説明

Al/Znベースの被膜を有する腐食保護

「酸性雨」や「汚染」環境下のAl/Zn被覆スチールストリップの赤さびしみはOT:SDAS比(ここで、OTはストリップ表面上の被膜厚さであり、SDASは被膜のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間の測定値である。)0.5:1以上を有するAl−Zn−Si−Mg合金被膜を形成することにより減少する。「酸性雨」や「汚染」環境下の赤さびしみや海洋環境下における断面端での腐食は組成(原則的にMgおよびSi)を選択し、固化の制御(原則的に冷却速度)およびインターデンドライト状チャンネル中の特定の形態のMgSi相粒子の形成によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜に置いて減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合金の主成分としてアルミニウムおよび亜鉛を含有する合金の被膜を有する製品(以下、「Al/Znベース合金被覆製品」と呼ぶ。)の製造に関する。
【0002】
用語「Al/Znベース合金被覆製品」とは製品の表面の少なくとも一部上にAl/Znベース合金の被膜を有する、例えばストリップ、チューブおよび構造セクションの形態の製品を含むものと理解する。
【0003】
本発明は、限定的ではないが、ストリップの少なくとも一表面上にAl/Znベース合金被膜を有する金属(例えば、スチール)ストリップの形態のAl/Znベース合金被覆製品、およびAl/Znベース合金被覆ストリップから得られた製品に関する。
【0004】
Al/Znベース合金被覆金属ストリップは保護的、審美的または他の理由で無機および/または有機化合物で被覆されるストリップであっても良い。
【0005】
本発明は、特にまた非限定的ではあるが、AlおよびZn以外の一以上の元素、例えばMgおよびSiの被膜を痕跡量以上の量で有するAl/Znベース合金被覆スチールストリップに関する。
【0006】
本発明は、より特にまた非限定的であるが、Al20〜95%、Si5%未満、Mg10未満および残りZnと少量の他の元素、典型的には各々の元素0.5%未満で含むMgおよびSiを含むAl/Znベース合金の被膜を有するAl/Znベース合金被覆スチールストリップに関する(全ての%は重量%である)。特に別途指示しない限りは、本明細書中における元素のパーセントに関する全ては重量%であると理解される。
【背景技術】
【0007】
薄い(即ち、2〜100μm厚さ)Al/Znベース合金被膜はしばしばスチールストリップの表面上に腐食保護を提供するために形成される。
【0008】
Al/Znベース合金被膜は、限定的ではないが、一般にAlよびZn、並びにMg、Si、Fe、Mn、Ni、Snおよび少量の他の元素、例えばV、Sc、Ca、Sbの合金の被膜である。
【0009】
Al/Znベース合金被膜は、限定的ではないが、一般に、ストリップを溶融した合金浴を通過させることによる熱浸漬被覆することによりスチールストリップ上に形成される。スチールストリップは、限定的ではないが、典型的には浸漬前にストリップへの合金の結合を促進するために加熱される。ストリップが溶融浴から現れるにつれて、合金がストリップ上で固化して固化した合金被膜を形成する。
【0010】
Al/Znベース合金被膜は典型的にはデンドライトの形態でAlリッチアルファー相とデンドライトの間の領域にZnリッチの共晶相混合とを主とするミクロ構造を有する。溶融被膜の固化速度が好適に(例えば、特許文献1(ここにこの記載を挿入する。)のように)制御されたとき、Alリッチアルファー相が十分細かいデンドライトとして固化し、それがインターデンドライト状領域に置いてチャンネルの連続ネットワークを形成し、Znリッチの共晶相混合がこの領域で固化する。
【0011】
これらの被膜の性能は(a)まずZnリッチのインターデンドライト状共晶相混合によるスチールベースの犠牲保護と(b)サポートするAlリッチアルファー相デンドライトによるバリヤー保護との組合せに基づく。Znリッチインターデンドライト相混合は優先して腐食してスチール基材の犠牲保護を提供し、ある環境ではZnリッチインターデンドライト相混合が無くなったら、Alリッチアルファー相がスチール基材に犠牲保護の適当なレベルのものを提供し続けると共にバリヤー保護も提供する。
【0012】
しかしながら、Alリッチアルファー相デンドライトによって与えられるバリヤー保護と犠牲保護のレベルは不十分であり、被覆スチールストリップの性能が悪くなる場合が存在する。そのような場合は以下の三つ場合である:
【0013】
1.高濃度の酸化窒素や酸化硫黄を含有する「酸性雨」や「汚染」環境。
2.海洋環境におけるペイントフィルム下。
3.金属被膜が損傷を受けて、スチール基材が海洋環境下に曝される切断面または他の領域。
【0014】
