説明

GLKアクチベーターとして有用な新規結晶性化合物

本明細書には、3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドの新規な結晶形が記載されている。この化合物は、グルコキナーゼ(GLKまたはGK)アクチベーターであるので、GLKによって媒介される、インスリン分泌について減少したグルコース閾値をもたらす疾患または医学的状態の処置または予防における薬剤として有用である。また、該結晶形の製造方法、該結晶形を含む医薬組成物、および医学的処置における該結晶形の使用も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な結晶性化合物、より具体的には、以下、「作用物質(the Agent)」と称され且つ式(I)で示される3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドであって、グルコキナーゼ(GLKまたはGK)アクチベーターであるので、GLKによって媒介される疾患または医学的状態の処置または予防において薬剤として有用であり、結果としてインスリン分泌について減少したグルコース閾値をもたらす化合物の新規な結晶形に関する。本発明は、更に、当該結晶形の製造方法、当該結晶形を含む医薬組成物、および医学的処置における当該結晶形の使用に関する。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
国際特許出願PCT/GB2006/002471号(WO2007/007041号)は、2種類の異なった結晶形の作用物質を開示している(実施例39k)。一つは、アセトニトリルから結晶化して、108.5℃の融点(融解開始)を有した。この形を、以下、A形と称する。WO2007/007041号の176頁に記載された他の結晶形は、113.8℃の融点(融解開始)を有した。この形を、以下、A’形と称する。A形の製造は、以下の実施例にも記載される。A形およびA’形は、水溶液中で非晶形へと変換する。その非晶形は、A形へのいろいろな溶解プロフィールを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願PCT/GB2006/002471号(WO2007/007041号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水溶液中でいろいろな溶解性を有する他の形へと変換しない安定な結晶形は、医薬製剤に好適である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ここで、驚くべきことに、そして意外にも、A形およびA’形より有意に安定であり且つ水溶液中で他の形へと有意に変換しない作用物質の第二結晶形を発見した。作用物質のこの形を、以下、B形と称する。
【0007】
B形は、CuKa放射線を用いて測定した次の2シータ(2θ)値:24.6°および18.0°の少なくとも一つを提供することで特徴づけられる。
本発明により、約2θ=24.6°に少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0008】
本発明により、約2θ=18.0°に少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、約2θ=24.6°および18.0°に少なくとも二つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0009】
本発明により、約2θ=24.6°、18.0°および25.6°に少なくとも三つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、約2θ=24.6°、18.0°、25.6°および23.8°に少なくとも四つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0010】
本発明により、約2θ=24.6°、18.0°、25.6°、23.8°および11.5°に少なくとも五つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0011】
本発明により、約2θ=24.6°、18.0°、25.6°、23.8°、11.5°および9.1°に少なくとも六つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0012】
本発明により、約2θ=24.6°、18.0°、25.6°、23.8°、11.5°、9.1°、22.9°、15.9°、14.9°および22.0°に特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0013】
本発明により、図Aに示されるX線粉末回折図形と実質的に同じX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、2θ=24.6°プラスまたはマイナス0.5°2θに少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0014】
本発明により、2θ=18.0°プラスまたはマイナス0.5°2θに少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、2θ=24.6°および18.0°であって、これらの値はプラスまたはマイナス0.5°2θであってよい2θ値に少なくとも二つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0015】
