説明

8の字旋回連結走行玩具

【課題】本発明は、2両の連結した走行玩具が8の字に旋回する8の字旋回連結走行玩具の提供にある。
【解決手段】。
左右に揺動して傾斜自在に駆動車両車殻と先行車両車殻を夫々具える駆動台車と先行車両を連結してなる8の字旋回連結走行玩具において、前記駆動台車に配備されるゼンマイ原動機構により左右に回動する傾斜作動杆を具え、その後端部の作用により駆動車両車殻を左右に傾斜させると共に前端部の下面の連係作動軸を前記駆動車両車殻の前端側に軸支されて左右に回動自在の駆動車両連結器の後端部の連係溝に嵌挿し、前記傾斜作動杆の回動により駆動車両連結器を駆動車両車殻と同じ側に傾斜させ、かつ駆動車両連結器に一体に連結する先行車両車殻を同じ側に傾斜させると共に先行車両を駆動車両連結器の回動方向へ移動して先行車両と駆動車両の連結を屈曲し、駆動車両車殻と先行車両車殻を旋回円内側に傾斜して走行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2両の連結した走行玩具が8の字に旋回する8の字旋回連結走行玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1つの台枠に少なくとも2つの車軸が軸支された鉄道模型用走行装置であって、前記台枠の前記車軸を軸支する軸孔を走行方向に長い長孔に形成し、前記車軸をカーブに応じて傾き可能とし、軸間距離が長い場合でも小さい半径のカーブを走行可能な鉄道模型用走行装置が提案されている。
【0003】
特許文献2には、模型自動車1の左右前輪2L,2Rは、それぞれ別個にリンク機構25,26を介してステアリング用のサーボ装置3L,3Rに接続されている。ステアリング動作時には、送信機の操作レバーの操作量に比例したサーボ信号により各サーボ装置3L,3Rが独立又は連動して駆動制御される。
模型自動車の操舵装置が提案されている。
【0004】
特許文献3には、車台3に回動自在に設けられた軸受部材23及びクラウン歯車37とクラウン歯車37を回転させる駆動手段30とを有する。軸受部材23には、両側に第1、第2の車輪25,27が固定された駆動軸29が回動自在に設けられ、駆動軸29には、第1,第2の動力伝達手段40a,40bが設けられている。第1,2の動力伝達手段40a,40bは、クラウン歯車37と噛み合う第1,第2の歯車39a,39bと、第1の歯車39a,39bの一方向の回転を第1,第2の車輪25,27に伝達する第1,第2のワンウェイクラッチ41a,41bとからなる方向変換装置5が提案されている。
【0005】
特許文献4には、車台鈑1上の機枠2に回転軸3を縦設して、原動機4と伝動歯車を介して関連させ、該廻転軸の下端に取付けた歯車5に車輪6の内側に突設した猪口歯車7を齧合させ車輪6は、廻転軸3の軸線上の当る床面に接する様に可動枠8の軸受9に傾斜させて軸支し、該可動枠に具えた軸管10を廻転軸3に廻動自由に嵌着し、該軸管の外周に形成した歯輪11を機枠2に支架される摺動板12に設けたラック13に齧合させ、該摺動板の前端に中央を機枠に軸支される梃板14の下端を係合し、梃板の上端に抗張撥条15の一端を結着してなる走行玩具の自動方向転換装置の構造が提案されている。
【0006】
特許文献5には、ボディ部1は前ボディ部2、中間ボディ部3、後ボディ部4とからなり、前ボディ部2には走行輪5、後ボディ部4には駆動輪7がそれぞれ設けられ、該駆動輪7は駆動装置10により回転制御され、上記走行輪5及び駆動輪7は上記ボディ部1を裏返したときも走路面に接地するように形成され、上記中間ボディ3の両側部には補助輪6が設けられ、該補助輪6は上記走行輪5及び駆動輪7より外方に突出するとともに、補助輪6の径を走行輪5及び駆動輪7の径より小さく形成し、上記中間ボディ部3を回動装置20により任意の角度に回動させ、立体的な走行形態を実現する走行玩具が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2009−285053号公報
【特許文献2】特開2001− 29669号公報
【特許文献3】特開2002−239259号公報
【特許文献4】実公昭33−1826号公報
【特許文献5】特開2002−224402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1の鉄道模型用走行装置の車軸は両端に鍔付きの車輪を具えるものであり、車軸がレールのカーブに規制されて傾き、レール上で追従走行が行えるものであるから、平坦な走路面で自由に走行する走行玩具とは機能を異にするものである。
【0009】
前記特許文献2の模型自動車1はステアリング用のサーボ装置3L,3Rを利用する方向変換装置であり、8の字走行を行えるものであるが走行玩具を傾斜させることはできない。
【0010】
前記特許文献3の走行玩具の方向転換装置は、両端に車輪を有する車軸が、装置本体に回動自在に支承された軸受部材に配備される方向転換装置の例であり、車軸の旋回によって8の字走行を行えるものであるが走行玩具を傾斜させることはできない。
【0011】