例として、出願人はスチールストリップ上のAl/Znベース合金被膜は特に薄膜(即ち、総被覆量200g/m以下、典型的には150g/m未以下を有する被膜であり、それはスチールストリップの各表面上に等しい厚さを被覆した場合、片面100g/m以下、典型的には75g/m以下を有する。)である時に、その微細構造は被膜が標準の冷却速度、典型的には11℃/s〜100℃/sで形成された場合スチールストリップから被膜表面に延びる円柱状または竹状である傾向があることが解った。この微細構造は(a)Alリッチアルファー相デンドライトおよび(b)直接スチールストリップから被膜表面へ延びる分離した多くの円柱状チャンネルとして形成するZnリッチ共晶相混合を包含する。
【0015】
出願人は次のことも見出した。即ち、円柱状微細構造を持っている薄いAl/Znベース合金被膜を有するスチールストリップが一般には「酸性雨」環境と呼ばれる低pH環境に暴露されたとき、または一般には「汚染」環境と呼ばれる高濃度の二酸化硫黄および酸化窒素を有する環境に暴露されたときに、Znリッチのインターデンドライト状共晶相混合は素早く攻撃されて、スチールストリップから被膜表面に直接伸びるこの相混合の円柱状チャンネルがスチールストリップへの直接腐食パスとして働く。そのような被膜表面からスチールストリップへの直接腐食パスが存在する場合、スチールストリップは腐食し易く、腐食生成物(鉄の酸化物)が被膜表面自由に移動して、「赤さびしみ(red rust staining)」として知られている外観を呈する。赤さびしみは被覆スチール製品の審美的外観を悪くし、製品の性能も悪化する。例えば、赤さびしみは屋根の材料として使用する被覆スチール製品の熱効率を悪くする。
【0016】
薄膜のAl/Znベース合金被膜は引っ掻き、クラッキングまたは他の方法で損傷を受けてスチールストリップが露出して「酸性雨」環境や「汚染」環境に露出された場合には、赤さびしみが円柱状または竹状構造が無い場合にも起こりうることも、出願人は見出した。
【0017】
「酸性雨」環境や「汚染」環境においては、Alリッチアルファー相はスチールストリップを犠牲的に保護することができないことも解った。
【0018】
「酸性雨」環境は本明細書中では、雨および/または被覆スチールストリップ上で形成される濃度がpH5.6以下を有する環境であることを意味する。例示的には、「汚染」環境は、非限定的であるが典型的には、ISO9223ではP2またはP3カテゴリーと定義される。
【0019】
また、海洋環境において、Alリッチアルファー相デンドライトが一般にはスチールストリップに優れた犠牲保護を提供すると考えられている場合、この能力は金属質被覆スチールストリップ上に形成されたペイントフィルム下のミクロ−環境における変化によって減少する。
【0020】
上記記載は、オーストラリアやその他での一般常識の許容と取るべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許3,782,909号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
出願人は「酸性雨」または「汚染」環境におけるAl/Znベース合金被覆スチールストリップの赤さびしみが被膜をAl−Zn−Si−Mg合金被膜として形成し、被膜のOT:SDAS比(比中、OTはストリップ表面上の被膜厚さであり、SDASは被膜中のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間である。)0.5:1以上を有することを確保することにより防止若しくは減少できることを見出した。
【0023】
上記の「被膜厚さ(overlay thickness)」とは、(ストリップ上の被膜の全厚さ)−(被膜の中間金属合金層の厚さ)を意味すると理解され、前記中間金属合金層は被膜をストリップに形成する際に溶融被膜とスチール基材との間の反応によって形成されるスチール基材の隣接するAl−Fe−Si−Zn4元中間金属相の層である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
即ち、本発明は金属ストリップ、典型的にはスチールストリップ上に、「酸性雨」や「汚染」環境等に適した防食Al−Zn−Si−Mg合金の被膜を形成する方法であって、(a)金属ストリップをAl−Zn−Si−Mg合金の溶融浴を通過させ、ストリップの両面または片面に合金の被膜を形成する工程、(b)ストリップ上で被膜を固化し、金属ストリップから延びて、Alリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有する固体被膜を形成する工程を包含し、該方法が制御工程(a)および(b)を含み、OT:SDAS比(比中、OTは被膜厚さであり、SDASは被膜のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間である。)0.5:1以上を有する固体被膜を形成することを特徴とする、金属ストリップ上に防食Al−Zn−Si−Mg合金被膜を形成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】海洋環境におけるテストサンプル上の本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例における、エッジアンダーカッティングとMg濃度とのグラフである。
【図2】海洋環境下での本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示す、テストパネルの写真と腐食フロントのイメージである。
