルの具体例としては、特に限定するものではないが、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸n−プロピルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸i−プロピルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸n−ブチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸i−ブチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸t−ブチルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸シクロヘキシルエステル、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステルなどが例示される。
【0014】
本発明において、1,2−ジハロゲン化エタンとしては、特に限定するものではないが、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジヨードエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−クロロ−2−ヨードエタン、1−ブロモ−2−ヨードエタンなどが例示される。
【0015】
本発明において、1,2−ジハロゲン化エタンの使用量は、反応に用いる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対して、通常、0.4〜5.0モル量であるが、好ましくは0.5〜4.0モル量使用する。1,2−ジハロゲン化エタンの使用量が0.4モル量未満の場合には、原料転化率が低下する傾向にあり、一方、1,2−ジハロゲン化エタンの使用量が5.0モル量を超える場合には、反応中間体である6−(2−ハロゲノエトキシ)−2−ナフトエ酸エステルの生成量が増加し、目的化合物である6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの収率が低下する傾向にある。
【0016】
本発明において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩としては、特に限定するものではないが、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウムなどの炭酸水素塩、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどのリン酸塩などが例示される。
【0017】
本発明において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩の使用量は、反応に用いる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対して、通常、0.5〜8.0モル量、好ましくは1.0〜4.0モル量使用する。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩の使用量が0.5モル量未満の場合には、原料転化率が低下する傾向にあり、一方、アルカリ金属の弱酸塩の使用量が8.0モル量を超える場合には、1,2−ジハロゲン化エタンが脱ハロゲン化水素などの副反応により消失するため、あるいは反応溶液のスラリー濃度が高くなり撹拌効率が低下するため、目的化合物である6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの収率が低下する傾向にある。
【0018】
本発明において、非プロトン性極性溶媒としては、特に限定するものではないが、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホロトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが例示される。
これらの非プロトン性極性溶媒は、1種単独でもあるいは2種以上を併用することもできる。
【0019】
非プロトン性極性溶媒の使用量は、通常、反応に用いられる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対して重量比で1〜20倍量、好ましくは1〜10倍量である。1倍量未満では、スラリー濃度が高すぎるため撹拌効率が悪くなり、一方、20倍量を超えると、基質濃度低下に伴い、反応速度が遅くなる。
【0020】
本発明では、反応系にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩のほかに、さらに相間移動触媒を併用することが好ましい。この相間移動触媒を併用することにより、反応が促進されるという効果を奏する。
【0021】
本発明において、使用する相間移動触媒としては、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、クラウンエーテルなどが挙げられるが、反応性と経済的な面から安価な4級アンモニウム塩が好ましく、特に容易かつ安価に入手可能なテトラブチルアンモニウムブロマイドが好ましい。
【0022】
本発明において、4級アンモニウム塩としては、特に制限するものではないが、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヨーダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイドなどが例示される。
【0023】
また、本発明において、4級ホスホニウム塩としては、特に制限するものではないが、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムクロリド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイドなどが例示される。
【0024】
さらに、本発明において、クラウンエーテルとしては、特に制限するものではないが、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、12−クラウン−4、13−クラウン−4、15−クラウン−5などが例示される。
【0025】
本発明において、相間移動触媒の使用量は、反応に用いられる6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対して、通常、0.01〜100モル%であるが、経済的な面から好ましくは1〜25モル%である。0.01モル%未満では、反応速度の促進効果が小さく、一方、100モル%を超えると、効果の向上は期待されない。
【0026】
なお、本発明において、反応に相間移動触媒を用いる場合には、通常、1種のみを使用するが、複数の相間移動触媒を混合して使用しても良い。
【0027】
本発明において、反応温度としては、反応に用いられる上記一般式(1)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルや1,2−ジハロゲン化エタンの種類により異なるが、通常、20〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜150℃である。反応温度が20℃より低い場合には反応時間が長くなる傾向にあり、一方、反応温度が200℃より高い場合には、生成物の分解反応および副反応が発生しやすくなる。反応は、常圧または加圧下で実施できる。
本発明において、反応時間としては、反応に用いられる上記一般式(1)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルや1,2−ジハロゲン化エタンの種類および反応温度により異なるが、通常、1〜48時間、好ましくは1〜30時間である。
【0028】
なお、本発明において、反応を促進させるために反応系にさらにヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどのヨウ化物を添加しても良い。
ヨウ化物の添加量は、反応に用いられる上記一般式(1)で表される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対し、通常、0.01〜100モル%、好ましくは1〜25モル%程度である。0.01モル%未満では、反応速度の促進効果が小さく、一方、100モル%を超えると、効果の向上は期待されない。
【0029】
本発明により得られる、上記一般式(2)で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルとしては、特に限定するものではないが、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエチル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジ−n−プロピルエステル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジ−i−プロピルエステル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジ−n−ブチルエステル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジ−i−ブチルエステル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジ−t−ブチルエステル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジシクロヘキシル、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジフェニルなどが例示される。
【0030】
本発明の反応によって得られる6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルは、一般的な手法によって反応溶液から単離することができ、蒸留、カラムクロマトグラフィー、晶析、再結晶などにより容易に精製することができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、化合物の分析については、下記機器類を使用し実施した。
H−NMR測定)
Bruker製AV−400Mを用い実施した。
(赤外吸光測定)
Perkin Elmer製、2000FT−IRを用い実施した。
【0032】
参考例1
