説明

C1q結合物質、ならびにその使用

【課題】C1qタンパク質の定量に用いることができる抗C1q抗体、C1qタンパク質の定量方法およびそのためのキット、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物、関節リウマチの治療または予防用物質をスクリーニングする方法およびキット、ならびに関節リウマチの予後診断用組成物、方法およびキットを提供する。
【解決手段】C1qタンパク質を特異的に認識することができる、抗C1qモノクローナル抗体およびその製造方法、抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、抗C1qモノクローナル抗体を用いた試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定する方法およびそのためのキット、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物、関節リウマチの治療または予防用物質のスクリーニング方法およびそのためのキット、ならびにC1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物、予後診断方法およびそのためのキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗C1qモノクローナル抗体、かかる抗体を用いたC1qの存在または量を決定する方法およびそのためのキット、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物、関節リウマチの治療または予防用物質のスクリーニング方法およびそのためのキット、ならびにC1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物、予後診断方法およびそのためのキットなどに関するものである。
【背景技術】
【0002】
関節リウマチ(RA)患者は、将来重篤な関節破壊に陥る群と、そうでない群とに二分される。RA患者がいずれの群に属するかで必要な治療方法は異なるが、かかる予後を有効に診断する検査試薬はない。
【0003】
RA患者の血中C1qタンパク質の量によって、関節破壊に陥るか否かの予後診断が可能であることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、臨床において、患者試料中のC1qタンパク質の定量に用いることができる抗C1q抗体は確立されておらず、その開発が望まれていた。
【0004】
本発明者はこれまでに、RA患者の関節及び骨髄中には、マウスおよびラットで見出された胸腺のナース細胞と同様の機能を持つ細胞が存在し、かかる細胞が単球を抱き込み分化させ、本発明者のグループが新たに見出したRA特異的破骨細胞が形成されることを明らかにしてきた(非特許文献2)。しかしながら、C1qがかかる過程に関与することは分かっていなかった。
【非特許文献1】Ochi T et al., Arthritis Rheum. 1988 Jan; 31(1): 37-43
【非特許文献2】Ochi T et al,, J Clin Invest. 1998 Aug 1; 102(3): 606-18
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、C1qタンパク質の定量に用いることができる抗C1q抗体を得ること、かかる抗体の製造方法、特異的かつ再現性のあるC1qタンパク質の定量方法およびそのためのキット、ならびに関節リウマチの治療または予防用医薬組成物を得ること、関節リウマチの治療または予防用物質のスクリーニング方法およびそのためのキットを開発すること、関節リウマチの予後診断用組成物および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、C1qタンパク質量に依存して抗原と抗体の結合体量が増大する抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作製に成功した。さらに、本発明者は、ナース細胞がC1qを発現し、かかるC1qが単球の抱き込み、さらには単球の破骨細胞への分化に関与することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)C1qタンパク質を特異的に認識することができる、抗C1qモノクローナル抗体、
(2)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10649を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(3)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10650を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(4)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10651を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(5)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10652を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(6)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10653を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(7)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10654を有するハイブリドーマにより産生される、(1)記載の抗体、