【図3】海洋環境下での本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示す、テストパネルの写真と腐食フロントのイメージである。
【図4】海洋環境下での本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示す、テストパネルの写真と腐食フロントのイメージである。
【図5】本発明による金属被覆スチールストリップ用の表面耐候性および犠牲保護の改良を示す実験室での促進テストパネルの写真である。
【図6】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図7】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図8】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図9】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図10】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図11】「酸性雨」や「汚染」環境における本発明によるスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示すテストパネルの写真である。
【図12】本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被膜の走査電子顕微鏡画像の平面図であり、画像に示されたミクロ構造中のMgSi相粒子の形態を示す。
【図13】図12のAl−Zn−Si−Mg合金被膜におけるMgSi相粒子の形態のネットワーク3次元画像である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
用語「Znリッチ共晶相混合」とは、共晶反応の生成物と、Znリッチβ相およびMg:Zn化合物相、例えばMgZnの混合物との混合を意味するものと理解する。
【0027】
本発明は、また、酸性雨や汚染環境等に適したAl−Zn−Si−Mg合金の被膜を片面または両面上に有する金属ストリップであって、該被膜が金属ストリップから延びて、Alリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有し、該被膜がOT:SDAS比(比中、OTは被膜厚さであり、SDASは被膜のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間である。)0.5:1以上を有することを特徴とするAl−Zn−Si−Mg合金被膜を有する金属ストリップを提供する。
【0028】
この場合、被膜はストリップの両側上にあり、各表面上の膜厚は被覆ストリップの要求に応じて、同じまたは異なって良い。どのような場合でも、本発明は各表面の被膜についてOT:SDAS比が0.5:1より大きいことを要求する。
【0029】
OT:SDAS比が1:1より大きくても良い。
OT:SDAS比が2:1より大きくても良い。
被膜は薄膜被膜であってよい。
【0030】
本明細書中において、金属(例えば、スチール)ストリップ上の「薄膜」被膜とは、ストリップの両側の被膜の総被覆量(total coating mass)が200g/m以下で、これはスチールストリップの片面が100g/m以下であることに相当する(もちろん、全ての場合でそうではない)。
【0031】
被膜の被覆量は3μmより大きくてもよい。
被膜の被覆量は20μmより小さくてもよい。
被膜の被覆量は30μmより小さくてもよい。
被膜の被覆量は5〜20μmであってよい。
【0032】
Al−Zn−Si−Mg合金はAl20〜95%、Si5%まで、Mg10%までおよび残りZnで、かつ少量の他の元素、典型的には他の元素各々0.5%未満を有してもよい。
【0033】
Al−Zn−Si−Mg合金はAlを40〜65%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はAlを45〜60%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はZnを35〜50%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はZnをz39〜48%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はSiを1〜3%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はSiを1.3〜2.5%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを5%以下で含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを3%以下含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを1%以下含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを1.2〜2.8%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを1.5〜2.5%含んでもよい。
