説明

CNT導電材料

【課題】要求ないし用途に応じた電気抵抗値を有するCNT導電材料を提供可能とすること。
【解決手段】本CNT導電材料1は、母材中に複数のCNTを高濃度で含むと共に、上記複数のCNTそれぞれの表面にアモルファスカーボン層や高分子材層等からなる抵抗付加材を設けた構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CNT(カーボンナノチューブ)を用いたCNT導電材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CNTは導電性を有するため、導電材料として使用することができる。また、このようなCNTの導電性を利用した導電シートも提案されている(例えば特許文献1、2、3等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−009077号公報
【特許文献2】特開2009−170828号公報
【特許文献2】特開2007−332271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CNT導電材料において、本発明で着目したのはCNT濃度と電気抵抗値との関係である。このCNT濃度−電気抵抗値関係を図7を参照して説明する。横軸はCNT濃度、縦軸は電気抵抗値を示す。ここでCNT濃度とは電気的絶縁性を有する母材に複数のCNTが占める量をいう。
【0005】
図7のCNT濃度−電気抵抗値特性図において、その横軸に示すようにCNT濃度は、電気抵抗値との関係で、低濃度領域、中間濃度領域、および高濃度領域の3段階に分けることができる。低濃度領域では、電気抵抗値が一定の高電気抵抗値を示す。中間濃度領域では、電気抵抗値が濃度変化で高低に急激変化する。高濃度領域では、電気抵抗値が一定の低電気抵抗値を示す。中間濃度領域においてCNT濃度の高低変化で電気抵抗値が大小に急激変化するのは、いわゆるパーコレーション現象により起きる。このような中間濃度領域で電気抵抗値を高精度に制御することは困難である。
【0006】
一方、CNT導電材料においては導電性、すなわち低電気抵抗値材料であることが求められるので、図7を参照してCNT導電材料中でのCNT濃度は高濃度領域となる。CNT濃度が高濃度の場合、電気抵抗値が低いがその高濃度領域内では図中実線aに沿ってほぼ一定であるので、この高濃度領域内で電気抵抗値を、例えば抵抗値小を示す実線aと抵抗値大を示す点線bとの間の矢印cの範囲(もちろん、抵抗値大は図解の一例)で高低に制御することは難しい。そのため、従来のCNT導電材料においては、高濃度領域において電気抵抗値を図7で示す実線aで示す一定値以上のCNT導電材料を得ることはできない。しかしながら、CNT導電材料の用途によってCNT濃度が高濃度領域で低い電気抵抗値を、例えば実線aと点線bとの間で種々に相違するCNT導電材料が要求されるようになっている。
【0007】
そこで、本発明により解決すべき課題は、上記要求ないし用途に応じた電気抵抗値を有するCNT導電材料を提供可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるCNT導電材料は、母材中に複数のCNTを高濃度に含むCNT導電材料であって、上記複数のCNTそれぞれの表面に抵抗付加材が全体的または部分的に設けられて、それらCNT同士の接触点での接触抵抗値が制御されている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明では、複数のCNTそれぞれの表面の抵抗付加材により、各CNTの表面が接触した際、その抵抗付加材が接触抵抗として抵抗値に付加されるので、全体の抵抗値が増加する。そして、この抵抗付加材の付加量を制御することで、その増加する抵抗値を設定でき、所望の抵抗値を有するCNT導電材料を得ることができるようになる。
【0010】
なお、高濃度領域において抵抗値制御をすることは、通常、導電フィラーを過量に添加することとなり、コストの面や物性低下の面から好ましくないが、本発明の場合、CNTを導電フィラーとして使用しているから、母材中にCNTを高濃度に含むとしても、一般のカーボンブラック等とは異なって、極めて少ない添加量にて導電性を向上させることができる。
