説明

ACコード脱落防止具

【課題】電子機器本体に螺子を使用せずにインレットを固定する構造であってもこのインレットにACコードを確実に固定できるACコード脱落防止具を提供する。
【解決手段】ACコード脱落防止具10は、装着具30とACコード41のプラグ40とを固定する固定具50とを備えている。本体12の表面12aと周縁部材20bとの間には隙間が形成されており、この隙間に、装着具30の挿込片36が挿し込まれて装着具30が安定して本体12に装着される(固定される)こととなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信機器やパーソナルコンピュータのACインレットに挿し込まれるACコードのプラグがACインレットから不用意に脱落することを防止するACコード脱落防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器やパーソナルコンピュータに用いられるコネクタの多くは使用中にコネクタに挿し込んだケーブルが不用意に抜けることが無いように、コネクタ自身に勘合相手と組になったコネクタ抜けどめが装備されている。このようなコネクタは使用中にコネクタが抜けることは無く、トラブルが発生しないように考慮されている。しかし、一部のコネクタには上記のような抜けどめが装備されていないため抜け易いものがある。このようなコネクタの中には電源ユニットの入力部に用いられるACインレットとACコードとの組み合わせがある。
【0003】
本来、ACインレットに挿し込まれるケーブルであるACコードは、そのプラグが確実にACインレットに挿し込まれ、容易に抜け落ちないことが必要とされるが、実際には脱落防止機構が無いので、ACコードがACインレットから抜け落ちやすい欠点がある。
【0004】
ねじ固定式ACインレットでは、ACインレットの取り付けがネジ固定式であり、このため、ACインレット自身を装置本体に取り付けるためのネジで共締めし、若しくはこのネジ自体に取り付けるタイプのACコード脱落防止具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
非ネジ固定式(挿し込み固定型)ACインレットでは前記ACコード脱落防止具を固定するためには必然的に在るべきネジが無いため、上記のACコード脱落防止具が使用できず、挿し込み具合が硬いACコードを選ぶことにより、ACコードの脱落を防止しようとしているが、確実性に問題があり、信頼性を必要とするインフラ用装置などでは大きな問題になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−162968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非ネジ固定式ACインレットではACコード脱落防止具を共締め可能なネジが無いだけでなく、非ネジ固定式ACインレットを使用する目的の一つにACインレットの実装に許される実装面積が限られることがある。非ネジ固定式である挿し込み型ACインレットを使用する場合、その周辺には空きスペースがないことが少なくない。このため、ACコード脱落防止具を固定するために新たにネジ止め部を用意することもできず、有効なACコード脱落防止策の実現が困難である。このために、実装面積の制限が優先される場合はACコード脱落防止具無しでACコード脱落事故の危険性を内在したまま製造され使用されてきた設備が多々があるのが現状である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、
【0009】
(1)ACインレットにネジなしにACコード脱落防止具を固定する仕掛けを考案することにより、挿し込み固定式のACインレットにおいてもACコードの脱落を防止できると共に、(2)今まで挿し込み固定式のACインレットに使用できるACコード脱落防止具が無いために、既にACコード脱落防止具なしで製造され稼動している多くの装置に、本体装置を分解したりACインレットを取り外したりすることなく追加実装可能なACコード脱落防止具、及びACコードがACインレットから抜け落ちないように固定するための固定部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明のACコード脱落防止具は、本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
(1)前記本体凹部の開口の周縁部に挿し込み辺により装着される装着具と、
(2)該装着具と前記ACコードとを固定する固定具とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、前記装着具は、
(3)前記開口の周縁部から突出して互いに連結した4枚の矩形の板状部材からなるものであり、
(4)これら板状部材のいずれかには、前記固定具が係止される孔が形成されているものであってもよい。
【0012】
また、前記固定具は、
(5)その長手方向一端が前記装着具に係止されると共に、その長手方向他端に螺子が形成された2本の係止棒と、
(6)これら2本の係止棒それぞれの長手方向他端に挿し込まれる挿込孔がその長手方向両端部に形成された、前記ACコードをインレットに向けて押さえ付ける押付金具と、
(7)前記螺子にねじ込まれて前記押付金具を前記インレットに向けて押さえ付けるナットとを備えたものであってもよい。
【0013】
さらに、前記インレットは、
(8)前記本体凹部に挿し込まれる被挿込部材と、
(9)前記本体の外表面のうち前記開口の前記周縁部に位置する周縁部材とを有する挿し込み型インレットであり、
(10)前記装着具は、前記本体の該表面と前記周縁部材との隙間に挿し込まれて固定される挿込片が形成されたものであってもよい。
【0014】
さらにまた、前記固定具は、
(11)前記装着具の孔に挿入されて係止される両端部と、
(12)前記ACコードに引っ掛けられて該ACコードを固定する中央部とが形成された、屈曲した針金状のものであってもよい。
【0015】
さらにまた、前記固定具は、
(13)プラグの肩部を押さえ付ける中央部が形成されたワイヤ固定具と、
(14)該ワイヤ固定具の長手方向両端部に形成された孔に挿し込まれる、ねじが形成された上端部を持つ係止棒と、
(15) 前記ねじが捻じ込まれる雌ねじとを備えたものであってもよい。
【0016】
さらにまた、前記係止棒は、
(16)前記装着具の対向する板状部材に形成された孔を貫通するものであり、
(17)貫通端には、抜け止めが取り付けられているものであってもよい。
【0017】
さらにまた、前記固定具は、
(18)前記装着具の4枚の前記板状部材の内側に固定された雌螺子と、
(19)該雌螺子に捻じ込まれる雄螺子がその下端部に形成されると共に、上端部にも雄螺子が形成された棒状部材と、