前記特許文献4の走行玩具の自動方向変換装置の構造は、縦設した回転軸に旋回自在に支承されると共に回転力が伝達されて走行方向を変える方向舵輪と走行駆動輪とを一輪で兼用するものである。この方向舵輪と走行駆動輪を兼用する二輪の装置も多数ある走行玩具を傾斜させることはできない。
【0012】
前記特許文献5の走行玩具は、立体的な走行形態を実現する走行玩具であり、ボディ部1は前ボディ部2、中間ボディ部3、後ボディ部4とから分かれてなり、前ボディ部2には走行輪5、後ボディ部4には駆動輪7がそれぞれ設けられ、中間ボディ3の両側部には補助輪6が設けられ、中間ボディ3が胴部8の回りに回動して補助輪6を走路面に接地させて、走行玩具の傾斜走行・横転走行等のアクションを作動するものである。また、他に補助輪6を接地作動杆に変えて定点旋回等のアクションを行う多数の装置がある。しかし、連結する二両の走行玩具を傾斜させて走行するものではない。
【0013】
本発明の8の字旋回連結走行玩具は、連結する二両の車両を旋回円内側に傾斜させ、臨場感があふれる走行作動と、旋回走行抵抗を極力減少させ、円滑な走行により作動が一定時間に限定されるゼンマイ原動機による走行距離の可及的延長を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
左右に揺動して傾斜自在に駆動車両車殻を駆動台車に支承して具える駆動車両と、左右に揺動して傾斜自在に先行車両車殻を先行台車に支承して具える先行車両を連結してなる8の字旋回連結走行玩具において、前記駆動台車は前後に離隔して両端に車輪を具える遊転車軸と両端に固着車輪を具える駆動車軸が配備され、前記駆動車軸は駆動台車上に配備されるゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により前記駆動車軸の回転による前進走行を行え、前記駆動台車は前記ゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により回転するアクション出力回転用歯車に連係して左右に回動する傾斜作動杆を支軸に支承して具え、該傾斜作動杆は支軸を中心に前後に延びる杆状体に形成され、その後端部は左右に突出して左側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の左当接部と接触して駆動車両車殻を左側に倒して傾斜させる左側作用縁が、右側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の右当接部と接触して駆動車両車殻を右側に倒して傾斜させる右側作用縁が夫々形成され、反対の前端部は下面に連係作動軸が形成され、前記駆動車両車殻の前記駆動台車の前部センター軸を軸受けする前端側軸受部の前端側延長部に中間部から軸支されて駆動車両連結器が左右に回動自在に配備され、該駆動車両連結器の後端部に形成された連係溝に前記傾斜作動杆の前端部の連係作動軸が嵌合され、前記ゼンマイ原動機構の解弾力により前記傾斜作動杆の左または右の回動により前記駆動車両連結器を駆動車両車殻と同じ側に傾斜させ、かつ駆動車両連結器の前端部に一体に連結する先行車両連結器と一体の先行車両車殻を傾斜させると共に先行車両を駆動車両連結器の回動方向へ移動して先行車両と駆動車両の連結を屈曲し、駆動車両車殻と先行車両車殻を旋回円内側に傾斜して走行する8の字旋回連結走行玩具にある。
【0015】
前記傾斜作動杆は、傾斜作動杆本体とスライド駒と引張りバネが設けられ、前記傾斜作動杆本体は、前後に延びて杆状に形成され、その中央部が軸支部に形成され、該軸支部には前記支軸を遊嵌する軸孔が上下に貫通して具えられ、後部の左側縁には左側作用縁が、後部の右側縁には右側作用縁が夫々形成されて具えられ、前部の下面には連係作動軸が形成されて具えてなるものとしてもよいものである。
【0016】
前記傾斜作動杆本体の軸支部における軸孔より前方側の下面とその下方に離隔して左右に対応して形成される左スライド用支承腕と右スライド用支承腕によりスライド用案内部が設けられ、前記スライド駒がそのスライド用案内部に前方側から嵌合されてスライド自在に配備され、前記スライド駒、その後縁の左右端側の所要巾が前記ゼンマイ原動機構と連係して回転するアクション出力回転用歯車に連係して回転するカム軸の左カムと右カムと連接する左当接縁と右当接縁に形成され、前記傾斜作動杆本体の前半部の上面を開口縁とした凹陥部の底面に開孔される開孔に、前記スライド駒の前端に上方へ突設された可動バネ掛けを嵌入して凹陥部内に前後に移動自在に配備されると共に、前記可動バネ掛けに前記引張りバネの一端を掛け、該引張りバネの他端を前記傾斜作動杆本体の軸支部側に設けられた固定バネ掛けに掛け、該引張りバネの作用によりスライド駒が軸支部側に引張られ、軸支部の前側ストッパー面にスライド駒の後縁が衝突され、該衝突位置にスライド駒が弾止してなるものとしてもよいものである。
【0017】
前記駆動車両連結器の前端部は吸引磁石を内蔵した凸合型連結部が形成されてなるものとしてもよいものである。
【0018】