Al−Zn−Si−Mg合金はMgを1.7〜2.3%含んでもよい。
金属ストリップはスチールストリップであってよい。
【0034】
上記OT:SDAS比が維持されえない場合で被膜がOT:SDAS比0.5:1以下を有する場合に加えて若しくはその場合、出願人は「酸性雨」または「汚染」環境における赤さびしみおよび海洋環境下における破断面での錆がスチールストリップ上の薄膜Al−Zn−Zi−Mg合金被膜において被膜合金の組成(主としてMgおよびSi)の選択および被膜のミクロ構造の制御によって防止または減少され得ることも解った。
【0035】
上記組成の選択やミクロ構造の制御は特に薄膜被膜および/またはOT:SDAS比0.5:1以下を有する被膜で有用であるが、これらの被膜に限定されるものではなく、厚膜の被膜および/またはOT:SDAS比0.5:1以上の被膜にも適用できる。
【0036】
出願人はまた「酸性雨」または「汚染」環境における赤さびしみおよび海洋環境下における破断面での錆がAl/Znベース被膜において、
1.Znリッチインターデンドライト状チャンネルに沿うスチールストリップへの腐食をブロックすること、および/または
2.これらの環境下におけるAlリッチアルファー相を活性にしてそれがスチールストリップを犠牲的に保護しうるようにすること、
により抑制または減少しうることを見出した。
【0037】
両方のケースでは、本発明は酸性雨や汚染環境等に適したAl−Zn−Si−Mg合金の被膜を片面または両面上に有する金属ストリップであって、該被膜が金属ストリップから延びて、Alリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有することを特徴とするAl−Zn−Si−Mg合金被膜を有する金属ストリップを提供する。
【0038】
上記で「粒子」とは、MgSi相で、ミクロ構造におけるこの相の沈殿物の物理的な形成を示すものと理解される。従って、「粒子」は被膜の固化時に溶液からの沈殿によって形成され、組成に別途添加したものではない。
【0039】
1.ブロッキング
本発明によれば、金属ストリップ、典型的にはスチールストリップ上に、「酸性雨」や「汚染」環境等に適した防食Al−Zn−Si−Mg合金の被膜を形成する方法であって、
(a)金属ストリップをAl−Zn−Si−Mg合金の溶融浴を通過させ、ストリップの両面または片面に合金の被膜を形成する工程、
(b)ストリップ上で被膜を固化し、金属ストリップから延びてAlリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相を有するミクロ構造を有する固体被膜を形成する工程、
を包含し、該方法がMgおよびSi濃度を選択し、工程(b)の冷却速度を制御してインターデンドライト状チャンネルにそって腐食をブロックする固化被膜のインターデンドライト状チャンネル中のMgSi相の粒子を形成することを特徴とする、金属ストリップ上に防食Al−Zn−Si−Mg合金被膜を形成する方法を提供する。
【0040】
デンドライト状構造を有するAl/Znベースの被膜において、Siはフレーク状形態を有する粒子として存在し、それ自体は腐食しないが、それはインターデンドライト状チャンネルを満たさず、スチールストリップへのインターデンドライト状腐食から前記チャンネルをブロックしない。出願人は、Siを含有するAl/Znベース被膜に添加したMgはSiと組み合わせるとAlリッチアルファー相デンドライトのアームの間にインターデンドライト状チャンネル中にMgSi相粒子を形成し、それが適当な大きさでかつ形状であり、それが別にスチールストリップに直接の腐食経路であるべきものをブロックし、その下のスチール基材カソードを隔離するのを助長する。適当な大きさと形態の粒子は固化の制御、即ち被膜の冷却速度を制御することにより形成される。
【0041】
特に、出願人は被膜固化時に冷却速度(CR)を170−4.5CT以下(ここで、CRは℃/秒での冷却速度であり、CTはストリップ表面上の被膜厚さ(マイクロメートル)である。)に維持すべきである。
【0042】
適当な大きさのMgSi相粒子の形態は平面的に見た場合は「チャイニーズスクリプト」の形態であり、3次元画像では花弁のような形態である。この形態の例は図12および図13に示されていて、以下にさらに説明する。
【0043】
MgSi粒子の花弁は厚さ8μm未満を有しても良い。
MgSi粒子の花弁は厚さ5μm未満を有しても良い。
MgSi粒子の花弁は厚さ0.5〜2.5μmを有しても良い。
【0044】
Mgの濃度は0.5%以上であると選択されて良い。この濃度より小さいとインターデンドライト状チャンネルを満たしかつブロックするのに十分なMgSi相粒子が存在しない。
【0045】
Mgの濃度は3%以下であると選択されて良い。この濃度より大きいと、インターデンドライト状腐食をブロックするのに効果的でないキューブ型形態を有する大きなMgSi粒子が生じる。
【0046】
