説明

EMI耐性を持つ平衡タッチ・センサおよび方法

EMI耐性を持つ低インピーダンスのタッチ・センサは、誘電体基板とオペレータの付属肢又は人体部分、金属物体との接触又は移動する液体/気体界面の接近を検出する。タッチ・センサは、第1の導電性電極と、第1の電極から非導電性誘電体のチャネルによって分離され、本質的に等しい領域を有する第2の導電性電極とを含む。第1および第2の電極は、オプションとして、基板の同じ表面に配置できる。発振器および差動感知回路を含む能動電気部品は、基板上に第1および第2の電極に接近して位置しており、第1および第2の電極に電気的に接続される。本質的に等しい領域を有する第1および第2の電極に現れる雑音や干渉性信号が互いに差し引きされてEMIの同相抑制を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、オペレータの存在や人体部分、金属物体の存在又は移動する液体/気体界面の接近を検出するセンサ又は制御アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ガス・レンジ、電子レンジおよび同様な機器を含む応用において、従来の機械式スイッチに代わって、電子式又は容量性ソリッド・ステート・スイッチおよびタッチ・パネルが多様な用途で使用されるようになってきた。機械式スイッチと違って、タッチ・パネルは、破壊したり消耗したりする可動部分を持たない。基板を備えた形で使用される機械式スイッチは、スイッチを設置するために基板を貫通する何らかの開口部を必要とする。そのような開口部は、スイッチそれ自体の開口部とともに、汚れや水およびその他の汚染物物が基板に侵入し、スイッチ内部に蓄積する原因となる。特定の環境では、比較的多量の汚染物物が存在し、それが基板開口部に侵入し、基板背後の部品に対して電気的短絡や損傷を与えることがある。しかし、タッチ・パネルは、基板中に開口部を設けることなく、連続的な基板シートの上に形成できる。更に、タッチ・パネルは、汚染物物を蓄積する開口部やキャビティがないため洗浄が容易である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のタッチ・パネル・デザインは、基板の両面、すなわち、基板の「前面」と基板の「裏面」の両方に取り付けられたタッチ・パッド電極を採用している。典型的には、基板の前面には、錫アンチモン酸化物(TAO)電極が取り付けられ、裏面には、付加的な電極が取り付けられる。タッチ・パッドは、ユーザがTAO電極に接触するときに駆動される。このようなデザインは、TAO電極を露出するため、引っかきや洗剤および研磨性クリーニング・パッドによる損傷を受けやすい。更に、TAO電極は、コスト高であり、またタッチ・パネルを複雑にする。
【0004】
タッチ・パネルには、高インピーダンス・デザインのものが多く、そのため、水、その他の液体が基板上に存在する場合、タッチ・パネルが誤動作を起こす。これは、キッチンなどのように液体を扱うことが普通である場所で問題となる。パッドは、水よりも高いインピーダンスを有するため、水は、タッチ・パッドによって生成される電界に対して導体のように振る舞う。電界は、最も小さい抵抗、すなわち水の経路をたどる。更に、高インピーダンス・デザインのせいで、静電気もタッチ・パネル誤動作の原因となる。タッチ・パッドの高インピーダンスのせいで、静電気の迅速な消散が妨げられる。
【0005】
既存のタッチ・パネル・デザインは、隣接するタッチ・パッド間のクロストークに関する問題にも悩まされる。クロストークは、1つのタッチ・パッドによって生成された電界が、隣接するタッチ・パッドによって生成された電界と干渉して、間違ったタッチ・パッドの駆動や2つのパッドを同時に駆動することなどの誤動作を生ずる。
【0006】
従来のタッチ・パネル・デザインは、個別的な受動パッドを提供している。能動部品は、タッチ・パッドの近傍に配置されない。その代わり、各受動タッチ・パッドは、リード線で能動検出回路に接続される。タッチ・パッドのリード線は、検出回路に対するタッチ・パッドの相対的位置に依存して異なる長さを持つ。更に、リード線の形状は、線の迂回経路に依存して互いに異なる。リード線の長さと形状の違いによって各ラインの信号レベルの減衰の程度が違ってくる。例えば、コーナを多く含む長いリード線は、コーナの少ない短いリード線よりも検出信号を大きく減衰させる。従って、検出回路が受信する信号は、パッドごとに大きく異なる。従って、検出回路は、信号レベルの大きな差を補償するように設計されなければならない。不均一なリード線長および形状を持つタッチ・パネル・デザインは、電磁妨害性環境(EMI)に対しても予期せぬやり方で応答し、また益々厳格になる電磁適合性(EMC)標準に従わない。
【0007】
多くの既存のタッチ・パネルは、各タッチ・パッドの近傍に、接地リングなどの接地機構を採用している。そのような接地機構は、各々のタッチ・パッドの近傍に付加的な要素を配置および接続しなければならないことを意味し、従って、タッチ・パネルをより複雑にする。更に、特定の接地機構では、検出回路に提供される信号レベルの差を最小化するように、個々のタッチ・パッドに対して異なる形状が必要とされる。従って、各種の接地機構を設計するために付加的な設計時間が必要となる。
【0008】
その他の従来のタッチ検知システムも電磁妨害性(EMI)環境に対して予期せぬやり方で応答し、また益々厳格になる電磁適合性(EMC)標準に従わない。
【0009】
従って、厳格な電磁妨害性EMI許容度およびEMC標準に従うオペレータの入力を検知するシステムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明のタッチ・センサおよび方法は、上述の問題および既存のデザインに関連するその他の問題を解決し、誘電体基板に取り付けられた能動的な低インピーダンスのタッチ・センサを提供することによって厳格なEMI許容度およびEMC標準に従う。発明のタッチ・センサは、選ばれたパッド領域の第1の導電性電極パッドと、間隔をおいてその第1の電極を本質的に取り囲む第2の導電性電極とを有する。第2の電極は、第1の電極の選ばれたパッド領域に本質的に等しい導電性表面領域を定義する。第1の電極パッドは、閉じた連続的な幾何学的形状をしており、その領域は、本質的に人間の付属肢(appendage)によって覆われる接触領域を提供する。能動電気部品が電極に近接して配置される。