前記駆動車両連結器において支軸を受ける軸受部の後方下面の両側に、下方に突出する突条部が設けられ、駆動車両連結器が支軸を中心に右側へ回動したときその右側終端で前記突条部が、また、左側へ回動したとき左側終端で前記突条部が、夫々前記前端側延長部の前縁部上面に乗上げて遊嵌する支軸を中心に駆動車両連結器を乗り上げ側とは反対側へ先行車両車殻をより急角度に傾斜させてなるものとしてもよいものである。
【0019】
前記先行台車は、前後に離隔して左右に旋回自在に支承される前側旋回車軸と定位置で従動転回する後側従動車軸が配備され、前側旋回車軸の両端には車輪が、後側従動車軸の両端には車輪が夫々遊転自在に配備され、前記先行車両車殻の後端下部内における後端側軸受部の後端側延長部に縦設した支軸に、中間部に開孔する軸孔が嵌挿し、かつ、前端面が前記後端側軸受部の当接面に当接して固定される先行車両連結器が配備され、該先行車両連結器の後端部は先行車両車殻の後端面より後方へ突出し、該後端部は後端面に前記駆動車両連結器と一体的に結合する連結部が設けられてなるものとしてもよいものである。
【0020】
前記先行車両連結器の後端部は前記駆動車両連結器の磁石と吸引関係にある磁石を内蔵した凹合型連結部が設けられてなるものとしてもよいものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、前記のように構成されるから、連結する二両の車両を旋回円内側に傾斜させ、臨場感があふれる走行作動と、旋回走行抵抗を極力減少させ、円滑な走行により作動が一定時間に限定されるゼンマイ原動機による走行距離の可及的延長を図る8の字旋回連結走行玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の8の字旋回連結走行玩具の外殻を縦断面して内部機構を示す一方からの側面図である。
【図2】図2は、同じく、内部機構を示す他方からの側面図である。
【図3】図3は、同じく、外殻上半を外して内部を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の8の字旋回連結走行玩具の外観を示す底面図である。
【図5】図5は、図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図6】図6は、図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図7】図7は、図1のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図8】図8は、図1のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明の8の字旋回連結走行玩具の旋回作動時の説明平面図である。
【図10】図10は、原動機構のゼンマイ巻回機構とゼンマイの解弾による車輪駆動軸と旋回用回転カムへの回転伝達機構を示す側面図である。
【図11】図11は、旋回用回転カム単体の斜視図である。
【図12】図12は、旋回用駆動杆を本体とカム連接部に分解した分解斜視図である。
【図13】図13は、駆動車両連結器と先行車両連結器の結合面を示す説明斜視図である。
【図14】図14は、駆動車両車殻に取付けられる前端側軸受支台単体の中央縦断面図である。
【図15】図15は、駆動車両連結器単体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
左右に揺動して傾斜自在に駆動車両車殻を駆動台車に支承して具える駆動車両と、左右に揺動して傾斜自在に先行車両車殻を先行台車に支承して具える先行車両を連結してなる8の字旋回連結走行玩具において、前記駆動台車は前後に離隔して両端に車輪を具える遊転車軸と両端に固着車輪を具える駆動車軸が配備され、前記駆動車軸は駆動台車上に配備されるゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により前記駆動車軸の回転による前進走行を行え、前記駆動台車は前記ゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により回転するアクション出力回転用歯車に連係して左右に回動する傾斜作動杆を支軸に支承して具え、該傾斜作動杆は支軸を中心に前後に延びる杆状体に形成され、その後端部は左右に突出して左側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の左当接部と接触して駆動車両車殻を左側に倒して傾斜させる左側作用縁が、右側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の右当接部と接触して駆動車両車殻を右側に倒して傾斜させる右側作用縁が夫々形成され、反対の前端部は下面に連係作動軸が形成され、前記駆動車両車殻の前記駆動台車の前部センター軸を前端側軸受部の前端側延長部に中間部から軸支されて駆動車両連結器が左右に回動自在に配備され、該駆動車両連結器の後端部に形成された連係溝に前記傾斜作動杆の前端部の連係作動軸が嵌合され、前記ゼンマイ原動機構の解弾力により前記傾斜作動杆の左または右の回動により前記駆動車両連結器を駆動車両車殻と同じ側に傾斜させ、かつ駆動車両連結器の前端部に一体に連結する先行車両連結器と一体の先行車両車殻を傾斜させると共に先行車両を駆動車両連結器の回動方向へ移動して先行車両と駆動車両の連結を屈曲し、駆動車両車殻と先行車両車殻を旋回円内側に傾斜して走行する8の字旋回連結走行玩具。
