説明

C型肝炎感染の治療のための修飾オリゴヌクレオチド

本発明は、ウイルス感染の治療に関する組成物および方法に関する。一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療に関する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染を治療するためのオリゴヌクレオチド組成物の投与方法に関する。さらに別の実施形態では、本発明は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤の投与に関する。さらなる実施形態では、本発明は、オリゴヌクレオチド中の免疫刺激モチーフの操作に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス感染の治療に関する組成物および方法に関する。一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療に関する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染を治療するためのオリゴヌクレオチド組成物の投与方法に関する。さらに別の実施形態では、本発明は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤の投与に関する。さらなる実施形態では、本発明は、オリゴヌクレオチド中の免疫刺激モチーフの操作に関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルス科(Flavivirideae)のメンバーであるC型肝炎ウイルス(HCV)は、mRNAとしても機能するプラス一本鎖RNAゲノムを含有する。米国で約400万人および世界中でおそらく1億人以上がC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している。このウイルスは、非経口または経皮伝染後に感受性宿主での持続感染を引き起こす独特の能力を有する。防御とウイルスクリアランスとの免疫学的相関、ならびに肝臓傷害の発生機序は未だ明らかになっていない。感染者の70%〜80%近くが慢性キャリアになり、慢性および進行性HCV感染は重大な罹病率および死亡率を有する(例えば、硬変、末期肝疾患、および肝癌の主因である)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、慢性HCV感染の治療のための唯一の認可されている治療は24〜48週間のI型インターフェロン(IFNα/β)およびリバビリンの組み合わせであり、持続したウイルスクリアランスが42%〜82%の治療個体で観察される。特定の患者集団で無効であることに加えて、この治療はかなりの有害な副作用のせいで問題がある。リバビリンは用量依存的溶血および貧血を引き起こし、重度の副作用が併用療法で頻繁に観察される。多くの場合、治療をインターフェロンのみの単独療法に縮小しなければならない。HCVおよび他のRNAウイルスの抗ウイルス治療中のIFN(またはIFNに対する抵抗性)の作用機構(群)はよく理解されていないが、そのような理解は新規抗ウイルス治療の開発を導くために望ましい。ゆえに、HCV感染を低下または阻害するための組成物および方法であって、限られた有害な影響しか有さずかつ広い範囲の患者集団に有効な組成物および方法を特定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
本発明は、ウイルス感染の治療に関する組成物および方法に関する。一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療に関する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染を治療するためのオリゴヌクレオチド組成物の投与方法に関する。さらに別の実施形態では、本発明は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤の投与に関する。さらなる実施形態では、本発明は、オリゴヌクレオチド中の免疫刺激モチーフの操作に関する。
【0005】
一部の実施形態では、本発明は、ウイルス感染の症状を有する被験体、および少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む少なくとも1つの一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を準備するステップ、ならびに免疫応答が生起される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップを含む方法に関する。別の実施形態では、前記ウイルス感染を引き起こすウイルスはRNAウイルスである。さらに別の実施形態では、RNAウイルスはC型肝炎を引き起こすウイルスである。さらなる実施形態では、C型肝炎を引き起こすウイルスは、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である。一部の実施形態では、RNAウイルスは、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される。別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、水素、アルキル、アミノ、チオール、カルボキシル、アミド、ホスフェート、ポリホスフェート、ホスホロチオエート(phosphothioate)、ハロゲン化物、カルバメート、ポリエチレングリコール(PEG)などのグリコールに基づく置換基、プリンおよび誘導体化プリン、ピリミジンおよび誘導体化ピリミジン、脂肪酸、アミノ酸ならびに含酸素複素環および含窒素複素環などの複素環式化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化学修飾基を含むように修飾される。さらなる実施形態では、免疫刺激モチーフはCpGである。一部の実施形態では、免疫刺激モチーフはCpGでない。別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは配列番号1に示されるヌクレオチド配列からなる。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなる。さらなる実施形態では、本発明は、前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、第2の医薬組成物は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される。別の実施形態では、抗ウイルス剤は、バカビル(bacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される。