(8)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10649、FERM BP−10650、FERM BP−10651、FERM BP−10652、FERM BP−10653、またはFERM BP−10654を有する、抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、
(9)(8)記載のハイブリドーマを培養することを特徴とする、抗C1qモノクローナル抗体の製造方法、
(10)(1)記載の抗体を用いることを特徴とする、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定する方法、
(11)ELISA法によるものである、(10)記載の方法、
(12)(1)記載の抗体を2種以上用いるものである、(10)または(11)記載の方法、
(13)(3)記載の抗体と(6)記載の抗体、(3)記載の抗体と(7)記載の抗体、(5)記載の抗体と(6)記載の抗体、または(5)記載の抗体と(7)記載の抗体を用いるものである、(12)記載の方法、
(14)関節リウマチの予後診断のための、(10)から(13)のいずれか記載の方法、
(15)(1)記載の抗体を必須構成成分として含む、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定するためのキット、
(16)ELISA法によるものである、(15)記載のキット、
(17)(1)記載の抗体を2種以上含むものである、(15)または(16)記載のキット、
(18)(3)記載の抗体と(6)記載の抗体、(3)記載の抗体と(7)記載の抗体、(5)記載の抗体と(6)記載の抗体、または(5)記載の抗体と(7)記載の抗体を含むものである、(17)記載のキット、
(19)関節リウマチの予後診断のための、(15)から(18)のいずれか記載のキット、
(20)C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物、
(21)C1q結合活性を有する物質が請求項1記載の抗体である、(20)記載の医薬組成物、
(22)C1q結合活性を有する物質が請求項3記載の抗体である、(21)記載の医薬組成物、
(23)C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物、
(24)C1q結合活性を有する物質が請求項1記載の抗体である、(23)記載の組成物、
(25)C1q結合活性を有する物質が(3)記載の抗体である、(24)記載の組成物、
(26)関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質のスクリーニング方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞をC1qおよび候補物質の存在下で単球と共にインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を特徴とし、
該抱き込みまたは分化が、候補物質不存下にてナース細胞をインキュベーションした場合の抱き込みまたは分化と比較して抑制されている場合に、該候補物質が関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質である、方法、
(27)(26)記載の方法に用いられる、関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質をスクリーニングするためのキット、
(28)関節リウマチの予後診断方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞および単球をC1q結合活性を有する物質の存在下でインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を特徴とする、方法、
(29)C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用キット、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、C1qタンパク質の定量に用いることができる、C1qタンパク質を特異的に認識する抗C1qモノクローナル抗体およびその製造方法、抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、抗C1qモノクローナル抗体を用いた試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定する方法、およびそのためのキット、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物、関節リウマチの治療または予防用物質のスクリーニング方法およびそのためのキット、ならびにC1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物、予後診断方法およびそのためのキットなどが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、1の態様において、C1qタンパク質を特異的に認識することができる、抗C1qモノクローナル抗体に関するものである。