【実施例】
【0024】
以下、本発明の8の字旋回連結走行玩具を実施例として示す図面により説明すると、実施例の8の字旋回連結走行玩具1は、駆動車両2と先行車両3とから構成される。
【0025】
前記駆動車両2は、前端より前方へ突出する前部センター軸5aと後端より後方へ突出する後部センター軸5bを具える駆動台車4と、その前部センター軸5aを軸受する前端側軸受部6a1を具える前端側軸受支台6aを車室内の前側に、後部センター軸5bを軸受する後端側軸受部6b1を具える後端側軸受支台6bを車室内の後側に配備し、前記前部センター軸5aと後部センター軸5bに車室の前側と車室の後側が夫々支承されて全体が左右に傾斜自在に駆動台車4に支架される駆動車両車殻6から設けられる。
【0026】
前記駆動台車4は、前後に離隔して遊転車軸7と駆動車軸8が配備され、その遊転車軸7の両端には車輪9,9が遊転自在に配備され、駆動車軸8の両端には車輪10、10が固着されて配備される。
【0027】
前記駆動台車4は、ゼンマイ原動機構11が配備される。該ゼンマイ原動機構11は、前記駆動車軸8がゼンマイ原動機枠12に回転自在に支承され、駆動車軸8上に固着したピニオン13と常時噛み合う大径歯車部14aと小径歯車部14bとからなる中間歯車14がゼンマイ原動機枠12に配備され、中間歯車14の大径歯車部14aは、同じくゼンマイ原動機枠12の長孔15に軸部の両端が支承され、中間歯車14の回転方向に追従して移動する巻締クラッチ歯車16を介してゼンマイ原動機枠12に配備されるゼンマイ軸17上の巻締歯車18と噛み合うように設けられている。
【0028】
前記ゼンマイ軸17上には、走行用動力歯車19が一体に設けられ、ゼンマイ原動機枠12には長孔20に軸部の両端が支承され、前記走行用動力歯車19に常時噛み合う小径歯車部21bを具え、走行用動力歯車19の回転方向に追従して移動すると共に、同軸上に大径歯車部21aが一体に設けられる走行用動力用クラッチ歯車21が配備されてゼンマイ解弾回転時に前記大径歯車部21aが前記中間歯車14の小径歯車部14bに噛み合うように設けられ、走行用動力歯車19の回転が駆動車軸8に伝達されるように設けられている。
【0029】
前記ゼンマイ軸17上には、アクション出力回転用歯車22が一体に設けられ、該アクション出力回転用歯車22は、前記ゼンマイ軸17に軸孔を遊嵌してその軸回りに回動自在に支承される回動支板23に軸支される中継歯車24が噛み合わせられ、アクション出力回転用歯車22の回転方向に回動支板23と共に回動し、ゼンマイの巻締め時には、中継歯車24はカム軸25上の従動歯車26から離れて噛み合いを解消し、反対にゼンマイの解弾時に中継歯車24はカム軸25上の従動歯車26に噛み合いアクション出力回転が伝達できるように設けられる。前記カム軸25はゼンマイ原動機枠12と駆動台車4上の原動機取付枠27により構成された軸孔に回転自在に支承される。
【0030】
前記中間歯車14の大径歯車部14aに、ゼンマイ原動機枠12に設けた長孔28に軸部の両端が支承されて調速クラッチ歯車29の小径歯車部29bが常時噛み合いかつその回転方向に全体が移動自在に配備され、該調速クラッチ歯車29の大径歯車部29aは、ゼンマイの解弾時に、中間歯車14の回転を、ゼンマイ原動機枠12に配備される増速歯車30の小径歯車部30bに噛み合って回転を伝達するように設けられ、増速歯車30には前記小径歯車部30bと一体に大径歯車部30aが設けられ、該大径歯車部30aは、ゼンマイ原動機枠12に配備される星形車31の小径歯車部31aに常時噛み合うように設けられ、該星形車31は、ゼンマイ原動機枠12に揺動自在に配備されたアンカー32のパレット32a、32bと常時連係されて配備され、アンカー32の作動で走行用動力歯車19の回転が調速されるように構成される。
【0031】
前記原動機取付枠27の上面に傾斜作動杆33を左右に旋回自在に支承する支軸34が突設される。
【0032】
前記傾斜作動杆33は、傾斜作動杆本体33aとスライド駒33bと傾斜作動杆本体33aの定位置にスライド駒33bを弾止する引張りバネ33cから設けられる。
【0033】
前記傾斜作動杆本体33aは、前後に延びて杆状に形成され、その中央部が軸支部35に形成され、該軸支部35に前記支軸34を遊嵌する軸孔35aが上下に貫通して具え、後部の左側縁には左側作用縁36aが、後部の右側縁には右側作用縁36bが夫々形成されて具え、前部の下面には連係作動軸37が形成されて具える。
【0034】
前記傾斜作動杆本体33aの軸支部35における軸孔35aより前方側の下面38とその下方に離隔して左右に対応して形成される左スライド用支承腕39aと右スライド用支承腕39bによりスライド用案内部40が設けられ、前記スライド駒33bがそのスライド用案内部40に前方側から嵌合されてスライド自在に配備される。