(20)その長手方向両端部に前記棒状部材の上端部が挿し込まれる孔が形成されると共に、その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部が形成されたワイヤ固定具と、
(21)該ワイヤ固定具の前記中央部が前記プラグの前記肩部に引っ掛けられてその長手方向両端部の孔に前記棒状部材の上端部が挿し込まれたときに、前記棒状部材の前記上端部の雄螺子に捻じ込まれる雌螺子を備えてもよい。
【0018】
さらにまた、前記固定具は、
(22)樹脂製の結束紐と、
(23)その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部、及びその長手方向両端部に前記結束紐が通される屈曲部双方が形成されたワイヤ固定具とを備え、
(24)前記装着具は、前記結束紐が通る孔が形成されたものであってもよい。
【0019】
ここで、本発明にいうACコードとは、一端にインレットに挿し込むプラグが固定されると共に、他端に壁コンセントに挿込むプラグが固定された電源ケーブルをいう。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の固定部材は、本体の凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するための固定部材において、
(25)前記本体の表面と、前記本体凹部の開口の周縁部に位置する周縁部材との隙間に挿し込まれて固定される一対の挿込片を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
ここで、前記固定部材は、
(26)前記一対の挿込片は本体に形成されたものであり、該一対の挿込片それぞれの外側縁部から立ち上がった一対の板状部材と、これら一対の板状部材の長手方向両端部をつなぐ一対の板状部材が、前記本体に形成されたものであってもよい。
【0022】
また、上記目的を達成するための本発明のACコード脱落防止具は、本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
(27)前記本体凹部の開口の周縁部に装着される、該開口を囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材を有する装着具と、
(28−1)該装着具の4枚の板状部材のうち対向する一対の板状部材それぞれに形成されて内側に凸となった凸部に開けられた孔にその一端部が挿し込まれると共に該一端部とは反対側の他端部に雄ねじが形成された棒状固定具、及び、
(28−2)該棒状固定具の前記他端部の雄ねじに噛み合うと共にその長手方向両端部の内周面に雌ねじが形成された中空ジョイント、及び、
(28−3)該中空ジョイントの内周面の雌ねじのうち前記棒状固定具の雄ねじに噛み合う雌ねじとは反対側の雌ねじに噛み合う雄ねじがその一端部に形成されると共に前記装着具と前記ACコードとを固定する屈曲した屈曲棒状固定具からなる固定具とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】
ここで、
(29)前記棒状固定具は、その一端部が前記凸部の孔に挿し込まれて回転自在に固定されているものであると共にその他端部に形成された雄ねじは所定方向回りのものであり、
(30)前記屈曲棒状固定具の前記一端部に形成された前記雄ねじは、前記所定方向とは反対方向回りのものであり、
(31)前記中空ジョイントを前記所定方向に回転させることにより、前記棒状固定具の前記他端部と前記屈曲棒状固定具の前記一端部は互いに接近し、前記中空ジョイントを前記反対方向に回転させることにより、前記棒状固定具の前記他端部と前記屈曲棒状固定具の前記一端部とは互いに遠ざかるものであってもよい。
【0024】
さらに、
(32)前記装着具は、一枚の板をプレス加工して作製したものであってもよい。
【0025】
また、上記目的を達成するための本発明のACコード脱落防止具は、本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
(33)前記本体凹部の開口の周縁部に装着される、該開口を囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材を有する装着具と、
(34)該装着具の4枚の板状部材のうち対向する一対の板状部材それぞれに形成されて内側に凸となって外側に凹となった凹部に固定された、角孔が形成された補助板と、
(35)樹脂製の結束紐と、
(36)その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部、及びその長手方向両端部に前記結束紐が掛け渡されるアーム部双方が形成されたワイヤ固定具とを備えたことを特徴とするものである。
(37)前記ワイヤ固定具は、前記プラグを通すことができる略長方形環状であって、該ワイヤ固定具をACコードの軸に対し90度回転させることで前記プラグの肩部がワイヤ固定具から抜けなくなり、及びその短辺両端部に前記結束紐が掛け渡されるワイヤ固定具とを備えたものであってもよい。
【0026】
また、本発明にいうインレットとは、AC電源入力部に用いるコネクタであって、通常は本体装置(例えば電源ユニットなど)の鉄板の孔(凹部)に装着される(組み込まれる)ものをいいます。
【発明の効果】
【0027】
本発明のACコード脱落防止具では、本体凹部の開口の周縁部に、本体部とACインレットの間に挿し込まれる装着具の挿し込み辺によって装着具が装着され、この装着具とACコードとが固定具によって固定される。従って、電子機器本体に螺子(ねじ)を使用せずにインレットを固定する構造であってもこのインレットにACコードを確実に固定できる。この場合、インレットに新たな実装面積の追加は不要である。既設の装置への後付けができる。装着具はACコードをインレットに差し込んでいない状態ではインレットに着脱自在だがACコードをインレットに挿し込んだ状態では着脱が阻まれ、安全である。また、装着具を薄板製(金属製又は樹脂製)とすることにより装着具の製造性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の装着具を装着し始めの状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の装着具を装着している途中の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の装着具を装着し終わった状態を示す斜視図である。
【図4】電気機器の本体の凹部に組み込む前のインレットを示す斜視図である。
【図5】電気機器の本体凹部に組み込まれたインレットを示す断面図である。
【図6】本発明の装着具を示す斜視図である。