冷却管、メカニカルスターラーを備え付けた5L フラスコに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸 400g(2.13mol)、メタノール 2,500mL、濃硫酸 138g(1.40mol)を添加し、還流下6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 1,000mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 500mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をトルエンから再結晶することにより、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 346g(収率80%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0033】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=10.2(1H,br)、8.48(1H,s)、7.97(1H,d,J=8.8Hz)、7.86−7.75(2H,m)、7.18−7.14(2H,m)、3.87(3H,m)
IR(νmax,KBr,cm−1):3424,2954,1691,1631,1574,1510,1485,1436,1352,1307,1281,1246,1212,1157,1131,1102,976,958,917,881,812,773,757,654,608,495,480,470
【0034】
実施例1
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 25mLを添加した。反応溶液を100℃まで加熱した後、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加し、100℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 25mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 3.76g(収率71%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0035】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0036】
実施例2
反応時間を24時間とした以外は、実施例1と同様に実施した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.35g(収率82%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0037】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0038】
実施例3
300mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸カリウム 34.2g(247mmol)、1,2−ジクロロエタン 27.5g(278mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 125mLを添加した後、反応溶液を120℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 125mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 16.8g(収率63%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0039】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0040】
実施例4
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.80g(2.48mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 25mLを添加した。反応溶液を100℃まで加熱した後、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加し、100℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 25mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.53g(収率85%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0041】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0042】
実施例5
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.84g(2.48mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 25mLを添加した。反応溶液を100℃まで加熱した後、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加し、100℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 25mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.31g(収率81%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0043】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0044】
実施例6
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、18−クラウン−6 0.65g(2.46mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 25mLを添加した。反応溶液を100℃まで加熱した後、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加し、100℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 25mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.51g(収率85%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0045】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0046】
実施例7
300mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸カリウム 34.2g(247mmol)、1,2−ジクロロエタン 27.5g(278mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド 3.99g(12.4mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 125mLを添加した後、反応溶液を120℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 125mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 20.3g(収率76%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0047】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0048】
実施例8
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸ナトリウム 5.24g(49.4mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 15mL、1,2−ジクロロエタン 4.89g(49.4mmol)を添加した後、反応溶液を100℃で24時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水15mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドンから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 2.31g(収率43%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0049】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0050】
実施例9
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸ナトリウム 5.24g(49.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.80g(2.48mmol)、N−メチル−2−ピロリドン 15mL、1,2−ジクロロエタン 4.89g(49.4mmol)を添加した後、反応溶液を100℃で24時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水15mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドンから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.55g(収率85%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0051】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0052】
実施例10