本発明の抗C1qモノクローナル抗体は、C1qタンパク質と特異的に結合できるだけでなく、かかるタンパク質量に依存して、形成される抗原と抗体の結合体量が増大する点、すなわち、C1qタンパク質の定量に用いることができる点で非常に優れている。本発明の抗体は、例えば、マウスのような哺乳動物をC1qタンパク質で免疫し、免疫動物のリンパ球と骨髄腫細胞株を融合させてハイブリドーマを作製し、これを培養することにより、得ることができる。他の既知の方法、例えば、遺伝子組換え法、化学合成法などを用いてかかる抗体を製造してもよい。
【0010】
本発明の抗体の1の具体例は、マウス骨髄腫細胞株とマウスリンパ球との融合細胞であるハイブリドーマKS−0131 #8、KS−0131 #33、KS−0131 #35、KS−0131 #40、KS−0131 #54、またはKS−0131 #76により産生される抗C1qモノクローナル抗体である。当該ハイブリドーマは、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託され、平成18年8月2日付で受領され、それぞれ受託番号FERM BP−10649、FERM BP−10650、FERM BP−10651、FERM BP−10652、FERM BP−10653、およびFERM BP−10654を付与された。かかるハイブリドーマを、公知の培養条件、例えば、組成:RPMI 1640(Kohjin 16005005) 425mL、L-Glutamine(SIGMA G7513) 5mL、ピルビン酸ナトリウム(SIGMA S8636) 5mL、HATサプリメント(GIBCO 21060-017) 10mL、ペニシリン・ストレプトマイシン(SIGMA P4333) 2.5mL、FBS 75mLの培地中、37±0.1℃、5±0.15% COにて培養し、産生された抗C1qモノクローナル抗体を公知の手段・方法にて回収・精製することにより、抗C1qモノクローナル抗体を製造することができる。本明細書において、ハイブリドーマKS−0131 #8、KS−0131 #33、KS−0131 #35、KS−0131 #40、KS−0131 #54、およびKS−0131 #76により産生される抗C1qモノクローナル抗体をそれぞれ、抗C1q抗体 #8、抗C1q抗体 #33、抗C1q抗体 #35、抗C1q抗体 #40、抗C1q抗体 #54、および抗C1q抗体 #76と表す。
【0011】
本発明の抗体はまた、上記ハイブリドーマにより産生される抗C1qモノクローナル抗体と結合するC1qタンパク質のエピトープを認識する抗体を含む。エピトープは、上記ハイブリドーマにより産生される抗C1qモノクローナル抗体を用いて、公知の手段・方法により決定される。決定されたエピトープまたはそれを含むタンパク質などでマウスなどの動物を免疫し、かかる免疫マウスのリンパ球と骨髄腫細胞株を融合させてハイブリドーマを作製し、抗C1qモノクローナル抗体を得てもよい。
【0012】
本発明の抗C1qモノクローナル抗体は、そのフラグメント、およびそのキメラ抗体およびヒト化抗体などの改変抗体ならびに変異抗体を含む。これらのフラグメント、改変抗体または変異抗体もまた、元の抗体と同様のC1qタンパク質に対する特異性を有するものである。これらは、当業者に既知の手段・方法により製造され得る。
【0013】
本発明は、別の態様において、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10649、FERM BP−10650、FERM BP−10651、FERM BP−10652、FERM BP−10653、またはFERM BP−10654を有する、抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマに関するものである。本発明のハイブリドーマは、C1qタンパク質で免疫されたマウス由来のリンパ球とマウス骨髄腫細胞株を融合させて得られた細胞である。
【0014】
本発明は、さらに別の態様において、本発明のハイブリドーマを培養することを特徴とする、抗C1qモノクローナル抗体の製造方法に関するものでる。ハイブリドーマの培養は、インビトロ培養、およびインビボ培養の両方を含む。インビトロ培養は、例えば、組成:RPMI 1640(Kohjin 16005005) 425mL、L-Glutamine(SIGMA G7513) 5mL、ピルビン酸ナトリウム(SIGMA S8636) 5mL、HATサプリメント(GIBCO 21060-017) 10mL、ペニシリン・ストレプトマイシン(SIGMA P4333) 2.5mL、FBS 75mLの培地中、37±0.1℃、5±0.15% COにて行うことができる。インビボ培養は、例えば、マウスの腹腔に移植することで、達成される。本発明の製造方法は、得られた抗体を精製する工程をさらに含んでいてもよい。精製方法を当業者は適宜選択して用いることができる。
【0015】
