説明

BMP−10活性を調整する方法および組成物

BMP−10のアゴニストおよびアンタゴニストを用いて、心臓、腎臓および血管の細胞機能および恒常性を調整する方法および組成物が開示されている。特に、BMP−10関連の血管、腎臓、線維性および心臓の疾患および/または障害を治療、予防、および/または診断する方法が開示されている。BMP−10モジュレータ、例えば、アゴニストおよびアンタゴニストを評価するスクリーニング方法も開示されている。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
BMP−10応答性細胞または組織における骨形態形成タンパク質−10(BMP−10)の一つ以上の生物活性を減少させる方法であって、BMP−10応答性細胞または組織であって、一つ以上のBMP−10生物活性を増加させる前記細胞または組織を細胞または組織における一つ以上のBMP−10生物活性を減少させるのに十分な量のBMP−10アンタゴニストと接触させることを含み、BMP−10応答性細胞または組織が、血管または腎臓の細胞または組織、または線維性組織であって、BMP−10アンタゴニストが、抗BMP−10抗体分子、抗BMP−10レセプター抗体分子、可溶性BMP−10レセプター、BMP−10核酸抑制物質、BMP−10レセプター核酸抑制物質、BMP−10拮抗性プロペプチド、BMP−10結合領域融合変異体、およびBMP−10レセプター結合領域融合変異体からなる群より選択されるところの、方法。
【請求項2】
BMP−10アンタゴニストが、
(i)Smadタンパク質のリン酸エステル化;
(ii)ミオスタチン、エンドグリンまたは抑制性Smadの遺伝子発現の誘導;
(iii)プロ血管形成遺伝子の発現の増加;
(iv)Ras関連タンパク質−1a(Rap1a)の発現の減少;
(v)図22−28において確認された、インビトロまたはインビボにおける内皮細胞のBMP−10刺激に応答する一つ以上の遺伝子の発現の調整;
(vi)ストロマ由来分化因子(SDF−1)またはマトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP−9)の血清濃度の増加;または
(vii)血管異常、例えば、血管異形成、大量出血、毛細管拡張症、および/または、動静脈奇形の増加から選択される一つ以上のBMP−10生物活性を低下させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
BMP−10アンタゴニストが、一つ以上の血管恒常性、腎機能、または線維組織の形成もしくは蓄積を変化させる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
血管細胞または組織が、内皮または平滑筋の細胞または組織である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
接触ステップが細胞培養に存在するBMP−10応答性細胞または組織に生じ、前記細胞培養があらかじめまたは同時にBMP−10にさらされる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
接触ステップが被験者に存在するBMP−10応答性細胞または組織に生じる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
被験者が、血管、腎臓、または、線維形成の疾患または障害を有するかまたは有する危険性があるヒト患者である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
哺乳類の被験者における、血管、腎臓または線維性疾患または障害を治療または予防する方法であって、被験者において血管または腎臓の細胞または組織または線維性組織における一つ以上のBMP−10生物活性を阻害または低下させるのに十分な量で、BMP−10アンタゴニストを哺乳類の被験者に投与することを含み、BMP−10アンタゴニストが、抗BMP−10抗体分子、抗BMP−10レセプター抗体分子、可溶性BMP−10レセプター、BMP−10核酸抑制物質、BMP−10レセプター核酸抑制物質、BMP−10拮抗性プロペプチド、BMP−10結合領域融合変異体およびBMP−10レセプター結合領域融合変異体からなる群より選択されるところの、方法。
【請求項9】
血管の疾患または障害が、内皮または平滑筋細胞の機能不全によって特徴づけられる、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
被験者が、一つ以上の遺伝性出血性毛細管拡張(HHT)、腎炎症候群、腎症、糖尿病ネフロパシ、網膜症、脳卒中、アテローム硬化、動脈硬化、末梢血管障害、高血圧、高脂血症、血栓症または再狭窄から選択される障害を有するかまたは有する危険性があるヒトである、請求項7または8記載の方法。
【請求項11】
被験者が、結腸直腸癌、胃癌、乳癌、肺癌、食道癌、および肝臓癌腫からなる群から選択される腫瘍性障害を有するかまたは有する危険性があるヒトである、請求項7または8記載の方法。
【請求項12】
線維性疾患または障害が、肝臓、肺、腎臓または心臓の線維組織の形成または蓄積によって特徴づけられる、請求項7または8記載の方法。
【請求項13】
BMP−10が、成熟したまたはプロペプチドのヒトBMP−10である、請求項1または8記載の方法。
【請求項14】
BMP−10アンタゴニストが、ヒトBMP−10またはヒトBMP−10レセプターと結合する抗体分子である、請求項1または8記載の方法。
【請求項15】
抗体分子が、ヒトBMP−10またはヒトBMP−10レセプター・ポリペプチドに対する、ヒト、ヒト化、キメラ、ラクダ科の動物、サメまたはインビトロで生成された抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
BMP−10アンタゴニストが、BMP−10レセプターまたはBMP−10拮抗プロペプチドの可溶性断片である、請求項1または8記載の方法。
【請求項17】
可溶性断片が、免疫グロブリンFc領域に融合する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
BMP−1アンタゴニストが、エンドグリン、ALKレセプター、コーディン、USAG−1、スクレロジンおよびアクチビン・レセプターIIBからなる群より選択される、BMP−10レセプターまたはその断片である、請求項1または8記載の方法。
【請求項19】
BMP−10核酸抑制物質またはBMP−10レセプター核酸抑制物質が、アンチセンス分子、リボザイム、RNAiおよび三重らせん分子からなる群より選択される、請求項1または8記載の方法。
【請求項20】
不活発なまたは途絶えた血管または心臓の細胞増殖または活性によって特徴づけられる障害を治療する方法であって、血管または心臓の細胞または組織の一つ以上のBMP−10生物活性を増加または刺激するのに十分な量で、BMP−10ポリペプチドまたはその機能的断片を被験者に投与することによって、障害を治療または予防することを含み、疾患が内皮細胞損傷に伴う障害または疾患であるところの、方法。
【請求項21】
試験サンプルにおいて、BMP−10関連の血管、腎臓、または線維性障害または疾患を評価、診断、またはその進行をモニターする方法であって、対照標準サンプルに対する核酸またはポリペプチドのレベルの違いが、障害または疾患の存在または進行を示すように、BMP−10またはBMP−10関連遺伝子から選択される核酸またはポリペプチドの発現または活性を評価することを含む、方法。
【請求項22】
BMP−10関連遺伝子が、一つ以上のGDF−8、GDF−10、エンドグリン、抑制性Smadおよびプロ血管形成遺伝子を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
血管または腎臓の機能を調整する試験化合物を同定する方法またはアッセイであって、
(i)BMP−10またはBMP−10レセプター・ポリペプチドまたは核酸と相互作用または結合する試験薬を提供するかまたは同定すること;および
(ii)参照サンプルに対する試験薬の存在下における血管または腎臓の細胞または組織の活性の変化を評価することを含み、試験化合物が、抗体分子、BMP−10ペプチド、可溶性BMP−10レセプター、可溶性BMP−10レセプターの融合体、低分子、自然に生じるBMP−10アンタゴニスト、アンチセンス分子、リボザイム、RNAiおよび三重らせん分子からなる群から選択されるところの、方法またはアッセイ。
【請求項24】
評価ステップが、1つ以上のBMP−10もしくはBMP−10レセプター・ポリペプチド、またはBMP−10もしくはBMP−10レセプターをコード化する核酸を試験化合物と接触させること;および