さらに別の実施形態では、コルチコステロイドは、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される。さらなる実施形態では、免疫調節剤は、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロンγ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponders)、Peg化インターフェロン不応剤、Peg化インターフェロン−α−2b、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される。一部の実施形態では、投与ステップは、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される。別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化される。さらに別の実施形態では、本発明は、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む。さらなる実施形態では、細胞透過性ペプチドは、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される。一部の実施形態では、本発明は、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む。別の実施形態では、抗体または抗体フラグメントは免疫化により生成される。さらに別の実施形態では、前記抗体の少なくとも一部分は合成的に生成される。
【0006】
一部の実施形態では、本発明は、ウイルス感染の危険性がある被験体、および配列番号1に示されるヌクレオチド配列および配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなる群より選択される一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を準備するステップ、ならびに該感染が予防される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップを含む方法に関する。別の実施形態では、前記ウイルス感染を引き起こすウイルスはRNAウイルスである。さらに別の実施形態では、RNAウイルスはC型肝炎を引き起こすウイルスである。さらなる実施形態では、C型肝炎を引き起こすウイルスは、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である。一部の実施形態では、RNAウイルスは、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される。別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドはヌクレアーゼ耐性となるように修飾されている。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている。さらなる実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている。一部の実施形態では、本発明は、前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む。別の実施形態では、第2の医薬組成物は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される。さらに別の実施形態では、抗ウイルス剤は、バカビル(bacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される。さらなる実施形態では、コルチコステロイドは、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロンγ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、Peg化インターフェロン−α−2b、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponders)、Peg化インターフェロン不応剤、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される。別の実施形態では、投与ステップは、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化される。さらなる実施形態では、本発明は、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される。別の実施形態では、本発明は、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む。さらに別の実施形態では、抗体または抗体フラグメントは免疫化により生成される。さらなる実施形態では、前記抗体の少なくとも一部分は合成的に生成される。
【0007】
一部の実施形態では、本発明は、無症候性のウイルス感染被験体、および少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む少なくとも1つの一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を準備するステップ、ならびに免疫応答が生起される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップを含む方法に関する。別の実施形態では、前記ウイルス感染を引き起こすウイルスはRNAウイルスである。さらに別の実施形態では、RNAウイルスはC型肝炎を引き起こすウイルスである。さらなる実施形態では、C型肝炎を引き起こすウイルスは、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である。一部の実施形態では、RNAウイルスは、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される。別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドはヌクレアーゼ耐性となるように修飾されている。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている。さらなる実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている。一部の実施形態では、本発明は、前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む。別の実施形態では、第2の医薬組成物は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される。