本発明は、さらなる態様において、本発明の抗C1qモノクローナル抗体を用いることを特徴とする、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定する方法に関するものである。本発明の抗C1qモノクローナル抗体は、C1qタンパク質の量に依存して、抗原と抗体の結合体量が増大するという特性を有するので、試料中のC1qタンパク質の存在ばかりでなく、量を決定することができる。本発明の決定方法において用いられる抗C1qモノクローナル抗体は2種以上であってもよい。2種以上の抗C1qモノクローナル抗体を用いることで、決定感度および特異性が増大し、精度が向上する。好ましくは、抗C1q抗体 #33と抗C1q抗体 #54、抗C1q抗体 #33と抗C1q抗体 #76、抗C1q抗体 #40と抗C1q抗体 #54、抗C1q抗体 #40と抗C1q抗体76とが本発明の決定方法において用いられる。本発明の決定方法において用いられる抗体は、標識されたものであってもよい。様々な標識が公知であり、当業者は適宜選択して用いることができる。例えば、horseradish peroxidase(HRP)、ALP、Glucose oxidase、β-galactosidaseなどの酵素、FITC、Rhodamine、Cy3、Cy5、Texas Red、Alexa Fluor類、BODIPY類、IRDye類、MFP類、Quantum Dot類、AMCA、Allophycocyanin、BMP、Cy2、Cy3.5、Cy5.5、DTAF、DyLight 547、DyLight 647、FluoroNanogold、Phycoerythrin、Phycocyanin、R-PE、Saporin、TRITCなどの蛍光標識、Biotin、Digoxigenin(DIG)、Acridium Ester、Flashlightなどの化学物質、60mm Microbeadなどのビーズ、MagCellect Ferrofluid[登録商標]などの磁気ビーズ、125Iなどの放射標識、金粒子、Agaroseなどの標識が用いられる。かかる標識を付すことで、本発明の決定方法を効率よく行うことができる。
【0016】
試料は、C1qタンパク質が含まれる可能性があればいずれのものであってもよく、例えば、血清、関節液、軟骨や骨及び各組織などが挙げられる。本発明の決定方法を用いることで、かかる試料中のC1qタンパク質の存在または量を迅速かつ容易に決定することができる。
【0017】
本発明の決定方法は、例えば、上記試料を本発明の抗C1qモノクローナル抗体とインキュベーションし、該抗C1q抗体と試料中のC1qタンパク質との結合体を形成させ、次に該結合体を測定することにより、行われてもよい。例えば、サンドイッチELISA法などのELISA法、イムノブロット法、Radioimmunoassay(RIA)法、免疫沈降法、プロテインアレイを用いる方法、フローサイトメーターを用いる方法、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、生物発光酵素免疫測定法(BLEIA)、毛細管現象によって輸液可能な展開器材(免疫測定用試験片)を用いる測定法、イミュノクロマト法、免疫染色法、凝集法などを用いて本発明の決定方法を実施することができる。ELISA法は、特殊な設備等を必要とせず、実際の医療現場においてC1qタンパク質の存在または量の決定を迅速かつ容易に行うことが可能であるので、好ましく用いられる。
【0018】
本発明の抗C1qモノクローナル抗体を用いて、C1qタンパク質の存在または量を迅速かつ容易に決定することができるので、本発明の決定方法をRAの予後診断に用いることもできる。
【0019】
本発明は、なおさらなる態様において、本発明の抗C1qモノクローナル抗体を用いて試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定することを特徴とする、患者におけるRAの予後の診断方法に関するものである。C1qタンパク質の存在または量は上述の方法にて決定されてもよい。
【0020】
本発明は、もう1つの態様において、本発明の抗C1qモノクローナル抗体を投与することを特徴とする、患者におけるRAの治療方法に関するものである。
【0021】
本発明は、さらなる態様において、本発明の抗C1qモノクローナル抗体を必須構成成分として含む、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定するためのキットに関するものである。本発明のキットに含まれる抗C1qモノクローナル抗体は2種以上であってもよい。2種以上の抗C1qモノクローナル抗体を含むことで、本発明のキットを用いて行われるC1qタンパク質の存在または量の決定の感度、特異性、精度を向上させることができる。本発明のキットは、本発明の抗C1qモノクローナル抗体の他に、例えば、試料採取手段、標識、反応容器、決定用試薬等を含んでいてもよい。一般的に、キットには取扱説明書を添付する。本発明のキットにおいて、抗C1qモノクローナル抗体は標識されたものであってもよい。
【0022】
本発明のキットにおいて、例えば、サンドイッチELISA法などのELISA法、イムノブロット法、Radioimmunoassay(RIA)法、免疫沈降法、プロテインアレイを用いる方法、フローサイトメーターを用いる方法、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、生物発光酵素免疫測定法(BLEIA)、毛細管現象によって輸液可能な展開器材(免疫測定用試験片)を用いる測定法、イミュノクロマト法、免疫染色法、凝集法などを用いてもよい。本発明のキットを用いて、C1qタンパク質の存在または量を迅速かつ容易に決定することができるので、臨床現場においてRA患者の予後診断が可能になる。また、本発明のキットを用いてRAの研究等を行うこともできる。