特に、Al-Zn-Si-Mg合金はMgを1%以上含んでもよい。
【0047】
Si濃度0.5〜2%で被覆するには、他のSi含有相に比較してインターデンドライト状MgSi相の体積比率が50%以上であってよい。
【0048】
他のSi含有相に比較してインターデンドライト状MgSi相の体積比率は80%以上であってよい。
【0049】
皮膜の膜厚の2 /3以下に存在するインターデンドライト状MgSiの割合は、インターデンドライトチャンネルの良好なブロッキングを提供するために、被膜中のMgSi相の総体積分率の70%以上であってよい。
【0050】
MgSi相による「ブロック」されたインターデンドライトチャンネルの割合はすべてのチャンネルの数の60%以上、典型的には70%以上であってよい。
【0051】
出願人はまた、本発明で可能な改良された保護がOT:SDAS比0.5:1を有する粗いデンドライト構造からOT:SDAS比6:1を有する微細なデンドライト構造までの微細構造範囲に適用される。
【0052】
一般にこれらの導通に沿う腐食、および特に「酸性雨」や「汚染」環境におけるこれらの導通を経由する赤さびしみが遅くなる。
【0053】
Al/Zn合金被膜において、インターデンドライトチャンネルに沿う腐食は、米国特許3,782,909に記載されているように、固化時に冷却速度を増大し、それにより被膜のSDASを減少することの結果としてチャンネルの大きさを減少して制限してもよい。しかしながら、このことが(しばしば質量損失テストで決定されるように)被膜の表面腐食を遅くするかもしれないが、スチール基材のための犠牲保護を提供する亜鉛リッチ相混合の存在を制限する。したがって、スチール基材の腐食はより容易に起こる。
【0054】
2.アルファー相の活性化
本発明はまた、金属ストリップ、典型的にはスチールストリップ上に、「酸性雨」や「汚染」環境等に適した防食Al−Zn−Si−Mg合金の被膜を形成する方法であって、
(a)金属ストリップをAl−Zn−Si−Mg合金の溶融浴を通過させ、ストリップの両面または片面に合金の被膜を形成する工程、
(b)ストリップ上で被膜を固化し、金属ストリップから延びてAlリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相を有するミクロ構造を有する固体被膜を形成する工程、
を包含し、さらにMgおよびSi濃度を選択し工程(b)での冷却速度を制御して、Alリッチアルファー相を活性化して犠牲保護を提供するサイズ範囲、形態および特定の分布を有するMgSi相の粒子を固化被膜中にインターデンドライト状チャンネル中に形成することを特徴とする防食Al−Zn−Si−Mg合金の層を形成する方法を提供する。
【0055】
特に、出願人は、MgSi相それ自体が反応性で、容易に腐食しうることを見出した。しかしながら、出願人はまた、MgSi相を不動態化し、チャンネルをブロックし促進し、スチールストリップの犠牲保護におけるAl−リッチアルファー相の活性を向上する条件を見出した。
【0056】
特に、出願人は、適当なMgおよびSi濃度をAl/Znベース合金被膜組成物に添加することおよびスチールストリップ上で合金組成の被膜を固化する冷却速度を選択することが、結果として、インターデンドライト状チャンネル中で好適な分散および場所でMgSi相を形成することになり、それがAl−リッチアルファー相を活性化して、ある種の海洋環境および「酸性雨」や「汚染」環境におけるスチールの犠牲保護を提供する。
【0057】
Al−リッチアルファー相の活性化は切断端または他の領域での犠牲保護の結果として起こる損失なしに、スチール基材を露出したときに、細かいデンドライト構造の適用を可能にする。
【0058】
MgおよびSi濃度の選択および冷却速度は「ブロッキング」の項に記載されたこれらのパラメーターに従う。
【0059】
特に、冷却速度の場合、出願人は被膜固化中の冷却速度CRが170−4.5CT(ここで、CRは℃/秒における冷却速度で、CTはストリップ表面の被膜厚さ(マイクロメーター)である。)以下を維持すべきであることを見出した。
【0060】
組成物の場合、例として、「酸性雨」または「汚染」環境および「酸性」マイクロ環境において、Mg濃度はMgSiの形成のために0.5%以上であってよい。
【0061】
Mg濃度はアルファー相の効果的な活性を確保するために、1%以上であってよい。
【0062】
Mg濃度は3%以下であって良い。濃度が高い場合、粗く、広く分散した一次MgSi相が形成され、Alリッチアルファー相の均一な活性化を提供することができない。
【0063】
特に、Al−Zn−Si−Mg合金はMg1%以上含んでもよい。
【0064】
出願人はまた、本発明で可能な改良された犠牲保護がOT:SDAS比0.5:1の粗いデンドライト構造〜OT:SDAS比6:1の細かいデンドライト構造のミクロ構造の範囲に適用されることを見出した。
【0065】
出願人はまた、本発明で製造され、その後にペイントされたAl−Zn−Si−Mg合金被覆ストリップはAlリッチアルファー相の活性化の結果および海洋環境においで切断端の低いレベルの結果として、より狭苦均一な腐食フロントの形成を示す。
【0066】