さらに別の実施形態では、抗ウイルス剤は、バカビル(bacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される。さらなる実施形態では、コルチコステロイドは、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される。一部の実施形態では、免疫調節剤は、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロンγ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、Peg化インターフェロン−α−2b、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponders)、Peg化インターフェロン不応剤、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される。別の実施形態では、投与ステップは、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される。さらに別の実施形態では、一本鎖DNAオリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化される。さらなる実施形態では、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む。一部の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される。別の実施形態では、本発明は、ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む。さらに別の実施形態では、抗体または抗体フラグメントは免疫化により生成される。さらなる実施形態では、前記抗体の少なくとも一部分は合成的に生成される。
【0008】
定義
本明細書中で使用される「ウイルス」とは、宿主細胞の外部で生育または繁殖できない超顕微鏡的感染因子を表す。各ウイルス粒子、すなわちビリオンは、キャプシドと称される防御タンパク質被膜内の遺伝物質、DNAまたはRNAからなる。その形状は、単純ならせん状および正二十面体(多面体またはほぼ球状)の形状から、尾部またはエンベロープを有する、より複雑な構造までさまざまである。ウイルスは細胞型生命体に感染し、動物ウイルス、植物ウイルスおよび細菌ウイルスに分類される。ライノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルス、ヘルペスおよび肝炎ウイルスなどの動物DNAウイルスは、細胞が外部環境から物質を取り込むプロセスであるエンドサイトーシスによって宿主に侵入することがよくある。本発明は、いかなる意味においても、感染方法または、感染宿主に関してウイルスによって組み入れられる活性によって限定されないものとする。
【0009】
本明細書中で使用される「感染」とは、身体中のウイルスの存在を表す。ウイルスおよびヒトの健康状態に応じて、種々のウイルスは脳から皮膚までほとんど任意のタイプの体組織に感染することができる。ウイルス感染は抗生物質で治療することができない;実際に、一部の例では、抗生物質の使用は感染を悪化させる。多数のヒトウイルス感染は身体自体の免疫系によって効果的に攻撃されるが、残りのウイルス感染は抗ウイルス剤または他の薬物で治療する必要がある。
【0010】
本明細書中で使用される「ヌクレオチド」とは、複素環式塩基、糖および1つ以上のリン酸基からなる化学物質を表す。塩基はプリンまたはピリミジンの誘導体であり、糖は五炭糖であり、デオキシリボースまたはリボースである。ヌクレオチドは核酸の単量体であり、3個以上が結合して一緒になり、核酸を形成する。「オリゴヌクレオチド」は、DNAまたはRNAのいずれかのヌクレオチドの短い配列であり、典型的に、生理的環境下で20個以下のヌクレオチド塩基を含む。しかし、自動合成機を使用するオリゴヌクレオチドの合成により、160〜200塩基またはそれ以上のオリゴヌクレオチドの合成が可能になる。
【0011】
本明細書中で使用される「医薬組成物」は、慣用の医薬用担体および賦形剤(すなわちビヒクル)と混合されていて、水性溶液、錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェーハなどの剤形で使用される、医薬的に活性な化合物である。場合により、医薬組成物は、バッファー、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、保存剤などの他の製薬的に許容される成分を含有してよい。液体組成物は、一般に、懸濁化剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、香味物質または着色剤を含む、好適な液体担体(群)、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトール、非水性溶媒、例えばポリエチレングリコール、油または水中の化合物または製薬的に許容される塩の懸濁液または溶液からなる。さらに、共溶媒、例えば、ポリエチレングリコールを製剤に含ませてよい。これらの成分はすべて当技術分野において周知である。
【0012】
本明細書中で使用される「抗体」または「抗体フラグメント」は、細菌およびウイルスなどの異物を特定および中和するために免疫系によって使用されるタンパク質またはタンパク質フラグメントである。本発明は、抗体または抗体フラグメントが生成される手段に限定されないものとする。例えば、抗体または抗体フラグメントは天然または非天然の手段によって生成される。それらは、鎖と称される少数の基本構造単位でできている;各抗体は2つの大きい重鎖および2つの小さい軽鎖を有する。いくつかの抗体はB細胞と称される一種の白血球によって生産される。いくつかの異なるタイプの抗体重鎖、およびいくつかの異なる種類の抗体が存在し、該抗体はそれらがどの重鎖を有するかに基づいて異なるアイソタイプに分類される。
【0013】
本明細書中で使用される「免疫調節剤」は、被験体の免疫系を増強するか、抑制するか、または別の様式で影響する医薬的に活性な化合物を表す。これらの化合物の例には、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロンγ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、Peg化インターフェロン−α−2b、インターフェロン不応剤、Peg化インターフェロン不応剤、アクチミューン、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ、エファリズマブ、チモグロブリン、インフェルゲン、ムロモナブ、ゼナパックス、ダクリズマブ、およびバシリキシマブが含まれる。しかし、本発明はいかなる特定の免疫調節剤の使用にも限定されないものとする。
【0014】
本明細書中で使用される「乳化剤」または「エマルゲント(emulgent)」は、エマルジョンを安定化する物質である。脂肪酸、ポリエチレングリコールエステル、例えばPEG−20ステアラート、および脂肪酸/グリセリンエステル、例えばステアリン酸グリセリンは乳化剤の例である。本発明はいかなる特定の乳化剤の選択にも限定されないものとする。
【0015】
「修飾」とは、タンパク質または核酸、例えばオリゴヌクレオチドを化学試薬と化学反応させる技術を表す。本発明を任意の1つの特定の化学置換基だけに基づく修飾に限定することは意図されないが、好ましい化学置換基には、水素、アルキル、アミノ、チオール、カルボキシル、アミド、ホスフェート、ポリホスフェート、ホスホチオエート、ハロゲン化物、カルバメート、ポリエチレングリコール(PEG)などのグリコールに基づく置換基、プリンおよび誘導体化プリン、ピリミジンおよび誘導体化ピリミジン、脂肪酸、アミノ酸ならびに含酸素複素環および含窒素複素環などの複素環式化合物が含まれる。
【0016】
「免疫刺激モチーフ」とは、免疫系の任意の成分の活性化を誘発するかまたは活性を増加させるヌクレオチドパターンを表す。免疫刺激モチーフの例には、非限定的に、AACGCC、AACGCT、AACGTC、AACGTT、AGCGCC、AGCGCT、AGCGTC、AGCGTT、GACGCC、GACGCT、GACGTC、GACGTT、GGCGCC、GGCGCT、GGCGTC、GGCGTT、ATCGCC、ATCGCT、ATCGTC、ATCGTT、GTCGCC、GTCGCT、GTCGTC、GTCGTT、TCGTCG、TCGTCGTCG、AACGCCCG、AACGCTCG、AACGTCCG、AACGTTCG、AGCGCCCG、AGCGCTCG、AGCGTCCG、AGCGTTCG、GACGCCCG、GACGCTCG、GACGTCCG、GACGTTCG、GGCGCCCG、GGCGCTCG、GGCGTCCG、GGCGTTCG、ATCGCCCG、ATCGCTCG、ATCGTCCG、ATCGTTCG、GTCGCCCG、GTCGCTCG、GTCGTCCG、およびGTCGTTCGが含まれる。
【0017】
「細胞透過性ペプチド」とは、生物に導入されると細胞の細胞質および/または核区画に輸送される能力を有するペプチドを表す。細胞透過性ペプチドの例には、非限定的に、Tat、ペネトラチン、ブフォリンII、トランスポルタン、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、FT3−7細胞でのC型肝炎ウイルス(HCV)感染に関するオリゴヌクレオチドODN2006とODN2116との間の相互作用の蛍光顕微鏡写真を示す。緑色の物体はHCVコアタンパク質を表す。
【図2】図2は、Huh7.5細胞でのC型肝炎ウイルス(HCV)感染に関するオリゴヌクレオチドODN2006とODN2116との間の相互作用の蛍光顕微鏡写真を示す。緑色の物体はHCVコアタンパク質を表す。
【図3】図3は、in vitroでのHuh7.5細胞に関するHCV力価に対するオリゴヌクレオチドODN2006、ODN2116およびODN2116の影響のグラフを示す。
【図4】図4は、HCV発現に対するODNの影響を示すウエスタンブロット分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、ウイルス感染の治療に関する組成物および方法に関する。一部の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の治療に関する。別の実施形態では、本発明は、ウイルス感染を治療するためのオリゴヌクレオチド組成物の投与方法に関する。さらに別の実施形態では、本発明は、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤の投与に関する。さらなる実施形態では、本発明は、オリゴヌクレオチド中の免疫刺激モチーフの操作に関する。
【0020】
一部の実施形態では、本発明は、少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む少なくとも1つの一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物の使用に関する。修飾一本鎖オリゴヌクレオチドは培養細胞での2つのHCV単離体の感染を阻害することができる。該阻害はオリゴヌクレオチドの濃度および修飾状態に依存する。本発明を任意の特定の機構に限定することは意図されないが、オリゴヌクレオチドは強力な阻害活性にCpGモチーフを必要としないと考えられ、それらはToll様受容体9によるシグナル伝達経由で作用しないことが示される。また、該インヒビターはHCVの2つの異なる系統の感染を阻害した。サイトカイン産生に対するODNの影響は、C型肝炎ウイルス(HCV)などのウイルス感染に対する大きな影響の可能性を示す。
【0021】
一部の実施形態では、本発明は、ヌクレアーゼ耐性となるように修飾されている一本鎖DNAオリゴヌクレオチドの使用に関する。Bjersing, J. L. et al., Inflammation 28, 39-51 (2004)に記載されるように、ヌクレアーゼ保護ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドを有する免疫刺激性非メチル化CpG含有DNAは当技術分野において周知である。そのようなモチーフを使用する利点には、宿主の免疫応答の誘導が含まれ、ゆえに免疫調節性核酸分子の使用は耐性生物の選択を実質的に招かない。さらに、免疫調節性核酸は、Raz et al.の米国特許第6,552,006号で開示されるように抗ウイルス剤および慣用の抗生物質などの医薬品と相乗的に作用することが見出されている。
【0022】
生得的免疫受容体は、サイトカイン産生を導くイベントの複雑なカスケードを制御するための有望な標的である。これらの受容体は病原性および内因性リガンドをその分子的サインによって認識し、そして、いくつかのシグナル伝達経路を使用して遺伝子発現を変化させる。以後のサイトカインおよびケモカイン生産はウイルス感染の転帰に劇的に影響する。
【0023】
Toll様受容体(TLR)は構造的に関連するクラスI 1回膜貫通タンパク質のファミリーであり、病原体感染の見張りとしての機能を果たす。少なくとも11のTLRが哺乳動物ゲノムで特定されており、高度に保存された病原体タンパク質、細胞壁成分、および核酸を含む、最初にTLR依存的シグナル伝達を活性化するリガンドによって分類される。
【0024】
核酸と反応する4つのTLRが存在する。TLR7およびTLR8は一本鎖(ss)RNAを認識し、TLR9は、低メチル化CpGモチーフを含むssDNA分子を認識し、TLR3は二本鎖(ds)RNAを認識する。これらのTLRによって開始されるシグナル伝達のモジュレーションはTLRの応答に影響することが示されている。このモジュレーションの例には、(1)CpG含有DNAはマウスマクロファージおよび樹状細胞でSTAT1およびインターフェロンβを活性化できたこと;(2)ホモチミジンからなるオリゴヌクレオチドはレシキモド(Resiquimod)で誘発されるTLR7特異的シグナル伝達を阻害したこと;(3)CpGモチーフを欠くオリゴヌクレオチドはヒトケラチノサイトでIL−8生産を抑制できたことが含まれる。現在、炎症反応を制御して、サイトカインの影響を改善しかつ大腸炎、クローン病、喘息、および敗血症などの炎症および疾患の転帰を変化させることに高いレベルの関心が存在する。
【0025】
いくつかのTLRは、ヘテロ二量体化によってまたはリガンドおよび/またはシグナル伝達分子によって媒介されるクロストークによって互いのシグナル伝達を制御することもできる。修飾ssDNAオリゴヌクレオチド(ODN)は、ヒト細胞株ならびにヒト末梢血単核細胞でのシグナル伝達のTLR3活性化を阻害可能である。この効果は、ODNがTLR9に作用することを必要としない。その理由は、TLR9を活性化しないODNが、それにもかかわらず、TLR3経路に対して強力な阻害活性を有するからである。TLR3を負に制御するODNによって他の生得的免疫受容体が正に影響されるかまたは負に影響されるかは、現在、知られていない。
【0026】
実験
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態および態様を実証し、さらに説明するために提供され、その範囲を限定すると解釈されないものとする。
【0027】
以下の実験の開示では、以下の略語を適用する:N(正常);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);μM(マイクロモル濃度);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);pmol(ピコモル);g(グラム);mg(ミリグラム);μg(マイクログラム);ng(ナノグラム);lまたはL(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);C(摂氏温度);IFN(インターフェロン);HCV(C型肝炎ウイルス);miRまたはmiRNA(マイクロRNA);MOI(感染多重度);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)。
【実施例】
【0028】
実施例1
材料および方法
オリゴヌクレオチド
使用された修飾オリゴヌクレオチド(ODN):ODN2006、ODN2006c、およびODN2116はInvivoGen(www.invivogen.com)から購入した。ODN2006およびODN2216は、CpGモチーフ(下記下線部分)が存在するためにToll様受容体9のリガンドである。ODN2006cはTLR9のリガンドではない。この研究で使用されるODNの配列を以下に挙げる。「s」はホスホチオエート結合の存在を示し、「s」がなければ通常のホスホジエステル基の存在を示す。各ODN中の塩基の数を括弧内に示す。
配列番号1:ODN2006: 5’-TsCsGsTsCsGsTsTsTsTsGsTsCsGsTsTsTsTsGsTsCsGsTsT -3’ (24-nt)
配列番号2:ODN2006c: 5’-TsGsCsTsGsCsTsTsTsTsGsTsGsCsTsTsTsTsGsTsGsCsTsT-3’ (24-nt)
配列番号3:ODN2216: 5’-GsGsGGGACGATCGTCGsGsGsGsGsG-3’ (20-nt)
配列番号4:dODN2006: ODN2006: 5’-TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT -3’ (24-nt)
配列番号5:5’D+:AsCsAsAsAsCATAACAGTGTTGGCCCTTACCCATAATCAACTCACAAA-CAsTsAsAsCsA (52-nt)
配列番号6:3’Δ6: TsCsGsTCGTTTTGTCGTsTsTsT (18-nt)
配列番号7:3’Δ6c: TsCsGsTGCTTTTGTGCTsTsTsT (18-nt)
【0029】
ウイルス
JFH1ウイルスは劇症C型肝炎を有する日本人患者から回収された遺伝子型2aのHCVである。それは、培養中の細胞に効率的に感染することが発見された最初のHCV株であり、HCV感染の研究および抗ウイルス剤の特定のためのモデルとしての役割を果たしてきた。
【0030】
細胞
Huh7.5細胞はヒト肝細胞に由来し、C型肝炎ウイルスに感染して、RIG−Iと命名される細胞内ヘリカーゼ遺伝子中の突然変異に起因して高いウイルス力価を生じさせることができる(22)。
【0031】
FT3−7細胞株はToll様受容体3(TLR3)を発現するプラスミドベクターでの形質転換後のHuh7肝細胞に由来する。FT3−7細胞は少量のTLR3しか発現しないが、未知の理由により、Huh−7.5細胞と比較して感染性HCVを生産する高い能力を有する。
【0032】
2−3+細胞はHuh7由来の肝細胞腫細胞株であり、複製型HCV N株ゲノムの完全長コピーを含有する。
【0033】
2−3c細胞は2−3+細胞株に由来し、IFN−α2bでの処理によってHCV RNAが排除されている。
【0034】
修飾オリゴヌクレオチド(ODN)の抗ウイルス効果の検討
Huh7.5細胞株を使用してHCV感染に対するODNの効果を測定した。8ウェルチャンバーのウェルあたり2×10細胞の密度で細胞をプレートした。24時間後、MOI0.5のウイルスHCV JFH1とともに、10nM〜5μMの範囲の濃度でODNを細胞に加えた。各ODN濃度を3回実施した。この実験の対照は、3ウェルの各ODNで処理された細胞(上記)だけでなく、3ウェルの無処理の細胞を含んだ。24時間後、同濃度のODNを含有する新鮮な培地で培地交換した。48時間後、培地の上清を回収して保存した。HCVコアタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体を使用する免疫蛍光アッセイ(IFA)のために細胞を回収した。
【0035】
免疫蛍光アッセイ(IFA)
細胞を1×PBS中で洗浄し、PBS中の4% PFAで室温で30分間固定した。100mMグリシンを含有するPBSで細胞を洗浄し、PBS中の0.2% Triton−X100で15分間透過化処理し、PBS中の10%ヤギ血清でブロッキングした。HCVコアタンパク質に対するモノクローナル抗体を加え、1時間インキュベートした。IFA洗浄溶液(1×PBS中の0.005% Tween−20)を使用して未結合抗体を除去し、次いで一次抗体の(マウス)Fc部分に特異的な蛍光タグ付き抗体とインキュベートした。インキュベーションを暗所で室温で1時間実施した。IFA洗浄溶液で未結合抗体を除去し、次いでDAPI(PBS中1:1000)と5分間インキュベートし、最後にPBSでリンスした。チャンバー中の培地を除去し、1滴のVectashieldを各チャンバーに加えた。カバーガラスを各ウェルに加え、マニキュア液で密封した。顕微鏡検査によって蛍光細胞を数えた。