【0011】
上記抵抗付加材は、CNT表面に堆積したアモルファスカーボン層により構成するか、もしくは、CNT表面をコーティングした高分子材により構成することが好ましい。
【0012】
炭素含有ガスを触媒金属に接触させて分解させることで当該触媒金属上にCNTを成長させる場合、上記炭素含有ガスの供給量増加に伴い炭素含有ガスの分解速度も速くなってCNTは成長するが、触媒金属の分解能力が限界になると、CNT表面にアモルファスカーボンが層状に堆積してくる。こうしてCNT表面に生成されたアモルファスカーボン層は高い抵抗値を呈する。そしてCNT表面のすべてがアモルファスカーボン層で被覆されるわけではなく、部分的にはCNT表面が露出する。このことから、アモルファスカーボン層のCNT表面での層厚などにより、CNT導電材料の導電性が制御される。また、高分子材も、同様に絶縁性を有するが、そのCNT表面でのコーティング量を制御することでCNT導電材料の導電性が制御される。
【発明の効果】
【0013】
本発明のCNT導電材料は、母材中に複数のCNTを電気抵抗値が一定の低い電気抵抗値を呈する高濃度で含むCNT導電材料であって、各CNTそれぞれの表面に抵抗付加材が設けてあるので、その抵抗付加材の量制御により、要求ないし用途に応じた電気抵抗値を有するCNT導電材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態にかかるCNT導電材料の断面構成を示す図であり、図1(b)は円内に当該CNT導電材料の一部を拡大して示す図である。
【図2】図2(a)は図1のCNTのTEM写真の複製図、図2(b)は図2(a)の模写図である。
【図3】図3(a)は横軸をCNT濃度、縦軸を電気抵抗値にとるCNTの濃度−電気抵抗値特性において、本発明のCNT導電材料の抵抗特性を示す図、図3(b1)はCNT濃度が低い場合のCNTの接触点の状態を示す図、図3(b2)はCNT濃度が高い場合のCNTの接触点の状態を示す図である。
【図4】図4は横軸を原料ガス供給量、縦軸を原料ガスの分解速度にとるCNT成長量とアモルファスカーボン堆積量とを示す図である。
【図5】図5はCNT導電材料の製造工程を示す図である。
【図6】図6は本発明の他の実施の形態にかかるCNT導電材料を構成するCNTの一部の断面構成を模式的に拡大して示す図である。
【図7】図7は横軸をCNT濃度、縦軸を電気抵抗値にとるCNTの濃度−電気抵抗値特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るCNT導電材料説明する。
【0016】
図1(a)(b)を参照して、実施の形態のCNT導電材料を説明する。図1(a)にCNT導電材料1の断面構成を模式的に示し、図1(b)に図1(a)の円A内を拡大して示す。これらの図では本発明の理解のためと図解の都合上、CNT導電材料1が内蔵するCNT2をそのサイズや数、長さ等を無視して誇張して図示している。このCNT2は多層CNTで示している。CNT導電材料1は、電気絶縁性の母材3中に複数のCNT2を高濃度に含む材料である。この高濃度とは、上述したように、CNT濃度を低濃度領域、中間濃度領域、および高濃度領域の3段階に分け、低濃度領域を電気抵抗値が一定で低い領域、中間濃度領域をわずかの濃度変化で電気抵抗値がパーコレーション現象により急変する領域、高濃度領域を電気抵抗値が一定で高い領域とした場合、その高濃度領域での濃度を言う。そして、CNT導電材料1は、それを構成する複数のCNT2の表面2aに抵抗付加材4を設けた構成となっている。CNT導電材料1は複数のCNT2の表面2a相互間で材料としての導電性を得るためのCNTネットワークを構築している。CNT導電材料1内での上記CNTネットワークは、複数のCNT2それぞれの表面2a同士の電気的かつ機械的接触により形成されるネットワークである。そして、CNT導電材料1全体の導電性は、複数のCNT2それ自体の電気抵抗値と、複数のCNT2の表面2a同士の接触点5での接触抵抗値とで定まってくる。抵抗付加材4は、CNT2の表面2aに設けられることで、上記接触抵抗値を高くすることで電気抵抗値の大きさ、すなわち導電性を制御することができる。