本発明により製造されたサンプルは、出願人が行った実験では、従来のAl/Zn被膜に比べて、切断端からの「エッジクリープ」や「アンダーカッティング」の割合が減少した。
【0067】
改良された性能が被膜構造の範囲やペイントフィルムの範囲に適用することで示された。
【0068】
本発明を添付図面により更に説明する。
【0069】
本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被覆スチールストリップの例の腐食性の改善は実際の「酸性雨」、「汚染」および海洋環境場所の範囲で暴露したテストサンプルで出願人によって示されている。
【0070】
テストサンプルは被膜の腐食についての情報を提供するために出願人により形成されたテストパネルを含む。
【0071】
図1〜5および表1および表2は、海洋環境において本発明により形成されたスチールストリップ上のAl−Zn−Si−Mg合金被膜の例の性能改善を示す。
【0072】
海洋環境での性能はAS/NZS1580.457.1.1996添付BによるISOレートC2〜C5での位置で屋外暴露テストおよびラボラトリー・サイクリック・腐食テスト(CCT)により評価した。
【0073】
表1には、厳しい海洋環境において洗浄暴露用の金属被膜質量(単位:mm)の範囲について本発明によるAl−Zn−Si−Mg合金被覆スチールテストパネルの例のペイントされたエッジアンダーカッティングのレベルに性能改善が見られるデーターを示す。表はまた従来のAl/Znベース合金被覆テストパネルとの比較データーも含む。
【0074】
【表1】

【0075】
本発明によるAl−Zn−Si−Mg被覆スチールパネルでのエッジアンダーカッティングは従来のAl/Znベース合金被覆テストパネルと比較して非常に小さいことが表1から解る。
【0076】
表2には、厳しい海洋環境において洗浄暴露でのペイントタイプの範囲について(単位:mm)の範囲について本発明によるペイントされたAl−Zn−Si−Mg合金被覆スチールテストパネルの例のエッジアンダーカッティングのレベルに性能改善が見られるデーターを示す。表はまた従来のAl/Znベース合金被覆テストパネルとの比較データーも含む。
【0077】
【表2】

【0078】
発明によるペイントされたAl−Zn−Si−Mg被覆スチールパネルでのエッジアンダーカッティングはペイントされた従来のAl/Znベース合金被覆テストパネルと比較して非常に小さいことが表2から解る。
【0079】
図2〜図4におけるテストパネルの写真および腐食フロントの画像は更に、海洋環境における本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜の例の性能改善を示す。図2は、厳しい海洋環境での非洗浄暴露について、本発明によるフルオロカーボンペイントされたAl−Zn−Si−Mg被膜の腐食性能の改善について示す。図3は、海洋環境にペイントの下の従来のAl/Zn被膜について広範な腐食フロントの例である。図4は、海洋環境にペイントの下での、本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜についての狭くかつより均一な腐食フロントの例である。
【0080】
図5のテストパネルの写真は、促進テスト条件における本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜の例の腐食性能の改善を示す。特に、図5は塩霧サイクル腐食およびテストにおいて、粗いまたは細かい構造を有する従来のAl/Zn被膜と比べて、本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜の表面耐候性および犠牲保護の改善を示す。
【0081】
図6〜図11は、本発明によって製造されたとき「酸性雨」や「汚染」環境でAl−Zn−Si−Mg被覆スチールテストパネルの性能改善を示す。写真は、従来のAl/Znベース合金被覆スチールテストパネル上に存在する赤さびしみおよび本発明によって製造されたAl−Zn−Si−Mg被覆スチールテストパネル上の赤さびしみの無さを示す。図9と図7との比較では、利点が長時間保持されることが示されている。特に、図6は厳しい「酸性雨」環境に6ヶ月間暴露した従来のAl/Znベースの被覆スチールストリップ(被膜の総被覆質量100g/m)上には赤さびしみがあることを示す。図7では、本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜(被膜の総被覆質量100g/m)では、同じ厳しい「酸性雨」環境で6ヶ月でも赤さびしみは全くなかったことを示す。図8は厳しい「酸性雨」環境に18ヶ月間暴露した従来のAl/Znベースの被覆スチールストリップ(被膜の総被覆質量100g/m)上には赤さびしみがあることを示す。図9では、本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜(被膜の総被覆質量100g/m)では、同じ厳しい「酸性雨」環境で18ヶ月でも赤さびしみは全くなかったことを示す。図10では厳しい「酸性雨」環境に4ヶ月間暴露したカラム状構造を有する従来のAl/Znベースの被覆スチールストリップ(被膜の総被覆質量50g/m)上には赤さびしみがあることを示す。図11では、本発明によるカラム状構造を有するAl−Zn−Si−Mg被膜(被膜の総被覆質量50g/m)では、同じ厳しい「酸性雨」環境で4ヶ月でも赤さびしみは全くなかったことを示す。
【0082】
最後に、出願人は本発明によるAl−Zn−Si−Mg被膜の例のミクロ構造分析において、そのミクロ構造にはZnリッチ共晶相混合のインターデンドライト状チャンネル中の粒状形態のMgSi相粒子が含まれ、それはAlリッチアルファー相のデンドライト間に存在し、この形態が上述のように被膜の耐腐食性を改善するのに重要であることを見出した。出願人はまた、MgSi相粒子の大きさや分布が本発明による腐食性能の改善に貢献する重要な要因であることも見出した。出願人は更に、MgSi相粒子の形態、大きさおよび分布が、被膜組成の選択と被膜固化時の冷却速度の制御により可能であることも見出した。
【0083】
図12および図13は上記MgSi相粒子の形態の一例を示す。
【0084】
図12の平面画像において、暗い領域はAlリッチアルファー相デンドライトであり、明るい部分はZnリッチ共晶相混合のインターデンドライト状チャンネルであり、「チャイニーズスクリプト」MgSi相粒子は部分的にチャンネルを満たす。
【0085】
図13の3次元画像では、MgSi「花弁」が赤色で示され、他の相にはSi(緑)、MgZn(青)およびAlリッチアルファー相(暗いマトリックス)を含む。
【0086】
本発明に対しては、本発明の範囲と精神に逸脱しない限り、変更することは可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップ、典型的にはスチールストリップ上に、酸性雨や汚染環境等に適した防食Al−Zn−Si−Mg合金の被膜を形成する方法であって、
(a)金属ストリップをAl−Zn−Si−Mg合金の溶融浴を通過させ、ストリップの両面または片面に合金の被膜を形成する工程、
(b)ストリップ上で被膜を固化し、金属ストリップから延びて、Alリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有する固体被膜を形成する工程、
を包含し、該方法が工程(a)および(b)を制御して、OT:SDAS比(比中、OTは被膜厚さであり、SDASは被膜のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間である。)0.5:1以上を有する固体被膜を形成することを特徴とする、金属ストリップ上に防食Al−Zn−Si−Mg合金被膜を形成する方法。
【請求項2】
OT:SDAS比が1:1より大きい請求項1記載の方法。
【請求項3】
酸性雨や汚染環境等に適したAl−Zn−Si−Mg合金の被膜を片面または両面上に有する金属ストリップであって、該被膜がAlリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、金属ストリップから延びて、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有し、該被膜がOT:SDAS比(比中、OTは被膜厚さであり、SDASは被膜のAlリッチアルファー相デンドライトの第2デンドライトアーム空間である。)0.5:1以上を有することを特徴とするAl−Zn−Si−Mg合金被膜を有する金属ストリップ。
【請求項4】
OT:SDAS比が1:1より大きい請求項3記載の被覆金属ストリップ。
【請求項5】
前記被膜がストリップの両面上に総被覆量200g/m以下を有し、それはストリップの片面だけ被覆され、被膜厚が両面の時と同じである場合に、スチールストリップ上100g/m以下と同一である、請求項3または4記載の被覆金属ストリップ。
【請求項6】
被膜の被膜厚さが3μ以上である請求項3〜5いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項7】
被膜中のAlリッチアルファー相デンドライトのSDASが3μmより大きく、20μmより小さい請求項3〜5いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項8】
Al−Zn−Si−Mg合金がAl20〜95%、Si5%まで、Mg10%までおよび残りZnで、かつ少量の他の元素、典型的には他の元素各々0.5%未満を有する請求項3〜7いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項9】
金属ストリップがスチールストリップである請求項3〜8いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項10】
金属ストリップ、典型的にはスチールストリップ上に、酸性雨や汚染環境等に適した防食Al−Zn−Si−Mg合金の被膜を形成する方法であって、
(a)金属ストリップをAl−Zn−Si−Mg合金の溶融浴を通過させ、ストリップの両面または片面に合金の被膜を形成する工程、
(b)ストリップ上で被膜を固化し、金属ストリップから延びて、Alリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、固化被膜のインターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有する固化被膜を形成する工程、