【0036】
最大半値有効濃度(EC50)の決定
感染性JFH−1を50%減少させるために必要とされるODNの有効濃度を決定するために、Huh7.5細胞を培地の希釈物で再感染させた後に、培地中に放出されたウイルスの力価を測定した。FT3−7細胞を使用して各ODNのEC50を測定した。8ウェルチャンバーのウェルあたり1.5×10細胞をプレートした。25nM〜1μMのODNとともに約100ウイルス粒子を各ウェルの培地に加えた。IFAを上記のように実施し、ウイルス感染細胞の数を定量した。異なるODN濃度での感染細胞の平均数に基づいてEC50値を決定した。
【0037】
HCV力価の決定
感染性接種ウイルスおよび上記IFAアッセイによって特定された感染細胞の数に基づいて培地上清中に放出されたウイルスの力価を決定した。
【0038】
ウエスタンブロット分析
Huh7肝細胞腫細胞株;NNeo/C−5Bクローン2−3+(HCV−N株のすべてのタンパク質を発現する複製型ゲノム長RNAを含有する)、および2−3c(IFN−α2bでの前処理によってHCV RNAが排除されている)を使用して、ウイルスタンパク質発現に対するODNの効果を決定した。リポフェクタミン(lipofectamine)を使用して細胞株2−3+および2−3cにODNをトランスフェクトし、48時間後に細胞溶解によって回収した。HCV NS5Bタンパク質およびHCVコアタンパク質の両者に対する抗体を使用して溶解細胞のウエスタンブロットをプローブした。
【0039】
結果
ODN2006の存在はJFH−I感染を劇的に減少させた(図1)。さらに、感染の減少はODN2006の濃度に依存した(図1)。ODN2006の効果は特異的でもあった。その理由は、別のODNであるODN2216はFT3−7細胞のJFH−1感染を減少させなかったからである(図1)。ODN2006およびODN2216はともにTLR9のリガンドであることを考慮すると、これらの結果は、該阻害効果がTLR9経由で働くものではないことを示唆する。ODN2006が293T細胞(ヒト胚性腎細胞由来)のアデノウイルス感染に明らかには影響しないことおよびODN2006がプラス鎖RNAコロナウイルスであるマウス肝炎ウイルスの感染に対して2倍未満の効果しか有さないことも観察された(データは示していない)。これらの結果は、ODN2006が肝細胞由来の細胞株のHCV感染を阻害し得る特徴を含有することを示す。
【0040】
JFH−1感染の阻害がウイルス侵入のレベルであるかどうかを調べるために、FT3−7細胞を8時間感染させた後、ODN2006を加えた。40時間後にコアタンパク質レベルを検出し、JFH−1の濃度依存的阻害がやはり観察されたが、ウイルスが8時間先に開始されると、より高濃度のODN2006が必要とされた。それにもかかわらず、結果は、ODN2006がウイルス侵入のレベルでHCV感染を単にブロックしているわけではないことを示す。
【0041】
ODN2006がHuh7.5細胞のHCV感染に影響できるかどうかを調べる実験では、50nMのODN2005の存在下でさえ、ODN2006の不存在下で観察されるレベルの半分未満にJFH−1感染が減少することが示される。FT3−7細胞での結果と一致して、ODN2216は、試験された最高濃度の1μMでさえ阻害効果を有しなかった。
【0042】
感染性JFH−1を50%減少させるために必要とされるODNの有効濃度の決定を目的とする実験は、ODN2006のEC50が32nMであることを示し;一方、ODN2006で見出されるCpGモチーフを欠き、TLR9リガンドでないODN2006cのEC50は39nMであると決定された。これにより、TLR9シグナル伝達を活性化するために必要とされるODN中のモチーフがHCV感染の阻害に必須でないことが確認される。
【0043】
ODN2116、3’Δ6、3’Δ6c、およびdODN2006(すべてのホスホチオエートがホスホジエステルで置換されていることを除きODN2006と同一である)を含めたさらなるODNは、1000nMの濃度でFT3−7細胞のHCV感染に対して観察可能な効果を有しないことが発見された。ゆえに、修飾されたDNA主鎖がODNの阻害活性に必要とされ、特定の塩基配列は阻害活性に十分ではない。ホスホロチオエートは体液中の核酸ミメティクスの分解速度に影響することが知られ、その影響をODNのターンオーバーに関連付けることが可能である。
【0044】
ODN2006およびODN2006cがHCVを阻害しうるかどうかを決定するための実験では、ODN2006およびODN2006cがともにNS5Bおよびコアタンパク質の両者の量を再現可能に減少させるが、GAPDHのレベルに対する明らかな影響を有しないことが示された。FT2でのコアタンパク質産生の阻害は、コアタンパク質を検出する抗体で染色された細胞の顕微鏡検査によっても確認された。
【0045】
ODNの末端、長さ、塩基、およびホスホジエステルの他の人工または天然の修飾によりODNの阻害活性をモジュレートできることが予測される。これらの修飾は、受容体に対する結合の改善、ODNの正常なターンオーバーの変化、または細胞および組織での局在化の変化によってODNの阻害活性を改善しうる。HCV感染を阻害するためのODNの選択に必要とされる受容体の特定およびODN中の必要とされるモチーフの特定はこの潜在能力を高める。ODNに由来する安全かつ有効な抗ウイルス性インヒビターの使用は、阻害性ODNの作用機序の詳細な理解を得るための研究と並行して実施することができる。生得的免疫受容体と相互作用して培養細胞のHCV感染を阻害するODNの能力は、このクラスのHCVインヒビターの開発において見返りを保証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
(i)以下のもの:
(a)ウイルス感染の症状を有する被験体、および
(b)少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む少なくとも1つの一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物
を準備するステップ、ならびに
(ii)免疫応答が生起される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記ウイルス感染を引き起こすウイルスがRNAウイルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
RNAウイルスがC型肝炎を引き起こすウイルスである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