本発明により、2θ=24.6°、18.0°、25.6°、23.8°、11.5°、9.1°、22.9°、15.9°、14.9°および22.0°であって、これらの値はプラスまたはマイナス0.5°2θであってよい2θ値に特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0016】
本発明により、2θ=24.6°に少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、2θ=18.0°に少なくとも一つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0017】
本発明により、2θ=24.6°および18.0°に少なくとも二つの特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
本発明により、2θ=24.6°、18.0°、25.6°、23.8°、11.5°、9.1°、22.9°、15.9°、14.9°および22.0°に特異的ピークを持つX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【0018】
本発明により、実質的に、図Aに示されるようなX線粉末回折図形を有する、作用物質の結晶形を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、化合物3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドのB形結晶のX線粉末回折図形を示す。
【図2】図2は、化合物3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドのB形結晶のDSCサーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
B形は、実質的に、図Aに示されるようなX線粉末回折図形を提供することで特性決定される。10個の最も顕著なピークを、表Aに示す。
【0021】
【表1】

【0022】
示差走査熱量測定(DSC)分析は、B形が、136.8℃に融解開始および142.5℃にピークを持つ高融点固体であることを示す(図B)。
本発明が、作用物質のB形の結晶形に関すると述べている場合、結晶化度は、好都合には、約60%より大である。より好都合には、それは、約80%より大である。具体的には、それは、約90%より大である。より具体的には、それは、約95%より大である。最も具体的には、結晶化度は、約98%より大である。
【0023】
B形(IPA形)は、図Aに示されるX線粉末回折図形と実質的に同じX線粉末回折図形を与え、そして実質的に、表Aに示される10個の最も顕著なピーク(角2θ値)を有する。X線粉末回折図形の2θ値は、機械毎にまたは試料毎に僅かに異なることがありうるので、引用される値は、絶対的なものとして解釈されるべきではないということは理解されるであろう。
【0024】
測定条件(用いられる装置または機械など)に依存して、一つまたはそれを超える測定誤差を有するX線粉末回折図形を得ることがありうるということは知られている。特に、一般に、X線粉末回折図形の強度は、測定条件に依存して変動することがありうるということが知られている。したがって、本発明のB形(IPA形)は、図Aに示されるX線粉末回折図形と同一のX線粉末回折図形を与える結晶に限定されないということ、および図Aに示されるものと実質的に同じX線粉末回折図形を与えるいかなる結晶も本発明の範囲に含まれるということが理解されるはずである。X線粉末回折の技術分野における当業者は、X線粉末回折図形の実質的同一性を判断することができる。
【0025】
X線粉末回折の技術分野における当業者は、ピークの相対強度が、例えば、30ミクロンより大きいサイズの粒子および非ユニタリアスペクト比(non-unitary aspect ratios)によって影響されることがあり、それが、試料の分析に影響するかもしれないということを理解するであろう。当業者は、更に、反射の位置が、回折計中の試料が位置する正確な高さおよび回折計のゼロ検定(zero calibration)によって影響されることがありうるということを理解するであろう。試料表面の平面状態も、僅かな影響を及ぼすことがありうる。したがって、示される回折図形データは、絶対値として解釈されるべきではない。(Jenkins, R & Snyder, R.L. ‘Introduction to X-Ray Powder Diffractometry’ John Wiley & Sons 1996; Bunn, C.W. (1948), Chemical Crystallography, Clarendon Press, London; Klug, H. P. & Alexander, L. E. (1974), X-Ray Diffraction Procedures)。
【0026】
概して、X線粉末回折における回折角の測定誤差は、約5%またはそれ未満、具体的には、プラスまたはマイナス0.5°2θであり、このような程度の測定誤差は、図AのX線粉末回折図形を考える場合および表Aを読み取る場合、考慮されるべきである。更に、強度は、実験条件および試料調製(好ましい配向)に依存してもしかしたら変動するかもしれないということは理解されるはずである。