【0011】
本質的に等しい領域である第1および第2の電極の両方に現れる雑音や干渉信号は、等価的に互いに差し引きされて、EMIを同相抑制する。
【0012】
発明のタッチ・パッドは、既存のタッチ・パッドや従来のスイッチの代わりに使用できる。タッチ・パッドは、指先などの人間の付属肢によってユーザが基板に触れるときに駆動される。タッチ・パッドは、デバイスのターン・オンやオフ、温度調節、クロックやタイマのセット、又は従来のスイッチによって実行されたその他の任意の機能を実行するために使用できる。既存のタッチ・パッド・デザインに関連する問題を解決することに加えて、本発明は、コピー機やファックス機のように、現時点でメンブレン式のスイッチを使用している応用で特に有用である。発明のタッチ・パッド・デザインは、基板上に液体が存在したり、静電気が存在したりする場面でも動作する。タッチ・パッドは、電子レンジ、オーブンおよびビルトインのレンジ台の制御パネルなどのように、水、グリースおよびその他の液体が普通に存在するキッチンやその他の環境での利用に適している。
【0013】
好適な形態では、タッチ・パッド電極は、基板の裏面に取り付けられる。基板の裏面は、前面又は「タッチ」面と対向しており、従って、ユーザによる電極への接触を回避される。タッチ・パッドが基板の前面に位置しないため、パッドは、基板の前面に接触する引っかきや洗剤その他の任意の汚染物によって損傷を受けない。更に、基板の前面にTAOパッドを必要としないことから、タッチ・パネルのコストおよび複雑さが低減される。
【0014】
好適な形態では、内側および外側電極に対して、利得チューニング抵抗を介して発振器が電気的に接続され、非常に急峻なテール・エッジを有する矩形波状の信号を供給する。発振器信号は、外側電極と中心電極との間にアーク状の横切る方向の電界を生成する。電界経路は、アーク状であり、基板を貫通して延びて、前面を通過して基板面を横切って突出する。内側および外側電極の信号は、同相信号として差動検知回路の入力に供給され、内側および外側電極間の応答の差が十分大きいときに、検知回路が状態を変化させる(例えば、高から低へ)。検知回路の状態は、制御される液体が基板に触れることで変化する。
【0015】
好適な形態では、好ましくは、表面搭載型の特定用途向け集積回路(ASIC)として構成された能動電気部品が各センサに付随する。好ましくは、ASICは、中心のパッド電極に接続され、また各センサの外側電極に接続される。ASICは、センサにおける検出信号を増幅およびバッファリングするように動作し、それによって、異なるリード長およびリード配線経路の差による個別センサ相互間の信号レベル差を縮小する。基板上に複数のセンサが配置される。
【0016】
出願人は、等しい領域あるいは平衡型のパッド電極デザインが進歩した電磁耐性を提供し、人間の付属肢の存在を検出するセンサとして特にうまく動作することを見出した。雑音又はEMIに対する耐性は、不要な雑音や干渉性信号の同相抑制に起因すると考えられる。この「同相」抑制は、不要な雑音や干渉性信号を受信し、それらによって本質的に同程度に(本質的に等しい領域の場合)影響されるように見える中心パッドと外側のリング電極とが等しい領域を有することによって生じる。従って、一方の電極の信号を他方の電極の信号から差し引けば、同相の雑音/干渉性信号が互いに打ち消しあう。平衡型のパッド・デザインを採用したセンサは、チョークおよびコンデンサやシールドを備えたフィルタ回路を追加する必要のあるデザインと比べて、高価でないし、より小型である。
【0017】
電極にエネルギーを付与し、電極によって生成されるアーク状の電界の変化を検知するために使用される回路は、オプションとして、人間の付属肢(例えば、指)、金属物体又は空気と液体との界面の存在を検知するためにTS100チップと呼ぶASIC又はチップに組み込むことができる。例示的実施の形態で、TS100は、能動センサ領域用の導電性プリント基板と一緒に使用され、内側パッド電極および外側リング電極は、バイアス用の抵抗を介してTS100に接続され、時間とともに変化する電界で駆動される。発生するアーク状電界の差分的な変化が内側パッドおよび外側リング電極を介して検知される。従来のパッドは、表面領域が等しくないため、EMIに対して限られた耐性しか持たない。本発明の平衡型で等しい領域の電極(すなわち、内側パッドと外側リング)は、好ましいことに、ほとんど等しい表面領域を有し、EMIに対して高い耐性又は許容度を有するパッド・デザインを実現する。このEMI許容度は、厳格なEMC基準に合致するようにシステムを構成するのにも有用である。
【0018】
本発明の平衡パッド・デザインおよび方法は、またオーバーモールド筐体に封入又は閉じ込められたセンサ(単数又は複数)を必要とする応用に適している。それは、封入又はモールド・プロセスが平衡した差分電極に同等に影響し、センサのチューニングをより予測でき、再現可能なものとするためである。平衡パッド・デザインは、温度、湿度および汚染物の存在の変化を含む変動する広範囲な環境条件に対して、長時間にわたって、より一貫性のある再現可能な動作特性を有する。
【0019】
平衡パッド・デザインは、平坦な回路に実装できるしあるいは方向性のある検出を提供する3D配置、例えば、モールド又は折り畳まれたフレキシブルな基板を用いて複雑な三次元構成の形に具体化することができる。
【0020】
上述およびこれ以外の本発明の特徴および利点は、その特定の実施の形態についての以下の詳細な説明を特に添付図面を参照しながら考察すれば明らかとなろう。図面では、同様な部品を指すために各図で同様な参照符号が用いられている。
【実施例】
【0021】
(好適な実施の形態の説明)
図1−5に示した例示的な実施の形態を参照すると、EMI耐性を持つ平衡タッチ・センサ20は、第2の電極又は外側電極24の内部に第1のパッド又は内側電極22を備えた平衡パッド・センサの電極パターンを搭載するプリント回路基板又は基板21上に導電性トレースを含む。第2の電極24は、導電性表面領域を定義し、それは、第1の電極22のパッド表面領域に本質的に等しい。オプションの導電性接地リング25は、少なくとも部分的に第2の電極24を取り囲み、1つのパッド電極を別の電極又は周囲の環境から分離する。図1に最もよく示されているように、タッチ・センサの電気力線27がユーザの指、金属物体又は液体/気体界面の存在を検知する。