【0017】
CNTネットワークにおいては、CNT2の表面2a同士が直接的に接触する直接接触と、CNT2の表面2aが抵抗付加材4を介して接触する間接接触とがある。この間接接触による接触抵抗値は、抵抗付加材4の付加量、付加形態により定まる。
【0018】
そして図1(a)ではCNT2の接触点5においては、図1(b)で示すようにCNT2の表面2a同士が直接的に接触する直接接触と、CNT2の表面2aが抵抗付加材4を介して接触する間接接触とがあり、この接触状態により、電気抵抗値の大きさが決まるようになっている。図1(b)ではその直接接触を白抜きで、抵抗付加材4を介しての間接接触をハッチングで示す。抵抗付加材4はCNT2の表面2aすべてを覆ってもよいが、部分的に覆う状態としてその接触点5での接触抵抗を制御する。表面2aすべてを覆う場合では、抵抗付加材4それ自体の抵抗値を厚さで制御するか、あるいは形成状態で制御することができる。抵抗付加材4が電気的に絶縁材であれば、CNT2の表面2a全体を覆うのではなく、電気抵抗値に対応して部分的に覆うようにするとよい。また、電気的に半導電性であれば、CNT2の表面2a全体を覆うこともできる。そのため、抵抗付加材4を適宜選択することが好ましい。
【0019】
実施の形態では、一例として後述するように、この抵抗付加材4は例えばCNT2の表面2aに形成するアモルファスカーボンにより構成する。あるいはこの抵抗付加材4は例えばCNT2の表面2aの高分子材により構成する。アモルファスカーボンの場合、CNT2の生成の過程でCNT2それ自体の表面に形成することができ、また高分子材の場合は、CNT2の生成とは別途にその表面2aに形成することができる。
【0020】
なお、実施の形態におけるCNT2は、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒になったもの、または上記円筒の複数個から形成されたものであり、外径がnmオーダーの極めて微小な物質である。CNT2としては、通常のCNT、例えば、単層CNT、数層が同心円状に重なった多層CNT、これらがコイル状になったコイル状CNT、CNTの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーン、底の空いたコップを積み重ねたような形状であるカップスタック型CNT、CNTの類縁体であるフラーレン及びカーボンナノファイバーが挙げられる。これらの中で、単層CNT及び多層CNTが好ましい。CNTの製造方法としては、例えば、二酸化炭素の接触水素還元法、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)、等が挙げられる。
【0021】
図2を参照して抵抗付加材4の一例であるアモルファスカーボン層を説明する。図2(a)はCNT2のTEM写真の複製図であり、図2(b)はその写真の理解のため同写真上のCNT2を模写したものである。このCNT2は複数層2aからなる多層CNTであり、その表面には抵抗付加材4としてのアモルファスカーボン層が堆積している。説明の都合で抵抗付加材とアモルファスカーボン層とを同符号4で示す。アモルファスカーボン層4は、CNT2の表面2a全体を完全に覆うように堆積している場合もあれば、そうでない場合もあり、不均一かつ不定な膜厚で堆積していることが判る。そのため、CNT導電材料1における内部CNTネットワークでは、アモルファスカーボン層4が堆積していなくてCNT2の表面2a同士が直接的に接触する直接接触と、CNT2の表面2a同士がアモルファスカーボン層4を介して接触する間接接触とがある。この間接接触による接触抵抗値は、CNT2の表面2a同士の直接接触量、接触形態、アモルファスカーボン層4の層厚や、層形態、等により定まる。いずれにしても、アモルファスカーボン層4が最も接触抵抗値の大きさを左右し、かつ、CNT導電材料1全体の電気抵抗値に寄与する抵抗値要素である。したがって、アモルファスカーボン層4の層厚制御により、CNT導電材料1の電気抵抗値、すなわち、導電性を決めることができる。