C型肝炎を引き起こすウイルスが、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
RNAウイルスが、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、水素、アルキル、アミノ、チオール、カルボキシル、アミド、ホスフェート、ポリホスフェート、ホスホロチオエート、ハロゲン化物、カルバメート、ポリエチレングリコール(PEG)などのグリコールに基づく置換基、プリンおよび誘導体化プリン、ピリミジンおよび誘導体化ピリミジン、脂肪酸、アミノ酸、ならびに含酸素複素環および含窒素複素環などの複素環式化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化学修飾基を含むように修飾されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
免疫刺激モチーフがCpGである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
免疫刺激モチーフがCpGでない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが配列番号1に示されるヌクレオチド配列からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第2の医薬組成物が、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
抗ウイルス剤が、バカビル(vacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
コルチコステロイドが、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
免疫調節剤が、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロン−γ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponder)、Peg化インターフェロン不応剤、Peg化インターフェロン−α−2b、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
投与ステップが、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
細胞透過性ペプチドが、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
抗体または抗体フラグメントが免疫化により生成される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記抗体の少なくとも一部分が合成的に生成される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
以下のステップ:
(i)以下のもの:
(a)ウイルス感染の危険性がある被験体、および
(b)配列番号1に示されるヌクレオチド配列および配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなる群より選択される一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物
を準備するステップ、ならびに
(ii)該感染が予防される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップ
を含む方法。
【請求項26】
前記ウイルス感染を引き起こすウイルスがRNAウイルスである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
RNAウイルスがC型肝炎を引き起こすウイルスである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
C型肝炎を引き起こすウイルスが、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
RNAウイルスが、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性となるように修飾されている、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
第2の医薬組成物が、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
抗ウイルス剤が、バカビル(vacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
コルチコステロイドが、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
免疫調節剤が、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロン−γ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、Peg化インターフェロン−α−2b、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponder)、Peg化インターフェロン不応剤、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
投与ステップが、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項39】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化されている、請求項25に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項41】
細胞透過性ペプチドが、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項43】
抗体または抗体フラグメントが免疫化により生成される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体の少なくとも一部分が合成的に生成される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
以下のステップ:
(i)以下のもの:
(a)無症候性のウイルス感染被験体、および
(b)少なくとも1つの免疫刺激モチーフを含む少なくとも1つの一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物
を準備するステップ、ならびに
(ii)免疫応答が生起される条件下で、該医薬組成物を該被験体に投与するステップ
を含む方法。
【請求項46】