【図7】装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具50を示す斜視図である。
【図8】装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具60を示す斜視図である。
【図9】(a)は、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んだだけの状態を示す斜視図であり、(b)は、装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具70を示す斜視図であり、(c)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す正面図であり、(d)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す上面図であり、(e)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す側面図であり、(f)は、係止棒の一例を示す正面図であり、(g)は、係止棒の他の例を示す正面図である。
【図10】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具80で固定した状態を示す斜視図である。
【図11】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具90で固定した状態を示す斜視図である。
【図12】固定具90を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【図13】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具100で固定した状態を示す斜視図である。
【図14】固定具100を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【図15】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具120で固定した状態を示す斜視図である。
【図16】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具150で固定した状態を示す斜視図である。
【図17】固定具150を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【図18】インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具180で固定した状態を示す斜視図である。
【図19】アームが形成されたワイヤ固定具を用いたACコード脱落防止具でACコードを固定した状態を示す斜視図である。
【図20】実施例2のACコード脱落防止具でACコードを固定した状態を示す斜視図である。
【図21】(a)は、中空ジョイントの螺子を示す説明図であり、(b)は、屈曲棒状固定具を示す斜視図であり、(c)は、棒状固定具を示す斜視図である。
【図22】実施例3のACコード脱落防止具でACコードを固定した状態を示す斜視図である。
【図23】実施例4のACコード脱落防止具でACコードを固定した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、ACコードが接続されたプラグを、電子機器の本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込んで固定するときに使用するACコード脱落防止具に実現された。
【実施例1】
【0030】
図1から図6までを参照して、本発明の実施例1を説明する。
【0031】
図1は、本発明の装着具を装着し始めの状態を示す斜視図である。図2は、本発明の装着具を装着している途中の状態を示す斜視図である。図3は、本発明の装着具を装着し終わった状態を示す斜視図である。図4は、電気機器の本体の凹部に組み込む前のインレットを示す断面図である。図5は、電気機器の本体凹部に組み込まれたインレットを示す断面図である。図6は、本発明の装着具を示す斜視図である。
【0032】
本発明のACコード脱落防止具10は、電子機器などの本体12の凹部14に組み込まれたインレット20に挿し込まれたACコード41のプラグ40がインレット20から不用意に抜け落ちないように固定するためのものである。ACコード脱落防止具10は、本体12の凹部14の開口14aの周縁部に着脱自在に装着される装着具(ワイヤ固定部、本発明にいう固定部材でもある)30を備えている。ここでいう「着脱自在」とは、後付け可能ということをいう。また、この装着具30を着脱自在にせずに、本体12に予め作り付けておいてもよい。このようにしたものも本願発明の範囲に含まれる。
なお、図3の本発明の装着具30を装着し終わったインレット20にACコードのプラグが挿し込まれた場合、装着具30はインレット20から取り外せなくできるので安全性に優れる。
【0033】
本体12の凹部14には、インレット20が組み込まれており、このインレット20は、凹部14に挿し込まれる(組み込まれる)被挿込部材20aと、本体12の外表面のうち前記開口の前記周縁部に位置する周縁部材20bとを有する挿し込み型インレットである。被挿込部材20aには、例えば3本の電気端子21が固定されており、また、この被挿込部材20aが凹部14から抜け出ることを防止するための板ばね製戻り止め22が形成されている。本体12の表面12aと周縁部材20bとの間には隙間を形成することが可能であり、この隙間に、装着具30の挿込片(挿し込み片)36が挿し込まれて装着具30が安定してインレット20に装着される(固定される)こととなる。従って、上記の隙間の位置や間隔に応じて挿込片36を適宜に作製することにより、各種サイズのインレット20に対応できる装着具30を得られる。
【0034】
装着具30は、上記の隙間に挿し込まれて固定される一対の挿込片36を備えており、この一対の挿込片36を囲むような矩形の4枚の板状部材31,32,33,34も備えている。これら4枚の板状部材31,32,33,34は本体12の表面12aに直交する(開口14aの周縁部から突出している)。この装着具30は、上記の隙間には矢印A方向に挿入されて装着される。4枚の板状部材のうち矢印A方向先端側(上流側)の板状部材34には、周縁部材20bを入れ込むための開口34bが形成されている。また板状部材32にも開口34bに準じた開口部を形成することにより、ネジ止め式ACインレットに対しても本装着具30を利用できる。
【0035】
4枚の矩形の板状部材31,32,33,34には、複数(図では、2つか3つ)の孔31a、32a、33a、34aが形成されている。これらの孔31a、32a、33a、34aは、後述する固定具を引っ掛けるためのものである。ここで、固定具について説明する。