【0035】
前記スライド駒33bは、その後縁の左右端側の所要巾が前記カム軸25の両端に180度齟齬して形成されるエキセン型の左カム41aと右カム41bと連接する左当接縁42aと右当接縁42bに形成される。
【0036】
前記傾斜作動杆本体33aの前半部の上面に開口縁とした凹陥部43の底面43aに開孔される開孔44に前記スライド駒33bの前端に上方へ突設された可動バネ掛け45を嵌入して凹陥部43内に前後に移動自在に配備すると共に、前記可動バネ掛け45に前記引張りバネ33cの一端を掛け、該引張りバネ33cの他端を前記傾斜作動杆本体33aの軸支部35側に設けられた固定バネ掛け46に掛け、該引張りバネ33cの作用によりスライド駒33bを軸支部35側に引張り、軸支部35の前側ストッパー面47にスライド駒33bの後縁を衝突させ、該衝突位置にスライド駒33bを弾止している。そこで、スライド駒33bに掛かる前記カム軸25の左カム41aと右カム41bの作動圧力を一定圧に調整し、かつカム周面の形状を変えることなく作用時間を延長し、傾斜作動杆33の左又は右への回動時間を長くし、8の字旋回が行えるようにしている。
【0037】
駆動台車4に揺動自在に支架された駆動台車車殻6の車室後部の左内壁面側配備される支柱台48の外周面を左側当接部48aに設け、該左側当接部48aを前記前記傾斜作動杆33の左側作用縁36aと対応させている。駆動台車4に揺動自在に支架された駆動台車車殻6の車室後部の右内壁面側に配備される支柱台48の外周面を右側当接部48bに設け、該右側当接部48bを前記傾斜作動杆33の右側作用縁36bと対応させている。
【0038】
前記駆動車両車殻6の前端下部内における前記前端側軸受部6a1の前端側延長部6a2に縦設した支軸49に、中間部50aに開孔する軸孔51が嵌合支承されて左右に旋回自在の駆動車両連結器50が配備され、該駆動車両連結器50の後端部50bは駆動車両車殻6内に配備され、該後端部50bに設けた連係溝52には前記傾斜作動杆33の連係作動軸37を上方から嵌挿して前記支軸49を中心に駆動車両連結器50が左右に回動自在に連係され、該駆動車両連結器50の前端部50cが駆動車両車殻6の駆動車両車殻前端面6cより前方に突出されると共に前端に吸引磁石53を内蔵した凸合型連結部54が形成される。
【0039】
前記先行車両3は、前端より前方へ突出する前部センター軸56aと後端より後方へ突出する後部センター軸56bを具える先行台車55と、前記前部センター軸56aを軸受する前端側軸受部57a1を具える前端側軸受支台57aを車室内の前側に配備し、前記後部センター軸56bを軸受する後端側軸受部57b1を具える後端側軸受支台57bを車室内の後端側に配備し、前記前部センター軸56aと後部センター軸56bに夫々支承されて全体が左右に傾斜自在に先行台車55に支架される先行車両車殻57から設けられる。
【0040】
前記先行台車55は、前後に離隔して左右に旋回自在に支承される前側旋回車軸58と定位置で従動転回する後側従動車軸59が配備され、前側旋回車軸58の両端には車輪60が、後側従動車軸59の両端には車輪61が夫々遊転自在に配備される。
【0041】
前記先行台車55の前半部の台上面より隆起した軸受板62に形成した軸受孔62aに前記前側旋回車軸58の中心部は枢支され、車輪60の内側に突出するボス部60aの内側面に連接して案内する左半円ガイド面63a1と右半円ガイド面63b1を外縁に具える左ガイド部63aと右ガイド部63bを前半部の台車の左右外縁より側外方に夫々突設されて配備され、前記前側旋回車軸58の中心部と前記左半円ガイド面63a1と右半円ガイド面63b1の中間位置である台上面の左右外縁より起立する左前半起立部64aと右前半起立部64bに前記前側旋回車軸58の中心を支点する旋回角を規制する左溝孔65aと右溝孔65bが開口して設けられる。
【0042】
前記先行台車55の後半部の台上面の左右外側縁より前記左前半起立部64aと右前半起立部64bと連続して隆起した左後半起立部66aと右後半起立部66bに設けた左軸受部67aと右軸受部67bに前記後側従動車軸59が嵌挿支承され、車輪61のボス部61aの内面を夫々前記左後半起立部66aと右後半起立部66bの外側面に摺擦して遊転可能に支承される。
【0043】
前記先行車両車殻57の後端下部内における前記後端側軸受支台57bの後端側軸受部57b1の後端側延長部57b2に縦設した支軸68に、中間部69aに開孔する軸孔70を嵌合し、かつ、前端面69bが前記後端側軸受部57b1の当接面57b3に当接して先行車両連結器69が固定されて配備され、該先行車両連結器69の後端部69cは先行車両車殻57の後端面より後方へ突出し、該後端部69cの後端面には、内側に前記駆動車両連結器50の磁石53と吸引関係にある磁石71を内蔵した凹合型連結部72が設けられる。
【0044】