【0023】
関節リウマチにおいて、C1qタンパク質は、ナース細胞による単球の抱き込み、および抱き込まれた単球の破骨細胞への分化に関与する。そこで、C1qタンパク質の作用・機能を阻害または遮断する物質を用いて、破骨細胞(特に、関節リウマチ特異的破骨細胞)による骨破壊を防止あるいは抑制することにより、関節リウマチを治療および/または予防することができる。かかる物質の一例として、C1qタンパク質と結合することにより、その作用・機能を阻害または遮断することができる物質が挙げられる。
【0024】
したがって、本発明は、別の態様において、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物に関するものである。本発明の医薬組成物は、含まれるC1q結合活性を有する物質がナース細胞による単球の抱き込み、および抱き込まれた単球の破骨細胞への分化、増殖を抑制することにより、関節リウマチを治療または予防することができる。C1q結合活性を有する物質とは、C1qと結合することで、C1qの作用・機能を阻害または遮断することができる物質を意味する。例えば、C1qの他の物質との結合を阻害するC1qアンタゴニスト、抗C1q抗体などを含むが、これらに限定されない。C1q結合活性を有する好ましい物質は、本明細書に記載の抗C1qモノクローナル抗体であり、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10650を有するハイブリドーマにより産生される、抗C1qモノクローナル抗体が特に好ましい。
【0025】
本発明の組成物は、C1q結合活性を有する物質の他、例えば、賦形剤、添加剤、および担体などの種々の物質を含んでいてもよい。かかる物質は、例えば、剤形、投与経路等の種々の因子に応じて適宜選択され得る。本発明の組成物は、さらに別の関節リウマチ治療または予防薬を含んでいてもよいし、あるいは別の関節リウマチの治療または予防用医薬組成物と併用されててもよく、例えば、同時または逐次投与されてもよい。本発明の組成物の投与量、投与経路、および投与方法等も、対象の状態等の種々の因子に応じて適宜選択され得る。好ましい投与経路としては、例えば、局所投与、点滴による血管内投与などが挙げられる。
【0026】
本発明は、さらに別の態様において、C1q結合活性を有する物質、好ましくは、C1q結合活性を有する物質を含む医薬組成物を対象に投与することを特徴とする、対象の関節リウマチを治療または予防する方法に関するものである。対象は、いずれのものであってもよいが、好ましくは、関節リウマチに罹患したヒト対象もしくは罹患の疑われるヒト対象、または関節リウマチの素因を有するヒト対象もしくは素因の疑われるヒト対象である。C1q結合活性を有する物質の投与量、投与経路、投与方法等は、種々の因子に応じて適宜選択され得る。本発明の治療または予防方法において、上記C1q結合活性を有する物質以外に関節リウマチの治療または予防用薬物または組成物を併用してもよい。
【0027】
本発明は、別の態様において、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物に関するものである。本発明の組成物に含まれるC1q結合活性を有する物質による、ナース細胞による単球の抱き込み、および破骨細胞への分化の阻害を調べることにより予後診断することができる。C1q結合活性を有する物質については、上述の通りである。本発明の組成物は、C1q結合活性を有する物質の他、例えば、バッファー、培地成分などを含んでいてもよい。
【0028】
本発明は、さらに別の態様において、関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質のスクリーニング方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞をC1qおよび候補物質の存在下で単球と共にインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を特徴とし、
該抱き込みまたは分化が、候補物質不存下にてナース細胞をインキュベーションした場合の抱き込みまたは分化と比較して抑制されている場合に、該候補物質が関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質である、方法に関するものである。ナース細胞とは、胸腺のナース細胞およびこれに類似する機能・形態を有する細胞をいい、例えば、RA関節の骨髄及び関節滑膜に存在する。ナース細胞は、当業者に公知の手段・方法により、胸腺、関節、骨髄等から得られる。ナース細胞が由来する動物種は、特に限定されず、好ましくは、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、サルなどを含む哺乳類、より好ましくは、ヒトである。治療または予防すべき対象と同一の動物種由来のナース細胞を用いることが好ましい。
【0029】
単球は、当業者に公知の手段・方法により得られる。単球が由来する動物種は、特に限定されず、好ましくは、哺乳類、より好ましくは、ヒトである。また、ナース細胞が由来する動物種と同一の動物種由来のもの、および治療または予防すべき対象と同一の動物種由来のものが好ましい。C1qは市販品を用いてもよい。
【0030】