【0027】
本明細書中の上に述べられたように、B形は、式(I)の化合物のA形よりも安定な形である。一定範囲の溶媒中のA形およびB形の競合的スラリーは、B形が最も安定な形であるということを示す。B形は、更に、はるかに高い融解吸熱量(melting endotherm)を有する。
【0028】
B形は、A形をイソプロパノール(プロパン−2−オール)中でスラリーにすることによって得ることができる。
したがって、本発明のもう一つの側面において、式(I)の化合物のB形の製造方法であって、イソプロパノール中の式(I)の化合物の飽和溶液から結晶を形成することを含む方法を提供する。
【0029】
その溶液の作用物質による飽和は、例えば、非晶形に関して溶液が飽和するまで、非晶形をナトリウム塩溶液に加えることを意味する。ひとたびB形の結晶化が開始したら、更に非晶形を加えて、飽和を維持する。
【0030】
本発明の方法は、好都合には、15〜45℃、より好都合には、周囲温度で行われる。
B形は、更に、A形の作用物質のイソプロパノール溶液またはスラリーに播種することによって、または非晶形の懸濁液を長時間撹拌することによって形成させることができる。
【0031】
本発明の化合物の有用性は、本明細書中に援用される国際特許出願公開WO03/015774号に記載のものを含めた、標準試験および臨床研究によって立証することができる。
【0032】
本発明のもう一つの特徴は、B形の作用物質を、薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成物である。
本発明の別の側面により、薬剤として用いるための、B形の作用物質の使用を提供する。
【0033】
本発明の別の側面により、GLKによって媒介される疾患、具体的には、2型糖尿病の処置用の薬剤として用いるための、B形の作用物質を提供する。
更に、本発明により、GLKによって媒介される疾患、具体的には、2型糖尿病の処置用の薬剤の製造における、B形の作用物質の使用を提供する。
【0034】
その化合物は、好適には、この方法で用いるための医薬組成物として製剤化される。
本発明の別の側面により、GLKで媒介される疾患、特に、糖尿病を処置する方法であって、このような処置を必要としている哺乳動物に、有効量のB形の作用物質を投与することによる方法を提供する。
【0035】
本発明の化合物または組成物によって処置することができる具体的な疾患には、低血糖症の重篤なリスクを伴わない(1型を処置する可能性がある)2型真性糖尿病における血中グルコース低下、脂質異常症、肥満症、インスリン抵抗性、代謝症候群X、耐糖能異常(impaired glucose tolerance)が含まれる。
【0036】
GLK/GLKRPシステムは、(糖尿病および肥満症双方に利点を有する)可能性のある「Diabesity」標的として記述することができる。したがって、本発明の別の側面により、組合せ処置または予防、具体的には、糖尿病および肥満症の処置に用いるための薬剤の製造における、B形の作用物質の使用を提供する。
【0037】
本発明の別の側面により、処置または予防、具体的には、肥満症の処置に用いるための薬剤の製造における、B形の作用物質の使用を提供する。
本発明の別の側面により、処置または予防、具体的には、肥満症の処置用の薬剤として用いるための、B形の作用物質を提供する。
【0038】
本発明のもう一つの側面により、肥満症および糖尿病の組合せ処置の方法であって、このような処置を必要としている哺乳動物に、有効量のB形の作用物質を投与することによる方法を提供する。
【0039】
本発明のもう一つの側面により、肥満症の処置方法であって、このような処置を必要としている哺乳動物に、有効量のB形の作用物質を投与することによる方法を提供する。
本発明の組成物は、経口使用に(例えば、錠剤、ロゼンジ(lozenges)、硬または軟カプセル剤、水性もしくは油状の懸濁剤、エマルジョン、分散性散剤もしくは顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所使用に(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性または油状の液剤または懸濁剤として)、吸入による投与用に(例えば、微粉または液状エーロゾルとして)、吹入(insufflation)による投与用に(例えば、微粉として)または非経口投与用に(例えば、静脈内、皮下、筋肉内または筋肉内投与用の滅菌水性または油状の液剤として、または直腸投与用の坐剤として)適する形であってよい。経口使用に適する剤形が好ましい。
【0040】
本発明のそれら組成物は、当該技術分野において周知の慣用的な医薬賦形剤を用いて、慣用法によって得ることができる。したがって、経口使用を予定した組成物は、例えば、一つまたはそれを超える着色剤、甘味剤、着香剤および/または保存剤を含有してもよい。
【0041】