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.80g(2.48mmol)、ジメチルスルホキシド 25mL、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加した後、反応溶液を100℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水25mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 50mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.36g(収率82%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0053】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0054】
比較例1
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸カリウム 6.83g(49.4mmol)、メタノール 25mLを添加した。反応溶液を加熱した後、還流下、1,2−ジクロロエタン 5.51g(55.7mmol)を添加した。還流下で6時間撹拌したところ、反応は全く進行しなかった。
【0055】
比較例2
300mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸カリウム 34.2g(247mmol)、メタノール 125mL、1,2−ジクロロエタン 27.5g(278mmol)を添加した後、反応溶液を100℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 125mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル5.18g(収率19%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0056】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0057】
比較例3
300mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸カリウム 34.2g(247mmol)、メタノール 125mL、1,2−ジクロロエタン 27.5g(278mmol)を添加した後、反応溶液を120℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 125mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 6.87g(収率26%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0058】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0059】
比較例4
300mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸カリウム 17.1g(124mmol)、メタノール 250mL、1,2−ジクロロエタン 6.06g(61.2mmol)を添加した後、反応溶液を120℃で6時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 125mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をジメチルスルホキシドから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 4.61g(収率17%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0060】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【0061】
比較例5
撹拌子、冷却管を備え付けた100mL フラスコに、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 5.00g(24.7mmol)、無水炭酸ナトリウム 5.24g(49.4mmol)、メタノール 15mL、1,2−ジクロロエタン 4.89g(49.4mmol)を添加した。反応溶液を還流下で24時間撹拌したところ、反応は全く進行しなかった。
【0062】
比較例6
200mL オートクレーブ反応容器に、参考例1で得られた6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル 25.0g(124mmol)、無水炭酸ナトリウム 26.2g(247mmol)、メタノール 75mL、1,2−ジクロロエタン 24.5g(248mmol)を添加した後、反応溶液を100℃で24時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、水 75mLを反応溶液に添加した。析出した固体をろ別し、水 250mLで3回洗浄した。得られた粗生成物をN−メチル−2−ピロリドンから再結晶することにより、6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジメチル 2.46g(収率9%)を白色固体として得た。化合物の同定は、H−NMRおよびIRで行った。
【0063】
(分析結果)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.51(2H,s)、8.01(2H,d,J=9.2Hz)、7.95−7.86(4H,m)、7.48(2H,d,J=2.8Hz)、7.31(2H,dd,J=9.0,2.6Hz)、4.59(4H,s)、3.91(6H,s)
IR(νmax,KBr,cm−1):2958,1714,1629,1604,1483,1291,1205,1097,965,916,862,818,767,752,611,477
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明で得られる6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルは、機能性ポリマーの原料として有用であり、例えば6,6’−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸を酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエステル原料などの用途に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】

[一般式(1)中、Rはメチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、または炭素数6〜10の芳香族基を表す。]
で示される6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルと1,2−ジハロゲン化エタンとをアルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩の存在下、非プロトン性極性溶媒中で反応させることを特徴とする下記一般式(2)
【化2】

[一般式(2)中、Rは上記一般式(1)に同じ。]
で示される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項2】
1,2−ジハロゲン化エタンの使用量が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対し、0.4〜5.0モル量である請求項1記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項3】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の弱酸塩の使用量が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対し、0.5〜8.0モル量である請求項1または2記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項4】
非プロトン性極性溶媒が、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホロトリアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3いずれかに記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項5】
非プロトン性極性溶媒の使用量が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対して重量比で1〜20倍量である請求項1〜4いずれかに記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項6】
反応系に、さらに相間移動触媒を存在させる請求項1〜5いずれかに記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項7】
相間移動触媒の使用量が、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステルに対し、0.01〜100モル%である請求項6記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項8】
相間移動触媒が4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩およびクラウンエーテルの群から選ばれた少なくとも1種である請求項6または7に記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項9】
4級アンモニウム塩が、テトラブチルアンモニウムブロマイドである請求項8に記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。
【請求項10】
反応温度が20〜200℃、反応時間が1〜48時間である請求項1〜9いずれかに記載の6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸ジエステルの製造方法。

【公開番号】特開2009−286771(P2009−286771A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144350(P2008−144350)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(507119250)東ソー有機化学株式会社 (14)
【Fターム(参考)】