前記先行台車55の後端部の台上面に左右に離隔して左揺動傾斜止板部73aと右揺動傾斜止板部73bが設けられ、該左揺動傾斜止板部73aと右揺動傾斜止板部73bは、後端側軸受支台57bの後端側軸受部57b1の上面が衝突し、先行台車55の前記前部センター軸56aと後部センター軸56bを中心とする前記先行車両車殻57の揺動傾斜角を規制している。
【0045】
前記駆動車両車殻6に対する後端側軸受支台6bの取付けは、図5に示すように、駆動車両車殻6の車室後部の左内側壁面側と右内側壁面側に配備される支柱台48にネジ74により固着している。同じく前記駆動車両車殻6に対する前端側軸受支台6aの取付けは、駆動車両車殻6の車室前部の左内側壁面側と右内側壁面側に配備される支柱台48にネジ74により固着している。前記先行車両車殻57と前記前端側軸受支台57aと後端側軸受支台57bの取付けについても同様の構成である。
【0046】
本発明の8の字旋回連結走行玩具の実施例の8の字旋回連結走行玩具1は、前述のように構成されるから、駆動車両2と先行車両3を連結状態において、駆動車両2を掴んで後進させると、車輪10,10の後進回転で駆動車軸8を回転し、駆動車軸8上のピニオン13、中間歯車14,巻締クラッチ歯車16を介してゼンマイ軸17上の巻締歯車18を回転し、ゼンマイ17aを巻締める。
【0047】
次に、駆動車両2を釈放すると、ゼンマイ17aの解弾力でゼンマイ軸17は反対方向に回転し、ゼンマイ軸17上の走行用動力用歯車19は、常時噛み合う走行用動力用クラッチ歯車21を長孔20に沿って移動し、該走行用動力用クラッチ歯車21の大径歯車部21aが中間歯車14の小径歯車部14bに噛み合い中間歯車14を回転する。この中間歯車14の回転は前記巻締め回転方向とは反対になるので、前記巻締クラッチ歯車16を反対方向に回転し、長孔15に沿って移動し、前記巻締歯車18との噛み合いを解消して遊転する。中間歯車14の大径歯車部14aは、常時、小径歯車部29bを噛み合う調速クラッチ歯車29と関連するから、中間歯車14の回転方向が解弾方向の時には、長孔28に沿って移動し、調速クラッチ歯車29の大径歯車部29aが増速歯車30の小径間車部30bに噛み合い回転を伝達し、星形車31を介してアンカー32を揺動し走行用動力用歯車19の回転を調速する。この調速した回転が中間歯車14の大径歯車部14aからピニオン13を回転し、駆動車軸8を回転してゼンマイ動力により駆動車両2は連結した先行車両3と共に前進する。
【0048】
ゼンマイ17aの解弾作用で前記ゼンマイ軸17が回転すると、一体のアクション出力回転用歯車22が回転し、回動支板23上の中継歯車24が回転し、回動支板23は軸受けされるゼンマイ軸17を中心としてアクション出力回転用歯車22の回転方向に回転しようとするが、回動支板23は下縁が駆動台車4の上面に接触して支承されているので定位置が確保され、回動支板23上の定位置で中継歯車2を回転し、従動歯車26を回転してカム軸25を回転する。
【0049】
前記カム軸25の両端に180度齟齬して形成されるエキセン型の左カム41aと右カム41bは回転し、傾斜作動杆33は、スライド駒33bの右当接縁42bに接面する右カム41bにより押し出され、支軸34を中心に、後部を右側、前部を左側に回動される。そこで、傾斜作動杆本体33aの後部の右側作用縁36bは、駆動車両車殻6の支柱台48の右側当接部48bに接面して押し出し、駆動台車4の前部センター軸5aと後部センター軸5bを中心に、駆動車両車殻6を右側に傾斜させる。傾斜作動杆本体33aの前部の連係作動軸37は、連係する駆動車両連結器50を、支軸49を中心にその後部を左側に回動し、その前部を右側に回動し、駆動車両連結器50と一体に連結する先行車両連結器69と先行車両3を駆動車両2に対して右側へその接続ラインを屈曲させるから先行車両3を案内に先行車両3と駆動車両2を右旋回に走行させる。
【0050】
前記駆動車両連結器50において、図15に示すように、支軸49を受ける軸受部の後方下面の両側に、下方に突出する突条部75を設けると、駆動車両連結器50が支軸49を中心に右側へ回動したときその右側終端で前記突条部75が、また、左側へ回動したとき左側終端で前記突条部75が、夫々前記前端側延長部6a2の前縁部上面6a21に乗上げて遊嵌する支軸49を中心に駆動車両連結器50を乗り上げとは反対側へ駆動車両車殻6の傾斜に加えて急角度に傾斜させることができる。前記付加構成により先行車両連結器69と一体に設けられる先行車両車殻57を先行台車55の前部センター軸56aと後部センター軸56bを中心に右側に駆動車両車殻6の傾斜に加えてより急角度に傾斜させることが可能となる。そこで、先行車両3と駆動車両2は、夫々先行車両車殻57と駆動車両車殻6を右側に傾斜させて右旋回に走行する。
【0051】