錠剤製剤に適する薬学的に許容しうる賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなどの不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルゲン酸(algenic acid)などの造粒剤および崩壊剤;デンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなどの保存剤;およびアスコルビン酸などの酸化防止剤が含まれる。錠剤製剤は、未コーティングであってよいし、またはそれらの崩壊およびその後の胃腸管内での活性成分吸収を加減するようにかまたは、それらの安定性および/または外観を改善するように、どちらの場合も、当該技術分野において周知の慣用的なコーティング剤および手順を用いてコーティングされていてよい。
【0042】
経口使用のための組成物は、その活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されているゼラチン硬カプセル剤の形であってもよいし、または活性成分が、水またはラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油などの油と混合されているゼラチン軟カプセル剤としてもよい。
【0043】
水性懸濁剤は、一般に、微粉の形の活性成分を、一つまたはそれを超える懸濁化剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴム);分散助剤または湿潤剤(例えば、レシチン);または脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアラート);または長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール);またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレアートのような、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物;または脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアート)などのものと一緒に含有する。また、それら水性懸濁剤は、一つまたはそれを超える保存剤(p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなど)、酸化防止剤(アスコルビン酸など)、着色剤、着香剤および/または甘味剤(スクロース、サッカリンまたはアスパルテームなど)を含有してもよい。
【0044】
油状懸濁剤は、活性成分を、植物油(ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはヤシ油など)中にまたは鉱油(流動パラフィンなど)中に懸濁させることによって製剤化することができる。また、それら油状懸濁剤は、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤を含有してもよい。着香剤および上記のものなどの甘味剤を加えて、口当たりのよい経口製剤を提供することができる。これら組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存することができる。
【0045】
水の添加による水性懸濁液の製造に適する分散性散剤および顆粒剤は、一般に、活性成分を、分散助剤または湿潤剤、懸濁化剤および一つまたはそれを超える保存剤と一緒に含有する。適する分散助剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上に既述されたものによって例示される。また、甘味剤、着香剤および着色剤などの追加の賦形剤も存在してよい。
【0046】
本発明の医薬組成物は、水中油エマルジョンの形であってもよい。その油状相は、オリーブ油またはラッカセイ油などの植物油、または例えば、流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらのいずれかの混合物であってよい。適する乳化剤は、例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然に存在するガム;ダイズ、レシチンなどの天然に存在するホスファチド;脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート);およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのような、エチレンオキシドとこれら部分エステルの縮合生成物であってよい。それらエマルジョンは、甘味剤、着香剤および保存剤を含有してもよい。
【0047】
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロースなどの甘味剤と一緒に製剤化することができるし、そして更に、粘滑剤(demulcent)、保存剤、着香剤および/または着色剤を含有してもよい。
【0048】
それら医薬組成物は、滅菌注射可能な水性または油状懸濁剤の形であってもよく、それは、既知の手順にしたがって、上に言及してきた一つまたはそれを超える適当な分散助剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて製剤化することができる。滅菌注射可能製剤は、無毒性の非経口的に許容しうる希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。
【0049】