候補物質は、いずれのものであってもよいが、例えば、C1qと結合することが期待されるものなどである。候補物質として、例えば、C1q阻害物質などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、物質のC1q結合活性をインビトロ等で調べ、結合活性を有する物質を候補物質として用いてもよい。候補物質の添加は、1回または複数回行われてもよい。また、C1qは、反応系外から添加されてもよいし、あるいはナース細胞により供給されてもよい。
【0031】
ナース細胞による単球の抱き込みとは、ナース細胞が単球全体または一部を取り込むこと、あるいはナース細胞が単球と融合することなどをいう。ナース細胞による単球の抱き込みは、例えば、顕微鏡観察によりナース細胞中に抱き込まれた単球の核数を計測することなどにより、調べることができる。
【0032】
破骨細胞は、RA特異的破骨細胞などのあらゆる破骨細胞を包含する。ここで、RA特異的破骨細胞とは、MMP12およびCD14陽性かつMMP9陰性の破骨細胞をいう。RA特異的破骨細胞は、異常活性化した単球が、ナース細胞機能を持つ繊維芽細胞様細胞で構成される病巣によって維持、活性化された、骨破壊を導くことができる細胞である。単球の破骨細胞への分化は、例えば、顕微鏡観察により可能である。また、MMPに反応する破骨細胞を計測することにより、調べることができる。
【0033】
本発明は、さらなる態様において、上記スクリーニング方法により得ることのできる、関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質に関するものである。
【0034】
本発明は、もう1つの態様において、上記スクリーニング方法に用いられる、関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質をスクリーニングするためのキットに関するものである。本発明のキットは、ナース細胞および/または単球取得手段、培地、培養容器、ナース細胞による単球の抱き込みまたは単球の破骨細胞への分化を調べる手段等を含んでいてもよい。本発明のキットには、通常、取扱説明書を添付する。かかるキットを用いて、上記スクリーニング方法を迅速かつ容易に行うことができる。
【0035】
本発明は、別の態様において、関節リウマチの予後診断方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞および単球をC1q結合活性を有する物質の存在下でインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を含む、方法に関するものである。
【0036】
本発明は、さらに別の態様において、C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用キットに関するものである。本発明のキットは、好ましくは、上記予後診断方法において用いられる。本発明のキットは、ナース細胞および/または単球取得手段、培地、培養容器、ナース細胞による単球の抱き込みまたは単球の破骨細胞への分化を調べる手段等を含んでいてもよい。本発明のキットには、通常、取扱説明書を添付する。かかるキットを用いて、上記予後診断方法を迅速かつ容易に行うことができる。
【0037】
以下に実施例を示して本発明を詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0038】
抗C1qモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製
雌のBALB/Cマウス4匹にC1q精製タンパク質(純度99%以上、Calbiochem 204876)0.1mgをアジュバント(タイターマックス、SIGMA)と共に2週間おきに2〜3回、フットパットおよび背中皮下に投与し、免疫した。マウスの脾臓からリンパ球を回収し、抗原30μgを含む培地にて3日間培養した。培養後、リンパ球とマウス骨髄腫細胞株P3U1細胞を、PEG1500を用いて常法に従い融合させた。融合後、細胞を組成:RPMI 1640(Kohjin 16005005) 425mL、L-Glutamine(SIGMA G7513) 5mL、ピルビン酸ナトリウム(SIGMA S8636) 5mL、HATサプリメント(GIBCO 21060-017) 10mL、ペニシリン・ストレプトマイシン(SIGMA P4333) 2.5mL、FBS 75mLの培地に懸濁し、あらかじめマウス胸腺細胞を播種した96ウェルプレートに分注した。8日後、上清中の抗体の有無をELISA法によりスクリーニングした。ELISA法の手順は以下の通りである。1μg/ml C1qのPBS中溶液を調製し、ELISA用マイクロプレート(3912 ファルコン)に添加し、室温にて2時間インキュベーションすることで結合させた。次に、1% スキムミルク/PBSを用いてブロッキングを行い、抗原プレートとした。抗原プレートに培養上清を添加して反応させ、洗浄後、ALP標識ヤギ抗IgG(ザイメット)を結合させた。ALP基質を添加して、酵素反応させ、492nmにおける吸光度を測定し、抗体陽性ウェルを選択した。対照として、同様に免疫したウサギの血清から分離したポリクローナル抗体を用いた。結果を図1に示す。抗原を結合させていないELISA用マイクロプレートを用い、非特異的反応を除去し、抗C1qモノクローナル抗体産生ハイブリドーマKS−0131 #8、KS−0131 #25、KS−0131 #33、KS−0131 #35、KS−0131 #40、KS−0131 #54、KS−0131 #76、KS−0131 #100、KS−0131 #102、KS−0131 #107、KS−0131 #112、およびKS−0131 #119などを得た。