【0022】
図1には、1つのタッチ・パッド・センサ20が示されており、誘電体基板21に取り付けられている。基板21は、好ましくは、本質的に均一な厚さを有し、ガラス、セラミック又は樹脂のような任意の支持構造誘電体材料で作製できる。あるいは基板は、形状が制御でき再現性のある形で変化する限りにおいて、窪みを含む可変厚さを有することができる。好適な実施の形態で、基板21は、ファイバで強化された樹脂やエポキシから作製され、およそ2mmの均一な厚さを有する。特別な応用では、基板21の厚さが変化する。例えば、強度を増したい場合には、より厚い基板が使用される。センサ20が非平坦な形状にぴったり合致しなければならない応用や、方向性センサが必要な応用で使うために、基板21は、フレキシブルな材料で作製される。
【0023】
基板21がガラスで作製される場合、基板は、およそ0.1mm程度に薄くも、およそ10mm程度に厚くもできる。基板21が樹脂で作製される場合、基板は、樹脂製メンブレンのスイッチで使用される材料と同じように、1mm厚よりも薄くできる。薄い基板21は、タッチ・パッドを手袋やミトンをはめたユーザが操作することを可能とする。
【0024】
基板21は、裏面21bに対向する前面21fを有する(図1に最もよく示されている)。ユーザは、基板21の前面21fに触れることによってタッチ・パッド・センサ20を駆動する。上で述べたように、タッチ・パッド・センサ20は、薄い導電性の内側電極22と、内側電極を本質的に取り囲む薄い導電性の外側電極24とを含む。内側電極22と外側電極24との間に、非導電性のPCB表面又はチャネル26が広がる。電極22および24は、平面図から分かるように、チャネル26が本質的に均一な幅を持つように位置する。
【0025】
ユーザ制御入力やソリッド・ステート・タッチ・スイッチへの応用のために、内側電極22は、接触されたときに電極がユーザの指先又はその他の付属肢によって本質的にカバーされる寸法であることが好ましい。試験の結果、等しい領域又は平衡型のパッド電極デザインが、進歩した電磁環境耐性を有し、ユーザの指や人間の付属肢、金属物体の存在又は移動する液体/気体界面の接近(例えば、液面の表示)を感知するために特にうまく動作することが分かった。
【0026】
何らかの特別な理論にとらわれることを欲しないが、雑音やEMIに対する耐性は、不要な雑音や干渉性信号の同相抑制から発しているように見える。この「同相」抑制は、不要な雑音又は干渉性信号を受信し、それらによって同程度に影響される(本質的に等しい領域の場合)内側パッド22と外側リング24とが等しい領域を有することに起因する。一方の電極の信号を他方の電極の信号から差し引けば(例えば、差分回路への入力のように)、同相の雑音/干渉性信号が互いに打ち消しあう。この結果、高い信号対雑音比が得られる。平衡タッチ・センサ20は、平衡パッド・デザインを採用し、チョークおよびコンデンサやシールドを備えたフィルタ回路を追加しなければならないデザインよりも製造コストが低く、より小型である。電極の信号は、図4に示すように、TS100集積回路30の一部として含まれる差動感知回路において互いに差し引きされる。
【0027】
図2および3に最もよく示されているように、内側電極22は、平面図において本質的に矩形であり、導電性材料の選ばれたパッド領域を提供するように導電性領域と非導電性領域とが交番するパターンを含む。外側電極24は、平面図で本質的に矩形の形状を持ち、内側電極22の形状にぴったり一致しており、非導電性のチャネル領域26によってそれから隔てられている。内側電極22用として、それに限定するものでないが、矩形、台形、円形、楕円形、三角形、六角形および八角形を含む各種の閉じた連続した幾何学的導電性形状が使用されることを理解されよう。内側電極22の形状に関係なく、外側電極24は、内側電極22を本質的に取り囲み、それらの電極間に間隔を与えるチャネル26によって一定の離れた関係を保って配置される。更に、外側電極24についても、外側電極24が内側電極22を本質的に線形に取り囲む限り、それに限定するものでないが、矩形、台形、円形、楕円形、三角形、六角形および八角形を含む各種の連続した幾何学的導電性形状が使用されることを理解されよう。
【0028】
中心電極22は、導体の中空でない領域でよいしあるいは複数の孔を含んだり、メッシュ又はグリッド・パターンを有したりすることもできる。好ましくは、中心電極22は、同電位にあり同一平面にある複数の電気接点を有する。あるいは中心電極は、単一面に配置できない三次元的形状のものでもよい。
【0029】
図2および4に最もよく示されているように、外側電極24にストローブ・ライン28が接続される。ASICセンサICは、内側電極22および外側電極24の両者に対して発振器出力パルス列又は矩形波信号を供給する。好適な実施の形態では、発振器信号は、およそ32kHzの周波数で0と+5ボルトとの間を振動する矩形波である。
【0030】
図1および2に最もよく示されているように、平衡パッド又は電極パターンは、内側電極(例えば、内側パッド22)用の導電性トレース領域を有し、それは、それに対応する外側電極リング(例えば、外側電極24)の領域に等しい(あるいはPCB製造の許容度以内で可能な限り等しい)。内側電極22および外側電極24は、両方とも、接地リング25を提供する中空でない導電性トレース材料の周辺によって取り囲まれる。
【0031】
不要な雑音や干渉性信号が周囲を取り巻く環境では、平衡パッド・デザインは、同相抑制によって雑音や電磁妨害(EMI)に対する耐性を示す。ここで、中心パッドおよび外側リング電極は、それぞれ本質的に等しい不要雑音又は干渉性信号を受信する領域を有する。この信号受信領域は、薄い導電性トレースに対して、導体表面領域と等価である。不要雑音や干渉性信号といった雰囲気は、内側電極および外側電極に本質的に同等の不要雑音又は干渉性信号の発生を誘起する。等しい又は平衡した受信領域は、不要雑音又は干渉性信号によって本質的に同程度影響されるため、一方の電極の信号を他方の電極の信号から本質的に差し引くとき、第1および第2の電極から誘起される不要雑音/干渉性信号は、両電極に共通しており、本質的に同じ振幅を持ち、互いに打ち消しあう。
