説明

C型肝炎ウイルスプロテアーゼインヒビターのための医薬組成物

C型肝炎ウイルスのプロテアーゼインヒビターの医薬組成物、及びC型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害するために、また、HCV感染症を治療するためにこれらの組成物を用いる方法が開示される。これらの組成物は、脂質系であり、C型肝炎ウイルスのプロテアーゼインヒビターを少なくとも1種の薬学的に許容しうるアミン、少なくとも1種の薬学的に許容しうる塩基、少なくとも1種の薬学的に許容しうる油及び任意に1種以上の追加成分と共に含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、C型肝炎ウイルスプロテアーゼインヒビターの医薬組成物、C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害するために、また、HCV感染を治療するためにこれらの組成物を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の大環状化合物がC型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼに効力のある特定の阻害剤であることが最近発見された。特に、下記式Iの化合物は、HCVのNS3セリンプロテアーゼに対して特に効力のある種類の阻害剤であることがわかった。
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7; 又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子におけるの1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。]
2001年1月16日に出願のTsantrizos et al.、米国出願第09/760946号、現在、米国特許第6,608,027 B1号(Boehringer Ingelheim (Canada), Ltd.)を参照のこと、この明細書の記載は本願明細書に全体で含まれるものとし、以下“Tsantrizos et al”と呼ばれる。また、対応する国際出願第00/59929号を参照のこと。更に、2003年9月22日出願のLlinas-Brunet、米国仮出願第60/504,839号を参照のこと、この明細書の記載は本願明細書に全体で含まれるものとし、以下“Llinas-Brunet”と呼ばれる。
【0005】
式Iの化合物の構造的特徴はC末端カルボン酸官能性の存在であり、これは、この阻害剤系に見られる効力と可逆性だけでなく、他のセリン/システインプロテアーゼに比較してHCVプロテアーゼに対する優れた特異性にも関与することがわかった。式Iの化合物のようなHCVセリンプロテアーゼインヒビターは、新規な機序、即ち、HCV複製のために不可欠なウイルスエンコードされた機能の遮断を経て作用する抗ウイルス剤であると考えられる。この機序によって作用する薬剤は、全てのHCV遺伝子型のウイルスの複製を抑制するに違いないので、慢性C型肝炎患者のためになることは明白である。
プロテアーゼインヒビターの一般的な問題は、これらの化合物が親油性で水溶解度が低いことである。水溶解度が不十分であることから、これらのインヒビターを含有する従来の固体や液体の医薬製剤は患者が満足な方法で吸収することができない。経口投与された場合に薬剤のバイオアべイラビリティに影響し得る種々の要因の中で、(それは、水溶解度、胃腸管による薬剤吸収、投与強度、初回通過効果を含む)、水溶解度が最も重要な要因であることがしばしば見いだされる。十分に水溶性でない化合物は、しばしば消化管における吸収が不規則か又は不完全であるので、望ましい応答を生じない。
式Iの化合物は両性イオンであり、強酸や強塩基と塩を形成することができる。水溶解度を実質的に改善するこのような化合物の塩を固体の形で確認する試みは成功していない。これらの化合物の種々の塩は、非常に吸湿性であり、化合物の安定性を低下させることがわかった。更に、これらの化合物の塩の製剤は、一般的には、胃腸管において親遊離酸を沈殿しやすい。式Iの代表的な化合物は水性懸濁液として動物に投与した場合に不十分なバイオアべイラビリティを示し、これらのインヒビターを含有する従来の製剤が満足な方法で吸収されることができないことが示された。このように、当該技術においてバイオアべイラビリティが改善された式I化合物の医薬組成物が求められている。
医薬製剤にある種の親油性大環状化合物を配合する方法は、以前に報告されている。例えば、Cavanakの米国特許第4,388,307号には、市販のシクロスポリンの乳化製剤の調製が開示され、Hauer et.alの米国特許第5,342,625号、Meizner et al.の国際出願第93/20833号には、シクロスポリンマイクロエマルジョン及びマイクロエマルジョン前濃縮物の調製が開示されている。Komiya et. alの米国特許第5,504,068号には、更に、シクロスポリンの強化された局所製剤の調製が開示されている。
【0006】
Lipari et alの国際出願第96/36316号には、親油性化合物の“自己乳化”製剤の例が含まれ、親油性化合物、d-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(TPGS)と親油性相とを含む自己乳化前濃縮物が開示されている。Gao et al.の米国特許第6,121,313号には、ピラノン化合物、モノグリセリドとジグリセリドの混合物、1種以上の溶媒及び1種以上の界面活性剤を含むピラノンプロテアーゼインヒビターの自己乳化製剤が開示され; Gao et alの米国特許番号6,231,887 B1号には、ピラノン化合物、アミン、1種以上溶媒及び1種以上の界面活性剤を含むピラノンプロテアーゼインヒビターの自己乳化製剤が開示されている。
Yu et. alの米国特許第5,360,615号及び同第5,071,643号には、ポリエチレングリコール、水酸化物イオン又は水素イオン、及び水の混合物を含む部分的イオン化によって酸性、塩基性又は両性化合物の溶解性を高めるための溶媒系の調製が開示されている。Morton et alの米国特許第5,376,688号には、医薬剤、イオン種及び溶媒系を含む酸性、塩基性又は両性の医薬剤の溶液が開示されている。Bhagwat et. alの米国特許第6,056,977号には、スルホニル尿素の徐放性のための多糖類系マトリックスの使用が教示されている。