【0022】
図3を参照して、アモルファスカーボン層4の層厚制御による電気抵抗値の変化を説明すると、図3(a)は、図7と同様、横軸にCNT濃度、縦軸に電気抵抗値をとるCNT濃度−電気抵抗値特性を示す。図3(b1)は、CNT2同士の接触点(図中、CNT同士の交点で示す黒丸箇所)が少なくCNTネットワーク形成が少ない状態、図3(b2)は、CNT濃度が高くなってCNT2同士の接触点が増加してCNTネットワークが十分に形成されている状態を示す。図3(a)において、図3(b1)のような低濃度領域、および図3(b2)のように高濃度領域に関しては上述したので、その説明は略する。図3(a)では、特性線R0,R1,R2を示す。特性線R0はアモルファスカーボン層4が無く、CNT2同士の直接接触だけの電気抵抗値の特性線を示す。特性線R1は、アモルファスカーボン層4がCNT2表面に第1層厚t1に生成された場合の特性線を示す。特性線R2は、アモルファスカーボン層4がCNT2表面に第2層厚t2(>t1)に生成された場合の特性線を示す。これら特性線R1,R2,R3から判るように、アモルファスカーボン層4の層が生成され厚くなるに従い、高濃度領域での電気抵抗値が矢印で示す方向に高くなっている。特に、アモルファスカーボン層4の層厚が厚くなっても、低濃度領域での電気抵抗値変化は少なく、また、中間濃度領域の勾配は若干緩和される。図3(a)から明らかであるように、アモルファスカーボン層4の層厚を厚く制御すると、高濃度領域全体でほぼ同様に電気抵抗値が高くなる。このことは、CNT濃度を高濃度領域内において同一に維持しても、濃度を変化させても、アモルファスカーボン層4の層厚を制御することで、容易に電気抵抗値を所望する値に制御することができ、それに応じたCNT導電材料1を得ることができる。
【0023】
図4を参照して、アモルファスカーボン層4の層厚制御について説明する。図4において横軸に原料ガス供給量、縦軸にそのガスの分解速度をとってCNT成長量、CNT表面でのアモルファスカーボン堆積量を示す。このアモルファスカーボン層4の生成においては、まず、化学的気相成長(CVD)法によりCNT2を成長させる。その成長のための原料ガスはアセチレン(C22)ガス等の炭素含有ガスである。基板表面上の触媒金属にこの炭素含有ガスが接触して分解すると、触媒金属上にCNTが成長する。炭素含有ガスの供給量に比例して炭素含有ガスが分解され、CNTが成長するが、この触媒金属が消費されてその触媒能力が限界にくると、CNTの成長は停止する。CNT成長特性線G1で示すように、炭素含有ガス供給量がP1に増加し炭素含有ガス分解速度がQ1に到達するまでは炭素含有ガス供給量に比例してCNT成長量は増加する。そして、炭素含有ガス供給量がP1に到達し、炭素含有ガス分解速度がQ1になると、CNT成長特性線G1で示すようにCNT成長は停止し、CNT表面にアモルファスカーボンが多く堆積してくるようになる。このアモルファスカーボンは、炭素含有ガス供給量がP1に達するまではその堆積は少ないが、このP1より増加してくると、それに比例してCNT表面に多く堆積してくる。このことにより、原料ガス供給量を制御することで、アモルファスカーボン量の堆積量すなわち、アモルファスカーボン層4の層厚を制御することができる。
【0024】
図5を参照してCNT導電材料1の製造方法を説明する。図5(a)で示すように、CNT分散溶液7を作製する。このCNT分散溶液7は、溶媒としての水と、CNT2と、分散剤とが混合してなる溶液である。このCNT分散溶液7において、図解のため、CNT7は符号をとって示すが、水と分散剤は符号をとっていない。この場合、分散剤は必ずしも必須ではなく、超音波照射及び機械的分散等で分散させてもよい。また、CNT分散溶液7は遠心分離機等でCNT2の凝集等の粗粒物が除去されている。CNT2は互いの分子間引力よりも互いの同じ表面電荷の斥力により安定的に均一分散することができるようになっている。
【0025】
次に図5(b)で示すように、CNT分散溶液7にゲル化剤を母材として混合して混合溶液8を作製する。この混合溶液8において、母材としては電気的絶縁性を有するゲル化剤であればよく、例えば、ゼラチン(コラーゲン)、寒天(アガロース)、カラギーナン(ガラクト−ス)、ペクチン(ガラクチュロン酸)、等を例示することができる。実施の形態ではゼラチンを選択している。