前記ウイルス感染を引き起こすウイルスがRNAウイルスである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
RNAウイルスがC型肝炎を引き起こすウイルスである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
C型肝炎を引き起こすウイルスが、修飾インターフェロン、リバビリンおよびヌクレオシドアナログからなる群より選択される抗ウイルス剤を用いる治療に抵抗性である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
RNAウイルスが、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスおよびコロナウイルスからなる群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性となるように修飾されている、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、塩基間に少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含むように修飾されている、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、細胞膜を通過する輸送を増強するように修飾されている、請求項45に記載の方法。
【請求項53】
前記被験体に第2の医薬組成物を投与するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項54】
第2の医薬組成物が、抗ウイルス剤、コルチコステロイドおよび免疫調節剤からなる群より選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
抗ウイルス剤が、バカビル(vacavir)、アシクロビル、アゲネラーゼ、アマタジン、アンプレナビル、クリキシバン、デラビルジン、デナビル(denavir)、ジダノシン、エファビレンツ、エピビル、ファムシクロビル、ファムビル、フォルトベース(fortovase)、ヒビド(hivid)、インジナビル、リバビリン、インビラーゼ、ラミブジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ノルビル(norvir)、オセルタミビル、ペンシクロビル、リレンザ、レスクリプトール(rescriptor)、レトロビル、リバビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、サスティバ、シムジン(symdine)、シンメトレル、タミフル、バラシクロビル、バルトレックス、ビデックス(videx)、ビラセプト、ビラミジン(viramidine)、ビラミューン、ザルシタビン、ゼリット、ジアゲン(ziagen)、ジドブジン、ゾビラックス、およびザナミビルからなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
コルチコステロイドが、デキサメタゾン(Decadron)、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン(Medrol)、プレドニゾン、コルチゾン、ベタメタゾン、およびプレドニゾロンからなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
免疫調節剤が、インターフェロン、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロン−γ−1b、Peg化インターフェロン−α、Peg化インターフェロン−α−2a、Peg化インターフェロン−α−2b、インターフェロン不応剤(Interferon Nonresponder)、Peg化インターフェロン不応剤、アクチミューン(Actimmune)、タイサブリ、ナタリズマブ、ゾレア、オマリズマブ、ニューラスタ、ペグフィルグラスチム、ニューポゲン(Neupogen)、フィルグラスチム、アナキンラ、ヒューミラ、アダリムマブ、エンブレル、TNF、エタネルセプト、アレファセプト、レミケード、インフリキシマブ、ラプティバ(Raptiva)、エファリズマブ、チモグロブリン(Thymoglobulin)、インフェルゲン(Infergen)、ムロモナブ(Muromaonab)、ゼナパックス(Zenapax)、ダクリズマブ、およびバシリキシマブからなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
投与ステップが、皮下、経口、静脈内、経皮、および鼻内経路からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項59】
一本鎖DNAオリゴヌクレオチドが、該オリゴヌクレオチドのin vivo半減期を延長するために乳化剤とコンジュゲート化されている、請求項45に記載の方法。
【請求項60】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと細胞透過性ペプチドとの結合ステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項61】
細胞透過性ペプチドが、Tat、ペネトラチン(Penetratin)、ブフォリンII(Buforin II)、トランスポルタン(Transportan)、MAP、K−FGF、Ku70、プリオン、pVEC、Pep−1、SynB1、Pep−7およびHN−1からなる群より選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ステップ(ii)の前に、前記一本鎖DNAオリゴヌクレオチドと抗体または抗体フラグメントとの結合ステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項63】
抗体または抗体フラグメントが免疫化により生成される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記抗体の少なくとも一部分が合成的に生成される、請求項62に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−528319(P2011−528319A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539457(P2010−539457)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/013771
【国際公開番号】WO2009/082448
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(502334319)ザ テキサス エーアンドエム ユニヴァーシティ システム (1)
【Fターム(参考)】