吸入による投与用の組成物は、微粉固体を含有するエーロゾルかまたは液体粒子として活性成分を調合するように配置された従来の加圧エーロゾルの形であってよい。揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素などの慣用的なエーロゾル噴射剤を用いることができ、エーロゾル装置は、好都合には、一定計量の活性成分を調合するように配置される。
【0050】
製剤に関する追加の情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990 の Volume 5 における Chapter 25.2を参照されたい。
【0051】
一つまたはそれを超える賦形剤と混合されて単一剤形を生じる活性成分の量は、処置される宿主および具体的な投与経路に依って必然的に異なるであろう。例えば、ヒトへの経口投与を予定した製剤は、一般に、例えば、全組成物の約5〜約98重量%であってよい適当且つ好都合な量の賦形剤と配合された0.5mg〜2gの活性剤を含有するであろう。単位剤形は、一般に、約1mg〜約500mgの活性成分を含有するであろう。投与経路および投薬計画に関する追加の情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry (Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990 の Volume 5 における Chapter 25.3 を参照されたい。
【0052】
化合物の治療または予防目的のための用量サイズは、周知の医学慣例にしたがって、病気の性状および重症度、動物または患者の年齢および性別、および投与経路によって当然異なるであろう。
【0053】
治療または予防目的にB形の化合物を用いる場合、それは、一般に、必要ならば分割用量で与えられる、例えば、0.5mg〜75mg/kg体重の範囲内の1日投与量が与えられるように投与されるであろう。非経口経路が用いられる場合、一般に、より低い用量が投与されるであろう。したがって、例えば、静脈内投与には、一般に、例えば、0.5mg〜30mg/kg体重の範囲内の投与量が用いられるであろう。同様に、吸入による投与には、例えば、0.5mg〜25mg/kg体重の範囲内の投与量が用いられるであろう。しかしながら、経口投与が好適である。
【0054】
次の非制限実施例において、特に断らない限り、
(i)蒸発は、ロータリーエバポレーションによって真空中で行い、処理手順は、濾過による乾燥剤などの残留固体の除去後に行った;
(ii)操作は、室温で、すなわち、18〜25℃の範囲内で、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスの雰囲気下で行った;
(iii)収率は、単に例示のためにのみ与えられ、必ずしも、達成しうる最大値ではない;
(iv)式(I)の最終生成物の構造は、特に断らない限り、300MHz(一般に、Varian Gemini 2000を用いる)または400MHz(一般に、Bruker Avance DPX400を用いる)の磁場強度(プロトンについて)を有する核(一般に、プロトン)磁気共鳴(NMR)と、質量スペクトル技術によって確認した;プロトン磁気共鳴化学シフト値は、δスケールで測定したが、ピーク多重度は、次のように示されている。すなわち、s,一重線;d,二重線;t,三重線;m,多重線;br,幅広;q,四重線;quin,五重線。
【0055】
(v)クロマトグラフィーによる精製は、一般に、特に断らない限り、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーを意味する。カラムクロマトグラフィーは、一般に、RedisepTM(例えば、Presearch Ltd, Hitchin, Herts, UK より入手可能)または Biotage(Biotage UK Ltd, Hertford, Herts, UK)などの予め充填されたシリカカートリッジ(4g〜400gまで)を用いて行い、ポンプおよびフラクションコレクターシステムを用いて溶離した。固相抽出(SPE)法による精製は、一般に、ISOLUTE(登録商標)SCX−2カラム(例えば、International Sorbent Technology Ltd, Dryffryn Business Park, Hengoed, Mid Glamorgan, UK より入手可能)などのSPE材料を充填したクロマトグラフィーカートリッジの使用を意味する;
(iv)融点は、一般に、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。DSCの開始温度および/またはピーク温度値は、機械毎に、方法毎に、または試料毎に僅かに異なることがありうるので、引用される値は、絶対的なものとして解釈されるべきではないということは理解されるであろう。若干の試料は、溶媒和化合物でありうるということ、そしてこれも融点に影響することがありうるということは認めて頂けるであろう。
【0056】
略語
DCM ジクロロメタン
DSC 示差走査熱量測定
XRPD X線粉末回折
【実施例】
【0057】
実施例1
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミド−B形の製造
