説明

EL表示装置、EL表示装置の駆動方法及び電子機器

【課題】フレームシーケンシャル方式による立体表示を行うEL表示装置において、消費電力を低減する。
【解決手段】左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認するEL表示装置に関するものである。EL表示装置の表示部で表示する左目用画像または右目用画像は、第1の期間において信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、第2の期間において前記第1の容量素子に保持された前記画像信号を第2の容量素子に保持させて点灯制御トランジスタを流れる電流を制御し、第3の期間において駆動トランジスタを導通状態として発光素子の点灯を制御し、且つ信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。特に本発明は、EL表示装置、EL表示装置の駆動方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶表示装置に代表されるように、テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで、普及が進んでいる。今後は、より付加価値の高い製品が求められており開発が進められている。近年では、より臨場感のある画像を再現するため、立体表示を体験可能な表示装置の開発が進められている。
【0003】
立体表示を行う表示方式としては、左目で見る画像と右目で見る画像とを眼鏡を用いて分離して視認させる方式(画像分離方式ともいう)が、視野角を広くとることができるため、大画面での視聴に好適であるとされている。画像分離方式は、左目用の画像と右目用の画像とを用意し、視認者の左目で見る画像と右目でみる画像を、液晶によるシャッター、偏光フィルター、または分光フィルターを具備する眼鏡を用いて分離する方式である。
【0004】
なお、液晶によるシャッターを具備する眼鏡を用いた左右の画像の時間的な分離は、フレームシーケンシャル方式とも呼ばれる。フレームシーケンシャル方式による立体表示を行う表示装置としては、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−31523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
立体表示を行う表示装置として特許文献1に示すように液晶表示装置を用いる場合、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示を行う。このとき、液晶素子の応答速度が不十分であると、正常な表示が得られないといった問題がある。そのため表示装置の各画素が具備する表示素子としてEL素子による発光素子を用いることが考えられる。
【0007】
EL素子を用いたEL表示装置によりフレームシーケンシャル方式による立体表示を行う場合、図11(A)に示す左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置801及び左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡802を用いる。切替手段つき眼鏡802は、左目用画像と右目用画像の表示に同期して、液晶によるシャッターの透過または非透過を左目用眼鏡803A及び右目用眼鏡803Bとで切り替えて選択的に視認されるよう動作する。そして視認者は、左目に視認される左目用画像と右面に視認される右目用画像を結像することで立体画像を視認できる。
【0008】
EL素子を用いたEL表示装置の画素の回路図について図11(B)に示す。画素810は、選択トランジスタ811、駆動トランジスタ812、EL素子813、容量素子814を有する。図11(B)に示す画素810では、選択トランジスタ811のゲートに接続されたゲート線821の選択信号Selにより選択トランジスタが導通状態となり、信号線822の画像信号Sigを容量素子814で保持する。容量素子814で保持される画像信号Sigにより駆動トランジスタ812の導通状態が制御される。第1の電源線823の電位をVL1、第2の電源線824の電位をVL2とし、VL1>VL2のとき、駆動トランジスタ812のソースとドレインの間及びEL素子813の両端の電極間を第1の電源線823から第2の電源線824に向けて電流が流れることで発光素子が発光することとなる。
【0009】
図11(C)では、EL表示装置における左目用画像及び右目用画像の書き込み動作、及び切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡による切替についてのタイミングチャートについて示している。図11(C)では、左目用画像及び右目用画像の書き込み動作について、画素の1行目からm行目(mは2以上の自然数)の画素に画像信号を書き込む動作を矢印831で表している。矢印831は画素の1行目からm行目まで順に画像信号を書き込むのに一定の期間を要することを表している。
【0010】
なお図11(C)中、’B’は黒表示を行うための画像信号が書き込まれている期間、’L’は左目用画像の画像信号が書き込まれている期間、’R’は右目用画像の画像信号が書き込まれている期間を表している。また切替手段つき眼鏡について図11(C)では、左目用眼鏡及び右目用眼鏡がEL表示装置で表示する画像を透過とするか、非透過とするか、あるいは透過と非透過の切替期間であるか、について示している。
【0011】
また図11(C)では、左目用画像を表示する期間(左目用画像表示期間)と右目用画像を表示する期間(右目用画像表示期間)とで1フレーム期間を表している。立体表示を行う表示装置では、1フレーム期間を1秒間に60回以上とすることで動画表示のフリッカ等による画質の劣化を少なくすることができる。
【0012】
図11(C)で左目用画像表示期間及び右目用画像表示期間は、それぞれ第1の期間T1乃至第4の期間T4で構成している。第1の期間T1は、黒表示から’L’または’R’の画像信号を書き込む期間である。第2の期間T2は、’L’または’R’の画像信号による表示を保持する期間である。第3の期間T3は、’L’または’R’の画像信号による表示から黒表示の画像信号を書き込む期間である。第4の期間T4は、黒表示の画像信号による表示を保持する期間である。第3の期間T3及び第4の期間T4における黒表示の画像信号の書き込み及び黒表示は、左目用眼鏡及び右目用眼鏡での透過と非透過を切り替える間の切替期間において、左目用画像または右目用画像が視認されないようにするために行う。切替手段つき眼鏡の切替期間で左目用画像または右目用画像が視認されてしまうと、クロストークといった表示の不具合が生じてしまう。
【0013】
図11(A)乃至(C)に示した発光素子を画素に有するEL表示装置においてフレームシーケンシャル方式による立体表示を行うには、クロストークを抑制するための、黒表示している期間及び黒表示の画像信号を書き込む期間を設けることが必須となっている。その結果、画素に画像信号を書き込んで発光素子を点灯させる期間が短くなる。発光素子の点灯期間が短くなることによる輝度の低下を抑制するために、予め発光素子の輝度が大きくなるよう画像信号を補正することが考えられる。しかしながらそれではEL表示装置の消費電力が増大してしまう。特にEL表示装置の大画面化を実現する際には、前述の消費電力の増大が顕著になる。
【0014】
またEL表示装置の大画面化を実現する際には、特に画素数を増加させる場合、1行目からm行目まで順に黒表示の画像信号を書き込む期間が長くなるため、EL表示装置のさらなる輝度の低下が懸念される。またEL表示装置の大画面化を実現する際には、画素に設けるトランジスタの半導体層として非晶質シリコンを用いる際に電気的な特性が不足するため、多結晶シリコンを用いることが考えられる。しかしながら、多結晶シリコンを用いたトランジスタは、レーザー光を照射して結晶化する工程が必要なことからトランジスタ特性にバラツキが生じ、それがEL表示装置の表示に悪影響を与えることが問題となる。そのため、レーザー結晶化の工程が不要であり、且つ移動度等の電気的特性に優れた半導体層を有するトランジスタであることが求められる。
【0015】
そこで、本発明の一態様は、フレームシーケンシャル方式による立体表示を行うEL表示装置において、画素に画像信号を書き込んで発光素子を点灯させる期間が短くなることにより増加してしまう消費電力を低減することを課題の一とする。また本発明の一態様は、フレームシーケンシャル方式による立体表示を行うEL表示装置において、当該EL表示装置を大型化した際の画素に設けるトランジスタ間のトランジスタ特性のバラツキを低減し、画質特性に優れたEL表示装置とすることを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認するEL表示装置に関するものである。EL表示装置の表示部で表示する左目用画像または右目用画像は、第1の期間において信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、第2の期間において第1の容量素子に保持された画像信号を第2の容量素子に保持させて第3トランジスタを流れる電流を制御し、第3の期間において第4トランジスタを導通状態として発光素子の点灯を制御し、且つ信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させるものである。
【0017】
本発明の一態様は、ゲートが走査線に電気的に接続され、第1端子が信号線に電気的に接続され、第2端子が第1の容量素子に電気的に接続され、走査線の信号に応じて信号線に供給される画像信号を第1の容量素子に保持させる第1トランジスタと、ゲートが第1の制御線に電気的に接続され、第1端子が第1の容量素子に電気的に接続され、第2端子が第2の容量素子に電気的に接続され、第1の容量素子に保持された画像信号を第2の容量素子に保持させる第2トランジスタと、ゲートが第2の容量素子の一方の電極に電気的に接続され、第1端子が第1の電源線に電気的に接続され、第2の容量素子の保持された画像信号に応じて第2端子に電流を流す第3トランジスタと、ゲートが第2の制御線に電気的に接続され、第1端子が第3トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第3トランジスタを流れる電流を第2端子に流す第4トランジスタと、第1電極が第4トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2電極が第2の電源線に電気的に接続され、第3トランジスタ及び第4トランジスタを流れる電流に応じて発光する発光素子と、を有するEL表示装置である。
【0018】
本発明の一態様において、第1の容量素子の静電容量は、第2の容量素子の静電容量よりも大きいEL表示装置でもよい。
【0019】
本発明の一態様において、第1トランジスタ乃至第4トランジスタの半導体層は、酸化物半導体であるEL表示装置でもよい。