前記左カム41aがスライド駒33bの右当接縁42aに接面して押し出すと、傾斜作動杆33は、支軸34を中心に、後部を左側、前部を右側に回動されるから、傾斜作動杆本体33aの後部の左作用縁36aは、駆動車両車殻6の支柱台48の左側当接部48aに接面して押し出し、駆動台車4の前部センター軸5aと後部センター軸5bを中心に、駆動車両車殻6を左側に傾斜させる。傾斜作動杆本体33aの前部の連係作動軸37は、連係する駆動車両連結器50を、支軸49を中心に、その後部を右側に回動し、その前部を左側に回動するから、先行車両3を駆動車両2に対して左側へその連結ラインを屈曲させ、また、この駆動車両連結器50は、左側へ傾斜させられるから一体に連結する先行車両連結器69を左側へ傾斜させ、先行車両3の先行車両車殻57を左側へ傾斜させ、先行車両車殻57と駆動車両車殻6を夫々左側に傾斜させて先行車両3を案内に先行車両3と駆動車両2が左旋回に走行する。よって、先行車両車殻57と駆動車両車殻6を夫々旋回円内側に傾斜させて8の字旋回連結走行を行えるのである。
【0052】
先行車両3の先行台車55の軸受孔62aに前側旋回車軸58は嵌挿され、該前側旋回車軸58の中央部を中心に左右に旋回自在に支承されているから、先行車両3の先行車両車殻57を右側に傾斜すると、重量が右側の車輪60に左側の車輪60より大きく荷重されるため、駆動車両2に押し出されて走行する時、右側の車輪60に回転抵抗が大きく発生し、軸受孔62aを中心に旋回し、右側の車輪60が軸受孔62aより後方に、左側の車輪60が軸受孔62aより前方に前側旋回車軸58を旋回させる。そこで、前述の先行車両3と駆動車両2の連結角に加えて前側旋回車軸58の旋回が先行車両3の右旋回を助け、先行車両3の右旋回作動を円滑に誘導するものである。先行車両3の先行車両車殻57が左側に傾斜すると、前側旋回車軸58は反対向きに回動し、先行車両3の左旋回作動を円滑に誘導するものである。よって、先行車両3と駆動車両2は、旋回方向に先行車両車殻57と駆動車両車殻6を夫々傾斜させて8の字旋回連結走行を行うものである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ゼンマイ原動機による安価な走行が玩具であるが、連結する二両の車両を旋回円内側に傾斜し、反対方向へも傾斜して走行するから、車両の重連効果もあって臨場感があふれる走行作動を行えものである。また、重量のある先行車両が先導するので旋回走行抵抗が少なく、円滑な走行により走行距離の可及的延長を図ることができ、極めて趣向に富む8の字旋回連結走行玩具を提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 8の字旋回連結走行玩具
2 駆動車両
3 先行車両
4 駆動台車
5a 前部センター軸
5b 後部センター軸
6 駆動車両車殻
6a 前端側軸受支台
6a1 前端側軸受部
6a2 前端側延長部
6a21 前縁部上面
6b 後端側軸受支台
6b1 後端側軸受部
6c 駆動車両車殻前端面
7 遊転車軸
8 駆動車軸
9 車輪
10 車輪
11 ゼンマイ原動機構
12 ゼンマイ原動機枠
13 ピニオン
14 中間歯車
14a 大径歯車部
14b 小径歯車部
15 長孔
16 巻締クラッチ歯車
17 ゼンマイ軸
17a ゼンマイ
18 巻締歯車
19 走行用動力歯車
20 長孔
21 走行用動力用クラッチ歯車
21a 大径歯車部
21b 小径歯車部
22 アクション出力回転用歯車
23 回動支板
24 中継歯車
25 カム軸
26 従動歯車
27 原動機取付枠
28 長孔
29 調速クラッチ歯車
29a 大径歯車部
29b 小径歯車部
30 増速歯車
30a 大径歯車部
30b 小径歯車部
31 星形車
31a 小径歯車部
32 アンカー
32a パレット
32b パレット
33 傾斜作動杆
33a 傾斜作動杆本体
33b スライド駒
33c 引張りバネ
34 支軸
35 軸支部
35a 軸孔
36a 左側作用縁
36b 右側作用縁
37 連係作動軸
38 下面
39a 左スライド用支承腕
39b 右スライド用支承腕
40 スライド用案内部
41a 左カム
41b 右カム
42a 左当接縁
42b 右当接縁
43 凹陥部
43a 底面
44 開孔
45 可動バネ掛け
46 固定バネ掛け
47 前側ストッパー面
48 支柱台
48a 左側当接部
48b 右側当接部
49 支軸
50 駆動車両連結器
50a 中間部
50b 後端部
50c 前端部
51 軸孔
52 連係溝
53 吸引磁石
54 凸合型連結部
55 先行台車
56a 前部センター軸
56b 後部センター軸
57 先行車両車殻
57a 前端側軸受支台
57a1 前端側軸受部
57b 後端側軸受支台
57b1 後端側軸受部
57b2 後端側延長部
57b3 当接面
58 前側旋回車軸
59 後側従動車軸
60 車輪
60a ボス部
61 車輪
61a ボス部
62 軸受板
62a 軸受孔
63a 左ガイド部
63a1 左半円ガイド面
63b 右ガイド部
63b1 右半円ガイド面
64a 左前半起立部
64b 右前半起立部
65a 左溝孔
65b 右溝孔
66a 左後半起立部
66b 右後半起立部
67a 左軸受部
67b 右軸受部
68 支軸
69 先行車両連結器
69a 中間部
69b 前端面
69c 後端部
70 軸孔
71 磁石
72 凹合型連結部
73a 左揺動傾斜止板部
73b 右揺動傾斜止板部
74 ネジ