A形のX線粉末回折スペクトルは、その物質が結晶性であることを示した。この物質は、108.5℃(開始)の融点を有した。第二結晶形であるB形を製造するために、200mgの物質を、マグネチックフリー(magnetic flea)を含むバイアル中に入れ、2mlのイソプロパノール(IPA)を加えた。次に、そのバイアルをキャップで密封した。次に、そのスラリーを、マグネチックプレート上において周囲温度(25℃)で撹拌させた。3日後、試料をプレートから外し、キャップを取り去り、そしてスラリーを周囲条件下で乾燥させた後、それを、XRPDおよびDSCで分析した。この形(B形)を、XRPDによって結晶性であると決定し、A形とは異なることを認めた。この物質(B形)は、136.8℃(開始)の融点を有した。
【0058】
A形は、PCT/GB2006/002471号(WO2007/007041号)に記載のように、または次のように製造することができる。
3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミド−A形
【0059】
【化2】

【0060】
3−[(3−ヒドロキシ−5−プロパン−2−イルオキシベンゾイル)アミノ]ピラゾール−1−カルボン酸 tert−ブチル(56.3g)を、アセトニトリル(500ml)中に溶解させ、3Lの固定容器に入れた。炭酸カリウム(325メッシュ,64.5g)を加えた後、アゼチジン−1−イル−(5−クロロピラジン−2−イル)メタノン(33.5g)をアセトニトリルチャージウォッシュ(acetonitrile charge wash)(100ml)と一緒に加えた。その混合物を、急速撹拌し、窒素下で60℃に加温した。追加のアセトニトリル(250ml)を加え、その混合物を60℃で20時間撹拌した。
【0061】
室温に冷却後、炭酸カリウムを濾去し、濾液を真空下で濃縮して、アセトニトリルを除去した。残留溶液を、水(1500ml)中に撹拌しながら注ぎ、沈殿した固体を濾去した。その固体を、ジクロロメタン(560ml)中に溶解させ、1:1のブライン/飽和炭酸水素ナトリウム(2x500ml)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。トリフルオロ酢酸(100ml)を加え、その溶液を室温で20時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、トルエンと共沸させた。残留物を、酢酸エチル(500ml)中に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム(2x500ml)、ブライン(500ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、ロウ質固体(64g)を残した。これを、45℃において酢酸エチル(200ml)で2時間粉末化した。固体を濾去し、酢酸エチルで洗浄し、真空オーブン中において40℃で一晩乾燥させて、固体(52g)を残した。粗製固体を、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中の2%アンモニアを含有するメタノール(0.5〜6.5%)で溶離して精製して、標題化合物(48.4g)を与えた。
【0062】
その固体を、還流している酢酸エチル(900ml)中に溶解させた。少量の未溶解の無関係な物質が残った。その溶液を、熱い内に濾過し、60℃に冷却し、イソヘキサン(250ml)を滴加した(添加の最後に濁りが残った)。そのスラリーを、20℃に約1時間にわたって冷却後、室温で20時間撹拌した。スラリーを濾過し、イソヘキサン(2x200ml)で洗浄した。固体を、真空オーブン中において60℃で24時間乾燥させて、標題化合物をA形(33.1g)として与えた。
【0063】
1 H NMR δ (400 MHz, CDCl3) 1.36 (6H, d), 2.34 - 2.42 (2H, m), 4.25 (2H, t), 4.55 - 4.61 (1H, m), 4.68 (2H, t), 6.83 (1H, d), 7.25 (1H, t), 7.33 - 7.34 (1H, m), 7.39 (1H, d), 8.37 (1H, d), 8.80 (1H, d), 10.42 (1H, s)。
【0064】
B形も、同様に、A形の代わりにA’形を用いて製造することができる。
出発物質は、次のように製造した。
3−[(3−フェニルメトキシ−5−プロパン−2−イルオキシベンゾイル)アミノ]ピラゾール−1−カルボン酸 tert−ブチル
【0065】
【化3】

【0066】
ジクロロメタン(125ml)中の塩化オキサリル(76ml)の溶液を、ジクロロメタン(300ml)中の3−フェニルメトキシ−5−プロパン−2−イルオキシ安息香酸(CAS no.852520−53−7)(50g)およびジメチルホルムアミド(1ml)のスラリーに滴加した。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、トルエン(200ml)と共沸させた。残留物を、乾燥ピリジン(100ml)中に溶解させた。その混合物を、窒素下の乾燥ピリジン(325ml)中の3−アミノピラゾール−1−カルボン酸 tert−ブチル(CAS no.863504−84−1)(38.4g)の混合物に5分間にわたって徐々に加えた。その混合物を、室温で1時間撹拌し、溶媒を真空下で除去し、トルエンと共沸させた。残留物を、ジクロロメタン(500ml)と水(500ml)とに分配し、そして有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム(500ml)およびブライン(500ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮し、トルエンと2回共沸させて、残留物を残し、それを、フラッシュクロマトグラフィーにより、イソヘキサン中の25〜50%酢酸エチル(25〜50%)で溶離して精製して、標題化合物(76.4g)を与えた。
【0067】
3−[(3−ヒドロキシ−5−プロパン−2−イルオキシベンゾイル)アミノ]ピラゾール−1−カルボン酸 tert−ブチル
【0068】
【化4】

【0069】
メタノール(764ml)中の3−[(3−フェニルメトキシ−5−プロパン−2−イルオキシベンゾイル)アミノ]ピラゾール−1−カルボン酸 tert−ブチル(76.4g)の溶液に、10%炭素上パラジウム(7.6g)を加え、得られた混合物を、水素雰囲気下において5barの圧力で20時間撹拌した。触媒を、Celite を介する濾過によって除去した。濾液を真空下で濃縮して、固体(66g)を残した。これを、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより、イソヘキサン中の酢酸エチル(10〜70%)で溶離して精製して、標題化合物(56.4g)を生じた。
【0070】
5−クロロピラジン−2−カルボン酸
【0071】
【化5】

【0072】
5−クロロピラジン−2−カルボン酸メチル(CAS no.33332−25−1)(345.1g)を、DMF(1.73リットル)中に溶解させた。塩化リチウム(423.9g)を加え、その混合物を140℃に1時間にわたって加熱した。混合物を蒸発させ、そして残留物を、水(3.4リットル)中に、継続撹拌することで溶解させた。その溶液を、2N HCl(900ml)の添加によって酸性にし、酢酸エチル(5x1.73リットル)中に抽出した。合わせた有機抽出物を、水(2x900ml)、ブライン(900ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、標題化合物(298.1g)を生じた。
【0073】
1 H NMR δ (400.132 MHz, DMSO) 8.92 (d, 1H), 9.02 (d, 1H), 13.87 (s, 1H)。
アゼチジン−1−イル−(5−クロロピラジン−2−イル)メタノン
【0074】
【化6】

【0075】
5−クロロピラジン−2−カルボン酸(277.4g)を、ジクロロメタン(3.1リットル)中の塩化オキサリル(186.5ml)の溶液に加え、得られた混合物を3時間撹拌した。残留物を、DCM(6.2リットル)中に溶解させ、濾過し、そしてDCM(3.1リットル)中のアゼチジン塩酸塩(CAS no.36520−39−5)(180g)およびトリエチルアミン(560ml)の溶液に加えた。その混合物を10分間撹拌し、溶媒を蒸発によって除去した。残留物を、酢酸エチル(3.1リットル)と水(3.1リットル)とに分配し、酢酸エチル(2x800ml)中に更に抽出した。合わせた有機抽出物を、水(3リットル)、ブライン(3リットル)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残留物を、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより、イソヘキサン中の50%酢酸エチルで溶離して精製して、生成物(210g)を生じた。
【0076】
1 H NMR δ (400 MHz, DMSO) 2.27 - 2.34 (m, 2H), 4.11 (t, 2H), 4.54 (t, 2H), 8.83 (d, 1H), 8.92 (d, 1H);
m/z 198(M+H)
【0077】
播種によるB形の製造
A形の試料(3.9g,9.3mmol)に、イソプロパノール(3mL)を加えた。予め製造されたB形の種結晶の試料(20mg)を加え、得られたスラリーを、室温で3日間撹拌した。固体を濾過によって単離し、真空下で乾燥させた(3.31g,85%)。DSCは、融点136.4(開始)の新しい形への完全変換を示した。
【0078】
1 H NMR δ (400 MHz, CDCl3) 1.36 (6H, d), 2.34 - 2.42 (2H, m), 4.25 (2H, t), 4.55 - 4.61 (1H, m), 4.68 (2H, t), 6.83 (1H, d), 7.25 (1H, t), 7.33 - 7.34 (1H, m), 7.39 (1H, d), 8.37 (1H, d), 8.80 (1H, d), 10.42 (1H, s)。
【0079】
B形のX線粉末回折
【0080】
【表2】

【0081】
分析機器:Siemens D5000。X線粉末回折スペクトルは、Siemens 単シリコン結晶(SSC)ウェファーマウント上に結晶質の試料を載せ、そしてその試料を、顕微鏡スライドによって広げて薄層にすることによって決定した。その試料を、(計数統計量を改善するために)30回毎分で回転させ、そして40kVおよび40mAにおいて1.5406Åの波長で操作する銅ロングファインフォーカス管(copper long-fine focus tube)によって発生するX線で照射した。平行X線源を、V20で設定された自動可変発散スリットを介して通過させ、そして反射放射線を、2mm散乱防止スリットおよび0.2mm検出器スリットを介して方向づけた。試料は、θ−θモードにおいて2°2θ〜40°2θの範囲にわたって、0.02°2θ増分につき1秒間暴露した(連続走査モード)。運転時間は、31分41秒であった。機器には、シンチレーション計数計を検出器として装備した。対照およびデータ捕捉は、Diffract+ソフトウェアで操作する Dell Optiplex 686NT4.0 Workstation によった。X線粉末回折の技術分野における当業者は、ピークの相対強度が、例えば、30ミクロンより大きいサイズの粒子および非ユニタリアスペクト比によって影響されることがあり、それが、試料の分析に影響するかもしれないということを十分に理解するであろう。当業者は、更に、反射の位置が、回折計中の試料が位置する正確な高さおよび回折計のゼロ検定によって影響されることがありうるということを十分に理解するであろう。試料表面の平面状態も、僅かな作用を有することがありうる。したがって、示される回折図形データは、絶対値として解釈されるべきではない。
【0082】
示差走査熱量測定
分析機器:Mettler DSC820e。典型的に、孔付き蓋を装着した40μlアルミニウム製パン中に入った5mg未満の物質を、10℃/分の一定加熱速度で25℃〜325℃の温度範囲にわたって加熱した。窒素を用いたパージガスを、100ml/分の流速で用いた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドの結晶形であって、CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°および18.0°の少なくとも一つにピークを持つX線粉末回折図形を有する結晶形。
【請求項2】
CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°および18.0°にピークを持つX線粉末回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°、18.0°および25.6°にピークを持つX線粉末回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項4】
CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°、18.0°、25.6°および23.8°にピークを持つX線粉末回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項5】
CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°、18.0°、25.6°、23.8°および11.5°にピークを持つX線粉末回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項6】
CuKa放射線を用いて測定した次の2θ値:24.6°、18.0°、25.6°、23.8°、11.5°および9.1°にピークを持つX線粉末回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項7】
図Aに示されるX線回折図形と実質的に同じX線回折図形を有する、請求項1に記載の結晶形。
【請求項8】
化合物3−{[5−(アゼチジン−1−イルカルボニル)ピラジン−2−イル]オキシ}−5−[(1−メチルエチル)オキシ]−N−1H−ピラゾール−3−イルベンズアミドの結晶形であって、約136.8℃(開始)の融点を有する結晶形。
【請求項9】
医薬組成物であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の結晶形を、薬学的に許容しうる担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の結晶形の形成方法であって、イソプロパノール中のA形またはA’形の溶液からの形成方法。
【請求項11】
薬剤として用いるための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
薬剤が、GLKによって媒介される疾患、特に、2型糖尿病の処置用の薬剤である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
GLKによって媒介される疾患の処置用の薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
2型糖尿病の処置用の薬剤の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
GLKによって媒介される疾患を処置する方法であって、このような処置を必要としている哺乳動物に、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を投与することによる方法。
【請求項16】
GLKによって媒介される疾患が、2型糖尿病である、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−513445(P2010−513445A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542221(P2009−542221)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004925
【国際公開番号】WO2008/075073
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】