【0020】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できるEL表示装置の駆動方法において、第1の期間において走査線の選択信号により第1トランジスタを導通状態として信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、第2の期間において第1の容量素子に保持された画像信号を、第1の制御信号により第2トランジスタを導通状態として第2の容量素子に保持させ、第2の容量素子に保持された画像信号に応じて第3トランジスタの第1端子と第2端子との間を流れる電流を制御し、第3の期間において、電流を第2の制御信号により第4トランジスタを導通状態として発光素子に流し発光素子の点灯を制御すること、により左目用画像及び右目用画像の表示が行われるEL表示装置の駆動方法である。
【0021】
本発明の一態様は、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、左目用画像または右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できるEL表示装置の駆動方法において、第1の期間において走査線の選択信号により第1トランジスタを導通状態として信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、第2の期間において第1の容量素子に保持された画像信号を、第1の制御信号により第2トランジスタを導通状態として第2の容量素子に保持させ、第2の容量素子に保持された画像信号に応じて第3トランジスタの第1端子と第2端子との間を流れる電流を制御し、第3の期間において、電流を第2の制御信号により第4トランジスタを導通状態として発光素子に流し発光素子の点灯を制御し、且つ点灯をしながら第1の期間における走査線の選択信号により第1トランジスタを導通状態として信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させること、により左目用画像及び右目用画像の表示が行われるEL表示装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0022】
フレームシーケンシャル方式による立体表示を行うEL表示装置において、画素に画像信号を書き込んで発光素子を点灯させる期間が短くなることにより増加してしまう消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一態様を説明するためのブロック図及び回路図。
【図2】本発明の一態様を説明するための回路図。
【図3】本発明の一態様を説明するための外観図及びブロック図。
【図4】本発明の一態様を説明するためのタイミングチャート図。
【図5】本発明の一態様を説明するための回路図。
【図6】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図7】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図8】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図9】本発明の一態様を説明するための断面図。
【図10】本発明の一態様を説明するための図。
【図11】本発明の課題を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0025】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、又は信号波形は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0026】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。なお自然数は、特に断りのない限り、1以上として説明する。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様のEL表示装置の構成及び動作について図1乃至図5を参照して説明する。
【0028】
図1(A)は、EL表示装置の構成を表すブロック図である。図1(A)に示すEL表示装置は、画素部10と、走査線駆動回路11と、信号線駆動回路12と、表示制御回路18と、電源回路21と、を有する。画素部10には、走査線駆動回路11より延在して設けられ、当該走査線駆動回路11によって電位が制御される複数の走査線13が設けられている。また画素部10には、信号線駆動回路12より延在して設けられ、当該信号線駆動回路12によって電位が制御される複数の信号線14が設けられている。また画素部10には、電源回路21より延在して設けられ、当該電源回路21によって一定の電位が供給される第1の電源線19及び第2の電源線20が設けられている。また画素部10には、表示制御回路18より延在して設けられ、当該表示制御回路18によって電位が制御される第1の制御線16及び第2の制御線17が設けられている。また画素部10にはマトリクス状に設けられた複数の画素15を有する。
【0029】
図1(A)で画素部10には、複数の画素15がマトリクス状に配置(ストライプ配置)する例について示している。なお、画素15は必ずしもマトリクス状に配置されている必要はなく、例えば、画素15をデルタ配置、またはベイヤー配置としてもよい。なお、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青)の三色に限定されず、それ以上でもよく、例えば、RGBW(Wは白)、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタなどを一色以上追加したものなどがある。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。
【0030】
図1(B)は、図1(A)に示すEL表示装置が有する画素15の回路図の一例を示す図である。図1(B)に示す画素15は、第1トランジスタ101、第2トランジスタ102、第3トランジスタ103、第4トランジスタ104、発光素子105、第1の容量素子106、及び第2の容量素子107を有する。
【0031】
図1(B)に示す画素15で第1トランジスタ101は、ゲートが走査線13に接続され、ソース及びドレインの一方(第1端子という)が信号線14に接続され、ソース及びドレインの他方(第2端子という)が第2トランジスタ102の第1端子及び第1の容量素子106の一方の電極に接続されている。第1トランジスタ101は、走査線13に供給される選択信号Selにより第1端子と第2端子との間の導通状態が制御される。すなわち第1トランジスタ101は、選択信号Selによりオンまたはオフになるスイッチとして機能する。選択信号Selによって第1トランジスタ101が導通状態となることで信号線14に供給される画像信号の電位Sigが第1の容量素子106に保持されることとなる。
【0032】
図1(B)に示す画素15で第2トランジスタ102は、ゲートが第1の制御線16に接続され、第1端子が第1トランジスタ101の第2端子及び第1の容量素子106の一方の電極に接続され、第2端子が第3トランジスタ103のゲート及び第2の容量素子107の一方の電極に接続されている。第2トランジスタ102は、第1の制御線16に供給される第1の制御信号Tra(転送制御信号ともいう)により第1端子と第2端子との間の導通状態が制御される。すなわち第2トランジスタ102は、第1の制御信号Traによりオンまたはオフになるスイッチとして機能する。第1の制御信号Traによって第2トランジスタ102が導通状態となることで第1の容量素子106に保持された画像信号の電位Sigが第2の容量素子107に転送されて保持されることとなる。
【0033】
図1(B)に示す画素15で第3トランジスタ103は、ゲートが第2トランジスタの第2端子及び第2の容量素子107の一方の電極に接続され、第1端子が第1の電源線19に接続され、第2端子が第4トランジスタ104の第1端子に接続されている。第3トランジスタ103は、第2の容量素子107に保持される電位に応じて、第1端子と第2端子との間に流す電流量を制御する。すなわち第3トランジスタ103は、第2の容量素子107に保持される電位により第1端子と第2端子との間の電流量を調節する電流源として機能する。
【0034】
図1(B)に示す画素15で第4トランジスタ104は、ゲートが第2の制御線17に接続され、第1端子が第3トランジスタ103の第2端子に接続され、第2端子が発光素子105の一方の電極に接続されている。第4トランジスタ104は、第2の制御線17に供給される第2の制御信号EN(発光制御信号ともいう)により第1端子と第2端子との間の導通状態が制御される。すなわち第4トランジスタ104は、第2の制御信号ENによりオンまたはオフになるスイッチとして機能する。
【0035】
図1(B)に示す画素15で発光素子105は、一方の電極が第4トランジスタ104の第2端子に接続され、他方の電極が第2の電源線20に接続される。第3トランジスタ103の第1端子と第2端子との間に発光素子105を発光させるための電流が流れ、且つ第4トランジスタ104が導通状態である際に、発光素子105が発光することとなる。第3トランジスタ103が電流源として機能し、且つ第4トランジスタ104がスイッチとして機能することで、発光素子105の所望の輝度での発光または非発光を制御することができる。なお図1(B)で示した第3トランジスタ103、第4トランジスタ104及び発光素子105の接続順序は、第1の電源線19と第2の電源線20との間で入れ替えて設ける構成とすることも可能である。
【0036】
第1の容量素子106は、一方の電極が第1トランジスタ101の第2端子及び第2トランジスタ102の第1端子に接続され、他方の電極が第1の電源線19に接続される。また第2の容量素子107は、一方の電極が第2トランジスタ102の第2端子及び第3トランジスタ103のゲートに接続され、他方の電極が第1の電源線19に接続される。
【0037】
表示制御回路18は、EL表示装置の外部より供給される画像信号を元に、画素部10での表示を行うための各種信号を生成するための回路である。表示制御回路18では、前述の第1の制御信号Tra、第2の制御信号ENの他、走査線駆動回路11及び信号線駆動回路12を駆動するためのクロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を生成する回路となる。
【0038】
電源回路21は、第1の電源線19及び第2の電源線20に供給する電位に限らず、EL表示装置で必要な複数の電位を生成するための回路である。電源回路21では固定電源の電位を元に複数の電位を生成する構成とすればよい。なお各画素に電源を供給する第1の電源線19は、発光素子の駆動電圧が色要素毎に異なる場合、色毎に異なる電源電圧が供給される構成としてもよい。
【0039】
なお、AとBとが接続されている、と明示的に記載する場合は、AとBとが電気的に接続されている場合と、AとBとが機能的に接続されている場合と、AとBとが直接接続されている場合とを含むものとする。
【0040】
なお画像信号の電位Sigが保持される第1の容量素子106の静電容量は、第1の容量素子106の電位が転送されて保持される第2の容量素子107の静電容量よりも大きくしておくことが好ましい。第2の容量素子107に保持される電位は、第2トランジスタ102が導通状態となった際の第1の容量素子106の静電容量と第2の容量素子107の静電容量との和による静電容量で見積もられることとなる。従って予め第1の容量素子106の静電容量の大きさを第2の容量素子107の静電容量の大きさの10倍以上としておくことが好ましい。第1の容量素子106の静電容量の大きさを第2の容量素子107の静電容量の大きさの10倍以上とすることで、第2の容量素子107に保持される電位と第1の容量素子106に保持される電位との変化を低減することができる。
【0041】
なお第1の容量素子106及び第2の容量素子107は、他方の電極が第1の電源線19に接続される構成を示しているが他の構成でもよい。例えば、第1の電源線19以外の別の配線との間に容量素子を配置してもよい。なお別の配線とは、容量素子を形成するために設けられた配線、または前段の画素に接続されるゲート線のことをいう。
【0042】
なお本実施の形態の構成では図1(B)の回路構成において、第1の電源線19の電位をVL1及び第2の電源線20の電位をVL2とすると、VL1>VL2として説明を行う。従って第3トランジスタ103及び第4トランジスタ104のソースとドレインとの間が導通状態であるとき、発光素子105では第1の電源線19から第2の電源線20の方に電流が流れる。発光素子105は当該発光素子105を流れる電流の大きさに応じて発光する。なお第1の電源線19の電位及び第2の電源線20の電位を、VL2>VL1としてもよく、この場合発光素子105の積層順序を逆にすればよい。
【0043】
なお、本明細書における第1トランジスタ101乃至第4トランジスタ104は酸化物半導体を半導体層に有するトランジスタである。具体的には、Zn−Oを含む酸化物半導体を用いて半導体層を形成すればよく、この場合トランジスタの導電型はnチャネル型となる。本明細書においては図1(B)に示す回路図が酸化物半導体を半導体層に有するトランジスタであると明確に判別できるよう、図2に示すように酸化物半導体を半導体層に有するトランジスタの記号には「OS」と記載することもある。
【0044】
酸化物半導体を半導体層に有する第1トランジスタ101乃至第4トランジスタ104は、作製工程において酸化物半導体中の水素を十分に低減するような工程を経ることにより、非導通状態(オフ状態ともいう)のトランジスタにおいて流れる電流であるオフ電流を極めて小さくできる。従って第1トランジスタ101と第2トランジスタ102との間に設けられる第1の容量素子106、第2トランジスタ102と第3トランジスタ103のゲートとの間に設けられる第2の容量素子107では、一定期間供給された画像信号を保持することができる。
【0045】
なお酸化物半導体膜中の水素の濃度が5×1019/cm以下、特に5×1018/cm以下であることが望ましい。酸化物半導体中の水素を十分に低減することで、トランジスタの閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等がなく、またレーザー結晶化の工程が不要であり、電気的特性に優れた半導体層を有するトランジスタ特性とすることができる。
【0046】
次いで図3(A)では、左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置201と、左目用画像または右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡202と、により立体画像を視認する際の外観図について示している。切替手段つき眼鏡202は、左目用眼鏡203Aと右目用眼鏡203Bに設けられているシャッターが交互に開閉する。シャッターの開閉に同期して、左目用画像と右目用画像とが交互にEL表示装置201に表示されることによって、視認者がEL表示装置201の画像を立体映像として認識することができる。
【0047】
切替手段つき眼鏡202の左目用眼鏡203Aと右目用眼鏡203Bに設けられるシャッターは、一例として液晶材料を電極で挟持した液晶素子を用いて構成すればよい。なお左目用眼鏡203Aまたは右目用眼鏡203Bのシャッターを開くことによって、EL表示装置201で表示されている画像が視認者の左目または右目に導かれることとなる。またシャッターを閉じることによって、EL表示装置201で表示されている画像が視認者の左目または右目より遮断することとなる。
【0048】
なお図3(A)では、EL表示装置201と切替手段つき眼鏡202との電気的な接続手段を特に図示していないが、例えばケーブル、または無線信号によって、EL表示装置201と切替手段つき眼鏡202との間の信号の同期を図る構成としてもよい。
【0049】
EL表示装置201と切替手段つき眼鏡202の主要な構成についてのブロック図を図3(B)に示す。
【0050】
図3(B)には図3(A)に対応させて、EL表示装置201及び切替手段つき眼鏡202のブロック図を示している。図3(B)においてEL表示装置201は、表示制御回路18、画素部10、走査線駆動回路11、信号線駆動回路12、切替手段つき眼鏡制御回路204を有するブロック図を示している。また図3(B)において切替手段つき眼鏡202は、左目用眼鏡203A、右目用眼鏡203Bを有するブロック図を示している。
【0051】
表示制御回路18は、EL表示装置の外部より供給される画像信号dataを元に、第1の制御信号Tra、第2の制御信号ENの他、走査線駆動回路11及び信号線駆動回路12を駆動するためのクロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を生成する回路となる。
【0052】
切替手段つき眼鏡制御回路204は、EL表示装置の外部より供給される画像信号dataを元に、切替手段つき眼鏡202の左目用眼鏡203A及び右目用眼鏡203Bのシャッター開閉動作を画素部10で表示される左目用画像及び右目用画像との同期を取って駆動するための制御を行う回路である。なおEL表示装置201と切替手段つき眼鏡202との電気的な接続手段を特に図示していないが、例えばEL表示装置201と切替手段つき眼鏡制御回路204との間の信号はケーブル、または無線信号によって双方向に通信する。
【0053】
なお図3(B)では、走査線駆動回路11、信号線駆動回路12が画素部10と同じ基板上に設けられる構成について示したが、走査線駆動回路11または信号線駆動回路12のいずれか一が画素部10と同じ基板上に設けられる構成としてもよい。また画素部10のみを基板上に設ける構成としても良い。
【0054】
次いで図4及び図5を用いて、EL表示装置における左目用画像及び右目用画像の書き込み動作、切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡による切替動作、画素内の第1トランジスタ101乃至第4トランジスタ104の導通状態について説明する。図4では、EL表示装置における左目用画像及び右目用画像の書き込み動作、切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡による切替動作、第1の制御信号Tra、及び第2の制御信号ENのタイミングチャートについて示している。図5(A)乃至(D)では、図4のタイミングチャート内で示す各期間での画素における各トランジスタの導通状態及び電流の流れについて可視化して示したものである。
【0055】
なお図4では、左目用画像及び右目用画像の書き込み動作について、画素の1行目からm行目(mは2以上の自然数)の画素に画像信号を書き込む動作を矢印221で表している。矢印221は画素の1行目からm行目まで順に画像信号を書き込むのに一定の期間を要することを表している。
【0056】
なお図4中、’B’は黒表示を行うための画像信号が書き込まれている期間、’L’は左目用画像の画像信号が書き込まれている期間、’R’は右目用画像の画像信号が書き込まれている期間を表している。また切替手段つき眼鏡について図4では、左目用眼鏡及び右目用眼鏡がEL表示装置で表示する画像を透過とするか、非透過とするか、あるいは透過と非透過の切替期間であるか、について示している。
【0057】
また図4では、左目用画像を表示する期間(左目用画像表示期間)及び右目用画像を表示する期間(右目用画像表示期間)を1フレーム期間として表している。立体表示を行う表示装置では、1フレーム期間を1秒間に60回以上とすることで動画表示のフリッカ等による画質の劣化を少なくすることができる。
【0058】
図4で左目用画像表示期間及び右目用画像表示期間は、それぞれ第1の期間T1乃至第3の期間T3で構成している。
【0059】
第1の期間T1は、信号線に供給される’L’または’R’の画像信号の電位を第1の容量素子に保持する期間であると共に、前の期間に第2の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位に応じて発光素子に電流Idataを流す期間である。また第1の期間T1では、前の期間に第2の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位に応じて切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡が、透過または非透過となる期間である。また第1の期間T1では、第1の制御信号TraをLレベルの電位として第2トランジスタを非導通状態とし、第2の制御信号ENをHレベルの電位として第4トランジスタを導通状態とする期間である。従って発光素子が発光状態となる期間となる。
【0060】
なお図5(A)では第1の期間T1での各トランジスタの導通状態及び電流の流れについて可視化して示している。図5(A)に示す第1の期間T1では、走査線の選択信号Selにより第1トランジスタがオンになり、第1の容量素子に画像信号Vが保持される。また前の期間に画像信号Vが第2の容量素子に保持されている。そして第2トランジスタがオフ、第4トランジスタがオンであることで、画像信号Vに応じた電流Idataが第3トランジスタ、第4トランジスタ及び発光素子に流れる。
【0061】
第2の期間T2は、第1の期間T1で第1の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位を第2の容量素子に保持させるとともに、発光素子を非発光とする期間である。また第2の期間T2では、切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡の透過または非透過を第1の期間の状態から切り替えるための切替期間となる。また第2の期間T2では、第1の制御信号TraをHレベルの電位として第2トランジスタを導通状態とし、第2の制御信号ENをLレベルの電位として第4トランジスタを非導通状態とする期間である。従って発光素子が非発光状態となる期間となる。
【0062】
なお図5(B)では第2の期間T2での各トランジスタの導通状態及び電流の流れについて可視化して示している。図5(B)に示す第2の期間T2では、第1の制御信号Traにより第2トランジスタがオンになり、第1の容量素子に保持された画像信号Vが第2の容量素子に転送され保持される。このとき第4トランジスタがオフであることで、画像信号Vに応じた電流Idataは、第4トランジスタ及び発光素子には流れない。
【0063】
第3の期間T3は、第2の期間T2で第2の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位に応じて発光素子に電流Idataを流す期間である。また第3の期間T3では、第2の期間T2で第2の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位に応じて切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡が、透過または非透過となる期間である。また第3の期間T3では、第1の制御信号TraをLレベルの電位として第2トランジスタを非導通状態とし、第2の制御信号ENをHレベルの電位として第4トランジスタを導通状態とする期間である。従って発光素子が発光状態となる期間となる。
【0064】
なお図5(C)では第3の期間T3での各トランジスタの導通状態及び電流の流れについて可視化して示している。図5(C)に示す第3の期間T3では、第1の容量素子及び第2の容量素子に画像信号Vが保持されている。そして第2トランジスタがオフ、第4トランジスタがオンであることで、画像信号Vに応じた電流Idataが第3トランジスタ、第4トランジスタ及び発光素子に流れる。
【0065】
また第1の期間T1は、図4に示すように第3の期間T3と重畳して行うことが可能である。具体的には第3の期間T3で行われる第2の容量素子に保持された’L’または’R’の画像信号の電位に応じて発光素子に電流Idataを流す動作と共に、信号線に供給される’L’または’R’の画像信号の電位を第1の容量素子に保持する。従って第1の期間T1と第3の期間T3での切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡は、同じ動作となる。同様に第1の期間T1と第3の期間T3とでは、第1の制御信号Tra及び第2の制御信号ENは同じ動作となる。従って発光素子が発光状態となる期間となる。
【0066】
なお図5(D)では図5(C)で示した第3の期間T3と重畳して行うことのできる第1の期間T1での各トランジスタの導通状態及び電流の流れについて可視化して示している。図5(D)に示す第1の期間T1では、走査線の選択信号Selにより第1トランジスタがオンになり、第1の容量素子に画像信号Vが保持される。また前の期間である図5(C)で示した第3の期間T3で画像信号Vが第2の容量素子に保持されている。そして第2トランジスタがオフ、第4トランジスタがオンであることで、画像信号Vに応じた電流Idataが第3トランジスタ、第4トランジスタ及び発光素子に流れる。
【0067】
なお画像信号の電位が保持される第1の容量素子及び第2の容量素子では、各トランジスタのオン又はオフの切替によって転送する画像信号の電位が変動することが考えられる。この場合、予め第1の容量素子の静電容量の大きさを第2の容量素子の静電容量の大きさの10倍以上として、電位の変化を低減することが望ましい。
【0068】
なお第1の容量素子及び第2の容量素子に電位を一定期間保持する場合、第1トランジスタ及び第2トランジスタの第1端子と第2端子との間をリークする電流による電位の経時的な変化は、酸化物半導体を半導体層に有するトランジスタとすることで低減することができる。すなわち、第1の容量素子及び第2の容量素子に電位を保持することができる。上述のように、酸化物半導体を半導体層に有するトランジスタは、作製工程において酸化物半導体中の水素を十分に低減するような工程を経ることにより、非導通状態(オフ状態ともいう)のトランジスタにおいて流れる電流であるオフ電流を極めて小さくできる。
【0069】
図1乃至図5で説明したよう本実施の形態の構成では、クロストークを抑制するための黒表示の画像信号の書き込みをなくすことができる。そして切替手段つき眼鏡の左目用眼鏡及び右目用眼鏡の切替期間は、第1の容量素子に保持された画像信号の電位を第2の容量素子に転送する期間に行うことができる。当該画像信号を転送する期間では、順次黒表示とする画像信号を書き込んでいって切替手段つき眼鏡の切替期間を設ける構成と異なり、黒表示の画像信号を書き込むことなく一斉に全ての画素を黒表示とすることができる。そのためEL表示装置の輝度の低下を抑制することができる。特にEL表示装置を大画面化した際には、1行目からm行目まで順次黒表示を行うための画像信号を書き込む際に時間を要するのに対して、本発明の構成では、一旦書き込んだ画像信号を一斉に転送する期間のみ、発光素子を非発光状態とすることができるため、EL表示装置の輝度の低下を抑制することができる。その結果EL表示装置の輝度を高めるため分の消費電力の増加を抑制し、EL表示装置の消費電力の低減することができる。
【0070】
また本実施の形態の構成では、画素内で画像信号の転送を行うために各画素内に予め画像信号を書き込んでおく必要がある。上記説明したように本実施の形態の構成では、発光素子を発光させている期間において、次の期間の画像信号を画素に書き込むことができる。そして本発明の一態様では酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを画素のトランジスタに用いることで、第1の容量素子及び第2の容量素子に保持した画像信号の電位がリークすることを低減できる。従ってメモリ回路等を設けるといった複雑な回路構成とすることなく、当該回路動作を実現することができる。
【0071】
以上説明したように本発明の一形態によれば、フレームシーケンシャル方式による立体表示を行うEL表示装置において、クロストークを抑制するための黒表示の画像信号の書き込みをなくし、発光素子の点灯期間が短くなることによる分の消費電力の増加を抑制することができる。
【0072】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0073】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したEL表示装置の各画素が具備する発光素子の構成について説明する。
【0074】
図6は、薄膜トランジスタに接続された発光素子の断面構造の一形態について示したものである。発光素子は、第1電極511、発光層を有するEL層513、第2電極514が順に積層して設けられている。第1電極511または第2電極514の一方は陽極として機能し、他方は陰極として機能する。発光素子は、陽極から注入される正孔及び陰極から注入される電子がEL層に含まれる発光層で再結合して、発光する。発光素子の第1電極511は、基板503上に形成された薄膜トランジスタ501に接続する。また、薄膜トランジスタ501のソース又はドレインとなる電極及び第1電極511を覆うように隔壁502が設けられる。また、第1電極511上の隔壁502の開口部に、EL層513が設けられ、EL層513や隔壁502を覆うように第2電極514が設けられる。
【0075】
第1電極511または第2電極514は、金属、合金、または電気伝導性化合物を用いて形成する。
【0076】
例えば、第1電極511または第2電極514は、仕事関数の大きい(仕事関数が4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物などを用いることできる。代表的には、酸化インジウム−酸化スズ(Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等の透光性を有する導電性金属酸化物層がある。
【0077】
また、第1電極511または第2電極514は、仕事関数の小さい(代表的には、仕事関数が3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物などを用いることができる。代表的には、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウムやセシウム等のアルカリ金属、およびマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(アルミニウム、マグネシウムと銀との合金、アルミニウムとリチウムの合金)、ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属およびこれらを含む合金等がある。
【0078】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む合金は、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成する。また、銀ペーストなどをインクジェット法により吐出し焼成して形成することも可能である。また、第1電極511および第2電極514は、単層に限らず、積層して形成することもできる。
【0079】
なお、EL層513で発光する光を外部に取り出すため、第1電極511または第2電極514のいずれか一方或いは両方を、EL層513からの発光を透過するように形成する。第1電極511のみが透光性を有する電極である場合、光は、矢印方向500に示すように第1電極511を通って、信号線から入力されるビデオ信号に応じた輝度で基板503側から取り出される。また、第2電極514のみが透光性を有する電極である場合、光は第2電極514を通って信号線から入力されるビデオ信号に応じた輝度で封止基板516側から取り出される。第1電極511および第2電極514がいずれも透光性を有する電極である場合、光は第1電極511および第2電極514を通って、信号線から入力されるビデオ信号に応じた輝度で基板503側及び封止基板516の両方から取り出される。
【0080】
透光性を有する電極は、例えば、透光性を有する導電性金属酸化物を用いて形成するか、或いは、銀、アルミニウム等を数nm乃至数十nmの厚さとなるように形成する。また、膜厚を薄くした銀、アルミニウムなどの金属層と、透光性を有する導電性金属酸化物層との積層構造とすることもできる。
【0081】
陽極として機能する第1電極511または第2電極514の一方は、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物などを用いることが好ましい。また、陰極として機能する第1電極511または第2電極514の他方は、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物などを用いることが好ましい。代表的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む合金や化合物、並びに希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができる。
【0082】
EL層513は、発光層を有する。また、EL層513は、発光層のほかに、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層を有してもよい。正孔輸送層は、陽極と発光層の間に設けられる。また、正孔注入層は陽極と発光層との間、或いは陽極と正孔輸送層との間に設けられる。一方、電子輸送層は、陰極と発光層との間に設けられる。電子注入層は陰極と発光層との間、或いは陰極と電子輸送層との間に設けられる。なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層は全ての層を設ける必要はなく、適宜求める機能等に応じて選択して設ければよい。
【0083】
発光層は発光性の物質を含む。発光性の物質としては、例えば、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。
【0084】
また、発光層は、発光性の物質をホスト材料に分散して形成できる。発光性の物質をホスト材料に分散して発光層を形成すると、発光物質同士が消光反応を引き起こす濃度消光現象や、結晶化現象を抑制できる。
【0085】
発光性の物質が蛍光性化合物の場合には、ホスト材料に蛍光性化合物よりも一重項励起エネルギー(基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差)が大きい物質を用いることが好ましい。また、燐光性化合物の場合には、ホスト材料に燐光性化合物よりも三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)が大きい物質を用いることが好ましい。
【0086】
また、ホスト材料に分散する発光性の物質としては、上述した燐光性化合物や蛍光性化合物を用いることができる。
【0087】
なお、発光層として、2種類以上のホスト材料と発光性の物質を用いてもよいし、2種類以上の発光性の物質とホスト材料を用いてもよい。また、2種類以上のホスト材料及び2種類以上の発光性の物質を用いてもよい。
【0088】
また、正孔注入層として、正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質を含む層を用いることができる。正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質とを含む層は、キャリア密度が高く、正孔注入性に優れている。また、正孔輸送性の高い物質と電子受容性を示す物質とを含む層を、陽極として機能する電極に接する正孔注入層として用いることにより、陽極として機能する電極材料の仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。
【0089】
発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層及び電子注入層は、蒸着法、塗布法等により形成することができる。
【0090】
また、第2電極514及び隔壁502上にパッシベーション層515をスパッタリング法やCVD法により形成してもよい。パッシベーション層515を設けることで、外部から発光素子への水分や酸素の侵入による発光素子の劣化を低減することができる。さらには、パッシベーション層515及び封止基板516の空間に窒素を封入し、さらに乾燥剤を配置してもよい。または、パッシベーション層515及び封止基板516の間を、透光性を有し、且つ吸水性の高い有機樹脂で充填してもよい。
【0091】
発光素子が白色の発光を示す場合、カラーフィルター、又は色変換層などを、基板503または封止基板516に設けることによってフルカラー表示を行なうことができる。
【0092】
またコントラストを高めるため、基板503または封止基板516に偏光板又は円偏光板を設けてもよい。
【0093】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0094】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したEL表示装置におけるトランジスタの構成について説明する。
【0095】
トランジスタの構造の一例として、酸化物半導体でなる半導体層(酸化物半導体層)を有するトランジスタの構造について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、トランジスタの断面模式図である。
【0096】
図7(A)に示すトランジスタは、ボトムゲート構造を有するトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0097】
図7(A)に示すトランジスタは、基板710の上に設けられた導電層711と、導電層711の上に設けられた絶縁層712と、絶縁層712を挟んで導電層711の上に設けられた酸化物半導体層713と、酸化物半導体層713の一部の上にそれぞれ設けられた導電層715及び導電層716と、を有している。
【0098】
また、図7(A)に、トランジスタの酸化物半導体層713の他の一部(導電層715及び導電層716が設けられていない部分)に接する酸化物絶縁層717と、酸化物絶縁層717の上に設けられた保護絶縁層719を示す。
【0099】
図7(B)に示すトランジスタは、ボトムゲート構造を有するトランジスタの一つであるチャネル保護型(チャネルストップ型ともいう。)トランジスタであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0100】
図7(B)に示すトランジスタは、基板720の上に設けられた導電層721と、導電層721の上に設けられた絶縁層722と、絶縁層722を挟んで導電層721の上に設けられた酸化物半導体層723と、絶縁層722及び酸化物半導体層723を挟んで導電層721の上に設けられた絶縁層727と、酸化物半導体層723の一部の上及び絶縁層727の一部の上にそれぞれ設けられた導電層725及び導電層726と、を有している。
【0101】
ここで、酸化物半導体層723の一部又は全てと導電層721とが重なる構造にすると、酸化物半導体層723への光の入射を抑えることができる。
【0102】
また、図7(B)に、トランジスタの上に設けられた保護絶縁層729を示す。
【0103】
図7(C)に示すトランジスタは、ボトムゲート構造を有するトランジスタの一つである。
【0104】
図7(C)に示すトランジスタは、基板730の上に設けられた導電層731と、導電層731の上に設けられた絶縁層732と、絶縁層732の一部の上にそれぞれ設けられた導電層735及び導電層736と、絶縁層732、導電層735、及び、導電層736を挟んで導電層731の上に設けられた酸化物半導体層733と、を有している。
【0105】
ここで、酸化物半導体層733の一部又は全てと導電層731とが重なる構造にすると、酸化物半導体層733への光の入射を抑えることができる。
【0106】
また、図7(C)に、酸化物半導体層733の上面及び側面と接する酸化物絶縁層737と、酸化物絶縁層737の上に設けられた保護絶縁層739を示す。
【0107】
図7(D)に示すトランジスタは、トップゲート構造を有するトランジスタの一つである。
【0108】
図7(D)に示すトランジスタは、絶縁層747を挟んで基板740の上に設けられた酸化物半導体層743と、酸化物半導体層743の一部の上にそれぞれ設けられた導電層745及び導電層746と、酸化物半導体層743、導電層745、及び導電層746の上に設けられた絶縁層742と、絶縁層742を挟んで酸化物半導体層743の上に設けられた導電層741と、を有している。
【0109】
基板710、基板720、基板730、基板740のそれぞれには、一例として、ガラス基板(バリウムホウケイ酸ガラス基板やアルミノホウケイ酸ガラス基板等)、絶縁体でなる基板(セラミック基板、石英基板、サファイア基板等)、結晶化ガラス基板、プラスチック基板、又は、半導体基板(シリコン基板等)を用いる。
【0110】
図7(D)に示すトランジスタにおいて、絶縁層747は、基板740からの不純物元素の拡散を防止する下地層としての機能を有する。絶縁層747には、一例として、窒化シリコン層、酸化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化アルミニウム層、及び酸化窒化アルミニウム層を、単層で又は積層させて用いる。又は、絶縁層747には、前述の層と、遮光性を有する材料の層とを積層させて用いる。又は、絶縁層747には、遮光性を有する材料の層を用いる。なお、絶縁層747として、遮光性を有する材料の層を用いると、酸化物半導体層743への光の入射を抑えることができる。
【0111】
なお、図7(D)に示すトランジスタと同様に、図7(A)〜図7(C)に示すトランジスタにおいて、基板710と導電層711との間、基板720と導電層721との間、基板730と導電層731との間に、それぞれ絶縁層747を設けてもよい。
【0112】
導電層(導電層711、導電層721、導電層731、導電層741)は、トランジスタのゲートとしての機能を有する。これらの導電層には、一例として、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、及びスカンジウム等の金属材料の層、又は、当該金属材料を主成分とする合金材料の層を用いる。
【0113】
絶縁層(絶縁層712、絶縁層722、絶縁層732、絶縁層742)は、トランジスタのゲート絶縁層としての機能を有する。
【0114】
絶縁層(絶縁層712、絶縁層722、絶縁層732、絶縁層742)には、一例として、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、酸化ハフニウム層、又は、酸化アルミニウムガリウム層を用いる。
【0115】
酸化物半導体層(酸化物半導体層713、酸化物半導体層723、酸化物半導体層733、酸化物半導体層743)と接するゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層(絶縁層712、絶縁層722、絶縁層732、絶縁層742)には、酸素を含む絶縁層を用いるのが好ましく、当該酸素を含む絶縁層が、化学量論的組成比より酸素が多い領域(酸素過剰領域とも表記する)を含むことがより好ましい。
【0116】
上記ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層が酸素過剰領域を有することにより、酸化物半導体層からゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層への酸素の移動を防ぐことができる。また、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層から酸化物半導体層への酸素の供給を行うこともできる。よって、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層と接する酸化物半導体層を、十分な量の酸素を含有する層とすることができる。
【0117】
また、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層(絶縁層712、絶縁層722、絶縁層732、絶縁層742)は、水素や水等の不純物を混入させない方法を用いて成膜することが好ましい。ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層に水素や水等の不純物が含まれると、酸化物半導体層(酸化物半導体層713、酸化物半導体層723、酸化物半導体層733、酸化物半導体層743)への水素や水等の不純物の侵入や、水素や水等の不純物による酸化物半導体層中の酸素の引き抜き、等によって、酸化物半導体層が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成される恐れがあるためである。例えば、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層は、スパッタリング法によって成膜し、スパッタガスとしては、水素や水等の不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0118】
また、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層には、酸素を供給する処理を行うことが好ましい。酸素を供給する処理としては、酸素雰囲気における熱処理や、酸素ドープ処理、等がある。または、電界で加速した酸素イオンを照射して、酸素を添加しても良い。なお、本明細書等において、酸素ドープ処理とは、酸素をバルクに添加することをいい、当該バルクの用語は、酸素を膜表面のみでなく膜内部に添加することを明確にする趣旨で用いている。また、酸素ドープには、プラズマ化した酸素をバルクに添加する酸素プラズマドープが含まれる。
【0119】
ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層に対して、酸素ドープ処理等の酸素を供給する処理を行うことにより、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層には、化学量論的組成比より酸素が多い領域が形成される。このような領域を備えることにより、酸化物半導体層に酸素を供給し、酸化物半導体層中または絶縁層との界面の酸素欠陥を低減することができる。
【0120】
例えば、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層として酸化アルミニウムガリウム層を用いた場合、酸素ドープ処理等の酸素を供給する処理を行うことにより、GaAl2−x3+α(0<x<2、0<α<1)とすることができる。
【0121】
または、スパッタリング法を用いてゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層を成膜する際に、酸素ガス、または、不活性気体(例えば、アルゴン等の希ガス、又は、窒素)と酸素との混合ガスを導入することで、ゲート絶縁層としての機能を有する絶縁層に酸素過剰領域を形成してもよい。なお、スパッタリング法による成膜後、熱処理を行っても良い。
【0122】
酸化物半導体層(酸化物半導体層713、酸化物半導体層723、酸化物半導体層733、酸化物半導体層743)は、トランジスタのチャネル形成層としての機能を有する。これらの酸化物半導体層に用いることができる酸化物半導体としては、四元系金属酸化物(In−Sn−Ga−Zn−O系金属酸化物等)、三元系金属酸化物(In−Ga−Zn−O系金属酸化物、In−Sn−Zn−O系金属酸化物、In−Al−Zn−O系金属酸化物、Sn−Ga−Zn−O系金属酸化物、Al−Ga−Zn−O系金属酸化物、Sn−Al−Zn−O系金属酸化物等)、及び二元系金属酸化物等(In−Zn−O系金属酸化物、Sn−Zn−O系金属酸化物、Al−Zn−O系金属酸化物、Zn−Mg−O系金属酸化物、Sn−Mg−O系金属酸化物、In−Mg−O系金属酸化物、In−Ga−O系金属酸化物、In−Sn−O系金属酸化物等)が挙げられる。また、酸化物半導体層に用いることができる酸化物半導体として、In−O系金属酸化物、Sn−O系金属酸化物、Zn−O系金属酸化物等を用いることもできる。また、酸化物半導体層に用いることができる酸化物半導体として、上記金属酸化物にSiOを含ませた酸化物半導体を用いることもできる。
【0123】
また、酸化物半導体層に用いることができる酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0)で表記される材料を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、Mn、及びCoから選ばれた一つ又は複数の金属元素を示す。例えば、Mとしては、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、Ga及びCo等が挙げられる。
【0124】
導電層(導電層715及び導電層716、導電層725及び導電層726、導電層735及び導電層736、並びに、導電層745及び導電層746)は、トランジスタのソース又はドレインとしての機能を有する。これらの導電層には、一例として、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、若しくは、タングステン等の金属材料、又は、これらの金属材料を主成分とする合金材料の層を用いる。
【0125】
例えば、トランジスタのソース又はドレインとしての機能を有する導電層として、アルミニウム及び銅等の金属材料の層と、チタン、モリブデン、及びタングステン等の高融点金属材料層とを積層させて用いる。又は、複数の高融点金属材料の層の間にアルミニウム及び銅等の金属材料の層を設けて用いる。また、上記の導電層として、ヒロックやウィスカーの発生を防止する元素(シリコン、ネオジム、スカンジウム等)が添加されたアルミニウム層を用いると、トランジスタの耐熱性を向上させることができる。
【0126】
また、上記の導電層の材料として、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、若しくは、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、又は、これらの金属酸化物に酸化シリコンを含ませた金属酸化物を用いる。
【0127】
絶縁層727は、トランジスタのチャネル形成層を保護する層(チャネル保護層ともいう。)としての機能を有する。
【0128】
酸化物絶縁層717及び酸化物絶縁層737には、一例として、酸化シリコン層等の酸化物絶縁層を用いる。
【0129】
保護絶縁層719、保護絶縁層729、及び保護絶縁層739には、一例として、窒化シリコン層、窒化アルミニウム層、窒化酸化シリコン層、及び窒化酸化アルミニウム層等の無機絶縁層を用いる。
【0130】
また、酸化物半導体層743と導電層745との間、及び酸化物半導体層743と導電層746との間に、ソース領域及びドレイン領域として機能する酸化物導電層をバッファ層として設けてもよい。図7(D)のトランジスタに酸化物導電層を設けたトランジスタを図8(A)に示す。
【0131】
図8(A)のトランジスタは、酸化物半導体層743とソース及びドレインとして機能する導電層745及び導電層746との間に、ソース領域及びドレイン領域として機能する酸化物導電層792及び酸化物導電層794が形成されている。図8(B)のトランジスタは、作製工程により酸化物導電層792及び酸化物導電層794の形状が異なる例である。
【0132】
図8(A)のトランジスタでは、酸化物半導体膜と酸化物導電膜の積層を形成し、酸化物半導体膜と酸化物導電膜との積層を同じフォトリソグラフィ工程によって形状を加工して島状の酸化物半導体層743と島状の酸化物導電膜を形成する。酸化物半導体層743及び酸化物導電膜上にソース及びドレインとして機能する導電層745及び導電層746を形成した後、導電層745及び導電層746をマスクとして、島状の酸化物導電膜をエッチングし、ソース領域およびドレイン領域として機能する酸化物導電層792及び酸化物導電層794を形成する。
【0133】
図8(B)のトランジスタでは、酸化物半導体層743上に酸化物導電膜を形成し、その上に金属導電膜を形成し、酸化物導電膜および金属導電膜を同じフォトリソグラフィ工程によって加工して、ソース領域およびドレイン領域として機能する酸化物導電層792及び酸化物導電層794、ソース及びドレインとして機能する導電層745及び導電層746を形成する。
【0134】
なお、酸化物導電層の形状を加工するためのエッチング処理の際、酸化物半導体層が過剰にエッチングされないように、エッチング条件(エッチング材の種類、濃度、エッチング時間等)を適宜調整する。
【0135】
酸化物導電層792及び酸化物導電層794の成膜方法は、スパッタリング法や真空蒸着法(電子ビーム蒸着法など)や、アーク放電イオンプレーティング法や、スプレー法を用いる。酸化物導電層の材料としては、酸化亜鉛、酸化亜鉛アルミニウム、酸窒化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛ガリウム、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)などを適用することができる。また、上記材料に酸化珪素を含ませてもよい。
【0136】
ソース領域及びドレイン領域として、酸化物導電層を酸化物半導体層743とソース及びドレインとして機能する導電層745及び導電層746との間に設けることで、ソース領域及びドレイン領域の低抵抗化を図ることができ、トランジスタが高速動作をすることができる。
【0137】
また、酸化物半導体層743、ドレイン領域として機能する酸化物導電層(酸化物導電層792又は酸化物導電層794)、ドレインとして機能する導電層(導電層745又は導電層746)の構成とすることによって、トランジスタの耐圧を向上させることができる。
【0138】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0139】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したトランジスタの半導体層に用いることのできる酸化物半導体の一例について、図9(A)乃至(C)を用いて説明する。
【0140】
本実施の形態の酸化物半導体層は、第1の結晶性酸化物半導体層上に第1の結晶性酸化物半導体層よりも厚い第2の結晶性酸化物半導体層を有する積層構造である。
【0141】
絶縁層1600上に絶縁層1602を形成する。本実施の形態では、絶縁層1602として、PCVD法またはスパッタリング法を用いて、50nm以上600nm以下の膜厚の絶縁層を形成する。例えば、酸化シリコン膜、酸化ガリウム膜、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜、または窒化酸化シリコン膜から選ばれた一層またはこれらの積層を用いることができる。
【0142】
次に、絶縁層1602上に膜厚1nm以上10nm以下の第1の酸化物半導体膜を形成する。第1の酸化物半導体膜の形成は、スパッタリング法を用い、そのスパッタリング法による成膜時における基板温度は200℃以上400℃以下とする。
【0143】
本実施の形態では、酸化物半導体用ターゲット(In−Ga−Zn−O系酸化物半導体用ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比])を用いて、基板とターゲットの間との距離を160mm、基板温度250℃、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素のみ、アルゴンのみ、又はアルゴン及び酸素雰囲気下で膜厚5nmの第1の酸化物半導体膜を成膜する。
【0144】
次いで、基板を配置するチャンバー雰囲気を窒素、または乾燥空気とし、第1の加熱処理を行う。第1の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下とする。第1の加熱処理によって第1の結晶性酸化物半導体層1604を形成する(図9(A)参照)。
【0145】
第1の加熱処理の温度にもよるが、第1の加熱処理によって、膜表面から結晶化が起こり、膜の表面から内部に向かって結晶成長し、C軸配向した結晶が得られる。第1の加熱処理によって、亜鉛と酸素が膜表面に多く集まり、上平面が六角形をなす亜鉛と酸素からなるグラフェンタイプの二次元結晶が最表面に1層または複数層形成され、これが膜厚方向に成長して重なり積層となる。加熱処理の温度を上げると表面から内部、そして内部から底部と結晶成長が進行する。
【0146】
第1の加熱処理によって、酸化物絶縁層である絶縁層1602中の酸素を第1の結晶性酸化物半導体層1604との界面またはその近傍(界面からプラスマイナス5nm)に拡散させて、第1の結晶性酸化物半導体層1604の酸素欠損を低減する。従って、下地絶縁層として用いられる絶縁層1602は、膜中(バルク中)、第1の結晶性酸化物半導体層1604と絶縁層1602との界面、のいずれかには少なくとも化学量論比を超える量の酸素が存在することが好ましい。
【0147】
次いで、第1の結晶性酸化物半導体層1604上に10nmよりも厚い第2の酸化物半導体膜を形成する。第2の酸化物半導体膜の形成は、スパッタリング法を用い、その成膜時における基板温度は200℃以上400℃以下とする。成膜時における基板温度を200℃以上400℃以下とすることにより、第1の結晶性酸化物半導体層1604の表面上に接して成膜する酸化物半導体層にプリカーサの整列が起き、所謂、秩序性を持たせることができる。
【0148】
本実施の形態では、酸化物半導体用ターゲット(In−Ga−Zn−O系酸化物半導体用ターゲット(In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比])を用いて、基板とターゲットの間との距離を170mm、基板温度400℃、圧力0.4Pa、直流(DC)電源0.5kW、酸素のみ、アルゴンのみ、又はアルゴン及び酸素雰囲気下で膜厚25nmの第2の酸化物半導体膜を成膜する。
【0149】
次いで、基板を配置するチャンバー雰囲気を窒素、または乾燥空気とし、第2の加熱処理を行う。第2の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下とする。第2の加熱処理によって第2の結晶性酸化物半導体層1606を形成する(図9(B)参照)。第2の加熱処理を、窒素雰囲気下、酸素雰囲気下、又は窒素と酸素の混合雰囲気下で行うことにより、第2の結晶性酸化物半導体層の高密度化及び欠陥数の減少を図る。第2の加熱処理によって、第1の結晶性酸化物半導体層1604を核として膜厚方向、即ち底部から内部に結晶成長が進行して第2の結晶性酸化物半導体層1606が形成される。
【0150】
また、絶縁層1602の形成から第2の加熱処理までの工程を大気に触れることなく連続的に行うことが好ましい。絶縁層1602の形成から第2の加熱処理までの工程は、水素及び水分をほとんど含まない雰囲気(不活性雰囲気、減圧雰囲気、乾燥空気雰囲気など)下に制御することが好ましく、例えば、水分については露点−40℃以下、好ましくは露点−50℃以下の乾燥窒素雰囲気とする。
【0151】
次いで、第1の結晶性酸化物半導体層1604及び第2の結晶性酸化物半導体層1606からなる酸化物半導体積層を加工して島状の酸化物半導体積層からなる酸化物半導体層1608を形成する(図9(C)参照)。図では、第1の結晶性酸化物半導体層1604と第2の結晶性酸化物半導体層1606の界面を点線で示し、酸化物半導体積層と説明しているが、明確な界面が存在しているのではなく、あくまで分かりやすく説明するために図示している。
【0152】
酸化物半導体積層の加工は、所望の形状のマスクを酸化物半導体積層上に形成した後、当該酸化物半導体積層をエッチングすることによって行うことができる。上述のマスクは、フォトリソグラフィなどの方法を用いて形成することができる。または、インクジェット法などの方法を用いてマスクを形成しても良い。
【0153】
なお、酸化物半導体積層のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。もちろん、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0154】
また、上記作製方法により、得られる第1の結晶性酸化物半導体層及び第2の結晶性酸化物半導体層は、C軸配向を有していることを特徴の一つとしている。ただし、第1の結晶性酸化物半導体層及び第2の結晶性酸化物半導体層は、単結晶構造ではなく、非晶質構造でもない構造であり、c軸配向を有した結晶(C Axis Aligned Crystal; CAACとも呼ぶ)を含む酸化物を有する。なお、第1の結晶性酸化物半導体層及び第2の結晶性酸化物半導体層は、一部に結晶粒界を有している。
【0155】
いずれにしても、CAACを得るには酸化物半導体膜の堆積初期段階において六方晶の結晶が形成されるようにすることと、当該結晶を種として結晶が成長されるようにすることが肝要である。そのためには、基板加熱温度を100℃〜500℃、好適には200℃〜400℃、さらに好適には250℃〜300℃にすると好ましい。また、これに加えて、成膜時の基板加熱温度よりも高い温度で、堆積された酸化物半導体膜を熱処理することで膜中に含まれるミクロな欠陥や、積層界面の欠陥を修復することができる。
【0156】
なお、第1の結晶性酸化物半導体層及び第2の結晶性酸化物半導体層は、少なくともZnを有する酸化物材料であり、四元系金属酸化物であるIn−Al−Ga−Zn−O系の材料や、In−Sn−Ga−Zn−O系の材料や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系の材料、In−Al−Zn−O系の材料、In−Sn−Zn−O系の材料、Sn−Ga−Zn−O系の材料、Al−Ga−Zn−O系の材料、Sn−Al−Zn−O系の材料や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系の材料、Sn−Zn−O系の材料、Al−Zn−O系の材料、Zn−Mg−O系の材料や、Zn−O系の材料などがある。また、In−Si−Ga−Zn−O系の材料や、In−Ga−B−Zn−O系の材料や、In−B−Zn−O系の材料を用いてもよい。また、上記の材料にSiOを含ませてもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系の材料とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含む酸化物膜、という意味であり、その組成比は特に問わない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでいてもよい。
【0157】
なお、酸化物半導体は不純物に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリウムのようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使えると指摘されている(神谷、野村、細野、「アモルファス酸化物半導体の物性とデバイス開発の現状」、固体物理、2009年9月号、Vol.44、pp.621−633)。しかし、このような指摘は適切でない。アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体膜に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体膜内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。この不純物によりもたらされるトランジスタの特性の劣化と、特性のばらつきは、酸化物半導体膜中の水素の濃度が十分に低い場合において顕著に現れる。従って、酸化物半導体膜中の水素の濃度が5×1019/cm以下、特に5×1018/cm以下である場合には、上記不純物の濃度を低減することが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とする。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とする。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とする。
【0158】
また、第1の結晶性酸化物半導体層上に第2の結晶性酸化物半導体層を形成する2層構造に限定されず、第2の結晶性酸化物半導体層の形成後に第3の結晶性酸化物半導体層を形成するための成膜処理と加熱処理のプロセスを繰り返し行って、3層以上の積層構造としてもよい。
【0159】
上記作製方法で形成された酸化物半導体積層からなる酸化物半導体層1608を、本明細書に開示するEL表示装置に適用できるトランジスタ(例えば、実施の形態2及び実施の形態3で説明したトランジスタ)に、適宜用いることができる。
【0160】
また、本実施の形態の第1の結晶性酸化物半導体層と第2の結晶性酸化物半導体層の積層を酸化物半導体層として用いた、実施の形態3の図7(D)のトランジスタにおいては、酸化物半導体層の一方の面から他方の面に電界が印加されることはない。また、電流が酸化物半導体積層の厚さ方向(一方の面から他方の面に流れる方向、具体的に図7(D)では上下方向)に流れる構造ではない。電流は、主として、酸化物半導体積層の界面を流れるトランジスタ構造であるため、トランジスタに光照射が行われ、またはBTストレスが与えられても、トランジスタ特性の劣化は抑制される、または低減される。
【0161】
酸化物半導体層1608のような第1の結晶性酸化物半導体層と第2の結晶性酸化物半導体層の積層をトランジスタに用いることで、安定した電気的特性を有し、且つ、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
【0162】
多結晶シリコンを用いたトランジスタは、レーザー光を照射して結晶化する工程が必要なことからトランジスタ特性にバラツキが生じ、それがEL表示装置の表示に悪影響を与えることが問題となっていた。しかしながら、本実施の形態で示す酸化物半導体を用いたトランジスタはレーザー結晶化の工程が不要であることから、トランジスタ特性のバラツキを生じさせる問題の一つを排除することができ、EL表示装置の画質向上を図ることができる。
【0163】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0164】
(実施の形態5)
本明細書に開示するEL表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。上記実施の形態で説明したモニター回路を有するEL表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0165】
図10(A)は、電子書籍の一例を示している。図10(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0166】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図10(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図10(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0167】
また、図10(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図10(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0168】
図10(B)は、本明細書に開示するEL表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図10(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像を表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0169】
なお、図10(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像を記憶したメモリを挿入して画像を取り込み、取り込んだ画像を表示部1712に表示させることができる。
【0170】
図10(C)は、EL表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図10(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示したEL表示装置を適用することができる。
【0171】
図10(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0172】
図10(D)は、本明細書に開示するEL表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図10(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0173】
図10(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0174】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0175】
10 画素部
11 走査線駆動回路
12 信号線駆動回路
13 走査線
14 信号線
15 画素
16 第1の制御線
17 第2の制御線
18 表示制御回路
19 第1の電源線
20 第2の電源線
21 電源回路
101 第1トランジスタ
102 第2トランジスタ
103 第3トランジスタ
104 第4トランジスタ
105 発光素子
106 第1の容量素子
107 第2の容量素子
201 EL表示装置
202 切替手段つき眼鏡
204 切替手段つき眼鏡制御回路
221 矢印
500 矢印方向
501 薄膜トランジスタ
502 隔壁
503 基板
511 電極
513 EL層
514 電極
515 パッシベーション層
516 封止基板
710 基板
711 導電層
712 絶縁層
713 酸化物半導体層
715 導電層
716 導電層
717 酸化物絶縁層
719 保護絶縁層
720 基板
721 導電層
722 絶縁層
723 酸化物半導体層
725 導電層
726 導電層
727 絶縁層
729 保護絶縁層
730 基板
731 導電層
732 絶縁層
733 酸化物半導体層
735 導電層
736 導電層
737 酸化物絶縁層
739 保護絶縁層
740 基板
741 導電層
742 絶縁層
743 酸化物半導体層
745 導電層
746 導電層
747 絶縁層
792 酸化物導電層
794 酸化物導電層
801 EL表示装置
802 切替手段つき眼鏡
810 画素
811 選択トランジスタ
812 駆動トランジスタ
813 EL素子
814 容量素子
821 ゲート線
822 信号線
823 第1の電源線
824 第2の電源線
831 矢印
1600 絶縁層
1602 絶縁層
1604 結晶性酸化物半導体層
1606 結晶性酸化物半導体層
1608 酸化物半導体層
1700 筐体
1701 筐体
1702 表示部
1703 表示部
1704 蝶番
1705 電源入力端子
1706 操作キー
1707 スピーカ
1711 筐体
1712 表示部
1721 筐体
1722 表示部
1723 スタンド
1731 筐体
1732 表示部
1733 操作ボタン
1734 外部接続ポート
1735 スピーカ
1736 マイク
1737 操作ボタン
203A 左目用眼鏡
203B 右目用眼鏡
803A 左目用眼鏡
803B 右目用眼鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートが走査線に電気的に接続され、第1端子が信号線に電気的に接続され、第2端子が第1の容量素子に電気的に接続され、前記走査線の信号に応じて前記信号線に供給される画像信号を第1の容量素子に保持させる第1トランジスタと、
ゲートが第1の制御線に電気的に接続され、第1端子が前記第1の容量素子に電気的に接続され、第2端子が第2の容量素子に電気的に接続され、前記第1の容量素子に保持された前記画像信号を前記第2の容量素子に保持させる第2トランジスタと、
ゲートが前記第2の容量素子の一方の電極に電気的に接続され、第1端子が第1の電源線に電気的に接続され、第2の容量素子の保持された前記画像信号に応じて第2端子に電流を流す第3トランジスタと、
ゲートが第2の制御線に電気的に接続され、第1端子が前記第3トランジスタの第2端子に電気的に接続され、前記第3トランジスタを流れる前記電流を第2端子に流す第4トランジスタと、
第1電極が前記第4トランジスタの第2端子に電気的に接続され、第2電極が第2の電源線に電気的に接続され、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを流れる前記電流に応じて発光する発光素子と、
を有することを特徴とするEL表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の容量素子の静電容量は、前記第2の容量素子の静電容量よりも大きいことを特徴とするEL表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第1トランジスタ乃至前記第4トランジスタの半導体層は、酸化物半導体であることを特徴とするEL表示装置。
【請求項4】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できるEL表示装置の駆動方法において、
第1の期間において走査線の選択信号により第1トランジスタを導通状態として信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、
第2の期間において前記第1の容量素子に保持された前記画像信号を、第1の制御信号により第2トランジスタを導通状態として第2の容量素子に保持させ、前記第2の容量素子に保持された前記画像信号に応じて第3トランジスタの第1端子と第2端子との間を流れる電流を制御し、
第3の期間において、前記電流を第2の制御信号により第4トランジスタを導通状態として発光素子に流し前記発光素子の点灯を制御すること、により前記左目用画像及び前記右目用画像の表示が行われることを特徴とするEL表示装置の駆動方法。
【請求項5】
左目用画像と右目用画像とを切り替えて表示するEL表示装置と、前記左目用画像または前記右目用画像の表示に同期して視認者の左目または右目において前記左目用画像または前記右目用画像が選択的に視認されるようにするための切替手段つき眼鏡と、により立体画像を視認できるEL表示装置の駆動方法において、
第1の期間において走査線の選択信号により第1トランジスタを導通状態として信号線の画像信号を第1の容量素子で保持させ、
第2の期間において前記第1の容量素子に保持された前記画像信号を、第1の制御信号により第2トランジスタを導通状態として第2の容量素子に保持させ、前記第2の容量素子に保持された前記画像信号に応じて第3トランジスタの第1端子と第2端子との間を流れる電流を制御し、
第3の期間において、前記電流を第2の制御信号により第4トランジスタを導通状態として発光素子に流し前記発光素子の点灯を制御し、且つ前記点灯をしながら前記第1の期間における前記走査線の前記選択信号により前記第1トランジスタを導通状態として前記信号線の前記画像信号を前記第1の容量素子で保持させること、により前記左目用画像及び前記右目用画像の表示が行われることを特徴とするEL表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78816(P2012−78816A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194487(P2011−194487)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】