【0032】
図2は、中心電極22が複数の導電性トレース・セグメントを含み、それらが長さ方向に沿って非導電性の基板表面セグメントによって互いに分離され、少なくとも一端を介して周囲を囲む壁22a、22b、22cおよび22dの少なくとも1つに接続された10本の平行で細長い導電性セグメント22e、22f、22g、22h、22i、22j、22k、22l、22mおよび22nを取り囲む4つの壁22a、22b、22cおよび22dを含む閉じた矩形のボックス状の周辺境界を定義する様子を示す縮尺図である。図2および3の実施の形態で、内側電極22は、外側電極24と本質的に同じ表面領域又は平面領域を有する内側電極22を提供するように、対向する導電性セグメント(22gと22j、22hと22k、22iと22l)間の間隙によって定義される、導電性トレース表面領域を有しない中心領域を含む。中心領域の間隙は、光を透過する基板とともに用いられて、光照射タッチ・センサ用として、光がパッド領域の中央を通過することを許容するために用いられる。
【0033】
それらの間に間隙(例えば、22gや22jのような)を残すように配置された短い導電性セグメントは、図示のように丸みを帯びた末端を持つようにあるいは尖った末端や角張った末端を有するように形成される。
【0034】
図3は、導電性トレース材料(例えば、銅箔)中に導電性接地面32とつながるようにパターニングされた接地リング25を備えた平衡パッド外側電極24と内側電極22とを含む、プリント回路基板21の導電性トレースの部品側のレイアウトを示す。図3の実施の形態は、EMIの効果を更に減らすシールド効果を付与する。
【0035】
図2および3に示された実施の形態では、暗いトレースは、銅箔、堆積された銅又は錫メッキ又ははんだ付けされた導電性材料のような導電性トレース材料の場所を示す。本質的に矩形の平衡型内側パッド22は、水平に約12ミリメートル(mm)の広がりを、また垂直に約9mmの広がりを持つ。内側電極パッド22の平行な導電性トレース22e−22mは、それぞれ約1mmの幅を有し、非導電性のPCB表面のほぼ等しい幅のセクションによって隔てられている。ここで、各導電性トレースは、一端又は両端を周囲の導電性トレース材料によって抵抗(例えば、図4の模式図に示されたように、パッド22についてR1)に接続される。内側電極22は、約1.5mmの幅を有し、「TS100」タッチ・センサASIC30に接続された上側の外側電極24によって完全には取り囲まれない。センサASIC30は、内側電極22と外側電極24との間に接続されて、センサにおける検出信号を増幅およびバッファリングすることによって、異なるリード長およびリード配線経路に起因する個別センサ間の信号レベルの差を減らす。
【0036】
電界効果センサの平衡電極に接続されるASIC30は、能動デバイスであり、例示的な実施の形態では、好ましくは、引用によって開示全体をここに取り込むコールドウエル(Caldwell)による米国特許第6,320,282号に述べられているようなやり方で動作する。上で述べたように、単純化された平衡電界効果セルは、2つの電極(例えば、22、24)、ASIC(例えば、30)および2つの利得チューニング抵抗(34および36)を含む。発明のTS−100 ASICに関するピン出力は、’282号の特許の図4に示されているものと類似しているが、ピン出力は、わずかに異なる。TS−100 ASICは、タッチ・センサ(Touch Sensor)有限責任会社から入手できる。詳細には、この出願に示されたTS−100 ASICに関して、入力電力(Vdd)コネクションがピン1にあり、接地コネクションがピン2で、センサ信号出力コネクションがピン3で、出力電極抵抗(例えば、36)がピン4に接続され、「発振器出力」コネクションがピン5にあり、そして内側パッド電極抵抗(例えば、34)がピン6に接続される。オプションとして、ASICは、利得チューニングの調節をASICの内部に備えることで、利得チューニング抵抗34および36を不要にできる。
【0037】
電界効果センサ又はセルの感度は、利得チューニング抵抗34および36の値を調節することによって調節される。
【0038】
本発明のセンサは、利得抵抗を変化させて望みの電圧応答を引き起こすように多様な応用で使用できる。本発明のセンサは、被測定刺激に対するセンサの応答が飽和する(すなわち、利得/感度が余りに高くセットされる)ことのないように、また検出漏れ(すなわち、利得/感度が余りに低くセットされる)のないようにチューニング又は校正されなければならない点で、他のセンサと同様である。ほとんどの応用で、線形な領域でセンサ応答を生ずる利得チューニング抵抗値が望ましい。チューニング方法は、典型的には、センサ・アセンブリを目的の感知環境に置いて、決定回路への入力における回路テスト・ポイント(例えば、コールドウエルによる’282号の特許の図4に示されたポイント90および91)を抵抗値の関数としてモニタするものである。センサの線形な応答域の中域で出力を提供するように利得チューニング抵抗の抵抗値を調節する。
【0039】
平衡タッチ・センサ20に対して、平衡パッド構成によって強化されたEMI耐性又は許容度が得られるかどうかを調べるためのテストが行われた。図4は、テストされた平衡パッド・センサ電極と一緒に使用される、本発明に従う回路部品および導電性トレースの模式図である。基板レイアウトおよび部品配置は、図5に最もよく示されている。内側電極22は、上述の利得チューニング・プロセスの一部として後で選ばれるべき値を有する第1の利得チューニング又はバイアス抵抗34と直列に接続される。同様に、外側電極24は、そのチューニング・プロセスの一部として後で選ばれるべき抵抗値を有する第2の利得チューニング又はバイアス抵抗36と直列に接続される。チューニング又はバイアス抵抗34および36は、好ましくは、許容誤差が1パーセント(1%)で、定格16分の1ワットの表面搭載型デバイスである。図4に最もよく示されているように、チューニング抵抗36は、ストローブ・ライン28にも接続される。内側電極22は、内側電極用の感知ラインであるピン6でタッチ・センサ集積回路30に接続される。外側電極24は、外側電極用の感知ラインであるピン4でタッチ・センサ集積回路30に接続される。