75 突条部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に揺動して傾斜自在に駆動車両車殻を駆動台車に支承して具える駆動車両と、左右に揺動して傾斜自在に先行車両車殻を先行台車に支承して具える先行車両を連結してなる8の字旋回連結走行玩具において、前記駆動台車は前後に離隔して両端に車輪を具える遊転車軸と両端に固着車輪を具える駆動車軸が配備され、前記駆動車軸は駆動台車上に配備されるゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により前記駆動車軸の回転による前進走行を行え、前記駆動台車は前記ゼンマイ原動機構と連係してゼンマイ原動機構の解弾力により回転するアクション出力回転用歯車に連係して左右に回動する傾斜作動杆を支軸に支承して具え、該傾斜作動杆は支軸を中心に前後に延びる杆状体に形成され、その後端部は左右に突出して左側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の左当接部と接触して駆動車両車殻を左側に倒して傾斜させる左側作用縁が、右側縁は前記駆動車両車殻の後部車室内の右当接部と接触して駆動車両車殻を右側に倒して傾斜させる右側作用縁が夫々形成され、反対の前端部は下面に連係作動軸が形成され、前記駆動車両車殻の前記駆動台車の前部センター軸を軸受けする前端側軸受部の前端側延長部に中間部から軸支されて駆動車両連結器が左右に回動自在に配備され、該駆動車両連結器の後端部に形成された連係溝に前記傾斜作動杆の前端部の連係作動軸が嵌合され、前記ゼンマイ原動機構の解弾力により前記傾斜作動杆の左または右の回動により前記駆動車両連結器を駆動車両車殻と同じ側に傾斜させ、かつ駆動車両連結器の前端部に一体に連結する先行車両連結器と一体の先行車両車殻を傾斜させると共に先行車両を駆動車両連結器の回動方向へ移動して先行車両と駆動車両の連結を屈曲し、駆動車両車殻と先行車両車殻を旋回円内側に傾斜して走行する8の字旋回連結走行玩具。
【請求項2】
前記傾斜作動杆は、傾斜作動杆本体とスライド駒と引張りバネが設けられ、前記傾斜作動杆本体は、前後に延びて杆状に形成され、その中央部が軸支部に形成され、該軸支部には前記支軸を遊嵌する軸孔が上下に貫通して具えられ、後部の左側縁には左側作用縁が、後部の右側縁には右側作用縁が夫々形成されて具えられ、前部の下面には連係作動軸が形成されて具えられてなる請求項1の8の字旋回連結走行玩具。
【請求項3】
前記傾斜作動杆本体の軸支部における軸孔より前方側の下面とその下方に離隔して左右に対応して形成される左スライド用支承腕と右スライド用支承腕によりスライド用案内部が設けられ、前記スライド駒がそのスライド用案内部に前方側から嵌合されてスライド自在に配備され、前記スライド駒、その後縁の左右端側の所要巾が前記ゼンマイ原動機構と連係して回転するアクション出力回転用歯車に連係して回転するカム軸の左カムと右カムと連接する左当接縁と右当接縁に形成され、前記傾斜作動杆本体の前半部の上面を開口縁とした凹陥部の底面に開孔される開孔に、前記スライド駒の前端に上方へ突設された可動バネ掛けを嵌入して凹陥部内に前後に移動自在に配備されると共に、前記可動バネ掛けに前記引張りバネの一端を掛け、該引張りバネの他端を前記傾斜作動杆本体の軸支部側に設けられた固定バネ掛けに掛け、該引張りバネの作用によりスライド駒が軸支部側に引張られ、軸支部の前側ストッパー面にスライド駒の後縁が衝突され、該衝突位置にスライド駒が弾止されてなる請求項2の8の字旋回連結走行玩具。
【請求項4】
前記駆動車両連結器の前端部は吸引磁石を内蔵した凸合型連結部が形成されてなる請求項1〜3いずれか1の8の字旋回連結走行玩具。
【請求項5】
前記駆動車両連結器において支軸を受ける軸受部の後方下面の両側に、下方に突出する突条部が設けられ、駆動車両連結器が支軸を中心に右側へ回動したときその右側終端で前記突条部が、また、左側へ回動したとき左側終端で前記突条部が、夫々前記前端側延長部の前縁部上面に乗上げて遊嵌する支軸を中心に駆動車両連結器を乗り上げ側とは反対側へ先行車両車殻をより急角度に傾斜させてなる請求項4の8の字旋回連結走行玩具。
【請求項6】
前記先行台車は、前後に離隔して左右に旋回自在に支承される前側旋回車軸と定位置で従動転回する後側従動車軸が配備され、前側旋回車軸の両端には車輪が、後側従動車軸の両端には車輪が夫々遊転自在に配備され、前記先行車両車殻の後端下部内における後端側軸受部の後端側延長部に縦設した支軸に、中間部に開孔する軸孔が嵌挿し、かつ、前端面が前記後端側軸受部の当接面に当接して固定される先行車両連結器が配備され、該先行車両連結器の後端部は先行車両車殻の後端面より後方へ突出し、該後端部は後端面に前記駆動車両連結器と一体的に結合する連結部が設けられてなる請求項1〜5のいずれか1の8の字旋回連結走行玩具。
【請求項7】
前記先行車両連結器の後端部は前記駆動車両連結器の磁石と吸引関係にある磁石を内蔵した凹合型連結部が設けられてなる請求項6の8の字旋回連結走行玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate