説明

CD38によりモジュレートされる走化性

本発明は、それだけには限定されないが、炎症、虚血、喘息、自己免疫疾患、糖尿病、関節炎、アレルギー、寄生虫などの病原性生物の感染、および移植片拒絶を含む障害を治療するために、CD38を発現する細胞の遊走活性をモジュレートするための方法に関する。このような細胞には、例えば、好中球、リンパ球、好酸球、マクロファージ、および樹状細胞が含まれる。本発明は、CD38のADP-リボシルシクラーゼ活性をモジュレートする化合物を同定するために設計された薬物スクリーニングアッセイ、およびCD38がモジュレートした細胞遊走を伴う障害の治療におけるそのような化合物の使用にさらに関する。さらに、本発明は、寄生性の扁形動物であるマンソン住血吸虫からのCD38ホモログの単離、および特徴付けに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
(i)CD38を発現する細胞を試験化合物および基質と接触させ、CD38活性のレベルを測定するステップ、(ii)別個の実験において、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38を発現する細胞と基質とを接触させ、CD38活性のレベルを測定するステップ、および、次いで(iii)パート(i)で測定したCD38活性のレベルを、パート(ii)におけるCD38活性のレベルと比較するステップ
を含み、該試験化合物の存在下におけるCD38活性のレベルの低下が、試験化合物がCD38阻害剤であることを示す、CD38酵素活性を阻害する化合物を同定するための方法。
【請求項2】
ステップ(i)および(ii)において化学誘引物質の存在をさらに含み、かつ前記のCD38を発現する細胞が化学誘引物質受容体を発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下のステップ:
(i)精製されたCD38ポリペプチドを試験化合物および基質と接触させ、CD38活性のレベルを測定するステップ、
(ii)別個の実験において、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38を発現する細胞と基質とを接触させ、CD38活性のレベルを測定するステップ、ならびに
(iii)パート(i)で測定したCD38活性のレベルを、パート(ii)におけるCD38活性のレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下でCD38活性のレベルの低下が観察された場合は、CD38がモジュレートした細胞遊走をその化合物が阻害することができるかどうかを決定するためにその化合物を試験する、CD38がモジュレートした細胞遊走を阻害する化合物を同定するための方法。
【請求項4】
CD38活性が、NAD+グリコヒドロラーゼ、ADP-リボシルシクラーゼ、およびグリコシド交換活性からなる酵素活性の群から選択される、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
CD38酵素を、ニコチンアミド、ADP-リボース(ADPR)、サイクリック-ADPR(cADPR)、またはニコチン酸アデニンジヌクレオチドリン酸(NAADP)の形成速度をモニターすることにより測定する、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項6】
CD38活性を、測定される細胞内カルシウムレベルにおける変化をモニターすることにより測定する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項7】
細胞内Ca2+レベルにおける変化を、Indo、Fluo-3、Fluo-4、Fluo-5F、Fluo-4FF、Fluo-5N、Fura-Red、カルシウムグリーン、カルシウムオレンジ、カルシウムクリムゾン、マグネシウムグリーン、オレゴングリーン、およびRhod-2からなる群から選択されるカルシウム指示色素を用いて検出する、請求項24に記載の方法。
【請求項8】
以下のステップ:
(i)試験化合物をCD38タンパク質と接触させるステップ、
(ii)前記化合物がCD38タンパク質に結合するかどうかを決定するステップ、および
(iii)前記CD38タンパク質に結合する試験化合物を、CD38タンパク質の活性をモジュレートするのに用いることができる化合物であるとして選択するステップ
を含む、CD38の活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項9】
ステップ(i)および(ii)において、試験化合物または対照ビヒクルと接触させるべき細胞またはCD38タンパク質を、一続きの位置で提供する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
以下のステップ:
(i)CD38を発現する細胞を1,N6-エテノ-NADの存在下で試験化合物と接触させ、1,N6-エテノ-ADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照として、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38タンパク質を発現する細胞を、1,N6-エテノ-NADの存在下で対照ビヒクルと接触させ、1,N6-エテノ-ADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定した1,N6-エテノ-ADPRのレベルを、パート(ii)で測定した1,N6-エテノ-ADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定された1,N6-エテノ-ADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項10】
以下のステップ:
(i)CD38タンパク質を1,N6-エテノ-NADの存在下で試験化合物と接触させ、1,N6-エテノ-ADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照実験として、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38タンパク質を、1,N6-エテノ-NADの存在下で対照ビヒクルと接触させ、1,N6-エテノ-ADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定した1,N6-エテノ-ADPRのレベルを、パート(ii)で測定した1,N6-エテノ-ADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定された1,N6-エテノ-ADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項11】
ステップ(i)および(ii)において、試験化合物または対照ビヒクルと接触させるべき細胞またはCD38タンパク質を、一続きの位置で提供する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
一続きの位置がマルチウェルプレートにより提供される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
抗ADPR特異抗体がウェルの内側表面に結合し、該抗体に結合している1,N6-エテノ-ADPRのレベルを測定する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
マルチウェルプレートのウェルが、少なくとも1つのシステイン残基を含むアクセプタータンパク質でコーティングされており、該アクセプタータンパク質に結合している1,N6-エテノ-ADPRのレベルを測定する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
アクセプタータンパク質がウシのリゾチームである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後に、細胞をマルチウェルプレートの底部へと遠心分離し、遠心分離された細胞に結合している1,N6-エテノ-ADPRのレベルを測定する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
マルチウェルプレートのウェルが抗CD38抗体でコーティングされており、それによってSM38を固定化し、そしてステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後にプレートのウェルを洗浄し、固定化したSM38に結合している1,N6-エテノ-ADPRのレベルを測定する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
以下のステップ:
(i)CD38を発現する細胞を、放射標識した基質の存在下で試験化合物と接触させて、放射標識されたADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照として、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38タンパク質を発現する細胞を、放射標識した基質の存在下で対照ビヒクルと接触させ、放射標識されたADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定した放射標識されたADPRのレベルを、パート(ii)で測定した放射標識されたADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定された放射標識されたADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項19】
以下のステップ:
(i)CD38タンパク質を、放射標識した基質の存在下で試験化合物と接触させ、放射標識されたADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照として、パート(i)と本質的に同じ条件で、精製されたCD38タンパク質を、放射標識した基質の存在下で対照ビヒクルと接触させ、放射標識されたADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定した放射標識されたADPRのレベルを、パート(ii)で測定した放射標識されたADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定した放射標識されたADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項20】
放射標識した基質が、[14C-アデノシン]-NAD、[3H-アデノシン]-NAD、および[32P-アデノシン]-NADからなる群から選択される、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(i)および(ii)において、試験化合物または対照ビヒクルと接触させるべき細胞またはCD38タンパク質を、一続きの位置で提供する、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
一続きの位置がマルチウェルプレートにより提供される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
抗ADPR特異抗体がウェルの内側表面に結合し、該抗体に結合している放射標識されたADPRのレベルを測定する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
マルチウェルプレートのウェルが、少なくとも1つのシステイン残基を含むアクセプタータンパク質でコーティングされており、該アクセプタータンパク質に結合している放射標識したADPRのレベルを測定する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
アクセプタータンパク質がウシのリゾチームである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後に、細胞をマルチウェルプレートの底部へと遠心分離し、遠心分離された細胞に結合している放射標識したADPRのレベルを測定する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
マルチウェルプレートのウェルが抗CD38抗体でコーティングされており、それによってSM38を固定化し、そしてステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後にプレートのウェルを洗浄し、固定化したCD38に結合している放射標識されたADPRのレベルを測定する、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
以下のステップ:
(i)CD38を発現する細胞を、NAD+基質の存在下で試験化合物と接触させ、ADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照として、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38タンパク質を発現する細胞を、NAD+基質の存在下で対照ビヒクルと接触させ、ADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定したADPRのレベルを、パート(ii)で測定したADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定されたADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項29】
以下のステップ:
(i)CD38タンパク質を、NAD+基質の存在下で試験化合物と接触させ、ADPRの形成を測定するステップ、
(ii)対照として、パート(i)と本質的に同じ条件で、CD38タンパク質を、NAD+基質の存在下で対照ビヒクルと接触させ、ADPRの形成を測定するステップ、および
(iii)パート(i)で測定したADPRのレベルを、パート(ii)で測定したADPRのレベルと比較するステップ
を含み、試験化合物の存在下で測定したADPRのレベルにおける相違が、試験化合物がCD38モジュレーターであることを示す、CD38活性をモジュレートする化合物を同定するための方法。
【請求項30】
ステップ(i)および(ii)において、試験化合物または対照ビヒクルと接触させるべき細胞またはCD38タンパク質を、一続きの位置で提供する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
一続きの位置がマルチウェルプレートにより提供される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
抗ADPR特異抗体がウェルの内側表面に結合し、該抗体に結合しているcADPRのレベルを測定する、請求項12に記載の方法。
【請求項33】
ADPRのレベルを抗ADPR特異抗体を用いて測定する、請求項28または29に記載の方法。
【請求項34】
抗体が蛍光で標識されている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
マルチウェルプレートのウェルが、少なくとも1つのシステイン残基を含むアクセプタータンパク質でコーティングされており、該アクセプタータンパク質に結合しているcADPRのレベルを測定する、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
アクセプタータンパク質がウシのリゾチームである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後に、細胞をマルチウェルプレートの底部へと遠心分離し、遠心分離された細胞に結合しているcADPRのレベルを測定する、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
マルチウェルプレートのウェルが抗CD38抗体でコーティングされており、それによってSM38を固定化し、そしてステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後にプレートのウェルを洗浄し、固定化したSM38に結合しているcADPRのレベルを測定する、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
ステップ(i)およびステップ(ii)が完了した後に、細胞をマルチウェルプレートの底部へと遠心分離し、遠心分離された細胞に結合しているADPRのレベルを測定する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(i)および(ii)において化学誘引物質の存在をさらに含み、かつ前記のCD38を発現する細胞が化学誘引物質受容体を発現する、請求項10、18、および28に記載の方法。
【請求項41】
CD38を発現する細胞の遊走をモジュレートするための方法であって、前記細胞をCD38酵素活性のモジュレーターと接触させることを含む方法。
【請求項42】
前記細胞が、好中球、樹状細胞、好酸球、単球、およびT細胞からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(A)(C)】
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【図8(B)】
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【図8(D)】
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【図9(A)】
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【図9(B)(C)(E)(F)(G)】
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【図9(D)】
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【図10(A)(B)】
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【図10(C)(D)】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2008−530990(P2008−530990A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555367(P2007−555367)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/005314
【国際公開番号】WO2006/088951
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507274722)トリュデュ インスティチュート,インク. (1)
【出願人】(308006977)
【出願人】(308006988)
【出願人】(308006999)
【Fターム(参考)】