【0026】
なお、ゲル化剤にゼラチン(水系)に使用する場合、分散剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、ドデシルスルホン酸ナトリウム(SDS)、Triton X−100などを使用することができる。
【0027】
次に図5(c)で示すように、シャーレ等に混合溶液8を塗布して塗布液9を作製する。この塗布液9の塗布厚さは、シート厚さに対応して制御する。塗布方法は何でもよく、例えば、スピンコート法、キャスト法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。もちろん、CNT導電材料1の形状に応じて、図5(c)の工程は略することができる。この場合はCNT導電材料1をシート状に成形して導電シートとする場合である。
【0028】
そして、図5(d)で示すように、塗布液9を冷却固化し、図5(e)で示すように乾燥することで、シート状のCNT導電材料1を得ることができる。この図5(e)で示すCNT導電材料1は、図1で示すCNT導電材料1である。
【0029】
図6を参照して本発明の他の実施の形態にかかるCNT導電材料1を説明する。図6は、当該CNT導電材料1を構成するCNT2の一部の断面構成を模式的に拡大して示す。このCNT2の表面には抵抗付加材として高分子材層4が部分的に層状にコーティングされている。このコーティング形態において、CNT2の表面2aの一部は高分子材層4によりコーティングされずに露出している状態で示す。
【0030】
この高分子材層4を構成する高分子は、ポリビニルピロリドン、アミロース(澱粉)、DNA、キシラン等を例示することができる。この高分子材層4の層厚を制御することで、導電性を制御することができる。高分子は、絶縁性を有しているので、CNT導電材料1内のCNTネットワークにおいては、CNT2の表面同士が直接的に接触する直接接触量を、高分子の添加量制御で高分子材層4のコーティング状態を制御することで、電気抵抗値すなわち導電性を制御することができる。高分子材層4は、高分子がCNT2表面を層状にコーティングするような形態で形成される。このコーティング形態によりCNT2の表面2aの露出面積を制御し、これによりCNT2の表面同士が直接的に接触する直接接触面積を制御し、電気抵抗値を設定することができる。
【0031】
以上説明したように本実施の形態では、母材3中に複数のCNT2を電気抵抗値が一定の低い電気抵抗値を呈する高濃度で含むCNT導電材料であって、複数のCNT2それぞれの表面にアモルファスカーボン層、高分子材層からなる抵抗付加材4を設けた構成を有するので、所望の電気抵抗値を有するCNT導電材料を得ることができるようになる。
【符号の説明】
【0032】
1 CNT導電材料
2 CNT
3 母材
4 抵抗付加材(アモルファスカーボン層、高分子材層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材中に複数のCNTを高濃度に含むCNT導電材料であって、上記複数のCNTそれぞれの表面に抵抗付加材が全体的または部分的に設けられて、それらCNT同士の接触点での接触抵抗値が制御されている、ことを特徴とするCNT導電材料。
【請求項2】
上記抵抗付加材を、CNT表面に堆積したアモルファスカーボン層により構成した、ことを特徴とする請求項1に記載のCNT導電材料。
【請求項3】
上記抵抗付加材を、CNT表面をコーティングした高分子材層により構成した、ことを特徴とする請求項1に記載のCNT導電材料。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−76864(P2011−76864A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227147(P2009−227147)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】