2003年2月4日出願の米国特許出願第10/357,919号(S. Chen et al.)や国際出願第 03/066103 A1号として公開された2003年2月5日出願の国際出願第PCT/US03/03380号(Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc.)に開示されるように、式(I)の化合物についてバイオアべイラビリティが改善された自己乳化ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)が最近開発された。この製剤は、式(I)の化合物、約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物、1種以上の薬学的に許容しうる油、任意に1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒、任意に1種以上の薬学的に許容しうるポリマー、及び任意に1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤含んでいる。しかしながら、この配合物は、その化学安定性に関して完全には最適化されることができないので、冷蔵条件での貯蔵を必要とするものであることがわかった。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、許容しうるバイオアべイラビリティを有し、また、以前のSEDDS配合物と比較して化学安定性が改善された式I化合物の医薬組成物を提供することによって上述の問題を克服するものである。
本発明の医薬組成物は、全て式Iの化合物を1種以上の薬学的に許容しうるアミン、塩基及び油と共に含んでいる。本発明の組成物は、後で詳述されるように、1種以上の追加成分、例えば、薬学的に許容しうる溶媒、界面活性剤、ポリマー等を任意に含むことができる。本発明は、また、後述されるように、これらの組成物の製造方法に関する。
一般的な実施態様において、本発明の医薬組成物は、下記成分を含んでいる。
(a) 下記式(I)の化合物; 又はその互変異性体
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤。
本発明の他の重要な態様は、ウイルスを本発明の医薬組成物のC型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害量にさらすことによってC型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法を含んでいる。
本発明の他の重要な態様は、治療を必要としている哺乳動物に本発明の医薬組成物の治療的に有効な量を投与することによって哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染症を治療する方法を含んでいる。
本発明は、また、C型肝炎ウイルス感染症の治療用薬剤を調製するための上記の組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
用語の定義及び用いられる約束ごと
本明細書に特に定義されない用語は、開示や文脈を考慮して当業者によってそれらに与えられる意味を示さなければならない。しかしながら、反対に指定されない限り、明細書に用いられる、次の用語は示される意味を有し、以下の約束ごとが固守される。
A. 化学及び医薬の命名法、用語、及び約束ごと
下で定義される基、ラジカル、又は部分において、炭素原子数は基の前にしばしば指定されている。例えば、C1-6アルキルは、炭素原子1〜6個を有するアルキル基を意味する。一般に、2つ以上の下位基を含む基の場合、最後に名づけられた基が基の結合点である。例えば、“チオアルキル”は式HS-Alk-の一価基を意味する。下で指定されない限り、用語の従来の定義が支配し、全ての式及び基において従来の安定な原子価が推定され達成される。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“C1-6アルキル”という用語は、炭素原子1〜6個を有する非環式直鎖又は分枝鎖アルキル置換基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチルが挙げられる。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“C3-6シクロアルキル”という用語は、炭素原子3〜6個を有するシクロアルキル置換基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“C1-6アルコキシ”という用語は、置換基C1-6アルキル-O-を意味し、ここで、アルキルは、炭素原子6個までを有する上記定義の通りである。アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1,1-ジメチルエトキシが挙げられる。後者の置換基は、tert-ブトキシとして一般に知られている。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“C3-6シクロアルコキシ”という用語は、炭素原子3〜6個を有する置換基C3-6シクロアルキル-O-を意味する。
【0011】
本明細書に用いられる“ハロ”という用語は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードより選ばれたハロゲン置換基を意味する。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“ハロアルキル”という用語は、1つ以上の水素がブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードより選ばれたハロゲンに置換された非環式直鎖又は分枝鎖アルキル置換基を意味する。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“チオアルキル”という用語は、置換基としてチオール(HS)基を有する非環式直鎖又は分枝鎖アルキル置換基を意味する。チオアルキル基の一例はチオプロピルであり、例えば、HS-CH2CH2CH2-は、チオプロピル基の一例である。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“C6又はC10アリール”という用語は、炭素原子6個を有する芳香族単環式系か又は炭素原子10個を有する芳香族二環式系を意味する。例えば、アリールとしては、フェニル又はナフチル-環構造-が挙げられる。
単独で又は他の置換基と組合わせて本明細書に用いられる“Het”という用語は、炭素原子と窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環から水素を除去することによって得られた一価の置換基を意味する。適切な複素環の例としては、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリミジン又は
【0012】
【化3】

【0013】
が挙げられる。
“Het”という用語には、複素環又は他のあらゆる環である1つ以上の他の環に融合した上で定義した複素環も含まれる。このような一例としては、チアゾロ[4,5-b]ピリジンが挙げられる。一般的には“Het”という用語によってカバーされるが、本明細書に用いられる“ヘテロアリール”という用語は、正確には二重結合が芳香族系を形成する不飽和複素環を定義するものである。芳香族複素環系の適切な例としては、キノリン、インドール、ピリジン、
【0014】
【化4】

【0015】
が含まれる。
“オキソ”という用語は、置換基として結合された二重結合基(=O)を意味する。
“チオ”という用語は、置換基として結合された二重結合基(=S)を意味する。
“本発明の化合物”という用語及び等価表現は、文脈がそのように可能にする所でその互変異性体や異性体を含む、本明細書に記載される式(I)の化合物を包含することを意味する。一般に、本発明の化合物及び本発明の化合物を表す式は、不安定な化合物が化合物の式によって文字通り包含されると考えられるかもしれない場合であっても、その安定な合物を含み、不安定な化合物を除外することにのみ理解される。
“安定化合物”という用語は、反応混合物から有効な純度まで分離し且つ有効な医薬組成物への配合を乗り切るのに十分に強力である化合物を意味する。例えば、“ダングリング原子価”を有するか又は“カルボアニオン”である化合物は、本発明によって企図された化合物ではない。
“本発明の医薬組成物”という用語及び等価表現は、本発明の範囲内の医薬組成物の具体的な種類に言及されている文脈より明らかでない限り、後述される様々な種類の医薬組成物を全て包含するように意味する。
本明細書に用いられる材料に関して“薬学的に許容しうる”という用語は、堅実な医療の判断の範囲内で過度の毒性、刺激、アレルギー性応答等なしでヒト及び下等動物の組織と接触して用いるのに適切であり、相当な利点/危険率に相応し、且つ物質が医薬組成物において用いられる場合に企図された使用に有効である物質を意味する。
“半固体”という用語は、固体でもなく(弾性挙動)、液体でもなく(粘性挙動)、粘性と弾性双方の特性を有する材料を意味する。半固体材料の例としては、ゲル、軟膏、クリーム、高粘稠液が含まれる。
“約”という用語は、一定の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、更に好ましくは5%以内を意味する。例えば、“約10%”は、8%〜12%、好ましくは9%〜11%、更に好ましくは9.5%〜10.5%を意味する。“約”という用語が値域、例えば、“約X〜Y %”と関連している場合、“約”という用語は列挙された範囲の下の方の値(X)と上の方の値(Y)双方を加減することを意味する。例えば、“約0.1〜10%”は、“約0.1%〜約10%”に等価である。
組成物における成分の量について列挙された全てのパーセントは、全組成物に関する質量パーセントである。
【0016】
B. 異性体の用語及び約束ごと
“異性体”又は“立体異性体”という用語は、同じ原子の数と種類、従って同じ分子量をもつが、空間での原子の配置又は構造に関して異なる化合物を意味する。用語には、光学異性体と幾何異性体が含まれる。
“光学異性体”という用語は、少なくとも1つのキラル原子又は束縛回転をもち、垂直な不斉平面を生じ(例えば、ある種のビフェニル、アレン、スピロ化合物)、平面偏光を回転させ得る安定な異性体を意味する。不斉中心及び他の化学構造が光学異性体を生じることができる式Iの化合物に存在することから、本発明は光学異性体及びそれらの混合物を企図する。式Iの化合物が不斉炭素原子を含み、それ故、単一の立体異性体、ラセミ化合物として、また、エナンチオマーとジアステレオマーの混合物として存在することができる。典型的には、このような化合物はラセミ混合物として調製される。しかしながら、所望により、このような化合物は純粋な光学異性体として、即ち、個々のエナンチオマー又はジアステレオマー、又は立体異性体を多く含んだ混合物として調製又は分離され得る。化合物の個々の立体異性体は、所望のキラル中心を有する光学活性出発物質より合成によって又はエナンチオマー生成物の混合物の調製によって調製され、続いて、分離され、例えば、ジアステレオマーの混合物に変換され、続いて、分離又は再結晶、クロマトグラフィー法、キラル分割物質、又はキラルクロマトグラフィーカラムによるエナンチオマーの直接分離に供される。具体的な立体化学の出発化合物は、市販であるか又は後述される方法によって製造され、当該技術において周知の技術によって分解される。
“エナンチオマー”という用語は、互いに重ね合わせられない鏡像である一対の光学異性体を意味する。
“ジアステレオ異性体”という用語は、互いに鏡像でない光学異性体を意味する。
“ラセミ混合物”という用語は、同じ部分の個々のエナンチオマーを含有する混合物を意味する。
“非ラセミ混合物”という用語は、同じでない部分の個々のエナンチオマー又は立体異性体を含有する混合物を意味する。
“幾何異性体”という用語は、二重結合(例えばシス2-ブテン及びトランス2-ブテン)のまわりの又は環状構造(例えば、シス1,3-ジクロロシクロブタン、トランス1,3-ジクロロシクロブタン)における回転の制限された自由から生じる安定な異性体を意味する。炭素-炭素二重(オレフィン)結合、環状構造等が式Iの化合物に存在してもよいので、本発明は、これらの二重結合のまわりの、また、これらの環状構造の置換基の配置より得られる種々の安定な幾何異性体及びそれらの混合物の各々を企図する。置換基及び異性体は、シス/トランスの慣例を用いて示される。
式Iの化合物の一部は、1を超える互変異性体で存在することができる。上記のように、式Iの化合物にはこのような互変異性体全てが含まれる。
一般に、個々の立体化学又は異性体が化合物名又は構造において詳しく示されない限り、全ての互変異性体及び異性体及びそれらの混合物、例えば、化学構造又は化合物の個々の幾何異性体、立体異性体、光学異性体又は異性体のラセミ又は非ラセミ混合物を意味する。
【0017】
C. 医薬投与及び治療の用語及び慣例
“患者”という用語は、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含んでいる。
“治療的に有効な量”という用語は、治療を必要としている患者に投与した場合にC型肝炎ウイルス感染症の治療を行うのに十分である本発明の化合物の量を意味する。このような治療的に有効な量は、通常、自分自身の知識、従来技術及び、本開示を考慮した当業者によって決定され得る。
“治療する”又は“治療”という用語は、患者におけるC型肝炎ウイルス感染症の治療を意味し、
(i) 特に、このような患者がこのような疾病状態の体質であるが、まだそれをもつと診断されていない場合、C型肝炎ウイルス感染症が患者に起こるのを予防する;
(ii) C型肝炎ウイルス感染症を阻害するか又は改善する、即ち、その発症を抑制するか又は遅くする; 又は
(iii) C型肝炎ウイルス感染症を軽減すること、即ち、疾病状態の後退又は治癒を引き起こすことが含まれる。
【0018】
本発明の好ましい実施態様
我々が本明細書で“脂質系”と言う好ましい実施態様は、下記成分を含む医薬組成物に関する。
(a) 下記式(I)の化合物; 又はその互変異性体











【0019】
【化5】

【0020】
[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立して H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤。
【0021】
脂質系組成物に存在することができる有効成分(式(I)化合物)の量は、広く異なってもよく又は広く調整されてもよく、意図された投与経路、用いられている具体的な有効成分の力価、C型肝炎ウイルス感染症の重篤度、必要とされる濃度に左右される。具体的な実施態様においては、式(I)の化合物は脂質系に約1%〜50質量%、好ましくは約5%〜30質量%、更に好ましくは約10%〜20質量%の量で存在する。
組成物において有効な薬学的に許容しうるアミンは、例えば、C1-6アルキルアミンを含む、ジ(C1-6アルキル)アミン又はトリ(C1-6アルキル)アミンが含まれ、ここで、その1種以上のアルキル基は、1種1以上のヒドロキシ基、又はC1-6アルキルエンジアミン、塩基性アミノ酸又は水酸化コリン、又はそれらの混合物によって任意に置換されてもよい。個々のアミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、又はメグルミン、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましいアミンは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである(“トリス”又は“トロメタミン”とも呼ばれる)。アミンは、約0.1〜10重量%の量で、更に好ましくは約0.5%〜7質量%; 更に好ましくは約0.5%〜5質量%の量で存在する。
組成物において有効な薬学的に許容しうる塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、水酸化マグネシウムアルミニウムが挙げられる。また、薬学的に許容しうる酸、例えば、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸等の塩基である塩が適切である。多塩基酸の塩、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムもまた使用し得る。塩基が塩である場合、カチオンは、便利で薬学的に許容しうるあらゆるカチオン、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属等であり得る。好ましいカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム基が挙げられる。ある好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムアルミニウムが挙げられる。薬学的に許容しうる塩基は、組成物において約0.1〜10質量%、例えば、約0.1〜5質量%、例えば約0.1〜3質量%の量で存在する。
【0022】
組成物において有効な薬学的に許容しうる油としては、広域スペクトルの水不溶性物質、例えば、中鎖又は長鎖モノ-、ジ-又はトリグリセリド、ダイズ油、アボカード油、スクアレン油、ゴマ油、オリーブ油、カノーラ油、トウモロコシ油、ナタネ油、サフラワー油、サフラワー油のような植物油、魚油、香味油、水不溶性ビタミン、脂肪酸、及びそれらの混合物が挙げられる。より更に好ましい油としては、カプリル酸の脂肪酸モノ-、ジ-又はトリグリセリド; カプリン酸の脂肪酸モノ-、ジ-又はトリグリセリド; オレイン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。ある好ましい油としては、商品名: Capmul MCM、Capmul MCM C-8、Capmul MCM C-10、Capmul PG-8、Miglyol 810、Captex 355、Miglyol 812、Captex 200、Myvacet、Myverol 18-92、Maisine、Arlacel 186によって市販されているものが挙げられる。組成物における油の量は広範囲にわたって異なってもよく、具体的な組成物に最適な量は熟練した医薬技術者によって決定され得るように組成物における他の成分の種類や量に左右される。しかしながら、一般に、薬学的に許容しうる油は約1%〜99質量%、更に好ましくは約20%〜70質量%の量で存在させる。
ある種の状況において、例えば、溶解性を高めて分散性を改善するために、薬学的に許容しうる親水性溶媒を組成物において任意に用いることができ、例えば、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 400)、グリセロール、エタノール、ジメチルイソソルビド、グリコフロール、炭酸プロピレン、ジメチルアセトアミド、水、又はそれらの混合物; 好ましくは、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、水、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましい溶媒は、プロピレングリコール、エタノール、水の混合物である。組成物における溶媒の量は広範囲にわたって異なってもよく、具体的な組成物に最適な量は熟練者によって容易に決定されることができるように組成物における他の成分の種類や量に左右される。しかしながら、一般に、溶媒は約70質量%まで、好ましくは約10%〜30質量%の量で存在させる。
【0023】
配合物の粘度を調整するために又は安定性を改善するために、薬学的に許容しうるポリマーは、組成物において任意に用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 1000、PEG 1500、PEG 3350、PEG 6000、PEG 8000)、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon 12 PF、Kollidon 17 PF、Kollidon 25 PF、Kollidon 30 PF、Kollidon 90 PF等)、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC))、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、糖(例えば、ラクトース)、ポリオール、及びそれらの混合物が挙げられる。組成物において用いられる場合、薬学的に許容しうるポリマーは約50質量%まで、好ましくは約1〜20質量%の量で存在させることが好ましい。
自己乳化を容易にするために、薬学的に許容しうる界面活性剤は、組成物において任意に用いることができ、例えば、ビタミン誘導体、例えば、ビタミンE TPGS(d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、ポリオキシヒマシ油(例えば、Cremophor EL)、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリソルベート(例えば、Tween 80)、ペグリコール6-オレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリグリコール化グリセリド(例えば、Gelucire 44/14)又はpoloxamers(例えば、Pluronic F68)、ラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい界面活性剤としては、ビタミンE TPGS、ポリオキシ40硬化ヒマシ油又はポリオキシ35ヒマシ油、及びそれらの混合物が挙げられる。
組成物において用いられる場合、界面活性剤は約70質量%まで、好ましくは約20%〜50質量%の量で存在させることが好ましい。界面活性剤を更に取込んでいる本発明のこの種類の脂質系は、一般的には、本明細書で“自己乳化ドラッグデリバリーシステム”又は“SEDDS”と呼ばれる。
【0024】
本発明によるSEDDS組成物の具体的実施態様は、下記成分を含む医薬組成物に関する。
(a) 約5%〜30質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜7質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約1%〜99質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約70質量%までの薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約50質量%までの薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約70質量%までの薬学的に許容しうる界面活性剤。
本発明によるSEDDS組成物の具体的な実施態様は、更に、下記成分を含む医薬組成物に関する。
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜3質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約20%〜70質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約10%〜30質量%の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約1%〜20質量%の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約20%〜50質量%の薬学的に許容しうる界面活性剤。
本発明によるSEDDS組成物の具体的な実施態様は、更に、下記成分を含む医薬組成物に関する。
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜3質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜70質量%のカプリル酸の脂肪酸トリグリセリド又はカプリン酸の脂肪酸トリグリセリド、又はそれらの混合物;
(e)約10%〜30質量%のプロピレングリコール、エタノール、及び任意成分として水の混合物;
(f) 任意成分として1%〜20質量%のポリエチレングリコール又はポリビニルピロリドン; 及び
(g) 約20%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート又はポリオキシ35ヒマシ油(Cremophor EL)。
【0025】
本発明によるSEDDS組成物の具体的なな実施態様は、更に、下記成分を含む医薬組成物に関する。
(a) 約10%〜15質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜2質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜1質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜30質量%のCapmul MCM又はCaptex 355;
(e) 約15%〜25質量%のプロピレングリコール、エタノール、及び水の混合物; 及び
(f) 約40%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート; 及び
(g) 約0.01%〜1%のdl-α-トコフェロール。
脂質系組成物は、従来の方法で、例えば、液状成分、例えば、薬学的に許容しうる油と、あらゆる界面活性剤と溶媒を共に混合する工程; 得られた混合物に薬学的に許容しうるアミン、塩基、ポリマーを溶解する工程; 任意に得られた混合物を加熱して必要に応じて混合物の成分の1種以上を十分に融解させる工程; 得られた混合物に式(I)の化合物を添加する工程及び式Iの化合物の全て又は実質的に全てが可溶化されるまで更に混合する工程を含む方法で調製することができる。組成物を調製するこの方法は、本発明の他の態様を構成するものである。次に、得られた溶液は、既知の製造技術によって、所望の剤形、例えば、硬質シェル又はソフトゲルカプセル(例えば、硬又は軟ゼラチンカプセル)を含むカプセルに任意に処方される。組成物は、また、経口、非経口、直腸又は、局所投与のための溶液又は半固体の形であってもよい。使用し得る軟ゼラチンカプセルの例としては、欧州特許第649651 B1号や米国特許第5,985,321号に開示されたものが挙げられる。
【0026】
任意の追加成分
所望により、本発明による組成物は、適切な配合物を得るために必要な又は望ましい従来の医薬添加剤、例えば、抗酸化剤、潤滑剤、崩壊剤、防腐剤、緩衝液、安定剤、濃化剤、着色剤、香味剤、芳香剤等を更に備えることができる。本発明の組成物に有効であることができる追加添加剤は、Tsantrizos et alに開示されている。
好ましい一実施形態において、本発明による組成物は、更に1種以上の抗酸化剤を含有する。好ましい抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、スルファチド塩、クエン酸、没食子酸プロピル、dl-α-トコフェロール、アスコルビルパルミテート、BHT又はBHAが挙げられる。存在する場合には、抗酸化剤は一般的には約0.01%〜1質量%の量で存在する。
【0027】
式(I)の化合物
組成物において式(I)の化合物の好ましい実施態様は以下の通りある。
好ましい実施態様は、上記の通りの式Iの化合物を含み、ここで、シクロプロピル部分は、1-炭素中心が下記構造(i)と(ii)によって示されるシクロプロピルのR構造を有する2つの異なるジアステレオ異性体より選ばれる。




【0028】
【化6】

【0029】
更に好ましくは、14位は、構造(ii)によって示されるようにCOOH基に対してsynの構造でシクロプロピル基に結合されている。
従つて、一実施態様においては、式(I)の化合物において以下の部分:
【0030】
【化7】

【0031】
は以下のジアステレオ異性体によって表される構造を有する。
【0032】
【化8】

【0033】
(式中、14位の構造はCOOH基に対してsynに結合されている。)
他の実施態様においては、式(I)の化合物において:
R1は、H、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、クロロ又はN(R5)2であり、ここで、R5は、H又はC1-6アルキルであり;
L1及びL2は、各々Hであり; R2は、H、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、フェニル又は以下より選ばれるHetである。









【0034】
【化9】

【0035】
(式中、R6は、H、C1-6アルキル、NH-R7、NHC(O)-R7、NHC(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキル; 又はNHC(O)-OR8であり、ここで、R8はC1-6アルキルである)。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
L1及びL2は、各Hである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R1は、H又はC1-6アルコキシである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R2は、以下の基より選ばれたC1-4アルコキシ、フェニル又はHetである。












【0036】
【化10】

【0037】
(式中、R6は、H、C1-6アルキル、NH-R7又はNHC(O)-R7であり;
ここで、各R7は、H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキル、又はNHC(O)-OR8であり、ここで、R8は、C1-6アルキルである。)
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R2はエトキシ、又は以下の基から選ばれたHetである。
【0038】
【化11】

【0039】
(式中、R6は、NHR7又はNHC(O)-R7であり、ここで、R7は、H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NHC(O)-OR8であり、R8は、C1-6アルキルである。)
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R2は、以下の基より選ばれ:
【0040】
【化12】

【0041】
R6は、NHR7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキルである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R3は、R9O-であり、ここで、R9は、ブチル、シクロブチル又はシクロペンチルである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
13-14位の結合は、単結合である。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
13-14位の結合は二重結合であり、前記二重結合はシスである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R4は、H又はC1-6アルキルである。
他の実施態様においては、式(I)の化合物において、
R1は、メトキシであり;
L1、L2は、各々Hであり;
R2は、
【0042】
【化13】

【0043】
(式中、R6は、NH(C1-4アルキル)又はNH(C3-6シクロアルキル)である。)であり;
R3は、R9O-であり、ここで、R9は、ブチル、シクロブチル又はシクロペンチルであり;
R4は、H又はC1-6アルキルであり;
以下の部分:
【0044】
【化14】

【0045】
は以下のジアステレオ異性体によって表される構造を有する。
【0046】
【化15】

【0047】
(式中、14位の構造は、COOH基に対してsynに結合されている。)
【0048】
化合物の表
以下の表は、式(I)の化合物の代表的な化合物を挙げるものである。







【0049】
【表1】






【0050】
表1:
【0051】
【表2】

【0052】
表2:
【0053】
【表3】

【0054】
はシクロプロピル部分の単一立体異性体に関し、ここで、R、R4、前記二重結合位置、14-位へのシクロプロピル基の結合立体化学、R1、R2は、以下の通りに定義される。








【0055】
【表4】







【0056】
表3:
【0057】
【表5】

【0058】
ここで、14位からシクロプロピル基への結合はCOOHに対してsynであり、X10、X11、X12は、以下の通りに定義される:
【0059】

【0060】
表4:
【0061】
【表6】

【0062】
ここで、14位からシクロプロピル基への結合はCOOHに対してsynであり、R1、R2は以下の通りに定義される:









【0063】
【表7】



































【0064】
表5:
【0065】
【表8】









【0066】
【表9】




【0067】
【表10】



【0068】
【表11】

























【0069】
表6
【0070】
【表12】

























【0071】
【表13】






【0072】
【表14】

【0073】
表7
【0074】
【表15】

【0075】
ここで、14位からシクロプロピル基への結合はCOOHに対してsynであり、R3、R4、R2は以下の通りに定義される。
【0076】
【表16】













【0077】
【表17】

【0078】
本明細書に記載される本発明の組成物の式(I)の好ましい化合物は、化合物#822である。式(I)の化合物の代表的な追加の個々の化合物は、Tsantrizos et al.及び国際出願第00/59929号に見い出すことができる。
式Iの化合物は、Tsantrizos et al.; 国際出願第00/59929号; Llinas-Brunetに詳細に示される手順によって合成することができる。
【0079】
治療的使用方法
式Iの化合物はHCVプロテアーゼインヒビターとして有効であり、それ故、これらの化合物及びこれらの化合物を含む医薬組成物は、Tsantrizos et al.; 国際出願第00/59929号; Llinas-Brunetに示されるように、HCVの複製を阻害するのに、また、HCV感染の治療に有効である。
上記のように、本発明の医薬組成物は、企図される具体的な組成物に左右される種々の剤形に処方することができる。同様に、種々の投与様式が具体的な組成物や剤形によって可能であるが、錠剤、カプセル又は懸濁液による経口投与は好ましい投与様式である。
式(I)の化合物の投薬レベル及びHCV感染症の予防や治療のための単一療法における種々の治療用法は、Tsantrizos et al.; 国際出願第00/59929号; Llinas-Brunetに示される通りである。しかしながら、当業者が理解するように、より少ない投薬が可能であってもよく、本発明の組成物はバイオアべイラビリティの改善レベルに左右される。Tsantrizos et al.; 国際出願第00/59929号; Llinas-Brunetによって詳細に記載されるように、1種以上の追加治療剤又は予防剤との併用療法も可能である。追加剤は、単一剤形を作製するために本発明の化合物と組み合わせることができ、あるいは、これらの追加剤は、複数の剤形の一部として哺乳動物に別々に投与することができる。
本発明が更に完全に理解されるために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、本発明の実施態様を示すためのものであり、決して本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。
【実施例】
【0080】
実施例
配合物#1(比較例)成分

【0081】
配合物#2

【0082】
配合物#3

【0083】
配合物1-3の調製:
まず、液体成分、例えば、Capmul MCM、Captex 355、プロピレングリコール、アルファ‐トコフェロール、水及びエタノールをしっかり閉めた容器内で共に混合した。VE TPGSを40℃で融解させ、次に、容器へ移した。次に、トロメタミンおよび/または水酸化ナトリウム溶液を上記の混合液に添加した。最後に、化合物#822を容器に添加し、薬剤が完全に可溶化されるまで撹拌を40℃で続けた。これらの配合物は、硬質シェル又は軟ゼラチンカプセルに充填され得る。
【0084】
化学安定性実験
配合物における化合物#822の主要分解生成物を同定し、LC/MSによって確認した。異なる製剤を比較するために、促進された安定性実験を行った。製剤を、琥珀色のアンプル剤に封入し、異なる温度: 50℃、60℃、70℃で貯蔵した。試料を取り出し、分析と不純物のためのHPLCによって分析した。
図1及び図2は、最初の実験で得られたデータに基づく、化合物#822を含有する配合物の不純物プロファイルである。全ての配合物を5日後に70℃で分析した。図1及び図2で分かるように、主要分解生成物1のレベルは、比較配合物 #1より本発明の配合物#2及び#3の方が低い(塩基なしで)。
更に包括的追跡実験を配合物#1及び#3について行った(この追跡実験に用いられる配合物は違うロットからのものであるので、最初の実験に用いられる不純物と配合物のレベルがわずかに異なる)。全不純物と主要分解生成物1のレベル双方が配合物#1と比較して配合物#3においてかなり減少した。表1aと表1bは、異なる温度での貯蔵時の配合物 #3と比較配合物#1の全不純物と主要分解生成物1の量を纏めたものである。貯蔵時の全不純物と主要分解生成物1のレベルが低い配合物#3が配合物#1より更に安定であることは明らかである。アレニウス式によれば、配合物#3のt0.1,25(分解生成物1が25℃で0.1%に達する時間)は配合物#1の99日と比較して232日である。
【0085】
表1a.配合物#1及び#3における全不純物の纏め。

【0086】
表1b.配合物#1及び#3における主要分解生成物1の纏め。

【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は、トロメタミンと水酸化ナトリウムを含有する本発明の配合物と、水酸化ナトリウムを含まない比較配合物の不純物プロファイルを示すグラフである。
【図2】図2は、トロメタミンと水酸化ナトリウムを含有する本発明の第2配合物と、水酸化ナトリウムを含まない比較配合物の不純物プロファイルを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を含有する医薬組成物:
(a) 下記式(I)の化合物; 又はその互変異性体;
【化1】

[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤。
【請求項2】
式(I)の化合物が、約1%〜50質量%の量で存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
アミンが、約0.5%〜7質量%の量で存在する、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
アミンが、C1-6アルキルアミン、ジ(C1-6アルキル)アミン又はトリ(C1-6アルキル)アミンであり、ここで、1つ以上のアルキル基は1つ以上のヒドロキシ基によって置換されていてもよく、又はアミンが、C1-6アルキレンジアミン、塩基性アミノ酸又は水酸化コリン、又はそれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アミンが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、又はメグルミン、又はそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
塩基が、約0.1%〜5質量%の量で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウムより選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
薬学的に許容しうる油が、約20%〜70質量%の量で存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
薬学的に許容しうる油が、中鎖又は長鎖モノ-、ジ-又はトリグリセリド、水不溶性ビタミン、脂肪酸及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
薬学的に許容しうる油が、カプリル酸の脂肪酸トリグリセリド; カプリン酸の脂肪酸トリグリセリド; 及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容しうる親水性溶媒が、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、エタノール、ジメチルイソソルビド、グリコフロール、プロピレンカーボネート、ジメチルアセトアミド、水又はそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
薬学的に許容しうる親水性溶媒が、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、水、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
薬学的に許容しうるポリマーが、約50質量%までの量で存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
薬学的に許容しうるポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、糖、ポリオール、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、約70質量%までの量で存在する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシヒマシ油、ポリソルベート、ペグリコール6-オレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリグリコール化グリセリド又はポロキサマー、又はラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシ40硬化ヒマシ油、ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックコポリマー、又はラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
式(I)の化合物において:
R1が、メトキシであり;
L1、L2が、共にHであり;
R2
【化2】

であり、ここで、R6は、NH(C1-4アルキル)又はNH(C3-6シクロアルキル)であり;
R3がR9O-であり、ここで、R9はブチル、シクロブチル又はシクロペンチルであり;
R4が、H又はC1-6アルキルであり;
下記部分:
【化3】

が下記ジアステレオ異性体:
【化4】

によって表される構造を有し、ここで、14位の構造はCOOH基に対してsynに結合している、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
式(I)の化合物が、以下の表に挙げられる化合物より選ばれる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【化5】

(式中、14位からシクロプロピル基への結合はCOOHに対してsynであり、前記13,14二重結合はシスであり、R3、R4、R2は、以下の通りに定義される。)
【化6】

【化7】

【化8】

【請求項20】
式(I)の化合物が、化合物#822である、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
下記成分を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(A)
(a) 約5%〜30質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜7質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約1%〜99質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約70質量%までの薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約50質量%までの薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約70質量%までの薬学的に許容しうる界面活性剤; 又は
(B)
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜3質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約20%〜70質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約10%〜30質量%の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約1%〜20質量%の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約20%〜50質量%の薬学的に許容しうる界面活性剤; 又は
(C)
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜3質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜70質量%のカプリル酸の脂肪酸トリグリセリド又はカプリン酸の脂肪酸トリグリセリド、又はそれらの混合物;
(e) 約10%〜30質量%のプロピレングリコール、エタノール及び任意成分として水の混合物;
(f) 任意成分として約1%〜20質量%のポリエチレングリコール又はポリビニルピロリドン; 及び
(g) 約20%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート又はポリオキシ35ヒマシ油(Cremophor EL); 又は
(D)
(a) 約10%〜15質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜2質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜1質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜30質量%のCapmul MCM又はCaptex 355;
(e) 約15%〜25質量%のプロピレングリコール、エタノール及び水の混合物;
(f) 約40%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート; 及び
(g) 約0.01%〜1%のdl-α-トコフェロール。
【請求項22】
硬質シェル又はソフトゲルカプセルより選ばれた液体剤形の形で又は粉末、錠剤又はカプセルより選ばれた固体剤形の形態での、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
1種以上の抗酸化剤を更に含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物を製造する方法であって、
(a) 薬学的に許容しうる1種以上の油、1種以上の界面活性剤及び1種以上の溶媒を一緒にして混合する工程;
(b) 工程(a)で得られた混合物に薬学的に許容しうる1種以上のアミン、1種以上の塩基及び1種以上のポリマーを溶解する工程;
(c) 任意に必要に応じて工程(b)で得られた混合物を加熱して混合物の成分の1種以上を十分に融解させる工程;
(d) 工程(b)又は(c)で得られた混合物に式(I)の化合物を添加し混合する工程
を含む、前記方法。
【請求項25】
C型肝炎ウイルスの複製を阻害する方法であって、ウイルスを請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物のC型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害量にさらすことによる、前記方法。
【請求項26】
哺乳動物においてC型肝炎ウイルス感染症を治療する方法であって、治療を必要としている哺乳動物に請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物の治療的に有効な量を投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
C型肝炎ウイルス感染症の治療用医薬組成物を調製するための、下記式(I)の化合物:
【化9】

[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立して H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
又はその互変異性体の使用であって、前記医薬組成物が、
(a) 上記の式(I)の化合物;
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤
を含んでいる、前記使用。
【請求項28】
C型肝炎ウイルス感染症の治療用薬剤を調製するための請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分を含有する医薬組成物:
(a) 下記式(I)の化合物; 又はその互変異性体;
【化1】

[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤。
【請求項2】
式(I)の化合物が、約1%〜50質量%の量で存在する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
アミンが、約0.5%〜7質量%の量で存在する、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
アミンが、C1-6アルキルアミン、ジ(C1-6アルキル)アミン又はトリ(C1-6アルキル)アミンであり、ここで、1つ以上のアルキル基は1つ以上のヒドロキシ基によって置換されていてもよく、又はアミンが、C1-6アルキレンジアミン、塩基性アミノ酸又は水酸化コリン、又はそれらの混合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アミンが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、又はメグルミン、又はそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
塩基が、約0.1%〜5質量%の量で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムアルミニウムより選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
薬学的に許容しうる油が、約20%〜70質量%の量で存在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
薬学的に許容しうる油が、中鎖又は長鎖モノ-、ジ-又はトリグリセリド、水不溶性ビタミン、脂肪酸及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
薬学的に許容しうる油が、カプリル酸の脂肪酸トリグリセリド; カプリン酸の脂肪酸トリグリセリド; 及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容しうる親水性溶媒が、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、エタノール、ジメチルイソソルビド、グリコフロール、プロピレンカーボネート、ジメチルアセトアミド、水又はそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
薬学的に許容しうる親水性溶媒が、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、水、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
薬学的に許容しうるポリマーが、約50質量%までの量で存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
薬学的に許容しうるポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、糖、ポリオール、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、約70質量%までの量で存在する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシヒマシ油、ポリソルベート、ペグリコール6-オレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリグリコール化グリセリド又はポロキサマー、又はラウリル硫酸ナトリウム及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬学的に許容しうる界面活性剤が、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシ40硬化ヒマシ油、ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックコポリマー、又はラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物より選ばれる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
式(I)の化合物において:
R1が、メトキシであり;
L1、L2が、共にHであり;
R2
【化2】