【0039】
サンドイッチELISAによるC1qタンパク質の定量
5μg/mL 抗C1qモノクローナル抗体(固相抗体)溶液100μlをELISA用マイクロプレートに結合させた。1% スキムミルク/PBS 100μlを添加し、室温にて30〜60分間インキュベーションした。次に、10μg/mL C1qタンパク質抗原2倍連続希釈溶液 100μlを添加して、37℃で1〜2時間反応させた。純水で2回洗浄後、5μg/mL C1qモノクローナル抗体(感作抗体)溶液100μlを添加し、4℃にて一晩反応させた。次に、2次抗体(アビジン化ALP抗体)を100μl/ウェルにて添加し、4℃〜室温で1〜2時間反応させた。純水で4回洗浄後、ALP基質発色液を添加して発色させた。マイクロプレートリーダにて492nmにおける吸光度(OD)を測定した(参照波長:660nm)。結果を図2〜10に示す。C1qタンパク質濃度と吸光度との間に正の相関関係が認められ、抗C1qモノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA法により、試料中のC1qタンパク質を定量できることが分かった。図示してはいないが、濃度〜400μg/mLのC1qタンパク質について定量可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明により、C1qタンパク質の定量に用いることができる、抗C1qモノクローナル抗体、かかる抗体を用いたC1qタンパク質の検出および/または定量方法、およびそのためのキットなどが得られるので、RA患者の予後診断、研究等の分野において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、ハイブリドーマの培養上清を用いたELISAの結果を示す。
【図2】図2は、固相抗体として抗C1q抗体 #8を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図3】図3は、固相抗体として抗C1q抗体 #33を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)、抗C1q抗体 #54(丸)、抗C1q抗体 #76(菱形)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図4】図4は、固相抗体として抗C1q抗体 #35を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)、抗C1q抗体 #54(丸)、抗C1q抗体 #76(菱形)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図5】図5は、固相抗体として抗C1q抗体 #40を、感作抗体として抗C1q抗体 #54(丸)、抗C1q抗体 #76(菱形)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図6】図6は、固相抗体として抗C1q抗体 #54を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)、抗C1q抗体 #54(丸)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、固相抗体として抗C1q抗体 #76を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図8】図8は、固相抗体として抗C1q抗体 #107を、感作抗体として抗C1q抗体 #33(三角)、抗C1q抗体 #35(四角)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図9】図9は、固相抗体として抗C1q抗体 #112を、感作抗体として抗C1q抗体 #35(四角)、抗C1q抗体 #54(丸)、抗C1q抗体 #76(菱形)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。
【図10】図10は、固相抗体として抗C1q抗体 #119を、感作抗体として抗C1q抗体 #33(三角)を用いたサンドイッチELISA法の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C1qタンパク質を特異的に認識することができる、抗C1qモノクローナル抗体。
【請求項2】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10649を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10650を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項4】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10651を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項5】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10652を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項6】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10653を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項7】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10654を有するハイブリドーマにより産生される、請求項1記載の抗体。