内側電極22および外側電極24は、バイアス抵抗34および36を介してピン5でもタッチ・センサASIC30に接続される。オプションである外周の接地リング25は、少なくとも部分的に外側電極24を取り囲み、好ましくは、PCB21上の接地面に接続される。センサIC30のピン1は、5.1ボルトのツェナ・ダイオード42によって制御され、コンデンサ40(0.1μF、16V)およびコンデンサ44(これも0.1μF、16V)によってフィルタリングされた5ボルトの電力供給ラインに接続される。オプションとして、直列接続された150オームの一対の抵抗48、50を通して、電力供給入力端子62に変圧器46が接続される。端子64は、接地コネクションを提供し、端子66は、オプションのチョーク60および直列の10オーム抵抗56を介してセンサIC30に接続されたタッチ・センサ信号端子である。コンデンサ58(0.1μF、16V)によって信号ラインがフィルタリングされ、また2KΩの抵抗52を介して接続された発光ダイオード(LED)54によってセンサ状態の可視表示が提供される。
【0040】
例示された実施の形態で、人間、液体又は金属が基板21に触れるとき、ユーザに対するインジケータ信号が生成され、感知された状態のほか、センサ20と結合すべき任意の制御デバイス67の駆動を可視表示する。制御デバイス67は、例えば、ビルジ液面(bilge fluid)レベルがセンサ位置で感知又は検出されたときに駆動されるビルジ・ポンプであったり、ユーザの指又はその他の付属肢が感知されたときに駆動される電気モータ又は加熱素子であったりあるいは金属物体が選ばれた位置(例えば、トラックに沿って)で検出されたときに駆動されるソレノイド又はモータであったりする。センサIC30は、能動電気部品であり、第1および第2の電極22、24に電気的に接続されて、人間、金属又は液体が基板21に接触することによって平衡センサ20に結合された任意の制御デバイス67を駆動する。
【0041】
ここで図5の回路レイアウトおよび図2および3の導電性パターンを参照すると、選ばれた応用のためにプロトタイプのタッチ・センサ20をチューニングするとき、技術者は、プロトタイプ・センサに許容できるレベルの感度を提供するようにチューニング又はバイアス抵抗34、36の値を選択する。与えられたセンサ20に対して、選ばれた値を持つチューニング抵抗34、36が、センサIC30とPCB21上の平衡パッド電極22、24によって占有された領域との間の所定の場所にはんだ付けされる。平衡タッチ・センサ20は、非平衡の電極構成よりも容易にチューニングでき、そのチューニング・プロセスは、再現可能な感知動作を提供できるものとなる。チューニング抵抗の値がいったん決まれば、それらのチューニング抵抗値を使用してセンサを大量生産できる。
【0042】
電極を励起し、電極によって生成されるアーク状電界27の変化を感知するために使用される回路は、個別部品を用いて作製することができるが、オプションとして、それをTS100と呼ばれる集積回路(IC)又はチップに組み込んで、それを用いて人間の付属肢(例えば、指)、金属物体又は液体と空気との界面の存在を感知することもできる。例示的実施の形態では、能動センサ領域用に導電性プリント回路を備えたTS100が使用され、内側電極22および外側電極24は、バイアス抵抗34、36を介してTS100に接続され、時間とともに変化する電界で駆動される。結果のアーク状電界の差動的な変化が内側および外側電極22、24を通して感知される。従来の電極又はパッドは、等しくない表面領域のものであり、EMIに対する耐性は、比較的貧弱なものであった。平衡型の等しい領域の電極(すなわち、内側パッド22および外側パッド24)は、好ましくは、等しい表面(又は平面)領域を有し、EMIに対する耐性又はEMI許容度の高いパッド・デザインをもたらす。このEMI許容度は、厳格なEMC基準に適合するシステムを構成するのにも有用である。
【0043】
本発明の平衡パッド・デザインおよび方法は、オーバーモールド筐体に封入又は閉じ込められたセンサ(単数又は複数)を必要とする応用にも適している。それは、封入又はモールド・プロセスが平衡型の差分電極(例えば、22、24)に同等に影響し、バイアス抵抗34、36によるセンサのチューニングをより予測でき、再現可能なものとするためである。平衡パッド・タッチ・センサ20は、温度、湿度および汚染物の存在の変化を含む広範囲な環境条件にわたり、長時間にわたって、より一貫性のある再現可能な動作特性を提供する。
【0044】
図6、7および8に最もよく示されている第2の実施の形態では、両面プリント回路基板68の両面によって、PCB68の第2の側面上の第2の電極トレース72と、それに対向するPCB68の第1の側面上に第1の電極トレース70とを有する両面平衡電極パターン69が構成される。図6、7および8に最もよく示されているように、両面平衡電極パターン69で、第2の電極72の導電性トレースは、PCB68の片面上に等間隔でライン状に配置された部品側のレイアウト(図7に最もよく示されている)を含む。ラインは、等間隔の非導電性チャネル73によって分離される。図8は、第1の電極70の導電性トレースが等間隔のライン状に配置されたPCB68のもう一方の側面を示しており、トレース間に非導電性チャネル71を示している。図6の側面図は、電極パターンがわずかにオフセットされることによって、第1の電極の各導電性トレース70が第2の側面の非導電性チャネル・セグメント73に対向するように、またチャネルのいずれかの側で隣接する第2の電極トレース72間に配置され、また第2の電極の各導電性トレース72が第1の側面の非導電性チャネル・セグメント71に対向するように、また各チャネル71のいずれかの側で隣接する第1の電極トレース70間に配置されている様子を示している。第1の電極トレース70および第2の電極トレース72は、本質的に等しい領域のものとなっている。
【0045】