を包含し、該方法がMgおよびSi濃度を選択し、工程(b)の冷却速度を制御してインターデンドライト状チャンネル中のMgSi相の粒子を形成することを特徴とする、金属ストリップ上に防食Al−Zn−Si−Mg合金被膜を形成する方法。
【請求項11】
Mg濃度を0.5%以上に選択することを含む請求項10記載の方法。
【請求項12】
Mg濃度を1%以上に選択することを含む請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
Mg濃度を3%以下に選択することを含む請求項10〜12いずれかに記載の方法。
【請求項14】
MgおよびSi濃度を選択して工程(b)の冷却速度を制御する工程がインターデンドライト状チャンネル中のMgSi相の粒子であって、適当な粒径と形態を有してインターデンドライト状チャンネルに沿う腐食をブロックするものを形成する請求項10〜13いずれかに記載の方法。
【請求項15】
インターデンドライト状チャンネル中のMgSi相粒子は平面でみると「チャイニーズスクリプト」の形態をし、3次元画像で見ると花の花弁のような形態をしている請求項14記載の方法。
【請求項16】
花弁が厚さ5μm以下である請求項15記載の方法。
【請求項17】
花弁が厚さ0.5〜2.5μmを有する請求項15記載の方法。
【請求項18】
MgおよびSi濃度を選択し工程(b)での冷却速度を制御してインターデンドライト状チャンネル中MgSi相の粒子を形成する工程が固化被覆中のインターデンドライト状チャンネル中に、Alリッチアルファー相を活性化して犠牲保護を提供する大きさ範囲でかつ特定の分布を有するMgSi相粒子を形成する請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
被膜固化中の冷却速度CRは170−4.5CT(但し、CRは冷却速度℃/秒であり、CTはストリップの表面上の被膜厚さμmである。)以下である請求項10〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
酸性雨や汚染環境等に適したAl−Zn−Si−Mg合金の被膜を片面または両面上に有する金属ストリップであって、該被膜がAlリッチアルファー相のデンドライトおよびZnリッチ共晶相混合のインターデンドライトチャンネルを含有し、金属ストリップから延びて、インターデンドライト状チャンネル中にMgSi相の粒子を有するミクロ構造を有することを特徴とするAl−Zn−Si−Mg合金被膜を有する金属ストリップ。
【請求項21】
Al−Zn−Si−Mg合金がAl20〜95%、Si5%まで、Mg10%までおよび残りZnで、かつ少量の他の元素、典型的には他の元素各々0.5%未満を有する請求項3〜7いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項22】
Mg濃度が0.5%以上である請求項21記載の被覆金属ストリップ。
【請求項23】
Mg濃度が1%以上である請求項21記載の被覆金属ストリップ。
【請求項24】
Mg濃度が3%以下である請求項21記載の被覆金属ストリップ。
【請求項25】
Si濃度0.5〜2%を有する被膜について、他のSi含有相と比較してインターデンドライト状MgSi相の体積分率は50%以上である請求項21〜24いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項26】
他のSi含有相と比較してインターデンドライト状MgSi相の体積分率が80%以上である請求項21〜25いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項27】
被膜のMgSi相の総体積分率の70%以上が被膜の被覆厚さの2/3以下である請求項21〜26いずれかに記載の被覆金属ストリップ。
【請求項28】
インターデンドライト状チャンネルの60%以上がMgSi相粒子でブロックされる請求項21〜27いずれかに記載の被覆金属ストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−520391(P2012−520391A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553234(P2011−553234)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000285
【国際公開番号】WO2010/102343
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(505132312)ブルースコープ・スティール・リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】BLUESCOPE STEEL LIMITED
【住所又は居所原語表記】Level 11, 120 Collins Street, Melbourne, Victoria 3000, Australia
【Fターム(参考)】