試験化合物を含まないコントロールサンプルに対する、試験化合物の存在下における、BMP−10またはBMP−10レセプター・ポリペプチドまたは核酸の一つ以上の活性の変化を検出することを含み、ここで、血管または腎臓の細胞または組織の活性の変化が、参照サンプルに対する、テスト化合物の存在下における、1つ以上の
(i)Smadタンパク質のリン酸エステル化;
(ii)ミオスタチン、エンドグリン、または、抑制性Smadの遺伝子発現;
(iii)一つ以上のプロ血管形成遺伝子の発現;
(iv)Ras関連タンパク質1a(Rap1a)の発現;
(v)図22−28において確認された、インビトロまたはインビボにおける内皮細胞のBMP−10刺激に応答する一つ以上の遺伝子の発現;
(vi)ストロマ由来分化因子(SDF−1)またはマトリックスメタロペプチダーゼ9(MMP−9)の血清濃度;または
(vii)血管異常、例えば、血管異形成、大量出血、毛細管拡張症または動静脈奇形
の変化を測定することによって検出され、一つ以上の(i)−(iii)および(vi)における減少、および(vi)における増加が、BMP−10機能のアンタゴニストを示し、そして、一つ以上の(i)−(iii)および(vi)の増加、および(iv)の減少が、BMP−10機能のアゴニストを示すところの、請求項26記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B−1】
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【図23B−2】
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【図23C−1】
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【図23C−2】
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【図23D−1】
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【図23D−2】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図25A】
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【図25B−1】
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【図25B−2】
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【図25C−1】
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【図25C−2】
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【図25D−1】
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【図25D−2】
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【図25E−1】
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【図25E−2】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D−1】
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【図26D−2】
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【図26E−1】
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【図26E−2】
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【図26F】
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【図26G】
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【図26H】
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【図26I】
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【図26J】
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【図26K】
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【図26L】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【図27F】
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【図27G−1】
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【図27G−2】
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【図27H】
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【図27I】
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【図27J】
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【図27K】
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【図27L】
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【図27M】
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【図27N−1】
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【図27N−2】
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【図27O−1】
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【図27O−2】
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【図27P】
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【図27Q−1】
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【図27Q−2】
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【図27R−1】
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【図27R−2】
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【図27S−1】
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【図27S−2】
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【図27T−1】
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【図27T−2】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図29】
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【公表番号】特表2010−529041(P2010−529041A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510534(P2010−510534)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/065416
【国際公開番号】WO2008/151078
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】