図9aおよび9bに最もよく示されている第3の実施の形態では、フラットな平衡パッド・センサ電極パターン78が第2の電極82と平行してPCBの片側に位置する第1の電極パッド80を含んでいる。図9aは、オフセットされた電極80、82を備えたフラットな平衡パッド・センサ電極パターン78を示す。図9bは、オフセットされた電極80、82と、3つの側面を有するかあるいはU字型の接地リング84とを備えたフラットな平衡パッド・センサ電極パターン78の断面の側面図を示す。第1の電極80および第2の電極82は、本質的に等しい表面領域を有する導電性材料の薄いトレースである。上で述べた実施の形態と同じように、第1の電極80は、第1のバイアス又はチューニング抵抗34を介してセンサIC30に接続され、第2の電極82は、第2のバイアス又はチューニング抵抗36を介してセンサIC30に接続される。
【0046】
両面PCBを使用するその他の実施の形態もまた、多様な応用での使用に適している。図10、11および12は、プリント回路基板88の外側リング電極94と反対の側面に内側リング電極92を備えた平衡パッド・センサ電極パターン90を示す。図11は、側面断面図である図10のプリント回路基板上の導電性トレースの底面レイアウトを示す縮尺図である。両面プリント回路基板88は、PCBの第2の側面上の大きな径の外側リング電極トレース94に対向するPCB88の第1の側面上の中空でない内側円形電極トレース92を有する両面平衡電極パターン90をサポートする。図10および11に最もよく示されているように、円形の導電性接地リング96は、中空でない内側円形電極トレース92を囲むように配置され、PCBの第2の側面上の外側リング電極トレース94よりも大きい径を有する。図12は、プリント回路基板88上の導電性トレースの上面レイアウトを示す縮尺図である。第1の電極90および第2の電極94は、本質的に等しい表面領域を持つ薄い導電性トレースであり、上で述べた実施の形態と同じように、第1の電極90は、第1のバイアス又はチューニング抵抗34を介してセンサIC30に接続され、第2の電極94は、第2のバイアス又はチューニング抵抗36を介してセンサIC30に接続される。
【0047】
平衡電極デザインは、しっかりした平坦な回路上に実現することができ、あるいは例えば方向性検出ができるように折り畳まれるか、モールドされるか、又は三次元(3D)構成に整形されたフレキシブルな基板を用いて複雑な三次元構成で実現することができる。図13は、フレキシブルな基板102上に実現された平衡パッド・センサの電極パターン100の上面平面図である。
【0048】
センサは、図13に示されたように隣り合うように並べた電極104、106を備えた形で使用することができる。並べた構成は、電極の一方(例えば、104)を選ばれた経路に接近して配置して、経路に沿って移動する物体を検出するのに有用である。用語として、「並べる」というのは、第2の電極が第1のパッド電極を取り囲まないかあるいは取り巻かないように同心でも同軸でもないように任意の間隔をおいた電極配置を意味するように幅広く解釈すべきである。第1の電極および第2の電極は、並べられた場合に、電極間の非導電性間隔が本質的に矩形、三角形又は不規則になるような寸法および間隔とすることができる。
【0049】
あるいはフレキシブルなPCB又は基板102を折り畳んで電極を異なる面に配置して、内側電極104と外側電極106を目的の軸に沿って同軸状に重ねて揃えた三次元(3D)形状とすることによって、目的の又は方向性検出が可能となる。多くの3D形状が可能である。図14は、外観図であり、1つの型又はプラカードの周りにフレキシブルな基板102を配置して、例えば、0.0715インチ(1.82mm)の選ばれた電極間間隔を持たせて、目的の軸に沿って互いに重なるように内側電極104と外側電極106とを同軸に揃えるように折り畳んで三次元的配置とした平衡パッド・センサ電極パターン・デザイン100を示している。この間隔は、好ましくは、選ばれた間隔に等しい厚さを有する型又は詰め木110によって制御される。同軸に揃えられるか、重ねられた電極は、接地リングを備えても備えなくてもよいが、セルによって占有される空間を最小化しながら、基板を貫通する方向にセンサ・セルの感度を強化するように対角方向に沿って揃えることもできる。
【0050】
図15は、窪んだ基板122を有し、内側パッド電極124が横切る方向にオフセットした突出窪み126上に搭載された、集束感度を持つ平衡タッチ・センサ120の端面図を示す。窪み又は突出部126は、基板の残りの面から選ばれたオフセット距離128だけオフセットされており、外側電極130および接地リング132は、基板122の平坦な部分に搭載されている。集束感度を持つ平衡タッチ・センサ120は、好ましくは、ユーザの指134が窪み126に近い基板を押すとき、検出を可能にし、要求されるセンサ状態の変化を許容するが、ユーザが腕などの大きな付属肢でセンサ120全体を覆うように置くときには、状態変化を伴う応答を示さないし、駆動されないようにチューニングされる。
【0051】
当業者に明らかなように、本発明の方法およびセンサ・システムは、EMI耐性を有し、EMC標準に適合するタッチ・センサを実現する。ここで使用される用語「平衡」は、第1のタッチ・センサ電極および第2のタッチ・センサ電極が一緒に使用されるとき(例えば、差動回路)、第1および第2の電極上の雑音又は不要信号は、その平衡性によって、互いに打ち消しあい、望みのタッチ・センサ信号が残されることを意味する。
【0052】
新規な進歩した方法および構造の好適な実施の形態について説明してきたが、ここに示した教えから当業者には、その他の修正、変形および変更が示唆されることは、明らかである。従って、そのような変形、修正および変更は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明に従う平衡パッド・センサの電極パターンを含むプリント回路基板上の導電性トレースを示し、アーク状の電気力線を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明に従う平衡パッド・センサの電極パターンを含むプリント回路基板上の導電性トレースの部品側のレイアウトを示す平面図である。
【図3】図3は、本発明に従う、接地面を備えた平衡パッド・センサの電極パターンを含むプリント回路基板上の導電性トレースの部品側のレイアウトを示す平面図である。
【図4】図4は、本発明に従う回路部品および導電性トレースを示す模式図である。
【図5】図5は、図2および4のプリント回路基板上の部品の輪郭を示す平面図である。
【図6】図6は、両面平衡パッド・センサの電極パターンを含むプリント回路基板の対向する側面上の導電性トレースを示す側面図である。
【図7】図7は、両面平衡パッド・センサの電極パターンを含むプリント回路基板の片面上の導電性トレースの部品側のレイアウトを示す平面図である。
【図8】図8は、図7のプリント回路基板のもう一方の側面上の導電性パターンの部品側でない側のレイアウトを示す平面図である。
【図9a】図9aは、オフセットしたパッドを備えたフラットな平衡パッド・センサの電極パターンを示す平面図である。
【図9b】図9bは、図9aのオフセットしたパッドを備えたフラットな平衡パッド・センサの電極パターンの側面図である。
【図10】図10は、プリント回路基板の対向する側面上に内側および外側リング電極を有する両面平衡パッド・センサの電極パターンの側面図である。
【図11】図11は、図10のプリント回路基板上の導電性トレースの底面レイアウトを示す平面図である。
【図12】図12は、図10および11のプリント回路基板上の導電性トレースの上面レイアウトを示す平面図である。
【図13】図13は、フレキシブルな基板上に実装された平衡パッド・センサの電極パターン・デザインを示す平面図である。
【図14】図14は、本発明に従う、方向性検出を提供するために三次元構成に折り畳まれたフレキシブルな基板を備えた図13の平衡パッド・センサの電極パターン・デザインを示す外観図である。
【図15】図15は、本発明に従う、窪んだ基板を有する集束感度を持つ平衡タッチ・センサの側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間、金属又は液体の接触を検出して、制御デバイスを駆動できるEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置であって、
第1および第2の対向する表面を有する誘電体基板と、
前記基板の前記第1の表面に、導電性材料の選ばれたパッド表面領域を定義する連続した形に搭載された第1の導電性電極と、
前記基板の前記第1の表面に、前記第1の電極パッドに対して同一面内で間隔を置いて本質的に取り囲んで、導電性材料の選ばれた表面領域を定義するように搭載された第2の導電性電極と、
を含み、
前記第1の電極パッド表面領域は、前記第2の電極表面領域に本質的に等しく、
前記第1および第2の電極に接近して前記基板上に搭載され、前記第1および第2の電極に電気的に接続されて、人間、金属又は液体が前記基板に接触するときに前記制御デバイスを駆動する能動電気部品、
を含む前記EMI耐性を持つ前記低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項2】
発振器信号ラインが前記基板上に搭載され、前記第2の電極に電気的に接続されている、請求項1記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項3】
発振器信号が前記発振器信号ラインに供給され、ストローブ信号が前記第1の電極と前記第2の電極との間に電界を生成する、請求項2記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項4】
前記電界は、前記第2の電極から発して前記第1の電極に終端するアーク状の経路を有する、請求項3記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項5】
前記基板上に搭載され、前記第1の電極に接続された感知ラインを更に含む、請求項1記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項6】
前記タッチ・センサは、前記タッチ・センサの状態を示す検出信号を発生する、請求項5記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項7】
前記人間、金属又は液体が前記基板に接触するときに前記検出信号のレベルが変化する、請求項6記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項8】
前記基板は、ガラス、樹脂およびファイバグラスで強化されたエポキシ樹脂を含むグループから選ばれた材料でできている、請求項1記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項9】
前記第1の電極と第2の電極の間に一般に均一な幅を有するチャネルが位置する、請求項1記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項10】
複数の前記センサ電極が前記基板の前記第1の表面上に搭載される、請求項1記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項11】
人間による接触、金属又は液体による接触を検出して、制御デバイスを駆動できるEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置であって、
第1および第2の対向する表面を有する誘電体基板と、
前記基板上に、コンタクトの領域を提供する選ばれた導電性表面領域を有する閉じた連続的形状に搭載された第1の導電性電極と、
前記キャリア上に、前記第1の電極に対して間隔を置いて、選ばれた第2の電極の導電性表面領域を定義するように搭載された第2の導電性電極と、
を含み、
前記第1の電極の導電性表面領域は、前記第2の電極の導電性表面領域に本質的に等しく、
前記キャリア上に、前記第1および第2の電極に接近して搭載され、前記第1および第2の電極に電気的に接続された能動電気部品、
を含み、
人間、金属又は液体が前記基板に接触するときに前記制御デバイスを駆動する前記EMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項12】
前記基板の前記第1の表面がタッチしない表面であり、前記基板の前記第2の表面がタッチする表面である、請求項11記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項13】
前記基板の前記第1の表面は、前記第1の電極と前記第2の基板とを前記第1の電極と並べた形で搭載する、請求項11記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項14】