であり、ここで、R6は、NH(C1-4アルキル)又はNH(C3-6シクロアルキル)であり;
R3がR9O-であり、ここで、R9はブチル、シクロブチル又はシクロペンチルであり;
R4が、H又はC1-6アルキルであり;
下記部分:






【化3】

が下記ジアステレオ異性体:
【化4】

によって表される構造を有し、ここで、14位の構造はCOOH基に対してsynに結合している、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
式(I)の化合物が、以下の表に挙げられる化合物より選ばれる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【化5】

(式中、14位からシクロプロピル基への結合はCOOHに対してsynであり、前記13,14二重結合はシスであり、R3、R4、R2は、以下の通りに定義される。)














【化6】






















【化7】






【化8】

【請求項20】
式(I)の化合物が、化合物#822である、請求項19記載の医薬組成物。
【請求項21】
下記成分を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
(A)
(a) 約5%〜30質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜7質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約1%〜99質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約70質量%までの薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約50質量%までの薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約70質量%までの薬学的に許容しうる界面活性剤; 又は
(B)
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%の薬学的に許容しうるアミン;
(c) 約0.1%〜3質量%の薬学的に許容しうる塩基;
(d) 約20%〜70質量%の薬学的に許容しうる油;
(e) 約10%〜30質量%の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として約1%〜20質量%の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 約20%〜50質量%の薬学的に許容しうる界面活性剤; 又は
(C)
(a) 約10%〜20質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜5質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜3質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜70質量%のカプリル酸の脂肪酸トリグリセリド又はカプリン酸の脂肪酸トリグリセリド、又はそれらの混合物;
(e) 約10%〜30質量%のプロピレングリコール、エタノール及び任意成分として水の混合物;
(f) 任意成分として約1%〜20質量%のポリエチレングリコール又はポリビニルピロリドン; 及び
(g) 約20%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート又はポリオキシ35ヒマシ油(Cremophor EL); 又は
(D)
(a) 約10%〜15質量%の式(I)の化合物;
(b) 約0.1%〜2質量%のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;
(c) 約0.1%〜1質量%の水酸化ナトリウム;
(d) 約20%〜30質量%のCapmul MCM又はCaptex 355;
(e) 約15%〜25質量%のプロピレングリコール、エタノール及び水の混合物;
(f) 約40%〜50質量%のd-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート; 及び
(g) 約0.01%〜1%のdl-α-トコフェロール。
【請求項22】
硬質シェル又はソフトゲルカプセルより選ばれた液体剤形の形で又は粉末、錠剤又はカプセルより選ばれた固体剤形の形態での、請求項1〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
1種以上の抗酸化剤を更に含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物を製造する方法であって、
(a) 薬学的に許容しうる1種以上の油、1種以上の界面活性剤及び1種以上の溶媒を一緒にして混合する工程;
(b) 工程(a)で得られた混合物に薬学的に許容しうる1種以上のアミン、1種以上の塩基及び1種以上のポリマーを溶解する工程;
(c) 任意に必要に応じて工程(b)で得られた混合物を加熱して混合物の成分の1種以上を十分に融解させる工程;
(d) 工程(b)又は(c)で得られた混合物に式(I)の化合物を添加し混合する工程
を含む、前記方法。
【請求項25】
C型肝炎ウイルスの複製を阻害するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項26】
C型肝炎ウイルス感染症を治療するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の医薬組成物
【請求項27】
C型肝炎ウイルス感染症の治療用医薬組成物を調製するための、下記式(I)の化合物:
【化9】

[式中、------は13位と14位間に二重結合を形成する任意の結合を示し;
R1は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、ヒドロキシ、又はN(R5)2であり、ここで、各R5は、独立してH、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
L1、L2は、各々独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル、又は-S-C1-4アルキル(イオウはあらゆる酸化状態にある)であり;
R2は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C6又は10アリール又はHetであり、ここで、Hetは、窒素、酸素及びイオウより選ばれた1〜4個の環ヘテロ原子を有する5、6、又は7員飽和又は不飽和複素環であり;
前記シクロアルキル、アリール又はHetは、R6で置換されていてもよく、ここで、R6は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R7)2、NH-C(O)-R7、又はNH-C(O)-NH-R7であり、ここで、各R7は、独立して H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり; 又はR6は、NH-C(O)-OR8でもあり、ここで、R8は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R3は、R9O-又はR9NH-であり、ここで、R9はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;
R4は、H又は8、9、10、11、12、13又は14位のいずれかの炭素原子における1〜3個の置換基であり、前記置換基は独立してC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、オキソ、チオ又はC1-6チオアルキルからなる群より選ばれる。];
又はその互変異性体の使用であって、前記医薬組成物が、
(a) 上記の式(I)の化合物;
(b) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうるアミン又は薬学的に許容しうるアミンの混合物;
(c) 約0.1〜10質量%の薬学的に許容しうる塩基又は薬学的に許容しうる塩基の混合物;
(d) 1種以上の薬学的に許容しうる油;
(e) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる親水性溶媒;
(f) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうるポリマー; 及び
(g) 任意成分として1種以上の薬学的に許容しうる界面活性剤
を含んでいる、前記使用。
【請求項28】
C型肝炎ウイルス感染症の治療用薬剤を調製するための請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−522017(P2006−522017A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501244(P2006−501244)
【出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/008837
【国際公開番号】WO2004/093915
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】