【0036】
本発明のACコード脱落防止具10は、上記の装着具30の他、ACコード41のプラグ40とを固定する固定具50も備えている。この固定具50には各種のタイプ(種類)があるので、各種の例を図を参照しながら説明する。
【0037】
図7を参照して、固定具50の実施例1を説明する。図7は、装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具50を示す斜視図である。この図では、図1から図6までに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0038】
図7に示す固定具50の実施例1は、ワイヤスプリング固定具50という屈曲した針金状のものである。このワイヤスプリング固定具50には、装着具30の板状部材34の2つの孔34aに挿入されて係止される両端部51,51と、ACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛けられてこのACコード41のプラグ40を固定する中央部52とが形成されている。また、両端部51,51と中央部52の間の部分54は、折れ曲がっており、この部分54がバネ性(弾力性)を有している。従って、プラグ40のサイズが多少違っても、その違いを吸収できる。
【0039】
ワイヤスプリング固定具50を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、ワイヤスプリング固定具50の中央部52をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、両端部51,51を引っ張って部分54を伸ばして、両端部51,51の先端51a,51aを装着具30の板状部材34の2つの孔34aに挿入して係止させる。これにより、図7に示すような状態となり、ACコード41のプラグ40がインレット20に固定される。
【0040】
図8を参照して、固定具の実施例2を説明する。図8は、装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具60を示す斜視図である。この図では、図1から図6までに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0041】
図8に示す固定具60の実施例2は、2本の係止棒62と、押付金具64と、2つのナット66からなるものである。各係止棒62の長手方向一端は装着具30の板状部材31,33の孔31a,33aに係止される一方、その長手方向他端部には螺子が形成されており、ナット66が捻じ込まれる。
【0042】
この固定具60を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、2本の係止棒62の長手方向一端を孔31a,33aに挿し込んで係止させ、押付金具64をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、ナット66を長手方向他端部の螺子に捻じ込んで押付金具64を肩部42に押し付ける。これにより、図8に示すようにACコード41のプラグ40がインレット20に固定される。
【0043】
図9を参照して、固定具の実施例3を説明する。図9(a)は、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んだだけの状態を示す斜視図であり、(b)は、装着具30とACコード41のプラグ40とを固定した固定具70を示す斜視図であり、(c)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す正面図であり、(d)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す上面図であり、(e)は、固定具で固定されたACコードとインレットを示す側面図であり、(f)は、係止棒の一例を示す正面図であり、(g)は、係止棒の他の例を示す正面図である。これらの図では、図1から図6までに示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0044】
図9に示す固定具70の実施例3は、2本の係止棒72,74を、押付金具76と、2つの摘み状ナット78からなるものである。係止棒72の長手方向一端は装着具30の板状部材31の孔31aに挿入されて板状部材33の孔33aまで到達して係止される。係止棒72は2つの孔31a,33aに係止されることとなるので、安定性が向上する。一方、係止棒74の長手方向一端は、板状部材32の孔32aに挿入されて係止される。2本の係止棒72,74の長手方向他端部(上端部)には螺子が形成されており、ナット78が捻じ込まれる。
【0045】
この固定具70を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、係止棒72の長手方向一端を孔31a,33aに挿し込んで係止させ、係止棒74の長手方向一端を孔32aに挿し込んで係止させる。押付金具76の長手方向中央部をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、押付金具76の長手方向両端部に形成された円形孔部を係止棒72,74の上端部に挿し込んでナット78を上から螺子に捻じ込んで押付金具64を肩部42に押し付ける。これにより、図8に示すようにACコード41のプラグ40がインレット20に固定される。
【0046】
図10を参照して、固定具の実施例4を説明する。図10は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具で固定した状態を示す斜視図である。
【0047】
図10に示す固定具80の実施例4は、ワイヤ固定具80という屈曲した針金状のものである。このワイヤ固定具80には、装着具30の板状部材31の孔31aに挿入されて係止される両端部81と、ACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛けられてこのACコード41のプラグ40を固定する中央部82とが形成されている。また、両端部51,51と中央部52の間の部分84は、折れ曲がっている。
【0048】
ワイヤ固定具80を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、ワイヤ固定具80の中央部82をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、両端部81を引っ張って部分84を伸ばして、両端81の先端81aを装着具30の板状部材31の孔31aに挿入して係止させる。これにより、図10に示すような状態となり、ACコード41のプラグ40がインレット20に固定される。このワイヤ固定具80は、針金を曲げて作製するので、容易に作製できる。
