説明

CATVシステムおよびCATV装置

【課題】既設のUHF帯には対応していないCATVシステムを,同軸ケーブルを取り替えることなく770MHz対応に変更できるようにする。
【解決手段】CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムにおいて,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整して取り出した所定帯域幅の信号を所定の処理を施すことによって減衰させて通過させる信号処理手段と,引込線に伝送される下り信号帯域を増幅する,少なくとも前記信号処理手段の最大通過損失を補正することができる所定の利得を有する高出力タイプの信号増幅器と,からなる信号処理装置を介設し,予め下り信号帯域の伝送特性に信号処理を施すことによって,ビルやマンション等の建物内に配線されている古い同軸ケーブルに発生したUHF帯の低域側で減衰量が大きく増加するディップ現象に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,主にCATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATV装置およびCATVシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のCATVシステムは,そのサービス携帯に合わせて伝送帯域を拡大してきた。しかしながら従来のCATVシステムには450MHz対応などのシステムが現在も多数運用されている。この場合,例えばUHF帯の地上アナログ放送はVHF帯やミッドバンド帯やスーパーハイバンド帯等に周波数変換されて伝送されることでサービスを受けることができた。
ところが近年開始された地上ディジタル放送はUHF帯(470から770MHzの周波数帯であり,以下,特に明記しない限りUHF帯とはこの周波数帯のことを言う。)の低域側を主に使用して放送されるため,CATVシステムを介して地上ディジタル放送を楽しもうとする場合,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)をセンター局にて受信した信号を,チャンネルを変えることなくそのまま幹線へ伝送するパススルー方式や,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)をCATVシステムで伝送可能なVHF帯やミッドバンド帯やスーパーハイバンド帯等に周波数変換して伝送する周波数変換パススルー方式や,放送局から送られたUHF帯の地上ディジタル放送波(OFDM)をセンター局にて受信して,BSディジタル放送の再送信と同じ方式(64QAM)に変換して伝送するトランスモジュレーション方式が考えられ,採用する伝送方式に応じてCATVシステムの伝送帯域を,少なくとも770MHz帯まで伝送するシステムに変更する必要が生じている。
既設の450MHz帯までのCATVシステムを770MHz帯のシステムに変更するには,CATVシステムの幹線や分岐線上に配設される幹線増幅器等の伝送機器を770MHzに対応させると共に,ビルやマンション等の受信システムを構築している棟内増幅器や直列ユニットが770MHz対応していないならこれらのテレビ受信機器も,少なくとも770MHzもしくはそれ以上の周波数(例えば,衛星放送の中間周波数帯)まで対応した機器に変更することが必要となる。
しかし,ビルやマンション等に引き回された既設の同軸ケーブルは,同軸ケーブルの敷設の方法から考えても,取り外して新たに同軸ケーブルを配線し直すのは困難であるのでそのまま使うことが望ましい。
ところが,同軸ケーブルにはその種類や設置された年代によって,同軸ケーブルの経年変化により物理的にも電気的にも影響が現れることがある。このうち特に影響が大きいものとして,UHF帯内の特定周波数(特に,UHF帯の低域側に発生する。)で減衰量が大きく増加するディップ現象の発生することが報告されている。
(例えば,非特許文献1参照)
【0003】
【非特許文献1】昭和60年6月5日付 テレビ受信向上委員会 受信向上No.14 p16〜p18
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり,地上ディジタル放送を受信する方法の一つである上述のパススルー方式のように,UHF帯を使って地上ディジタル放送の信号を伝送しようとする場合は,可能であるならば既設の同軸ケーブルを取り除いて新たに同軸ケーブルを配線し直すか,同軸ケーブルを建物の外壁に這わせてから,壁などに穴をあけて建物内に同軸ケーブルを引き入れ,それぞれの部屋に引き入れるなどしないと地上ディジタル放送波の信号が伝送されないといった問題が発生する場合があった。
しかしながら,同軸ケーブルの再配線は困難であるし,建物等の外壁を沿わせて各部屋に引き込み,更に各部屋の内壁に同軸ケーブルを這わせて配線する方法は簡単に実現できるものの,建物を傷めたり建物の美観を損ねたりするし,各部屋の配線も美観を損ねることなく配線することは困難であるといった問題があった。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,同軸ケーブルのディップ現象が起きている,既設のUHF帯には対応していないCATVシステムを,同軸ケーブルを取り替えることなく770MHz対応に変更できるCATVシステムを提供することを課題とする。
他の目的は,既存のシステムを770MHz帯に対応するための改修工事が簡単に行えるCATV装置を提供することを課題とする。
他の目的は,視聴者が長時間に亘ってテレビの視聴を制限されることなくCATVシステムを770MHz帯に回収できることを課題とする。
その他の目的も,以下に示す実施例の中で明確になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムにおいて,
引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整して取り出した所定帯域幅の信号を所定の処理を施すことによって減衰させて通過させる信号処理手段と,引込線に伝送される下り信号帯域を増幅する,少なくとも前記信号処理手段の最大通過損失を補正することができる所定の利得を有する高出力タイプの信号増幅器と,からなる信号処理装置を介設するように構成される。
【0006】
請求項2の発明は,請求項1に記載のCATVシステムにおいて,前記信号処理装置は,第1の信号処理装置と所定長の引込線を介して介設された第2信号の処理装置からなり,
前記第1の信号処理装置は,最大通過損失が第1所定量である第1の信号処理手段と,該第1の信号処理手段の最大通過損失を補償し,更には第1の信号処理装置の入力レベルより出力レベルが所定量だけ高くなるような利得を有する高出力タイプの第1の信号増幅器からなり,
前記第2の信号処理装置は,前記第1の信号処理装置と第2の信号処置装置との間に介設される所定長の引込線の損失と第2の信号処理装置を構成する最大減衰量が第2の所定量である第2の信号処理手段の最大通過損失を補償する利得を有する高出力タイプの第2信号増幅器とからなり,
第1の信号処理手段の最大通過損失と,第2の信号処理手段の最大通過損失の合計は前記信号処理装置の前記信号処理手段の最大通過損失と略等しいように構成した。
【0007】
請求項3の発明は,請求項1または請求項2の何れか1項に記載のCATVシステムにおいて,前記信号増幅器は,前記信号処理手段の最大通過損失を補償する利得となるように利得調整が可能な利得調整機能付きであるように構成
【0008】
請求項4の発明は,請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステムにおいて, 前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域を主線路に出力すると共に下り信号の一部を分岐して分岐路に出力するように構成された分岐手段を主線路同士および分岐路同士を接続するように対向配設し,その主線路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に該基準周波数を中心周波数とする所定帯域幅の信号を通過するように構成された第1フィルタ手段を介設し,その分岐路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に前記第1フィルタ手段が通過する所定帯域幅の信号の通過を阻止するように構成された第2フィルタ手段を介設したフィルタ回路であるように構成した。
【0009】
請求項5の発明は,請求項4に記載のCATVシステムにおいて, 前記第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手段をケース内部に収納し,ケースにはケース内部と外部を接続するケース側接続手段を備えることでユニット化し,前記主線路には該主線路に第1のフィルタ手段が介設されるように前記ケース側接続手段と接続するための主線路側接続手段を備え,前記分岐路には該分岐路に第2のフィルタ手段が介設されるように前記ケース側接続手段と接続するための分岐路側接続手段を備え,前記ユニットを着脱自在に固着できるように構成した。
【0010】
請求項6の発明は,請求項4または請求項5の何れか1項に記載のCATVシステムにおいて, 前記分岐路には,該分岐路を通過する信号のレベルを減衰する信号減衰手段を備えるように構成した。
【0011】
請求項7の発明は,請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステムにおいて, 前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に,その通過損失が略基準周波数において最小値となるように信号を通過し,少なくとも,下り信号帯域の略最小周波数において通過損失が最大値となるように,略基準周波数より周波数の低い側に所定の傾きの周波数特性を有し,しかもその傾きの調整が可能なチルト調整機能付きであるように構成したチルト回路であるように構成した。
【0012】
請求項8の発明は,請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステムにおいて,前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に,その通過損失が略基準周波数において最小値となるように信号を通過し,下り信号帯域の略最小周波数において所定量の阻止帯域減衰量を有するように構成されたバンドパスフィルタ回路であるように構成した。
【0013】
請求項9の発明は,CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムにおいて,CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムに用いられるCATV装置において,
請求項1から請求項8に記載された前記信号処理手段と前記信号増幅器を1つの筐体に収納するように構成した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば,引込線から引き込まれる下り信号帯域に対してディップ現象の逆特性もしくは逆特性に近い周波数特性を有するように形成された信号処理手段を介設すると共に,下り信号帯域を所定量増幅してからビルやマンション等に敷設されている同軸ケーブルに下り信号を引き込むことができるので,ビルやマンション等に敷設されている同軸ケーブルに,同軸ケーブルの経年変化によってディップ現象が発生していても,引き込まれた信号の特性がそのディップ現象を打ち消すような特性を有していることから,敷設の同軸ケーブルを新しく配線しなおすことなく,ビルやマンションの各端末側にディップ現象に影響されていない適切なレベルの信号が供給できる,770MHz帯に対応するための改修工事が簡単に可能なCATVシステムを提供できる。
そして,更に加えて建物の外壁に同軸ケーブルを這わせたり,外壁に穴をあけたりすることがないので建物の美観を損なうこともない。
また,同軸ケーブルを配線し直す事がないので,改修工事が短くてすみ,その結果,加入者が長時間に渡ってテレビの視聴ができないといった問題もなくなるのである。
【0015】
請求項2の発明によれば,信号処理装置を2つに分けて構成したので,第1の信号処理手段,第2の信号処理手段,第1の信号増幅器,第2の信号増幅器の回路構成が簡単になり設計の簡略化ができ,延いては,770MHz帯に対応するための改修工事が簡単且つ安価にできるCATVシステムを提供できる。
【0016】
請求項3の発明によれば,信号処理手段の最大通過損失に合わせて,信号増幅器の利得を調整できるので,最適なレベル設定が設置現場において容易にできることから,770MHz帯に対応するための改修工事が簡単にできるCATVシステムを提供できる。
【0017】
請求項4から請求項6の発明によれば,分岐量を適宜に変えることでディップ特性の逆特性に近い周波数特性を簡単に形成できるし,分岐手段を使って構成したことから広帯域に亘ってインピーダンス特性が良く,信号増幅器等との整合性に優れた信号処理手段ができる。
加えて請求項6のように分岐路に信号減衰器を備え,その減衰量を可変できるようにしておけば,ディップ特性に応じての微調整が簡単にできる。
また,請求項5のようにフィルタ手段をユニット化し,ディップ特性の最大減衰量を示す中心周波数に対向する基準周波数が異なる複数のユニットを予め作成することによって,必要に応じて所望の特性を有するフィルタ手段を取り付けるだけ調整をする必要がないから利便性が非常によくなる。そして,フィルタ手段は基準周波数を選択的に調整できるように構成しなくても良いのでフィルタの設計が簡単になる。
【0018】
請求項7の発明によれば,ディップ特性に応じて信号処理手段の基準周波数を調整できるし,周波数特性(傾き)を最適に調整できるので,CATVシステムによって異なるさまざまなディップ特性に素早く対応できる利便性の良い信号処理装置が提供でき,770MHzに対応するための改修工事が簡単且つ素早くできるCATVシステムを提供できる。
【0019】
請求項8の発明によれば,一定のディップ現象が発生しているようなCATVシステムに素早く対応できる利便性の良い信号処理装置が提供でき,770MHzに対応するための改修工事が簡単にできるCATVシステムを提供できる。
【0020】
請求項9の発明によれば,信号処理手段と信号増幅装置を1つの筐体に収納したので,設置工事の作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は従来のCATVシステムを示す概略構成図である。図2は本発明に係る信号処理装置を備えたCATVシステムの概略構成図である。図3(a)は図1に示されるCATVシステムにおけるX点とY点間の伝送損失を示す70から770MHzまでの周波数特性であり,(b)は信号処理装置15を構成する第2の実施例に示される信号処理手段20Bの70から770MHzまでの周波数特性であり,(b)は信号処理装置15を構成する第1の実施例に示される信号処理手段20Aの70から770MHzまでの周波数特性である。図4(a),(b),(c),(d)は信号処理装置15を構成する信号増幅器19と信号処理装置20の配列状態を示す概略構成図である。図5は信号処理手段の第1の実施例の具体的な回路構成を示す。図6は信号処理手段の第2の実施例の具体的に回路構成を示し,(a)はチルト量とチルトの基準となる基準周波数が固定のものであり,(b)はチルト量とチルトの基準となる基準周波数を調整可能に構成されたものである。図7は信号処理装置を2つ備えた場合の配列状態を示すCATVシステムの一部を取り出した図である。図8は信号処理装置を異なる位置に配設した例を示すCATVシステムの一部を取り出した図である。
【実施例1】
【0022】
図1は従来からあるCATVシステムの概略構成を示す図であり,例えば450MHz帯までの伝送帯域に対応した既設のCATVシステムである。この図において1は図には示されていないセンター局と接続されている幹線から分岐された分岐線を示し,この分岐線1はタップオフ2を介してさらに先に延設されている。そしてタップオフ2には引込線が接続され,この引込線を介してビルやマンション等にCATV網が接続されている。図における実施例では引込線4は5に示されるビルやマンション等に設置された保安器6に接続されている。この保安器6から先は,同軸ケーブル7によっての建物5に引き込まれている。
【0023】
建物5に引き込まれた同軸ケーブル7は,一度建物5の屋上や建物内のメンテナンスルームなどに設置された図には示されていない収納ボックス等まで引き回されている。この収納ボックスは,内部に機器を収納するための収納空間を有し,この収納空間の奥底にはテレビ受信機器等の取り付けをするための板体等が備えられると共に,AC100Vの商用電源が得られるACコンセント等が敷設されている。そして,この収納ボックスには14に示される信号増幅器が取り付けられており,収納ボックスまで引き回された前記同軸ケーブル7はこの信号増幅器14に接続されている。この実施例では信号増幅器14はCATVシステムに適した450MHz帯対応の棟内ブースターである。
更に,信号増幅器14の先には同軸ケーブル8が接続されており,同軸ケーブル8はその先に接続されている分岐器9と接続されている。
本発明の実施例では,分岐器9は4分岐器であり,それぞれの分岐端子からは同軸ケーブル10や13などを介して建物5の上の階から下の階にかけて中継用の直列ユニット11を3つと端末の直列ユニット12が接続されており,各直列ユニットは建物5の各階にある部屋にそれぞれ配設されるように同軸ケーブルに介設されている。そして,これらの分岐器,直列ユニット,同軸ケーブルなどはテレビ受信に一般的に使用されていた,少なくとも770MHz帯に対応する機器で構成されており,実施例では建物5内で16端子に分配するCATVシステムが構成されている。
尚,分岐器,直列ユニット等の下限の使用周波数は70MHzのものでも良いが,例えば10MHzのものを使用し,信号増幅器14が上り信号回路を有するようにすれば双方向CATVシステムに対応できる。
【0024】
このように構成されたCATVシステムは,CATV局から送られてくる例えば70から450MHz帯の下り信号帯域を使ってサービスを受けているのであるが,CATV局において,更なる多チャンネル化やUHF帯の低域側で行われている地上ディジタル放送の信号をパススルー方式や周波数変換パススルー方式を使って地上ディジタル放送のサービス等を開始するために,伝送帯域を770MHz帯まで拡大することに対応して,加入者側がこれらのサービスを受けるためには,建物5内のCATVシステムを770MHz対応にする必要がある。テレビ受信に一般的に使用されていた,分岐器,直列ユニット,同軸ケーブルなどはVHFとUHFの地上アナログ放送を受信するために,少なくとも770MHz帯まで対応する機器で構成されているはずであるから,例えば棟内ブースター14を770MHz帯対応のブースターに変更すれば対応可能であるように思われる。
【0025】
ところが建物5内に敷設されている同軸ケーブル7,8,10,13等は,建物5内の共同受信システムが設置された時代によっては,設置時にテレビ受信用として一般的に使用されていた同軸ケーブルがもつ固有の問題によって,ブースターの変更だけでは770MHz帯に対応できないことがある。
つまり,同軸ケーブルは経年変化によって物理的にも電気的にもその影響を受けることになるが,ある時期まで使われていた同軸ケーブルでは,これらのうち特に影響が大きいものとして,UHF帯内の特定周波数(特に,UHF帯の低域側に発生する。)で減衰量が大きく増加するディップ現象が発生する場合があり,これによって特にUHF帯の低域側の周波数を使った地上ディジタル放送信号の伝送に支障をきたすのである。
このようなディップ現象が発生したCATVシステムにおける770MHz帯までの伝送特性を図3(a)に示す。このデータは図1に示すCATVシステムのX点とY点(2回部分に設置された直列ユニット11の壁面端子)との間の通過損失を測定したものである。このデータによれば略450MHzを中心周波数とするディップが発生しており,この周波数帯の信号は端末側まで最適レベルで伝送することができない。
【0026】
そこで本発明においては,図2および図4に示すように信号増幅器14に変わって,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整して取り出した所定帯域幅の信号を所定の処理を施すことによって減衰させて通過させる信号処理手段20と,引込線から伝送されてくる下り信号帯域を増幅する,少なくとも前記信号処理手段20の最大通過損失を補正することができる所定の利得を有する高出力タイプの信号増幅器19と,からなる信号処理装置15を介設することで同軸ケーブルを取り替えることなく450MHz帯までしかない伝送帯域を,少なくとも770MHzまで拡大することができるように構成したものである。
本発明の実施例では,図4(a)に示されるように収納ボックスに引き込まれた同軸ケーブル7の端部16に,信号増幅器19,信号処理手段20の順で接続されており,信号処理装置15の出力には同軸ケーブル8の端部17に接続されている例を示したが,図4(b)に示されるように信号処理手段20,信号増幅器19の順のように配列を逆にしても良い。また,図4(c)に示されるように信号増幅器19を挟んで前後に信号処理手段20a,20bを配列しても良いし,図4(d)のように信号処理手段20を挟んで前後に信号増幅器19a,19bを配列しても良いなど特にその構成は限定されるものではない。
【0027】
ここで,信号増幅器19について説明する。この信号増幅器19は例えば高周波素子としてのトランジスタやICからなる所定の利得を有する増幅回路からなり,その増幅帯域は下り信号に対応して70から770MHzの帯域を増幅するように構成されている。この信号増幅器の利得は,少なくとも,後に詳述する信号処理手段20の最大通過損失を補償することができるレベルがあればよいが,端末側の受信端末レベルを最適化できるように利得が高くて高出力タイプの増幅器がよい。そして更に利得調整回路を備えることでレベルの最適化が簡単にできて利便性の良い信号増幅器19となる。
尚,信号増幅器19は下り信号を増幅するように構成された説明したが,CATV上り信号用の通過回路や増幅回路を備えて双方向CATVシステムに対応させるように構成したものでも良い。
【0028】
次に信号処理手段20の実施例について説明する。
(第1の実施例)
図5によく示されるように,信号増幅手段19の出力に接続された入力端21aから入力される下り信号を出力端21bから主線路に出力すると共に下り信号の一部を分岐して分岐端21cから分岐路に出力するように構成された,フェライトにポリウレタン線を巻きまわしてなる分岐手段21を主線路同士および分岐路同士を接続するように対向配設し,その主線路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に所定帯域幅の信号を通過するように構成された第1フィルタ手段22を介設し,その分岐路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に前記第1フィルタ手段22が通過する所定帯域幅の信号の通過を阻止するように構成された第2フィルタ手段24を介設したフィルタ回路から構成されている。更に,この第1の実施例では,分岐路には,分岐路を通過する信号を減衰させるための信号減衰回路23が備えられている。
つまり,この信号処理回路20Aによれば,図3(c)によく示されるように,主線路の第1のフィルタ手段22を介して,通過させたい基準周波数を中心とした帯域(この場合,ディップ現象によってディップした中心周波数が基準周波数となり,この中心周波数を挟んで所定帯域幅の信号)を選択的に通過させ,分岐路には,第1のフィルタ手段22で選択的に決められた帯域幅を阻止帯域とし,その阻止帯域の前後の帯域を分岐手段の分岐量(この場合,分岐手段21の2つ分の分岐量)だけ減衰させて通過するようなフィルタ回路が構成される。
【0029】
このフィルタ回路の構成によると,CATVシステム上に発生したディップ特性の最大減衰量と,この最大減衰量を示す周波数を中心周波数としたディップの帯域幅と,この帯域幅の下限周波数もしくは上限周波数における減衰量とのレベル差などに対応して,前記分岐手段21の分岐量を適宜な値に設定し,第1のフィルタ手段22及び第2のフィルタ手段の基準周波数と帯域幅を設定して,図3(c)によく示されるようなディップ特性とは逆特性を持たせるようにする。そして,CATVシステムに送出される信号に対してこのフィルタ回路によって予め信号処理を施すことによって,前記信号増幅器と合わせて端末側におけるディップの影響をなくすと共に最適なレベルの信号を供給できるのである。
また,分岐手段21を挟んで回路が構成されていることから,この信号処理手段20の入力と出力の定在波比が広帯域に亘って良好な値を有するので,この信号処理手段20の介設によって,インピーダンスの不整合の発生を極めて小さいものにすることができる高性能な信号処理手段を実現できる。
尚,前記第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手段はディップ特性に合わせて基準周波数や帯域幅等を電気的に制御して調整自在になるように構成しても良いし,手動で調整ができるように構成しておいてもよい。また,これらのフィルタ手段をユニット化し,予め数種類の基準周波数や帯域幅等を有するフィルタ手段を作成しておいて,必要に応じで取替えができるように構成しておいてもよく,その実施の形態は実施例に限定されるものではない。
また,本発明の実施例では分岐路に第2のフィルタ回路を介設するような構成を示したが,分岐手段21が所定量の分岐量を有していれば,特に分岐路に第2のフィルタ手段介設することなく合成できるので,第2のフィルタ手段がない構成でも良い。
また,分岐路には,上述のように分岐路を通過する信号を減衰させる信号減衰手段23を備えれば,任意のレベル差を有した逆特性が簡単に得られるので,CATVシステムによって発生状態の異なるディップ特性に対して工事現場などでの対応が素早くできる極めて優れた操作性の高い信号処理手段20が実現できる。この信号減衰手段22は複数の減衰素子(減衰量が異なる固定ATTを数種類備える)をスイッチ等の操作手段で切り替えることで段階的に減衰量を選択できるようにしても良いし,減衰素子としてのピンダイオード等を使って電気的な制御によって連続的に減衰量を可変できるように構成しても良い。
【0030】
(第2の実施例)
この実施例では,図3(b)の周波数特性に示されるように,下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整した信号を通過するように構成され,その通過損失は略基準周波数において最小値を示し,少なくとも,下り信号帯域の略最小周波数において通過損失が最大値となるように,略基準周波数より周波数の低い側に所定の傾きの周波数特性を有したチルト回路であるように構成されている。
図6に具体的な回路構成を示す。この図において(a)に示される信号処理手段20Bはチルト量及びチルトの基準となる中心周波数が一定となるように構成されたものである。この図において27,28,29,30は抵抗であり,31,34はコンデンサーであり,32,33はコイルである。この実施例において,抵抗29,30を例えば可変抵抗器等で構成して,その抵抗値を同時に可変できるようにすればチルト量を可変できるし,加えて,コンデンサー31,34をトリマコンデンサーのような半固定コンデンサー等で構成してその容量を同時に可変できるようにすれば,チルトの基準となる基準周波数を可変できる。この制御を電気的に行うように構成したものが図6(b)に示される信号処理回路である。この図において,27,28は抵抗であり,35はコンデンサーであり,32,33はコイルであり,加えて,可変容量ダイオード34aと該可変容量ダイオード34aに対して中心周波数の制御信号を供給する周波数制御信号ライン38と,この制御信号を供給すると共に高周波信号を阻止するためのチョークコイル37aとで周波数制御ができ,36で示されるPINダイオードと,該PINダイオード36にチルト量の制御信号を供給するチルト量制御信号ライン39と,この制御信号を供給すると共に高周波信号を阻止するためのチョークコイル37bとでチルト量制御ができるように構成されている。
【0031】
つまり,この信号処理手段20Bもしくは20Cの回路構成によると,CATVシステム上に発生したディップ特性に対応するように,下り信号帯域の中から基準周波数を設定すると共に,下り信号帯域の最小周波数におけるチルト量が適宜な値になるように設定するなどの信号処理を予め下り信号帯域の施すことによって,前記信号増幅器と合わせて端末側におけるディップの影響をなくすと共に最適なレベルの信号を供給できるのである
【0032】
(第3の実施例)
この実施例における信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に,その通過損失が略基準周波数において最小値となるように信号を通過し,下り信号帯域の略最小周波数において所定量の阻止帯域減衰量を有するように構成されたバンドパスフィルタ回路から構成されている。この場合においても,基準周波数は調整可能に構成されていなくても良く,この場合は,基準周波数の異なる複数のバンドパスフィルタを予め作成しておけばよい。更に,下り信号帯域の略最小周波数における阻止帯域減衰量が異なる複数のバンドパスフィルタを作成しておけば更に適応性の良い信号処理手段20を提供できる。
【0033】
以上,本発明の信号処理装置15によれば,CATV網の引込線に接続されたUHF帯(770MHz)まで対応していないビルやマンション等の建物5に導入されている既存のCATVシステム(例えば,450MHz帯まで対応。)を,地上ディジタル放送の信号を伝送するために770MHz帯まで帯域を拡大しようとした場合に,すでに敷設されている同軸ケーブルによっては,同軸ケーブルの経年変化によって特にUHF帯の低域側の周波数帯において減衰量が増大するディップ現象が発生していたとしても,同軸ケーブルを張り替えることなくそのままの同軸ケーブルを使ったままで770MHz帯の伝送ができるように改修できるので,例えば伝送帯域が450MHz帯までのCATVシステムを770MHz帯に対応するための改修工事を簡単且つ安価に実施することができるのである。
更には,その改修工事は,同軸ケーブルを張り替えることなく,引込線側にある既存の棟内ブースターなどが設置されている収納ボックス等においておこなわれるので,信号処理装置を設置するスペースも新たに設ける必要がないし,商用電源のACコンセントも新たに設ける必要もないので,比較的簡単にできるし,簡単にできることによって加入者がテレビを長時間にわたって視聴できないといった問題にも対応できる優れた特徴を有するのである。
【0034】
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,以下に例示するように,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
本発明の実施例では,信号増幅器19と信号処理手段20を別体である信号処理装置15として説明をしたが,1つの筐体に収納して信号処理装置としても良い。
更に,図7(a),(b),(c)に示されるように信号処理装置15を第1の信号処理装置15aと第2の信号処理装置15bとに分け,所定長の同軸ケーブル8を介して配列した構成にしても良い。この場合は,ディップ特性を補償するための諸特性を各信号処理装置を構成する信号増幅器や信号処理手段に按分すればよいので,それぞれの回路構成が簡単になりコストダウンにもなるし,設計が容易にできることから対応が素早くできる。
更に,図8に示されるように分岐器9の分岐端子から先の伝送経路が同軸ケーブル10と同軸ケーブル13のように異なることによって,ディップ現象が発生する周波数帯が違う場合に対応できるようにしたものであり,分岐器9のすぐ後に伝送経路ごとに最適化された上述の信号処理装置15bおよび信号処理装置15cを介設した例を示す。この例によれば,伝送経路ごとに適切な対応ができるのでより安定したCATVシステムが構成できるのである。この実施例の場合,分岐器9は図には示されていない前記収納ボックス等に収納されていたり,メンテナンスが容易な場所に設置されていたりする可能性が高いので,既設のシステムであっても信号処理装置の接続は建物等に邪魔されることないし,電源等の配線もする必要がないので問題なくできる。尚,分岐器9の前に示されている信号処理装置15aは上述のように有っても良いし無くても良い。
また,上記のように信号処理装置を2つ以上設ける場合は,信号処理手段は上記第1の実施例,第2の実施例,第3の実施例の何れかによって構成されるのはもちろんであるけれども,CATVシステムによっては,任意の実施例を組み合わせて構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】従来のCATVシステムを示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る信号処理装置を備えたCATVシステムの概略構成図である。
【図3】(a)は図1に示されるCATVシステムにおけるX点とY点間の伝送損失を示す70から770MHzまでの周波数特性であり,(b)は信号処理装置15を構成する第2の実施例に示される信号処理手段20Bの70から770MHzまでの周波数特性であり,(b)は信号処理装置15を構成する第1の実施例に示される信号処理手段20Aの70から770MHzまでの周波数特性である。
【図4】図4(a),(b),(c),(d)は信号処理装置15を構成する信号増幅器19と信号処理装置20の配列状態を示す概略構成図である。
【図5】信号処理手段の第1の実施例の具体的な回路構成を示す。
【図6】信号処理手段の第2の実施例の具体的に回路構成を示し,(a)はチルト量とチルトの基準となる基準周波数が固定のものであり,(b)はチルト量とチルトの基準となる基準周波数を調整可能に構成されたものである。
【図7】信号処理装置を2つ備えた場合の配列状態を示すCATVシステムの一部を取り出した図である。
【図8】信号処理装置を異なる位置に配設した例を示すCATVシステムの一部を取り出した図である。
【符号の説明】
【0036】
1…分岐線,2…タップオフ,3…引込線,4…引込線,5…建物,6…保安器,7,8,10,13…同軸ケーブル,9…分岐器,11…中継用の直列ユニット,12…端末用の直列ユニット,14…棟内ブースター(450MHz対応),15…信号処理装置,16…入力端,17…出力端,19…信号増幅器,20…信号処理手段,21…分岐手段,21a…入力端子(出力端子),21b…出力端子(入力端子),21c…分岐端子,22…第1のフィルタ手段,23…信号減衰手段,24…第2のフィルタ手段,27・28・29・30…抵抗,31・34…コンデンサー,32・33・35…コイル,34a…可変容量ダイオード,36…PINダイオード,37a・37b…チョークコイル,38…周波数制御信号ライン,39…チルト量制御信号ライン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムにおいて,
引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整して取り出した所定帯域幅の信号を所定の処理を施すことによって減衰させて通過させる信号処理手段と,引込線に伝送される下り信号帯域を増幅する,少なくとも前記信号処理手段の最大通過損失を補正することができる所定の利得を有する高出力タイプの信号増幅器と,からなる信号処理装置を介設したことを特徴としたCATVシステム。
【請求項2】
前記信号処理装置は,第1の信号処理装置と所定長の引込線を介して介設された第2信号の処理装置からなり,
前記第1の信号処理装置は,最大通過損失が第1所定量である第1の信号処理手段と,該第1の信号処理手段の最大通過損失を補償し,更には第1の信号処理装置の入力レベルより出力レベルが所定量だけ高くなるような利得を有する高出力タイプの第1の信号増幅器からなり,
前記第2の信号処理装置は,前記第1の信号処理装置と第2の信号処置装置との間に介設される所定長の引込線の損失と第2の信号処理装置を構成する最大減衰量が第2の所定量である第2の信号処理手段の最大通過損失を補償する利得を有する高出力タイプの第2信号増幅器とからなり,
第1の信号処理手段の最大通過損失と,第2の信号処理手段の最大通過損失の合計は前記信号処理装置の前記信号処理手段の最大通過損失と略等しいことを特徴とした請求項1に記載のCATVシステム。
【請求項3】
前記信号増幅器は,前記信号処理手段の最大通過損失を補償する利得となるように利得調整が可能な利得調整機能付きであるように構成したことを特徴とした請求項1または請求項2の何れか1項に記載のCATVシステム。
【請求項4】
前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域を主線路に出力すると共に下り信号の一部を分岐して分岐路に出力するように構成された分岐手段を主線路同士および分岐路同士を接続するように対向配設し,その主線路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に該基準周波数を中心周波数とする所定帯域幅の信号を通過するように構成された第1フィルタ手段を介設し,その分岐路には下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に前記第1フィルタ手段が通過する所定帯域幅の信号の通過を阻止するように構成された第2フィルタ手段を介設したフィルタ回路であることを特徴とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステム。
【請求項5】
前記第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手段をケース内部に収納し,ケースにはケース内部と外部を接続するケース側接続手段を備えることでユニット化し,前記主線路には該主線路に第1のフィルタ手段が介設されるように前記ケース側接続手段と接続するための主線路側接続手段を備え,前記分岐路には該分岐路に第2のフィルタ手段が介設されるように前記ケース側接続手段と接続するための分岐路側接続手段を備え,前記ユニットを着脱自在に固着できるように構成したことを特徴とした請求項4に記載のCATVシステム。
【請求項6】
前記分岐路には,該分岐路を通過する信号のレベルを減衰する信号減衰手段を備えたことを特徴とした請求項4または請求項5の何れか1項に記載のCATVシステム。
【請求項7】
前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に,その通過損失が略基準周波数において最小値となるように信号を通過し,少なくとも,下り信号帯域の略最小周波数において通過損失が最大値となるように,略基準周波数より周波数の低い側に所定の傾きの周波数特性を有し,しかもその傾きの調整が可能なチルト調整機能付きであるように構成したチルト回路であることを特徴とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステム。
【請求項8】
前記信号処理手段は,引込線に伝送される下り信号帯域の中から基準周波数を選択的に調整可能であると共に,その通過損失が略基準周波数において最小値となるように信号を通過し,下り信号帯域の略最小周波数において所定量の阻止帯域減衰量を有するように構成されたバンドパスフィルタ回路であることを特徴とした請求項1から請求項3の何れか1項に記載のCATVシステム。
【請求項9】
CATV幹線からタップオフを介して引き込まれた引込線に接続されるCATVシステムに用いられるCATV装置において,
請求項1から請求項8に記載された前記信号処理手段と前記信号増幅器を1つの筐体に収納したことを特徴としたCATV装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−61086(P2008−61086A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237630(P2006−237630)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【Fターム(参考)】