前記基板は、フレキシブルで、任意の三次元形状に合致するように適合した、請求項13記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項15】
前記基板上に前記第1および第2の電極に接近して搭載され、前記能動電気部品を介して前記第1および第2の電極に電気的に接続されることによって、前記基板との接触が前記制御デバイスを駆動することを可視表示する発光ダイオードを更に含む、請求項11記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項16】
前記基板の前記第1の表面上に搭載され、前記第1の電極と第2の電極との間に電気的に接続された少なくとも1つの抵抗を更に含む、請求項11記載のEMI耐性を持つ低インピーダンス・タッチ・センサ装置。
【請求項17】
人間が触れたことを検出して、制御デバイスを駆動する制御入力検出信号を発生できるセンサであって、
第1および第2の対向する表面を有する本質的に均一な厚さの誘電体基板と、
前記基板の前記第1の表面上の選ばれた領域を、人間が前記基板の第2の表面に接触した場所を本質的に覆うことのできる閉じた連続した形で覆う第1の導電性電極パッドと、
前記基板の前記第1の表面上の選ばれた領域を、前記第1の電極パッドに対して間隔を置いて本質的に取り囲む形で覆う第2の導電性電極と、
前記基板上に前記第1および第2の電極に接近して配置され、前記第1および第2の電極に電気的に接続されることによって前記基板の第2の表面に人間が接触するとき前記制御デバイスを駆動する能動電気部品と、
を含み、
前記基板の前記第1の表面に搭載された前記第1の薄い導電性の電極は、前記第2の導電性電極の表面領域に本質的に等しい表面領域を有する平衡パッド電極を含んでいる前記センサ。
【請求項18】
前記平衡パッド電極は、非導電性の誘電体材料のセグメントによって分離された複数の相互接続された導電性トレースを有する本質的に平坦な電極を含んでいる、請求項17記載のセンサ。
【請求項19】
前記平衡パッド電極は、本質的に矩形の導電性の周辺境界を有している、請求項18記載のセンサ。
【請求項20】
前記基板は、横切る方向の突出部を含む平坦な表面を含み、前記平衡パッド電極は、オフセットされ、前記横切る方向の突出部に搭載されており、前記第2の電極は、前記オフセットしたパッド電極に対して本質的に同心状に揃えられた前記基板の平坦な表面に搭載されている、請求項17記載のセンサ。
【請求項21】
人間が触れたことを検出し、制御デバイスを駆動する制御入力検出信号を発生できるセンサであって、
第1および第2の対向する表面を有する本質的に均一な厚さの誘電体基板と、
前記基板の前記第1の表面上の選ばれた領域を、人間が前記基板の第2の表面に接触する場所を本質的に覆うことのできる閉じた連続した形で覆う第1の導電性電極パッドと、
前記基板の前記第2の表面上の選ばれた領域を、平面図で眺めたときに前記第1の電極パッドに対して間隔を置いて本質的に取り囲む形で覆う第2の導電性電極と、
前記基板上に前記第1および第2の電極に接近して配置され、前記第1および第2の電極に電気的に接続されることによって前記基板の第2の表面に人間が接触するとき前記制御デバイスを駆動する能動電気部品と、
を含み、
前記第1の導電性電極パッドは、前記第2の導電性電極の表面領域に本質的に等しい表面領域を有する平衡パッド電極を含んでいる前記センサ。
【請求項22】
前記平衡パッド電極は、本質的に平坦な円形の導電性電極を含んでいる、請求項21記載のセンサ。
【請求項23】
前記第2の導電性電極は、本質的に平坦な導電性電極を取り囲む構造を含んでいる、請求項22記載のセンサ。
【請求項24】
前記第1の電極パッドは、並列で、細長く、本質的に平坦な導電性電極セグメントの第1のアレイを含み、該第1アレイのそれらは、すべて一端を第1の横切る導電性セグメントによって接続され、横方向には、細長い非導電性のセグメントによって分離されている、請求項21記載のセンサ。
【請求項25】
前記第2の導電性電極は、並列で、細長く、本質的に平坦な導電性電極セグメントの第2のアレイを含み、該第2のアレイは、すべて一端を第2の横切る導電性セグメントによって接続され、横方向には、細長い非導電性のセグメントによって分離されており、前記第2のアレイは、前記基板上で前記第1のアレイからオフセットされることによって、並列で、細長く、導電性の電極セグメントの前記第1のアレイが各々、前記第2のアレイの細長く、非導電性のセグメントと揃っている、請求項24記載のセンサ。
【請求項26】
タッチ・センサの電界効果信号を処理する方法であって、
(a)誘電体基板を提供する工程と、
(b)前記基板上の選ばれた表面領域を、閉じた連続した幾何学的形状で覆う第1の導電性電極パッドを提供する工程と、
(c)前記基板上の選ばれた表面領域を、前記第1の電極パッドに対して間隔を置いて覆う第2の導電性電極パッドを提供する工程であって、前記第1の導電性電極パッドが前記第2の導電性電極の表面領域と本質的に等しい前記工程と、
(d)前記第1の電極と前記第2の電極との間にアーク状の電界を生成する工程と、
(e)前記電界の変化を感知する工程と、
(f)前記第1の電極および前記第2の電極上の不要な又はEMI信号を感知する工程と、
(g)前記不要な又はEMI信号が前記第1および第2の電極の両方に現れるときに、前記不要な又はEMI信号を排除する工程と、
を含む前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−504740(P2008−504740A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518259(P2007−518259)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/022206
【国際公開番号】WO2006/012187
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(505287047)タッチセンサー テクノロジーズ,エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】