【0049】
図11と図12を参照して、固定具の実施例5を説明する。図11は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具90で固定した状態を示す斜視図である。図12は、固定具90を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【0050】
固定具90を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具92の中央部94をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、板状部材31,33の孔31a,33aに下端部101a(もう一方は、示さず)を引っ掛けて立てた状態の棒状部材(係止棒)101,102の上端部を両端部の孔96に挿し込む。続いて、この上端部は、螺子が切られているので、この螺子の部分に、雄ねじを切った摘み状ナット103をねじこんでワイヤ固定具92を下方に押し下げてプラグ40を固定する。
【0051】
この固定具90は、プラグ40の高さが異なっている場合は、係止棒101,102にねじ込んだ摘み状ナット103の位置を適宜に変えることにより対応できる。また、プラグ40の幅が異なっている場合は、ワイヤ固定具92のサイズを適宜に変えることにより対応できる。従って、各種サイズのプラグ40に好適に対応できることとなる。
【0052】
図13と図14を参照して、固定具の実施例6を説明する。図13は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具100で固定した状態を示す斜視図である。図14は、固定具100を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【0053】
固定具100を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具110の中央部112をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、板状部材34の孔34aに下端部116aを引っ掛けて立てた状態の棒状部材(係止棒)116,116の上端部を両端部の孔114に挿し込む。続いて、この上端部は螺子が切られているので、この螺子の部分に摘み状ナット113をねじこんでワイヤ固定具110を下方に押し下げてプラグ40を固定する。
【0054】
この固定具100は、プラグ40の高さが異なっている場合は、係止棒116,116にねじ込んだ摘み状ナット113の位置を適宜に変えることにより対応できる。また、プラグ40の幅が異なっている場合は、ワイヤ固定具116のサイズ(中央部112周辺の形状)を適宜に変えることにより対応できる。従って、各種サイズのプラグ40に好適に対応できることとなる。
【0055】
図15を参照して、固定具の実施例7を説明する。図15は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具120で固定した状態を示す斜視図である。
【0056】
固定具120は、プラグ40の肩部42を押さえ付ける中央部132がされたワイヤ固定具130と、このワイヤ固定具130の長手方向両端部に形成された孔130aに挿し込まれる、ねじ136aが形成された上端部136aを持つ係止棒134,136と、ねじ136aに捻じ込まれる雌ねじ140、142の3種類の部材から構成されている。係止棒134,136は、同じサイズ、同じ形状であり、対になった板状部材31,33のいずれか一方の孔31a,33aから挿し込まれて他方の孔に到達しやや飛び出る。この飛び出た部分(貫通端)はEリング121(本発明にいう「抜け止め」の一例である。)で抜け止めされる。従って、2本の係止棒134,136は、装着具30から抜け落ちることはなく、板状部材31,34に平行な部分134h、136hを回転軸にして自在に回転するので、不使用時は収納に便利になる。
【0057】
固定具120を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具130の中央部132をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、その長手方向両端部の孔130aに、棒状部材(係止棒)134,136の上端部の螺子を挿し込む。続いて、この螺子の部分に雌ねじ140、142をねじこんでワイヤ固定具130を下方に押し下げてプラグ40を固定する。
【0058】
この固定具120は、プラグ40の高さが異なっている場合は、係止棒134,136に捻じ込んだ摘み状ナット140,142の位置を適宜に変えることにより対応できる。また、プラグ40の幅が異なっている場合は、ワイヤ固定具130のサイズ(中央部132周辺の形状)を適宜に変えることにより対応できる。従って、各種サイズのプラグ40に好適に対応できることとなる。
【0059】
図16と図17を参照して、固定具の実施例8を説明する。図16は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具150で固定した状態を示す斜視図である。図17は、固定具150を分解してプラグ40と共に示す分解斜視図である。
【0060】
固定具150の特徴は、板状部材31、32、33、34の孔に代えて、装着具30の内側に2つの雌螺子152,154を溶接などで固定した点にある。2つの雌螺子152,154には、棒状部材156、158の下端部の雄螺子156a,158aが捻じ込まれる。これにより、棒状部材156、158は安定して装着具30に固定される。なお、ここでは、2つの雌螺子152,154としたが、四隅に4つの雌螺子を固定してもよい。また、固定方法も溶接に限定されない。
【0061】
固定具150を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具160の中央部162をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、その長手方向両端部の孔160aに、棒状部材(係止棒)156、158の上端部の螺子156b,158bを挿し込む。続いて、この螺子の部分に雌ねじ170、172をねじこんでワイヤ固定具130を下方に押し下げてプラグ40を固定する。
【0062】
この固定具150は、プラグ40の高さが異なっている場合は、棒状部材156、158にねじ込んだ摘み状ナット170,172の位置を適宜に変えることにより対応できる。また、プラグ40の幅が異なっている場合は、ワイヤ固定具160のサイズ(中央部162周辺の形状)を適宜に変えることにより対応できる。従って、各種サイズのプラグ40に好適に対応できることとなる。また、装着具30の内側に2つの雌螺子152,154が固定されているので、装着具30の外側に利用できる空間(スペース)が無くても、ACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定できる。なお、上記した例では、雌ねじ170と棒状部材156を別体としたが、これらを一体のものとして予め形成しておき、雌ねじ170に相当する部分をつまみとして利用してもよい。
【0063】
図18を参照して、固定具の実施例9を説明する。図18は、インレット20に挿し込まれた、ACコード41のプラグ40を固定具180で固定した状態を示す斜視図である。固定具180の特徴は、プラグ40を固定するために樹脂製の結束紐182を用いた点にある。装着具30の板状部材31、32、33、34には、結束紐182を通すための孔31cが形成されている。なお、樹脂製の結束紐182は一般的な市販品である。
【0064】
固定具180を用いたACコード脱落防止具10でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具190の中央部192をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、その長手方向両端部の孔190aに結束紐182を通し、さらに角孔31cに結束紐182を通して、図18に示すように強く結ぶ。これによりACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に確実に固定できる。
【0065】
なお、板状部材34に形成した開口34bと同様の開口を板状部材32にも形成しておくことにより、装着具30を螺子止め式のACインレットにも装着できることとなる。この点は、実施例2、3、4についても同様である。
【0066】
ネジ止め式ACインレットを使用した本体装置でも、ACコードの脱落防止具が装備されていないものがあります。これに従来式のACコード脱落防止具をつけようとした場合、ネジをいったん完全に外さなければなりません。これは納入済みの装置では受け入れられません。しかし、上記の装着具(板状部材32にも開口を形成したもの)を用いることにより、ネジを外す必要はなく、緩めるだけで装着具をネジ止め式ACインレットに後付することができます。
【0067】
また、図18に示すワイヤ固定具190に代えて、図19に示すワイヤ固定具190’を用いても良い。このワイヤ固定具190’には、その長手方向両端部に孔190aが形成されておらず、孔190aに代えてアーム190a’を形成して、このアーム190a’に結束紐182を引っ掛ける構造にしている。このようにしても、図18と同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0068】
図20を参照して、本発明の実施例2を説明する。
【0069】
図20は、実施例2のACコード脱落防止具でACコードを固定した状態を示す斜視図である。図20では、図7に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0070】
実施例2のACコード脱落防止具200は、装着具210と固定具220とを備えている。装着具210の基本的な構造は、図1から図6までを参照して説明した装着具30と同様であり、図1から図6までと同じ構成要素には同じ符号が付されている。装着具210は、本体12(図4参照)の凹部14(図4参照)の矩形の開口14a(図4参照)の周縁部に、本体部とACインレットの間に挿し込まれる装着具の挿し込み辺36(図4参照)によって装着されるものであり、この開口14aを囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材201,202,203,204を有する。この装着具210は、例えば一枚の板をプレス加工して作製したものであり、板状部材201、202、203、204と挿し込み辺36は互いに接する辺が連結している。この装着具210の特徴はACインレットに装着されるための開口部34b(図1参照)が板状部材201、202、203、204と挿し込み辺36に囲まれた閉じた枠内にあり挿し込み辺を本体部とACインレットの隙間に力を加えて挿し込んでも開口部34bが変形しないことである。また前記閉じた枠により、ACコード41のプラグをインレットに挿し込んだときは装着具210をACインレットから外せなくなるので安全性が確保される。更に、この装着具210の特徴は、4枚の板状部材201,202,203,204のうち対向する一対の板状部材201,203それぞれに形成されて内側に凸となった凸部201a(203aは図示せず)が形成されており、この凸部201aに孔が開けられている点にあり、固定具の一端部が装着具外周枠線の外にはみ出さず、本発明の脱落防止具がACインレット周辺空間を不用意に必要とすることを避けている。凸部201aは、図20に示すように、細長い板状部材201の長手方向中央部のうち本体12から離れた部分(上部)に形成され、装着具を装着したACインレット20と空間競合を生じない位置に設けられている。凸部201aの孔には、後述する棒状固定具230の一端部が挿し込まれる。この棒状固定具に230ついて図21(c)を参照して説明する。
【0071】
図21(c)は、棒状固定具を示す斜視図である。
【0072】
棒状固定具230は、図21(c)に示すように全体形状が略L字状であり、図21に示すように上記の凸部201aの孔にその一端部230aが挿し込まれてEリングなどで回転自在に固定される。このため、棒状固定具230の他端部230bに、図21(a)に示す中空ジョイント240をねじ込んだ状態で板状部材201の内側に倒して収納しておくことにより、細かい部品の収納性に優れた装着具210を得ることができる。
【0073】
棒状固定具230を用いたACコード脱落防止具200でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、予め棒状固定具230のねじ部230bと屈曲棒状固定具250のねじ部254を中空ジョイント240の両端の回転方向が一致する雌ねじ部にねじ込ませて棒状固定具230と屈曲棒状固定具250が概ね離れた状態に連結しておく。
なお、棒状固定具230のねじ部230bと中空ジョイント240とは屈曲棒状固定具250の他端のねじ部256と共に図20においてはACコード41のACプラグ部40に隠れた側にもあり、屈曲棒状固定具250の他端のねじ部256とACプラグ40に隠れた棒状固定具230のねじ部230bは同様に中空ジョイント240の両端の回転方向が一致する雌ねじ部にねじ込ませて棒状固定具230と屈曲棒状固定具250が概ね離れた状態に連結して固定具220を板状部材204側に倒しておく。次にACコード41のプラグ40をACインレットに挿し込み、続いて固定具220を起こして屈曲棒状固定具250の中央部252を、図20に示すようにACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、2本の中空ジョイント240,240を回転させて屈曲棒状固定具250を下方に押し下げてプラグ40を固定する。
【0074】
なお、ACコード脱落防止具200では、プラグ40の高さが異なっている場合は、2本の中空ジョイントを回転させて棒状固定具230と屈曲棒状固定具250の間の距離を適宜に変えることにより対応できる。
また、プラグ40の幅が異なっている場合は、屈曲棒状固定具250のサイズ(中央部252周辺の形状)を適宜に変えることにより対応できる。従って、各種サイズのプラグ40に好適に対応できることとなる。
【0075】
また、棒状固定具230の他端部230bに形成された雄ねじは右回り(本願発明にいう所定方向回りの一例である。)であり、屈曲棒状固定具250の雄ねじ254は左回りである。従って、中空ジョイント240を右回りに回転させることにより、棒状固定具230の他端部230bと屈曲棒状固定具250の一端部250bは互いに接近し、中空ジョイント240を左回りに回転させることにより、棒状固定具230の他端部230bと屈曲棒状固定具250の一端部250bとは互いに遠ざかる。
【実施例3】
【0076】
図22を参照してACコード脱落防止具の実施例3を説明する。
【0077】
図22は、ACコード脱落防止具の実施例3を示す斜視図である。図22では、図19と図20に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。図22に示すACコード脱落防止具300は、図19に示すワイヤ固定具190’と結束紐182と、図20に示す装着具210を利用したものである。装着具210の凸部201aには、結束紐182を固定するための補助板210cが固定されている。従って、ACコード脱落防止具300でACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ40をインレット20に挿し込んでおき、屈曲したワイヤ固定具190’の中央部192’をACコード41のプラグ40の肩部42に引っ掛け、続いて、その長手方向両端部のアーム190a’に結束紐182を通し、さらに補助板210cの角孔211cに結束紐182を通して、図22に示すように強く結ぶ。これによりACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に確実に固定できる。
【実施例4】
【0078】
図23を参照して本発明のACコード脱落防止具の実施例4を説明する。
【0079】
図23は、本発明の実施例4を示す斜視図である。図23では、図19と図20に示す構成要素と同じ構成要素には同じ符号が付されている。図23に示すACコード脱落防止具310は、略長方形環状のワイヤ固定具195と図19に示す結束紐182と、図20に示す装着具210を利用したものである。略長方形環状のワイヤ固定具195は長辺内側寸法がACコード41のプラグ部40の幅より長く、短辺内側寸法がACコード41のプラグ部40の幅より短く奥行きより長いので、ACプラグ40をワイヤ固定具195に通すことができるが略長方形環状のワイヤ固定具195をACコード41の軸上で90度回転するとACプラグ部40は略長方形環状のワイヤ固定具195から抜けなくなる。
装着具210の凸部201aには、結束紐182を固定するための補助板210cが固定されている。
従って、ACコード脱落防止具310でACコード41のプラグ部40をインレット20(図5参照)に固定する場合、ACコード41のプラグ部40をワイヤ固定具195の環に通し、ワイヤ固定具195をACコードの軸に対し90度回転させた状態でACコード41のプラグ部40をインレット20に挿し込んでおき、ワイヤ固定具195の両短辺に結束紐182,182を通し、さらに補助板210cの角孔211cに結束紐182を通して、図22に示すように強く結ぶ。これによりACコード41のプラグ40をインレット20(図5参照)に確実に固定できる。
【符号の説明】
【0080】
10,200,300 ACコード脱落防止具
12 電子機器などの本体
14 凹部
14a 凹部の開口
20 インレット
30,210 装着具,固定部材
31,32,33,34 板状部材
36 挿込片
40 ACコードのプラグ
42 ACコード
50,60,70,80,120,130,150,180,190,195,220 固定具
62,64,72,74 係止棒
64 押付金具
66,78 ナット
182 結束紐
190’ ワイヤ固定具
230 棒状固定具
240 中空ジョイント
250 屈曲棒状固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
前記本体凹部の開口の周縁部に装着される装着具と、
該装着具と前記ACコードとを固定する固定具とを備えたことを特徴とするACコード脱落防止具。
【請求項2】
前記装着具は、
前記開口の周縁部から突出した隣接する辺が連結した4枚の矩形の板状部材からなるものであり、
これら板状部材のいずれかには、前記固定具が係止される孔が形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載のACコード脱落防止具。
【請求項3】
前記固定具は、
その長手方向一端が前記装着具に係止されると共に、その長手方向他端に螺子が形成された2本の係止棒と、
これら2本の係止棒それぞれの長手方向他端に挿し込まれる挿込孔がその長手方向両端部に形成された、前記ACコードをインレットに向けて押さえ付ける押付金具と、
前記螺子にねじ込まれて前記押付金具を前記インレットに向けて押さえ付けるナットとを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のACコード脱落防止具。
【請求項4】
前記インレットは、
前記本体凹部に挿し込まれる被挿込部材と、
前記本体の外表面のうち前記開口の前記周縁部に位置する周縁部材とを有するインレットであり、
前記装着具は、
前記板状部材が連結して形成した閉じた枠の前記本体と接する部分に、
前記本体の該表面と前記周縁部材との隙間に挿し込まれて固定される挿込片が形成されたものであることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のACコード脱落防止具。
【請求項5】
前記固定具は、
前記装着具の孔に挿入されて係止される両端部と、
前記プラグに引っ掛けられて該プラグを固定する中央部とが形成された屈曲した針金状のものであることを特徴とする請求項2、3、又は4に記載のACコード脱落防止具。
【請求項6】
前記固定具は、
プラグの肩部を押さえ付ける中央部が形成されたワイヤ固定具と、
該ワイヤ固定具の長手方向両端部に形成された孔が挿し込まれる、ねじが形成された上端部を持つ係止棒と、
前記ねじが捻じ込まれる雌ねじとを備えたものであることを特徴とする請求項2、3、又は4に記載のACコード脱落防止具。
【請求項7】
前記係止棒は、
前記装着具の対向する板状部材に形成された孔を貫通するものであり、
貫通端には、抜け止めが取り付けられているものであることを特徴とする請求項6に記載のACコード脱落防止具。
【請求項8】
前記固定具は、
前記装着具の4枚の前記板状部材の内側に固定された雌螺子と、
該雌螺子に捻じ込まれる雄螺子がその下端部に形成されると共に、上端部にも雄螺子が形成された棒状部材と、
その長手方向両端部に前記棒状部材の上端部が挿し込まれる孔が形成されると共に、その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部が形成されたワイヤ固定具と、
該ワイヤ固定具の前記中央部が前記プラグの前記肩部に引っ掛けられてその長手方向両端部の孔が前記棒状部材の上端部が挿し込まれたときに、前記棒状部材の前記上端部の雄螺子に捻じ込まれる雌螺子を備えたことを特徴とする請求項1に記載のACコード脱落防止具。
【請求項9】
前記固定具は、
樹脂製の結束紐と、
その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部、及びその長手方向両端部に前記結束紐が通される屈曲部双方が形成されたワイヤ固定具とを備え、
前記装着具は、前記結束紐が通る角孔が形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のACコード脱落防止具。
【請求項10】
本体の凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するための固定部材において、
前記板状部材が連結して形成した閉じた枠の前記本体と接する部分に設けられ、
前記本体の表面と、前記本体凹部の開口の周縁部に位置する周縁部材との隙間に挿し込まれて固定される一対の挿込片を備えたことを特徴とする固定部材。
【請求項11】
前記固定部材は、
前記一対の挿込片は本体に形成されたものであり、
該一対の挿込片それぞれの外側縁部から立ち上がった一対の板状部材を備え、
これら一対の板状部材の長手方向両端部をつなぐ一対の板状部材が、前記本体に形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の固定部材。
【請求項12】
本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
前記本体凹部の開口の周縁部に装着される、該開口を囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材を有する装着具と、
その板状部材の本体と接する部分の該開口側に設けられた挿込辺と、
該装着具の4枚の板状部材のうち対向する一対の板状部材それぞれに形成されて内側に凸となった凸部に開けられた孔にその一端部が挿し込まれると共に該一端部とは反対側の他端部に雄ねじが形成された棒状固定具、及び、該棒状固定具の前記他端部の雄ねじに噛み合うと共にその長手方向両端部の内周面に雌ねじが形成された中空ジョイント、及び、該中空ジョイントの内周面の雌ねじのうち前記棒状固定具の雄ねじに噛み合う雌ねじとは反対側の雌ねじに噛み合う雄ねじがその一端部に形成されると共に前記装着具と前記ACコードとを固定する屈曲した屈曲棒状固定具からなる固定具とを備えたことを特徴とするACコード脱落防止具。
【請求項13】
前記棒状固定具は、その一端部が前記凸部の孔に挿し込まれて回転自在に固定されているものであると共にその他端部に形成された雄ねじは所定方向回りのものであり、
前記屈曲棒状固定具の前記一端部に形成された前記雄ねじは、前記所定方向とは反対方向回りのものであり、
前記中空ジョイントを前記所定方向に回転させることにより、前記棒状固定具の前記他端部と前記屈曲棒状固定具の前記一端部は互いに接近し、前記中空ジョイントを前記反対方向に回転させることにより、前記棒状固定具の前記他端部と前記屈曲棒状固定具の前記一端部とは互いに遠ざかるものであることを特徴とする請求項12に記載のACコード脱落防止具。
【請求項14】
前記装着具は、一枚の板をプレス加工して作製したものであることを特徴とする請求項12又は13に記載のACコード脱落防止具。
【請求項15】
本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
前記本体凹部の開口の周縁部に装着される、該開口を囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材とその板状部材の本体と接する部分に挿し込み辺を有する装着具と、
該装着具の4枚の板状部材のうち対向する一対の板状部材それぞれに形成されて内側に凸となって外側に凹となった凹部に固定された、角孔が形成された補助板と、
樹脂製の結束紐と、
その長手方向中央部に前記プラグの肩部に引っ掛けられる中央部、及びその長手方向両端部に前記結束紐が掛け渡されるアーム部双方が形成されたワイヤ固定具とを備えたことを特徴とするACコード脱落防止具。
【請求項16】
本体凹部に組み込まれたインレットに挿し込まれたACコードが前記インレットから抜け落ちないように固定するACコード脱落防止具において、
前記本体凹部の開口の周縁部に装着される、該開口を囲むように連続して立ち並ぶ4枚の板状部材とその板状部材の本体と接する部分に挿し込み辺を有する装着具と、
該装着具の4枚の板状部材のうち対向する一対の板状部材それぞれに形成されて内側に凸となって外側に凹となった凹部に固定された、角孔が形成された補助板と、
樹脂製の結束紐と、
前記プラグを通すことができ、ACコードの軸に対して90度回転することでACコードプラグ肩部が抜けなくなる略長方形環状のワイヤ固定具とを備えたことを特徴とするACコード脱落防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−29129(P2011−29129A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209395(P2009−209395)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(309023069)
【Fターム(参考)】