【請求項8】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター受託番号FERM BP−10649、FERM BP−10650、FERM BP−10651、FERM BP−10652、FERM BP−10653、またはFERM BP−10654を有する、抗C1qモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
【請求項9】
請求項8記載のハイブリドーマを培養することを特徴とする、抗C1qモノクローナル抗体の製造方法。
【請求項10】
請求項1記載の抗体を用いることを特徴とする、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定する方法。
【請求項11】
ELISA法によるものである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項1記載の抗体を2種以上用いるものである、請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
請求項3記載の抗体と請求項6記載の抗体、請求項3記載の抗体と請求項7記載の抗体、請求項5記載の抗体と請求項6記載の抗体、または請求項5記載の抗体と請求項7記載の抗体を用いるものである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
関節リウマチの予後診断のための、請求項10から13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
請求項1記載の抗体を必須構成成分として含む、試料中のC1qタンパク質の存在または量を決定するためのキット。
【請求項16】
ELISA法によるものである、請求項15記載のキット。
【請求項17】
請求項1記載の抗体を2種以上含むものである、請求項15または16記載のキット。
【請求項18】
請求項3記載の抗体と請求項6記載の抗体、請求項3記載の抗体と請求項7記載の抗体、請求項5記載の抗体と請求項6記載の抗体、または請求項5記載の抗体と請求項7記載の抗体を含むものである、請求項17記載のキット。
【請求項19】
関節リウマチの予後診断のための、請求項15から18のいずれか1項記載のキット。
【請求項20】
C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの治療または予防用医薬組成物。
【請求項21】
C1q結合活性を有する物質が請求項1記載の抗体である、請求項20記載の医薬組成物。
【請求項22】
C1q結合活性を有する物質が請求項3記載の抗体である、請求項21記載の医薬組成物。
【請求項23】
C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用組成物。
【請求項24】
C1q結合活性を有する物質が請求項1記載の抗体である、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
C1q結合活性を有する物質が請求項3記載の抗体である、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質のスクリーニング方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞をC1qおよび候補物質の存在下で単球と共にインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を特徴とし、
該抱き込みまたは分化が、候補物質不存下にてナース細胞をインキュベーションした場合の抱き込みまたは分化と比較して抑制されている場合に、該候補物質が関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質である、方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法に用いられる、関節リウマチの治療または予防用、あるいは予後診断用物質をスクリーニングするためのキット。
【請求項28】
関節リウマチの予後診断方法であって、下記工程:
(a)ナース細胞および単球をC1q結合活性を有する物質の存在下でインキュベーションし、次いで、
(b)ナース細胞による単球の抱き込みを調べる;あるいは
(c)単球の破骨細胞への分化を調べる
を特徴とする、方法。
【請求項29】
C1q結合活性を有する物質を含む、関節リウマチの予後診断用キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−100986(P2008−100986A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232454(P2007−232454)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(500103720)
【出願人】(500097119)株式会社エム・エム・ティー (7)
【Fターム(参考)】